液晶媒体および液晶ディスプレイ
【課題】液晶媒体および液晶ディスプレイを提供する。
【解決手段】本発明は、式（Ｉ）の誘電的に正の化合物を含む誘電的に正の成分である成分Ａと、任意成分として、３より大きい誘電異方性を有する１種類以上の誘電的に正の化合物を含む第２の誘電的に正の成分である成分Ｂと、任意成分として、誘電的に中性の成分である成分Ｃとを含む誘電的に正の液晶媒体、前記媒体を含有する液晶ディスプレイ、特に、アクティブマトリクスディスプレイ、および特には、ＴＮ、ＩＰＳおよびＦＦＳディスプレイに関する。
【化】
（式中、パラメータは明細書中で示される意味を有する。）
【解決手段】本発明は、式（Ｉ）の誘電的に正の化合物を含む誘電的に正の成分である成分Ａと、任意成分として、３より大きい誘電異方性を有する１種類以上の誘電的に正の化合物を含む第２の誘電的に正の成分である成分Ｂと、任意成分として、誘電的に中性の成分である成分Ｃとを含む誘電的に正の液晶媒体、前記媒体を含有する液晶ディスプレイ、特に、アクティブマトリクスディスプレイ、および特には、ＴＮ、ＩＰＳおよびＦＦＳディスプレイに関する。
【化】
（式中、パラメータは明細書中で示される意味を有する。）
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は液晶媒体およびこれらの媒体を含有する液晶ディスプレイ、特に、アクティブマトリクスによりアドレスされるディスプレイ、特には、ツイストネマチック（ＴＮ：Ｔｗｉｓｔｅｄ Ｎｅｍａｔｉｃ）、インプレーンスイッチング（ＩＰＳ：Ｉｎ Ｐｌａｎｅ Ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ）またはフリンジ−フィールドスイッチング（ＦＦＳ：Ｆｒｉｎｇｅ Ｆｉｅｌｄ Ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ）型のディスプレイに関する。
【背景技術】
【０００２】
液晶ディスプレイ（ＬＣＤ：Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ）は、情報を表示するために多くの分野で使用されている。ＬＣＤは、直視ディスプレイ用および投射型ディスプレイ用の両者で使用されている。使用される電気光学的モードは、例えば、ツイストネマチック（ＴＮ：Ｔｗｉｓｔｅｄ Ｎｅｍａｔｉｃ）、スーパーツイストネマチック（ＳＴＮ：Ｓｕｐｅｒ Ｔｗｉｓｔｅｄ Ｎｅｍａｔｉｃ）、光学補償ベンド（ＯＣＢ：Ｏｐｔｉｃａｌｌｙ Ｃｏｍｐｅｎｓａｔｅｄ Ｂｅｎｄ）および電気制御複屈折（ＥＣＢ：Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｄ Ｂｉｒｅｆｒｉｎｇｅｎｃｅ）モード、それらの種々の変法と共に、ならびにその他である。これらのモードは全て、基体または液晶層に実質的に垂直な電界を使用する。これらのモードに加え、基体または液晶層に実質的に平行な電界を用いる電気光学的モード、例えば、インプレーンスイッチング（ＩＰＳ：Ｉｎ Ｐｌａｎｅ Ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ）モード（例えば、ドイツ国特許第４０ ００ ４５１号明細書（特許文献１）および欧州特許第０ ５８８ ５６８号明細書（特許文献２）に開示されている通り）およびフリンジフィールドスイッチング（ＦＦＳ：Ｆｒｉｎｇｅ Ｆｉｅｌｄ Ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ）モードで、強力な「フリンジ場」が存在し、即ち、電極のエッジ近傍に強力な電界が存在し、セル全体にわたっては、強力な垂直成分および強力な水平成分の両者を有する電界が存在するモードなどがある。特に、これら後者２つの電気光学的モードは、最新のデスクトップモニター中のＬＣＤ用に使用され、テレビセットおよびマルチメディア用途向けディスプレイ中で使用されることが意図されている。本発明による液晶は、好ましくは、この型のディスプレイ中で使用される。一般に、かなり低い誘電異方性の値を有する誘電的に正の液晶媒体がＦＦＳディスプレイ中で使用されるが、場合によっては、僅かに３程度または更に低い誘電異方性を有する液晶媒体でさえもＩＰＳディスプレイ中で使用されている。
【０００３】
これらのディスプレイには、改良された特性を有する新規な液晶媒体が求められている。特に、応答時間が、多くのタイプの用途のために改良されなければならない。よって、より低い粘度（η）、特に、より低い回転粘度（γ１）を有する液晶媒体が求められている。回転粘度は８０ｍＰａ・ｓ以下、好ましくは６０ｍＰａ・ｓ以下、特には５５ｍＰａ・ｓ以下でなければならない。このパラメータに加えて、媒体は適切な幅および値のネマチック相範囲および適当な複屈折（Δｎ）を有していなければならず、誘電異方性（Δε）は適度に低い動作電圧を可能とするために十分高くなければならない。Δεは、好ましくは、３より大きくなければならず、非常に好ましくは４より大きいが、好ましくは１５以下、特には１２以下であり、このようにすることで抵抗が高くなることが少なくともある程度は妨げられる。
【０００４】
本発明によるディスプレイは、好ましくは、アクティブマトリクス（Ａｃｔｉｖｅ Ｍａｔｒｉｘ ＬＣＤ、略してＡＭＤ）、好ましくは、薄膜トランジスタ（ＴＦＴ：Ｔｈｉｎ Ｆｉｌｍ Ｔｒａｎｓｉｓｔｏｒ）マトリクスによりアドレスされる。しかしながら、本発明による液晶は、他の既知のアドレス手段を有するディスプレイ中においても有益に使用できる。
【０００５】
重合性材料と共に低分子量の液晶材料の複合系を使用する多数の異なるディスプレイモードが存在する。例えば、国際特許出願公開第９１／０５ ０２９号パンフレット（特許文献３）中で開示される通り、例えば、ポリマー分散液晶（ＰＤＬＣ：Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｄｉｓｐｅｒｓｅｄ Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ）、ネマチック曲線配向相（ＮＣＡＰ：Ｎｅｍａｔｉｃ Ｃｕｒｖｉｌｉｎｅａｒｌｙ Ａｌｉｇｎｅｄ Ｐｈａｓｅ）およびポリマーネットワーク（ＰＮ：Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｎｅｔｗｏｒｋ）系、または、軸対称微小領域（ＡＳＭ：Ａｘｉａｌｌｙ Ｓｙｍｍｅｔｒｉｃ Ｍｉｃｒｏｄｏｍａｉｎ）系およびその他がある。これらとは対照的に、本発明による特に好ましいモードは、表面上で配向されたそのままの液晶媒体を使用する。これらの表面は、液晶材料の均一な配向を達成するため、典型的には予め処理される。本発明によるディスプレイモードは、好ましくは、複合層に実質的に平行な電界を使用する。
【０００６】
ＬＣＤおよび特にはＩＰＳディスプレイに適切な液晶組成物は、例えば、特開平０７−１８１４３９号公報（特許文献４）、欧州特許第０ ６６７ ５５５号明細書（特許文献５）、欧州特許第０ ６７３ ９８６号明細書（特許文献６）、ドイツ国特許第１９５ ０９ ４１０号明細書（特許文献７）、ドイツ国特許第１９５ ２８ １０６号明細書（特許文献８）、ドイツ国特許第１９５ ２８ １０７号明細書（特許文献９）、国際特許出願公開第９６／２３ ８５１号パンフレット（特許文献１０）および国際特許出願公開第９６／２８ ５２１号パンフレット（特許文献１１）より既知である。しかしながら、これらの組成物は顕著な不具合を有している。他の欠陥の中でも、それらの殆どは好ましくない長い応答時間を結果としてもたらし、不十分な抵抗値を有し、および／または過度に高い動作電圧を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】ドイツ国特許第４０ ００ ４５１号明細書
【特許文献２】欧州特許第０ ５８８ ５６８号明細書
【特許文献３】国際特許出願公開第９１／０５ ０２９号パンフレット
【特許文献４】特開平０７−１８１４３９号公報
【特許文献５】欧州特許第０ ６６７ ５５５号明細書
【特許文献６】欧州特許第０ ６７３ ９８６号明細書
【特許文献７】ドイツ国特許第１９５ ０９ ４１０号明細書
【特許文献８】ドイツ国特許第１９５ ２８ １０６号明細書
【特許文献９】ドイツ国特許第１９５ ２８ １０７号明細書
【特許文献１０】国際特許出願公開第９６／２３ ８５１号パンフレット
【特許文献１１】国際特許出願公開第９６／２８ ５２１号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
よって、広いネマチック相範囲、使用されるディスプレイのモードに対応する適切な光学異方性Δｎ、高いΔεおよび特に低い粘度などの実用的な用途のために適切な特性を有する液晶媒体に対する多大な要求がある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
ここで驚くべきことに、適切に高いΔε、適切な相範囲およびΔｎを有する液晶媒体を実現できることが見出され、その媒体は先行技術からの材料の不具合を示さないか、または少なくとも格別により小さな程度にしか示さない。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
これらの改良された本出願による液晶媒体は、少なくとも以下の成分を含む。
【００１１】
・式Ｉの１種類以上の誘電的に正の化合物を含む第１の誘電的に正の成分である成分Ａ。
【００１２】
【化１】
式中、
Ｒ１は、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニル、好ましくは、アルキルまたはアルケニルを表し、
Ｘ１は、−ＣＮ、ハロゲン、１〜３個のＣ原子を有するハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アルコキシ、または２個または３個のＣ原子を有するハロゲン化アルケニルまたはハロゲン化アルケニルオキシ、好ましくは、Ｆ、Ｃｌ、−ＯＣＦ３、−ＣＦ３または−Ｏ−ＣＨ＝ＣＦ２、より好ましくは、Ｆ、Ｃｌまたは−ＯＣＦ３、非常に好ましくは、Ｆを表し、
Ｙ１は、＝Ｎ−、＝（ＣＨ）−または＝（ＣＦ）−を表し、
【００１３】
【化２】
好ましくは、
【００１４】
【化３】
【００１５】
【化４】
Ｚ１１〜Ｚ１３は、互いに独立に、および、Ｚ１１および／またはＺ１３が１回より多く存在する場合は、また、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＦ２ＣＦ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−または単結合、好ましくは、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−または単結合、非常に好ましくは、単結合を表し、
Ｌ１１〜Ｌ１４は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、好ましくは、Ｌ１１〜Ｌ１４の２つ以上がＦを表し、好ましくは、Ｌ１１および／またはＬ１３がＦを表し、非常に好ましくは、それらの全てがＦを表し、および
ｊおよびｋは、互いに独立に、０、１または２を表し、ただし、
（ｊ＋ｋ）は、０、１または２、好ましくは、０または１を表す。
【００１６】
・任意成分として、好ましくは、式ＩＩおよびＩＩＩの化合物群より選択され、好ましくは、３より大きい誘電異方性を有している１種類以上の誘電的に正の化合物を含む第２の誘電的に正の成分である成分Ｂ。
【００１７】
【化５】
式中、
Ｒ２およびＲ３は、互いに独立に、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニルを表し、および、Ｒ２およびＲ３は、好ましくは、アルキルまたはアルケニルを表し、
【００１８】
【化６】
好ましくは、
【００１９】
【化７】
Ｌ２１、Ｌ２２、Ｌ３１およびＬ３２は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ２１および／またはＬ３１は、好ましくは、Ｆを表し、
Ｘ２およびＸ３は、互いに独立に、ハロゲン、１〜３個のＣ原子を有するハロゲン化アルキルまたはアルコキシ、または２個または３個のＣ原子を有するハロゲン化アルケニルまたはアルケニルオキシ、好ましくは、Ｆ、Ｃｌ、−ＯＣＦ３または−ＣＦ３、非常に好ましくは、Ｆ、Ｃｌまたは−ＯＣＦ３を表し、
Ｚ３は、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＦ２ＣＦ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−または単結合、好ましくは、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−または単結合、非常に好ましくは、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−または単結合を表し、および
ｌ、ｍ、ｎおよびｏは、互いに独立に、０または１を表す。
【００２０】
・任意成分として、式ＩＶの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含む誘電的に中性の成分である成分Ｃ。
【００２１】
【化８】
式中、
Ｒ４１およびＲ４２は、互いに独立に、式ＩＩにおいてＲ２に上で示される意味を有し、好ましくは、Ｒ４１がアルキルを表し、Ｒ４２がアルキルまたはアルコキシを表すか、またはＲ４１がアルケニルを表し、Ｒ４２がアルキルを表し、
【００２２】
【化９】
【００２３】
【化１０】
Ｚ４１およびＺ４２は、互いに独立に、およびＺ４１が２回出現する場合、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−、−Ｃ≡Ｃ−または単結合を表し、好ましくは、それらの１つ以上は単結合を表し、および
ｐは、０、１または２を表し、好ましくは、０または１である。
【００２４】
成分Ａは、好ましくは、３より大きい誘電異方性を有し、パラメータが式Ｉにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆを表す式Ｉの１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００２５】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’、Ｉ”およびＩ’”の１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００２６】
【化１１】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示される意味を有する。
【００２７】
本発明の第一に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’の１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００２８】
本発明の更に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ”の１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００２９】
本発明のより更に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’の１種類以上の誘電的に正の化合物と、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ”の１種類以上の誘電的に正の化合物とを含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００３０】
本発明の非常に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’Ａ、Ｉ’ＢおよびＩ’Ｃの化合物群より選択され、好ましくは、式Ｉ’Ａの１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００３１】
【化１２】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示される意味を有するが、式Ｉ’Ｂにおいて、ｊは０を表さない。
【００３２】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’Ａ−１およびＩ’Ａ−２の化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００３３】
【化１３】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式Ｉ’Ａ−２において、パラメータＬ１５およびＬ１６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ１５は、好ましくは、Ｆを表す。
【００３４】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ’Ａ−１の１種類以上の化合物を含む。式Ｉ’Ａ−１の化合物は、好ましくは、式Ｉ’Ａ−１ａ〜Ｉ’Ａ−１ｄの化合物群より選択される。
【００３５】
【化１４】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ’Ａ−１において上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００３６】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ’Ａ−２の１種類以上の化合物を含む。式Ｉ’Ａ−２の化合物は、好ましくは、式Ｉ’Ａ−２ａ〜Ｉ’Ａ−２ｎの化合物群より選択され、好ましくは、式Ｉ’Ａ−２ｅ〜Ｉ’Ａ−２ｌの化合物群より選択され、非常に好ましくは、式Ｉ’Ａ−２ｌである。
【００３７】
【化１５】
【００３８】
【化１６】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ’Ａ−２において上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００３９】
本発明の更に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ”Ａ、Ｉ”ＢおよびＩ”Ｃ、好ましくは、式Ｉ”Ａおよび式Ｉ”Ｂの化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００４０】
【化１７】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示される意味を有するが、式Ｉ”Ｂにおいて、ｊは０を表さない。
【００４１】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ”Ａ−１およびＩ”Ａ−２の化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００４２】
【化１８】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式Ｉ”Ａ−２において、パラメータＬ１５およびＬ１６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ１５は、好ましくは、Ｆを表す。
【００４３】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ”Ａ−１の１種類以上の化合物を含む。式Ｉ”Ａ−１の化合物は、好ましくは、式Ｉ”Ａ−１ａ〜Ｉ”Ａ−１ｄの化合物群より選択され、特に好ましくは、式Ｉ”Ａ−１ｄである。
【００４４】
【化１９】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ”Ａ−１において上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００４５】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ”Ａ−２の１種類以上の化合物を含む。式Ｉ”Ａ−２の化合物は、好ましくは、式Ｉ”Ａ−２ａ〜Ｉ”Ａ−２ｎの化合物群より選択され、好ましくは、式Ｉ”Ａ−２ｅ〜Ｉ”Ａ−２ｌの化合物群より選択され、非常に好ましくは、式Ｉ”Ａ−２ｌである。
【００４６】
【化２０】
【００４７】
【化２１】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ”Ａ−２において上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００４８】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ”Ｂ−１〜Ｉ”Ｂ−３の化合物群より選択され、好ましくは、式Ｉ”Ｂ−２である１種類以上の化合物を含む。
【００４９】
【化２２】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ”Ｂにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式Ｉ”Ｂ−３において、パラメータＬ１５およびＬ１６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ１５は、好ましくは、Ｆを表し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００５０】
本発明の更に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’”Ａ、Ｉ’”ＢおよびＩ’”Ｃ、好ましくは、式Ｉ’”Ａおよび式Ｉ’”Ｂの化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００５１】
【化２３】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示される意味を有するが、式Ｉ’”Ｂにおいて、ｊは０を表さない。
【００５２】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’”Ａ−１およびＩ’”Ａ−２の化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００５３】
【化２４】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式Ｉ’”Ａ−２において、パラメータＬ１５およびＬ１６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ１５は、好ましくは、Ｆを表す。
【００５４】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ’”Ａ−１の１種類以上の化合物を含む。式Ｉ’”Ａ−１の化合物は、好ましくは、式Ｉ’”Ａ−１ａ〜Ｉ’”Ａ−１ｄの化合物群より選択され、特に好ましくは、式Ｉ’”Ａ−１ｄである。
【００５５】
【化２５】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ”Ａ−１において上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００５６】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ’”Ｂ−１〜Ｉ’”Ｂ−３の化合物群より選択され、好ましくは、式Ｉ’”Ｂ−３である１種類以上の化合物を含む。
【００５７】
【化２６】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ’”Ｂにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式Ｉ’”Ｂ−３において、パラメータＬ１５およびＬ１６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ１５は、好ましくは、Ｆを表し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００５８】
媒体における成分Ａの濃度は、好ましくは、１％〜５０％、より好ましくは、２％〜４０％、更により好ましくは、４％〜３５％、非常に好ましくは、５％〜３０％の範囲内である。
【００５９】
本発明による媒体は、好ましくは、第２の誘電的に正の成分である成分Ｂを含む。この第２の誘電体成分である成分Ｂは、好ましくは、３より大きい誘電異方性を有する誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００６０】
この成分である成分Ｂは、好ましくは、３より大きい誘電異方性を有し、式ＩＩおよびＩＩＩの群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００６１】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ｂは、３より大きい誘電異方性を有し、式ＩＩ−１〜ＩＩ−３の化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００６２】
【化２７】
式中、パラメータは式ＩＩにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式ＩＩ−１においては、パラメータＬ２３およびＬ２４は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、式ＩＩ−２においては、
【００６３】
【化２８】
成分Ｂは、好ましくは、Ｌ２１およびＬ２２またはＬ２３およびＬ２４の両者がＦを表す式ＩＩ−１〜ＩＩ−３の化合物群より選択される化合物を含む。
【００６４】
好ましい実施形態において、成分Ｂは、Ｌ２１、Ｌ２２、Ｌ２３およびＬ２４の全てがＦを表す式ＩＩ−１およびＩＩ−２の化合物群より選択される化合物を含む。
【００６５】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩ−１の１種類以上の化合物を含む。式ＩＩ−１の化合物は、好ましくは、式ＩＩ−１ａ〜ＩＩ−１ｊの化合物群より選択される。
【００６６】
【化２９】
【００６７】
【化３０】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｌ２５〜Ｌ２８は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、好ましくは、Ｌ２７およびＬ２８の両者がＨを表し、特に好ましくは、Ｌ２６がＨを表す。
【００６８】
成分Ｂは、好ましくは、Ｌ２１およびＬ２２の両者がＦを表し、および／またはＬ２３およびＬ２４の両者がＦを表す式ＩＩ−１ａ〜ＩＩ−１ｅの化合物群より選択される化合物を含む。
【００６９】
好ましい実施形態において、成分Ｂは、Ｌ２１、Ｌ２２、Ｌ２３およびＬ２４の全てがＦを表す式ＩＩ−１ａ〜ＩＩ−１ｈの化合物群より選択される化合物を含む。
【００７０】
式ＩＩ−１の特に好ましい化合物は、以下である。
【００７１】
【化３１】
【００７２】
【化３２】
式中、Ｒ２およびＸ２は、上で示される意味を有し、Ｘ２は、好ましくは、Ｆを表す。
【００７３】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩ−２の１種類以上の化合物を含む。式ＩＩ−２の化合物は、好ましくは、式ＩＩ−２ａ〜ＩＩ−２ｃの化合物群より選択される。
【００７４】
【化３３】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｌ２１およびＬ２２の両者は、好ましくは、Ｆを表す。
【００７５】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩ−３の１種類以上の化合物を含む。式ＩＩ−３の化合物は、好ましくは、式ＩＩ−３ａ〜ＩＩ−３ｅの化合物群より選択される。
【００７６】
【化３４】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、および
Ｌ２５およびＬ２６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、好ましくは、
式ＩＩ−３ａおよびＩＩ−３ｂにおいて、Ｌ２１およびＬ２２の両者がＦを表し、
式ＩＩ−３ｃおよびＩＩ−３ｄにおいて、Ｌ２１およびＬ２２の両者がＦを表し、および／またはＬ２３およびＬ２４の両者がＦを表し、および
式ＩＩ−３ｅにおいて、Ｌ２１、Ｌ２２およびＬ２３がＦを表す。
【００７７】
式ＩＩ−３の特に好ましい化合物は、以下である。
【００７８】
【化３５】
式中、Ｒ２は、上で示される意味を有する。
【００７９】
本発明の更に好ましい実施形態において、成分Ｂは、３より大きい誘電異方性を有し、式ＩＩＩ−１およびＩＩＩ−２の群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００８０】
【化３６】
式中、パラメータは式ＩＩＩにおいて上で示されるそれぞれの意味を有する。
【００８１】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−１の１種類以上の化合物を含む。式ＩＩＩ−１の化合物は、好ましくは、式ＩＩＩ−１ａおよびＩＩＩ−１ｂの化合物群より選択される。
【００８２】
【化３７】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、パラメータＬ３３およびＬ３４は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表す。
【００８３】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２の１種類以上の化合物を含む。式ＩＩＩ−２の化合物は、好ましくは、式ＩＩＩ−２ａ〜ＩＩＩ−２ｈの化合物群より選択される。
【００８４】
【化３８】
【００８５】
【化３９】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、パラメータＬ３５およびＬ３６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表す。
【００８６】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−１ａ−１〜ＩＩＩ−１ａ−６の化合物群より選択される式ＩＩＩ−１ａの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００８７】
【化４０】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００８８】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−１ｂ−１〜ＩＩＩ−１ｂ−４の化合物群より選択され、好ましくは、ＩＩＩ−１ｂ４である式ＩＩＩ−１ｂの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００８９】
【化４１】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００９０】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ａ−１〜ＩＩＩ−２ａ−４の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ａの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００９１】
【化４２】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００９２】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｂ−１およびＩＩＩ−２ｂ−２の化合物群より選択され、好ましくは、ＩＩＩ−２ｂ−２である式ＩＩＩ−２ｂの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００９３】
【化４３】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００９４】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｃ−１〜ＩＩＩ−２ｃ−５の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ｃの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００９５】
【化４４】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００９６】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｄ−１およびＩＩＩ−２ｅ−１の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ｄおよびＩＩＩ−２ｅの化合物群より選択される１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００９７】
【化４５】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００９８】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｆ−１〜ＩＩＩ−２ｆ−５の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ｆの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００９９】
【化４６】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【０１００】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｇ−１〜ＩＩＩ−２ｇ−５の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ｇの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【０１０１】
【化４７】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【０１０２】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｈ−１〜ＩＩＩ−２ｈ−５の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ｈの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【０１０３】
【化４８】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【０１０４】
式ＩＩＩ−１および／またはＩＩＩ−２の化合物に代えるか加えて、本発明による媒体は式ＩＩＩ−３の１種類以上の化合物を含んでもよい。
【０１０５】
【化４９】
式中、パラメータは式ＩＩＩにおいて上で示されるそれぞれの意味を有しており、式ＩＩＩ−３は、好ましくは、式ＩＩＩ−３ａおよびＩＩＩ−３ｂの群より選択される。
【０１０６】
【化５０】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【０１０７】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、誘電的に中性の成分である成分Ｃを含む。この成分は、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有する。それは、好ましくは、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有する誘電的に中性の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、特に好ましくは全てが成る。この成分は、好ましくは、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有し、式ＩＶの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１０８】
誘電的に中性の成分である成分Ｃは、好ましくは、式ＩＶ−１〜ＩＶ−６の化合物群より選択される１種類以上の化合物を含む。
【０１０９】
【化５１】
式中、Ｒ４１およびＲ４２は、式ＩＶにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、および、式ＩＶ−１、ＩＶ−５およびＩＶ−６においては、Ｒ４１は、好ましくはアルキルまたはアルケニル、好ましくはアルケニルを表し、およびＲ４２は、好ましくはアルキルまたはアルケニル、好ましくはアルキルを表し、式ＩＶ−２においては、Ｒ４１およびＲ４２は、好ましくは、アルキルを表し、および、式ＩＶ−４においては、Ｒ４１は、好ましくはアルキルまたはアルケニル、より好ましくはアルキルを表し、および、Ｒ４２は、好ましくはアルキルまたはアルコキシ、より好ましくはアルコキシを表す。
【０１１０】
誘電的に中性の成分である成分Ｃは、好ましくは、式ＩＶ−１、ＩＶ−４、ＩＶ−５およびＩＶ−６の化合物群より選択される１種類以上の化合物を含み、好ましくは、式ＩＶ−１の１種類以上の化合物および式ＩＶ−４およびＩＶ−５の群より選択される１種類以上の化合物であり、より好ましくは、式ＩＶ−１、ＩＶ−４およびＩＶ−５のそれぞれの１種類以上の化合物であり、非常に好ましくは、式ＩＶ−１、ＩＶ−４、ＩＶ−５およびＩＶ−６のそれぞれの１種類以上の化合物を含む。
【０１１１】
好ましい実施形態において、成分Ｃは、好ましくは、式ＩＶ−５の１種類以上の化合物を含み、より好ましくは、それぞれがそれのサブ式である式ＣＣＰ−Ｖ−ｎおよび／またはＣＣＰ−ｎＶ−ｍおよび／またはＣＣＰ−Ｖｎ−ｍより選択され、より好ましくは、式ＣＣＰ−Ｖ−ｎおよび／またはＣＣＰ−Ｖ２−ｎであり、非常に好ましくは、式ＣＣＰ−Ｖ−１およびＣＣＰ−Ｖ２−１の群より選択される。これらの略号（頭文字）の定義は下に表Ｄで示されるか、表Ａ〜Ｃより明らかである。
【０１１２】
同様に好ましい実施形態において、成分Ｃは、好ましくは、式ＩＶ−１の１種類以上の化合物を含み、より好ましくは、それぞれがそれのサブ式である式ＣＣ−ｎ−ｍ、ＣＣ−ｎ−Ｖおよび／またはＣＣ−ｎ−Ｖｍより選択され、より好ましくは、式ＣＣ−ｎ−Ｖおよび／またはＣＣ−ｎ−Ｖｍであり、非常に好ましくは、式ＣＣ−３−Ｖ、ＣＣ−４−Ｖ、ＣＣ−５−Ｖ、ＣＣ−３−Ｖ１、ＣＣ−４−Ｖ１、ＣＣ−５−Ｖ１およびＣＣ−３−Ｖ２の群より選択される。これらの略号（頭文字）の定義は同様に下に表Ｄで示されるか、表Ａ〜Ｃより明らかである。
【０１１３】
先のものと同一でも異なるものでもよい本発明の更なる好ましい実施形態において、本発明による液晶混合物は成分Ｃを含んでおり、それは、上に示される通りの式ＩＶ−１〜ＩＶ−６の化合物群より選択され、および、任意成分として、式ＩＶ−７〜ＩＶ−１４の式ＩＶの化合物を含み、好ましくは大部分が成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１１４】
【化５２】
式中、
Ｒ４１およびＲ４２は、互いに独立に、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、または２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニルを表し、および
Ｌ４は、ＨまたはＦを表す。
【０１１５】
好ましい実施形態において、成分Ｃは、好ましくは、式ＩＶ−７の１種類以上の化合物を含み、より好ましくは、それぞれがそれのサブ式である式ＣＰＰ−３−２、ＣＰＰ−５−２およびＣＧＰ−３−２より選択され、より好ましくは、式ＣＰＰ−３−２および／またはＣＧＰ−３−２であり、非常に特に好ましくは、式ＣＰＰ−３−２である。これらの略号（頭文字）の定義は下に表Ｄで示されるか、表Ａ〜Ｃより明らかである。
【０１１６】
式ＩＩおよび／またはＩＩＩの化合物に代えるか加えて、本発明による媒体は、成分Ｂにおいて、式Ｖの１種類以上の誘電的に正の化合物を含んでもよい。
【０１１７】
【化５３】
式中、
Ｒ５は、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、炭素数２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニルを表し、および好ましくは、アルキルまたはアルケニルを表し、
【０１１８】
【化５４】
Ｌ５１およびＬ５２は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ５１は、好ましくは、Ｆを表し、および
Ｘ５は、ハロゲン、１〜３個のＣ原子を有するハロゲン化アルキルまたはアルコキシ、または２個または３個のＣ原子を有するハロゲン化アルケニルまたはアルケニルオキシを表し、好ましくは、Ｆ、Ｃｌ、−ＯＣＦ３または−ＣＦ３、非常に好ましくは、Ｆ、Ｃｌまたは−ＯＣＦ３であり、
Ｚ５は、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＦ２ＣＦ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−または−ＣＨ２Ｏ−、好ましくは、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−またはトランス−ＣＨ＝ＣＨ−、および非常に好ましくは、−ＣＯＯ−またはトランス−ＣＨ＝ＣＨ−を表し、および
ｑは、０または１を表す。
【０１１９】
本発明による媒体は、好ましくは、式Ｖ−１およびＶ−２の化合物群より好ましくは選択される式Ｖの１種類以上の化合物を含む。
【０１２０】
【化５５】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、および、パラメータＬ５３およびＬ５４は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、および、Ｚ５は、好ましくは、−ＣＨ２−ＣＨ２−を表す。
【０１２１】
式Ｖ−１の化合物は、好ましくは、式Ｖ−１ａおよびＶ−１ｂの化合物群より選択される。
【０１２２】
【化５６】
式中、Ｒ５は上で示される意味を有する。
【０１２３】
式Ｖ−２の化合物は、好ましくは、式Ｖ−２ａ〜Ｖ−２ｄの化合物群より選択される。
【０１２４】
【化５７】
式中、Ｒ５は上で示される意味を有する。
【０１２５】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、追加の誘電的に中性の成分である成分Ｄを含む。この成分は、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有する。それは、好ましくは、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有する誘電的に中性の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、特に好ましくは全てが成る。この成分は、好ましくは、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有し、式ＶＩの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１２６】
【化５８】
式中、
Ｒ６１およびＲ６２は、互いに独立に、式ＩＩにおいてＲ２に上で示される意味を有し、好ましくは、Ｒ６１はアルキルを表し、およびＲ６２はアルキルまたはアルケニルを表し、
【０１２７】
【化５９】
【０１２８】
【化６０】
Ｚ６１およびＺ６２は、互いに独立に、Ｚ６１が２回出現する場合は、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−または単結合を表し、好ましくは、それらの１つ以上が単結合を表し、および
ｒは０、１または２、好ましくは、０または１を表す。
【０１２９】
誘電的に中性の成分である成分Ｄは、好ましくは、式ＶＩ−１およびＶＩ−２の化合物群より選択される１種類以上の化合物を含む。
【０１３０】
【化６１】
式中、Ｒ６１およびＲ６２は式ＶＩにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、およびＲ６１は好ましくはアルキルを表し、および、式ＶＩ−１において、Ｒ６２は、好ましくはアルケニル、好ましくは、−（ＣＨ２）２−ＣＨ＝ＣＨ−ＣＨ３を表し、および、式ＶＩ−２において、Ｒ６２は、好ましくは、アルキルを表す。
【０１３１】
誘電的に中性の成分である成分Ｄは、好ましくは、式ＶＩ−１およびＶＩ−２の化合物群より選択される１種類以上の化合物を含み、式中、Ｒ６１は好ましくはｎ−アルキルを表し、および、式ＶＩ−１において、Ｒ６２は好ましくはアルケニルを表し、および、式ＶＩ−２において、Ｒ６２は好ましくはｎ−アルキルを表す。
【０１３２】
好ましい実施形態において、成分Ｄは、好ましくは、式ＶＩ−１、より好ましくは、そのサブ式ＰＰ−ｎ−２Ｖｍ、更により好ましくは式ＰＰ−１−２Ｖ１の１種類以上の化合物を含む。これらの略号（頭文字）の定義は下に表Ｄで示されるか、表Ａ〜Ｃより明らかである。
【０１３３】
好ましい実施形態において、成分Ｄは、好ましくは、式ＶＩ−２、より好ましくは、それのサブ式ＰＧＰ−ｎ−ｍ、更により好ましくは、それのサブ式ＰＧＰ−３−ｍ、非常に好ましくは、式ＰＧＰ−３−２、ＰＧＰ−３−３、ＰＧＰ−３−４およびＰＧＰ−３−５より選択される１種類以上の化合物を含む。これらの略号（頭文字）の定義は、同様に、下に表Ｄで示されるか、表Ａ〜Ｃより明らかである。
【０１３４】
本発明による液晶混合物は、好ましくは、成分ＡおよびＢに加え、少なくとも１種類の更なる成分を含む。この第３の成分は成分ＣおよびＤの１種類でよく、存在する第３の成分は、好ましくは、成分Ｃである。
【０１３５】
当然ながら、本発明による混合物は、４種類の成分Ａ、Ｂ、ＣおよびＤの全てを含んでもよい。
【０１３６】
加えて、本発明による液晶混合物は更なる任意成分である成分Ｅを含んでもよく、それは負の誘電異方性を有し、誘電的に負で、好ましくは、式ＶＩＩの化合物を含み、好ましくは大部分が成り、より好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１３７】
【化６２】
式中
Ｒ７１およびＲ７２は、互いに独立に、式ＩＩにおいてＲ２に上で示される意味を有し、
【０１３８】
【化６３】
【０１３９】
【化６４】
Ｚ７１およびＺ７２は、互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−または単結合を表し、好ましくは、それらの１つ以上が単結合を表し、非常に好ましくは、両者が単結合を表し、
Ｌ７１およびＬ７２は、互いに独立に、Ｃ−ＦまたはＮを表し、好ましくは、それらの１つ以上がＣ−Ｆを表し、非常に好ましくは、両者がＣ−Ｆを表し、および
ｓは、０または１を表す。
【０１４０】
加えて、本発明による液晶混合物は更なる任意成分である成分Ｆを含んでもよく、それは正の誘電異方性を有し、誘電的に正で、好ましくは、式ＶＩＩＩの化合物を含み、好ましくは大部分が成り、より好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１４１】
【化６５】
式中、
Ｒ８は、式ＩＩにおいてＲ２に上で示される意味を有し、
【０１４２】
【化６６】
他は同一の意味を有するか、互いに独立に、
【０１４３】
【化６７】
Ｚ８１およびＺ８２は、互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−または単結合を表し、好ましくは、それらの１つ以上が単結合を表し、非常に好ましくは、両者が単結合を表し、
ｔは０、１または２、好ましくは０または１、より好ましくは１を表し、および
Ｘ８は式ＩＩにおいてＸ２に上で示される意味を有するか、あるいは、Ｒ８とは独立にＲ８に示される意味を有していてもよく、
式Ｉの化合物からは除外される。
【０１４４】
本発明による液晶媒体は、成分Ａ〜Ｅ、好ましくはＡ〜Ｄ、非常に好ましくはＡ〜Ｃ、特には、式Ｉ〜ＶＩＩＩ、好ましくはＩ〜Ｖ、非常に好ましくはＩ〜ＩＩＩおよび／またはＩＶの化合物群より選択される化合物を好ましくは含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１４５】
本出願において、組成物に関して含むとは、関連する構成成分、即ち、媒体または成分が、示される１種類の成分または複数種類の成分または１種類の化合物または複数種類の化合物を、好ましくは１０％以上、非常に好ましくは２０％以上の総濃度で含有することを意味する。
【０１４６】
この関係において、大部分が成るとは、関連する構成成分が、５５％以上、好ましくは６０％以上、非常に好ましくは７０％以上の、示される１種類の成分または複数種類の成分または１種類の化合物または複数種類の化合物を含有することを意味する。
【０１４７】
この関係において、本質的に成るとは、関連する構成成分が、８０％以上、好ましくは９０％以上、非常に好ましくは９５％以上の、示される１種類の成分または複数種類の成分または１種類の化合物または複数種類の化合物を含有することを意味する。
【０１４８】
この関係において、全てが成るとは、関連する構成成分が、９８％以上、好ましくは９９％以上、非常に好ましくは１００．０％の、示される１種類の成分または複数種類の成分または１種類の化合物または複数種類の化合物を含有することを意味する。
【０１４９】
成分Ｅは、式ＶＩＩの、好ましくは、式ＶＩＩ−１〜ＶＩＩ−３の化合物群より選択される１種類以上の化合物を好ましくは含み、より好ましくは大部分が成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１５０】
【化６８】
式中
Ｒ７１およびＲ７２は、式ＶＩＩにおいて上で示されるそれぞれの意味を有する。
【０１５１】
式ＶＩＩ−１〜ＶＩＩ−３において、Ｒ７１は、好ましくは、ｎ−アルキルまたは１Ｅ−アルケニルを表し、およびＲ７２は、好ましくは、ｎ−アルキルまたはアルコキシを表す。
【０１５２】
明らかには上述されていない他のメソゲン化合物も、本発明による媒体中において任意成分として有効に使用できる。そのような化合物は、当業者に既知である。
【０１５３】
本発明による液晶媒体は、好ましくは６０℃以上、特に好ましくは７０℃以上、非常に特に好ましくは７５℃以上の透明点を有する。
【０１５４】
本発明による液晶媒体のΔｎは、５８９ｎｍ（ＮａＤ）および２０℃において、好ましくは０．０６０以上〜０．１４０以下の範囲内、より好ましくは０．０７０以上〜０．１３０以下の範囲内、更により好ましくは０．０８０以上〜０．１２５以下の範囲内、非常に好ましくは０．０９０以上〜０．１２２以下の範囲内である。
【０１５５】
本出願の好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体のΔｎは、好ましくは０．０８０以上、より好ましくは０．０９０以上である。
【０１５６】
本発明による液晶媒体のΔεは、１ｋＨｚおよび２０℃において、好ましくは２以上、より好ましくは４以上、非常に好ましくは６以上である。特には、Δεは１５以下である。
【０１５７】
本発明による媒体のネマチック相は、好ましくは少なくとも０℃以下〜６５℃以上、より好ましくは少なくとも−２０℃以下〜７０℃以上、非常に好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７５℃以上、特には少なくとも−４０℃以下〜７５℃以上に広がっている。
【０１５８】
本発明の第１の好ましい実施形態において、液晶媒体のΔｎは０．０９０以上〜０．１３０以下の範囲内、より好ましくは０．０９５以上〜０．１２０以下の範囲内、非常に好ましくは０．１００以上〜０．１１５以下の範囲内であり、一方、Δεは、好ましくは、２以上〜１２以下の範囲内、好ましくは、１０以下である。
【０１５９】
本発明の第２の好ましい実施形態において、液晶媒体のΔｎは０．０８５以上〜０．１３０以下の範囲内、より好ましくは０．０９０以上〜０．１２５以下の範囲内、非常に好ましくは０．０９５以上〜０．１２０以下の範囲内であり、一方、Δεは、好ましくは４以上、より好ましくは６以上、更により好ましくは８．０以上、非常に好ましくは８．０以上〜１０．０以下の範囲内である。
【０１６０】
この実施形態において、本発明による媒体のネマチック相は、好ましくは少なくとも−２０℃以下〜６５℃以上、より好ましくは少なくとも−２０℃以下〜７０℃以上、非常に好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７０℃以上、特には少なくとも−４０℃以下〜７０℃以上に広がっている。
【０１６１】
本発明の第３の好ましい実施形態において、液晶媒体のΔｎは０．０７０以上〜０．１２０以下の範囲内、より好ましくは０．０７５以上〜０．１１５以下の範囲内、非常に好ましくは０．０８０以上〜０．１１０以下の範囲内であり、一方、Δεは、好ましくは２．０以上、より好ましくは３．０以上〜１４．０以下の範囲内、非常に好ましくは４．０以上〜６．０以下の範囲内、または、特に好ましくは、６．０以上〜１１．０以下の範囲内の何れかである。
【０１６２】
この実施形態において、本発明による媒体のネマチック相は、好ましくは少なくとも−２０℃以下〜７５℃以上、より好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７０℃以上、非常に好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７５℃以上、特には少なくとも−３０℃以下〜８０℃以上に広がっている。
【０１６３】
本発明の第４の好ましい実施形態において、液晶媒体のΔｎは０．０８０以上〜０．１２０以下の範囲内、より好ましくは０．０８５以上〜０．１１５以下の範囲内、非常に好ましくは０．０９０以上〜０．１１０以下の範囲内であり、一方、Δεは、好ましくは１．５以上、より好ましくは２．０以上〜８．０以下の範囲内、非常に好ましくは２．０以上〜６．０以下の範囲内、または、特に好ましくは、２．０以上〜４．０以下の範囲内の何れかである。
【０１６４】
この実施形態において、本発明による媒体のネマチック相は、好ましくは少なくとも−２０℃以下〜６５℃以上、より好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７０℃以上、非常に好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７５℃以上、特には少なくとも−３０℃以下〜８０℃以上に広がっている。
【０１６５】
本発明の第５の好ましい実施形態において、液晶媒体のΔｎは０．０９０以上〜０．１４０以下の範囲内であり、一方、Δεは２．０以上〜１４．０以下の範囲内である。
【０１６６】
本発明によれば、成分Ａは、混合物全体の好ましくは１％〜５０％、より好ましくは１％〜３０％、更により好ましくは２％〜３０％、非常に好ましくは３％〜３０％の濃度において使用される。
【０１６７】
成分Ｂは、混合物全体の好ましくは２％〜６０％、より好ましくは３％〜５５％、更により好ましくは１５％〜５０％、非常に好ましくは２０％〜４５％の濃度において使用される。
【０１６８】
成分Ｃは、混合物全体の好ましくは０％〜７０％、より好ましくは１０％〜６５％、更により好ましくは２０％〜６０％、非常に好ましくは１５％〜５５％の濃度において使用される。
【０１６９】
成分Ｄは、混合物全体の好ましくは０％〜５０％、より好ましくは１％〜４０％、更により好ましくは５％〜３０％、非常に好ましくは１０％〜２０％の濃度において使用される。
【０１７０】
成分Ｅは、混合物全体の好ましくは０％〜３０％、より好ましくは０％〜１５％、非常に好ましくは１％〜１０％の濃度において使用される。
【０１７１】
物理的特性を調節するために、本発明による媒体は、更なる液晶化合物を任意に含んでよい。そのような化合物は、当業者に既知である。本発明による媒体中のそれらの濃度は、好ましくは０％〜３０％、より好ましくは０．１％〜２０％、非常に好ましくは１％〜１５％である。
【０１７２】
上述の本発明の第１の好ましい実施形態において、成分Ａは、混合物全体の好ましくは１％〜６５％、より好ましくは３％〜６０％、非常に好ましくは５％〜５７％の濃度において使用され、一方、成分Ｄは、混合物全体の好ましくは５％〜４０％、より好ましくは１０％〜３５％、非常に好ましくは１０％〜３０％の濃度において使用される。
【０１７３】
この好ましい実施形態において、媒体は、好ましくは式ＶＩの、非常に好ましくは式ＶＩ−２の１種類以上の化合物を含む。
【０１７４】
特に上述の本発明の第２の好ましい実施形態において、成分Ｃは、好ましくは式ＩＶ、より好ましくは式ＩＶ−１、更により好ましくは、それのそれぞれのサブ式である式ＣＣ−ｎ−Ｖおよび／またはＣＣ−ｎ−Ｖｍ、より好ましくは式ＣＣ−ｎ−Ｖ１および／またはＣＣ−ｎ−Ｖより選択され、非常に好ましくは、式ＣＣ−３−Ｖ、ＣＣ−４−Ｖ、ＣＣ−５−ＶおよびＣＣ−３−Ｖ１の群より選択される１種類以上の化合物を含む。これらの略号（頭文字）の定義は下に表Ｄで示される。
【０１７５】
液晶媒体は、好ましくは全体で５０％〜１００％、より好ましくは７０％〜１００％、および非常に好ましくは８０％〜１００％、特には９０％〜１００％の成分Ａ、Ｂ、ＣおよびＤ、好ましくは、成分Ａ、ＢおよびＣを含み、よって、式Ｉ、ＩＩ、ＩＩＩ、ＩＶ、Ｖ、ＶＩおよびＶＩＩ、好ましくは、式Ｉ、ＩＩ、ＩＩＩ、ＩＶ、ＶおよびＶＩの１種類以上の化合物を含み、好ましくは大部分が成り、非常に好ましくは完全に成る。
【０１７６】
本出願において、誘電的に正との表現はΔε＞３．０である化合物または成分を記載し、誘電的に中性との表現は−１．５≦Δε≦３．０のものを記載し、誘電的に負との表現はΔε＜−１．５のものを記載する。Δεは１ｋＨｚの周波数および２０℃において決定される。それぞれの化合物の誘電異方性は、ネマチックホスト混合物中での、個々の化合物のそれぞれの１０％の溶液の結果から決定される。それぞれの化合物のホスト混合物中での溶解度が１０％未満であるときは、濃度を５％まで低下する。試験混合物の容量は、ホメオトロピック配向を有するセルおよびホモジニアス配向を有するセルの両方において決定する。両方の型のセルの厚は、およそ２０μｍである。印加される電圧は１ｋＨｚの周波数および典型的には０．５Ｖ〜１．０Ｖの二乗平均平方根値を有する矩形波であるが、常にそれぞれの試験混合物の容量閾値よりも低く選択される。
【０１７７】
Δεは（ε‖−ε⊥）と定義され、一方、εａｖは（ε‖＋２ε⊥）／３である。
【０１７８】
誘電的に正の化合物に使用されるホスト混合物は混合物ＺＬＩ−４７９２であり、誘電的に中性および誘電的に負の化合物に使用されるものは混合物ＺＬＩ−３０８６であり、両者ともドイツ国メルク社製である。化合物の誘電率は、興味ある化合物を添加した際のホスト混合物のそれぞれの値の変化から決定される。その値を、興味ある化合物の濃度１００％に外挿する。
【０１７９】
２０℃の測定温度でネマチック相を有する成分は、そのままで測定され、他の全ても化合物の測定と同様に処理される。
【０１８０】
両方の場合について他に明言しない限り、本出願において閾電圧との表現は光学的閾値を言い、１０％相対的コントラスト（Ｖ１０）についてであり、飽和電圧との表現は光学的飽和を言い、９０％相対的コントラスト（Ｖ９０）についてである。フレデリクス閾値（ＶＦｒ）とも呼ばれる容量的閾電圧（Ｖ０）は、明らかに述べる場合にのみ使用する。
【０１８１】
本出願で示されるパラメータの範囲は、他に明言しない限り、全て限界値を含む。
【０１８２】
互いの組み合わせにおいて特性の各種の範囲に示される異なる上限および下限の値は、追加の好ましい範囲を与える。
【０１８３】
本出願を通じて、他に明言しない限り、以下の条件および定義を適用する。全ての濃度は重量パーセントで示され、それぞれ混合物全体に関するものであり、全ての温度は、摂氏度であり、全ての温度差は差異度である。全ての物理的特性は、「Ｍｅｒｃｋ Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌｓ、Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｐｒｏｐｅｒｔｉｅｓ ｏｆ Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌｓ」、１９９７年１１月刊、ドイツ国メルク社に従って決定され、他に明言しない限り、２０℃の温度においてである。光学異方性（Δｎ）は、５８９．３ｎｍの波長で決定される。誘電異方性（Δε）は、１ｋＨｚの周波数で決定される。閾電圧ならびに他の全ての電気光学的特性は、ドイツ国メルク社で製造された試験セルを使用して決定される。Δεの決定のための試験セルは、約２０μｍのセル間隔を有している。電極は、１．１３ｃｍ２の面積および保護リングを有する円形ＩＴＯ電極である。配向層は、ホメオトロピック配向（ε‖）用には日本国日産化学社製ＳＥ−１２１１、ホモジニアス配向（ε⊥）用には日本国日本合成ゴム社製ポリイミドＡＬ−１０５４である。容量は、０．３Ｖｒｍｓの電圧を有する正弦波を使用するＳｏｌａｔｒｏｎ１２６０周波数応答解析装置によって決定する。電気光学的測定において使用される光は、白色光である。ドイツ国Ａｕｔｒｏｎｉｃ Ｍｅｌｃｈｅｒｓ社製の商業的に入手可能なＤＳＭ装置を使用する装置構成を、ここでは用いる。特性電圧を、垂直観察の下で決定した。閾値（Ｖ１０）、中間灰色（Ｖ５０）および飽和（Ｖ９０）電圧を、それぞれ１０％、５０％および９０％相対コントラストで決定した。
【０１８４】
本発明による液晶媒体は、通常の濃度で更なる添加剤およびキラルドーパントを含むことができる。これらの更なる構成成分の総濃度は、混合物全体に基づいて０％〜１０％、好ましくは０．１％〜６％の範囲内である。使用される個々の化合物の濃度は、それぞれ好ましくは０．１％〜３％の範囲内である。これらおよび類似の添加剤の濃度は、本出願において、液晶媒体の液晶成分および化合物の値および濃度範囲について述べている場合には考慮されない。
【０１８５】
本発明による液晶媒体は、数種の化合物、好ましくは３〜３０種類、より好ましくは４〜２０種類、非常に好ましくは４〜１６種類の化合物から成る。これらの化合物は、慣用的な方法で混合される。一般に、より少ない量で使用される化合物の所望量を、より多い量で使用される化合物に溶解する。より高い濃度で用いられる化合物の透明点より温度が高い場合には、溶解過程の完了を観察するのは特に容易である。しかしながら、他の慣用の方法、例えば、化合物の同族または共融混合物が可能な所謂プレ混合の使用や、構成成分がそれ自身で使用可能な混合物の所謂「マルチ・ボトル」系を例えば使用して媒体を調製することも可能である。
【０１８６】
適切な添加剤を加えることにより、ＴＮ、ＴＮ−ＡＭＤ、ＥＣＢ−ＡＭＤ、ＶＡＮ−ＡＭＤ、ＩＰＳ−ＡＭＤ、ＦＦＳ−ＡＭＤ ＬＣＤなどの液晶媒体をそのまま使用するか、または、ＰＤＬＣ、ＮＣＡＰ、ＰＮ ＬＣＤなどの、特にＡＳＭ−ＰＡ ＬＣＤで複合材系中においてかのいずれかの液晶ディスプレイの全ての既知の型で使用できるように、本発明による液晶媒体を改変できる。
【０１８７】
例えば、液晶の融点Ｔ（Ｃ，Ｎ）またはＴ（Ｃ，Ｓ）、スメクチック（Ｓ）からネマチック（Ｎ）相への転移Ｔ（Ｓ，Ｎ）および透明点Ｔ（Ｎ，Ｉ）などの全ての温度は、摂氏度である。全ての温度差は差異度である。
【０１８８】
本発明および特に以下の例において、メソゲン化合物の構造は、頭文字とも呼ばれる略号を用いて示される。これらの頭文字において、化学式は、下の表Ａ〜Ｃを使用して以下の通り略記される。全ての基ＣｎＨ２ｎ＋１、ＣｍＨ２ｍ＋１およびＣｌＨ２ｌ＋１またはＣｎＨ２ｎ−１、ＣｍＨ２ｍ−１およびＣｌＨ２ｌ−１は、それぞれｎ、ｍおよびｌ個のＣ原子を有する直鎖のアルキルまたはアルケニル、好ましくは１Ｅ−アルケニルを、それぞれ表す。表Ａには化合物の核構造の環構造要素に使用されるコードが列記されており、一方、表Ｂには結合基が示されている。表Ｃには、左側または右側の末端基のためのコードの意味が列記されている。表Ｄには、それらのそれぞれの略号と共に化合物の構造が図示されている。
【０１８９】
【表１】
【０１９０】
【表２】
【０１９１】
【表３】
【０１９２】
【表４】
式中、ｎおよびｍはそれぞれ整数を表し、３つの点「．．．」は、この表からの他の略号のためのスペースである。
【０１９３】
以下の表には、それらのそれぞれの略号と共に構造が図示されている。これらは、略号のための規則の意味を図示するために示されている。それらは、更に、好ましく使用される化合物を表している。
【０１９４】
【表５】
【０１９５】
【表６】
【０１９６】
【表７】
【０１９７】
【表８】
【０１９８】
【表９】
【０１９９】
【表１０】
【０２００】
【表１１】
【０２０１】
【表１２】
【０２０２】
【表１３】
【０２０３】
【表１４】
【０２０４】
【表１５】
以下の表の表Ｅに、本発明によるメソゲン媒体中で安定剤として使用できる化合物を図示する。
【０２０５】
【表１６】
【０２０６】
【表１７】
【０２０７】
【表１８】
本発明の好ましい実施形態において、メソゲン媒体は、表Ｅからの化合物群より選択される１種類以上の化合物を含む。
【０２０８】
以下の表の表Ｆに、本発明によるメソゲン媒体中でキラルドーパントとして好ましく使用できる化合物を図示する。
【０２０９】
【表１９】
【０２１０】
【表２０】
本発明の好ましい実施形態において、メソゲン媒体は、表Ｆからの化合物群より選択される１種類以上の化合物を含む。
【０２１１】
本出願によるメソゲン媒体は、上の表からの化合物からなる群より選択される、２種類以上、好ましくは４種類以上の化合物を好ましくは含む。
【０２１２】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、
・好ましくは、表Ｄからの化合物群より選択され異なる式を有する７種類以上、好ましくは８種類以上の化合物を含む。
【実施例】
【０２１３】
下の例は、本発明を一切制限することなく本発明を説明する。
【０２１４】
しかしながら、物理的特性は、当業者に、実現可能な特性およびそれらを改変できる範囲を示す。よって、特に、好ましくは達成できる各種特性の組み合わせが、当業者のために十分規定される。
【０２１５】
＜例１＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２１６】
【表２１】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２１７】
＜例２＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２１８】
【表２２】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２１９】
＜例３＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２２０】
【表２３】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２２１】
＜例４＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２２２】
【表２４】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２２３】
＜例５＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２２４】
【表２５】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２２５】
＜例６＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２２６】
【表２６】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２２７】
＜例７＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２２８】
【表２７】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２２９】
＜例８＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２３０】
【表２８】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２３１】
＜例９＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２３２】
【表２９】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２３３】
＜例１０＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２３４】
【表３０】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２３５】
＜例１１＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２３６】
【表３１】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２３７】
＜例１２＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２３８】
【表３２】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２３９】
＜例１３＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２４０】
【表３３】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２４１】
＜例１４＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２４２】
【表３４】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２４３】
＜例１５＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２４４】
【表３５】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２４５】
＜例１６＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２４６】
【表３６】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２４７】
＜例１７＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２４８】
【表３７】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２４９】
＜例１８＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２５０】
【表３８】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【技術分野】
【０００１】
本発明は液晶媒体およびこれらの媒体を含有する液晶ディスプレイ、特に、アクティブマトリクスによりアドレスされるディスプレイ、特には、ツイストネマチック（ＴＮ：Ｔｗｉｓｔｅｄ Ｎｅｍａｔｉｃ）、インプレーンスイッチング（ＩＰＳ：Ｉｎ Ｐｌａｎｅ Ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ）またはフリンジ−フィールドスイッチング（ＦＦＳ：Ｆｒｉｎｇｅ Ｆｉｅｌｄ Ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ）型のディスプレイに関する。
【背景技術】
【０００２】
液晶ディスプレイ（ＬＣＤ：Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ）は、情報を表示するために多くの分野で使用されている。ＬＣＤは、直視ディスプレイ用および投射型ディスプレイ用の両者で使用されている。使用される電気光学的モードは、例えば、ツイストネマチック（ＴＮ：Ｔｗｉｓｔｅｄ Ｎｅｍａｔｉｃ）、スーパーツイストネマチック（ＳＴＮ：Ｓｕｐｅｒ Ｔｗｉｓｔｅｄ Ｎｅｍａｔｉｃ）、光学補償ベンド（ＯＣＢ：Ｏｐｔｉｃａｌｌｙ Ｃｏｍｐｅｎｓａｔｅｄ Ｂｅｎｄ）および電気制御複屈折（ＥＣＢ：Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｄ Ｂｉｒｅｆｒｉｎｇｅｎｃｅ）モード、それらの種々の変法と共に、ならびにその他である。これらのモードは全て、基体または液晶層に実質的に垂直な電界を使用する。これらのモードに加え、基体または液晶層に実質的に平行な電界を用いる電気光学的モード、例えば、インプレーンスイッチング（ＩＰＳ：Ｉｎ Ｐｌａｎｅ Ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ）モード（例えば、ドイツ国特許第４０ ００ ４５１号明細書（特許文献１）および欧州特許第０ ５８８ ５６８号明細書（特許文献２）に開示されている通り）およびフリンジフィールドスイッチング（ＦＦＳ：Ｆｒｉｎｇｅ Ｆｉｅｌｄ Ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ）モードで、強力な「フリンジ場」が存在し、即ち、電極のエッジ近傍に強力な電界が存在し、セル全体にわたっては、強力な垂直成分および強力な水平成分の両者を有する電界が存在するモードなどがある。特に、これら後者２つの電気光学的モードは、最新のデスクトップモニター中のＬＣＤ用に使用され、テレビセットおよびマルチメディア用途向けディスプレイ中で使用されることが意図されている。本発明による液晶は、好ましくは、この型のディスプレイ中で使用される。一般に、かなり低い誘電異方性の値を有する誘電的に正の液晶媒体がＦＦＳディスプレイ中で使用されるが、場合によっては、僅かに３程度または更に低い誘電異方性を有する液晶媒体でさえもＩＰＳディスプレイ中で使用されている。
【０００３】
これらのディスプレイには、改良された特性を有する新規な液晶媒体が求められている。特に、応答時間が、多くのタイプの用途のために改良されなければならない。よって、より低い粘度（η）、特に、より低い回転粘度（γ１）を有する液晶媒体が求められている。回転粘度は８０ｍＰａ・ｓ以下、好ましくは６０ｍＰａ・ｓ以下、特には５５ｍＰａ・ｓ以下でなければならない。このパラメータに加えて、媒体は適切な幅および値のネマチック相範囲および適当な複屈折（Δｎ）を有していなければならず、誘電異方性（Δε）は適度に低い動作電圧を可能とするために十分高くなければならない。Δεは、好ましくは、３より大きくなければならず、非常に好ましくは４より大きいが、好ましくは１５以下、特には１２以下であり、このようにすることで抵抗が高くなることが少なくともある程度は妨げられる。
【０００４】
本発明によるディスプレイは、好ましくは、アクティブマトリクス（Ａｃｔｉｖｅ Ｍａｔｒｉｘ ＬＣＤ、略してＡＭＤ）、好ましくは、薄膜トランジスタ（ＴＦＴ：Ｔｈｉｎ Ｆｉｌｍ Ｔｒａｎｓｉｓｔｏｒ）マトリクスによりアドレスされる。しかしながら、本発明による液晶は、他の既知のアドレス手段を有するディスプレイ中においても有益に使用できる。
【０００５】
重合性材料と共に低分子量の液晶材料の複合系を使用する多数の異なるディスプレイモードが存在する。例えば、国際特許出願公開第９１／０５ ０２９号パンフレット（特許文献３）中で開示される通り、例えば、ポリマー分散液晶（ＰＤＬＣ：Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｄｉｓｐｅｒｓｅｄ Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ）、ネマチック曲線配向相（ＮＣＡＰ：Ｎｅｍａｔｉｃ Ｃｕｒｖｉｌｉｎｅａｒｌｙ Ａｌｉｇｎｅｄ Ｐｈａｓｅ）およびポリマーネットワーク（ＰＮ：Ｐｏｌｙｍｅｒ Ｎｅｔｗｏｒｋ）系、または、軸対称微小領域（ＡＳＭ：Ａｘｉａｌｌｙ Ｓｙｍｍｅｔｒｉｃ Ｍｉｃｒｏｄｏｍａｉｎ）系およびその他がある。これらとは対照的に、本発明による特に好ましいモードは、表面上で配向されたそのままの液晶媒体を使用する。これらの表面は、液晶材料の均一な配向を達成するため、典型的には予め処理される。本発明によるディスプレイモードは、好ましくは、複合層に実質的に平行な電界を使用する。
【０００６】
ＬＣＤおよび特にはＩＰＳディスプレイに適切な液晶組成物は、例えば、特開平０７−１８１４３９号公報（特許文献４）、欧州特許第０ ６６７ ５５５号明細書（特許文献５）、欧州特許第０ ６７３ ９８６号明細書（特許文献６）、ドイツ国特許第１９５ ０９ ４１０号明細書（特許文献７）、ドイツ国特許第１９５ ２８ １０６号明細書（特許文献８）、ドイツ国特許第１９５ ２８ １０７号明細書（特許文献９）、国際特許出願公開第９６／２３ ８５１号パンフレット（特許文献１０）および国際特許出願公開第９６／２８ ５２１号パンフレット（特許文献１１）より既知である。しかしながら、これらの組成物は顕著な不具合を有している。他の欠陥の中でも、それらの殆どは好ましくない長い応答時間を結果としてもたらし、不十分な抵抗値を有し、および／または過度に高い動作電圧を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】ドイツ国特許第４０ ００ ４５１号明細書
【特許文献２】欧州特許第０ ５８８ ５６８号明細書
【特許文献３】国際特許出願公開第９１／０５ ０２９号パンフレット
【特許文献４】特開平０７−１８１４３９号公報
【特許文献５】欧州特許第０ ６６７ ５５５号明細書
【特許文献６】欧州特許第０ ６７３ ９８６号明細書
【特許文献７】ドイツ国特許第１９５ ０９ ４１０号明細書
【特許文献８】ドイツ国特許第１９５ ２８ １０６号明細書
【特許文献９】ドイツ国特許第１９５ ２８ １０７号明細書
【特許文献１０】国際特許出願公開第９６／２３ ８５１号パンフレット
【特許文献１１】国際特許出願公開第９６／２８ ５２１号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
よって、広いネマチック相範囲、使用されるディスプレイのモードに対応する適切な光学異方性Δｎ、高いΔεおよび特に低い粘度などの実用的な用途のために適切な特性を有する液晶媒体に対する多大な要求がある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
ここで驚くべきことに、適切に高いΔε、適切な相範囲およびΔｎを有する液晶媒体を実現できることが見出され、その媒体は先行技術からの材料の不具合を示さないか、または少なくとも格別により小さな程度にしか示さない。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
これらの改良された本出願による液晶媒体は、少なくとも以下の成分を含む。
【００１１】
・式Ｉの１種類以上の誘電的に正の化合物を含む第１の誘電的に正の成分である成分Ａ。
【００１２】
【化１】
式中、
Ｒ１は、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニル、好ましくは、アルキルまたはアルケニルを表し、
Ｘ１は、−ＣＮ、ハロゲン、１〜３個のＣ原子を有するハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アルコキシ、または２個または３個のＣ原子を有するハロゲン化アルケニルまたはハロゲン化アルケニルオキシ、好ましくは、Ｆ、Ｃｌ、−ＯＣＦ３、−ＣＦ３または−Ｏ−ＣＨ＝ＣＦ２、より好ましくは、Ｆ、Ｃｌまたは−ＯＣＦ３、非常に好ましくは、Ｆを表し、
Ｙ１は、＝Ｎ−、＝（ＣＨ）−または＝（ＣＦ）−を表し、
【００１３】
【化２】
好ましくは、
【００１４】
【化３】
【００１５】
【化４】
Ｚ１１〜Ｚ１３は、互いに独立に、および、Ｚ１１および／またはＺ１３が１回より多く存在する場合は、また、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＦ２ＣＦ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−または単結合、好ましくは、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−または単結合、非常に好ましくは、単結合を表し、
Ｌ１１〜Ｌ１４は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、好ましくは、Ｌ１１〜Ｌ１４の２つ以上がＦを表し、好ましくは、Ｌ１１および／またはＬ１３がＦを表し、非常に好ましくは、それらの全てがＦを表し、および
ｊおよびｋは、互いに独立に、０、１または２を表し、ただし、
（ｊ＋ｋ）は、０、１または２、好ましくは、０または１を表す。
【００１６】
・任意成分として、好ましくは、式ＩＩおよびＩＩＩの化合物群より選択され、好ましくは、３より大きい誘電異方性を有している１種類以上の誘電的に正の化合物を含む第２の誘電的に正の成分である成分Ｂ。
【００１７】
【化５】
式中、
Ｒ２およびＲ３は、互いに独立に、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニルを表し、および、Ｒ２およびＲ３は、好ましくは、アルキルまたはアルケニルを表し、
【００１８】
【化６】
好ましくは、
【００１９】
【化７】
Ｌ２１、Ｌ２２、Ｌ３１およびＬ３２は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ２１および／またはＬ３１は、好ましくは、Ｆを表し、
Ｘ２およびＸ３は、互いに独立に、ハロゲン、１〜３個のＣ原子を有するハロゲン化アルキルまたはアルコキシ、または２個または３個のＣ原子を有するハロゲン化アルケニルまたはアルケニルオキシ、好ましくは、Ｆ、Ｃｌ、−ＯＣＦ３または−ＣＦ３、非常に好ましくは、Ｆ、Ｃｌまたは−ＯＣＦ３を表し、
Ｚ３は、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＦ２ＣＦ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−または単結合、好ましくは、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−または単結合、非常に好ましくは、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−または単結合を表し、および
ｌ、ｍ、ｎおよびｏは、互いに独立に、０または１を表す。
【００２０】
・任意成分として、式ＩＶの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含む誘電的に中性の成分である成分Ｃ。
【００２１】
【化８】
式中、
Ｒ４１およびＲ４２は、互いに独立に、式ＩＩにおいてＲ２に上で示される意味を有し、好ましくは、Ｒ４１がアルキルを表し、Ｒ４２がアルキルまたはアルコキシを表すか、またはＲ４１がアルケニルを表し、Ｒ４２がアルキルを表し、
【００２２】
【化９】
【００２３】
【化１０】
Ｚ４１およびＺ４２は、互いに独立に、およびＺ４１が２回出現する場合、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−、−Ｃ≡Ｃ−または単結合を表し、好ましくは、それらの１つ以上は単結合を表し、および
ｐは、０、１または２を表し、好ましくは、０または１である。
【００２４】
成分Ａは、好ましくは、３より大きい誘電異方性を有し、パラメータが式Ｉにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆを表す式Ｉの１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００２５】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’、Ｉ”およびＩ’”の１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００２６】
【化１１】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示される意味を有する。
【００２７】
本発明の第一に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’の１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００２８】
本発明の更に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ”の１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００２９】
本発明のより更に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’の１種類以上の誘電的に正の化合物と、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ”の１種類以上の誘電的に正の化合物とを含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００３０】
本発明の非常に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’Ａ、Ｉ’ＢおよびＩ’Ｃの化合物群より選択され、好ましくは、式Ｉ’Ａの１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００３１】
【化１２】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示される意味を有するが、式Ｉ’Ｂにおいて、ｊは０を表さない。
【００３２】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’Ａ−１およびＩ’Ａ−２の化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００３３】
【化１３】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式Ｉ’Ａ−２において、パラメータＬ１５およびＬ１６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ１５は、好ましくは、Ｆを表す。
【００３４】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ’Ａ−１の１種類以上の化合物を含む。式Ｉ’Ａ−１の化合物は、好ましくは、式Ｉ’Ａ−１ａ〜Ｉ’Ａ−１ｄの化合物群より選択される。
【００３５】
【化１４】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ’Ａ−１において上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００３６】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ’Ａ−２の１種類以上の化合物を含む。式Ｉ’Ａ−２の化合物は、好ましくは、式Ｉ’Ａ−２ａ〜Ｉ’Ａ−２ｎの化合物群より選択され、好ましくは、式Ｉ’Ａ−２ｅ〜Ｉ’Ａ−２ｌの化合物群より選択され、非常に好ましくは、式Ｉ’Ａ−２ｌである。
【００３７】
【化１５】
【００３８】
【化１６】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ’Ａ−２において上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００３９】
本発明の更に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ”Ａ、Ｉ”ＢおよびＩ”Ｃ、好ましくは、式Ｉ”Ａおよび式Ｉ”Ｂの化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００４０】
【化１７】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示される意味を有するが、式Ｉ”Ｂにおいて、ｊは０を表さない。
【００４１】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ”Ａ−１およびＩ”Ａ−２の化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００４２】
【化１８】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式Ｉ”Ａ−２において、パラメータＬ１５およびＬ１６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ１５は、好ましくは、Ｆを表す。
【００４３】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ”Ａ−１の１種類以上の化合物を含む。式Ｉ”Ａ−１の化合物は、好ましくは、式Ｉ”Ａ−１ａ〜Ｉ”Ａ−１ｄの化合物群より選択され、特に好ましくは、式Ｉ”Ａ−１ｄである。
【００４４】
【化１９】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ”Ａ−１において上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００４５】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ”Ａ−２の１種類以上の化合物を含む。式Ｉ”Ａ−２の化合物は、好ましくは、式Ｉ”Ａ−２ａ〜Ｉ”Ａ−２ｎの化合物群より選択され、好ましくは、式Ｉ”Ａ−２ｅ〜Ｉ”Ａ−２ｌの化合物群より選択され、非常に好ましくは、式Ｉ”Ａ−２ｌである。
【００４６】
【化２０】
【００４７】
【化２１】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ”Ａ−２において上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００４８】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ”Ｂ−１〜Ｉ”Ｂ−３の化合物群より選択され、好ましくは、式Ｉ”Ｂ−２である１種類以上の化合物を含む。
【００４９】
【化２２】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ”Ｂにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式Ｉ”Ｂ−３において、パラメータＬ１５およびＬ１６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ１５は、好ましくは、Ｆを表し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００５０】
本発明の更に特に好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’”Ａ、Ｉ’”ＢおよびＩ’”Ｃ、好ましくは、式Ｉ’”Ａおよび式Ｉ’”Ｂの化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００５１】
【化２３】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示される意味を有するが、式Ｉ’”Ｂにおいて、ｊは０を表さない。
【００５２】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、３より大きい誘電異方性を有し、式Ｉ’”Ａ−１およびＩ’”Ａ−２の化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００５３】
【化２４】
式中、パラメータは式Ｉにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式Ｉ’”Ａ−２において、パラメータＬ１５およびＬ１６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ１５は、好ましくは、Ｆを表す。
【００５４】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ’”Ａ−１の１種類以上の化合物を含む。式Ｉ’”Ａ−１の化合物は、好ましくは、式Ｉ’”Ａ−１ａ〜Ｉ’”Ａ−１ｄの化合物群より選択され、特に好ましくは、式Ｉ’”Ａ−１ｄである。
【００５５】
【化２５】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ”Ａ−１において上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００５６】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ａは、式Ｉ’”Ｂ−１〜Ｉ’”Ｂ−３の化合物群より選択され、好ましくは、式Ｉ’”Ｂ−３である１種類以上の化合物を含む。
【００５７】
【化２６】
式中、Ｒ１およびＸ１は式Ｉ’”Ｂにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式Ｉ’”Ｂ−３において、パラメータＬ１５およびＬ１６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ１５は、好ましくは、Ｆを表し、Ｘ１は、好ましくは、Ｆ、ＣＦ３またはＯＣＦ３、特に好ましくは、Ｆを表す。
【００５８】
媒体における成分Ａの濃度は、好ましくは、１％〜５０％、より好ましくは、２％〜４０％、更により好ましくは、４％〜３５％、非常に好ましくは、５％〜３０％の範囲内である。
【００５９】
本発明による媒体は、好ましくは、第２の誘電的に正の成分である成分Ｂを含む。この第２の誘電体成分である成分Ｂは、好ましくは、３より大きい誘電異方性を有する誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００６０】
この成分である成分Ｂは、好ましくは、３より大きい誘電異方性を有し、式ＩＩおよびＩＩＩの群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００６１】
本発明の好ましい実施形態において、成分Ｂは、３より大きい誘電異方性を有し、式ＩＩ−１〜ＩＩ−３の化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００６２】
【化２７】
式中、パラメータは式ＩＩにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、式ＩＩ−１においては、パラメータＬ２３およびＬ２４は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、式ＩＩ−２においては、
【００６３】
【化２８】
成分Ｂは、好ましくは、Ｌ２１およびＬ２２またはＬ２３およびＬ２４の両者がＦを表す式ＩＩ−１〜ＩＩ−３の化合物群より選択される化合物を含む。
【００６４】
好ましい実施形態において、成分Ｂは、Ｌ２１、Ｌ２２、Ｌ２３およびＬ２４の全てがＦを表す式ＩＩ−１およびＩＩ−２の化合物群より選択される化合物を含む。
【００６５】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩ−１の１種類以上の化合物を含む。式ＩＩ−１の化合物は、好ましくは、式ＩＩ−１ａ〜ＩＩ−１ｊの化合物群より選択される。
【００６６】
【化２９】
【００６７】
【化３０】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｌ２５〜Ｌ２８は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、好ましくは、Ｌ２７およびＬ２８の両者がＨを表し、特に好ましくは、Ｌ２６がＨを表す。
【００６８】
成分Ｂは、好ましくは、Ｌ２１およびＬ２２の両者がＦを表し、および／またはＬ２３およびＬ２４の両者がＦを表す式ＩＩ−１ａ〜ＩＩ−１ｅの化合物群より選択される化合物を含む。
【００６９】
好ましい実施形態において、成分Ｂは、Ｌ２１、Ｌ２２、Ｌ２３およびＬ２４の全てがＦを表す式ＩＩ−１ａ〜ＩＩ−１ｈの化合物群より選択される化合物を含む。
【００７０】
式ＩＩ−１の特に好ましい化合物は、以下である。
【００７１】
【化３１】
【００７２】
【化３２】
式中、Ｒ２およびＸ２は、上で示される意味を有し、Ｘ２は、好ましくは、Ｆを表す。
【００７３】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩ−２の１種類以上の化合物を含む。式ＩＩ−２の化合物は、好ましくは、式ＩＩ−２ａ〜ＩＩ−２ｃの化合物群より選択される。
【００７４】
【化３３】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、Ｌ２１およびＬ２２の両者は、好ましくは、Ｆを表す。
【００７５】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩ−３の１種類以上の化合物を含む。式ＩＩ−３の化合物は、好ましくは、式ＩＩ−３ａ〜ＩＩ−３ｅの化合物群より選択される。
【００７６】
【化３４】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、および
Ｌ２５およびＬ２６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、好ましくは、
式ＩＩ−３ａおよびＩＩ−３ｂにおいて、Ｌ２１およびＬ２２の両者がＦを表し、
式ＩＩ−３ｃおよびＩＩ−３ｄにおいて、Ｌ２１およびＬ２２の両者がＦを表し、および／またはＬ２３およびＬ２４の両者がＦを表し、および
式ＩＩ−３ｅにおいて、Ｌ２１、Ｌ２２およびＬ２３がＦを表す。
【００７７】
式ＩＩ−３の特に好ましい化合物は、以下である。
【００７８】
【化３５】
式中、Ｒ２は、上で示される意味を有する。
【００７９】
本発明の更に好ましい実施形態において、成分Ｂは、３より大きい誘電異方性を有し、式ＩＩＩ−１およびＩＩＩ−２の群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【００８０】
【化３６】
式中、パラメータは式ＩＩＩにおいて上で示されるそれぞれの意味を有する。
【００８１】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−１の１種類以上の化合物を含む。式ＩＩＩ−１の化合物は、好ましくは、式ＩＩＩ−１ａおよびＩＩＩ−１ｂの化合物群より選択される。
【００８２】
【化３７】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、パラメータＬ３３およびＬ３４は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表す。
【００８３】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２の１種類以上の化合物を含む。式ＩＩＩ−２の化合物は、好ましくは、式ＩＩＩ−２ａ〜ＩＩＩ−２ｈの化合物群より選択される。
【００８４】
【化３８】
【００８５】
【化３９】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、パラメータＬ３５およびＬ３６は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表す。
【００８６】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−１ａ−１〜ＩＩＩ−１ａ−６の化合物群より選択される式ＩＩＩ−１ａの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００８７】
【化４０】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００８８】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−１ｂ−１〜ＩＩＩ−１ｂ−４の化合物群より選択され、好ましくは、ＩＩＩ−１ｂ４である式ＩＩＩ−１ｂの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００８９】
【化４１】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００９０】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ａ−１〜ＩＩＩ−２ａ−４の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ａの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００９１】
【化４２】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００９２】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｂ−１およびＩＩＩ−２ｂ−２の化合物群より選択され、好ましくは、ＩＩＩ−２ｂ−２である式ＩＩＩ−２ｂの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００９３】
【化４３】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００９４】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｃ−１〜ＩＩＩ−２ｃ−５の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ｃの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００９５】
【化４４】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００９６】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｄ−１およびＩＩＩ−２ｅ−１の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ｄおよびＩＩＩ−２ｅの化合物群より選択される１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００９７】
【化４５】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【００９８】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｆ−１〜ＩＩＩ−２ｆ−５の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ｆの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【００９９】
【化４６】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【０１００】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｇ−１〜ＩＩＩ−２ｇ−５の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ｇの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【０１０１】
【化４７】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【０１０２】
成分Ｂは、好ましくは、式ＩＩＩ−２ｈ−１〜ＩＩＩ−２ｈ−５の化合物群より選択される式ＩＩＩ−２ｈの１種類以上の化合物を好ましくは含む。
【０１０３】
【化４８】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【０１０４】
式ＩＩＩ−１および／またはＩＩＩ−２の化合物に代えるか加えて、本発明による媒体は式ＩＩＩ−３の１種類以上の化合物を含んでもよい。
【０１０５】
【化４９】
式中、パラメータは式ＩＩＩにおいて上で示されるそれぞれの意味を有しており、式ＩＩＩ−３は、好ましくは、式ＩＩＩ−３ａおよびＩＩＩ−３ｂの群より選択される。
【０１０６】
【化５０】
式中、Ｒ３は上で示される意味を有する。
【０１０７】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、誘電的に中性の成分である成分Ｃを含む。この成分は、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有する。それは、好ましくは、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有する誘電的に中性の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、特に好ましくは全てが成る。この成分は、好ましくは、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有し、式ＩＶの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１０８】
誘電的に中性の成分である成分Ｃは、好ましくは、式ＩＶ−１〜ＩＶ−６の化合物群より選択される１種類以上の化合物を含む。
【０１０９】
【化５１】
式中、Ｒ４１およびＲ４２は、式ＩＶにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、および、式ＩＶ−１、ＩＶ−５およびＩＶ−６においては、Ｒ４１は、好ましくはアルキルまたはアルケニル、好ましくはアルケニルを表し、およびＲ４２は、好ましくはアルキルまたはアルケニル、好ましくはアルキルを表し、式ＩＶ−２においては、Ｒ４１およびＲ４２は、好ましくは、アルキルを表し、および、式ＩＶ−４においては、Ｒ４１は、好ましくはアルキルまたはアルケニル、より好ましくはアルキルを表し、および、Ｒ４２は、好ましくはアルキルまたはアルコキシ、より好ましくはアルコキシを表す。
【０１１０】
誘電的に中性の成分である成分Ｃは、好ましくは、式ＩＶ−１、ＩＶ−４、ＩＶ−５およびＩＶ−６の化合物群より選択される１種類以上の化合物を含み、好ましくは、式ＩＶ−１の１種類以上の化合物および式ＩＶ−４およびＩＶ−５の群より選択される１種類以上の化合物であり、より好ましくは、式ＩＶ−１、ＩＶ−４およびＩＶ−５のそれぞれの１種類以上の化合物であり、非常に好ましくは、式ＩＶ−１、ＩＶ−４、ＩＶ−５およびＩＶ−６のそれぞれの１種類以上の化合物を含む。
【０１１１】
好ましい実施形態において、成分Ｃは、好ましくは、式ＩＶ−５の１種類以上の化合物を含み、より好ましくは、それぞれがそれのサブ式である式ＣＣＰ−Ｖ−ｎおよび／またはＣＣＰ−ｎＶ−ｍおよび／またはＣＣＰ−Ｖｎ−ｍより選択され、より好ましくは、式ＣＣＰ−Ｖ−ｎおよび／またはＣＣＰ−Ｖ２−ｎであり、非常に好ましくは、式ＣＣＰ−Ｖ−１およびＣＣＰ−Ｖ２−１の群より選択される。これらの略号（頭文字）の定義は下に表Ｄで示されるか、表Ａ〜Ｃより明らかである。
【０１１２】
同様に好ましい実施形態において、成分Ｃは、好ましくは、式ＩＶ−１の１種類以上の化合物を含み、より好ましくは、それぞれがそれのサブ式である式ＣＣ−ｎ−ｍ、ＣＣ−ｎ−Ｖおよび／またはＣＣ−ｎ−Ｖｍより選択され、より好ましくは、式ＣＣ−ｎ−Ｖおよび／またはＣＣ−ｎ−Ｖｍであり、非常に好ましくは、式ＣＣ−３−Ｖ、ＣＣ−４−Ｖ、ＣＣ−５−Ｖ、ＣＣ−３−Ｖ１、ＣＣ−４−Ｖ１、ＣＣ−５−Ｖ１およびＣＣ−３−Ｖ２の群より選択される。これらの略号（頭文字）の定義は同様に下に表Ｄで示されるか、表Ａ〜Ｃより明らかである。
【０１１３】
先のものと同一でも異なるものでもよい本発明の更なる好ましい実施形態において、本発明による液晶混合物は成分Ｃを含んでおり、それは、上に示される通りの式ＩＶ−１〜ＩＶ−６の化合物群より選択され、および、任意成分として、式ＩＶ−７〜ＩＶ−１４の式ＩＶの化合物を含み、好ましくは大部分が成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１１４】
【化５２】
式中、
Ｒ４１およびＲ４２は、互いに独立に、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、または２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニルを表し、および
Ｌ４は、ＨまたはＦを表す。
【０１１５】
好ましい実施形態において、成分Ｃは、好ましくは、式ＩＶ−７の１種類以上の化合物を含み、より好ましくは、それぞれがそれのサブ式である式ＣＰＰ−３−２、ＣＰＰ−５−２およびＣＧＰ−３−２より選択され、より好ましくは、式ＣＰＰ−３−２および／またはＣＧＰ−３−２であり、非常に特に好ましくは、式ＣＰＰ−３−２である。これらの略号（頭文字）の定義は下に表Ｄで示されるか、表Ａ〜Ｃより明らかである。
【０１１６】
式ＩＩおよび／またはＩＩＩの化合物に代えるか加えて、本発明による媒体は、成分Ｂにおいて、式Ｖの１種類以上の誘電的に正の化合物を含んでもよい。
【０１１７】
【化５３】
式中、
Ｒ５は、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、炭素数２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニルを表し、および好ましくは、アルキルまたはアルケニルを表し、
【０１１８】
【化５４】
Ｌ５１およびＬ５２は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、Ｌ５１は、好ましくは、Ｆを表し、および
Ｘ５は、ハロゲン、１〜３個のＣ原子を有するハロゲン化アルキルまたはアルコキシ、または２個または３個のＣ原子を有するハロゲン化アルケニルまたはアルケニルオキシを表し、好ましくは、Ｆ、Ｃｌ、−ＯＣＦ３または−ＣＦ３、非常に好ましくは、Ｆ、Ｃｌまたは−ＯＣＦ３であり、
Ｚ５は、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＦ２ＣＦ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−または−ＣＨ２Ｏ−、好ましくは、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−またはトランス−ＣＨ＝ＣＨ−、および非常に好ましくは、−ＣＯＯ−またはトランス−ＣＨ＝ＣＨ−を表し、および
ｑは、０または１を表す。
【０１１９】
本発明による媒体は、好ましくは、式Ｖ−１およびＶ−２の化合物群より好ましくは選択される式Ｖの１種類以上の化合物を含む。
【０１２０】
【化５５】
式中、パラメータは上で示されるそれぞれの意味を有し、および、パラメータＬ５３およびＬ５４は、互いにおよび他のパラメータとは独立に、ＨまたはＦを表し、および、Ｚ５は、好ましくは、−ＣＨ２−ＣＨ２−を表す。
【０１２１】
式Ｖ−１の化合物は、好ましくは、式Ｖ−１ａおよびＶ−１ｂの化合物群より選択される。
【０１２２】
【化５６】
式中、Ｒ５は上で示される意味を有する。
【０１２３】
式Ｖ−２の化合物は、好ましくは、式Ｖ−２ａ〜Ｖ−２ｄの化合物群より選択される。
【０１２４】
【化５７】
式中、Ｒ５は上で示される意味を有する。
【０１２５】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、追加の誘電的に中性の成分である成分Ｄを含む。この成分は、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有する。それは、好ましくは、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有する誘電的に中性の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、特に好ましくは全てが成る。この成分は、好ましくは、−１．５〜３の範囲内の誘電異方性を有し、式ＶＩの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１２６】
【化５８】
式中、
Ｒ６１およびＲ６２は、互いに独立に、式ＩＩにおいてＲ２に上で示される意味を有し、好ましくは、Ｒ６１はアルキルを表し、およびＲ６２はアルキルまたはアルケニルを表し、
【０１２７】
【化５９】
【０１２８】
【化６０】
Ｚ６１およびＺ６２は、互いに独立に、Ｚ６１が２回出現する場合は、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−または単結合を表し、好ましくは、それらの１つ以上が単結合を表し、および
ｒは０、１または２、好ましくは、０または１を表す。
【０１２９】
誘電的に中性の成分である成分Ｄは、好ましくは、式ＶＩ−１およびＶＩ−２の化合物群より選択される１種類以上の化合物を含む。
【０１３０】
【化６１】
式中、Ｒ６１およびＲ６２は式ＶＩにおいて上で示されるそれぞれの意味を有し、およびＲ６１は好ましくはアルキルを表し、および、式ＶＩ−１において、Ｒ６２は、好ましくはアルケニル、好ましくは、−（ＣＨ２）２−ＣＨ＝ＣＨ−ＣＨ３を表し、および、式ＶＩ−２において、Ｒ６２は、好ましくは、アルキルを表す。
【０１３１】
誘電的に中性の成分である成分Ｄは、好ましくは、式ＶＩ−１およびＶＩ−２の化合物群より選択される１種類以上の化合物を含み、式中、Ｒ６１は好ましくはｎ−アルキルを表し、および、式ＶＩ−１において、Ｒ６２は好ましくはアルケニルを表し、および、式ＶＩ−２において、Ｒ６２は好ましくはｎ−アルキルを表す。
【０１３２】
好ましい実施形態において、成分Ｄは、好ましくは、式ＶＩ−１、より好ましくは、そのサブ式ＰＰ−ｎ−２Ｖｍ、更により好ましくは式ＰＰ−１−２Ｖ１の１種類以上の化合物を含む。これらの略号（頭文字）の定義は下に表Ｄで示されるか、表Ａ〜Ｃより明らかである。
【０１３３】
好ましい実施形態において、成分Ｄは、好ましくは、式ＶＩ−２、より好ましくは、それのサブ式ＰＧＰ−ｎ−ｍ、更により好ましくは、それのサブ式ＰＧＰ−３−ｍ、非常に好ましくは、式ＰＧＰ−３−２、ＰＧＰ−３−３、ＰＧＰ−３−４およびＰＧＰ−３−５より選択される１種類以上の化合物を含む。これらの略号（頭文字）の定義は、同様に、下に表Ｄで示されるか、表Ａ〜Ｃより明らかである。
【０１３４】
本発明による液晶混合物は、好ましくは、成分ＡおよびＢに加え、少なくとも１種類の更なる成分を含む。この第３の成分は成分ＣおよびＤの１種類でよく、存在する第３の成分は、好ましくは、成分Ｃである。
【０１３５】
当然ながら、本発明による混合物は、４種類の成分Ａ、Ｂ、ＣおよびＤの全てを含んでもよい。
【０１３６】
加えて、本発明による液晶混合物は更なる任意成分である成分Ｅを含んでもよく、それは負の誘電異方性を有し、誘電的に負で、好ましくは、式ＶＩＩの化合物を含み、好ましくは大部分が成り、より好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１３７】
【化６２】
式中
Ｒ７１およびＲ７２は、互いに独立に、式ＩＩにおいてＲ２に上で示される意味を有し、
【０１３８】
【化６３】
【０１３９】
【化６４】
Ｚ７１およびＺ７２は、互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−または単結合を表し、好ましくは、それらの１つ以上が単結合を表し、非常に好ましくは、両者が単結合を表し、
Ｌ７１およびＬ７２は、互いに独立に、Ｃ−ＦまたはＮを表し、好ましくは、それらの１つ以上がＣ−Ｆを表し、非常に好ましくは、両者がＣ−Ｆを表し、および
ｓは、０または１を表す。
【０１４０】
加えて、本発明による液晶混合物は更なる任意成分である成分Ｆを含んでもよく、それは正の誘電異方性を有し、誘電的に正で、好ましくは、式ＶＩＩＩの化合物を含み、好ましくは大部分が成り、より好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１４１】
【化６５】
式中、
Ｒ８は、式ＩＩにおいてＲ２に上で示される意味を有し、
【０１４２】
【化６６】
他は同一の意味を有するか、互いに独立に、
【０１４３】
【化６７】
Ｚ８１およびＺ８２は、互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−または単結合を表し、好ましくは、それらの１つ以上が単結合を表し、非常に好ましくは、両者が単結合を表し、
ｔは０、１または２、好ましくは０または１、より好ましくは１を表し、および
Ｘ８は式ＩＩにおいてＸ２に上で示される意味を有するか、あるいは、Ｒ８とは独立にＲ８に示される意味を有していてもよく、
式Ｉの化合物からは除外される。
【０１４４】
本発明による液晶媒体は、成分Ａ〜Ｅ、好ましくはＡ〜Ｄ、非常に好ましくはＡ〜Ｃ、特には、式Ｉ〜ＶＩＩＩ、好ましくはＩ〜Ｖ、非常に好ましくはＩ〜ＩＩＩおよび／またはＩＶの化合物群より選択される化合物を好ましくは含み、より好ましくは大部分が成り、更により好ましくは本質的に成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１４５】
本出願において、組成物に関して含むとは、関連する構成成分、即ち、媒体または成分が、示される１種類の成分または複数種類の成分または１種類の化合物または複数種類の化合物を、好ましくは１０％以上、非常に好ましくは２０％以上の総濃度で含有することを意味する。
【０１４６】
この関係において、大部分が成るとは、関連する構成成分が、５５％以上、好ましくは６０％以上、非常に好ましくは７０％以上の、示される１種類の成分または複数種類の成分または１種類の化合物または複数種類の化合物を含有することを意味する。
【０１４７】
この関係において、本質的に成るとは、関連する構成成分が、８０％以上、好ましくは９０％以上、非常に好ましくは９５％以上の、示される１種類の成分または複数種類の成分または１種類の化合物または複数種類の化合物を含有することを意味する。
【０１４８】
この関係において、全てが成るとは、関連する構成成分が、９８％以上、好ましくは９９％以上、非常に好ましくは１００．０％の、示される１種類の成分または複数種類の成分または１種類の化合物または複数種類の化合物を含有することを意味する。
【０１４９】
成分Ｅは、式ＶＩＩの、好ましくは、式ＶＩＩ−１〜ＶＩＩ−３の化合物群より選択される１種類以上の化合物を好ましくは含み、より好ましくは大部分が成り、非常に好ましくは全てが成る。
【０１５０】
【化６８】
式中
Ｒ７１およびＲ７２は、式ＶＩＩにおいて上で示されるそれぞれの意味を有する。
【０１５１】
式ＶＩＩ−１〜ＶＩＩ−３において、Ｒ７１は、好ましくは、ｎ−アルキルまたは１Ｅ−アルケニルを表し、およびＲ７２は、好ましくは、ｎ−アルキルまたはアルコキシを表す。
【０１５２】
明らかには上述されていない他のメソゲン化合物も、本発明による媒体中において任意成分として有効に使用できる。そのような化合物は、当業者に既知である。
【０１５３】
本発明による液晶媒体は、好ましくは６０℃以上、特に好ましくは７０℃以上、非常に特に好ましくは７５℃以上の透明点を有する。
【０１５４】
本発明による液晶媒体のΔｎは、５８９ｎｍ（ＮａＤ）および２０℃において、好ましくは０．０６０以上〜０．１４０以下の範囲内、より好ましくは０．０７０以上〜０．１３０以下の範囲内、更により好ましくは０．０８０以上〜０．１２５以下の範囲内、非常に好ましくは０．０９０以上〜０．１２２以下の範囲内である。
【０１５５】
本出願の好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体のΔｎは、好ましくは０．０８０以上、より好ましくは０．０９０以上である。
【０１５６】
本発明による液晶媒体のΔεは、１ｋＨｚおよび２０℃において、好ましくは２以上、より好ましくは４以上、非常に好ましくは６以上である。特には、Δεは１５以下である。
【０１５７】
本発明による媒体のネマチック相は、好ましくは少なくとも０℃以下〜６５℃以上、より好ましくは少なくとも−２０℃以下〜７０℃以上、非常に好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７５℃以上、特には少なくとも−４０℃以下〜７５℃以上に広がっている。
【０１５８】
本発明の第１の好ましい実施形態において、液晶媒体のΔｎは０．０９０以上〜０．１３０以下の範囲内、より好ましくは０．０９５以上〜０．１２０以下の範囲内、非常に好ましくは０．１００以上〜０．１１５以下の範囲内であり、一方、Δεは、好ましくは、２以上〜１２以下の範囲内、好ましくは、１０以下である。
【０１５９】
本発明の第２の好ましい実施形態において、液晶媒体のΔｎは０．０８５以上〜０．１３０以下の範囲内、より好ましくは０．０９０以上〜０．１２５以下の範囲内、非常に好ましくは０．０９５以上〜０．１２０以下の範囲内であり、一方、Δεは、好ましくは４以上、より好ましくは６以上、更により好ましくは８．０以上、非常に好ましくは８．０以上〜１０．０以下の範囲内である。
【０１６０】
この実施形態において、本発明による媒体のネマチック相は、好ましくは少なくとも−２０℃以下〜６５℃以上、より好ましくは少なくとも−２０℃以下〜７０℃以上、非常に好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７０℃以上、特には少なくとも−４０℃以下〜７０℃以上に広がっている。
【０１６１】
本発明の第３の好ましい実施形態において、液晶媒体のΔｎは０．０７０以上〜０．１２０以下の範囲内、より好ましくは０．０７５以上〜０．１１５以下の範囲内、非常に好ましくは０．０８０以上〜０．１１０以下の範囲内であり、一方、Δεは、好ましくは２．０以上、より好ましくは３．０以上〜１４．０以下の範囲内、非常に好ましくは４．０以上〜６．０以下の範囲内、または、特に好ましくは、６．０以上〜１１．０以下の範囲内の何れかである。
【０１６２】
この実施形態において、本発明による媒体のネマチック相は、好ましくは少なくとも−２０℃以下〜７５℃以上、より好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７０℃以上、非常に好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７５℃以上、特には少なくとも−３０℃以下〜８０℃以上に広がっている。
【０１６３】
本発明の第４の好ましい実施形態において、液晶媒体のΔｎは０．０８０以上〜０．１２０以下の範囲内、より好ましくは０．０８５以上〜０．１１５以下の範囲内、非常に好ましくは０．０９０以上〜０．１１０以下の範囲内であり、一方、Δεは、好ましくは１．５以上、より好ましくは２．０以上〜８．０以下の範囲内、非常に好ましくは２．０以上〜６．０以下の範囲内、または、特に好ましくは、２．０以上〜４．０以下の範囲内の何れかである。
【０１６４】
この実施形態において、本発明による媒体のネマチック相は、好ましくは少なくとも−２０℃以下〜６５℃以上、より好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７０℃以上、非常に好ましくは少なくとも−３０℃以下〜７５℃以上、特には少なくとも−３０℃以下〜８０℃以上に広がっている。
【０１６５】
本発明の第５の好ましい実施形態において、液晶媒体のΔｎは０．０９０以上〜０．１４０以下の範囲内であり、一方、Δεは２．０以上〜１４．０以下の範囲内である。
【０１６６】
本発明によれば、成分Ａは、混合物全体の好ましくは１％〜５０％、より好ましくは１％〜３０％、更により好ましくは２％〜３０％、非常に好ましくは３％〜３０％の濃度において使用される。
【０１６７】
成分Ｂは、混合物全体の好ましくは２％〜６０％、より好ましくは３％〜５５％、更により好ましくは１５％〜５０％、非常に好ましくは２０％〜４５％の濃度において使用される。
【０１６８】
成分Ｃは、混合物全体の好ましくは０％〜７０％、より好ましくは１０％〜６５％、更により好ましくは２０％〜６０％、非常に好ましくは１５％〜５５％の濃度において使用される。
【０１６９】
成分Ｄは、混合物全体の好ましくは０％〜５０％、より好ましくは１％〜４０％、更により好ましくは５％〜３０％、非常に好ましくは１０％〜２０％の濃度において使用される。
【０１７０】
成分Ｅは、混合物全体の好ましくは０％〜３０％、より好ましくは０％〜１５％、非常に好ましくは１％〜１０％の濃度において使用される。
【０１７１】
物理的特性を調節するために、本発明による媒体は、更なる液晶化合物を任意に含んでよい。そのような化合物は、当業者に既知である。本発明による媒体中のそれらの濃度は、好ましくは０％〜３０％、より好ましくは０．１％〜２０％、非常に好ましくは１％〜１５％である。
【０１７２】
上述の本発明の第１の好ましい実施形態において、成分Ａは、混合物全体の好ましくは１％〜６５％、より好ましくは３％〜６０％、非常に好ましくは５％〜５７％の濃度において使用され、一方、成分Ｄは、混合物全体の好ましくは５％〜４０％、より好ましくは１０％〜３５％、非常に好ましくは１０％〜３０％の濃度において使用される。
【０１７３】
この好ましい実施形態において、媒体は、好ましくは式ＶＩの、非常に好ましくは式ＶＩ−２の１種類以上の化合物を含む。
【０１７４】
特に上述の本発明の第２の好ましい実施形態において、成分Ｃは、好ましくは式ＩＶ、より好ましくは式ＩＶ−１、更により好ましくは、それのそれぞれのサブ式である式ＣＣ−ｎ−Ｖおよび／またはＣＣ−ｎ−Ｖｍ、より好ましくは式ＣＣ−ｎ−Ｖ１および／またはＣＣ−ｎ−Ｖより選択され、非常に好ましくは、式ＣＣ−３−Ｖ、ＣＣ−４−Ｖ、ＣＣ−５−ＶおよびＣＣ−３−Ｖ１の群より選択される１種類以上の化合物を含む。これらの略号（頭文字）の定義は下に表Ｄで示される。
【０１７５】
液晶媒体は、好ましくは全体で５０％〜１００％、より好ましくは７０％〜１００％、および非常に好ましくは８０％〜１００％、特には９０％〜１００％の成分Ａ、Ｂ、ＣおよびＤ、好ましくは、成分Ａ、ＢおよびＣを含み、よって、式Ｉ、ＩＩ、ＩＩＩ、ＩＶ、Ｖ、ＶＩおよびＶＩＩ、好ましくは、式Ｉ、ＩＩ、ＩＩＩ、ＩＶ、ＶおよびＶＩの１種類以上の化合物を含み、好ましくは大部分が成り、非常に好ましくは完全に成る。
【０１７６】
本出願において、誘電的に正との表現はΔε＞３．０である化合物または成分を記載し、誘電的に中性との表現は−１．５≦Δε≦３．０のものを記載し、誘電的に負との表現はΔε＜−１．５のものを記載する。Δεは１ｋＨｚの周波数および２０℃において決定される。それぞれの化合物の誘電異方性は、ネマチックホスト混合物中での、個々の化合物のそれぞれの１０％の溶液の結果から決定される。それぞれの化合物のホスト混合物中での溶解度が１０％未満であるときは、濃度を５％まで低下する。試験混合物の容量は、ホメオトロピック配向を有するセルおよびホモジニアス配向を有するセルの両方において決定する。両方の型のセルの厚は、およそ２０μｍである。印加される電圧は１ｋＨｚの周波数および典型的には０．５Ｖ〜１．０Ｖの二乗平均平方根値を有する矩形波であるが、常にそれぞれの試験混合物の容量閾値よりも低く選択される。
【０１７７】
Δεは（ε‖−ε⊥）と定義され、一方、εａｖは（ε‖＋２ε⊥）／３である。
【０１７８】
誘電的に正の化合物に使用されるホスト混合物は混合物ＺＬＩ−４７９２であり、誘電的に中性および誘電的に負の化合物に使用されるものは混合物ＺＬＩ−３０８６であり、両者ともドイツ国メルク社製である。化合物の誘電率は、興味ある化合物を添加した際のホスト混合物のそれぞれの値の変化から決定される。その値を、興味ある化合物の濃度１００％に外挿する。
【０１７９】
２０℃の測定温度でネマチック相を有する成分は、そのままで測定され、他の全ても化合物の測定と同様に処理される。
【０１８０】
両方の場合について他に明言しない限り、本出願において閾電圧との表現は光学的閾値を言い、１０％相対的コントラスト（Ｖ１０）についてであり、飽和電圧との表現は光学的飽和を言い、９０％相対的コントラスト（Ｖ９０）についてである。フレデリクス閾値（ＶＦｒ）とも呼ばれる容量的閾電圧（Ｖ０）は、明らかに述べる場合にのみ使用する。
【０１８１】
本出願で示されるパラメータの範囲は、他に明言しない限り、全て限界値を含む。
【０１８２】
互いの組み合わせにおいて特性の各種の範囲に示される異なる上限および下限の値は、追加の好ましい範囲を与える。
【０１８３】
本出願を通じて、他に明言しない限り、以下の条件および定義を適用する。全ての濃度は重量パーセントで示され、それぞれ混合物全体に関するものであり、全ての温度は、摂氏度であり、全ての温度差は差異度である。全ての物理的特性は、「Ｍｅｒｃｋ Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌｓ、Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｐｒｏｐｅｒｔｉｅｓ ｏｆ Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌｓ」、１９９７年１１月刊、ドイツ国メルク社に従って決定され、他に明言しない限り、２０℃の温度においてである。光学異方性（Δｎ）は、５８９．３ｎｍの波長で決定される。誘電異方性（Δε）は、１ｋＨｚの周波数で決定される。閾電圧ならびに他の全ての電気光学的特性は、ドイツ国メルク社で製造された試験セルを使用して決定される。Δεの決定のための試験セルは、約２０μｍのセル間隔を有している。電極は、１．１３ｃｍ２の面積および保護リングを有する円形ＩＴＯ電極である。配向層は、ホメオトロピック配向（ε‖）用には日本国日産化学社製ＳＥ−１２１１、ホモジニアス配向（ε⊥）用には日本国日本合成ゴム社製ポリイミドＡＬ−１０５４である。容量は、０．３Ｖｒｍｓの電圧を有する正弦波を使用するＳｏｌａｔｒｏｎ１２６０周波数応答解析装置によって決定する。電気光学的測定において使用される光は、白色光である。ドイツ国Ａｕｔｒｏｎｉｃ Ｍｅｌｃｈｅｒｓ社製の商業的に入手可能なＤＳＭ装置を使用する装置構成を、ここでは用いる。特性電圧を、垂直観察の下で決定した。閾値（Ｖ１０）、中間灰色（Ｖ５０）および飽和（Ｖ９０）電圧を、それぞれ１０％、５０％および９０％相対コントラストで決定した。
【０１８４】
本発明による液晶媒体は、通常の濃度で更なる添加剤およびキラルドーパントを含むことができる。これらの更なる構成成分の総濃度は、混合物全体に基づいて０％〜１０％、好ましくは０．１％〜６％の範囲内である。使用される個々の化合物の濃度は、それぞれ好ましくは０．１％〜３％の範囲内である。これらおよび類似の添加剤の濃度は、本出願において、液晶媒体の液晶成分および化合物の値および濃度範囲について述べている場合には考慮されない。
【０１８５】
本発明による液晶媒体は、数種の化合物、好ましくは３〜３０種類、より好ましくは４〜２０種類、非常に好ましくは４〜１６種類の化合物から成る。これらの化合物は、慣用的な方法で混合される。一般に、より少ない量で使用される化合物の所望量を、より多い量で使用される化合物に溶解する。より高い濃度で用いられる化合物の透明点より温度が高い場合には、溶解過程の完了を観察するのは特に容易である。しかしながら、他の慣用の方法、例えば、化合物の同族または共融混合物が可能な所謂プレ混合の使用や、構成成分がそれ自身で使用可能な混合物の所謂「マルチ・ボトル」系を例えば使用して媒体を調製することも可能である。
【０１８６】
適切な添加剤を加えることにより、ＴＮ、ＴＮ−ＡＭＤ、ＥＣＢ−ＡＭＤ、ＶＡＮ−ＡＭＤ、ＩＰＳ−ＡＭＤ、ＦＦＳ−ＡＭＤ ＬＣＤなどの液晶媒体をそのまま使用するか、または、ＰＤＬＣ、ＮＣＡＰ、ＰＮ ＬＣＤなどの、特にＡＳＭ−ＰＡ ＬＣＤで複合材系中においてかのいずれかの液晶ディスプレイの全ての既知の型で使用できるように、本発明による液晶媒体を改変できる。
【０１８７】
例えば、液晶の融点Ｔ（Ｃ，Ｎ）またはＴ（Ｃ，Ｓ）、スメクチック（Ｓ）からネマチック（Ｎ）相への転移Ｔ（Ｓ，Ｎ）および透明点Ｔ（Ｎ，Ｉ）などの全ての温度は、摂氏度である。全ての温度差は差異度である。
【０１８８】
本発明および特に以下の例において、メソゲン化合物の構造は、頭文字とも呼ばれる略号を用いて示される。これらの頭文字において、化学式は、下の表Ａ〜Ｃを使用して以下の通り略記される。全ての基ＣｎＨ２ｎ＋１、ＣｍＨ２ｍ＋１およびＣｌＨ２ｌ＋１またはＣｎＨ２ｎ−１、ＣｍＨ２ｍ−１およびＣｌＨ２ｌ−１は、それぞれｎ、ｍおよびｌ個のＣ原子を有する直鎖のアルキルまたはアルケニル、好ましくは１Ｅ−アルケニルを、それぞれ表す。表Ａには化合物の核構造の環構造要素に使用されるコードが列記されており、一方、表Ｂには結合基が示されている。表Ｃには、左側または右側の末端基のためのコードの意味が列記されている。表Ｄには、それらのそれぞれの略号と共に化合物の構造が図示されている。
【０１８９】
【表１】
【０１９０】
【表２】
【０１９１】
【表３】
【０１９２】
【表４】
式中、ｎおよびｍはそれぞれ整数を表し、３つの点「．．．」は、この表からの他の略号のためのスペースである。
【０１９３】
以下の表には、それらのそれぞれの略号と共に構造が図示されている。これらは、略号のための規則の意味を図示するために示されている。それらは、更に、好ましく使用される化合物を表している。
【０１９４】
【表５】
【０１９５】
【表６】
【０１９６】
【表７】
【０１９７】
【表８】
【０１９８】
【表９】
【０１９９】
【表１０】
【０２００】
【表１１】
【０２０１】
【表１２】
【０２０２】
【表１３】
【０２０３】
【表１４】
【０２０４】
【表１５】
以下の表の表Ｅに、本発明によるメソゲン媒体中で安定剤として使用できる化合物を図示する。
【０２０５】
【表１６】
【０２０６】
【表１７】
【０２０７】
【表１８】
本発明の好ましい実施形態において、メソゲン媒体は、表Ｅからの化合物群より選択される１種類以上の化合物を含む。
【０２０８】
以下の表の表Ｆに、本発明によるメソゲン媒体中でキラルドーパントとして好ましく使用できる化合物を図示する。
【０２０９】
【表１９】
【０２１０】
【表２０】
本発明の好ましい実施形態において、メソゲン媒体は、表Ｆからの化合物群より選択される１種類以上の化合物を含む。
【０２１１】
本出願によるメソゲン媒体は、上の表からの化合物からなる群より選択される、２種類以上、好ましくは４種類以上の化合物を好ましくは含む。
【０２１２】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、
・好ましくは、表Ｄからの化合物群より選択され異なる式を有する７種類以上、好ましくは８種類以上の化合物を含む。
【実施例】
【０２１３】
下の例は、本発明を一切制限することなく本発明を説明する。
【０２１４】
しかしながら、物理的特性は、当業者に、実現可能な特性およびそれらを改変できる範囲を示す。よって、特に、好ましくは達成できる各種特性の組み合わせが、当業者のために十分規定される。
【０２１５】
＜例１＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２１６】
【表２１】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２１７】
＜例２＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２１８】
【表２２】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２１９】
＜例３＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２２０】
【表２３】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２２１】
＜例４＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２２２】
【表２４】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２２３】
＜例５＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２２４】
【表２５】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２２５】
＜例６＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２２６】
【表２６】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２２７】
＜例７＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２２８】
【表２７】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２２９】
＜例８＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２３０】
【表２８】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２３１】
＜例９＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２３２】
【表２９】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２３３】
＜例１０＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２３４】
【表３０】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２３５】
＜例１１＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２３６】
【表３１】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２３７】
＜例１２＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２３８】
【表３２】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２３９】
＜例１３＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２４０】
【表３３】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２４１】
＜例１４＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２４２】
【表３４】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２４３】
＜例１５＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２４４】
【表３５】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２４５】
＜例１６＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２４６】
【表３６】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２４７】
＜例１７＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２４８】
【表３７】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【０２４９】
＜例１８＞
以下の表中で示される通りの組成および特性を有する液晶混合物を調製する。
【０２５０】
【表３８】
この混合物は、ＩＰＳまたはＦＦＳモードにおいて動作されるディスプレイに非常に高度に適している。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
式Ｉの１種類以上の誘電的に正の化合物を含む誘電的に正の成分である成分Ａを含むことを特徴とする液晶媒体。
【化１】
（式中、
Ｒ１は、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニルを表し、
Ｘ１は、−ＣＮ、ハロゲン、１〜３個のＣ原子を有するハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アルコキシ、または２個または３個のＣ原子を有するハロゲン化アルケニルまたはハロゲン化アルケニルオキシを表し、
Ｙ１は、＝Ｎ−、＝（ＣＨ）−または＝（ＣＦ）−を表し、
【化２】
Ｚ１１〜Ｚ１３は、互いに独立に、および、Ｚ１１および／またはＺ１３が１回より多く存在する場合は、また、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＦ２ＣＦ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＦ２Ｏ−、−ＣＨ２Ｏ−または単結合を表し、
Ｌ１１〜Ｌ１４は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、および
ｊおよびｋは、互いに独立に、０、１または２を表し、ただし、
（ｊ＋ｋ）は、０、１または２を表す。）
【請求項２】
好ましくは、式ＩＩおよびＩＩＩの化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含む第２の誘電的に正の成分である成分Ｂを含むことを特徴とする請求項１に記載の液晶媒体。
【化３】
（式中、
Ｒ２およびＲ３は、互いに独立に、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニルを表し、
【化４】
Ｌ２１、Ｌ２２、Ｌ３１およびＬ３２は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、
Ｘ２およびＸ３は、互いに独立に、ハロゲン、１〜３個のＣ原子を有するハロゲン化アルキルまたはアルコキシ、または２個または３個のＣ原子を有するハロゲン化アルケニルまたはアルケニルオキシを表し、
Ｚ３は、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＦ２ＣＦ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−または単結合を表し、および
ｌ、ｍ、ｎおよびｏは、互いに独立に、０または１を表す。）
【請求項３】
式ＩＶの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含む誘電的に中性の成分である成分Ｃを含むことを特徴とする請求項１または２に記載の液晶媒体。
【化５】
（式中、
Ｒ４１およびＲ４２は、互いに独立に、式ＩＩにおいてＲ２に上で示される意味を有し、
【化６】
Ｚ４１およびＺ４２は、互いに独立に、およびＺ４１が２回出現する場合、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−、−Ｃ≡Ｃ−または単結合を表し、および
ｐは、０、１または２を表す。）
【請求項４】
媒体中の成分Ａの濃度が１％〜５０％の範囲内であることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項５】
成分Ａが、Ｘ１がＦを表す式Ｉの１種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項６】
請求項２中に示される通りの式ＩＩの１種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項２〜５のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項７】
請求項２中に示される通りの式ＩＩＩの１種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項２〜６のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項８】
請求項３中に示される通りの式ＩＶの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含むことを特徴とする請求項３〜７のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項９】
式ＶＩの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含む誘電的に中性の成分である成分Ｄを含むことを特徴とする請求項１〜８のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【化７】
（式中、
Ｒ６１およびＲ６２は、互いに独立に、式ＩＩにおいてＲ２に請求項３で示される意味を有し、
【化８】
Ｚ６１およびＺ６２は、互いに独立に、および、Ｚ６１が２回存在する場合、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−または単結合を表し、および
ｒは、０、１または２を表す。）
【請求項１０】
請求項１〜９のいずれか一項に記載の液晶媒体を含有することを特徴とする液晶ディスプレイ。
【請求項１１】
アクティブマトリクスによってアドレスされることを特徴とする請求項１０に記載の液晶ディスプレイ。
【請求項１２】
液晶ディスプレイ中における請求項１〜９のいずれか一項に記載の液晶媒体の使用。
【請求項１】
式Ｉの１種類以上の誘電的に正の化合物を含む誘電的に正の成分である成分Ａを含むことを特徴とする液晶媒体。
【化１】
（式中、
Ｒ１は、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニルを表し、
Ｘ１は、−ＣＮ、ハロゲン、１〜３個のＣ原子を有するハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アルコキシ、または２個または３個のＣ原子を有するハロゲン化アルケニルまたはハロゲン化アルケニルオキシを表し、
Ｙ１は、＝Ｎ−、＝（ＣＨ）−または＝（ＣＦ）−を表し、
【化２】
Ｚ１１〜Ｚ１３は、互いに独立に、および、Ｚ１１および／またはＺ１３が１回より多く存在する場合は、また、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＦ２ＣＦ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＦ２Ｏ−、−ＣＨ２Ｏ−または単結合を表し、
Ｌ１１〜Ｌ１４は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、および
ｊおよびｋは、互いに独立に、０、１または２を表し、ただし、
（ｊ＋ｋ）は、０、１または２を表す。）
【請求項２】
好ましくは、式ＩＩおよびＩＩＩの化合物群より選択される１種類以上の誘電的に正の化合物を含む第２の誘電的に正の成分である成分Ｂを含むことを特徴とする請求項１に記載の液晶媒体。
【化３】
（式中、
Ｒ２およびＲ３は、互いに独立に、１〜７個のＣ原子を有するアルキル、アルコキシ、フッ化アルキルまたはフッ化アルコキシ、２〜７個のＣ原子を有するアルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはフッ化アルケニルを表し、
【化４】
Ｌ２１、Ｌ２２、Ｌ３１およびＬ３２は、互いに独立に、ＨまたはＦを表し、
Ｘ２およびＸ３は、互いに独立に、ハロゲン、１〜３個のＣ原子を有するハロゲン化アルキルまたはアルコキシ、または２個または３個のＣ原子を有するハロゲン化アルケニルまたはアルケニルオキシを表し、
Ｚ３は、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＦ２ＣＦ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−または単結合を表し、および
ｌ、ｍ、ｎおよびｏは、互いに独立に、０または１を表す。）
【請求項３】
式ＩＶの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含む誘電的に中性の成分である成分Ｃを含むことを特徴とする請求項１または２に記載の液晶媒体。
【化５】
（式中、
Ｒ４１およびＲ４２は、互いに独立に、式ＩＩにおいてＲ２に上で示される意味を有し、
【化６】
Ｚ４１およびＺ４２は、互いに独立に、およびＺ４１が２回出現する場合、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−、−Ｃ≡Ｃ−または単結合を表し、および
ｐは、０、１または２を表す。）
【請求項４】
媒体中の成分Ａの濃度が１％〜５０％の範囲内であることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項５】
成分Ａが、Ｘ１がＦを表す式Ｉの１種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項６】
請求項２中に示される通りの式ＩＩの１種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項２〜５のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項７】
請求項２中に示される通りの式ＩＩＩの１種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項２〜６のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項８】
請求項３中に示される通りの式ＩＶの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含むことを特徴とする請求項３〜７のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項９】
式ＶＩの１種類以上の誘電的に中性の化合物を含む誘電的に中性の成分である成分Ｄを含むことを特徴とする請求項１〜８のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【化７】
（式中、
Ｒ６１およびＲ６２は、互いに独立に、式ＩＩにおいてＲ２に請求項３で示される意味を有し、
【化８】
Ｚ６１およびＺ６２は、互いに独立に、および、Ｚ６１が２回存在する場合、これらも互いに独立に、−ＣＨ２ＣＨ２−、−ＣＯＯ−、トランス−ＣＨ＝ＣＨ−、トランス−ＣＦ＝ＣＦ−、−ＣＨ２Ｏ−、−ＣＦ２Ｏ−または単結合を表し、および
ｒは、０、１または２を表す。）
【請求項１０】
請求項１〜９のいずれか一項に記載の液晶媒体を含有することを特徴とする液晶ディスプレイ。
【請求項１１】
アクティブマトリクスによってアドレスされることを特徴とする請求項１０に記載の液晶ディスプレイ。
【請求項１２】
液晶ディスプレイ中における請求項１〜９のいずれか一項に記載の液晶媒体の使用。
【公表番号】特表２０１０−５２５１１５（Ｐ２０１０−５２５１１５Ａ）
【公表日】平成２２年７月２２日（２０１０．７．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−５０４４８５（Ｐ２０１０−５０４４８５）
【出願日】平成２０年４月１日（２００８．４．１）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＥＰ２００８／００２５８４
【国際公開番号】ＷＯ２００８／１２８６２３
【国際公開日】平成２０年１０月３０日（２００８．１０．３０）
【出願人】（５９１０３２５９６）メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Ｍｅｒｃｋ Ｐａｔｅｎｔ Ｇｅｓｅｌｌｓｃｈａｆｔ ｍｉｔ ｂｅｓｃｈｒａｅｎｋｔｅｒ Ｈａｆｔｕｎｇ
【住所又は居所原語表記】Ｆｒａｎｋｆｕｒｔｅｒ Ｓｔｒ． ２５０，Ｄ−６４２９３ Ｄａｒｍｓｔａｄｔ，Ｆｅｄｅｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒｍａｎｙ
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２２年７月２２日（２０１０．７．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年４月１日（２００８．４．１）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＥＰ２００８／００２５８４
【国際公開番号】ＷＯ２００８／１２８６２３
【国際公開日】平成２０年１０月３０日（２００８．１０．３０）
【出願人】（５９１０３２５９６）メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Ｍｅｒｃｋ Ｐａｔｅｎｔ Ｇｅｓｅｌｌｓｃｈａｆｔ ｍｉｔ ｂｅｓｃｈｒａｅｎｋｔｅｒ Ｈａｆｔｕｎｇ
【住所又は居所原語表記】Ｆｒａｎｋｆｕｒｔｅｒ Ｓｔｒ． ２５０，Ｄ−６４２９３ Ｄａｒｍｓｔａｄｔ，Ｆｅｄｅｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒｍａｎｙ
【Ｆターム（参考）】
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