説明

液晶媒体

本発明は、
a)1〜25重量%の式(I)の少なくとも1種の化合物
b)5〜80重量%の式(II)の少なくとも1種の化合物
c)および任意に1〜20重量%の少なくとも1種の20μm以上のHTPを有するキラル化合物
式中、R11、A11、Z11、A12、Z12、L11、L12、L13、L14、Z13、A13、Z14、A14、X11、a、b、c、d、R12、A、Z、A、Z、A、L、L、X12、m、およびnは、請求項1の意味を有する、
を含む液晶混合物に関し、ならびにTFT、TN、IPS用途およびとりわけ光学的にイソトロピックな状態での電気光学的効果を利用するデバイスのための使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶媒体、および電気光学的デバイスでの該媒体の使用、とりわけ光学的に等方的状態で作動可能な電気光学的デバイスでの使用に関する。
【0002】
液晶は、一般的に、このような物質の光学的特性を、印加された電圧により変更することができるため、ディスプレイデバイスにおける誘電体として用いられる。液晶に基づく電気光学的デバイスは、当業者に極めてよく知られており、種々の効果に基づくことができる。このような装置の例は、動的散乱を有するセル、DAP(整列相の変形)セル、ゲスト/ホストセル、ねじれネマティック構造を有するTNセル、STN(超ねじれネマティック)セル、SBE(超複屈折効果)セルおよびOMI(光学モード干渉)セルである。最も一般的なディスプレイデバイスは、シャット−ヘルフリッヒ(Schadt−Helfrich)効果に基づいており、ねじれネマティック構造を有する。
【0003】
液晶材料は、良好な化学的安定性および熱に対する安定性を有し、かつ電界および電磁波照射線に対する良好な安定性を有していなければならない。さらに、液晶材料は、低い粘度を有しなければならず、セルにおいて、短いアドレス時間、低いしきい値電圧および大きいコントラストを生じさせなければならない。
【0004】
さらに、液晶材料は、慣用の動作温度で、即ち室温以上ないし室温以下の可能な限り広い範囲で、適切なメソ相、例えば前述のセル用のネマティックまたはコレステリックメソ相を有していなければならない。液晶は一般的に、複数の成分の混合物の形態で用いられるため、これらの成分が互いに容易に混和できるものであることが重要である。他の特性、例えば導電性、誘電異方性および光学異方性は、セルのタイプおよび用途分野に応じて異なる要求を満たすものでなければならない。例えば、ねじれネマティック構造を有するセル用の材料は、正の誘電異方性および低い導電性を有していなければならない。
【0005】
例えば、大きい正の誘電異方性、広いネマティック相、比較的小さい複屈折率、極めて大きい比抵抗、良好なUVおよび温度安定性並びに低い蒸気圧を有する媒体が、各画素の切換用の集積非線型素子を備えたマトリックス液晶ディスプレイ(MLCディスプレイ)に望まれる。
このタイプのマトリックス液晶ディスプレイは、知られている。各画素の個別の切換に用いることができる非線型素子の例は、能動的素子(即ちトランジスタ)である。これは次に、「アクティブマトリックス」と称され、2つのタイプの間で区別をすることができる:
1.基板としてのシリコンウエファー上のMOS(金属酸化物半導体)または他のダイオード。
2.基板としてのガラス板上の薄膜トランジスタ(TFT)。
【0006】
単結晶シリコンの基板材料としての使用は、ディスプレイの大きさを制限するが、その理由は、種々の部分表示のモジュラー集合でも、接合部分に問題が生じるからである。
好適であって、さらに有望なタイプ2の場合において用いられる電気光学的効果は、通常TN効果である。2種の技術の間で区別がなされる:化合物半導体、例えばCdSeを含むTFT、あるいは多結晶形または無定形シリコンを基材とするTFTである。後者の技術については、格別の研究努力が世界中でなされている。
【0007】
TFTマトリックスは、当該ディスプレイの1枚のガラス板の内側に施され、一方もう1枚のガラス板の内側は、透明な対向電極を担持している。画素電極の大きさと比較すると、TFTは極めて小さく、像に対して、事実上有害な効果を有しない。この技術はまた、各フィルター素子が切換可能な画素に対して反対に位置するように、モザイク状の赤色、緑色および青色フィルターを配列した全色コンパティブル画像ディスプレイに拡張することができる。
【0008】
TFTディスプレイは、通常、透過光に交差した偏光板を備えたTNセルとして動作し、裏側から照射される。
本明細書において、MLCディスプレイの用語は、集積非線型素子を備えたすべてのマトリックスディスプレイを包含し、即ち、アクティブマトリックスに加えて、またバリスターまたはダイオード(MIM=金属−絶縁体−金属)等の受動的素子を備えたディスプレイが包含される。
【0009】
このタイプのMLCディスプレイは、TV用途に(例えばポケットTV)あるいはコンピューター用途(ラップトップ)および自動車または航空機構築用の高度情報ディスプレイ用に特に適する。コントラストの角度依存性および応答時間に関連する問題に加えて、MLCディスプレイでは、液晶混合物の不十分に高い比抵抗値の問題が生じる[TOGASHI, S., SEKIGUCHI, K., TANABE, H., YAMAMOTO, E., SORIMACHI, K., TAJIMA, E., WATANABE, H., SHIMIZU, H., Proc. Eurodisplay 84, 1984年9月: A210−288 Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings, 141頁以降、Paris; STROMER, M., Proc, Eurodisplay 84, 1984年9月: Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays, 145頁以降、Paris]。
【0010】
抵抗値の減少に伴って、MLCディスプレイのコントラストは低下し、残像消去の問題が生じ得る。液晶混合物の比抵抗値は、一般的に、MLCディスプレイの内部表面との相互作用によって、MLCディスプレイの寿命全体を通じて減少するため、許容される動作寿命を得るためには、大きい(初期)抵抗値は極めて重要である。特に、低電圧混合物の場合において、極めて大きい比抵抗値を達成することは、従来可能ではなかった。さらに、比抵抗値が、温度上昇に伴って、および加熱および/またはUV照射線に露光した後に、可能な限り小さく上昇することが重要である。また、従来技術からの混合物の低温物性は、特に不利である。低温であっても、結晶化および/またはスメクティック相が生じないことが望ましい。さらに、適切な画質を達成するために、VHRの低い温度依存性だけでなく、電圧保持比(VHR)の高い値も求められる。(VHRは、時間の関数として、ディスプレイ画素に印加される電圧の減少を示す;高いVHR値は、印加される電圧のわずかな減少を示す。)従って、従来技術のMLCディスプレイは、現在の要求を満たさない。
【0011】
従って、これらの欠点を有していないか、または有していても小さい程度であり、広い動作温度範囲、低温においても短い応答時間、小さいしきい値電圧、低い温度依存性である高いVHR値と同時に、極めて大きい比抵抗値を有するMLCディスプレイに対する多大な要求が継続している。
TN(シャット−ヘルフリッヒ)セルの場合において、セルにおいて以下の利点を促進する媒体が望まれる:
−拡大されたネマティック相範囲(特に、低温に降下した場合)
−超低温における切換能力(野外での使用、自動車、航空機)
−UV照射線露光に対する増大した安定性(一層長い寿命)
−低いしきい値のための高いΔε
【0012】
等方的スイッチングモードのための混合物は、セルにおいて以下の利点を促進する混合物が望まれる:
−低い作動電圧
−広い作動温度範囲
−大きい電圧保持比
従来技術から利用できた媒体は、これらの利点を達成し、同時に他のパラメーターを保持することを可能にしていない。
【0013】
超ねじれセル(STN)の場合において、一層大きい時分割特性および/または一層低いしきい値電圧および/または一層広いネマティック相範囲(特に、低温における)が可能である媒体が望まれる。この目的のために、利用できるパラメーターの幅(透明点、スメクティック−ネマティック転移または融点、粘度、誘電率、弾性率)のさらなる拡張が、早急に望まれている。これは、セル内の電界がTNまたはSTNのように垂直ではなく並行に配向している、面内スイッチング(IPS)セルにも当てはまる。
【0014】
本発明は、前述の欠点を有していないか、または小さい程度で有しており、好ましくは、低いしきい値電圧、VHRの高い値、および作動電圧の低いイ温度依存性などの有利な性質を有する、液晶媒体を提供することを目的とする。
ここで、この目的は、新規な媒体をディスプレイにおいて用いると達成されることができることが見出された。
【0015】
この目的が、驚くべきことに、本発明の液晶媒体により達成されることが見出された。
本発明は、
a)少なくとも1種の式Iの化合物を含有する1〜25重量%の成分A
【化1】

式中、
a、b、c、およびdは、それぞれ互いに独立して、0、1または2であり、ここでa+b+c+d≦4であり;
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が互いに直接は結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてもよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換か、または−CN基で単置換、もしくはハロゲンで単置換もしくは多置換され、
【0016】
11、L12、L13およびL14は、それぞれ互いに独立して、水素、ハロゲン、CN基、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が直接には結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換かまたは、−CN基で単置換、もしくはハロゲンで単置換もしくは多置換され、但し、L11、L12、L13およびL14の少なくとも1つはハロゲンではなく、
11は、ハロゲン、−CN、−NCS、−SF、S−R、−SO−R、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が直接には結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換かまたは、−CN基で単置換、もしくはハロゲンで単置換もしくは多置換され;
およびRは、それぞれ互いに独立して、水素、または1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり;
は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換され;
11、A12、A13およびA14は、それぞれ互いに独立して、以下の式の1つの環であり:
【0017】
【化2】

ここで、A11、A12、A13、およびA14のそれぞれは、同じ環であってよく、または2つ存在する場合には、2つの異なる環でもよく;
11、Y12、Y13、およびY14は、それぞれ互いに独立して、水素、ハロゲン、CN、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が直接には結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換され;
f、g、およびhは、それぞれ互いに独立して、0、1、2、または3であり;
11、Z12、Z13、およびZ14は、互いに独立して、単結合、−(CH)−、−CHCH−、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−(CHO−、−O(CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、または−O−CO−であり、ここで、Z11、Z12、Z13、およびZ14は、2つ存在する場合には、同じ意味または異なる意味を有してもよく;
【0018】
b)少なくとも1つの式IIの化合物を含有する5〜80重量%の成分B
【化3】

ここで、
12は、R11に対しての意味を有し、
、A、Aは、それぞれ互いに独立して、
【化4】

およびZは、互いに独立して、単結合、−(CH)−、−CHCH−、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−(CHO−、−O(CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、または−O−CO−であり、ここで、Z11、Z12、Z13、Z14のそれぞれは、2つ存在する場合には、同じ意味または異なる意味を有してもよく;
12は、ハロゲン、−CN、−NCS、−SF、−SOCF、アルキル、アルケニル、アルケニルオキシ、またはアルキルアルコキシ、もしくはアルコキシ基であり、それぞれはCNおよび/またはハロゲンで単置換または多置換され、
およびLは、それぞれ互いに独立して、H、またはFであり、および
mおよびnは、それぞれ互いに独立して、0、1、または2であり、およびm+n≦2であり;および
c)任意に、20μm以上のHTPを有するキラル化合物の少なくとも1種を含有する1〜20重量%の成分C
からなる液晶混合物に関する。
【0019】
式Iの化合物は、広範囲の用途を有する。純粋な状態において、式Iの化合物は無色であり、化学的、熱的および光に対して安定である。
好ましくは、一般式Iの化合物は、環を全体で4つ以上含まない、即ち、a+b+c+d≦3である。a+b+c+dが、少なくとも1であり、多くて3であることがより好ましい。a+b+c+dが2または3である、本発明の化合物が最も好ましい。
【0020】
一般式Iにおいて、aが1であり、bが0であり、結果として一般式Iの化合物の中央環の左側に、1つだけ環A11が存在するのも好ましい。
一般式Iの化合物の中央環の右側については、少なくとも1つの環A14が存在する、即ち、d=1であることが好ましい。本発明の一つの好ましい態様は、d=1であり、c=0である。本発明のほかの好ましい態様は、cおよびdの双方が1であり、従って、式Iの中央環の右側にA13およびA14の2つの環が存在する。
【0021】
式Iにおいて、R11は、好ましくは、1〜10個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素原子が互いに直接に結合しないように、互いに独立して、−O−、RおよびRが互いに独立して1〜5個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基である−SiR−、および/または−CH=CH−で置換されてよく、前記アルキル基またはアルコキシ基は無置換かまたは、フッ素で単置換もしくは多置換される。R11が、10炭素までの、直鎖状アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基、または−O−アルキレン−Si(アルキル’)−O−Si(アルキル’)基であり、基はフッ素で付加的に置換されてよく、ここで、アルキル’は、好ましくは、1、2、3または4個の炭素原子を有する直鎖状アルカニル基であることが、より好ましい。R11が以下の基の1つであることがより好ましい:nが1、2、3、4、5、6、7、または8であるC2n+1−O−;mが2、3、4、5、6、7または8であるC2m−1−O−;pが1、2、3、4、または5であり、およびqが1、2、3、4、または5であるC2p+1−O−C2q−O−;rが1、2、3、または4であり、sおよびtが互いに独立して1、2、3、または4である(C2t+1Si−O−Si(C2s+1−C2r−O−。とりわけ、R11は、−O−CH、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−n−C11、O−n−C13、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−O−CH、−O−(CH−O−C、(CHSi−O−Si(CH−(CH−O−、(CHSi−O−Si(CH−(CH−O−である。R12は、好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状アルキルである。
【0022】
式Iにおいて、L11は、好ましくは、1〜10個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素原子が互いに直接に結合しないように、互いに独立して、−O−、RおよびRが互いに独立して1〜5個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基である−SiR−、および/または−CH=CH−で置換されてよく、前記アルキル基またはアルコキシ基は無置換かまたは、フッ素で単置換もしくは多置換される。L11が、10炭素までの、直鎖状アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基、または−O−アルキレン−Si(アルキル’)−O−Si(アルキル’)基であり、基はフッ素で付加的に置換されてよく、ここで、アルキル’は、好ましくは、1、2、3または4個の炭素原子を有する直鎖状アルカニル基であることが、より好ましい。L11が以下の基の1つであることがより好ましい:nが1、2、3、4、5、6、7、または8であり、1つまたは2つ以上のH原子がFにより置換されてもよいC2n+1−O−;mが2、3、4、5、6、7または8であり、1つまたは2つ以上のH原子がFにより置換されてもよいC2m−1−O−;pが1、2、3、4、または5であり、およびqが1、2、3、4、または5であるC2p+1−O−C2q−O−;rが1、2、3、または4であり、sおよびtが互いに独立して1、2、3、または4である(C2t+1Si−O−Si(C2s+1−C2r−O−。とりわけ、L11は、−O−CH、O−C、O−C、−O−n−C、−O−n−C11、−O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−O−CH、−O−(CH−O−C、(CHSi−O−Si(CH−(CH−O−、(CHSi−O−Si(CH−(CH−O−である。
【0023】
式Iにおいて、L12は、好ましくは、フッ素、1〜10個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素原子が互いに直接に結合しないように、互いに独立して、−O−、RおよびRが互いに独立して1〜5個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基である−SiR−、および/または−CH=CH−で置換されてよく、前記アルキル基またはアルコキシ基は無置換かまたは、フッ素で単置換もしくは多置換される。L12は、F、10炭素までの、直鎖状アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基、または−O−アルキレン−Si(アルキル’)−O−Si(アルキル’)基であり、基はフッ素で付加的に置換されてよく、ここで、アルキル’は、好ましくは、1、2、3または4個の炭素原子を有する直鎖状アルカニル基であることが、より好ましい。L12が、Fかまたは、以下の基の1つであることがより好ましい:nが1、2、3、4、5、6、7、または8であり、1つまたは2つ以上のH原子がFにより置換されてもよいC2n+1−O−;mが2、3、4、5、6、7または8であり、1つまたは2つ以上のH原子がFにより置換されてもよいC2m−1−O−;pが1、2、3、4、または5であり、およびqが1、2、3、4、または5であるC2p+1−O−C2q−O−;rが1、2、3、または4であり、sおよびtが互いに独立して1、2、3、または4である(C2t+1Si−O−Si(C2s+1−C2r−O−。とりわけ、L12は、−O−CH、−O−C、−O−C77、−O−n−C、−O−n−C11、O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−O−CH、−O−(CH−O−C、(CHSi−O−Si(CH−(CH−O−、(CHSi−O−Si(CH−(CH−O−である。
11およびL12が同じ意味を有することも好ましく、最も好ましくは、L11=L12=アルコキシ、とりわけOCH、OCまたはOCである。
【0024】
11が極性置換基であることが好ましい。従って、X11は、好ましくは、F、Cl、−NCS、−SF、Rがフッ素で単置換または多置換された直鎖アルキル基である−SO−R、−CN、F、Cl、1〜10個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が互いに直接に結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、RおよびRが互いに独立して1〜5個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基である−SiR−、または−CH=CH−で置換されてよく、前記アルキル基はフッ素で単置換もしくは多置換され、および前記アルコキシ基は無置換かまたは、フッ素で単置換もしくは多置換される。本発明の好ましい態様には、X11は、−NCS、−SF、またはRがフッ素で単置換または多置換された直鎖状アルキルである−SO−R、とりわけ、−CF、−C、またはn−Cである。本発明の他の態様には、X11は、F、Cl、CN、8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、またはアルコキシ基から選択され、前記アルキルまたはアルケニル基は、フッ素で単置換または多置換され、および前記アルコキシ基は、無置換かまたは、フッ素で単置換または多置換される。X11が、F、CF、CHF、C、−CH=CF、−CF=CF−O−CH、−O−C、−O−n−C、−O−n−C11、O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−Cであることがより好ましい。
【0025】
11、A12、A13、およびA14は、好ましくは、以下の式:
【化5】

の1つから、互いに独立して選択される。
【0026】
好ましくは、Y11は、F、Cl、CN、10個までの炭素原子を有しフッ素で付加的に置換されてもよいアルコキシ、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、アルキル’は、好ましくは、1、2、3または4個の炭素原子を有する直鎖状アルカニル基である。Y11が以下の基の1つであることがより好ましい:nが1、2、3、4、5、6、7、または8であり、1つまたは2つ以上のH原子がFにより置換されてもよいC2n+1−O−;mが2、3、4、5、6、7または8であり、1つまたは2つ以上のH原子がFにより置換されてもよいC2m−1−O−;pが1、2、3、4、または5であり、およびqが1、2、3、4、または5であるC2p+1−O−C2q−O−;rが1、2、3、または4であり、sおよびtが互いに独立して1、2、3、または4である(C2t+1Si−O−Si(C2s+1−C2r−O−。とりわけ、Y11は、−O−CH、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−n−C11、O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−CH=CH、−O−(CH−O−CH、−O−(CH−O−C、(CHSi−O−Si(CH−(CH−O−、(CHSi−O−Si(CH−(CH−O−。
好ましくは、Y12は、F、Cl、CN、水素であり、上記Y11の好ましい定義と同じ意味を有する。とりわけ、Y12は、H、またはFである。
【0027】
さらに、本発明の化合物は、少なくとも1つの、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、ナフチル−2,6−ジイル、および/またはチエン−2,5−ジイル環を含み、ここで前記ナフチル部位は、1つまたは2つ以上のフッ素原子で置換され得ることが好ましい。式IのA11、A12、A13、およびA14の1つが、
【化6】

であり、fおよびgは互いに独立して0、1、2または3であり;とりわけ、fは1であり、gは2であることがより好ましい。
【0028】
式Iの好ましい態様には、A11およびA12の少なくとも1つ、とりわけA11が、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル環である。本発明の他の好ましい態様には、A13およびA14、特にA13およびA14の1つだけが、式
【化7】

であり、fおよびgは、互いに独立して、0、1、2、または3である。fが1であり、gが2であり、フッ素置換基が、それぞれ、ナフチル部位の1−、3−および8−位に位置し、すべてのフッ素置換基が、X11と同じ方向性、即ち、式Iの化合物の右側への方向性を有する。特に好ましい態様として、A11およびA12の1つがテトラヒドロピラン−2,5−ジイル部であり、A13およびA14の1つが任意にフッ素化されたナフタ−2,6−ジイル部である。
【0029】
式Iの他の好ましい態様には、A14〜X11が以下の式であり:
【化8】

ここで、X11は、上記の定義の通りであり、好ましくは、NCS、SF、−SO−CF、−SO−C、−SO−n−C、−CN、F、Cl、CF、CHF、C、−CH=CF、−CF=CF、−O−CH、−O−C、−O−n−C、−O−n−C11、O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−C、より好ましくは、F、OCF、CF、CN、NCS、とりわけFである。
【0030】
更に、式Iにおいて、Z11、Z12、Z13、およびZ14が、互いに独立して、単結合、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CFO−、または−CO−O−であることが好ましい。Z11およびZ12は、互いに独立して、単結合、または−CO−O−、とりわけ単結合であり、Z13およびZ14が互いに独立して、単結合、−CFO−、または−CO−O−であり、とりわけZ13およびZ14の1つが−CFO−であることがより好ましい。
【0031】
本発明のある態様は、式IAの化合物を含有する混合物を含む:
【化9】

ここで、
cは0または1であり;
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシ基、もしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記基は、無置換かまたは−CN基で単置換され、ハロゲンで単置換または多置換されており;好ましくは、R11は、10個までの炭素原子を有する、直鎖状アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;
【0032】
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシ基、もしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記基は、無置換かまたは−CN基で単置換され、ハロゲンで単置換または多置換されており;好ましくは、L 11は、10個までの炭素原子を有する、直鎖状アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;
【0033】
12は、水素、ハロゲン、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルケニルオキシもしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記基は、無置換かまたは−CN基で単置換され、ハロゲンで単置換または多置換されており;好ましくは、L12は、H、F、10個までの炭素原子を有する、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;
15、L16、L17、およびL18は、互いに独立して、H、またはFであり;好ましくは、少なくともL15はFであり;
【0034】
14は、単結合、−CHCH−、(−CHCH−)、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、または−O−CO−であり;好ましくは、Z14は、単結合、−C≡C−、−CFO−、または−CO−であり、特に単結合もしくは−CFO−であり;
11は、F、Cl、CF、OCF、CN、NCS、−SF、または−SO−Rであり;
およびR は、互いに独立して、水素、または1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり;好ましくは、RおよびRは共に、メチル、エチル、プロピル、またはブチルであり;および
は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;好ましくは、Rは、CF、Cまたはn−Cである。
【0035】
式IAの化合物の好ましい付属式は、cが0である化合物である。前記付属式の化合物の例は以下のものである:
【化10】

【0036】
【化11】

【0037】
【化12】

【0038】
【化13】

【0039】
【化14】

【0040】
【化15】

【0041】
ここで、nおよびmは、互いに独立して、1〜8の整数であり、好ましくは、1、2、3、4、5、または6であり;pは、1〜5の整数であり、好ましくは、1、2、または4であり;qおよびrは、互いに独立して、2〜8の整数であり、好ましくは、3、4、5、6であり;sおよびtは、互いに独立して、1、2、3、4であり、好ましくは、2または3であり;ならびにuおよびvは、互いに独立して、1、2、3、4、好ましくは、1または4である。好ましくは、C2n+1OおよびC2m+1Oは、互いに独立して、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、およびn−ヘキソキシを表す。同じ化合物に2つ存在する場合、C2m+1O置換基の双方は、mに対して同じ意味を有してもよいし異なる意味を有してもよい;好ましくは、2つのC2m+1O置換基のmは同じ意味を有する。好ましくは、−SO−C2p+1は、−SO−CF、−SO−C、−SO−Cを表す。好ましくは、C2q−1OおよびC2r−1Oは、−O−CHCH=CH、−O−(CHCH=CH、−O−(CHCH=CH、−O−(CHCH=CH−CHを表す。好ましくは、−OC2sOC2t+1は、CHOCHCHO−およびCHCHOCHCHO−を表す。好ましくは、(C2v+1SiOSi(C2u+12sOは、(CHSiOSi(CHCHCHO−および(CHSiOSi(CHCHCHCHO−を表す。
【0042】
式IAの化合物の好ましい付属式は、cが1である化合物である。前記付属式の化合物の例は以下のものである:
【0043】
【化16】

【0044】
【化17】

【0045】
【化18】

【0046】
【化19】

【0047】
【化20】

【0048】
【化21】

【0049】
ここで、LおよびLは、互いに独立して、HまたはFであり;nおよびmは、互いに独立して、1〜8の整数であり、好ましくは、1、2、3、4、5または6であり;pは1〜5の整数であり、好ましくは、1、2、または4であり;qおよびrは、互いに独立して、2〜8の整数であり、好ましくは、3、4、5、6であり;sおよびtは、互いに独立して、1、2、3、4であり、好ましくは、2、または3であり;ならびにuおよびvは、互いに独立して、1、2、3、4であり、好ましくは、1または4である。好ましくは、LおよびLの少なくとも1つがFであり、とりわけ好ましくは、LおよびLの双方がFである。同じ化合物に2つ存在する場合、C2m+1O置換基の双方は、mに対して同じ意味を有してもよく異なる意味を有してもよい;好ましくは、2つのC2m+1O置換基のmは、同じ意味を有する。好ましくは、C2n+1OおよびC2m+1Oは、互いに独立して、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、およびn−ヘキソキシを表す。好ましくは、−SO−C2p+1は、−SO−CF、−SO−C、−SO−Cを表す。好ましくは、C2q−1OおよびC2r−1Oは、−O−CHCH=CH、−O−(CHCH=CH、−O−(CHCH=CH、−O−(CHCH=CH−CHを表す。好ましくは、−OC2sOC2t+1はCHOCHCHO−および CHCHOCHCHO−を表す。好ましくは、(C2v+1SiOSi(C2u+12sOは、(CHSiOSi(CHCHCHO−および(CHSiOSi(CHCHCHCHO−を表す。
【0050】
式IAの化合物の他の好ましい付属式は、式IAcの化合物である。
【化22】

、L、X11およびZ14部分の好ましい意味は、以下の表1で与えられるが、ROは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、またはn−ヘキソキシを表す。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
【表3】

【0054】
【表4】

【0055】
【表5】

【0056】
【表6】

【0057】
【表7】

【0058】
【表8】

【0059】
【表9】

【0060】
【表10】

【0061】
本発明の他の好ましい態様は、式IBの化合物を含む:
【化23】

ここで、
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルケニルオキシ基、または2〜15個の炭素原子を有する−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/硫黄原子が互いに直接に結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で、それぞれ互いに独立して置換されてよく、前記基は無置換かまたは、−CN基で単置換されてよく、ハロゲンで単置換または多置換され;好ましくは、R11は、10個までの炭素原子を有する直鎖状の、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は無置換かまたは、ハロゲンで単置換または多置換されており;
【0062】
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルケニルオキシ基、または2〜15個の炭素原子を有する−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/硫黄原子が互いに直接に結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で、それぞれ互いに独立して置換されてよく、前記基は無置換かまたは、−CN基で単置換されてよく、ハロゲンで単置換または多置換され;好ましくは、L11は、10個までの炭素原子を有する直鎖状の、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は無置換かまたは、ハロゲンで単置換または多置換されており;
【0063】
12は、水素、ハロゲン、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルケニルオキシ基、または2〜15個の炭素原子を有する−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が直接には結合しないようにして、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記基は、無置換かまたは、−CN基で単置換され、もしくはハロゲンで単置換もしくは多置換され;好ましくは、L12は、H、F、10個までの炭素原子を有する直鎖状の、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換または多置換され;
ここで、R11、L11およびL12の少なくとも1つが、前記直鎖状のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であることがさらに好ましい;
15およびL16は、互いに独立して、H、またはFであり;好ましくは、少なくともL15はFであり;
【0064】
14は、単結合、−CHCH−、(−CHCH−)、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、または−O−CO−であり;好ましくは、Z14は、単結合、−CFO−、または−CO−であり;
11は、F、Cl、−CN、−NCS、−SF、−SO−R、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が直接には結合しないように、それぞれ互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換かまたは、−CN基で単置換され、またはハロゲンで単置換もしくは多置換され;好ましくは、X11は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、NCS、SF、または−SO−Rであり;
およびRは、互いに独立して、ハロゲン、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり;好ましくは、RおよびRの双方が、メチル、エチル、プロピル、またはブチルであり;
は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換され、;好ましくは、Rは、CF、C、またはn−Cである。
【0065】
好ましい態様の化合物の例は、以下の化合物である:
【化24】

【0066】
【化25】

ここで、nおよびmは、互いに独立して、1、2、3、4、5、6、7または8であり、およびX11は、CN、NCS、SF、SOCF、SO、SO、F、CF、CHF、C、−CH=CF、−CF=CF、−O−CH、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−n−C11、−O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−Cであり、CN、SOCF、F、CF、−O−CFが好ましい。好ましくは、nおよびmは同じ数字であり、1、2、3、4、5、または6に等しい。同じ化合物に2つ存在する場合、C2m+1O置換基の双方は、mに対して同じ値をもってもよいし、異なる値をもってもよい;好ましくは、2つのC2m+1O置換基のmは同じ意味を有する。さらに、C2n+1部位、OC2n+1部位およびOC2m+1部位の1つまたは2つ以上の水素原子は、それぞれ、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子により置換されてよい。X11がF、CFまたはOCF、とりわけFである、式IB−1〜IB−12の化合物が特に好ましい。
【0067】
本発明のさらに好ましい態様は、式ICまたはIDの化合物を含む:
【化26】

ここで、
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルケニルオキシもしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が直接には結合しないように、それぞれ互いに独立して、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で置換されてよく、前記基は無置換かまたは、−CN基で単置換され、またはハロゲンで単置換もしくは多置換され;好ましくは、R11は、10個までの炭素原子を有する直鎖状の、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換され;
【0068】
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシ基、もしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記基は、無置換かまたは−CN基で単置換され、ハロゲンで単置換または多置換されており;好ましくは、L11は、10個までの炭素原子を有する、直鎖状アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;
【0069】
12は、水素、ハロゲン、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルケニルオキシもしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記基は、無置換かまたは−CN基で単置換され、ハロゲンで単置換または多置換されており;好ましくは、L12は、H、F、10個までの炭素原子を有する、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;
ここで、R11、L11、およびL12の少なくとも1種が、直鎖状アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基の1つであることが好ましく;
15、およびL16は、互いに独立して、H、またはFであり;好ましくは、少なくともL15はFであり;
【0070】
14は、単結合、−CHCH−、(−CHCH−)、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、または−O−CO−であり;好ましくは、Z14は、単結合、−CFO−、または−CO−であり;
11は、F、Cl、−CN、−NCS、−SF、−SO−R、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が互いに直接には結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換か、または−CN基で単置換、またはハロゲンで単置換もしくは多置換され;好ましくは、X11は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、NCS、SF、または−SO−Rであり;
15、L16、L17、L18、およびL19は、互いに独立して、H、またはFであり;好ましくは、少なくともL15およびL18は、双方ともFであり;
【0071】
13およびZ14は、互いに独立して、単結合、−CHCH−、(−CHCH−)、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、または−O−CO−であり、ここで少なくともZ13およびZ14の少なくとも1種は、単結合であり;好ましくは、Z13およびZ14は、双方とも単結合、またはZ13およびZ14の1つが−CFO−、または−CO−であり;
11は、F、Cl、−CN、−NCS、−SF、−SO−R、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が互いに直接には結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換か、または−CN基で単置換、またはハロゲンで単置換もしくは多置換され;好ましくは、X11は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、NCS、SF、または−SO−Rであり;
およびRは、互いに独立して、水素、または1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり;好ましくは、RおよびRの双方は、メチル、エチル、プロピル、またはブチルであり;および
は、1〜7個の炭素原子を有するアルキルであり、前記アルキル基は、無置換か、またはハロゲンで単置換もしくは多置換され;好ましくは、Rは、CF、C、またはn−Cである。
【0072】
式ICの前記好ましい化合物の例は、以下のものである:
【化27】

【0073】
【化28】

【0074】
【化29】

【0075】
【化30】

【0076】
【化31】

【0077】
ここで、nおよびmは、互いに独立して、1、2、3、4、5、6、7、または8であり;qは、2、3、4、5、6、7、または8であり;およびX11は、CN、NCS、SF、SOCF、SO、SO、F、CF、CHF、C、−CH=CF、−CF=CF、−O−CH、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−n−C11、−O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−C であり、CN、SOCF、F、CF、−O−CFが好ましい。同じ化合物にC2m+1O置換基が2つ存在する場合、双方のC2m+1O置換基は、mに対し同じ値を有してもよいし、異なる値を有してもよく;好ましくは、2つのC2m+1O置換基において、mは同じ整数である。同様に、同じ化合物にC2q−1O置換基が2つ存在する場合、双方のC2q−1O置換基はqに対し同じ値を有してもよいし、異なる値を有してもよく;好ましくは、2つのC2q−1O置換基において、qは同じ整数である。好ましくは、nおよびmは、同じ数字であり、1、2、3、4、5、または6に等しい。さらに、C2n+1、OC2n+1、OC2m+1、およびOC2q−1部位の1つまたは2つの水素原子は、それぞれ、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換されてよい。X11がF、CF、またはOCF、とりわけFである式IC−1〜IC−25の化合物が特に好ましい。
【0078】
前記式IDのの好ましい化合物の例は以下のものである:
【化32】

【0079】
【化33】

【0080】
【化34】

【0081】
【化35】

【0082】
【化36】

【0083】
【化37】

【0084】
【化38】

【0085】
【化39】

【0086】
【化40】

【0087】
【化41】

【0088】
ここで、nおよびmは、互いに独立して、1、2、3、4、5、6、7、または8であり;qは、2、3、4、5、6、7、または8であり;およびX11は、CN、NCS、SF、SOCF、SO、SO、F、CF、CHF、C、−CH=CF、−CF=CF、−O−CH、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−n−C11、O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−Cであり、CN、SOCF、F、CF、−O−CFが好ましい。
【0089】
同じ化合物にC2m+1O置換基が2つ存在する場合、双方のC2m+1O置換基は、mに対し同じ値を有してもよいし、異なる値を有してもよく;好ましくは、2つのC2m+1O置換基において、mは同じ整数である。同様に、同じ化合物にC2q−1O置換基が2つ存在する場合、双方のC2q−1O置換基はqに対し同じ値を有してもよいし、異なる値を有してもよく;好ましくは、2つのC2q−1O置換基において、qは同じ整数である。好ましくは、nおよびmは、同じ数字であり、1、2、3、4、5、または6に等しい。さらに、C2n+1、OC2n+1、OC2m+1、およびOC2q−1部位の1つまたは2つの水素原子は、それぞれ、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換されてよい。X11がF、CF、またはOCF、とりわけFである式ID−1〜ID−60の化合物が特に好ましい。
【0090】
さらに、本発明の好ましい態様は、式IEまたはIFの化合物を含む:
【化42】

【0091】
ここで、
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシ基、もしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記基は、無置換かまたは−CN基で単置換され、ハロゲンで単置換または多置換されており;好ましくは、R11は、10個までの炭素原子を有する、直鎖状アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;
【0092】
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシ基、もしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記基は、無置換かまたは−CN基で単置換され、ハロゲンで単置換または多置換されており;好ましくは、L 11は、10個までの炭素原子を有する、直鎖状アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;
【0093】
12は、水素、ハロゲン、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルケニルオキシもしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記基は、無置換かまたは−CN基で単置換され、ハロゲンで単置換または多置換されており;好ましくは、L12は、H、F、10個までの炭素原子を有する、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;
【0094】
ここで、R11、L11、およびL12の少なくとも1つは、直鎖状アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基の1つであり;
15、L16、L17、L18、L19a、L19b、およびL19cは、互いに独立して、H、またはFであり;好ましくは、L17およびL19bの双方はFであり;
14は、単結合、−CHCH−、(−CHCH−)、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、または−O−CO−であり;好ましくは、Z14は、単結合、−CFO−、または−CO−であり;
【0095】
11は、F、Cl、−CN、−NCS、−SF、−SO−R、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が直接には結合しないように、それぞれ互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換かまたは、−CN基で単置換され、またはハロゲンで単置換もしくは多置換され;好ましくは、X11は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、NCS、SF、または−SO−Rであり;
およびR は、互いに独立して、水素、または1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり;好ましくは、RおよびRは共に、メチル、エチル、プロピル、またはブチルであり;および;
は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;好ましくは、Rは、CF、Cまたはn−Cである。
【0096】
式IEの前記好ましい化合物の例は以下のものである:
【化43】

【0097】
【化44】

【0098】
【化45】

【0099】
【化46】

【0100】
【化47】

【0101】
【化48】

【0102】
ここで、nおよびmは、互いに独立して、1、2、3、4、5、6、7、または8であり;qおよびpは、互いに独立して、2、3、4、5、6、7、または8であり;およびX11 は、CN、NCS、SF、SOCF、SO、SO、F、CF、CHF、C、−CH=CF、−CF=CF、−O−CH、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−n−C11、O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−Cであり、NCS、SF、SOCF、SO、SO、F、CF、OCFが好ましい。同じ化合物にC2m+1O置換基が2つ存在する場合、双方のC2m+1O置換基は、mに対し同じ値を有してもよいし、異なる値を有してもよく;好ましくは、2つのC2m+1O置換基において、mは同じ整数である。同様に、同じ化合物にC2q−1O置換基が2つ存在する場合、双方のC2q−1O置換基はqに対し同じ値を有してもよいし、異なる値を有してもよく;好ましくは、2つのC2q−1O置換基において、qは同じ整数である。好ましくは、nおよびmは、同じ数字であり、1、2、3、4、5、または6に等しい。同様に、qおよびpは同じ数字であり、3、4、5、または6に等しいことが好ましい。
さらに、C2n+1、OC2n+1、OC2m+1、OC2p−1、およびOC2q−1部位の1つまたは2つの水素原子は、それぞれ、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換されてよい。X11がNCS、SF、SOCF、SO、SOである式IE−1〜IE−36の化合物が特に好ましい。
【0103】
式IFの前記好ましい化合物の例は以下のものである:
【化49】

【0104】
【化50】

【0105】
【化51】

【0106】
【化52】

【0107】
【化53】

【0108】
【化54】

【0109】
【化55】

【0110】
【化56】

【0111】
【化57】

【0112】
【化58】

【0113】
【化59】

【0114】
【化60】

【0115】
ここで、nおよびmは、互いに独立して、1、2、3、4、5、6、7、または8であり;qおよびpは、互いに独立して、2、3、4、5、6、7、または8であり;およびX11は、CN、NCS、SF、SOCF、SO、SO、F、CF、CHF、C、−CH=CF、−CF=CF、−O−CH、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−n−C11、O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−Cであり、NCS、SF、SOCF、SO、SO、F、CF、OCFが好ましい。同じ化合物にC2m+1O置換基が2つ存在する場合、双方のC2m+1O置換基は、mに対し同じ値を有してもよいし、異なる値を有してもよく;好ましくは、2つのC2m+1O置換基において、mは同じ整数である。同様に、同じ化合物にC2q−1O置換基が2つ存在する場合、双方のC2q−1O置換基はqに対し同じ値を有してもよいし、異なる値を有してもよく;好ましくは、2つのC2q−1O置換基において、qは同じ整数である。好ましくは、nおよびmは、同じ数字であり、1、2、3、4、5、または6に等しい。同様に、qおよびpは同じ数字であり、3、4、5、または6に等しいことが好ましい。
さらに、C2n+1、OC2n+1、OC2m+1、OC2p−1、およびOC2q−1部位の1つまたは2つの水素原子は、それぞれ、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換されてよい。X11がNCS、SF、SOCF、SO、SO、F、CF、OCFとりわけFである式IF−1〜IF−72の化合物が特に好ましい。
【0116】
本発明のさらに好ましい態様は、式IGの化合物を含む:
【化61】

ここで、
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシ基、もしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記基は、無置換かまたは−CN基で単置換され、ハロゲンで単置換または多置換されており;好ましくは、R11は、10個までの炭素原子を有する、直鎖状アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;
【0117】
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシ基、もしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記基は、無置換かまたは−CN基で単置換され、ハロゲンで単置換または多置換されており;好ましくは、L11は、10個までの炭素原子を有する、アルコキシ、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;
【0118】
12は、水素、ハロゲン、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルケニルオキシもしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、それぞれ互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−で、置換されてよく、前記基は、無置換かまたは−CN基で単置換され、ハロゲンで単置換または多置換されており;好ましくは、L12は、Hであり;
【0119】
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルケニルオキシもしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、それぞれの前記基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、互いに独立して、酸素および/硫黄原子が直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記基は、無置換か、または−CN基で単置換され、またはハロゲンで単置換もしくは多置換され;好ましくは、Y11は、10個までの炭素原子を有する、アルコキシ、アルケニルオキシ、または−O−アルキレン−O−アルキル基であり、前記基は、無置換か、またはハロゲンで単置換もしくは多置換され;特に、Y11はL11と同じ意味を有する;
【0120】
12は、水素、ハロゲン、1〜15個の炭素原子を有する アルキルもしくはアルコキシ基、または2〜15個の炭素原子を有する、アルケニル、もしくはアルケニルオキシ、もしくは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、ここで、前記基のそれぞれの1つまたは2つ以上のメチレン基は、互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が直接結合しないように、−S−、−SiR−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記基は、無置換か、または−CN基で単置換、またはハロゲンで単置換もしくは多置換され;好ましくは、L12はHであり;
dは0、1、または2であり;好ましくは、dは、0または1、とりわけ1であり;
15およびL16は、互いに独立して、H、またはFであり;好ましくは、L15およびL16の双方はFであり;
【0121】
14は、単結合、−CHCH−、(−CHCH−)、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、または−O−CO−であり;好ましくは、Z14は、単結合、−C≡C−、−CFO−、または−CO−であり;
11は、F、Cl、−CN、−NCS、−SF、−SO−R、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が直接結合しないように、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換か、または−CN基で単置換、またはハロゲンで単置換もしくは多置換され;好ましくは、X11は、F、Cl、CF、OCF、OCHF、NCS、SF、または−SO−Rであり;
【0122】
およびRは、互いに独立して、水素、または1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり;好ましくは、RおよびRは共に、メチル、エチル、プロピル、またはブチルであり;および
は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換されており;好ましくは、Rは、CF、Cまたはn−Cである。
【0123】
式IGの化合物の好ましい付属群は、dが0である式Iの化合物である。前記付属群の化合物の例は、以下のものである:
【化62】

【0124】
ここで、m、n、およびwは、互いに独立して、1〜8の整数、好ましくは、1、2、3、4、5、または6であり;q、y、およびrは、互いに独立して、2〜8の整数、好ましくは、3、4、5、6であり;sおよびtは、互いに独立して、1、2、3、4、好ましくは、2または3であり;uおよびvは、互いに独立して、1、2、3、4、好ましくは、1または4であり;およびX11は、CN、NCS、SF、SOCF、SO、SO、F、CF、CHF、C、−CH=CF、−CF=CF、−O−CH、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−n−C11、O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−Cであり、CN、SOCF、F、CF、−O−CFが好ましい。好ましくは、C2n+1O、C2m+1O、およびC2w+1Oは、互いに独立して、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、およびn−ヘキソキシをあらわす。好ましくは、C2q−1O、C2y−1O、およびC2r−1O は、−O−CHCH=CH、−O−(CHCH=CH、−O−(CHCH=CH、−O−(CHCH=CH−CHをあらわす。好ましくは、−OC2sOC2t+1は、CHOCHCHO−およびCHCHOCHCHO−をあらわす。好ましくは、(C2v+1SiOSi(C2u+12sOは、(CHSiOSi(CHCHCHO−、および(CHSiOSi(CHCHCHCHO−をあらわす。X11がF、CF、またはOCF、とりわけFである式IGa−1〜IGa−8の化合物が特に好ましい。
【0125】
式IGの化合物の好ましい他の付属群は、dが1である化合物である。該付属群の化合物の例は以下のものである:
【化63】

【0126】
【化64】

【0127】
【化65】

【0128】
【化66】

【0129】
【化67】

【0130】
【化68】

【0131】
ここで、m、n、およびwは、互いに独立して、1〜8の整数、好ましくは、1、2、3、4、5、または6であり;q、y、およびrは、互いに独立して、2〜8の整数、好ましくは、3、4、5、6であり;sおよびtは、互いに独立して、1、2、3、4、好ましくは、2または3であり;uおよびvは、互いに独立して、1、2、3、4、好ましくは、1または4であり;およびX11は、CN、NCS、SF、SOCF、SO、SO、F、CF、CHF、C、−CH=CF、−CF=CF、−O−CH、−O−C、−O−C、−O−n−C、−O−n−C11、O−n−C13、−O−CF、−O−CHF、−O−C、−O−C、−O−n−Cであり、CN、SOCF、F、CF、−O−CFが好ましい。好ましくは、C2n+1O、C2m+1O、およびC2w+1Oは、互いに独立して、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、およびn−ヘキソキシをあらわす。好ましくは、C2y−1O、およびC2r−1Oは、−O−CHCH=CH、−O−(CHCH=CH、−O−(CHCH=CH、−O−(CHCH=CH−CHをあらわす。好ましくは、−OC2sOC2t+1は、CHOCHCHO−およびCHCHOCHCHO−をあらわす。好ましくは、(C2v+1SiOSi(C2u+12sOは、(CHSiOSi(CHCHCHO−、および(CHSiOSi(CHCHCHCHO−をあらわす。X11がF、CF、またはOCF、とりわけFである式IGb−1〜IGb−42の化合物が特に好ましい。
【0132】
式Iの化合物は、U.S. 6,177,154から部分的に既知であり、文献に記載されるように(例えば、Houben−Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg−Thieme−Verlag, Stuttgartなどの標準的文献)、それ自体既知の方法により、該反応に好適で既知の反応条件下で、正確に製造される。それ自体既知ではあるが、ここで詳細は記述しない変法も用いることができる。
本発明の混合物は、1〜25wt.%、好ましくは、2〜20wt.%、最も好ましくは、3〜15wt.%の成分Aを含有する。
【0133】
成分Bの好ましい化合物は、式II−1〜II−8の化合物である:
【化69】

【0134】
【化70】

【0135】
式II−1〜II−8の化合物において、Xは好ましくは、F、CN、NCS、CF、SF、またはOCFである。
12は、好ましくは、6個までの炭素原子を有する直鎖状アルキルまたはアルコキシである。式II−5およびII−8の化合物がとりわけ好ましい。
本発明の混合物は、20〜80wt.%、好ましくは25−70wt.%、とりわけ好ましくは30−60wt.%の、式IIのピラン化合物を含有する。
成分Cの好適なキラル化合物は、≧20μm、好ましくは>40μm、最も好ましくは>60μmのらせんねじれ力(helical twisting power)を有するものである。HTPはMLC 6260で測定される。
【0136】
キラル成分Cは、メソゲン性構造を有し、好ましくは、それ自体1種または2種以上のメソ相、特に少なくとも1種のコレステリック相を示す、1種または2種以上のキラル化合物を含む。キラル成分Cに含まれる好ましいキラル化合物は、とりわけ、よく知られているノナン酸コレステリル(CN)、R/S−811、R/S−1011、R/S−2011、R/S−3011、R/S−4011、R/S−5011、CB−15(Merck KGaA, Darmstadt, Germany)である。1種または2種以上のキラル部位、および1種または2種以上のメソゲン性基を有し、またはキラル部位、メソゲン基と共に形成する、1種または2種以上の芳香族もしくは脂環式部位を有するキラルドーパントが好ましい。ここで参照として組み込まれるDE 34 25 503、DE 35 34 777、DE 35 34 778、DE 35 34 779、DE 35 34 780、DE 43 42 280、EP 01 038 941、およびDE 195 41 820に開示される、キラル部位およびメソゲン性キラル化合物がより好ましい。EP 01 111 954.2に開示されるキラルなビナフチル誘導体、WO 02/34739に開示されるキラルなビナフトール誘導体、WO 02/06265に開示されるされるキラルなTADDOL誘導体、そしてWO 02/06196およびWO 02/06195に開示されるような少なくとも1つのフッ素化リンカー(linker)、および1つの末端キラル部位または1つの中央キラル部位を有するキラルドーパントが特に好ましい。
【0137】
本発明の制御(制御)媒体は、約−30℃〜約80℃の範囲、とりわけ約55℃までに特性温度、好ましくは、透明点を有する。
成分Cの好ましいキラル化合物は、化合物C−I〜C−IIIの群から選択される。
【化71】

ここで、
a11、Ra12、Ra21、Ra22、Ra31およびRa32は、それぞれ互いに独立して、9個までの炭素原子を有する、アルキル、オキサアルキル、アルコキシまたはアルケニルである。
好ましくは、Ra11、Ra12、Ra21、Ra22、Ra31およびRa32は、アルキル基、とりわけ直鎖状アルキル基である。
【0138】
式C−IVのキラルなビナフチル誘導体がとりわけ好ましく、
【化72】

式C−IV−1a〜IC−IV−1cのビナフチル誘導体がとりわけ好ましく、
【0139】
【化73】

【0140】
ここで、
【化74】

であり、
【0141】
は、単結合、−CHCH−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−CFCF−、−CH=CH−、−C≡C−、または−CF=CF−であり、
Bは、0、1、または2であり、
0*は、水素、1〜15個の炭素原子を有する、アルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、互いに独立して、酸素および/または硫黄原子が直接結合しないように、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CI−で置換されてもよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換か、またはハロゲンで単置換もしくは多置換される。
【0142】
さらに、式C−VおよびC−VIのキラルなビナフチル誘導体が好ましく、
【化75】

【0143】
ここで、
【化76】

、Z、およびbは、上記意味を有し、およびXは、H、F、Cl、CNであり、またはR0*の意味を有する。R2*およびR1*は、互いに独立して、F、Cl、OCF、CF、CNであり、ならびにL、L、L、およびLは、互いにHまたはFである。Z0*は、単結合、−C−、−COO−、−OCO−、CHO−、−OCH−、−C、−CH=CH−、−C≡C−、または−CF=CFを表す。
【0144】
式C−V−2a〜C−V−2fのキラルなビナフチル誘導体がとりわけ好ましい:
【化77】

【0145】
【化78】

本発明の混合物は、1〜25wt.%、好ましくは2〜20wt.%の範囲で、1種または2種以上(2種、3種、4種、または5種以上)のキラル化合物を含有する。3〜15wt.%のキラル化合物を含有する混合物がとりわけ好ましい。
【0146】
好ましい態様は以下に示す:
−媒体は、1種、2種、または3種以上の式Iの化合物を含む;
−成分Bは、好ましくは、式IIの化合物に加え、少なくとも1種または2種以上の式Zのエステル化合物を含有する。
【化79】

ここで、RはR11に対する意味を有し、
【化80】

は、F、Cl、CN、NCS、OCF、CF、またはSFである。
【0147】
式Zの好ましい化合物は以下のものである。
【化81】

【0148】
【化82】

【0149】
【化83】

5〜35wt.%、好ましくは10〜30 wt.%、とりわけ好ましくは10〜20wt.%含有する混合物がとりわけ好ましい。
【0150】
−成分Bは、
【化84】

【0151】
【化85】

【0152】
【化86】

から選択される1種または2種以上の化合物を付加的に含有する。
【0153】
−媒体成分Bは、一般式III〜VIIからなる群から選択される1種または2種以上の化合物を付加的に加える:
【化87】

ここで、それぞれの基は以下の意味を有する:
は、n−アルキル、アルコキシ、オキサアルキル、フルオロアルキル、またはアルケニルで、それぞれ9個までの炭素原子を有し、
は、CN、SF5、NCS、SOCF、F、Cl、ハロゲン化アルキル、6個までの炭素原子を有する、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アルケニルオキシ、またはハロゲン化アルコキシであり、
は、−C−、−CF=CF−、−C−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−CH=CH−、−CFO−、または−OCF−、−C−であり、
〜Yは、互いにそれぞれ独立して、H、またはFであり、
rは0または1である。
【0154】
式Vの化合物は、好ましくは、
【化88】

である。
【0155】
−成分Bは、一般式VIII〜XVからなる群から選択される1種または2種以上の化合物を付加的に含む:
【化89】

【0156】
【化90】

ここで、R、X、およびY1−4は、互いにそれぞれ独立して、請求項3で定義したとおりである。Xは、好ましくは、F、Cl、CF、OCF、またはOCHFである。Rは、好ましくは、アルキル、キサアルキル、フルオロアルキル、またはアルケニルであり、それぞれは6個までの炭素原子を有する。
【0157】
−成分Bは式E−a〜E−dの1種または2種以上の化合物を付加的に含む
【化91】

ここで、Rは請求項3で定義したとおりである;
【0158】
−式E−a〜E−dの化合物の割合は、好ましくは、10〜30重量%、特に15〜25重量%である;
−式II〜VIIの化合物の割合は、全体としての混合物中、1〜30重量である;
【化92】

である。
−媒体は、式II、III、IV、V、および/またはVIの化合物を含む;
−Rは、2〜7個の炭素原子を有する直鎖状アルキルまたはアルケニルである;
【0159】
−成分Bは、好ましくは、一般式XVI〜XXからなる以下の群から選択される他の化合物を含む:
【化93】

ここで、RおよびXは上記したとおりである。1,4−フェニレン環は、CN、塩素、またはフッ素で付加的に置換されてもよい。1,4−フェニレン環は、好ましくは、フッ素原子で単置換または多置換される。
【0160】
−液晶媒体は、1種、2種、3種、または4種以上、好ましくは2種または3種の式の化合物を付加的に含み、
【化94】

ここで、“アルキル”および“アルキル”は以下に定義したとおりである。本発明の混合物中、式O1および/またはO2の化合物の割合は、好ましくは、5〜10重量%である。
【0161】
−媒体は、好ましくは、XがFまたはOCFである式IVaの、1種、2種、または3種の化合物を含む。
−媒体は、好ましくは、式IIa〜IIgの1種または2種以上の化合物を含む。
【化95】

【化96】

ここで、Rは上記のとおりである。式IIa〜IIgの化合物において、Rは、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、またはn−ペンチルである。
【0162】
−媒体は、好ましくは、以下の式の1種または2種以上の化合物を含む。
【化97】

【0163】
【化98】

ここで、Rは上記のとおりである。
【0164】
−Xがフッ素であり、およびRがCH、C、n−C、n−C、またはn−C11である、式IVbおよび/またはIVcの化合物の、全体としての混合物における割合は、2〜20重量%であり、特に2〜15重量%である。
−媒体は、好ましくは、Rがメチルである式II〜VIの化合物を含む。
【0165】
媒体は、特に好ましくは、以下の式を含む
【化99】

【0166】
−媒体は、好ましくは、1種、2種、または3種以上、好ましくは1種または2種の式のジオキサン化合物を含む。
【化100】

【0167】
−媒体は、1種、2種、または3種以上の式Z1〜Z6の二環式化合物を付加的に加える。
【化101】

ここで、R1aおよびR2aは、互いにそれぞれ独立して、H、CH、C、またはn−Cである。R、アルキル、およびアルキルは、請求項3に定義したとおりであるか、または以下に定義したとおりである。
前記二環式化合物のうち、特に好ましいのは、Z−1、Z−2、Z−5、およびZ−6の化合物である。
【0168】
−媒体は、1種、2種、または3種以上の式AN1〜AN11の縮合環を有する化合物を付加的に含む:
【化102】

【0169】
【化103】

ここで、Rは上記したとおりである。
【0170】
通常の液晶材料、特に、II、III、IV、V、VI、および/またはVIIの1種または2種以上の化合物に、式Iの化合物を比較的少ない割合で混合しても、より小さい作動電圧およびより広い作動温度範囲をもたらす。特に、1種または2種以上の式Iの化合物に加え、1種または2種以上の式IIの化合物、特にX12がF、Cl、CN、NCS、CF、またはOCFである式II−5およびII−7の化合物を含む混合物が好ましい。式I〜VIIの化合物は、無色、安定であり、互いにおよび他の液晶材料と容易に混合することができる。
【0171】
「アルキル」または「アルキル」の用語は、1〜7個の炭素原子を有する直鎖状および分枝状アルキル基、特にメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルの直鎖状基を包含する。1〜5個の炭素原子を有する基が、一般的に好ましい。
【0172】
「アルケニル」の用語は、2〜7個の炭素原子を有する直鎖状および分枝状アルケニル基、特に直鎖状基を包含する。特定のアルケニル基は、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニル、C〜C−4−アルケニル、C〜C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニル、特にC〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニルおよびC〜C−4−アルケニルである。特に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニル等である。5個までの炭素原子を有する基が、一般的に好ましい。
【0173】
「フルオロアルキル」の用語は、好ましくは、末端フッ素を含む直鎖状基、即ちフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルを包含する。しかし、フッ素を他の位置に有することは、除外されない。
「オキサアルキル」の用語は、nおよびmは、各々、互いに独立して、1〜6である、式C2n+1−O−(CHで表される直鎖状基(式中、)を好ましくは包含する。好ましくは、nは1であり、mは1〜6である。
【0174】
式Iの化合物、および式II+III+IV+V+VI+VIIの化合物の最適混合比は、所望の性質、式III、IV、V、VIおよび/またはVIIの成分の選択、および存在し得るほかの成分の選択に実質的に依存する。上記範囲内での好適な混合比は、場合により容易に決定することができる。
【0175】
本発明の混合物における、式I〜XVの化合物の全体量は重要ではない。したがって、混合物は、様々な性質の最適化のために、1種または2種以上の他の成分を含むことができる。しかしながら、一般的に、作動電圧および作動温度範囲に与える影響が、大きく観察されればされるほど、式I〜XVの化合物の全体濃度も大きくなる。
【0176】
特に好ましい態様には、本発明の媒体は、XがF、OCF、OCHF、OCH=CF、OCF=CF、またはOCF−CFHである、式III〜VIIの化合物を含む。好ましい相乗的な効果は、特に有利な性質をもたらす。特に、式Iおよび式IIの化合物を含む混合物は、それらの低い作動電圧により区別される。
式I〜XXの個々の化合物、および本発明の媒体に用いられる、それらの付属式の化合物は、既知であるか、または既知の化合物と同様にして製造することができる。
【0177】
偏光子、電極ベースプレート、および表面処理電極からの、本発明のMLCディスプレイの構築は、このタイプのディスプレイの通常の構築と一致する。通常の構築の用語は、ここでは広く用いられており、MLCディスプレイの全ての派生物および修正物、特にポリ−Si TFTまたはMIMに基づくマトリックスディスプレイをも包含する。
しかしながら、本発明ディスプレイと、ツイストネマチックセルに基づく通常のディスプレイとの間の重要な差異は、液晶層の液晶パラメータの選択にある。
【0178】
本発明の媒体は、それ自体通常の方法で調製される。一般的に、成分は、有利には高温で、それぞれ溶解させる。好適な添加剤により、本発明の液晶相は、本明細書で開示した全てのタイプの液晶ディスプレイ素子に用いることができるように、修正することができる。このタイプの添加剤は、当業者には既知であり、文献に詳細に記載されている(H. Kelker/R. Hatz, Handbook of Liquid Crystals, Verlag Chemie, Weinheim, 1980)。例えば、多色性色素は、カラーゲスト−ホスト系の調製のために加えることができ、または誘電異方性、粘度および/またはネマチック相の配向を修正するために、物質を添加することができる。さらに、安定剤および抗酸化剤を加えることができる。
【0179】
本発明の混合物は、TN、STN、ECB、およびIPS用途、ならびにイソトロピックスイッチングモード(isotropic switching mode)(ISM)用途に好適である。従って、電気光学的デバイスにおけるそれらの使用、および本発明の少なくとも1種の化合物を含む液晶媒体を含有する電気光学的デバイスが本発明の目的である。
本発明の混合物は、光学的にイソトロピックな状態で作動するデバイスに、非常に好適である。驚くべきことに、本発明の混合物は、それぞれの使用に非常に好適であることが判明した。
【0180】
光学的にイソトロピックな状態で作動する、または作動可能な電気光学的デバイスは、ビデオ、TV、およびマルチメディア用途に関して、最近重要になってきている。これは、液晶の物理的性質に基づく電気光学的効果を利用する通常の液晶ディスプレイが、前記用途に望ましくない大きいスイッチング時間を示すからである。
【0181】
イソトロピック状態における電気光学的効果を利用するデバイスに関し、例えば、ドイツ特許出願DE 102 17 273 A1は、変調のためのメソゲン性制御媒体が、作動温度でイソトロピック相である、光制御(光変調)素子を開示している。これらの光制御素子は、非常に短いスイッチング時間を有し、コントラストへの良好な視野角依存性を有する。しかしながら、前記素子の駆動電圧または作動電圧は、ある用途に対して非常に頻繁に不適当に高い。
未だ公開されていないドイツ特許出願DE 102 41 301は、駆動電圧の顕著な低下をもたらす電極の特別な構造を開示している。しかしながら、これらの電極は、光制御素子の製造工程をより複雑にしている。
【0182】
さらに、例えば、DE 102 17 273 A1およびDE 102 41 301の双方で開示されている、光制御素子は、顕著な温度依存性を示す。光学的にイソトロピックな状態での制御媒体の電界により誘発され得る、電気光学的効果は、制御媒体の透明点に近接した温度で最も顕著である。この範囲で、光制御素子は、特性電圧の最も低い値を有し、従って、最も低い作動電圧を要求する。温度が特性電圧を増大させるにつれて、従って、作動電圧は顕著に増大する。温度依存性の典型的な値は、摂氏当たり約2、3ボルトから摂氏当たり約10ボルトまたはそれ以上までの範囲である。DE 102 41 301 は、デバイスがイソトロピック状態で作動可能または作動された電極の種々の構造を開示しているが、DE 102 17 273 A1は、イソトロピック状態で作動可能または作動された光制御素子で有用な様々な組成物のイソトロピック媒体を開示している。これらの光制御素子における、しきい値電圧の相対的温度依存性は、透明点より摂氏1度高い温度で、約50%/摂氏の範囲である。温度を上昇させると、温度依存性は低下し、透明点より摂氏5度高い温度で、約10%/摂氏である。しかしながら、前記光制御素子を利用するディスプレイの多くの実用的用途に対し、電気光学的効果の温度依存性は、非常に高い。対照的に、実用的用途においては、少なくともある温度、好ましくは摂氏約5度またはそれ以上、より好ましくは摂氏10度またはそれ以上、とりわけ摂氏約20度またはそれ以上の温度範囲で、作動電圧が作動温度から独立していることが望ましい。
【0183】
本発明混合物の使用が、上記文献ならびにDE 102 17 273 A1、DE 102 41 301、およびDE 102 536 06に記載された光制御素子における、制御媒体として非常に好適であること、および電気光学的作動電圧が作動する温度範囲を広げることが見出された。この場合、光学的にイソトロピックな状態またはブルー相は、作動温度から、ほぼ完全または完全に独立している。
【0184】
メソゲン性制御媒体が、未だ公開されていないDE 103 13 979に記載されるようないわゆる“ブルー相”の少なくとも1種を示す場合、この効果はより明確である。極端に大きいキラルツイストを有する液晶が、1種または2種以上の光学的にイソトロピックな相を有することができる。それらがそれぞれのコレステリックピッチを有する場合、これらの相は十分に大きいセルギャップを有するセル内で、青みがかったように見えることもある。従って、それらの相は、“ブルー相”と呼ばれる(Gray and Goodby, “Smectic Liquid Crystals, Textures and Structures”, Leonhard Hill, USA, Canada (1984))。ブルー相で存在する液晶への電界の効果、および電界がない液晶で観察でき、これまで同定されたブルー相の3種、すなわちBP I、BP II、およびBP IIIも、例えばH.S. Kitzerowの“The Effect of Electric Fields on Blue Phases”, Mol. Cryst. Liq. Cryst. (1991), Vol. 202, p. 51−83に記載されている。1種または2種以上のブルー相を示す液晶が電界にさらされる場合、ブルー相I、II、およびIIIと異なる他のブルー相または他の相が現れることもある。
【0185】
本発明の混合物は、電気光学的光制御素子で用いられることができ、それは、
−1種または2種以上、とりわけ2つの基板;
−電極のアセンブリ;
−光を偏光させるための1種または2種以上の素子;および
−前記制御媒体;
を含み、
ここで、前記光制御素子は、制御媒体が非駆動状態で光学的にイソトロピック相である温度で作動される(または作動可能である)。
【0186】
本発明の制御媒体は、約−30℃〜約80℃、とりわけ約55℃までの範囲で、特性温度、好ましくは透明点を有する。
光制御素子の作動温度は、好ましくは、制御媒体の特性温度より高く、前記温度は、通常、制御媒体からブルー相への転移温度である;一般的に、作動温度は、前記特性温度よりも、約0.1 °〜約50 °高い範囲、好ましくは約0.1 °〜約10 °高い範囲である。作動温度が、制御媒体からブルー相への転移温度から、透明点である、制御媒体からイソトロピック相への転移温度までの範囲であることが非常に好ましい。しかしながら、光制御素子は、制御媒体がイソトロピック相である温度でも作動できる。
【0187】
(本発明の目的のために、“特性温度”の用語は、以下のように定義される:
−温度の関数としての特性電圧が最低値を有する場合、この最低値での温度が特性温度を意味する。
−温度の関数としての特性電圧が最低値を有さない場合、および制御媒体が1種または2種のブルー相を有する場合、ブルー相への転移温度が特性温度を意味する;1種以上のブルー相が存在する場合、ブルー相への最低転移温度が特性温度を意味する。
−温度の関数としての特性電圧が最低値を有さない場合、および制御媒体がブルー相を有さない場合、イソトロピック相への転移温度が特性温度を意味する。)
【0188】
本明細書中、“アルキル”の用語は、明細書またはクレーム内で異なる意味に定義されない限り、1〜15個の炭素原子を有する直鎖状および分枝状炭化水素(脂肪族)基を意味する。炭化水素基は、無置換か、または1種または2種以上の置換基で置換されてよく、置換基は、F、Cl、Br、I、またはCNからなる群から独立して選択される。
【0189】
誘電体は、文献に記載され当業者に既知である他の添加剤も含むことができる。例えば、多色性色素、抗酸化剤、または安定化剤の0〜15%を添加することができる。
Cは液晶相を示し、Sはスメクチック相を示し、SはスメクチックC相を示し、Nは、ネマチック相を示し、Iはイソトロピックを示し、およびBPはブルー相を示す。
10は10%透過率のための電圧を示し、V100は100%透過率のための電圧を示す(プレート表面と垂直な視野角)。tonは、V100の値に対応する作動電圧での、スイッチ−オン時間を示し、およびtoffはスイッチ−オフ時間を示す。
【0190】
Δnは光学異方性を示す。Δεは誘電異方性を示す(Δε=ε−εであり、ここでεは分子の長軸に平行な誘電定数を示し、およびεは分子の長軸に垂直な誘電定数を示す)。電気光学データは、他で特に明記しない限り、第一極小値(即ち、d・0.5μmのΔn)、20℃でTNセル中、測定される。光学データは、他で明記しない限り、20℃で測定される。
【0191】
本出願および以下の例において、液晶化合物の構造を頭文字で示し、その化学式への変換は、以下の表AおよびBに従って得られる。すべての基C2n+1およびC2m+1は、それぞれn個またはm個の炭素原子(n、m:1〜12)を含む直鎖状アルキル基である;nおよびmは整数であり、好ましくは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12である。表Bのコードは自明である。表Aにおいて、基本構造にかかわる頭文字のみを示す。各場合において、基本構造にかかわる頭文字の後に、ハイフンで分離して、置換基R1*、R2*、L1*およびL2*:に関するコードが示されている:
【0192】
【表11】

【0193】
好ましい混合物が表AおよびBに示される。
【化104】

【0194】
【化105】

【0195】
【化106】

【0196】
【化107】

【0197】
【化108】

【0198】
【化109】

【0199】
【化110】

【0200】
【化111】

【0201】
【化112】

【0202】
【化113】

【0203】
【化114】

【0204】
【化115】

【0205】
【化116】

式Iの化合物に加え、表Bの化合物を、少なくとも1種、2種、3種または4種含む液晶混合物が特に好ましい。
【0206】
表C:
表Cは、一般的に、単独で、または本発明に従い2種、3種または4種以上と組み合わせて、混合物に添加される、成分Cに一致した可能なドーパントを示す。
【化117】

【0207】
【化118】

【0208】
【化119】

【化120】

【0209】
表D
例えば、本発明の混合物に加えることができる安定化剤を以下に示す。
【化121】

【0210】
【化122】

【0211】
【化123】

【0212】
【化124】

【0213】
【化125】

【0214】

以下の例は、本発明を限定することなく説明することを意図する。本明細書中、パーセンテージは重量パーセントである。全ての温度は摂氏温度で示す。m.p.は融点を示し、cl.p.は透明点を示す。さらに、C=結晶状態、N=ネマチック相、S=スメクチック相、I=イソトロピック相である。Ttrans=コレステリック相からブルー相(BP)への転移温度である。
一つの基板にのみインターデジタル(interdigital)電極を備えたテストセル中に媒体を入れる。セルにおけるメソゲン性層の厚みは10μmであり、電極間の距離は10μmであり、電極幅は10μmである。
これらの記号間のデータは、転移温度を表す。Δnは光学異方性(589nm、20℃)を示す。流動粘度n20(mm2/sec)および回転粘度g(mPa×s)はそれぞれ20℃で決定された。
物理データは、どの範囲において、どの性質が達成されるかを示す。
“使用可能な範囲”は、この温度範囲内で、5msecより小さいスイッチング時間により決定される。
【0215】

【表12】

【0216】
【表13】

【0217】
【表14】

【0218】
【表15】

【0219】
【表16】

【0220】
【表17】

【0221】
【表18】

【0222】
【表19】

【0223】
【表20】

【0224】
【表21】

【0225】
【表22】

【0226】
【表23】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
a)少なくとも1種の式Iの化合物を含有する1〜25重量%の成分A
【化1】

式中、
a、b、c、およびdは、それぞれ互いに独立して、0、1または2であり、ここでa+b+c+d≦4であり;
11は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が互いに直接は結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてもよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換か、または−CN基で単置換、もしくはハロゲンで単置換もしくは多置換され、
11、L12、L13およびL14は、それぞれ互いに独立して、水素、ハロゲン、CN基、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が直接には結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換かまたは、−CN基で単置換、もしくはハロゲンで単置換もしくは多置換され、但し、L11、L12、L13およびL14の少なくとも1つはハロゲンではなく、
11は、ハロゲン、−CN、−NCS、−SF、S−R、−SO−R、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が直接には結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換かまたは、−CN基で単置換、もしくはハロゲンで単置換もしくは多置換され;
およびRは、それぞれ互いに独立して、水素、または1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり;
は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換され;
11、A12、A13およびA14は、それぞれ互いに独立して、以下の式の1つの環であり:
【化2】

ここで、A11、A12、A13、およびA14のそれぞれは、同じ環であってよく、または2つ存在する場合には、2つの異なる環でもよく;
11、Y12、Y13、およびY14は、それぞれ互いに独立して、水素、ハロゲン、CN、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が直接には結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−、および/または−O−CO−で置換されてよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、無置換かまたは、ハロゲンで単置換もしくは多置換され;
f、g、およびhは、それぞれ互いに独立して、0、1、2、または3であり;
11、Z12、Z13、およびZ14は、互いに独立して、単結合、−(CH)−、−CHCH−、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−(CHO−、−O(CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、または−O−CO−であり、ここで、Z11、Z12、Z13、およびZ14は、2つ存在する場合には、同じ意味または異なる意味を有してもよく;
b)少なくとも1つの式IIの化合物を含有する5〜80重量%の成分B
【化3】

ここで、
12は、R11に対しての意味を有し、
、A、Aは、それぞれ互いに独立して、
【化4】

であり、
およびZは、互いに独立して、単結合、−(CH)−、−CHCH−、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−(CHO−、−O(CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、または−O−CO−であり、ここで、Z11、Z12、Z13、Z14のそれぞれは、2つ存在する場合には、同じ意味または異なる意味を有してもよく;
12は、ハロゲン、−CN、−NCS、−SF、−SOCF、アルキル、アルケニル、アルケニルオキシ、またはアルキルアルコキシ、もしくはアルコキシ基であり、それぞれはCNおよび/またはハロゲンで単置換または多置換され、
およびLは、それぞれ互いに独立して、H、またはFであり、および
mおよびnは、それぞれ互いに独立して、0、1、または2であり、およびm+n≦2であり;および
c)任意に、20μm以上のHTPを有するキラル化合物の少なくとも1種を含有する1〜20重量%の成分C
を含む液晶媒体。
【請求項2】
11〜L14の少なくとも1つがアルコキシである、1種または2種以上の式Iの化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の液晶媒体。
【請求項3】
11〜L14の少なくとも2つがアルコキシである、1種または2種以上の式Iの化合物を含むことを特徴とする、請求項2に記載の液晶媒体。
【請求項4】
1〜20%の成分Cを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶媒体。
【請求項5】
1種、2種、または3種以上の式II−1〜II−8の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶媒体。
【化5】

【化6】

【化7】

【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の液晶媒体の、電気光学的デバイスでの使用。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の液晶媒体を含有することを特徴とする、電気光学的デバイス。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の液晶媒体の、電気光学的デバイスでの使用であって、前記デバイスが、光学的に等方的な状態で作動されるか、または作動可能である、前記使用。

【公表番号】特表2007−503485(P2007−503485A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524258(P2006−524258)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008678
【国際公開番号】WO2005/019381
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】