説明

液晶媒体

【課題】液晶媒体を提供する。
【解決手段】本発明は、a)1種類以上の式(I)の誘電的に負の化合物から成る第1の誘電的に負の成分(成分A)、および、b)1種類以上の式(II)の誘電的に負の化合物(1種類または多種類)から成る第2の誘電的に負の成分(成分B)を含む誘電的に負の液晶媒体(式中、パラメータは、請求項1において示されるそれぞれの意味を有する。)と、電気光学的ディスプレイにおける、特に、VA、ECB、PALC、FFSまたはIPS効果に基づくアクティブマトリクスディスプレイにおける液晶媒体の使用と、このタイプのディスプレイとに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶媒体、液晶ディスプレイにおけるそれの使用、およびこれらの液晶ディスプレイ、特に、ホメオトロピック出発配向において誘電的に負の液晶によるECB(electrically controlled birefringence:電気的制御複屈折)効果を使用する液晶ディスプレイに関する。本発明による液晶媒体は、本発明によるディスプレイにおいて特に短い応答時間と同時に高い電圧保持率によって際立っている。
【背景技術】
【0002】
ECB効果を使用するディスプレイは、所謂VAN(vertically aligned nematic:垂直配向ネマチック)ディスプレイとして、IPS(in−plane switching:面内スイッチング)ディスプレイ(例えば:Yeo、S.D.、論文15.3:「A LC Display for the TV Application」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、758および759頁(非特許文献1))および長く知られているTN(twisted nematic:ツイストネマチック)ディスプレイに加え、特に、テレビ用途向けとして現在のところ最も重要な液晶ディスプレイの3種類のより最近のタイプの1つとして確立されてきた。
【0003】
言及しなければならない最も重要な設計は:MVA(multi−domain vertical alignment:マルチドメイン垂直配向、例えば:Yoshide、H.ら、論文3.1:「MVA LCD for Notebook or Mobile PCs(以下省略)」SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book I、6〜9頁(非特許文献2)およびLiu、C.T.ら、論文15.1:「A 46−inch TFT−LCD HDTV Technology(以下省略)」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、750〜753頁(非特許文献3))、PVA(patterned vertical alignment:パターン化垂直配向、例えば:Kim、Sang Soo、論文15.4:「Super PVA Sets New State−of−the−Art for LCD−TV」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、760〜763頁(非特許文献4))およびASV(advanced super view:先進スーパーヴュー、例えば:Shigeta、MitzuhiroおよびFukuoka、Hirofumi、論文15.2:「Development of High Quality LCDTV」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、754〜757頁(非特許文献5))である。
【0004】
一般的な形態において、例えば、2004年6月のSoukにおけるSIDセミナーにおいて、セミナーM−6:「Recent Advances in LCD Technology」、セミナー講義ノート、M−6/1〜M−6/26(非特許文献6)およびMiller、Ian、SIDセミナー 2004、セミナーM−7:「LCD−Television」、セミナー講義ノート、M−7/1〜M−7/32(非特許文献7)において、技術が比較されている。例えば:Kim、Hyeon Kyeongら、論文9.1:「A57−in.Wide UXGA TFT−LCD for HDTV Application」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book I、106〜109頁(非特許文献8)のように、オーバードライブによるアドレス方法により、近年のECBディスプレイの応答時間は既に著しく改良されてきたが、ビデオに対応できる応答時間を達成することは、特に、中間階調のスイッチングにおいて、依然として満足いくほどには未だ解決されていない問題である。
【0005】
ASVディスプレイなどのECBディスプレイは負の誘電異方性(Δε)の液晶媒体を使用する一方で、TNおよび今日までの全ての従来のIPSディスプレイは正の誘電異方性の液晶媒体を使用する。
【0006】
このタイプの液晶ディスプレイにおいて、液晶は、電圧を印加すると光学的特性が可逆的に変化する誘電体として使用される。
【0007】
ディスプレイにおいては、一般に、即ち、これらの既述の効果によるディスプレイにおいても動作電圧が可能な限り低くなければならないため、一般に、全てが同一の符号の誘電異方性を有し、可能な限り高い値の誘電異方性を有する液晶化合物より主に構成される液晶媒体を使用する。一般に、最大でも比較的低い割合の中性化合物を用い、可能であるならば、媒体と反対の符号の誘電異方性を有する化合物は用いない。よって、ECBディスプレイ用の負の誘電異方性の液晶媒体の場合、負の誘電異方性の化合物を主に用いる。用いられる液晶媒体は、一般に、負の誘電異方性の液晶化合物から主に成り、通常、更に本質的に成る。
【0008】
一般に、液晶ディスプレイは可能な限り低いアドレス電圧を有するよう意図されるため、本出願によって使用される媒体においては、典型的には、多くても有意な量の誘電的に中性の液晶化合物と、一般に非常に少量のみの誘電的に正の化合物を用いるか、または、更に全く用いない。
【0009】
対応して低いアドレス電圧を有する先行技術の液晶媒体は比較的低い電気抵抗値または低い電圧保持率を有し、しばしば、結果として、ディスプレイにおける望ましくないチラツキおよび/または不充分な透過が生じる。
【0010】
加えて、先行技術のディスプレイのアドレス電圧は、特に、例えば、携帯用途向けのディスプレイなどの電力供給網に直接または連続的に接続されていないディスプレイにとっては、しばしば、高すぎる。
【0011】
加えて、相範囲は、意図される用途に対して十分に広くなければならない。
【0012】
特に、ディスプレイにおける液晶媒体の応答時間は向上、即ち、短縮されなければならない。このことは、テレビまたはマルチメディア用途向けのディスプレイにとって、特に重要である。応答時間を向上するために、液晶媒体の回転粘度(γ)を最適化すること、即ち、可能な限り低い回転粘度を有する媒体を達成することが、繰り返し過去において提案されてきた。しかしながら、ここで達成された結果は多くの用途にとって不適切であり、従って、更なる最適化の手法を見出すことが望ましいように見受けられる。
【0013】
従って、先行技術からの媒体の不具合を有していないか、少なくとも著しく低減された程度に有している液晶媒体に対する多大な要求がある。
【0014】
驚くべきことに、ECBディスプレイにおいて短い応答時間を有し、同時に、十分に広いネマチック相、好ましい複屈折率(Δn)および高い電圧保持率に有する液晶ディスプレイを達成することが可能であることが見出された。
【0015】
このタイプの媒体は、特に、ECB効果に基づきアクティブマトリクスでアドレスする電気光学的ディスプレイ用に、および、IPS(in−plane switching:面内スイッチング)ディスプレイ用に使用される。本発明による媒体は、好ましくは、負の誘電異方性を有する。
【0016】
電気的制御複屈折の原理、ECB(electrically controlled birefringence:電気的制御複屈折)効果またはDAP(deformation of aligned phases:配向層の変形)効果は、1971年に初めて記載された(M.F.SchieckelおよびK.Fahrenschon、「Deformation of nematic liquid crystals with vertical orientation in electrical fields」、Appl.Phys.Lett.19巻(1971年)、3912頁(非特許文献9))。その後、J.F.Kahn(Appl.Phys.Lett.20巻(1972年)、1193頁(非特許文献10))およびG.LabrunieおよびJ.Robert(J.Appl.Phys.44巻(1973年)、4869頁(非特許文献11))による報文が続いた。
【0017】
J.RobertおよびF.Clerc(SID 80 Digest Techn.Papers(1980年)、30頁(非特許文献12))、J.Duchene(Displays 7巻(1986年)、3頁(非特許文献13))およびH.Schad(SID 82 Digest Techn.Papers(1982年)、244頁(非特許文献14))による報文において、ECB効果に基づく高度情報ディスプレイ素子のための使用に適するものとするためには、弾性定数間の比K/Kに対する高い値、光学異方性Δnに対する高い値および誘電異方性Δεに対する−0.5以下の値を液晶相が有していなければならないことが示された。ECB効果に基づく電気光学的ディスプレイ素子はホメオトロピックエッジ配向を有している(VA技術、即ち、垂直配向(vertically aligned))。また、誘電的に負の液晶媒体も、所謂IPS効果を使用するディスプレイにおいて使用できる。
【0018】
この効果を電気光学的ディスプレイ素子において工業的に応用するには、多数の要求を満足しなければならないLC相が必要となる。ここで特に重要なのは、水分、空気、および熱、赤外線、可視および紫外領域の放射および直流および交流電界などの物理的影響に対する化学的耐性である。
【0019】
更に、工業的に使用できるLC相は、適切な温度範囲において液晶中間相および低粘度を有することが要求される。
【0020】
現在までに開示されてきた液晶中間相を有する一連の化合物は、単一の化合物でこれら全ての要求を満たすものを含んでいない。従って、LC相として使用できる物質を得るためには、一般に、2〜25種類、好ましくは3〜18種類の化合物の混合物が調製される。
【0021】
マトリックス液晶ディスプレイ(MLC(matrix liquid crystal)ディスプレイ)は既知である。個々のピクセルを個々にスイッチングするために使用することができる非線形素子は、例えば、アクティブ素子(即ち、トランジスター)である。なお、用語「アクティブマトリックス」は、一般に基板としてのガラス板上に配置される薄膜トランジスター(TFT(thin film transistor))を使用する場合について使用される。
【0022】
2つの技術が区別される:例えば、CdSeなどの化合物半導体を含むTFT、または、多結晶、および、とりわけ、アモルファスシリコンに基づくTFTである。現在のところ、後者の技術が世界的に商業上最も重要である。
【0023】
TFTマトリックスはディスプレイの一方のガラス板の内面に適用され、一方、他方のガラス板はその内面に透明な対向電極を備える。ピクセル電極の大きさと比較して、TFTは非常に小さく、事実上、画像に対する悪影響はない。また、この技術はフルカラー対応のディスプレイにも拡張でき、このディスプレイにおいては、フィルター素子がスイッチ可能なピクセルのそれぞれに対向するように、赤、緑および青フィルターのモザイクが配置される。
【0024】
これまでに使用されてきた大半のTFTディスプレイは、通常、透過に対して直交する偏光子によって動作し、バックライトで照らされる。テレビ用途向けには、IPSセルまたはECB(またはVAN)セルが使用され、一方、モニターでは、通常、IPSセルまたはTNセルを使用し、ノート型パソコン、ラップトップおよび携帯用途では、通常、TNセルを使用する。
【0025】
本明細書において、用語MLCディスプレイは、集積非線形素子を備える任意のマトリックスディスプレイ、即ち、アクティブマトリックスに加えて、バリスターまたはダイオード(MIM、即ち、metal−insulator−metal(金属−絶縁体−金属))などのパッシブ素子を備えるディスプレイも網羅する。
【0026】
このタイプのMLCディスプレイは、特に、テレビ用途、モニターおよびノート型パソコン、または、例えば、自動車製造物または航空機内における高い情報密度のディスプレイに適している。コントラストの角度依存性および応答時間に関する問題に加えて、MLCディスプレイにおいては、液晶混合物の比抵抗が十分に高くないことに起因する問題も生じる[TOGASHI,S.、SEKIGUCHI,K.、TANABE,H.、YAMAMOTO,E.、SORIMACHI,K.、TAJIMA,E.、WATANABE,H.およびSHIMIZU,H.、Proc.Eurodisplay 84、1984年9月:A210〜288頁、Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings、141ff頁、パリ(非特許文献15);STROMER,M.、Proc.Eurodisplay 84、1984年9月、Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays、145ff頁、パリ(非特許文献16)]。抵抗の低下に伴い、MLCディスプレイのコントラストが劣化する。液晶混合物の比抵抗はディスプレイの内部表面との相互作用のために、一般に、MLCディスプレイの寿命に渡って低下するので、許容される抵抗値を長い動作期間で有さなければならないディスプレイのためには、高い(初期)抵抗が非常に重要である。
【0027】
式Iの化合物は、実質的に誘電的に中性のインダン類との組み合わせにおいて、液晶混合物の成分として、例えば、特開2005−047 980号公報(特許文献1)において述べられており、当該公報には、式Iの化合物の調製についても言及されている。未だ公開されていないドイツ国特許出願第10 2008 01 46 49.8号(特許文献2)には、負の誘電異方性のインダン類と組み合わされて、式Iの化合物が述べられている。
【0028】
式IIの化合物は、例えば、欧州特許第0 364 538号明細書(特許文献3)、欧州特許第0 363 548号明細書(特許文献4)およびドイツ国特許第39 06 058号明細書(特許文献5)より既知であり、当該公報には、このタイプの幾つかの化合物の合成も記載されている。式IIの他の化合物は、類似して調製される。
【0029】
これまでに開示されたMLCディスプレイの不具合は、これらのディスプレイにおいて、それらのコントラストが比較的低いこと、視野角依存性が比較的高いこと、および、中間階調の生成が困難であること、ならびに、それらの電圧保持率が不充分であること、および、それらの寿命が不適切であることに基づく。
【0030】
よって、非常に高い比抵抗と同時に、広い動作温度範囲、短い応答時間および低い閾電圧を有し、これらのおかげで各種の中間階調を生成でき、特に、良好で安定な電圧保持率を有するMLCディスプレイに対する多大な要求が引き続きある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】特開2005−047 980号公報
【特許文献2】ドイツ国特許出願第10 2008 01 46 49.8号
【特許文献3】欧州特許第0 364 538号明細書
【特許文献4】欧州特許第0 363 548号明細書
【特許文献5】ドイツ国特許第39 06 058号明細書
【非特許文献】
【0032】
【非特許文献1】Yeo、S.D.、論文15.3:「A LC Display for the TV Application」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、758および759頁
【非特許文献2】Yoshide、H.ら、論文3.1:「MVA LCD for Notebook or Mobile PCs(以下省略)」SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book I、6〜9頁
【非特許文献3】Liu、C.T.ら、論文15.1:「A 46−inch TFT−LCD HDTV Technology(以下省略)」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、750〜753頁
【非特許文献4】Kim、Sang Soo、論文15.4:「Super PVA Sets New State−of−the−Art for LCD−TV」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、760〜763頁
【非特許文献5】Shigeta、MitzuhiroおよびFukuoka、Hirofumi、論文15.2:「Development of High Quality LCDTV」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、754〜757頁
【非特許文献6】セミナーM−6:「Recent Advances in LCD Technology」、セミナー講義ノート、M−6/1〜M−6/26
【非特許文献7】Miller、Ian、SIDセミナー 2004、セミナーM−7:「LCD−Television」、セミナー講義ノート、M−7/1〜M−7/32
【非特許文献8】Kim、Hyeon Kyeongら、論文9.1:「A57−in.Wide UXGA TFT−LCD for HDTV Application」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book I、106〜109頁
【非特許文献9】M.F.SchieckelおよびK.Fahrenschon、「Deformation of nematic liquid crystals with vertical orientation in electrical fields」、Appl.Phys.Lett.19巻(1971年)、3912頁
【非特許文献10】J.F.Kahn、Appl.Phys.Lett.20巻(1972年)、1193頁
【非特許文献11】G.LabrunieおよびJ.Robert、J.Appl.Phys.44巻(1973年)、4869頁
【非特許文献12】J.RobertおよびF.Clerc、SID 80 Digest Techn.Papers(1980年)、30頁
【非特許文献13】J.Duchene、Displays 7巻(1986年)、3頁
【非特許文献14】H.Schad、SID 82 Digest Techn.Papers(1982年)、244頁
【非特許文献15】TOGASHI,S.、SEKIGUCHI,K.、TANABE,H.、YAMAMOTO,E.、SORIMACHI,K.、TAJIMA,E.、WATANABE,H.およびSHIMIZU,H.、Proc.Eurodisplay 84、1984年9月:A210〜288頁、Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings、141ff頁、パリ
【非特許文献16】STROMER,M.、Proc.Eurodisplay 84、1984年9月、Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays、145ff頁、パリ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
本発明は、モニターおよびテレビ用途向けのみならず、携帯電話およびナビゲーションシステム向けで、ECBまたはIPS効果に基づき、上で示される不具合を有していないか、より低い程度にのみ有しており、同時に非常に高い比抵抗値を有しているMLCディスプレイを提供する目的を有する。特に、携帯電話およびナビゲーションシステム用には、それらが極めて高温および極めて低温においても動作することが保証されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0034】
ここで驚くべきことに、これらのディスプレイ素子において、少なくとも1種類の式Iの化合物および少なくとも1種類の式IIの化合物を含むネマチック液晶混合物を使用すれば、この目的を達成できることが見出された。
【発明を実施するための形態】
【0035】
よって、本発明は、極性化合物の混合物を基礎とし、少なくとも1種類の式Iの化合物および少なくとも1種類の式IIの化合物を含む液晶媒体に関する。
【0036】
本発明による混合物は、85℃以上の透明点を有する非常に広いネマチック相範囲、容量閾値に対する非常に好ましい値、保持率に対する比較的高い値と同時に、−30℃および−40℃における非常に良好な低温安定性、ならびに、非常に低い回転粘度を示す。更に、本発明による混合物は、透明点および回転粘度の良好な比によって、および、高い負の誘電異方性によって際立っている。
【0037】
本発明は、
a)好ましくは、1種類以上の式Iの化合物から成る第1の誘電的に負の成分(成分A)と、
b)1種類以上の式IIの化合物から成る第2の誘電的に負の成分(成分B)と、
c)任意成分として、1種類以上の式IIIの化合物から成る誘電的に中性の成分(成分C)と、
d)任意成分として、式IVおよびVの化合物群より選択される1種類以上の化合物から成る更なる誘電的に負の成分(成分D)と、
e)任意成分として、1種類以上のキラル化合物から成るキラル成分(成分E)と
を含む誘電的に負のネマチック媒体に関する。
【0038】
【化1】

式中、
11およびR12は、それぞれ互いに独立に、H、15個までのC原子を有し無置換のアルキルまたはアルケニル基(ただし加えて、これらの基における1個以上のCH基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、
【0039】
【化2】

−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよい。)、好ましくは、無置換のアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表し、特に好ましくは、R11およびR12の一方はアルキルまたはアルケニル基を表し、他方はアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表し、特に好ましくは、R11は直鎖状のアルキルまたはアルケニル、特には、CH=CH−、E−CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−、CH−CH=CHC−、CH−、C−、n−C−、n−C−またはn−C11−を表し、R12はアルコキシ、特には、C−O−またはn−C−O−を表し、
【0040】
【化3】

好ましくは、
【0041】
【化4】

および、存在するのであれば、その他は、それぞれ互いに独立に、
【0042】
【化5】

好ましくは、
【0043】
【化6】

特に好ましくは、
【0044】
【化7】

非常に特に好ましくは、
【0045】
【化8】

を表し、
および、特に好ましくは、
【0046】
【化9】

11〜Z13は、それぞれ互いに独立に、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH−O−、−O−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CF−O−、−O−CF−、−CF−CF−または単結合、好ましくは、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−または単結合を表し、特に好ましくは、1個、または存在するのであれば、それより多いZ11〜Z13は単結合を表し、非常に特に好ましくは、Z11〜Z13の全てが単結合を表し、
mおよびnは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、および
(m+n)は、好ましくは、0または1、特に好ましくは、0を表す。
【0047】
【化10】

式中、
21およびR22は、それぞれ互いに独立に、H、15個までのC原子を有し無置換のアルキルまたはアルケニル基(ただし加えて、これらの基における1個以上のCH基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、
【0048】
【化11】

−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよい。)、好ましくは、無置換のアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表し、特に好ましくは、R21およびR22の一方がアルキルまたはアルケニル基を表し、他方がアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表し、好ましくは、互いに独立に、1〜7個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキル、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するn−アルキル、1〜7個のC原子を有するアルコキシ、好ましくは、n−アルコキシ、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するn−アルコキシ、または、2〜7個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシアルキル、アルケニルまたはアルケニルオキシ、好ましくは、アルケニルを表し、ただし、全ての基における1個以上のH原子は、ハロゲン原子、好ましくは、F原子で置き換えられていてもよく、
特に好ましくは、R21およびR22の一方、好ましくは、R21はアルキルまたはアルケニル基を表し、他方はアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表し、特に好ましくは、R21は直鎖状のアルキル、特には、CH−、C−、n−C−、n−C−またはn−C11−、または、アルケニル、特には、CH=CH−、E−CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−、E−CH−CH=CH−CH−CH−またはE−n−C−CH=CH−を表し、
【0049】
【化12】

好ましくは、
【0050】
【化13】

特に好ましくは、
【0051】
【化14】

および、存在するのであれば、その他は、それぞれ互いに独立に、
【0052】
【化15】

(ただし、
21およびL22は、互いに独立に、=C(X)−を表し、また、あるいは、L21およびL22の一方は=N−も表し、ただし、好ましくは、L21およびL22の少なくとも一方は=C(−F)−を表し、他方は=C(−F)−または=C(−Cl)−を表し、特に好ましくは、L21およびL22の両方が=C(−F)−を表し、
は、F、Cl、OCF、CF、CH、CHF、CHF、好ましくは、FまたはCl、特に好ましくは、Fを表す。)
特に好ましくは、
【0053】
【化16】

特に好ましくは、
【0054】
【化17】

および、非常に特に好ましくは、
【0055】
【化18】

を表し、
21〜Z23は、それぞれ互いに独立に、−CH−CH−、−CH−CF−、−CF−CH−、−CF−CF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CH−O−、−O−CH−、−O−、−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CF−O−、−O−CF−または単結合、好ましくは、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−または単結合を表し、特に好ましくは、1個、または存在するのであれば、それより多いZ21〜Z23は単結合を表し、非常に特に好ましくは、全てが単結合を表し、
lおよびoは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、および
(l+o)は、好ましくは、0または1を表す。
【0056】
【化19】

式中、
31およびR32は、それぞれ互いに独立に、R11およびR12に与えられる意味の1つを有し、好ましくは、1〜7個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキル、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するn−アルキル、1〜7個のC原子を有するアルコキシ、好ましくは、n−アルコキシ、特に好ましくは、2〜5個のC原子を有するn−アルコキシ、2〜7個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシアルキル、アルケニルまたはアルケニルオキシ、好ましくは、アルケニルオキシを表し、
【0057】
【化20】

好ましくは、
【0058】
【化21】

を表し、
好ましくは、
【0059】
【化22】

好ましくは、
【0060】
【化23】

31〜Z33は、それぞれ互いに独立に、Z11〜Z13に与えられる意味の1つを有し、好ましくは、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−または単結合、好ましくは、−CH−CH−または単結合、特に好ましくは、単結合を表し、
pおよびqは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、
(p+q)は、好ましくは、0または1、好ましくは、0を表す。
【0061】
【化24】

式中、
41およびR42、R51およびR52は、それぞれ互いに独立に、H、15個までのC原子を有し無置換のアルキルまたはアルケニル基(ただし加えて、これらの基における1個以上のCH基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、
【0062】
【化25】

−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよい。)、好ましくは、無置換のアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表し、特に好ましくは、R21およびR22の一方はアルキルまたはアルケニル基を表し、他方はアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基、好ましくは、互いに独立に、1〜7個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキル、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するn−アルキル、1〜7個のC原子を有するアルコキシ、好ましくは、n−アルコキシ、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するn−アルコキシ、または、2〜7個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシアルキル、アルケニルまたはアルケニルオキシ、好ましくは、アルケニルを表し、ただし、全ての基における1個以上のH原子は、ハロゲン原子、好ましくは、F原子で置き換えられていてもよく、
特に好ましくは、R41およびR42の一方、好ましくは、R41はアルキルまたはアルケニル基を表し、他方はアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表し、特に好ましくは、R21は直鎖状のアルキル、特には、CH−、C−、n−C−、n−C−またはn−C11−、または、アルケニル、特には、CH=CH−、E−CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−、E−CH−CH=CH−CH−CH−またはE−n−C−CH=CH−を表し、
特に好ましくは、R51およびR52の一方、好ましくは、R51はアルキルまたはアルケニル基を表し、他方はアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表し、特に好ましくは、R41は直鎖状のアルキル、特には、CH−、C−、n−C−、n−C−またはn−C11−、または、アルケニル、特には、CH=CH−、E−CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−、E−CH−CH=CH−CH−CH−またはE−n−C−CH=CH−を表し、
【0063】
【化26】

41およびL42は、互いに独立に、=C(X)−を表し、また、あるいは、L41およびL42の一方は=N−も表し、ただし、好ましくは、L41およびL42の少なくとも一方は=C(−F)−を表し、他方は=C(−F)−または=C(−Cl)−を表し、特に好ましくは、L41およびL42の両方が=C(−F)−を表し、
は、F、Cl、OCF、CF、CH、CHF、CHF、好ましくは、FまたはCl、特に好ましくは、Fを表し、
および、存在するのであれば、その他の環は、それぞれ互いに独立に、
【0064】
【化27】

好ましくは、
【0065】
【化28】

特に好ましくは、
【0066】
【化29】

を表し、
【0067】
【化30】

特に好ましくは、
【0068】
【化31】

を表し、
【0069】
【化32】

好ましくは、
【0070】
【化33】

特に好ましくは、
【0071】
【化34】

を表し、
好ましくは、
【0072】
【化35】

を表し、
特に好ましくは、
【0073】
【化36】

および、存在するのであれば、その他は、それぞれ互いに独立に、
【0074】
【化37】

好ましくは、
【0075】
【化38】

好ましくは、
【0076】
【化39】

を表し、
また、
【0077】
【化40】

は、共に単結合を表してもよく、
ただし、
【0078】
【化41】

を表す場合、好ましくは、
52はHを表し、
41〜Z43およびZ51〜Z53は、それぞれ互いに独立に、Z11〜Z13に与えられる意味の1つを有し、好ましくは、−CH−CH−、−CH−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−または単結合、好ましくは、−CH−CH−、−CH−O−または単結合、特に好ましくは、−CH−O−または単結合を表し、
41〜Z43は、好ましくは、それぞれ互いに独立に、−CH−CH−、−CH−CF−、−CF−CH−、−CF−CF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CH−O−、−O−CH−、−O−、−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CF−O−、−O−CF−または単結合、好ましくは、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−または単結合を表し、特に好ましくは、1個、または存在するのであれば、それより多いZ41〜Z43は単結合を表し、非常に特に好ましくは、全てが単結合を表し、
51〜Z53は、好ましくは、それぞれ互いに独立に、−CH−CH−、−CH−CF−、−CF−CH−、−CF−CF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CH−O−、−O−CH−、−O−、−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CF−O−、−O−CF−または単結合、好ましくは、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−または単結合を表し、特に好ましくは、1個、または存在するのであれば、それより多いZ51〜Z53は単結合を表し、非常に特に好ましくは、全てが単結合を表し、
rおよびsは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、
(r+s)は、好ましくは、0または1を表し、
tおよびuは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、
(t+u)は、好ましくは、0または1、好ましくは、0を表し、
ただし、式IIの化合物は式IVの化合物より除外される。
【0079】
本発明による媒体は、好ましくは、誘電的に負である。
【0080】
本発明による媒体は、好ましくは、1種類、2種類、3種類または4種類以上、好ましくは、1種類、2種類または3種類以上の式Iの化合物を含む。
【0081】
式Iの化合物として、
a)R11および/またはR12が、H、好ましくは、6個までのC原子を有するアルキル、アルケニルまたはアルコキシを表し、R12が、非常に特に好ましくは、アルコキシまたはアルケニルオキシを表す化合物、
b)R11およびR12が、両方がアルキルを表し、ただし、アルキル基が同一でも異なっていてもよい化合物、
c)R11が、直鎖状のアルキル、ビニル、1E−アルケニルまたは3−アルケニルを表す化合物
が特に好ましい。
【0082】
11および/またはR12がアルケニルを表す場合、これは、好ましくは、CH=CH−、CH−CH=CH−、CH=CH−C−またはCH−CH=CH−C−である。
【0083】
式Iの化合物は、好ましくは、式I−1〜I−4の化合物群より、好ましくは、式I−1およびI−3、特に好ましくは、式I−1の群より選択される。
【0084】
【化42】

式中、パラメータは、式Iにおいて上に与えられるそれぞれの意味を有し、および好ましくは、
【0085】
【化43】

特に好ましくは、互いに独立に
【0086】
【化44】

を表す。
【0087】
式Iの化合物は、好ましくは、式I−1a〜I−4aの化合物群より、好ましくは、式I−1aおよびI−3a、特に好ましくは、式I−1aの群より選択される。
【0088】
【化45】

式中、パラメータは上で与えられる意味を有し、および好ましくは、
式I−1aおよびI−2aにおいて、
11は、−CH−CH−、−CH−O−または単結合、好ましくは、−CH−O−または単結合、特に好ましくは、−CH−O−を表し、
式I−3aおよびI−4aにおいて、
11は、−CH−CH−または単結合、好ましくは、単結合を表し、および
12は、−CH−CH−、−CH−O−または単結合、好ましくは、−CH−O−または単結合、特に好ましくは、−CH−O−を表す。
【0089】
以下の化合物、即ち、式I−1a−1、I−1a−2、I−3a−1およびI−3a−2の化合物が非常に特に好ましい。
【0090】
【化46】

式中、パラメータは上で与えられる意味を有し、R11は、好ましくは、1〜7個、好ましくは1〜5個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキルを表し、R12は、好ましくは、1〜5個、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表す。
【0091】
式IIの化合物は、好ましくは、式II−1〜II−5、好ましくは式II−2の化合物群より選択される。
【0092】
【化47】

式中、
21およびR22は、上で与えられる意味を有し、および
21は、好ましくは、1〜7個、好ましくは1〜5個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキルを表し、
22は、好ましくは、1〜5個、特に好ましくは2〜4個のC原子を有するアルキルを表し、
22〜X26は、互いに独立に、HまたはFを表し、および
27およびX28の一方はHを表し、他方はHまたはFを表し、
好ましくは、存在する全てのX22〜X28がHを表すか、または、X22〜X28の1個または2個がFを表し、その他はHを表す。
【0093】
特に好ましい実施形態において、媒体は、式II−1a〜II−1d、好ましくは式II−1bおよび/またはII−1d、特に好ましくは式II−1bの化合物群より選択される式II−1の1種類以上の化合物を含む。
【0094】
【化48】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有し、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子を有し、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有し、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0095】
これらのビフェニル化合物の混合物全体における濃度は、好ましくは3%以上、特には5%以上、非常に特に好ましくは5〜25%である。
【0096】
更に好ましい実施形態において、媒体は、式II−2a〜II−2d、好ましくは式II−2aおよび/またはII−2c、特に好ましくは式II−2aの化合物群、および/または、式II−2e〜II−2iの化合物群より選択される式II−2の1種類以上の化合物を含む。
【0097】
【化49】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、および
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0098】
【化50】

式中、
Rは、R41について上で与えられる意味を有し、
mは、1〜6の整数を表す。
【0099】
Rは、好ましくは、それぞれ1〜6個のC原子を有し、直鎖状のアルキルまたはアルコキシ、または、2〜6個のC原子を有するアルコキシアルキル、アルケニルまたはアルケニルオキシ、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するアルキル、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、または更に、1〜5個のC原子を有するアルコキシ、好ましくは、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシを表す。
【0100】
更に好ましい実施形態において、媒体は、式II−3a〜II−3d、好ましくは式II−3aおよび/またはII−3c、特に好ましくは式II−3aの化合物群、および/または、式II−3e〜II−3mの化合物群より選択される式II−3の1種類以上の化合物を含む。
【0101】
【化51】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、および
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0102】
【化52】

式中、
Rは、R41について上で与えられる意味を有し、
mは、1〜6の整数を表す。
【0103】
Rは、好ましくは、それぞれ1〜6個のC原子を有し、直鎖状のアルキルまたはアルコキシ、または、2〜6個のC原子を有するアルキルアルコキシ、アルケニルまたはアルケニルオキシ、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するアルキル、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、または更に、1〜5個のC原子を有するアルコキシ、好ましくは、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシを表す。
【0104】
更なる好ましい実施形態において、媒体は式IIIの1種類以上の化合物を含み、式中、
【0105】
【化53】

ただし、2個の隣接する環は、非常に特に好ましくは、直接連結しており、
より正確に好ましくは、
【0106】
【化54】

を表し、
ただし、フェニレン環中の1個以上のH原子は、互いに独立に、FまたはCN、好ましくはFで置き換えられていてもよく、シクロヘキシレン環または2個のシクロヘキシレン環の一方の1個または2個の隣接していないCH基は、O原子で置き換えられていてもよい。
【0107】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−1〜III−11の化合物群よりで、好ましくは式III−1〜III−9の化合物群より、好ましくは群III−1〜III−6より、特に好ましくは群III−1およびIII−4より選択される式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0108】
【化55】

式中、パラメータは式IIIに上で示されるそれぞれの意味を有し、および
はHまたはFを表し、および好ましくは、
31は、アルキルまたはアルケニルを表し、および
32は、アルキル、アルケニルまたはアルコキシ、好ましくは、アルキルまたはアルケニル、特に好ましくは、アルケニルを表す。
【0109】
媒体は、特に好ましくは、
−式III−1c、特に好ましくは、
−R31がビニルまたは1−プロペニルを表し、R32がアルキル、好ましくは、n−アルキルを表し、特に好ましくは、R31がビニルを表し、R32がプロピルを表す式III−1、
−式III−1d、特に好ましくは、
−R31およびR32が、互いに独立に、ビニルまたは1−プロペニルを表し、好ましくは、R31がビニルを表し、特に好ましくは、R31およびR32がビニルを表す式III−1
の群より選択される式III−1の1種類以上の化合物(1種類または複数種類)を含む。
【0110】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−1a〜III−1e、好ましくは、式III−1aおよび/または式III−1cおよび/またはIII−1d、特に好ましくは、式III−1cおよび/またはIII−1d、非常に特に好ましくは、式III−1cおよび式III−1dの化合物群より選択される式III−1の1種類以上の化合物を含む。
【0111】
【化56】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenyl及びalkenyl’は、互いに独立に、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0112】
本発明による媒体は、特に好ましくは20%以上、特には25%以上、非常に特に好ましくは30%以上の量で、式III−1の化合物、特には式III−1c’の化合物を含む。
【0113】
【化57】

式中、
nは、3、4、5であり、および、RはHまたはCHを表す。
【0114】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−1aおよびIII−1b、好ましくは式III−1aおよび/またはIII−1b、特に好ましくは式III−1aの化合物群より選択される式III−1の1種類以上の化合物を含む。この実施形態において、媒体は、好ましくは、1個のアルケニル末端基または複数のアルケニル末端基を含有する式III、好ましくは式III−1の化合物を含まず、即ち、好ましくは、式III−1c〜III−1eの化合物を含まない。この実施形態において、媒体は、特に好ましくは、式CC−2−3、CC−2−5、CC−3−4およびCC−3−5の化合物群より選択される1種類以上の化合物を含み、ただし、頭字語(略称)は表A〜Cにおいて説明されており、表Dで例によって図示されている。
【0115】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−2a〜III−2d、好ましくは、式III−2aおよび/またはIII−2b、特に好ましくは、式III−2bの化合物群より選択される式III−2の1種類以上の化合物を含む。
【0116】
【化58】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0117】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−3a〜III−3cの化合物群より選択される式III−3の1種類以上の化合物を含む。
【0118】
【化59】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0119】
これらのビフェニル類の混合物全体中での割合は、好ましくは3%以上、特には5%以上である。
【0120】
式III−3aおよびIII−3bの好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0121】
【化60】

式中、パラメータは、上で示される意味を有する。
【0122】
式III−3bの特に好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0123】
【化61】

これらの中でも、特に、最後の式のものが好ましい。
【0124】
好ましい実施形態において、媒体は、式III−4の1種類以上の化合物、特に好ましくは、R31がビニルおよび1−プロペニルを表し、R32がアルキル、好ましくはn−アルキルを表し、特に好ましくは、R31がビニルを表し、R32がメチルを表す1種類以上の化合物(1種類または複数種類)を含む。
【0125】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−4a〜III−4d、好ましくは、式III−4aおよび/またはIII−4b、特に好ましくは、式III−4bの化合物群より選択される式III−4の1種類以上の化合物を含む。
【0126】
【化62】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0127】
好ましい実施形態において、媒体は、式III−5の1種類以上の化合物、特に好ましくは、R31がアルキル、ビニルまたは1−プロペニルを表し、R32がアルキル、好ましくはn−アルキルを表す1種類以上の化合物(1種類または複数種類)を含む。
【0128】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−5a〜III−5d、好ましくは式III−5aおよび/またはIII−5b、特に好ましくは式III−5aの、
および/または、式III−5e〜III−5h、好ましくは式III−5eおよび/またはIII−5f、特に好ましくは式III−5eの化合物群より選択される、式III−5の1種類以上の化合物を含む。
【0129】
【化63】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0130】
【化64】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0131】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−6a〜III−6c、好ましくは、式III−6aおよび/またはIII−6b、特に好ましくは、式III−6aの化合物群より選択される式III−6の1種類以上の化合物を含む。
【0132】
【化65】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0133】
特に好ましくは、本発明による媒体は、好ましくは、化合物PGP−2−3、PGP−3−3およびPGP−3−4の群より選択される式III−6a、および、好ましくは、式PGP−1−2V、PGP−2−2VおよびPGP−3−2Vの群より選択される式III−6bの化合物より選択される1種類以上の化合物を含み、ただし、頭字語(略称)は表A〜Cにおいて説明されており、表Dで例によって図示されている。
【0134】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−10aおよびIII−10bの化合物群より選択される式III−10の1種類以上の化合物を含む。
【0135】
【化66】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表す。
【0136】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−11aの化合物群より選択される式III−11の1種類以上の化合物を含む。
【0137】
【化67】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表す。
【0138】
好ましい実施形態において、媒体は、式IVA〜IVD、好ましくは、IVA〜IVC、非常に特に好ましくは、IVAおよびIVBの化合物群より選択される、式IVの1種類以上の化合物を含む。
【0139】
【化68】

式中、パラメータは上で示される意味を有するが、式IVA中において、
【0140】
【化69】

好ましくは、
【0141】
【化70】

特に好ましくは、
【0142】
【化71】

41は、アルキルを表し、
42はアルキルまたはアルコキシ、特に好ましくは、(O)C2v+1を表し、
41およびX42は、両者がFを表し、
21およびZ22は、互いに独立に、単結合、−CH−CH−、−CH=CH−、−CHO−、−OCH−、−O−、−CH−、−CFO−または−OCF−、好ましくは、単結合または−CHCH−、特に好ましくは、単結合を表し、
pは、1または2を表し、および
vは、1〜6を表す。
【0143】
好ましい実施形態において、媒体は、式IV−1〜IV−9の化合物群より選択される、式IVの1種類以上の化合物を含む。
【0144】
【化72】

式中、
41〜Y46は、互いに独立に、HまたはFを表し、および
41およびX42の両方がHを表すか、または、X41およびX42の一方がHを表し、他方がFを表すが、
好ましくは最大で4つ、特に好ましくは最大で3つ、非常に特に好ましくは1つまたは2つのY41〜Y46、X41およびX42がFを表し、
および
他のパラメータは式IVに上で示されるそれぞれの意味を有し、および好ましくは、
41は、アルキルまたはアルケニルを表し、および
42は、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ、好ましくは、(O)CH2v+1を表し、および
vは、1〜6の整数を表す。
【0145】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式IV−1a〜IV−1d、好ましくは式IV−1bおよび/またはIV−1d、特に好ましくはIV−1bの化合物群より選択される、式IV−1の1種類以上の化合物を含む。
【0146】
【化73】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0147】
式IV−1cおよびIV−1dの好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0148】
【化74】

式中、vは上で示される意味を有する。
【0149】
式IV−1の更に好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0150】
【化75】

式中、R41は式IVに上で示されるそれぞれの意味を有する。
【0151】
好ましい実施形態において、媒体は、式IV−3a〜IV−3d、好ましくは式IV−3aおよび/またはIV−3b、特に好ましくはIV−3bの化合物群より選択される、式IV−3の1種類以上の化合物を含む。
【0152】
【化76】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、および
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0153】
式IV−3cおよびIV−3dの好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0154】
【化77】

式中、vは上で示される意味を有する。
【0155】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、以下のサブ式IV−3eの式IV−3の1種類以上の化合物を含む。
【0156】
【化78】

式中、
41は、上で示される意味を有し、
mおよびzは、それぞれ独立に、1〜6の整数を表し、および
m+zは、好ましくは、1〜6の整数を表す。
【0157】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式IV−4a〜IV−4d、好ましくは式IV−4bおよび/またはIV−4dの化合物群より選択される、式IV−4の1種類以上の化合物を含む。
【0158】
【化79】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、および
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0159】
式IV−4cおよびIV−4dの好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0160】
【化80】

式中、vは上で示される意味を有する。
【0161】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式IV−8aおよびIV−8b、特に好ましくは式IV−8bの化合物群より選択される式IV−8の1種類以上の化合物を含む。
【0162】
【化81】

式中、パラメータは上で示される意味を有する。
【0163】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式IV−9a〜IV−9dの化合物群より選択される式IV−9の1種類以上の化合物を含む。
【0164】
【化82】

式中、パラメータは上で示される意味を有し、好ましくは、
42は、C2v+1を表し、
vは、1〜6の整数を表す。
【0165】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式IV−10a〜IV−10eの化合物群より選択される式IV−10の1種類以上の化合物を含む。
【0166】
【化83】

式中、パラメータは上で示される意味を有し、好ましくは、
42は、C2v+1を表し、
vは、1〜6の整数を表す。
【0167】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式IV−11aおよびIV−11b、特に好ましくはIV−11bの化合物群より選択される式IV−11の1種類以上の化合物を含む。
【0168】
【化84】

式中、パラメータは上で示される意味を有する。
【0169】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式IV−9a〜IV−9d、好ましくは式IV−9aおよび/またはIV−9b、特に好ましくはIV−9bの化合物群より選択される式IV−9の1種類以上の化合物を含む。
【0170】
【化85】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0171】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、好ましくは、式V−1〜V−8、好ましくは、式V−7および/またはV−8の化合物群より選択される式Vの1種類以上の化合物を(追加的に)含む。
【0172】
【化86】

式中、パラメータは式Vに上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
51は、アルキルまたはアルケニルを表し、および
52は、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシを表す。
【0173】
この実施形態において、好ましくは、媒体が式V−7および/またはV−8の1種類以上の化合物を含む場合、媒体は、式I、II、IIIおよびVの化合物から本質的に成ってよい。
【0174】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、フッ素化されたフェナントレン単位を含有する1種類以上の化合物、好ましくは、式V−9およびV−10の化合物群より好ましくは選択される式Vの化合物を(追加的に)含む。
【0175】
【化87】

式中、パラメータは式Vに上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
51は、アルキルまたはアルケニルを表し、および
52は、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシを表す。
【0176】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、フッ素化されたジベンゾフラン単位を含有する1種類以上の化合物、好ましくは式V−11である好ましくは式Vの化合物を(追加的に)含む。
【0177】
【化88】

式中、パラメータは式Vに上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
51は、アルキルまたはアルケニルを表し、および
52は、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシを表す。
【0178】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、好ましくは、式V−12aおよびV−12bの化合物群より選択されるフッ素化されたインダン単位を含有する1種類以上の化合物を(追加的に)含む。
【0179】
【化89】

式中、パラメータは式Vに上で示されるそれぞれの意味を有し、および好ましくは、
51は、アルキルまたはアルケニルを表し、および
52は、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシを表し、
51は、単結合を表し、および
rは、0を表す。
【0180】
式V−12b’の化合物が、非常に特に好ましい。
【0181】
【化90】

式中、R51は上で与えられる意味を有し、好ましくは、1〜7個、好ましくは1〜5個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキルを表す。
【0182】
本発明による液晶媒体の成分Eにおいて使用できる1種類のキラル化合物または複数種類のキラル化合物は、既知のキラルドーパントより選択される。成分Eは、以下の式VI〜VIIIの化合物群より選択される1種類以上の化合物より、好ましくは大部分が、特に好ましくは本質的に、非常に特に好ましくは実質的に完全に成る。
【0183】
【化91】

式中、
61およびR62、R71〜R73およびRは、それぞれ互いに独立に、式IIでR21に上で与えられる意味を有するか、あるいは、H、CN、F、Cl、CF、OCF、CFHまたはOCFHを表し、R61およびR62の少なくとも一方はキラル基を表し、
61およびZ62、Z71〜Z73およびZは、それぞれ互いに独立に、−CHCH−、−CH=CH−、−COO−、−O−CO−または単結合を表し、好ましくは、Z61、Z62、Z71、Z74およびZ75は単結合を表し、Z63、Z72およびZ73は−COO−または単結合を表し、Z72は、好ましくは、−COO−を表し、Z73およびZは−O−CO−を表し、
【0184】
【化92】

を表し、
uおよびv、および、x、yおよびzは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、好ましくは、
uおよびvは、両者が0を表し、および
xおよびvは、両者が1を表す。
【0185】
本発明の特に好ましい実施形態は、以下の条件の1つ以上を満足する。
【0186】
i.液晶媒体は、0.095以上の複屈折率を有する。
【0187】
ii.液晶媒体は、サブ式I−1〜I−4の群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0188】
iii.式Iの個々の同族化合物の濃度は、1〜20%、好ましくは2〜15%、特に好ましくは3〜10%の範囲内である。
【0189】
iv.混合物全体における式IIの化合物の割合は、10%以上、好ましくは50%以下、特に好ましくは15%以上である。
【0190】
v.液晶媒体は、式II−1、好ましくはII−1bおよび/またはII−1d、特に好ましくはII−1bの1種類以上の化合物を、好ましくは60%以下の総濃度において、および、同族な個々の化合物当たり2%以上、特には5%以上、非常に特に好ましくは5%以上〜15%以下の濃度において含む。
【0191】
vi.液晶媒体は、式II−2および/またはII−3、好ましくは式II−2aおよび/またはII−3aの1種類以上の化合物を、好ましくは50%以下の総濃度において、および、好ましくは、式II−3の同族な個々の化合物当たり2%以上〜10%以下の濃度において、および、式II−3の同族な個々の化合物当たり2%以上〜15%以下の濃度において含む。
【0192】
vii.混合物全体における式IIIの化合物の割合は、10%以上、好ましくは70%以下、特に好ましくは15%以上である。
【0193】
viii.液晶媒体は、下に述べるサブ式より選択される式III−1cおよびIII−1dの1種類以上の特に好ましい化合物を含む。
【0194】
【化93】

式中、alkylは上で与えられる意味を有し、好ましくは、それぞれの場合で互いに独立に、1〜6個、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキル、特に好ましくは、n−アルキルを表す。
【0195】
ix.液晶媒体は、以下の式の群より選択される式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0196】
【化94】

式中、R31およびR32は上で示される意味を有し、R31およびR32は、好ましくは、それぞれ互いに独立に、それぞれ1個または2個〜7個のC原子を有する直鎖状のアルキル、アルコキシまたはアルケニル基、特に好ましくは、直鎖状のアルキル、更に、アルケニルを表す。
【0197】
これらの化合物の混合物における割合は、好ましくは、5〜40%である。
【0198】
x.液晶媒体は、以下の式の化合物群より選択される式IIIの1種類以上の化合物を、好ましくは、10%以上〜70%以下までの総濃度で含む:CC−n−Vおよび/またはCC−n−Vm(例えば:好ましくは、CC−5−V、好ましくは25%以下までの濃度で、CC−3−V、好ましくは60%以下までの濃度で、および/またはCC−3−V1、好ましくは25%以下までの濃度で、および/またはCC−4−V、好ましくは40%以下までの濃度で)、CC−n−mおよび/またはCC−n−Om(例えば:好ましくは、CC−3−2および/またはCC−3−3および/またはCC−3−4および/またはCC−3−O2および/またはCCP−5−O2)、CP−n−mおよび/またはCP−n−Om(例えば:好ましくは、CP−3−2および/またはCP−5−2および/またはCP−3−O1および/またはCP−3−O2)、PP−n−Vm(例えば:好ましくは、PP−n−2V)、PP−n−lVm(例えば:好ましくは、PP−n−2V1)、CCP−n−m(例えば:好ましくは、CCP−n−1)、CPP−n−m、CGP−n−mおよびCCOC−n−m、ただし、頭字語(略称)の意味は表A〜Cにおいて説明されており、表Dで例によって図示されている。
【0199】
xi.液晶媒体は、
2%〜80%の、式Iの1種類以上の化合物と、
2%〜80%の、式IIの1種類以上の化合物と、
2%〜80%の、式IIIの1種類以上の化合物と、および/または
2%〜80%の、式IVおよび/またはVの化合物群より選択される1種類以上の化合物と
から本質的に成る。
【0200】
xii.液晶媒体は、4個の6員または10員環または環構造を有する式Iの1種類以上の化合物を、個々の化合物当たり1%〜15%、特には2%〜12%、非常に特に好ましくは3%〜8%の量で含む。
【0201】
xiii.液晶媒体は、式IVの1種類以上の化合物を、同族な個々の化合物当たり、好ましくは2%以上、特には5%以上、非常に特に好ましくは5%以上〜25%以下の量で、特には2%以上〜12%以下の範囲内で含む。
【0202】
xiv.液晶媒体は、式IV−1〜IV−2、好ましくは、IV−1および/またはIV−2、好ましくは、式IV−1bおよび/またはIV−1d、特に好ましくは、IV−1bの1種類以上の化合物を、好ましくは、60%以下の総濃度において、および、同族な個々の化合物当たり、2%以上、特には5%以上、非常に特に好ましくは5%以上〜20%以下の濃度において含む。
【0203】
xv.液晶媒体は、式IV−3および/またはIV−4、好ましくは、式IV−3bおよび/またはIV−3dおよび/またはIV−4bおよび/またはIV−4d、特に好ましくは、IV−4bおよび/またはIV−4bの1種類以上の化合物を、好ましくは、60%以下の総濃度において、および、同族な個々の化合物当たり、2%以上、特には5%以上、非常に特に好ましくは5%以上〜20%以下の濃度において含む。
【0204】
xvi.液晶媒体は、式IVの1種類以上の化合物を、個々の化合物当たり、好ましくは2%以上、特には5%以上、非常に特に好ましくは5%〜25%の量で、特には2%〜12%の範囲内で含む。
【0205】
xvii.液晶媒体は、式Vの1種類以上の化合物を、個々の化合物当たり、好ましくは3%以上、特には5%以上、非常に特に好ましくは5%〜25%の量で、特には2%〜20%の範囲内で含む。
【0206】
xviii.液晶媒体は、式V−12aおよびV−12bの化合物より選択される1種類以上の化合物を、好ましくは、10%以上の総濃度で含む。式V−12aおよび/またはV−12bの個々の同族な化合物の濃度は、好ましくは2%〜15%、好ましくは3%〜12%、特に好ましくは4%〜10%である。
【0207】
本発明は、更に、本発明による液晶媒体を誘電体として含有することを特徴とし、ECB効果に基づいてアドレスするアクティブマトリックスを備える電気光学的ディスプレイに関する。
【0208】
液晶混合物は、好ましくは、少なくとも60度の幅のネマチック相範囲と、20℃において最大でも30mm・s−1の流動粘度ν20を有する。
【0209】
本発明による液晶混合物は、約−0.5〜−8.0、特には、約−2.5〜−6.0のΔεを有し、ただし、Δεは誘電異方性を表す。回転粘度γは、好ましくは、200mPa・s以下、特には、170mPa・s以下である。
【0210】
液晶混合物における複屈折率Δnは、一般に、0.06および0.16の間であり、好ましくは、0.08および0.12の間である。
【0211】
本発明による混合物は、例えば、VAN、MVA、(S)−PVAおよびASVなどの全てのVA−TFT用途に適する。それらは、更に、負のΔεのIPS(面内スイッチング;In−Plane Switching)、FFS(フリンジ場スイッチング;Fringe Field Switching)およびPALCの用途に適する。
【0212】
本発明によるディスプレイにおけるネマチック液晶混合物は、一般に、2種類の成分AおよびBを含んでおり、これらの成分自身は、1種類以上の個々の化合物から成る。
【0213】
成分Aには、好ましくは、−0.8以下のΔε値を有する1種類(または、それより多い)個々の化合物(1種類または多種類)を選択する。混合物全体におけるAの割合が小さくなるほど、この値はより負でなければならない。
【0214】
成分Bには、好ましくは、−0.8以下のΔε値を有する1種類(または、それより多い)個々の化合物(1種類または多種類)を選択する。混合物全体におけるBの割合が小さくなるほど、この値はより負でなければならない。
【0215】
成分Cは、顕著なネマトゲン性と、20℃において30mm・s−1以下、好ましくは25mm・s−1以下の流動粘度とを有する。
【0216】
成分Cにおける特に好ましい個々の化合物は、20℃において18mm・s−1以下、好ましくは12mm・s−1以下の流動粘度を有し、著しく低粘度のネマチック液晶である。
【0217】
成分Cはモノトロピックまたはエナンチオトロピックなネマチックであり、液晶混合物において非常に低温まで下げた際にスメクチック相の発生を妨げることができる。例えば、それぞれの場合において、スメクチック液晶混合物に高いネマトゲン性の種々の材料を添加する場合、これらの材料のネマトゲン性を、達成されるスメクチック相を抑制する程度によって比較できる。
【0218】
多数の適切な材料が文献より当業者に既知である。式IIIの化合物が特に好ましい。
【0219】
加えて、また、これらの液晶相は、18種類より多い成分、好ましくは、18〜25種類の成分を含んでもよい。
【0220】
相は、好ましくは、4〜15種類、特には5〜12種類、特に好ましくは10種類以下の式IおよびIIおよび/またはIIIおよび/またはIVおよび/またはVの化合物を含む。
【0221】
式I〜Vの群より選択される化合物に加え、また、他の構成成分も、例えば、混合物全体の45%までだが、好ましくは35%まで、特には10%までの量で存在しても構わない。
【0222】
他の構成成分は、好ましくは、ネマチックまたはネマトゲン性の物質、特には、アゾキシベンゼン類、ベンジリデンアニリン類、ビフェニル類、ターフェニル類、フェニルまたはシクロヘキシル安息香酸エステル類、フェニルまたはシクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸エステル類、フェニルシクロヘキサン類、シクロヘキシルビフェニル類、シクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルナフタレン類、1,4−ビスシクロヘキシルビフェニル類またはシクロヘキシルピリミジン類、フェニルまたはシクロヘキシルジオキサン類、ハロゲン化されていてもよいスチルベン類、ベンジルフェニルエーテル類、トラン類および置換された桂皮酸エステル類に分類される既知の物質より選択される。
【0223】
このタイプの液晶相の構成成分として適する最も重要な化合物は、式IXで特徴付けることができる。
【0224】
【化95】

式中、LおよびEは、それぞれ、1,4−二置換ベンゼンおよびシクロヘキサン環、4,4’−二置換ビフェニル、フェニルシクロヘキサンおよびシクロへキシルシクロヘキサン構造、2,5−二置換ピリミジンおよび1,3−ジオキサン環、2,6−二置換ナフタレン、ジ−およびテトラヒドロナフタレン、キナゾリンおよびテトラヒドロキナゾリンによって形成される群からの炭素環構造またはヘテロ環構造を表し、
Gは、−CH=CH−、−N(O)=N−、−CH=CQ−、−CH=N(O)−、−C≡C−、−CH−CH−、−CO−O−、−CH−O−、−CO−S−、−CH−S−、−CH=N−、−COO−Phe−COO−、−CFO−、−CF=CF−、−OCF−、−OCH−、−(CH−、−(CHO−またはC−C単結合を表し、Qはハロゲン、好ましくは塩素、または−CNを表し、R91およびR92は、それぞれ、18個まで、好ましくは8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシを表し、あるいは、これらの基の1つは、CN、NC、NO、NCS、CF、OCF、F、ClまたはBrを表す。
【0225】
これらの化合物の殆どにおいて、R91およびR92は互いに異なっており、これらの基の1つは、通常、アルキルまたはアルコキシ基である。また、提案された置換基の他に違うものも一般的である。このような物質またはそれらの混合物の多くも、商業的に入手できる。全てのこれらの物質は、文献から知られる方法により調製できる。
【0226】
混合物全体における式IXの化合物の濃度は、好ましくは1%〜25%、特に好ましくは1%〜15%、非常に特に好ましくは2%〜9%である。
【0227】
また、本発明による媒体は、誘電的に正の成分も含む場合があり、それの総濃度は、好ましくは、媒体全体を基礎として10%以下である。
【0228】
好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、全体として、混合物全体を基礎として、5%以上〜60%以下、好ましくは10%以上〜50%以下、好ましくは15%以上〜40%以下、特に好ましくは20%以上〜35%以下、非常に特に好ましくは25%以上〜30%以下の成分Aと、および
1%以上〜45%以下、好ましくは2%以上〜40%以下、好ましくは3%以上〜35%以下、特に好ましくは5%以上〜30%以下、非常に特に好ましくは10%以上〜20%以下の成分Bと、および
5%以上〜80%以下、好ましくは25%以上〜75%以下、特に好ましくは35%以上〜70%以下、非常に特に好ましくは40%以上〜65%以下の成分Cとを含む。
【0229】
それぞれの異なる成分の濃度のそれぞれの異なる好ましい範囲は、所望により互いに組み合わせることができるが、それぞれの場合において、全ての化合物および全ての成分の総濃度は100%を超えない。
【0230】
好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、成分AおよびCと、好ましくは、成分B、DおよびEの群より選択される1種類以上の成分とを含み、それらは、前記成分より、好ましくは大部分が、特に好ましくは本質的に、非常に特に好ましくは実質的に完全に成る。
【0231】
本発明による液晶媒体は、それぞれの場合において、好ましくは、少なくとも−20℃以下〜70℃以上、特に好ましくは、−30℃以下〜80℃以上、非常に特に好ましくは、−40℃以下〜85℃以上、最も好ましくは、−40℃以下〜90℃以上までのネマチック相を有する。
【0232】
表現「ネマチック相を有する」は、本明細書において、一方でスメクチック相および結晶化が対応する温度における低温で観察されないことを意味し、他方でネマチック相から加熱しても透明化が起きないことを意味する。低温における検査は対応する温度で流動粘度計において行なわれ、電気光学的用途に対応するセル厚みを有する試験用セルにおいて少なくとも100時間保存して確認される。対応する試験用セル中における−20℃での保存安定性が1000時間以上の場合、媒体はこの温度において安定であると見なされる。−30℃および−40℃の温度において、対応する時間は、それぞれ500時間および250時間である。高温においては、従来法により毛細管内において透明点が測定される。
【0233】
好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、中程度から低い範囲の光学的異方性の値によって特徴付けられる。複屈折率の値は、好ましくは0.065以上〜0.130以下の範囲内、特に好ましくは0.080以上〜0.120以下の範囲内、非常に特に好ましくは0.085以上〜0.110以下の範囲内である。
【0234】
この実施形態において、本発明による液晶媒体は負の誘電異方性を有し、好ましくは、2.7以上〜5.3以下、好ましくは4.5以下まで、好ましくは2.9以上〜4.5以下、特に好ましくは3.0以上〜4.0以下、非常に特に好ましくは3.5以上〜3.9以下の範囲内の比較的高い絶対値の誘電異方性(|Δε|)を有する。
【0235】
本発明による液晶媒体は、1.7V以上〜2.5V以下、好ましくは1.8V以上〜2.4V以下、特に好ましくは1.9V以上〜2.3V以下、非常に特に好ましくは1.95V以上〜2.1V以下の範囲内の比較的低い値の閾電圧(V)を有する。
【0236】
更なる好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、好ましくは、5.0以上〜7.0以下、好ましくは5.5以上〜6.5以下、更により好ましくは5.7以上〜6.4以下、特に好ましくは5.8以上〜6.2以下、非常に特に好ましくは5.9以上〜6.1以下の範囲内の好ましくは比較的低い値の平均誘電異方性(εav≡(ε+2ε)/3)を有する。
【0237】
LCDテレビディスプレイにおける使用に特に適する好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、好ましくは1.7以上〜4.9以下、好ましくは4.3以下まで、好ましくは2.3以上〜4.0以下、特に好ましくは2.8以上〜3.8以下の範囲内の誘電異方性の絶対値(|Δε|)を有する。
【0238】
この実施形態において、本発明による液晶媒体は、1.9V以上〜2.5V以下、好ましくは2.1V以上〜2.3V以下の範囲内の閾電圧(V)の値を有する。
【0239】
加えて、本発明による液晶媒体は、液晶セルにおいて、高い値の電圧保持率を有する。新しく充填されたセル中20℃でセル中において、これらは95%以上、好ましくは97%以上、特に好ましくは98%以上、非常に特に好ましくは99%以上であり、100℃でオーブン中5分後のセル中において、これらは90%以上、好ましくは93%以上、特に好ましくは96%以上、非常に特に好ましくは98%以上である。
【0240】
一般に、本明細書において、低いアドレス電圧または閾電圧を有する液晶媒体は、より高いアドレス電圧または閾電圧を有するものより低い電圧保持率を有し、逆もそうである。
【0241】
また、好ましくは、個々の物理的特性に対するこれらの好ましい値も、それぞれの場合において互いに組合せて、本発明による媒体により維持される。
【0242】
本出願において、他に明示されない限り、「化合物(1種類または複数種類)」とも記載される用語「化合物」は、1種類および複数種類の化合物の両方を意味する。
【0243】
他に明示されない限り、それぞれの場合で1%以上〜30%以下、好ましくは2%以上〜30%以下、特に好ましくは3%以上〜16%以下の濃度で混合物中において個々の化合物が一般に用いられる。
【0244】
本発明において、個々の場合で他に示されない限り、組成物の構成成分の特定に関連して以下の定義を適用する:
−「含む」:組成物中の問題となっている構成成分の濃度が、好ましくは5%以上、特に好ましくは10%以上、非常に特に好ましくは20%以上、
−「大部分が成る」:組成物中の問題となっている構成成分の濃度が、好ましくは50%以上、特に好ましくは55%以上、非常に特に好ましくは60%以上、
−「本質的に成る」:組成物中の問題となっている構成成分の濃度が、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、非常に特に好ましくは95%以上、および
−「実質的に完全に成る」:組成物中の問題となっている構成成分の濃度が、好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上、非常に特に好ましくは100.0%。
【0245】
このことは、成分でも化合物でもありうるそれらの構成成分を有する組成物としての媒体と、化合物であるそれらの構成成分を有する成分との両方に適用する。媒体全体に対して個々の化合物の濃度に関してのみ、含むとの用語は、問題となっている化合物の濃度が、好ましくは1%以上、特に好ましくは2%以上、非常に特に好ましくは4%以上であることを意味する。
【0246】
本発明において、「≦」は以下、好ましくは未満を意味し、「≧」は以上、好ましくは超えてを意味する。
【0247】
本発明において、
【0248】
【化96】

は、トランス−1,4−シクロヘキシレンを表し、
【0249】
【化97】

は、1,4−フェニレンを表す。
【0250】
本発明において、用語「誘電的に正の化合物」はΔε>1.5を有する化合物を意味し、用語「誘電的に中性の化合物」は−1.5≦Δε≦1.5のものを意味し、用語「誘電的に負な化合物」はΔε<−1.5のものを意味する。本明細書において、化合物の誘電異方性は、10%の化合物を液晶ホストに溶解し、結果として生じる混合物の容量を、それぞれの場合で20μmのセル厚みを有しホメオトロピックおよびホモジニアスな表面配向の少なくとも1つの試験用セル中で1kHzにおいて決定することにより決定される。測定電圧は典型的には0.5V〜1.0Vであるが、検討されるそれぞれの液晶混合物の容量閾値よりも常に低くされる。
【0251】
誘電的に正および誘電的に中性の化合物に使用されるホスト混合物はZLI−4792で、誘電的に負の化合物に使用されるものはZLI−2857で、いずれもドイツ国メルク社製である。検討される化合物を添加後のホスト混合物の誘電率の変化、そして、用いられる化合物の100%に外挿して、検討される個々の化合物の値が得られる。検討される化合物は、ホスト混合物に10%の量で溶解される。この目的に対して物質の溶解度が低すぎる場合、所望の温度で検討を行えるようになるまで濃度を段階的に半分にしていく。
【0252】
また、必要に応じて、本発明による液晶媒体は、例えば、安定剤および/または多色性色素および/またはキラルドーパントなどの更なる添加剤も通常の量で含む。これらの用いられる添加剤の量は、好ましくは全体で、混合物全体の量に基づいて0%以上〜10%以下、特に好ましくは0.1%以上〜6%以下である。用いられる個々の化合物の濃度は、好ましくは、0.1%以上〜3%以下である。これらおよび同様の添加剤の濃度は、液晶媒体中の液晶化合物の濃度および濃度範囲を特定する際には、一般に考慮されない。
【0253】
好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、1種類以上の反応性化合物、好ましくは反応性メソゲンと、必要に応じて、例えば、重合開始剤および/または重合変調剤などの更なる添加剤も含む高分子前駆体を、通常の量で含む。これらの用いられる添加剤の量は、全体で、混合物全体の量に基づいて0%以上〜10%以下、好ましくは0.1%以上〜2%以下である。これらおよび同様の添加剤の濃度は、液晶媒体中の液晶化合物の濃度および濃度範囲を特定する際には、考慮されない。
【0254】
組成物は複数種類の化合物、好ましくは3種類以上〜30種類以下、特に好ましくは6種類以上〜20種類以下、非常に特に好ましくは10種類以上〜16種類以下の化合物から成り、それらは従来の様式で混合される。一般に、より少ない量で使用される成分の所望の量を、混合物の主要な構成成分を構成する成分中に溶解する。これは、高温において有利に行われる。選択された温度が主要な構成成分の透明点より高い場合、溶解操作の完了を特に簡単に見ることができる。しかしながら、例えば、プレミックスの使用または所謂「マルチボトルシステム」からの他の従来法において、液晶混合物を調製することも可能である。
【0255】
本発明による混合物は、65℃以上の透明点を伴う非常に広いネマチック相範囲、非常に好ましい値の容量閾値、比較的高い値の保持率と同時に、−30℃および−40℃における非常に良好な低温安定性を示す。更に、本発明による混合物は、低い回転粘度γによって際立っている。
【0256】
また、当業者には言うまでもなく、VA、IPS、FFSまたはPALCディスプレイにおいて使用するための本発明による媒体は、例えば、H、N、O、Cl、Fが対応する同位体で置き換えられた化合物も含むこともできる。
【0257】
本発明による液晶ディスプレイの構造は、例えば、欧州特許出願公開第0 240 379号公報に記載される通りの通常の構成に対応する。
【0258】
適切な添加剤を利用することで、本発明による液晶相を、今日までに開示されてきた任意のタイプ、例えば、ECB、VAN、IPS、GHまたはASM−VA−LCDディスプレイにおいて用いることができるように改変できる。
【0259】
表Eに、本発明による混合物に添加できる可能なドーパントを示す。混合物が1種類以上のドーパントを含む場合、それは(それらは)、0.01〜4%、好ましくは、0.1〜1.0%の量で用いられる。
【0260】
例えば本発明による混合物に、好ましくは0.01〜6%、特には0.1〜3%の量で添加できる安定剤が、下の表F中に述べられている。
【0261】
本発明の目的のために、全ての濃度は、他に明記されない限り、重量パーセントで示され、他に明示されない限り、対応する混合物または混合物成分に関する。
【0262】
他に明示されない限り、例えば、融点T(C,N)、スメクチック(S)からネマチック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N,I)などの本出願において示される全ての温度の値は摂氏度(℃)で示され、全ての温度差は対応する差異度(°または度)である。
【0263】
本発明において、用語「閾電圧」は、他に明示されない限り、フレデリックス閾値としても知られる容量閾値(V)に関する。
【0264】
全ての物理的特性は「メルク液晶、液晶の物理的特性」1997年11月、ドイツ国メルク社に従って決定するか決定され、それぞれの場合で他に明示されない限り、20℃の温度に適用され、Δnは589nmにおいて、Δεは1kHzにおいて決定される。
【0265】
電気光学的特性、例えば、閾電圧(V)(容量的測定)は、スイッチング特性としてメルク・ジャパン社において製造された試験用セル中で決定される。測定用セルはソーダ石灰ガラス基体を有し、互いに直交してラビングされ液晶をホメオトロピック配向させる効果を有するポリイミド配向層(希釈剤**26と共にSE−1211(混合比1:1)、何れも日本国日産化学社製)を備えるECBまたはVA構造に構成されている。透明で実質的に正方形のITO電極の表面積は1cmである。
【0266】
他に示されない限り、使用される液晶混合物にキラルドーパントは加えないが、このタイプのドーピングが必要な用途に対しても液晶混合物は特に適している。
【0267】
電圧保持率は、メルク・ジャパン社で製造された試験用セルにおいて決定される。測定用セルはソーダ石灰ガラス製の基体を有し、50nmの層厚みを有し互いに直交してラビングされたポリイミド配向層(AL−3046、日本国日本合成ゴム社製)により構成されている。層厚みは均一に6.0μmである。透明ITO電極の表面積は1cmである。
【0268】
電圧保持率は、20℃(HR20)および100℃(HR100)のオーブン中で5分後に決定される。使用される電圧は、60Hzの周波数を有する。
【0269】
回転粘度は回転永久磁石法を使用して決定され、流動粘度は改変ウベロード粘度計で決定される。液晶混合物ZLI−2293、ZLI−4792およびMLC−6608(全てドイツ国ダルムスタット市のメルク社の製品)について、20℃で決定された回転粘度の値は、それぞれ、161mPa・s、133mPa・sおよび186mPa・sであり、流動粘度の値(ν)は、それぞれ、21mm−1、14mm−1および27mm−1である。
【0270】
以下の記号を使用する:
は20℃における容量閾電圧(V)、
は20℃および589nmで測定される異常屈折率、
は20℃および589nmで測定される正常屈折率、
Δnは20℃および589nmで測定される光学異方性、
εは20℃および1kHzにおけるダイレクターに垂直な誘電率、
εは20℃および1kHzにおけるダイレクターに平行な誘電率、
Δεは20℃および1kHzにおける誘電異方性、
cl.p.またはT(N,I)は透明点(℃)、
γは20℃で測定される回転粘度(mPa・s)、
は20℃における「スプレイ」変形に対する弾性定数(pN)、
は20℃における「ツイスト」変形に対する弾性定数(pN)、
は20℃における「ベンド」変形に対する弾性定数(pN)、
LTSは試験用セル中で決定される低温安定性(相安定性)。
【0271】
以下の例は、制限することなく本発明を説明する。しかしながら、それらは、当業者に、好ましく用いられる化合物の好ましい混合物の考え方と、それらのそれぞれの濃度およびそれらの互いの組み合わせとを示す。加えて、例は、入手可能な特性および特性の組み合わせを例示する。
【0272】
本発明および以下の例において、液晶化合物の構造は頭字語を使用して示され、化学式への変換は、下の表A〜Cによって行われる。全ての基C2n+1、C2m+1およびC2l+1またはC2n、C2mおよびC2lは、それそれの場合で、それぞれn、mおよびl個のC原子を有する直鎖状のアルキル基またはアルキレン基である。表Aに化合物の核の環要素に対するコードを示し、表Bに結合部を列記し、表Cに分子の左側および右側の末端基に対する記号の意味を列記する。頭字語は、結合基を有する場合もある環要素に対するコードと、続いて、第1のハイフンおよび左側の末端基に対するコードと、第2のハイフンおよび右側の末端基に対するコードとから構成される。表Dに、化合物の図解構造を、それらのそれぞれの略称と共に示す。
【0273】
【表1】

【0274】
【表2】

【0275】
【表3】

【0276】
【表4】

【0277】
【表5】

【0278】
【表6】

式中、nおよびmは、それぞれ整数であり、3つの点「...」は、この表からの他の略称のための場所を表す。
【0279】
式Iの化合物に加え、本発明による混合物は、好ましくは、下に述べられる化合物の1種類以上の化合物を含む。
【0280】
以下の略称を使用する(n、mおよびzは、それぞれ互いに独立に、整数、好ましくは、1〜6を表す)。
【0281】
【表7】

【0282】
【表8】

【0283】
【表9】

【0284】
【表10】

【0285】
【表11】

【0286】
【表12】

【0287】
【表13】

【0288】
【表14】

【0289】
【表15】

【0290】
【表16】

【0291】
【表17】

【0292】
【表18】

【0293】
【表19】

【0294】
【表20】

【0295】
【表21】

【0296】
【表22】

【0297】
【表23】

【0298】
【表24】

表Eに、本発明による混合物において好ましく用いられるキラルドーパントを示す。
【0299】
【表25】

【0300】
【表26】

【0301】
【表27】

表Eからの化合物群より選択される化合物。
【0302】
【表28】

【0303】
【表29】

【0304】
【表30】

【0305】
【表31】

【0306】
【表32】

【0307】
【表33】


本発明の好ましい実施形態において、本発明による媒体は、表Fからの化合物群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【実施例】
【0308】
<混合物例>
<例1.1〜1.3>
<例1.1>
【0309】
【表34】

【0310】
<例1.2>
【0311】
【表35】

【0312】
<例1.3>
【0313】
【表36】

【0314】
<例2.1および2.2>
<例2.1>
【0315】
【表37】

【0316】
<例2.2>
【0317】
【表38】

また、既述の各種の実施例混合物をもう一つのものと混合してもよく、同様の有利な結果を与える。特に、これに一般に伴う、混合物の構成成分の数の増加により、通常、そのような混合物の保存安定性が改良される結果となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負の誘電異方性の液晶媒体であって、
a)1種類以上の式Iの化合物から成る第1の誘電的に負の成分(成分A)と、
b)1種類以上の式IIの化合物から成る第2の誘電的に負の成分(成分B)と
を含む媒体。
【化1】

(式中、
11およびR12は、それぞれ互いに独立に、H、15個までのC原子を有し無置換のアルキルまたはアルケニル基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、
【化2】

−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
【化3】

および、存在するのであれば、その他は、それぞれ互いに独立に、
【化4】

を表し、
11〜Z13は、それぞれ互いに独立に、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH−O−、−O−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CF−O−、−O−CF−、−CF−CF−または単結合を表し、および
mおよびnは、それぞれ互いに独立に、0または1を表す。)
【化5】

(式中、
21およびR22は、それぞれ互いに独立に、H、15個までのC原子を有し無置換のアルキルまたはアルケニル基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、
【化6】

−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
【化7】

および、存在するのであれば、その他は、それぞれ互いに独立に、
【化8】

を表し、ただし、
21およびL22は、互いに独立に、=C(X)−を表し、また、あるいは、L21およびL22の一方は=N−も表し、
は、F、Cl、OCF、CF、CH、CHF、CHFを表し、
21〜Z23は、それぞれ互いに独立に、−CH−CH−、−CH−CF−、−CF−CH−、−CF−CF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CH−O−、−O−CH−、−O−、−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CF−O−、−O−CF−または単結合を表し、および
lおよびoは、それぞれ互いに独立に、0または1を表す。)
【請求項2】
c)1種類以上の式IIIの化合物から成る誘電的に中性の成分(成分C)を追加的に含むことを特徴とする請求項1に記載の媒体。
【化9】

(式中、
31およびR32は、それぞれ互いに独立に、R11およびR12に与えられる意味の1つを有し、および
【化10】

を表し、
31〜Z33は、それぞれ互いに独立に、請求項1においてZ11〜Z13に与えられる意味の1つを有し、
pおよびqは、それぞれ互いに独立に、0または1を表す。)
【請求項3】
式I−1〜I−4の化合物群より選択される1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の媒体。
【化11】

(式中、パラメータは請求項1において与えられえるそれぞれの意味を有する。)
【請求項4】
請求項3に記載の式I−1〜I−4の化合物群より選択される1種類以上の化合物を含み、ただし、
【化12】

を表すことを特徴とする請求項3に記載の媒体。
【請求項5】
式I−1a〜I−4aの化合物群より選択される1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項4に記載の媒体。
【化13】

(式中、パラメータは請求項1において与えられる意味を有する。)
【請求項6】
式II−1〜II−5の化合物群より選択される1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の媒体。
【化14】

(式中、
21およびR22は、請求項1において与えられる意味を有し、および
22〜X26は、互いに独立に、HまたはFを表し、および
27およびX28の一方はHを表し、他方はHまたはFを表す。)
【請求項7】
式II−2の1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項6に記載の媒体。
【請求項8】
d)式IVおよびVの化合物群より選択される1種類以上の化合物から成る更なる誘電的に負の成分(成分D)を追加的に含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の媒体。
【化15】

(式中、
41およびR42、R51およびR52は、それぞれ互いに独立に、H、15個までのC原子を有し無置換のアルキルまたはアルケニル基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH基は、O原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、
【化16】

−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
【化17】

41およびL42は、互いに独立に、=C(X)−を表し、また、あるいは、L41およびL42の一方は=N−も表し、ただし、
は、F、Cl、OCF、CF、CH、CHF、CHFを表し、
および、存在するのであれば、その他の環は、それぞれ互いに独立に、
【化18】

を表し、
【化19】

【化20】

を表し、
および、存在するのであれば、その他は、それぞれの場合で互いに独立に、
【化21】

を表し、
また、
【化22】

は、共に単結合を表してもよく、
41〜Z43およびZ51〜Z53は、それぞれ互いに独立に、Z11〜Z13に与えられる意味の1つを有し、
rおよびsは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、
tおよびuは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、
ただし、式IIの化合物は式IVの化合物より除外される。)
【請求項9】
e)1種類以上のキラル化合物から成るキラル成分(成分E)を追加的に含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の媒体。
【請求項10】
混合物全体における式Iの化合物の割合が15重量%以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の媒体。
【請求項11】
混合物全体における請求項7において定義される通りの式I−1〜I−4の化合物の割合が20重量%以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の媒体。
【請求項12】
2〜80重量%の1種類以上の式Iの化合物と、
2〜80重量%の1種類以上の式IIの化合物と、
2〜80重量%の1種類以上の式IIIの化合物と、および/または
2〜80重量%の1種類以上の式IVおよび/またはVの化合物とを含み、
ただし、媒体における式I〜Vの全ての化合物の総含有量は100重量%以下であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の媒体。
【請求項13】
誘電体として、請求項1〜12のいずれか一項に記載の液晶媒体を含有すること特徴とする電気光学的ディスプレイ。
【請求項14】
アクティブマトリクスアドレス装置を有することを特徴とする請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項15】
VA、ECB、PALC、FFSまたはIPS効果に基づくこと特徴とする請求項13または14に記載のディスプレイ。
【請求項16】
電気光学的ディスプレイにおける請求項1〜12のいずれか一項に記載の液晶媒体の使用。
【請求項17】
アクティブマトリクスアドレス装置を有する電気光学的ディスプレイにおける請求項16に記載の液晶媒体の使用。
【請求項18】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の媒体を調製する方法であって、請求項1において与えられる通りの式Iの1種類以上の化合物を、請求項1において与えられる通りの式IIの1種類以上の化合物と、および/または、請求項2、3または7に記載の1種類以上の化合物と、および/または、1種類以上の更なる液晶化合物と、および/または、1種類以上の添加剤と混合することを特徴とする方法。

【公表番号】特表2012−509369(P2012−509369A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536758(P2011−536758)
【出願日】平成21年11月3日(2009.11.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007875
【国際公開番号】WO2010/057575
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】