説明

液晶混合物

本発明は、液晶混合物、並びに本発明による液晶混合物のオリゴマー化又は重合により得ることができるオリゴマー又はポリマー、本発明による液晶混合物の施与及び引き続き重合により基材を印刷又はコーティングする方法及び光学部品又は電気光学部品を製造するための本発明による液晶混合物又は本発明によるオリゴマー又はポリマーの使用を記載する。さらに、本発明は、断熱層を製造するための、少なくとも1種のキラルドーパントを含有する本発明による液晶混合物の使用、並びにそのような断熱層に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶混合物、並びに本発明による液晶混合物のオリゴマー化又は重合により得ることができるオリゴマー又はポリマー、本発明による液晶混合物の施与及び引き続き重合により基材を印刷又はコーティングする方法及び光学部品又は電気光学部品を製造するための本発明による液晶混合物又は本発明によるオリゴマー又はポリマーの使用を記載する。
【0002】
さらに、本発明は、断熱層を製造するための、少なくとも1種のキラルドーパントを含有する本発明による液晶混合物の使用、並びにそのような断熱層に関する。
【0003】
多数の化合物は、加熱する際に、それらの分子の定義された近距離秩序及び長距離秩序を有する結晶状態から液体の不規則状態へ直接移行するのではなくて、その際に、分子が確かに動くことができるが、しかしながら分子軸が規則構造を形成する液晶相を通過する。伸びた分子はこの場合に、分子長軸の平行配列による配向長距離秩序により特徴付けられているネマチック液晶相をしばしば形成する。この種のネマチック相がキラルな化合物又はキラルな分子部分を含有する場合には、ヘリカルな超格子構造により特徴付けられているキラルネマチック相もしくはコレステリック相が形成されうる。与えられた系中でキラルな化合物もしくはキラルな分子部分の割合が小さければ小さいほど、もしくは大きければ大きいほど、ヘリカルな超格子構造のピッチ("pitch")はますます大きくなる、もしくは小さくなる。比較的大きな波長の、例えばNIR線の範囲内の電磁放射線が十分な程度に反射されることができるためには、キラルネマチック相のできるだけ大きな層厚の形成が必要であるが、しかしながらこのことは通常、ヘリカルな超格子構造の配向不整の増加を必然的に伴う。
【0004】
さらに、液晶材料の適用のためには、液晶相が、必要とされる温度範囲内でかつ十分な相幅を有して存在することが重要である。
【0005】
故に、本発明の課題は、適用の条件下で液晶相中に存在し、十分に大きな相幅を有し、さらにまたより大きな層厚の場合にも欠陥の乏しい層の製造を可能にする、比較的高い複屈折性を有する液晶材料を提供することであった。
【0006】
それに応じて、
成分Aとして:
一般式I
【化1】

[式中、変数は次の意味を有する:
1、Z2は互いに独立して、
【化2】

であり、
1、A2は互いに独立して、炭素原子4〜8個を有するスペーサーであり、
1、Y2は互いに独立して、化学的単結合、酸素、−CO−、−O−CO−又は−CO−O−であり、
1は水素、C1〜C6−アルキル又はCO−O−C1〜C6−アルキルである]で示される1種又はそれ以上の化合物、
成分Bとして:
一般式II
【化3】

[式中、変数は次の意味を有する:
3、Z4は互いに独立して、
【化4】

であり、
3、A4は互いに独立して、炭素原子4〜8個を有するスペーサーであり、
3、Y4は互いに独立して、化学的単結合、酸素、−CO−、−O−CO−又は−CO−O−であり、
2は水素、C1〜C6−アルキル又はCO−O−C1〜C6−アルキルである]で示される1種又はそれ以上の化合物、
ここで、成分A及びBの全モル数を基準として、成分Aの割合が22.5モル%〜32.5モル%であり、かつ成分Bの割合が67.5モル%〜77.5モル%であり、かつ成分A及びBの割合が合わせて100モル%である、及び
成分Cとして:
次のもの:
C.1 光開始剤;
C.2 光重合可能な基を有する反応性希釈剤;
C.3 溶剤;
C.4 消泡剤及び脱気剤;
C.5 潤滑剤及びレベリング剤(Verlaufsmitteln);
C.6 熱硬化性及び/又は放射線硬化性の助剤;
C.7 基材湿潤助剤;
C.8 湿潤助剤及び分散助剤;
C.9 疎水化剤;
C.10 接着促進剤(Haftvermittlern);
C.11 耐引っかき性を改善するための助剤;及び
C.12 キラルドーパント
からなる群選択される1種又はそれ以上の物質;及び
場合により成分Dとして:
次のもの:
D.1 染料;及び
D.2 顔料
からなる群から選択される1種又はそれ以上の物質
を含有する、液晶混合物が見出された。
【0007】
好ましくは、式I中で基Z1及びZ2、並びに式II中で基Z3及びZ4は、同じである。特に、全ての基Z1〜Z4はビニル基である。
【0008】
好ましくは、成分Aの式I中のZ1−Y1及びY2−Z2及び成分Bの式II中のZ3−Y3及びY4−Z4が、反応性基
【化5】

を意味する液晶混合物である。特に、基Z1−Y1及びY2−Z2及びZ3−Y3及びY4−Z4はそれぞれ互いに同じである。特に好ましくは、全ての基Z1−Y1、Y2−Z2、Z3−Y3及びY4−Z4はアクリロイルオキシ基である。
【0009】
スペーサーA1及びA2は、炭素原子4〜8個を含有し、かつ主に線状の脂肪族基からなる。これらは鎖中で隣接していない酸素原子により中断されていてよい。スペーサー鎖の可能な置換基として、例えばフッ素、塩素、臭素、シアノ、メチル及びエチルが考慮に値する。
【0010】
好ましくは、スペーサーA1及びA2、並びにA3及びA4はそれぞれ互いに同じである。
【0011】
代表的な非置換のスペーサーA1、A2、A3及びA4は、例えば:
−(CH2p−又は−(CH2CH2O)mCH2CH2
であり、代表的な置換されたスペーサーA1、A2、A3及びA4は、例えば:
【化6】

であり、ここで、pは4〜8の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、かつqは3〜7の整数を表す。
【0012】
式I及びII中の基R1及びR2の定義におけるC1〜C6−アルキル又は基R1及びR2の定義における基CO−O−C1〜C6−アルキル中のC1〜C6−アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル及び2−メチル−ペンチルであると理解されるべきである。好ましくは、C3〜C6−アルキル基は非分枝鎖状である。好ましい基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルである。
【0013】
成分Aの一般式Iの化合物の製造は、例えば、国際公開(WO-A2)第97/00600号の刊行物に、成分Bの一般式IIの化合物の製造は、例えば、国際公開(WO-A1)第2006/120220号の刊行物に記載されている。
【0014】
本発明による液晶混合物が光化学的に重合されるべき場合には、それらに通常、市販の光開始剤が成分C.1として添加される。電子線による硬化のためには、しかしながらそのような光開始剤は通例不要である。
【0015】
適した光開始剤C.1は、例えばイソブチルベンゾインエーテル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−フラン−1−オン、ベンゾフェノンと1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンとの混合物、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、過フッ素化ジフェニルチタノセン、2−メチル−1−(4−[メチルチオ]フェニル)−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニル−スルフィド、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾアート、2−イソプロピルチオキサントンと4−イソプロピル−チオキサントンとの混合物、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾアート、d,l−ショウノウキノン、エチル−d,l−ショウノウキノン、ベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンとの混合物、ベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミン−ベンゾフェノン、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−イソプロピルフェニル)−鉄(II)−ヘキサフルオロホスファート、トリフェニルスルホニウム−ヘキサフルオロホスファート又はトリフェニルスルホニウム塩の混合物、並びにブタンジオールジアクリラート、ジプロピレングリコールジアクリラート、ヘキサンジオールジアクリラート、4−(1,1−ジメチルエチル)シクロヘキシルアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート及びトリプロピレングリコールジアクリラートである。
【0016】
商業的には、これらの光開始剤C.1は、商標Lucirin(登録商標)、Irgacure(登録商標)及びDarocure(登録商標)で得ることができる。好ましくは、開始剤Lucirin(登録商標) TPO、Lucirin(登録商標) TPO-L、Irgacure(登録商標) Oxe 01、Irgacure(登録商標) Oxe 02、Irgacure(登録商標) 1300、Irgacure(登録商標) 184、Irgacure(登録商標) 369、Irgacure(登録商標) 907又はDarocure(登録商標) 1173及び特に好ましくは開始剤Lucirin(登録商標) TPO、Lucirin(登録商標) TPO-L、Irgacure(登録商標) Oxe 01、Irgacure(登録商標) Oxe 02、Irgacure(登録商標) 1300又はIrgacure(登録商標) 907が使用される。
【0017】
光開始剤は、通常、本発明による液晶混合物の全質量を基準として、約0.1〜5.0質量%の割合で使用される。殊に、硬化が不活性ガス雰囲気下に実施される場合に、明らかにより少量の量の光開始剤を使用することが可能である。この場合に、光開始剤は、本発明による液晶混合物の全質量を基準として、約0.1〜1.0質量%、好ましくは0.2〜0.6質量%の割合で使用される。
【0018】
通常、光重合することができる反応性希釈剤C.2には、例えば、少なくとも1個のオレフィン二重結合を有する一官能性、二官能性又は多官能性の化合物が含まれる。これらの例は、カルボン酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸又はステアリン酸の又はジカルボン酸、例えばコハク酸及びアジピン酸のビニルエステル、単官能性アルコール、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール又はステアリルアルコールのアリルエーテル又はビニルエーテル又はメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル、又は二官能性アルコール、例えばエチレングリコール及びブタン−1,4−ジオールのジアリルエーテル又はジビニルエーテルである。
【0019】
さらに、例えば、多官能性アルコールのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル、特にヒドロキシル基以外に別の官能基を有しないか又はせいぜいエーテル基を有するものが考慮に値する。そのようなアルコールの例は、例えば二官能性アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、及びそれらのより高度に縮合されたもの、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、アルコキシル化フェノール性化合物、例えばエトキシル化もしくはプロポキシル化されたビスフェノール、シクロヘキサンジメタノール、三官能性及びより高官能性のアルコール、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール及び相応するアルコキシル化された、特にエトキシル化及びプロポキシル化されたアルコールである。
【0020】
反応性希釈剤C.2として、さらに、ポリエステル(メタ)アクリラートが考慮に値し、その際にこれらはポリエステルオールの(メタ)アクリル酸エステルである。
【0021】
ポリエステルオールとして、例えば、ポリオール、好ましくはジオールでのポリカルボン酸、好ましくはジカルボン酸のエステル化により製造されることができるものが考慮に値する。そのようなヒドロキシル基含有ポリエステルの出発物質は、当業者に知られている。ジカルボン酸として、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、o−フタル酸及びそれらの異性体及び水素化生成物、並びに前記の酸のエステル化可能又はエステル交換可能な誘導体、例えば無水物又はジアルキルエステルが使用されることができる。ポリオールとして、前記のアルコール、好ましくはエチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール並びにエチレングリコール及びプロピレングリコールのタイプのポリグリコールが考慮に値する。
【0022】
さらに、反応性希釈剤C.2として、1,4−ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌラート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリラートの名前でも知られている、次の式
【化7】

のトリシクロデセニルアルコールのアクリル酸エステル、並びにアクリル酸、メタクリル酸及びシアノアクリル酸のアリルエステルが考慮に値する。
【0023】
反応性希釈剤が使用される場合には、それらの量及び性質は、一方では満足すべき所望の効果、例えば本発明による液晶混合物の所望の反射される波長に調節されるが、しかしながら他方では液晶混合物の相挙動が著しく損なわれ過ぎないように、それぞれの比に適合されなければならない。低架橋性(高架橋性)の液晶混合物の製造のためには、例えば、分子あたりに相対的に少ない(多い)数の反応性単位を有する相応する反応性希釈剤が使用されることができる。
【0024】
反応性希釈剤は、通常、本発明による液晶混合物の全質量を基準として、約0.5〜20.0質量%の割合で使用される。
【0025】
溶剤C.3には、例えばC1〜C4−アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール並びにC5〜C12−アルコール、例えばn−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデカノール及びn−ドデカノール及びそれらの異性体、グリコール、例えば1,2−エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−、2,3−又は1,4−ブチレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコール又はジプロピレングリコール又はトリプロピレングリコール、エーテル、例えば開鎖状エーテル、例えばメチル−t−ブチルエーテル、1,2−エチレングリコールモノメチルエーテル又は1,2−エチレングリコールジメチルエーテル、1,2−エチレングリコールモノエチルエーテル又は1,2−エチレングリコールジエチルエーテル、3−メトキシプロパノール又は3−イソプロポキシプロパノール、又は環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン又はジオキサン、開鎖状ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)、環状ケトン、例えばシクロペンタノン又はシクロヘキサノン、C1〜C5−アルキルエステル、例えば酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸プロピルエステル、酢酸ブチルエステル又は酢酸アミルエステル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルエステル、例えば1−メトキシプロプ−2−イルアセタート、カルボン酸アミド、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド、N−ヘテロ環式化合物、例えばN−メチルピロリドン、脂肪族又は芳香族の炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、石油エーテル、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン、デカリン、ジメチルナフタレン、ホワイトスピリット、Shellsol(登録商標)又はSolvesso(登録商標)が含まれる。もちろん、これらの溶剤の混合物も、本発明による液晶混合物において使用するために考慮に値する。
【0026】
本発明による液晶混合物中の特に適した希釈剤は、線状又は分枝鎖状のエステル、特に酢酸エステル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルエステル、例えば1−メトキシプロプ−2−イルアセタート、環状エステル、カルボン酸アミド、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド、開鎖状及び環状のエーテル、アルコール、ラクトン、開鎖状及び環状のケトン、例えばシクロペンタノン及びシクロヘキサノン、並びに脂肪族及び芳香族の炭化水素、例えばトルエン、キシレン及びシクロヘキサンである。
【0027】
溶剤は、通常、本発明による液晶混合物の全質量を基準として、約50〜95質量%、好ましくは約65〜80質量%の割合で使用される。しかしながら、意図する適用に応じて、前記の境界を下回るか又は超えることもできる。
【0028】
成分Cのもとに記載された消泡剤及び脱気剤C.4、潤滑助剤及びレベリング助剤C.5、熱硬化性又は放射線硬化性の助剤C.6、基材湿潤助剤C.7、湿潤助剤及び分散助剤C.8、疎水化剤C.9、接着促進剤C.10及び耐引っかき性を改善するための助剤C.11は、それらの作用の点でたいてい、互いに厳密に区別されることはできない。例えば、潤滑助剤及びレベリング助剤は、しばしば付加的に消泡剤及び/又は脱気剤として及び/又は耐引っかき性を改善するための助剤として作用する。放射線硬化性助剤はそしてまた、潤滑助剤及びレベリング助剤及び/又は脱気剤として及び/又は基材湿潤助剤としても作用しうる。個々の場合に、これらの助剤の多数が、接着促進剤C.11の機能も満たしうる。前もって述べたことに相応して、故に、特定の添加剤は、以下に記載される群C.4〜C.11の複数に割り当てられることができる。
【0029】
群C.4の消泡剤には、ケイ素不含及びケイ素含有のポリマーが含まれる。ケイ素含有ポリマーは、例えば変性されていない又は変性されたポリジアルキルシロキサンであるか又はポリジアルキルシロキサン単位及びポリエーテル単位からなる分枝鎖状のコポリマー、クシ型コポリマー又はブロックコポリマーであり、その際に後者の単位は、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドから入手可能である。
【0030】
群C.4の脱気剤には、例えば有機ポリマー、例えばポリエーテル及びポリアクリラート、ジアルキルポリシロキサン、特にジメチルポリシロキサン、有機変性ポリシロキサン、例えばアリールアルキル変性ポリシロキサンが、あるいはまたフルオロシリコーンが属する。消泡剤の作用は本質的には、泡立ちを防止するか又は既に形成された泡を破壊することに基づく。脱気剤は、本質的には、これらが、微細分散したガス泡もしくは空気泡が脱気すべき媒体、例えば本発明による混合物中でより大きなバブルに合一するのを促進し、ひいてはガス(空気)を逃がすのを加速するように作用する。しばしば消泡剤は脱気剤としても使用されることができ、かつ脱気剤は消泡剤としても使用されることができるので、これらの添加剤は併せて群C.4に含められた。
【0031】
そのような助剤は、例えば、商業的に、Tego社からTEGO(登録商標) Foamex 800、TEGO(登録商標) Foamex 805、TEGO(登録商標) Foamex 810、TEGO(登録商標) Foamex 815、TEGO(登録商標) Foamex 825、TEGO(登録商標) Foamex 835、TEGO(登録商標) Foamex 840、TEGO(登録商標) Foamex 842、TEGO(登録商標) Foamex 1435、TEGO(登録商標) Foamex 1488、TEGO(登録商標) Foamex 1495、TEGO(登録商標) Foamex 3062、TEGO(登録商標) Foamex 7447、TEGO(登録商標) Foamex 8020、Tego(登録商標) Foamex N、TEGO(登録商標) Foamex K 3、TEGO(登録商標) Antiform 2-18、TEGO(登録商標) Antiform 2-57、TEGO(登録商標) Antiform 2-80、TEGO(登録商標) Antiform 2-82、TEGO(登録商標) Antiform 2-89、TEGO(登録商標) Antiform 2-92、TEGO(登録商標) Antiform 14、TEGO(登録商標) Antiform 28、TEGO(登録商標) Antiform 81、TEGO(登録商標) Antiform D 90、TEGO(登録商標) Antiform 93、TEGO(登録商標) Antiform 200、TEGO(登録商標) Antiform 201、TEGO(登録商標) Antiform 202、TEGO(登録商標) Antiform 793、TEGO(登録商標) Antiform 1488、TEGO(登録商標) Antiform 3062、TEGOPREN(登録商標) 5803、TEGOPREN(登録商標) 5852、TEGOPREN(登録商標) 5863、TEGOPREN(登録商標) 7008、TEGO(登録商標) Antiform 1-60、TEGO(登録商標) Antiform 1-62、TEGO(登録商標) Antiform 1-85、TEGO(登録商標) Antiform 2-67、TEGO(登録商標) Antiform WM 20、TEGO(登録商標) Antiform 50、TEGO(登録商標) Antiform 105、TEGO(登録商標) Antiform 730、TEGO(登録商標) Antiform MR 1015、TEGO(登録商標) Antiform MR 1016、TEGO(登録商標) Antiform 1435、TEGO(登録商標) Antiform N、TEGO(登録商標) Antiform KS 6、TEGO(登録商標) Antiform KS 10、TEGO(登録商標) Antiform KS 53、TEGO(登録商標) Antiform KS 95、TEGO(登録商標) Antiform KS 100、TEGO(登録商標) Antiform KE 600、TEGO(登録商標) Antiform KS 911、TEGO(登録商標) Antiform MR 1000、TEGO(登録商標) Antiform KS 1100、Tego(登録商標) Airex 900、Tego(登録商標) Airex 910、Tego(登録商標) Airex 931、Tego(登録商標) Airex 935、Tego(登録商標) Airex 960、Tego(登録商標) Airex 970、Tego(登録商標) Airex 980及びTego(登録商標) Airex 985として及びBYK社からBYK(登録商標)-011、BYK(登録商標)-019、BYK(登録商標)-020、BYK(登録商標)-021、BYK(登録商標)-022、BYK(登録商標)-023、BYK(登録商標)-024、BYK(登録商標)-025、BYK(登録商標)-027、BYK(登録商標)-031、BYK(登録商標)-032、BYK(登録商標)-033、BYK(登録商標)-034、BYK(登録商標)-035、BYK(登録商標)-036、BYK(登録商標)-037、BYK(登録商標)-045、BYK(登録商標)-051、BYK(登録商標)-052、BYK(登録商標)-053、BYK(登録商標)-055、BYK(登録商標)-057、BYK(登録商標)-065、BYK(登録商標)-067、BYK(登録商標)-070、BYK(登録商標)-080、BYK(登録商標)-088、BYK(登録商標)-141及びBYK(登録商標)-A 530として得ることができる。
【0032】
群C.4の助剤は、通常、本発明による液晶混合物の全質量を基準として、約0.05〜5.0質量%の割合で使用される。
【0033】
潤滑助剤及びレベリング助剤の群C.5には、典型的にはケイ素不含ポリマー、しかしまたケイ素含有ポリマー、例えばポリアクリラート又は変性された低分子ポリジアルキルシロキサンが属する。変性は、アルキル基の一部が、多種多様な有機基により置換されていることにある。これらの有機基は、例えば、ポリエーテル、ポリエステルあるいはまた長鎖のアルキル基であり、その際に前者が最も頻繁に使用される。
【0034】
相応して変性されたポリシロキサンのポリエーテル基はその際に、通常、エチレンオキシド単位及び/又はプロピレンオキシド単位を通して構成される。変性されたポリシロキサン中のこれらのアルキレンオキシド単位の割合が高ければ高いほど、通例、生じる生成物はますます親水性になる。
【0035】
そのような助剤は、例えば商業的に、Tego社から、TEGO(登録商標) Glide 100、TEGO(登録商標) Glide ZG 400、TEGO(登録商標) Glide 406、TEGO(登録商標) Glide 410、TEGO(登録商標) Glide 411、TEGO(登録商標) Glide 415、TEGO(登録商標) Glide 420、TEGO(登録商標) Glide 435、TEGO(登録商標) Glide 440、TEGO(登録商標) Glide 450、TEGO(登録商標) Glide A 115、TEGO(登録商標) Glide B 1484(消泡剤及び脱気剤としても使用可能)、TEGO(登録商標) Flow ATF、TEGO(登録商標) Flow ATF2、TEGO(登録商標) Flow 300、TEGO(登録商標) Flow 460、TEGO(登録商標) Flow 425及びTEGO(登録商標) Flow ZFS 460として得ることができる。さらにまた耐引っかき性の改善にも役立つ放射線硬化可能な潤滑助剤及びレベリング助剤として、同様にTego社から得ることができる製品TEGO(登録商標) Rad 2100、TEGO(登録商標) Rad 2200、TEGO(登録商標) Rad 2300、TEGO(登録商標) Rad 2500、TEGO(登録商標) Rad 2600、TEGO(登録商標) Rad 2700及びTEGO(登録商標) Twin 4000が使用されることができる。BYK社からは、そのような助剤は例えば、BYK(登録商標)-300、BYK(登録商標)-306、BYK(登録商標)-307、BYK(登録商標)-310、BYK(登録商標)-320、BYK(登録商標)-322、BYK(登録商標)-331、BYK(登録商標)-333、BYK(登録商標)-337、BYK(登録商標)-341、Byk(登録商標) 354、Byk(登録商標) 361 N、BYK(登録商標)-378及びBYK(登録商標)-388として得ることができる。
【0036】
群C.5の助剤は、通常、本発明による液晶混合物の全質量を基準として、約0.01〜5.0質量%の割合で使用される。
【0037】
群C.6には、放射線硬化性助剤として、とりわけ、例えばアクリラート基の成分である、末端二重結合を有するポリシロキサンが属する。そのような助剤は、化学線又は例えば電子線により架橋されることができる。
【0038】
これらの助剤は、通例、複数の性質を1つに兼ね備えている。これらは、架橋されていない状態で消泡剤、脱気剤、潤滑助剤及びレベリング助剤及び/又は基材湿潤助剤として作用することができ、架橋された状態でこれらはとりわけ、例えば本発明による混合物を用いて製造されることができるコーティング又はフィルムの、耐引っかき性を高める。例えばまさにそのようなコーティング又はフィルムの、光沢挙動の改善は、その際、本質的には、消泡剤、脱気剤及び/又は潤滑助剤及びレベリング助剤としての(架橋されていない状態で)これらの助剤の作用の結果と見なされることができる。放射線硬化性助剤として、例えば、Tego社から得ることができる製品TEGO(登録商標) Rad 2100、TEGO(登録商標) Rad 2200、TEGO(登録商標) Rad 2500、TEGO(登録商標) Rad 2600及びTEGO(登録商標) Rad 2700及びBYK社から得ることができる製品BYK(登録商標)-371が使用されることができる。
【0039】
群C.6の助剤は、通常、本発明による液晶混合物の全質量を基準として、約0.01〜5.0質量%の割合で使用される。
【0040】
基材湿潤助剤の群C.7の助剤は、とりわけ、本発明による液晶混合物により印刷又はコーティングされるべき基材の湿潤性の増加に役立つ。本発明による液晶混合物の潤滑挙動及びレベリング挙動のそれゆえ通例必然的に伴う改善は、完成した(例えば架橋された)印刷物もしくは完成した(例えば架橋された)層の外観に影響を及ぼす。そのような助剤の多種多様なものは、商業的に、例えば、Tego社からTEGO(登録商標) Wet KL 245、TEGO(登録商標) Wet 250、TEGO(登録商標) Wet 260及びTEGO(登録商標) Wet ZFS 453として及びBYK社からBYK(登録商標)-306、BYK(登録商標)-307、BYK(登録商標)-310、BYK(登録商標)-333、BYK(登録商標)-344、BYK(登録商標)-345、BYK(登録商標)-346及びByk(登録商標)-348として、得ることができる。
【0041】
好適には、Dupont社の銘柄Zonyl(登録商標)、例えばZonyl(登録商標) FSA及びZonyl(登録商標) FSGの製品でもある。これらは、フッ素含有界面活性剤/湿潤剤である。
【0042】
群C.7の助剤は、通常、本発明による液晶混合物の全質量を基準として、約0.01〜5.0質量%の割合で使用される。
【0043】
湿潤助剤及び分散助剤の群C.8の助剤はとりわけ、顔料の浮き色及び浮きまだら並びに沈降の防止に役立ち、かつ故に、必要な場合には、とりわけ顔料着色される本発明による液晶混合物の場合に考慮に値する。
【0044】
これらの助剤は、顔料分散液を、本質的には静電反発により及び/又は添加剤添加された顔料粒子の立体障害により安定化させ、その際に後者の場合に、助剤と取り囲む媒体(例えばバインダー)との相互作用が大きな役割を果たす。そのような湿潤助剤及び分散助剤の使用は、例えば印刷インキ及び塗料の技術分野に通常の実務であるので、与えられた場合に、そのような適した助剤の1つの選択は、当業者に通例、困難はない。
【0045】
そのような湿潤助剤及び分散助剤は、商業的に、例えば、Tego社からTEGO(登録商標) Dispers 610、TEGO(登録商標) Dispers 610 S、TEGO(登録商標) Dispers 630、TEGO(登録商標) Dispers 700、TEGO(登録商標) Dispers 705、TEGO(登録商標) Dispers 710、TEGO(登録商標) Dispers 720 W、TEGO(登録商標) Dispers 725 W、TEGO(登録商標) Dispers 730 W、TEGO(登録商標) Dispers 735 W及びTEGO(登録商標) Dispers 740 Wとして並びにBYK社からDisperbyk(登録商標)、Disperbyk(登録商標)-107、Disperbyk(登録商標)-108、Disperbyk(登録商標)-110、Disperbyk(登録商標)-111、Disperbyk(登録商標)-115、Disperbyk(登録商標)-130、Disperbyk(登録商標)-160、Disperbyk(登録商標)-161、Disperbyk(登録商標)-162、Disperbyk(登録商標)-163、Disperbyk(登録商標)-164、Disperbyk(登録商標)-165、Disperbyk(登録商標)-166、Disperbyk(登録商標)-167、Disperbyk(登録商標)-170、Disperbyk(登録商標)-174、Disperbyk(登録商標)-180、Disperbyk(登録商標)-181、Disperbyk(登録商標)-182、Disperbyk(登録商標)-183、Disperbyk(登録商標)-184、Disperbyk(登録商標)-185、Disperbyk(登録商標)-190、Anti-Terra(登録商標)-U、Anti-Terra(登録商標)-U 80、Anti-Terra(登録商標)-P、Anti-Terra(登録商標)-203、Anti-Terra(登録商標)-204、Anti-Terra(登録商標) 5 206、BYK(登録商標)-151、BYK(登録商標)-154、BYK(登録商標)-155、BYK(登録商標)-P 104 S、BYK(登録商標)-P 105、Lactimon(登録商標)、Lactimon(登録商標)-WS及びBykumen(登録商標)として提供される。DuPont社の前記のZonyl(登録商標)銘柄、例えばZonyl(登録商標) FSA及びZonyl(登録商標) FSGも、ここで考慮に値する。
【0046】
群C.8の助剤の配量は主に、顔料の被覆すべき表面に及び助剤の平均モル質量に依存する。
【0047】
無機顔料及び低分子助剤のためには、通常、顔料及び助剤の全質量を基準として、約0.5〜2.0質量%の後者の低分子助剤の割合が計算に入れられる。高分子助剤の場合に、その割合は約1.0〜30質量%に高められる。
【0048】
有機顔料及び低分子助剤の場合に、後者の割合は、顔料及び助剤の全質量を基準として約1.0〜5.0質量%である。高分子助剤の場合に、この割合は約10.0〜90質量%の範囲内であってよい。いずれにせよ、故に予備試験が推奨されるが、これらはしかしながら当業者により単純な方法で実施されることができる。
【0049】
群C.9の疎水化剤は、例えば本発明による液晶混合物を用いて製造される印刷物又はコーティングが撥水性を有することに関して、使用されることができる。これにより、吸水による膨潤、ひいてはそのような印刷物又はコーティングの例えば光学的性質の変化が、もはや不可能であるか又は少なくとも著しく抑制されている。さらにまた、例えばオフセット印刷における印刷インキとしての前記混合物の使用の場合にそれらの吸水を防止するか又は少なくとも著しく抑えることができる。
【0050】
そのような疎水化剤は、例えばTego社からTego(登録商標) Phobe WF、Tego(登録商標) Phobe 1000、Tego(登録商標) Phobe 1000 S、Tego(登録商標) Phobe 1010、Tego(登録商標) Phobe 1030、Tego(登録商標) Phobe 1040、Tego(登録商標) Phobe 1050、Tego(登録商標) Phobe 1200、Tego(登録商標) Phobe 1300、Tego(登録商標) Phobe 1310及びTego(登録商標) Phobe 1400として商業的に得ることができる。
【0051】
群C.9の助剤は、通常、本発明による液晶混合物の全質量を基準として、約0.05〜5.0質量%の割合で使用される。
【0052】
群C.10の接着促進剤は、接触する2つの界面の付着の改善に役立つ。これらから、一方の、他方の又は双方の界面中に存在する接着促進剤の割合のみが本質的には有効であることが直接に明らかにわかる。固体基材上へ例えば液状又はペースト状の印刷インキ、コーティング剤又は塗料が施与される場合には、このことは通例、後者に接着促進剤が直接添加されなければならないか又は基材は接着促進剤での前処理にかけられなければならない(プライマー処理とも呼ばれる)、すなわちこの基材に、変更された化学的及び/又は物理的な表面特性が付与されるかのいずれかを意味する。
【0053】
基材が前もって下塗り塗料で下塗りされている場合には、このことは、接触する界面は目下、一方では下塗り塗料の界面及び他方では本発明による液晶混合物の界面であることを意味する。それゆえ、この場合に、基材と下塗り塗料との間だけでなく、下塗り塗料と本発明による液晶混合物との間の付着特性も、基材上での全ての複合体の付着に役割を果たす。別の意味での接着促進剤として、既に群C.7のもとで挙げられた基材湿潤助剤も言及されることができるが、しかしながらこれらは通例、同じ接着促進能力を有しない。
【0054】
基材の及び例えばそれらの印刷又はコーティングのために設けられた本発明による液晶混合物の多種多様な物理的及び化学的な性質に関して、多数の接着促進剤系は驚くべくことではない。シランをベースとする接着促進剤は、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピル−メチルジメトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン又はビニルトリメトキシシランである。これらの及び別のシランは、例えば商標DYNASILAN(登録商標)でHuels社から得ることができる。
【0055】
チタナート/ジルコナート及びチタンビスアセチルアセトナート/ジルコニウムビスアセチルアセトナートをベースとする接着促進剤は、例えば、次の式
【化8】

[式中、Mはチタン又はジルコニウムを表し、かつR、R1及びR2は、C1〜C4−アルキル、例えばイソプロピル又はn−ブチルを意味する]に相当する。そのような化合物の例は、例えばテトライソプロピルチタナート、テトラ−n−ブチルチタナート、チタン−ビス(アセチルアセトナート)−ジイソプロパノラート、チタンビス(アセチルアセトナート)−ジブタノラート、チタン−ビス(アセチルアセトナート)−モノブタノラート−モノイソプロパノラート又はチタン−ビス(アセチルアセトナート)−モノエタノラート−モノイソプロパノラートである。
【0056】
接着促進剤として使用可能な別のチタン化合物及びジルコニウム化合物は、n−ブチルポリチタナート、イソプロピルトリイソステアロイルチタナート、イソプロピル−トリス(N−エチルアミノエチルアミノ)チタナート及びジルコニウムビス(ジエチルシトラート)−ジイソプロパノラートである。そのような及び別のチタン化合物及びジルコニウム化合物は、例えば、商標TYZOR(登録商標)(DuPont社)、Ken-React(登録商標)(Kenrich Petrochemicals Inc.社)及びTilcom(登録商標)(Tioxide Chemicals社)で得ることができる。接着促進剤として、例えば商標Manchem(登録商標)(Rhone Poulenc社)で得ることができるような、アルミン酸ジルコニウムも役立ちうる。さらに、例えば、印刷インキ又は塗料における接着促進添加剤として、塩素化ポリオレフィン(例えばEastman Chemical及びToyo Kasei社から得ることができる)、ポリエステル(例えばHuels AG、BASF SE、Gebr. Borchers AG、Pluess-Staufer AG、Hoechst AG及びWorlee社から得ることができる)、サッカロースをベースとする化合物、例えばスクロースベンゾアート又はスクロースアセトイソブチラート(後者は例えばEastman Chemical社から得ることができる)、リン酸エステル(例えばThe Lubrizol Company及びHoechst AG社から得ることができる)及びポリエチレンイミン(例えばBASF SE社から得ることができる)及び例えばフレキソ印刷、フィルム印刷及び包装印刷用の印刷インキにおける接着促進添加剤としてコロホニウムエステル(例えばRobert Kraemer GmbH社から得ることができる)が考慮に値する。
【0057】
通常、例えば、印刷又はコーティングすべき基材は、相応して前処理される、すなわちそのような添加剤がプライマーとして使用される。そのような添加剤の製造者から、このためには、相応する技術情報を通例聞き知ることができるか、又は当業者が、相応する予備試験により、これらの情報を単純な方法で得ることができる。
【0058】
これらの添加剤が、しかしながら、群C.10の助剤として本発明による液晶混合物に添加される場合には、それらの割合は、本発明による液晶混合物の全質量を基準として通常約0.05〜5.0質量%に相当する。これらの濃度記載は、この場合によりどころとして役立つに過ぎない、それというのも、添加剤の量及び同一性は、個々の場合に、基材及び印刷剤/コーティング剤の性質により定められているからである。通常、そのような添加剤の製造者から、この場合のために相応する技術情報が入手可能であるか又は当業者により相応する予備試験により単純な方法で算出されることができる。
【0059】
耐引っかき性を改善するための助剤の群C.11には、例えば、Tego社から得ることができ、かつ既に前記の製品TEGO(登録商標) Rad 2100、TEGO(登録商標) Rad 2200、TEGO(登録商標) Rad 2500、TEGO(登録商標) Rad 2600及びTEGO(登録商標) Rad 2700が属する。
【0060】
これらの添加剤は、通常、本発明による液晶混合物の全質量を基準として、約0.1〜5.0質量%の割合で使用される。
【0061】
好ましいキラルドーパントC.12は、一般式
(P−Y−)pX、(P−Y−A−Y−)pX及び(P−Y−A−Y−M−Y−)p−X[式中、変数Pは、反応性基又は非反応性基に、Yは結合単位に、例えば化学的単結合、酸素原子、CO、COO又はO−COOに、かつAはスペーサーに相当し、Mはメソゲン基を表し、pは1、2、3、4、5又は6の値を表し、かつXは相応するp価のキラルな基を表し、その際にキラルな基Xに結合された基上のpは同じか又は異なっていてよい]に相当する。
【0062】
可能な基Xは、例えば国際公開(WO-A1)第95/16007号のp.5〜9に示されており、その際に特に二価の基
【化9】

を挙げることができる。
【0063】
前記の並びに他の適したキラルな基Xを有する別のキラルドーパントは、例えば欧州特許出願公開(EP-A1)第0 747 382号明細書、欧州特許出願公開(EP-A1)第0 750 029号明細書、欧州特許出願公開(EP-A1)第1 136 478号明細書及び独国特許出願公開(DE-A1)第198 43 724号明細書に挙げられる。
【0064】
本発明のさらなる対象は、本発明による液晶混合物のオリゴマー化又は重合により得ることができるオリゴマー又はポリマーである。本発明によるこれらのオリゴマー又はポリマーは、特にフィルム、すなわち均一な厚さの自立した層の形でも、存在していてよい。これらのフィルムは、適した措置により容易にはがすこと及び永久的に残すための他の基材上へ移すことが可能であるような基材上に存在していてよい。そのようなフィルムは、例えば、フィルムコーティングの分野において及び積層法において使用可能である。
【0065】
さらに、そのようなフィルムは、− それらの性質の点で相応する使用目的に適合される − 多種多様な分野で使用されることができる。例えば、これらは、光学的情報を描出するための装置において使用されることができる。そのような装置は、例えば、ビデオプロジェクタ又はオーバーヘッドプロジェクタ、電気泳動型表示装置、交通情報ディスプレイ、コンピュータモニタにおいて、テレビにおいて、プリンタ又は調理用器具における表示部において使用するためのLCD、並びに広告パネル、照明及び案内パネル、さらに移動可能なディスプレイ、例えば携帯電話、ラップトップ、デジタルカメラ、車両におけるディスプレイ並びにバス及び鉄道における行先表示器である。これらは、例えばカラーフィルタ又は波長選択的な又は広帯域の偏光を発生させるためのフィルムとして、多種多様な機能のこれらの装置中に含まれていてよい。
【0066】
本発明のさらなる対象は、本発明による液晶混合物が基材上へ施与され、引き続き重合されることにより特徴付けられる、基材を印刷又はコーティングする方法である。
【0067】
基材を液晶材料で印刷又はコーティングする手法に関して、国際公開(WO-A2)第96/02597号が適宜参照される。さらにまた、本発明による方法を用いて製造され、かつ当初の基材表面が、部分的に又は完全に被覆して重合された層も、本明細書の意味での基材として理解されるべきであるので、本発明によれば、何度も印刷及び/又はコーティングされる基材の製造も含まれている。
【0068】
ここではさらに、"印刷"は通常、基材表面の不完全な被覆であり、"コーティング"は基材表面の完全な被覆であると理解されることに注意されるべきである。
【0069】
基材として、さらに、紙製品及び厚紙製品に加えて、例えば手提袋、雑誌、パンフレット、贈答用包装及び日用品、消耗品及び高級品用の包装材料のため、また例えば装飾的及び非装飾的な包装目的のための、フィルム、並びに各種のテキスタイル及び革が考慮に値する。さらに、基材として、銀行券、有価証券、入場券及びこれに類するものの製造に使用されるそのような材料も考慮に値する。
【0070】
別の基材は、しかしまた(娯楽)電子機器の物品、例えば音楽カセット(MC)、SVHSカセット及びVHSカセット、ミニディスク(MD)、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、ブルーレイディスク(BD)及び相応する再生及び/又は記録装置、テレビ、ラジオ、電話/携帯電話、電子データ処理装置等及び余暇、スポーツ、家庭及び遊戯の分野からの物品、例えば自転車、子供用乗物、スキー、スノーボード及びサーフボード、インラインスケート及びローラースケート及びアイススケート靴並びに家庭電化製品である。さらにまた、そのような基材は、例えば筆記用具及び眼鏡フレームであるとも理解されるべきである。
【0071】
別の基材は、しかしまた光学部品又は電気光学部品において又はそれらの製造の際に使用される多種多様なフィルムである。そのようなフィルムは、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリイミド(PI)、ポリビニルシンナマート(PVC)又はポリオレフィン、例えばポリノルボルネンからなり、かつ例えば(広帯域)偏光子、LCDにおけるバックライト用の導光要素(いわゆる"ライトガイド")、光の分布のためのフィルム(いわゆる"BEF"、すなわち"輝度向上フィルム(brightness enhancement films)")及びLCDにおいて偏光を発生させるためのフィルム(いわゆる"DBEF"、すなわち"二重輝度向上フィルム(dual brightness enhancement films)")であってよい。これに関連して別の基材は、しかしまたLCDの特定の構造モジュール、例えばガラス基板又はポリマー基板であってよく、これらは場合によりさらに、例えば酸化インジウムスズ(ITO)の透明な伝導性コーティングを有する。
【0072】
ライトガイド又はBEFは、例えば直接、本発明によるネマチックの(すなわち、キラルな化合物C.12が含まれていない)又はキラルネマチックの(すなわち、キラルな化合物C.12が含まれている)混合物でコーティングされ、かつこれらは引き続き重合されることができる。コーティング過程は、この場合に、相応する光学的構成要素、例えば位相差フィルム(いわゆる"retardation films")、(広帯域)偏光子及び光フィルタを製造するために、同じか又は異なる組成の本発明による液晶混合物を用いて多かれ少かれしばしば繰り返されることができる。これにより、LCDにおける光学部品の相応してよりコンパクトな構造が製造されることができる。
【0073】
さらに、本発明による方法により、適したネマチック層は、位相差フィルムとして、円偏光を与える(広帯域)偏光子上へ施与されることができる。これにより、円偏光が線偏光へ変換されることができる。(広帯域)偏光子は、この場合に、同様に本発明による混合物から、場合により本発明による方法の使用下に、製造されていてよい。
【0074】
さらに、特に本発明による断熱層もしくは断熱性のフィルム及びラミネートの製造のために考慮に値する基材は、国際PCT出願PCT/EP2009/ 057533に記載されたキャリヤーフィルムである。
【0075】
明示的には、ここではキャリヤーフィルムの材料として、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)、ポリカーボネート、セルローストリアセタート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン及びアクリル樹脂を挙げることができる。好ましいのは、これらの中では、ポリエチレンテレフタラート、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、軟質ポリ塩化ビニル及びポリメタクリル酸メチルである。
【0076】
好ましくは、キャリヤーフィルムは二軸配向されている。
【0077】
別の基材は、しかしまた建築分野において見出されうる表面、例えば建物壁あるいはまた窓ガラスである。後者の場合に、装飾的な効果に加えて、機能的な効果も望ましくありうる。例えば、それらの個々の層が異なる化学的−物理的性質を有する多重層を窓材料上に発生させることが可能である。例えばキラルな化合物C.12の鏡像体並びに相応する光学的対掌体の添加下に、対向性のねじれを有する重合された液晶混合物の個々の層になるか又は異なる濃度のキラルな化合物C.12の添加下に、同じ回転方向だがしかしそれぞれ異なるピッチ、ひいては異なる反射特性の重合された液晶混合物の個々の層が施与される場合には、光スペクトルの意図的に特定の波長又は波長範囲が反射されることができる。これにより、例えばIR又はUV反射窓コーティングが可能である。
【0078】
それに応じて、本発明のさらなる対象は、赤外波長範囲内、好ましくは750nm〜2000nmの波長範囲内で、入射線の少なくとも40%、特に少なくとも45%を反射する1つ又はそれ以上のコレステリック層を含む断熱層を製造するための、成分Cとして少なくとも1種のキラルドーパント(成分C.12)を含有する本発明による液晶混合物の使用である。
【0079】
本発明のさらなる対象は、390nm〜750nmの波長範囲内で、入射線の少なくとも80%、特に少なくとも90%の透過率を有する1つ又はそれ以上のコレステリック層を含む断熱層を製造するための、成分Cとして少なくとも1種のキラルドーパント(成分C.12)を含有する本発明による液晶混合物の使用である。
【0080】
特に、本発明の範囲内で、成分Cとして少なくとも1種のキラルドーパント(成分C.12)を含有する本発明による液晶混合物の使用下に得ることができる、赤外波長範囲内で、好ましくは750nm〜2000nm波長範囲内で、入射線の少なくとも40%、特に少なくとも45%を反射する1つ又はそれ以上のコレステリック層を含む断熱層の特許の保護が請求される。
【0081】
さらに、本発明の範囲内で、成分Cとして少なくとも1種のキラルドーパント(成分C.12)を含有する本発明による液晶混合物の使用下に得ることができる、390nm〜750nmの波長範囲内で、入射線の少なくとも80%、特に少なくとも90%の透過率を有する1つ又はそれ以上のコレステリック層を含む断熱層の特許の保護も請求される。
【0082】
本発明による断熱層は、この場合に、本発明によるキラルネマチックの(すなわち、キラルな化合物C.12が含まれている)重合された混合物のみから本質的になる自立した層又はフィルム、又はしかしまた既に前記の(1種又はそれ以上の)キャリヤーフィルムを一体成分として含有するラミネートであってよい。
【0083】
さらに、キャリヤーフィルムは、片面又は両面で、本発明によるキラルネマチックの(すなわち、キラルな化合物C.12が含まれている)かつ重合された混合物でコーティングされていてよい。
【0084】
片面コーティングの場合に、キャリヤーフィルムは、断熱層中に残り、ひいてはそれらの一体成分になってよいか、又はキャリヤーフィルムは、断熱層の製造中のキャリヤーの機能のみを引き受け、引き続き自立した断熱性フィルムもしくは自立した断熱性層を残して除去される。
【0085】
両面コーティングの場合に、キャリヤーフィルムは、もちろん断熱層中に残り、かつそれらの一体成分になる。
【0086】
本発明による液晶混合物のこの態様については、特に断熱層に関して、− 先のPCT出願PCT/EP2009/057533に加えて − 国際公開(WO-A1)第99/19267号も適宜参照される。本発明のさらなる対象は、光学部品又は電気光学部品を製造するための、本発明による液晶混合物又は本発明によるオリゴマー又はポリマーの使用である。そのようなものとして、例えばLCD並びにそれらの構成要素、例えば(広帯域)偏光子、光フィルタ、位相差フィルム(いわゆる"retardation films")及びBEFを挙げることができる。
【0087】
重合可能な液晶材料をベースとするそのような構成要素の製造に関して、例えば、国際公開(WO-A1)第00/37585号が適宜参照される。
【0088】
(広帯域)偏光子を製造するための本発明によるキラルネマチック混合物の使用に関して、例えば、米国特許(US)第6,421,107号明細書、米国特許(US)第6,417,902号明細書、米国特許(US)第6,061,108号明細書、米国特許(US)第6,099,758号明細書、米国特許(US)第6,016,177号明細書、米国特許(US)第5,948,831号明細書、米国特許(US)第5,793,456号明細書、米国特許(US)第5,691,789号明細書及び米国特許(US)第5,506,704号明細書が適宜参照される。
【0089】
DBEFを製造するための本発明による液晶混合物の使用に関して、例えば、米国特許(US)第4,525,413号明細書、米国特許(US)第5,828,488号明細書及び米国特許(US)第5,965,247号明細書が適宜参照される。
【0090】
最後の2つの明細書には、それらの光学的性質の点で、層S1が、等方性又は異方性の光学的挙動のいずれかを示し、それに反して隣接した層S2がS1とは異なる異方性の光学的挙動を示すようなポリマー層のラミネートが記載されている。S1の一方の平面方向での屈折率n11はその際にその値が本質的にはS2の同一平面方向の屈折率n12に相当し、S1もしくはS2のそれに対してそれぞれ垂直である平面方向の屈折率n21もしくはn22は、これに反して相違する。これらのラミネートに入射する光線は、故にそれらの偏光方向に応じて透過される(n11及びn12が本質的に同じである場合)か又は反射される(n21及びn22が互いに異なる場合)。異方性の層S2は、故に − 適した等方性もしくは異方性の屈折率を有するポリマー層と交代で − 相応する、本発明によるネマチック混合物の重合により得られるポリマー又はオリゴマーからなっていてよい。ポリマー層S1として、例えば異方性の層S2を互いに接着させる接着剤、又は相応する温度処理で層S2と共に所望のラミネートを形成する、適したガラス転移温度を有するプラスチックフィルムも考慮に値する。そのうえ、ポリマー層S1は、本発明によるネマチック混合物でコーティングされ、別のポリマー層S1が施与され、ついで2つポリマー層S1の間に存在する混合物が重合されることができる。そのようなラミネートを製造するための選択される手法とは独立して、もちろん、層S1及びS2の十分に良好な付着は、互いに保証されていなければならない。
【0091】
本発明による液晶混合物は、しかしまた、いわゆる"高分子分散型液晶"("PDLCs")における分散した液晶相として使用されることができる。そのようなPDLCは、原則的に等方性のポリマーマトリックス及び巨視的−等方性並びに異方性の分散した液晶相又は異方性のポリマーマトリックス及び巨視的−等方性並びに異方性の分散した液晶相を有していてよく、その際に巨視的−等方性の相は、微視的−異方性のドメインのランダムな分布から生じる。
【0092】
通例、そのようなPDLCの製造のために、(通例光学的に異方性の)ポリマーフィルムから出発され、このフィルム中で液晶相が、超微細な介在物の形で、通常マイクロメートルサイズ又はサブマイクロメートルサイズの範囲内で、均一に分散されて存在する。ポリマーフィルムの延伸により、ポリマーマトリックス並びに分散相は、異方性の光学的挙動が強制される。本発明による液晶混合物が使用される場合には、分散相の異方性の状態が、重合により固定され、ひいては例えば明らかにより良好な耐熱(サイクル)性が達成されることができる。ポリマーマトリックスとして、この場合にたいていポリビニルアルコールが使用される。
【0093】
さらに、本発明によるキラルネマチック混合物は、− これらは少なくとも1種のキラルドーパントC.12を含有する − 例えば、米国特許(US)第5,235,443号明細書及び米国特許(US)第5,050,966号明細書に記載されているような、光学部品の製造にも使用されることができる。
【0094】
本発明による液晶混合物は、さらに液晶性着色剤として又は液晶性着色剤の製造に使用されることもできる。混合物がそれ自体として色を有する場合に、着色剤としての使用が可能である。この色は、その際に、存在しているキラルネマチック相の干渉効果に及び/又は含まれる染料及び/又は顔料の吸収効果に基づきうる。さらに、前記混合物は − これらが色を有するか又は否かとは独立して − 着色剤の製造にも役立ちうる。基材を印刷又はコーティングするための液晶性着色剤の製造及びそれらの使用に関して、国際公開(WO-A2)第96/02597号が適宜参照される。
【0095】
本発明による液晶混合物はさらに、好ましくは水をベースとする、分散液及び乳濁液の製造において使用されることができる。液晶性材料の使用下でのそのような分散液及び乳濁液の製造については、この場合に、WO明細書96/02597 A2及び98/47979 A1が参照される。これらの分散液及び乳濁液は同様に、例示的に前もって既に記載されたように、基材を印刷及びコーティングするために、使用されることができる。
【0096】
さらに、本発明による混合物も、顔料の製造の際に使用されることもできる。そのような顔料の製造は、知られており、例えば詳細に国際公開(WO-A1)第99/11733号に記載されている。さらにまた、しかし形及びサイズが前調節される顔料も、印刷技術の使用下に又は空間中に液晶混合物が存在するネットを用いて、製造されることができる。液晶混合物のその後の重合には、この場合に、基材もしくはネットからの剥離もしくは溶出が続く。これらの手順は、WO明細書96/02597 A1、97/27251 A1、97/27252 A1及び欧州特許出願公開(EP-A1)第0 931 110号明細書に詳細に記載されている。
【0097】
これらの顔料は、一層であってよく、又は多層構造を有していてよい。後者の顔料は通常、順次複数の層が相互に重なり合って製造され、かつ最終的に機械的な粉砕にかけられるコーティング法が使用される場合にのみ製造可能である。
【0098】
以下の例は、本発明をより詳細に説明するが、しかしながら本発明はこれらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】フィルムの定性的な評価のための等級1(割れなし)の写真。
【図2】フィルムの定性的な評価のための等級2(個々の、短い割れ)の写真。
【図3】フィルムの定性的な評価のための等級3(長い割れ、部分的に閉じた)の写真。
【図4】フィルムの定性的な評価のための等級4(大きなドメイン、部分的に開いた)の写真。
【図5】フィルムの定性的な評価のための等級5(閉じたドメイン)の写真。
【図6】フィルムの定性的な評価のための等級6(小さなドメイン)の写真。
【0100】
実施例:
I.本発明による液晶性混合物及び比較混合物の製造
ネマチック化合物
LC1(成分A)
【化10】

及び
LC2(成分B):
【化11】

並びにキラルドーパント
DS(成分C.12)
【化12】

をベースとして、混合物A〜Eを製造した。LC1及びLC2の相対割合[質量%及びモル%]は第1a表もしくは第1b表に、絶対量は第2表に、記載されている。
【0101】
【表1】

【0102】
【表2】

【0103】
一方ではLC1及びLC2の割合の合計並びに他方ではDSは、全ての混合物A〜E中で、LC1、LC2及びDSの全質量を基準として、それぞれ95質量%並びに5質量%であった。
【0104】
混合物A〜Eを、マグネチックスターラーを用いて50℃で前記成分を5分間撹拌することにより製造し、引き続きろ過した(Whatman Puradisc 25TF、1μmメンブランフィルター)。
【0105】
引き続き、各2〜2.5mlの混合物をポリマー基材(PET Lumirror 4001、フィルム厚さ50μm、混合物のより良好な配向のために全面をビロードで五回こすった;Torray社)上へ施与し、30μmバーコータを用いて引いてフィルムにした。密閉したヒュームフード(通風なし)中で120℃での溶剤の二分間の蒸発後に、二分間の重合を紫外線(石英フィルターを用いるUV−AB)下に行った。約4.5〜5μmの層厚が得られた。
【0106】
得られたフィルムの定性的な評価を、100:1の倍率で光学顕微鏡下に行った。異なる等級のフィルムの写真(図1〜6)に対して比較し、評価を1(図1)〜6(図6)の評点を用いて行った。
【0107】
第3表には、混合物A〜Eから得られたポリマーフィルムの結果が記載されている。
【0108】
【表3】

【0109】
ポリマーフィルムの複屈折及び分光反射の幅は、大体において直線で100% LC1(0% LC2)の値と100% LC2(0% LC1)の値との間で変化した。
【0110】
II.混合物A〜Eの成分の変更:
類似の結果は、溶剤(成分C.3)、光開始剤(成分C.1)及びレベリング助剤(成分C.5)の添加した量を変更した際に得られた。
溶剤:シクロヘキサノン/酢酸エチルエステル80:20(シクロペンタノンの代わり)
光開始剤:Irgacure OXE01(Irgacure 907の代わり)
レベリング助剤(Byk 361 N)の量:0.825g(1.649gの代わり)。
【0111】
III.基材及び塗布方法の変更
類似の結果は、基材及び混合物A〜Eの塗布方法を変更した際に得られた。
基材:ポリイミドコーティングされたガラス(Lumirror 4001の代わり)
塗布方法:スピンコーティング(バーコータの代わり)。
【0112】
もちろん、あらゆる基材が適しているとは限らないことが述べられなければならない。しかしながら、基材上での本発明による液晶混合物の配向が達成されることができるか、もしくは後者の基材が本発明による液晶混合物により湿潤される場合には、得られたフィルムの配向及び品質の明らかな改善が観察されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶混合物であって、
成分Aとして:
一般式I
【化1】

[式中、変数は次の意味を有する:
1、Z2は互いに独立して、
【化2】

であり、
1、A2は互いに独立して、炭素原子4〜8個を有するスペーサーであり、
1、Y2は互いに独立して、化学的単結合、酸素、−CO−、−O−CO−又は−CO−O−であり、
1は水素、C1〜C6−アルキル又はCO−O−C1〜C6−アルキルである]で示される1種又はそれ以上の化合物、
成分Bとして:
一般式II
【化3】

[式中、変数は次の意味を有する:
3、Z4は互いに独立して
【化4】

であり、
3、A4は互いに独立して、炭素原子4〜8個を有するスペーサーであり、
3、Y4は互いに独立して、化学的単結合、酸素、−CO−、−O−CO−又は−CO−O−であり、
2は水素、C1〜C6−アルキル又はCO−O−C1〜C6−アルキルである]で示される1種又はそれ以上の化合物、
ここで、成分A及びBの全モル数を基準として、成分Aの割合が22.5モル%〜32.5モル%であり、かつ成分Bの割合が67.5モル%〜77.5モル%であり、かつ成分A及びBの割合が合わせて100モル%である、及び
成分Cとして:
次のもの:
C.1 光開始剤;
C.2 光重合可能な基を有する反応性希釈剤;
C.3 希釈剤;
C.4 消泡剤及び脱気剤;
C.5 潤滑剤及びレベリング剤;
C.6 熱硬化性及び/又は放射線硬化性の助剤;
C.7 基材湿潤助剤;
C.8 湿潤助剤及び分散助剤;
C.9 疎水化剤;
C.10 接着促進剤;
C.11 耐引っかき性を改善するための助剤;及び
C.12 キラルドーパント
からなる群から選択される1種又はそれ以上の物質、及び
場合により成分Dとして:
次のもの:
D.1 染料;及び
D.2 顔料
からなる群から選択される1種又はそれ以上の物質
を含有する、液晶混合物。
【請求項2】
成分Aの式I中のZ1−Y1及びY2−Z2及び成分Bの式II中のZ3−Y3及びY4−Z4が、反応性基
【化5】

を意味する、請求項1記載の液晶混合物。
【請求項3】
請求項1又は2記載の液晶混合物のオリゴマー化又は重合により得られる、オリゴマー又はポリマー。
【請求項4】
請求項1又は2記載の液晶混合物を基材上へ施与し、引き続き重合することを特徴とする、基材を印刷又はコーティングする方法。
【請求項5】
光学部品又は電気光学部品を製造するための、請求項1又は2記載の液晶混合物又は請求項3記載のオリゴマー又はポリマーの使用。
【請求項6】
赤外波長範囲内で、好ましくは750nm〜2000nmの波長範囲内で、入射線の少なくとも40%、特に少なくとも45%を反射する1つ又はそれ以上のコレステリック層を含む断熱層を製造するための、成分Cとして少なくとも1種のキラルドーパント(成分C.12)を含有する請求項1又は2記載の液晶混合物の使用。
【請求項7】
390nm〜750nmの波長範囲内で、入射線の少なくとも80%、特に少なくとも90%の透過率を有する1つ又はそれ以上のコレステリック層を含む断熱層を製造するための、成分Cとして少なくとも1種のキラルドーパント(成分C.12)を含有する請求項1又は2記載の液晶混合物の使用。
【請求項8】
成分Cとして少なくとも1種のキラルドーパント(成分C.12)を含有する請求項1又は2記載の液晶混合物を使用して得られる、赤外波長範囲内で、好ましくは750nm〜2000nmの波長範囲内で、入射線の少なくとも40%、特に少なくとも45%を反射する1つ又はそれ以上のコレステリック層を含む断熱層。
【請求項9】
成分Cとして少なくとも1種のキラルドーパント(成分C.12)を含有する請求項1又は2記載の液晶混合物を使用して得られる、390nm〜750nmの波長範囲内で、入射線の少なくとも80%、特に少なくとも90%の透過率を有する1つ又はそれ以上のコレステリック層を含む断熱層。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−514396(P2013−514396A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543649(P2012−543649)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069475
【国際公開番号】WO2011/082969
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】