説明

液晶表示パネルの製造方法

【課題】CF基板とTFT基板とを貼り合わせた後の、ギャップ形成のための加圧工程を省くことができる液晶表示パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】液晶表示パネルの製造装置は、複数の液晶表示パネルを形成可能な面積を有する第一基板の第一面に対して、複数の液晶表示パネルの各々に対応する複数のパネル用シール材を形成するとともに、複数のパネル用シール材を囲繞する閉じた外周シール材を形成するシール材形成工程と、複数の液晶表示パネルを形成可能な面積を有する第二基板を、真空圧とした状態で第一基板の第一面に貼り合わせる基板貼り合わせ工程と、外気圧を常圧に戻すことにより第一基板と第二基板との間のギャップを形成するギャップ形成工程と、貼り合わされた第一基板及び第二基板を、外気圧を常圧とした状態で焼成する焼成工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置の液晶表示パネルを製造するには、各種配線及び薄膜トランジスタが形成されたTFT基板と、パネル用シール材が形成されたCF基板とを重ね合わせる。このとき、TFT基板の周辺部には仮止め剤が塗工されており、この仮止め剤によってTFT基板上にCF基板が仮止めされる。その後、紫外線を照射して仮止め剤を硬化してから、両基板をプレスによって加圧することで、セルギャップを形成し、次いで、焼成を行うようことで液晶表示パネルを製造している。(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−242150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の製造方法では、焼成前にプレスによるギャップ形成のための加圧工程が必要であった。しかしながら、加圧工程において、CF基板とTFT基板とが精度良く平行に揃っていないと、加圧工程において、CF基板とTFT基板とが接触する片当たりを生じたり、また、パネル用シール材の潰れ方が不均一になる不良が生じるおそれがあった。また、ギャップ形成のための加圧工程は、時間がかかる上、ギャップ形成のための加圧装置の設置場所が必要になるといった問題もあった。
本発明の課題は、CF基板とTFT基板とを貼り合わせた後の、ギャップ形成のための加圧工程を省くことができる液晶表示パネルの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明の一の態様によれば、
複数の液晶表示パネルを形成可能な面積を有する第一基板の第一面に対して、前記複数の液晶表示パネルの各々に対応する複数のパネル用シール材を形成するとともに、前記複数のパネル用シール材を囲繞する閉じた外周シール材を形成するシール材形成工程と、
前記複数の液晶表示パネルを形成可能な面積を有する第二基板を、真空圧とした状態で前記第一基板の前記第一面に貼り合わせる基板貼り合わせ工程と、
外気圧を常圧に戻すことにより前記第一基板と前記第二基板との間のギャップを形成するギャップ形成工程と、
貼り合わされた前記第一基板及び前記第二基板を、外気圧を常圧とした状態で焼成する焼成工程と、
を含む液晶表示パネルの製造方法が提供される。
【0006】
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記外周シール材は前記パネル用シール材よりも粘度が高い。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記外周シール材の粘度は100Pa・s以上である。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記基板上に形成された直後は、前記外周シール材の高さの方が前記パネル用シール材の高さよりも高い。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記基板上に形成された直後は、前記外周シール材の幅の方が前記パネル用シール材の幅よりも大きい。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記外周シール材は前記パネル用シール材と同じ材料である。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記シール形成工程の後であって、前記基板貼り合わせ工程の前に、前記第一基板をプリベークするプリベーク工程を含む。
【0007】
また、本発明の他の態様によれば、
複数の液晶表示パネルを形成可能な面積を有する第一基板の第一面に対して、前記複数の液晶表示パネルの各々に対応する複数のパネル用シール材を形成するとともに、前記複数の液晶表示パネルを形成可能な面積を有し前記第一基板に重ね合わされる第二基板の第一面に対して、前記複数のパネル用シール材を囲繞するように閉じた外周シール材を形成する第二シール材形成工程と、
真空圧とした状態で、前記第二基板の前記第一面と前記第一基板の前記第一面とが対峙するように、前記第一基板と前記第二基板とを貼り合わせる第二基板貼り合わせ工程と、
外気圧を常圧に戻すことにより前記第一基板と前記第二基板との間のギャップを形成するギャップ形成工程と、
貼り合わされた前記第一基板及び前記第二基板を、外気圧を常圧とした状態で焼成する焼成工程と、
を含む液晶表示パネルの製造方法が提供される。
【0008】
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記第二シール形成工程の後であって、前記第二基板貼り合わせ工程の前に、
前記第二基板をプリベークする第二プリベーク工程を含む。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記外周シール材は前記パネル用シール材よりも粘度が高い。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記外周シール材の粘度は100Pa・s以上である。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記基板上に形成された直後は、前記外周シール材の高さの方が前記パネル用シール材の高さよりも高い。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記基板上に形成された直後は、前記外周シール材の幅の方が前記パネル用シール材の幅よりも大きい。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記外周シール材は前記パネル用シール材と同じ材料である。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、前記第二シール形成工程の後であって、前記第二基板貼り合わせ工程の前に、前記第一基板をプリベークする第一プリベーク工程を含む。
上記液晶表示パネルの製造方法において、好ましくは、
前記焼成工程の後に、
前記貼り合わされた前記第一基板及び前記第二基板を前記液晶表示パネル毎に個片化して、複数の液晶表示パネルを形成する個片化工程と、
個片化された前記液晶表示パネルに形成された液晶注入口を介して前記液晶表示パネルに液晶を注入する液晶注入工程と、
前記液晶注入口を封止する封止工程と、を含むこと。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第一基板(例えばCF基板)と第二基板(例えばTFT基板)とを貼り合わせた後の、ギャップ形成のための加圧工程を省くことができる液晶表示装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の液晶表示パネルに備わる液晶パネルの概略構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の液晶表示パネルの製造方法におけるCF基板に対するシール材形成工程を模式的に示す説明図である。
【図3】図2のシール材形成工程によりCF基板上に形成されたパネル用シール材を示す説明図である。
【図4】本実施形態の液晶表示パネルの製造方法におけるTFT基板に対するシール材形成工程を模式的に示す説明図である。
【図5】図4のシール材形成工程によりTFT基板上に形成された外周シール材を示す説明図である。
【図6】本実施形態の液晶表示パネルの製造方法におけるプリベーク工程を模式的に示す説明図である。
【図7】本実施形態の液晶表示パネルの製造方法における基板貼り合わせ工程の一部を模式的に示す説明図である。
【図8】本実施形態の液晶表示パネルの製造方法における基板貼り合わせ工程の一部を模式的に示す説明図である。
【図9】本実施形態の液晶表示パネルの製造方法におけるギャップ形成工程を模式的に示す説明図である。
【図10】本実施形態の液晶表示パネルの製造方法における焼成工程を模式的に示す説明図である。
【図11】本実施形態の液晶表示パネルの製造方法における個片化工程前のCF基板及びTFT基板を模式的に示す説明図である。
【図12】図2のシール材形成工程の変形例を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
まず、本実施形態の液晶表示パネルの製造方法により形成された液晶パネルについて説明する。図1は、液晶パネル1の概略構成を示す斜視図である。この図1に示すように、液晶パネル1は、第一基板としてのCF基板10と、第二基板としてのTFT基板20とを有する。CF基板10と、TFT基板20とはパネル用シール材30を介して積層されている。TFT基板20は、4辺のうち少なくとも一辺においてCF基板10から突出した突出部20aを有する形状をなしており、この突出部20aに駆動回路(不図示)が搭載される。パネル用シール材30は、CF基板10の外周縁に沿うように形成されるとともに、その両端部31,32が両基板10,20における一辺の外周縁に接している。CF基板10、TFT基板20及びパネル用シール材30により形成された空間内に液晶が封入されている。そして、液晶が注入される液晶注入口33は、CF基板10、TFT基板20及びパネル用シール材30の両端部31,32により形成されている。この液晶注入口33は、液晶の注入後に封止剤により封止されている。
【0013】
次に、液晶表示パネルの製造方法について説明する。図2〜図11は、液晶表示パネルの製造方法の各工程を模式的に示す説明図である。
【0014】
まず、複数の液晶パネル1を形成可能な面積を有するCF基板10と、TFT基板20とを準備する。ここで、TFT基板20はガラス基材21と、ガラス基材21の表面に形成された複数の画素電極、各画素電極に接続された薄膜トランジスタ及び各種配線等を含む電極層22と、電極層22の表面に形成された配向膜23とを有する(図4参照)。一方、CF基板10は、ガラス基材11と、ガラス基材11の表面における各画素電極に対応する位置に形成された複数のカラーフィルタ、及び各画素電極同士の間に対応する位置に少なくとも薄膜トランジスタと重畳するように形成された遮光膜を少なくとも含むカラーフィルタ層12と、カラーフィルタ層12の表面に形成された配向膜13とを有する(図2参照)。
【0015】
次いで、CF基板10及びTFT基板20のそれぞれに対してシール材形成工程を施す(第二シール材形成工程)。図2に示すように、CF基板10に対するシール材形成工程では、スクリーン印刷機100によって、CF基板10の第一面14に、複数の液晶パネル1に対応するように複数のパネル用シール材30を形成する。これにより、図3に示すように、CF基板の第一面14には複数のパネル用シール材30が形成されることになる。
【0016】
図4に示すように、TFT基板20に対するシール材形成工程では、ディスペンサ200によって、TFT基板20の第一面24に、外周シール材40を形成する。具体的には、図5に示すように、外周シール材40の形状は、CF基板10に形成された複数のパネル用シール材30を囲繞するように閉じた形状とする。ここで、パネル用シール材30及び外周シール材40には、溶剤タイプのシール材又は無溶剤タイプのシール材が用いられる。
【0017】
シール材形成工程の後には、必要に応じて、CF基板10及びTFT基板20の少なくとも一方にプリベーク工程を施す。プリベーク工程の有無は、後述する焼成工程の後にパネル用シール材30又は外周シール材40がパンクを生じていない程度の粘度を有しているか否かで決定される。具体的には、各種シミュレーションや実験を行うことで最適な条件が決定される。図6はプリベーク工程でCF基板10に施す処理を模式的に示した説明図である。このプリベーク工程が第一プリベーク工程である。また、プリベーク工程をTFT基板20に施す場合、このプリベーク工程を第二プリベーク工程と称する。
【0018】
図6に示すようにプリベーク工程では、CF基板10を加熱することで、パネル用シール材30をプリベークする。ここで、溶剤タイプのシール材であると、プリベーク工程後には、溶媒が飛ばされて粘度が上昇することになる。これにより、硬化後の粘度低下が抑えられるとともに、硬化時におけるシール材周辺の低分子のシミ出しも抑えられる。一方、無溶剤タイプのシール材であると、プリベーク工程によって反応が促進されるため、シミ出しが抑えられる。いずれのシール材であっても、シミ出しが抑えられると、硬化後におけるシール材の幅が不均一となることを抑制することができる。
【0019】
プリベーク工程の後には、CF基板10とTFT基板20とを貼り合わせる基板貼り合せ工程(第二基板貼り合わせ工程)を実行する。この基板貼り合わせ工程では、まず図7に示すように、スペーサー散布装置300により、TFT基板20の第一面24に多数のスペーサー50を散布する。スペーサー50は、例えば透明な樹脂ビーズであり、その直径が第CF基板10とTFT基板20とを所定のギャップとする値に設定されている。なお。樹脂ビーズ以外にもフォトスペーサーをスペーサー50として用いることも可能である。
【0020】
その後、図8に示すように、CF基板10とTFT基板20とを真空貼り合わせ装置400内に配置して、当該装置内部の気圧を真空圧とする。真空圧とした状態で、CF基板10の第一面14とTFT基板20の第一面24とが対峙するように、CF基板10とTFT基板20とを貼り合わせる。これにより、外周シール材40の内側に密閉された空間が形成されることになる。
【0021】
貼り合わせ後には、ギャップ形成工程を実行する。ギャップ形成工程では、真空貼り合わせ装置400内の気圧を常圧に戻す。つまり、密閉空間内は真空圧のままで外気圧は常圧となるため、その気圧差によりCF基板10とTFT基板20とが、図9に示すようにパネル用シール材30及び外周シール材40を押し潰しながら、徐々に近接していく。最終的には、スペーサー50を挟持するまで両基板10,20は近接する。両基板10,20の間には、スペーサー50によって所定のギャップが形成される。
【0022】
ギャップ形成工程の後には焼成工程を実行する。焼成工程では、図10に示すように、貼り合わされたCF基板10及びTFT基板20を、外気圧を常圧とした状態で焼成する。これにより、パネル用シール材30及び外周シール材40が硬化する。
【0023】
焼成工程の後には、個片化工程を実行する。個片化工程では、図11に示す貼り合わされた硬化後のCF基板10及びTFT基板20を液晶パネル1毎に切り出して個片化し、複数の液晶パネル1の外形を形成する。個片化に際して、外周シール材40は、各液晶パネル1と分離されるようになっている。
【0024】
個片化工程の後には、液晶注入工程を実行する。液晶注入工程では、個片化された液晶パネル1の液晶注入口33から、CF基板10、TFT基板20及びパネル用シール材30により形成された空間内液晶が注入される。
液晶注入工程の後には、封止工程を実行する。封止工程では、封止剤により液晶注入口33を封止する。これにより、液晶パネル1が形成される。
【0025】
以上のように、本実施形態によれば、真空圧とした状態でCF基板10とTFT基板20とを貼り合わせ、その後、外気圧を常圧に戻すことで生ずる密閉空間との圧力差により、両基板10,20とのギャップを形成している。したがって、従来の製造方法で必要であったギャップ形成のための加圧工程を省略したとしても、両基板10,20のギャップを形成することが可能となる。
【0026】
また、上述のギャップ形成工程において、外周シール材40を挟んだ内部と外部との圧力差により外周シール材40がパンクすることを抑制するため、外周シール材40の粘度は高いことが好ましい。特に、外周シール材40の粘度が100Pa・s以上であると、パンクしにくいため、好ましい。また、この場合、外周シール材40の形成直後に十分な粘度が得られているので、プリベーク工程を省略することも可能である。
一方、パネル用シール材30は、外周シール材40の粘度よりも低くしてよい。パネル用シール材30の粘度を外周シール材40の粘度よりも低くすることにより、スクリーン印刷によって形成しやすくすることができる。
【0027】
また、図2に示すように、TFT基板10の第一面24に形成された直後の外周シール材40の高さH2を、CF基板10の第一面14に形成された直後のパネル用シール材30の高さH1よりも高くすることが好ましい。こうした場合、基板貼り合わせ工程でCF基板10とTFT基板20とが互いに平行となるように正確に位置合わせされていなかったとしても、パネル用シール材30がTFT基板20に接触する前に外周シール材40がCF基板10に接触することになり、確実に密閉空間を形成することができる。また、万が一、基板貼り合わせ工程において、CF基板10とTFT基板20とが接触する片あたりが生じたとしても、外周シール材40の高さをパネル用シール材30の高さよりも高くしているので、外周シール材40を両基板10,20に確実に接触させて密閉性を確保することができる。このため、常圧に戻す際には、外周シール材40を挟んだ内部と外部との圧力差により、高さの高い外周シール材40を、その形成された全領域に亘って一様に押し潰すことができるとともに、外周シール材40が押し潰される際、パネル用シール材30も、その形成された全領域に亘って一様に押し潰すことができる。従って、外周シール材40の高さをパネル用シール材30の高さよりも高くすることにより、パネル用シール材30が不均一に押し潰されてしまうことを防止できる。
尚、外周シール材40の高さをパネル用シール材30の高さと異ならせる場合は、両基板10,20のうちパネル用シール材30を形成する基板とは異なる基板に形成するか、又は、外周シール材40及びパネル用シール材30を同一の基板に形成する場合は、ディスペンサ200によって形成することができる。
【0028】
そして、図4に示すように、TFT基板10の第一面24に形成された直後の外周シール材40の幅W2を、CF基板10の第一面14に形成された直後のパネル用シール材30の幅W1よりも大きくすることが好ましい。これにより、密閉空間の密閉性がより強固なものとなる。
【0029】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、パネル用シール材30がスクリーン印刷で形成され、外周シール材40がディスペンサで形成される場合を例示しているが、パネル用シール材30をディスペンサで形成し、外周シール材40をスクリーン印刷で形成することも可能である。そして、パネル用シール材30と外周シール材40とを、両基板10,20のうち互いに異なる基板に形成する場合、両シール材30,40を同一手法により形成することが可能である。また、パネル用シール材30と外周シール材40とを同一基板に形成する場合は、パネル用シール材30と外周シール材40とが同一材料であれば、両シール材30,40を同一手法により形成することが可能である。
【0030】
また、本実施形態では、パネル用シール材30がCF基板10に形成され、外周シール材40がTFT基板20に形成された場合を例示したが、パネル用シール材30をTFT基板20に形成し、外周シール材40をTFT基板20に形成してもよい。
【0031】
さらに、パネル用シール材30及び外周シール材40の両者を、CF基板10及びTFT基板20の一方の第一面14,24に形成することも可能である。例えば、図12は、CF基板10にパネル用シール材30及び外周シール材40を形成した場合を示している。この場合、パネル用シール材30及び外周シール材40の形成方法を同一手法にしておけば、両シール材30,40を同一工程で形成することが可能となる。また、ディスペンサ200によって形成する場合は、パネル用シール材30の材料と外周シール材40の材料とが異なっていても、同一工程で形成することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 液晶パネル
10 CF基板(第一基板)
11 ガラス基材
12 カラーフィルタ層
13 配向膜
14 第一面
20 TFT基板(第二基板)
21 ガラス基材
22 電極層
23 配向膜
24 第一面
30 パネル用シール材
33 液晶注入口
40 外周シール材
50 スペーサー
100 スクリーン印刷機
200 ディスペンサ
300 スペーサー散布装置
400 真空貼り合わせ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の液晶パネルを形成可能な面積を有する第一基板の第一面に対して、前記複数の液晶パネルの各々に対応する複数のパネル用シール材を形成するとともに、前記複数のパネル用シール材を囲繞する閉じた外周シール材を形成するシール材形成工程と、
前記複数の液晶パネルを形成可能な面積を有する第二基板を、真空圧とした状態で前記第一基板の前記第一面に貼り合わせる基板貼り合わせ工程と、
外気圧を常圧に戻すことにより前記第一基板と前記第二基板との間のギャップを形成するギャップ形成工程と、
貼り合わされた前記第一基板及び前記第二基板を、外気圧を常圧とした状態で焼成する焼成工程と、
を含む液晶表示パネルの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の液晶表示パネルの製造方法であって、
前記外周シール材は前記パネル用シール材よりも粘度が高いことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の液晶表示パネルの製造方法であって、
前記外周シール材の粘度は100Pa・s以上であることを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶表示パネルの製造方法において、
前記基板上に形成された直後は、前記外周シール材の高さの方が前記パネル用シール材の高さよりも高いことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶表示パネルの製造方法において、
前記基板上に形成された直後は、前記外周シール材の幅の方が前記パネル用シール材の幅よりも大きいことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶表示パネルの製造方法であって、
前記外周シール材は前記パネル用シール材と同じ材料であることを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶表示パネルの製造方法であって、
前記シール形成工程の後であって、前記基板貼り合わせ工程の前に、
前記第一基板をプリベークするプリベーク工程を含むことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項8】
複数の液晶パネルを形成可能な面積を有する第一基板の第一面に対して、前記複数の液晶パネルの各々に対応する複数のパネル用シール材を形成するとともに、前記複数の液晶パネルを形成可能な面積を有し前記第一基板に重ね合わされる第二基板の第一面に対して、前記複数のパネル用シール材を囲繞するように閉じた外周シール材を形成する第二シール材形成工程と、
真空圧とした状態で、前記第二基板の前記第一面と前記第一基板の前記第一面とが対峙するように、前記第一基板と前記第二基板とを貼り合わせる第二基板貼り合わせ工程と、
外気圧を常圧に戻すことにより前記第一基板と前記第二基板との間のギャップを形成するギャップ形成工程と、
貼り合わされた前記第一基板及び前記第二基板を、外気圧を常圧とした状態で焼成する焼成工程と、
を含む液晶表示パネルの製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の液晶表示パネルの製造方法であって、
前記第二シール形成工程の後であって、前記第二基板貼り合わせ工程の前に、
前記第二基板をプリベークする第二プリベーク工程を含むことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項10】
請求項8又は9記載の液晶表示パネルの製造方法であって、
前記外周シール材は前記パネル用シール材よりも粘度が高いことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか一項に記載の液晶表示パネルの製造方法であって、
前記外周シール材の粘度は100Pa・s以上であることを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか一項に記載の液晶表示パネルの製造方法において、
前記基板上に形成された直後は、前記外周シール材の高さの方が前記パネル用シール材の高さよりも高いことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれか一項に記載の液晶表示パネルの製造方法において、
前記基板上に形成された直後は、前記外周シール材の幅の方が前記パネル用シール材の幅よりも大きいことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項14】
請求項8〜13のいずれか一項に記載の液晶表示パネルの製造方法であって、
前記外周シール材は前記パネル用シール材と同じ材料であることを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項15】
請求項8〜14のいずれか一項に記載の液晶表示パネルの製造方法であって、
前記第二シール形成工程の後であって、前記第二基板貼り合わせ工程の前に、
前記第一基板をプリベークする第一プリベーク工程を含むことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の液晶表示パネルの製造方法であって、
前記焼成工程の後に、
前記貼り合わされた前記第一基板及び前記第二基板を前記液晶パネル毎に個片化して、複数の液晶パネルを形成する個片化工程と、
個片化された前記液晶パネルに形成された液晶注入口を介して前記液晶パネルに液晶を注入する液晶注入工程と、
前記液晶注入口を封止する封止工程と、を含むことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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