説明

液晶表示パネルの駆動装置

【課題】列反転駆動で液晶表示パネルを駆動する駆動装置において、消費電力をより低減する。
【解決手段】ソース配線に電圧を印加する出力バッファ251において、1フレームにおける駆動開始後の所定期間では、バイアス回路262は増幅器261の駆動能力を低くするバイアス電圧を与え、第1のスイッチ263は開放状態になり、第2のスイッチ264は閉鎖状態になる。所定期間が終了すると、第1のスイッチ263は閉鎖状態になり、第2のスイッチ264は開放状態になって、ソース配線は、D−Aコンバータからの電圧信号で駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列反転駆動で液晶表示パネルを駆動する液晶表示パネルの駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
TFT(Thin Film Transistor)を用いた液晶表示パネルを駆動する場合、ゲート配線とソース配線の交差部である画素毎に設けられているTFTのゲートをオンさせるためのゲートオン電圧VGH、TFTのゲートをオフさせるためのゲートオフ電圧VGL、TFTのソースに印加されるデータ電圧(ソース電圧)V、およびコモン電極に印加されるコモン電圧VCOMのそれぞれの電圧が必要である。
【0003】
液晶表示パネルを直流電圧で駆動すると寿命が短くなる等の理由で、一般に、液晶表示パネルを駆動する駆動法として交流駆動が用いられる。交流駆動として、ライン反転駆動、列反転駆動、ドット反転駆動等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
列反転駆動は、マトリクス状に画素が配された液晶表示パネルにおいて横方向の画素群(ライン:行)を例えば上側から下側に順次駆動する場合に、1フレームにおいてデータ電圧が例えば左側のソース配線(列)から右側の列に向かって、正極性、負極性、正極性、負極性、・・・になるようにし、次のフレームでは各列のデータ電圧の極性が直前のフレームにおける極性と逆になるようにする駆動法である。
【0005】
以下、コモン電圧よりもソース電極の電位の方が高い状態を正極性の状態とし、コモン電圧よりもソース電極の電位の方が低い状態を負極性の状態とする。
【0006】
特許文献1には、駆動装置の消費電力を低減するために、垂直ブランキング期間中にソース配線に印加する電圧を反転させたり、垂直ブランキング期間が開始されるとソース配線を一旦コモン電位に充電したりする方法が記載されている。そのような構成によって、極性を切り替えるときにソースドライバに流れるラッシュ電流(突入電流)が低減される。
【0007】
また、特許文献1には、垂直ブランキング期間において、隣接するソース配線を短絡させるチャージシェアを実行し、次いで、所定電圧の正極性および負極性のデータ電圧をソース配線に供給し、さらに、チャージシェアを実行することによって、ソース配線の電位をコモン電圧に近づける方法が記載されている。なお、ソース配線に供給される所定電圧のデータ電圧は、垂直ブランキング期間における最初の水平有効期間において、ソース配線にデータ電圧を出力するソースドライバに供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−8928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載された液晶表示パネルの駆動装置を用いる場合には、垂直ブランキング期間における最初の水平有効期間において出力されるデータ電圧の電圧値をあらかじめ計算等によって決めなければならない。また、一般に、使用しうるデータ電圧の電圧値の種類の数は階調数に応じた数であり、任意の所望の値に設定することはできない。さらに、垂直ブランキング期間における最初の水平有効期間においてデータ電圧が出力されるようにするために、ソースドライバやゲートドライバにクロック信号やラッチ信号を供給するタイミング制御回路の構成を、一般的なタイミング制御回路の構成から大きく変更しなければならない。また、実際に表示のための駆動が行われる期間(以下、表示期間という。)における消費電力は低減されていない。
【0010】
そこで、本発明は、列反転駆動で液晶表示パネルを駆動する駆動装置において、簡易な構成によって消費電力をより低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による液晶表示パネルの駆動装置は、複数のゲート配線と複数のソース配線とが交差するように配置された液晶表示パネルのソース配線を列反転駆動で駆動するソースドライバを備えた液晶表示パネルの駆動装置であって、ソースドライバは、少なくとも各フレームにおける最初の1ラインを駆動する初期期間(1ライン以上の期間)での駆動能力に対して、各フレームにおける初期期間よりも後の期間における少なくとも一部の期間での駆動能力を低くすることを特徴とする。
【0012】
ソースドライバは、例えば、初期期間よりも後の期間では全期間に亘って駆動能力を低くするように構成される。
【0013】
ソースドライバは、例えば、初期期間よりも後の期間では、定期的に生ずる各期間(例えば、各ラインの期間)における先行する所定区間(前半の区間)での駆動能力に比べて、所定区間よりも後の区間(後半の区間)における駆動能力を低くするように構成される。そのような構成によれば、液晶表示パネルの特性を考慮して表示品位の低下防止等を図りつつ消費電流を低減することができる。また、先行する所定区間での駆動能力を初期期間での駆動能力よりも低くするように構成されていてもよい。また、ソースドライバは、先行する所定区間の長さを調整する区間調整手段を含んでいてもよい。
【0014】
ソースドライバは、例えば、データ信号に応じた電圧の信号が増幅器を介してソース配線に印加される状態と増幅器を介さずにソース配線に印加される状態とのいずれかの状態に設定する出力経路設定部とを含み、出力経路設定部は、駆動能力を低くするときには、データ信号に応じた電圧の信号が増幅器を介さずにソース配線に印加される状態に設定し、駆動能力を高くするときには、出力経路設定部は、データ信号に応じた電圧の信号が増幅器を介してソース配線に印加される状態に設定し、増幅器は、データ信号に応じた電圧の信号がソース配線にそのまま印加される場合の出力可能電流に比べて、出力可能電流を上昇させるように構成される。
【0015】
ソースドライバは、出力可能電流を変化させることが可能な増幅器を含み、データ信号に応じた電圧の信号は増幅器を介してソース配線に印加されるように構成され、増幅器は、駆動能力を高くするときには、駆動能力を低くするときの出力可能電流に比べて、出力可能電流を上昇させた状態でデータ信号に応じた電圧の信号をソース配線に印加するように構成されていてもよい。
【0016】
ソースドライバは、垂直ブランキング期間において、隣接するソース配線を短絡させるか、または各ソース配線を所定の電位に接続するソース配線初期設定部を含んでいてもよい。そのような構成によれば、より簡便な構成で、極性を切り替えるときにソースドライバに流れる突入電流を抑制して消費電力を低減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、列反転駆動で液晶表示パネルを駆動する駆動装置において、簡易な構成によって消費電力をより低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による駆動装置が適用された液晶表示装置の構成例を示すブロック図。
【図2】データ電圧を示す説明図。
【図3】本発明による駆動装置の第1の実施の形態における動作例を示すタイミング図。
【図4】本発明による駆動装置の第1の実施の形態における動作例を示すタイミング図。
【図5】出力バッファの構成例を示すブロック図。
【図6】制御信号Cont2の信号状態と増幅器の出力状態との関係の一例、および増幅器の出力状態の一例を示す説明図。
【図7】出力バッファの出力側の構成を示すブロック図。
【図8】制御信号Cont1と各スイッチの状態との関係を示す説明図。
【図9】列反転駆動を用いたときの消費電流を模式的に示す説明図。
【図10】本発明による駆動装置の第2の実施の形態における動作例を示すタイミング図。
【図11】第2の実施の形態における動作例を拡大して示すタイミング図。
【図12】第2の実施の形態における他の動作例を拡大して示すタイミング図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
実施の形態1.
図1は、本発明による駆動装置が適用された液晶表示装置の構成例を示すブロック図である。図1に示す液晶表示装置において、液晶表示パネル10には、マトリクス状に多数の画素12が形成されている。画素を形成するために、横方向(行方向)に多数のゲート配線13が設けられ、ゲート配線13と交差するように列方向に多数のソース配線14が設けられている。そして、ゲート配線13とソース配線14との交差部には、TFT15が形成されている。TFT15のドレイン電極16は画素電極に接続されている。
【0021】
ゲート配線13、ソース配線14および画素12が形成されている基板と対向する位置に対向基板(図示せず)が設けられ、画素12が形成されている基板と対向基板との間に液晶が挟持されている。対向基板には対向電極(コモン電極)が形成され、対向電極がコモン電位VCOMに設定されている。なお、電気的には液晶は容量を有する素子であると見なすことができるので、図1には、一端が画素電極に接続され、他端の電位がコモン電位VCOMになるキャパシタ17が示されている。
【0022】
ゲートドライバ30は、例えば、線順次にゲート配線13を駆動する。選択されたゲート配線13すなわちゲートオン電圧VGHが印加されているゲート配線13に接続されている画素における画素電極には、ソース配線14を介してデータ電圧(データ信号に応じた電圧)Vが印加される。
【0023】
図1に示す構成例では、ソース配線14を駆動するソースドライバ20は、シフトレジスタ21、データ信号DATAを順次ラッチして出力する第1ラッチ回路22、第1ラッチ回路22の出力を一括して取り込む第2ラッチ回路23、第2ラッチ回路23の出力(ディジタルデータ)の値に応じたアナログ信号(アナログ電圧)を出力するD−Aコンバータ24、およびD−Aコンバータ24の出力を電流増幅するバッファ回路25を含む。
【0024】
シフトレジスタ21は、制御部(タイミング制御回路)40が出力する選択期間の開始を示す信号に相当する水平スタートパルスSTHを契機にして、データシフト用のクロック信号CLKから、データ取込用信号を生成して出力する。この実施の形態では、ソース配線14の数をm(m:正の整数で3の倍数)とする。データ信号はRGBパラレルの場合クロック信号CLKの1個に対応するデータはRGB3本である。よって、シフトレジスタ21の出力信号数はm/3である。シフトレジスタ21は、例えば、クロック信号CLKのl個目のクロック(l:1〜m/3)に応じて1組目の出力をオン状態(データ取込を示す状態)にする。なお、本実施の形態では、液晶表示パネル10は線順次駆動法で駆動され、選択期間は1ラインを駆動する期間に相当する。
【0025】
第1ラッチ回路22には、タイミング制御回路40からデータ信号DATAが順次出力される。また、第1ラッチ回路22には、シフトレジスタ21からm/3個の信号が入力される。第1ラッチ回路22は、m個の信号のうちのl組目(l:1〜m/3)の信号がオン状態になったときに1組目のデータ(データ信号DATA)をラッチして出力する。
【0026】
第2ラッチ回路23は、例えば、タイミング制御回路40から出力されるストローブ信号STB(以下、ラッチ信号STBという。)の立ち下がり時点で、第1ラッチ回路22がラッチしている信号を一括して取り込む。
【0027】
D−Aコンバータ24には、タイミング制御回路40に含まれる電源回路(図示せず)から、例えば電圧V(n:0〜15)が供給される。図2に示すように、V〜V15は、コモン電圧VCOMより高い電圧であり、V〜Vはコモン電圧VCOMよりも低い電圧である。また、V〜V15は正極性駆動のための電圧であり、V〜Vは負極性駆動のための電圧である。
【0028】
D−Aコンバータ24からタイミング制御回路40から出力される極性反転信号POLのレベル(ハイレベルまたはローレベル)に応じた値を示すm個の信号が出力される。例えば、極性反転信号POLのレベルがハイレベルである場合には、m個の信号のうちの奇数番目の信号を、第2ラッチ回路23から入力された信号のレベルと正極性とに応じた値の信号にし、m個の信号のうちの偶数番目の信号を、第2ラッチ回路23から入力された信号のレベルと負極性とに応じた値の信号にする。また、極性反転信号POLのレベルがローレベルである場合には、m個の信号のうちの奇数番目の信号を、第2ラッチ回路23から入力された信号のレベルと負極性とに応じた値の信号にし、m個の信号のうちの偶数番目の信号を、第2ラッチ回路23から入力された信号のレベルと正極性とに応じた値の信号にする。
【0029】
なお、本実施の形態では、説明を簡単にするために、ソースドライバ20は、電圧V〜V15を用いて正極性における8個の基準電圧を入力しドライバ内のラダー抵抗にて64階調を実現する、電圧V〜Vを用いて負極性における8個の基準電圧で64階調を表示する。より多くの種類の階調を実現する場合にも本発明を適用することができる。また、D−Aコンバータ24には入力部のラダー抵抗が配設され、多階調が実現される。
【0030】
また、図1に示された構成では、電源回路はタイミング制御回路40に含まれるが、電源回路は、タイミング制御回路40とは別に設けられていてもよい。
【0031】
D−Aコンバータ24は、第2ラッチ回路23から出力されたm個の信号のそれぞれが示す値に応じた電圧の信号(電圧信号)をバッファ回路25に出力する。
【0032】
バッファ回路25は、D−Aコンバータ24から出力されたm個の電圧信号のそれぞれをm本のソース配線14に印加する。
【0033】
なお、図1に示すソースドライバ20、ゲートドライバ30およびタイミング制御回路40は、液晶表示パネルの駆動装置の構成要素である。
【0034】
図3および図4は、本発明による駆動装置の第1の実施の形態における動作例を示すタイミング図である。タイミング制御回路40は、図3に示すように、各フレームにおける画像表示のための制御が開始される前に、制御信号Cont1を出力する。具体的には、垂直ブランキング期間における1水平期間(2つの水平同期信号の間の期間)以上の間、制御信号Cont1を有意なレベルにする。図3に示す例では、有意なレベルは、ハイレベルである。ソースドライバ20は、制御信号Cont1にもとづいて、後述するような制御を実行する。制御信号Cont1を有意なレベルにすることが可能な期間の最大値は垂直ブランキング期間である。
【0035】
また、図3に示すように、極性反転信号POLは、1フレーム単位でレベルが逆になる。極性反転信号POLがハイレベルであるときには、奇数番目のソース配線S(2n−1)は正極性駆動され、偶数番目のソース配線S(2n)は負極性駆動される。極性反転信号POLがローレベルであるときには、奇数番目のソース配線S(2n−1)は負極性駆動され、偶数番目のソース配線S(2n)は正極性駆動される。なお、nは、1〜(m/2)であり、mは偶数であるとする。
【0036】
さらに、本実施の形態では、タイミング制御回路40は、図4に示すように、制御信号Cont2を出力する。具体的には、各フレームにおける画像表示のための制御が開始された時点から1水平期間(1選択期間に相当)以上の水平期間(例えば、1〜3水平期間)の間、制御信号Cont2のレベルを所定のレベルにする。図4では、制御信号Cont2のレベルが、2水平期間の間、所定のレベルになっている例が示されている。ソースドライバ20は、制御信号Cont2にもとづいて、後述するような特有の制御を実行する。
【0037】
なお、図4では、制御信号Cont2のレベルが所定のレベルになっている期間がハイレベルの期間として示されているが、後述するように、所定のレベルは実際にはハイレベルであるとは限らない。また、所定のレベルになっていない期間がローレベルの期間として示されているが、実際にはローレベルであるとは限らない。
【0038】
図5は、バッファ回路25における1つの出力バッファ251の構成例を示すブロック図である。バッファ回路25は、ソース配線14の数分すなわちm個の出力バッファを備えている。バッファ回路25における各出力バッファの構成は、図5に示された構成と同じである。
【0039】
図5に示す例では、出力バッファ251は、D−Aコンバータ24が出力した信号を入力する駆動能力可変の増幅器261、増幅器261への入力が出力端子に供給される状態と供給されない状態とのいずれかにする第1のスイッチ263、増幅器261の出力が出力端子に供給される状態と供給されない状態とのいずれかにする第2のスイッチ264、および制御信号Cont2に応じて増幅器261の出力可能電流(最大出力電流)を変更するためのバイアス回路262を含む。なお、出力端子は、ソース配線14に対する出力端子である。
【0040】
また、第1のスイッチ263および第2のスイッチ264は、データ信号に応じた電圧の信号が増幅器261を介してソース配線14に印加される状態と増幅器261を介さずにソース配線14に印加される状態とのいずれかの状態に設定する出力経路設定部を実現する。
【0041】
制御信号Cont2は、一例として、2ビットの信号である。図6(A)は、制御信号Cont2の信号状態と増幅器261の出力状態との関係の一例を示す説明図である。図6(B)は、増幅器261の出力状態の具体的な一例を示す説明図である。制御信号Cont2は、1ビットでもよいが、液晶表示パネルの大きさによる適用能力や消費電力の選択幅の向上を鑑みて2ビットの信号が好ましい。
【0042】
図6に示すように、制御信号Cont2のレベルが(L,L)であるときには、増幅器261の駆動能力は130%であり、制御信号Cont2のレベルが(L,H)であるときには、駆動能力は100%であり、制御信号Cont2のレベルが(H,L)であるときには、駆動能力は80%である。また、制御信号Cont2のレベルが(H,H)であるときには、D−Aコンバータ24からの電圧信号が、そのまま出力端子に出力される。なお、「H」はハイレベルを意味し、「L」はローレベルを意味する。
【0043】
また、駆動能力130%および80%は、制御信号Cont2のレベルが(L,H)であるときの駆動能力を基準にした相対的な最大出力電流を示す。
【0044】
また、D−Aコンバータ24からの電圧信号による駆動能力は、制御信号Cont2のレベルが(H,L)であるときの駆動能力(図6(A)に示す出力Cに相当)よりも低い。従って、データ信号に応じた電圧の信号がソース配線14にそのまま印加される場合(第1のスイッチ263が閉鎖状態で第2のスイッチ264が開放状態の場合)の出力可能電流に比べて、制御信号Cont2のレベルが(H,L)であるときに増幅器261を介してデータ信号に応じた電圧の信号がソース配線14に印加される場合の出力可能電流の方が多い。
【0045】
図7は、バッファ回路25における隣接する2つのソース配線14を駆動する出力バッファ251,252の出力側の構成を示すブロック図である。出力バッファ251は、奇数番目のソース配線14(例えば、1列目のソース配線14)を駆動し、出力バッファ252は、偶数番目のソース配線14(例えば、2列目のソース配線14)を駆動するとする。
【0046】
図7に示すように、出力バッファ251の出力側には、出力バッファ251の出力を通過させる状態と通過させない状態とに切り替える第1の出力スイッチ266が設けられている。出力バッファ252の出力側には、出力バッファ252の出力を通過させる状態と通過させない状態とに切り替える第2の出力スイッチ268が設けられている。また、隣接する2つのソース配線14を接続する状態と接続しない状態とに切り替える第3のスイッチ267が設けられている。
【0047】
なお、第1の出力スイッチ266、第2の出力スイッチ268および第3のスイッチ267は、隣接するソース配線14を短絡させるソース配線初期設定部の一例である。
【0048】
なお、出力バッファ252の内部構成は、図5に示された出力バッファ251の内部構成と同じである。また、バッファ回路25において、ソース配線S(2n−1)を駆動する全ての出力バッファの出力側に、図7に示された第1の出力スイッチ266が設けられている。また、ソース配線S(2n−1)を駆動する全ての出力バッファの出力側に、図7に示された第2の出力スイッチ268が設けられている。また、ソース配線S(2n−1)を駆動する出力バッファとソース配線S(2n)を駆動する出力バッファとの間には(n:1〜(m/2))、図7に示された第3のスイッチ267が設けられている。
【0049】
図8は、制御信号Cont1と、各スイッチ(第1の出力スイッチ266、第2の出力スイッチ268および第3のスイッチ267)の状態との関係を示す説明図である。図8に示すように、制御信号Cont1がローレベルであるときには、第1の出力スイッチ266および第2の出力スイッチ268はオン状態(閉鎖状態)になり、第3のスイッチ267は、オフ状態(開放状態)になる。制御信号Cont1がハイレベルであるときには、第1の出力スイッチ266および第2の出力スイッチ268はオフ状態になり、第3のスイッチ267は、オン状態になる。
【0050】
次に、ソースドライバ20の動作を、図4のタイミング図等を参照して説明する。以下、バッファ回路25における2つの出力バッファ251,252に着目して説明を行うが、バッファ回路25における2つの出力バッファ251,252以外の出力バッファも、出力バッファ251,252と同様に動作する。
【0051】
タイミング制御回路40は、図4に示されたように、垂直ブランキング期間における1水平期間以上の間、制御信号Cont1をハイレベルにする。図7および図8を参照すると、制御信号Cont1がハイレベルになると、バッファ回路25において、奇数番目のソース配線S(2n−1)を駆動する出力バッファの出力側に設けられている第1の出力スイッチ266は開放状態になり、偶数番目のソース配線S(2n)を駆動する出力バッファの出力側に設けられている第2の出力スイッチ268は開放状態になる。また、ソース配線S(2n−1)を駆動する出力バッファとソース配線S(2n)を駆動する出力バッファとの間に設けられている第3のスイッチ267は閉鎖状態になる。
【0052】
すなわち、奇数番目のソース配線S(2n−1)のそれぞれは、隣接する偶数番目のソース配線S(2n)に接続される。また、それぞれのソース配線14は、出力バッファ251,252から切り離される。
【0053】
その結果、コモン電圧VCOMよりも高い電圧で駆動されていたソース配線14の電位とコモン電圧VCOMよりも低い電圧で駆動されていたソース配線14の電位とが中和されるチャージシェアが実行される。すなわち、各ソース配線14の電位はコモン電圧VCOMに近づく。
【0054】
チャージシェアは、垂直ブランキング期間において実行される。よって、1フレームにおける表示期間が開始されるときには、各ソース配線14の電位はコモン電圧VCOMに近づいているので、例えば、負極性で駆動されていた状態から正極性で駆動される状態に直接移行する場合に比べて、表示期間開始時の突入電流が低減される。
【0055】
さらに、本実施の形態では、タイミング制御回路40は、図4に示されたように、各フレームにおける画像表示のための制御が開始された時点から1水平期間以上の所定期間に亘って、すなわち、1フレームにおける駆動開始後の所定期間(1ライン以上のラインが駆動される期間)では、制御信号Cont2のレベルを所定のレベルにする。本実施の形態では、所定のレベルは(H,L)である。
【0056】
図5および図6を参照すると、バッファ回路25における出力バッファ251において、バイアス回路262は、制御信号Cont2のレベルに応じて、増幅器261の駆動能力を80%にするようなバイアス電圧を与える。また、制御信号Cont2のレベルに応じて、第1のスイッチ263は、開放状態(増幅器261への入力が出力端子に供給されない状態)になり、第2のスイッチ264は、閉鎖状態(増幅器261の出力が出力端子に供給される状態)になる。
【0057】
よって、ソース配線14は、制御信号Cont2のレベルが所定のレベルになっている所定期間の間、駆動能力80%の状態で駆動される。
【0058】
タイミング制御回路40は、所定期間が終了すると、制御信号Cont2のレベルを所定のレベル以外のレベルにする。本実施の形態では、所定のレベル以外のレベルは(H,H)である。
【0059】
図5および図6を参照すると、バッファ回路25における出力バッファ251において、第1のスイッチ263は、閉鎖状態(増幅器261への入力が出力端子に供給される状態)になり、第2のスイッチ264は、開放状態(増幅器261の出力が出力端子に供給されない状態)になる。よって、ソース配線14は、D−Aコンバータ24からの電圧信号で駆動される。
【0060】
D−Aコンバータ24からの電圧信号による駆動能力は、制御信号Cont2のレベルが(H,L)であるときの駆動能力よりも低いので、所定期間が終了した後、ソース配線14は、より低い駆動能力で駆動される。その結果、ソースドライバ20の消費電力は低くなる。
【0061】
図9は、列反転駆動を用いたときの消費電流を模式的に示す説明図である。図9に示すように、交流駆動として列反転駆動を用いたときには、ドット反転駆動等の他の交流駆動を用いる場合に比べて表示期間の消費電力は少ない。すなわち、本実施の形態のように、表示期間において、駆動能力が低い状態でもソース配線14を駆動することができる。なお、1画素毎に極性反転を行うドット反転駆動を用いたときには、ソースドライバ20の出力電圧振幅が大きくなり、消費電力が多くなる。
【0062】
図9に示すように、列反転駆動ではソースラインはフレームごとに極性が反転する。即ち表示期間開始時には例えば正極性から負極性への移行が必要になり突入電流が流れる(図9におけるA参照)。出力バッファ251の駆動能力が低いと、突入電流に対応することが困難になってソースドライバ20の駆動電圧が一瞬低下して表示品位が低下するおそれがある。そこで、本実施の形態では、上述したように、表示期間開始後の所定期間は、ソースドライバ20の駆動能力(出力可能電流)を高くする。そして、その後は、低駆動能力でソース配線14を駆動することができ、消費電力を低減することができる。
【0063】
また、上述したように、本実施の形態では、垂直ブランキング期間におけるチャージシェアによって表示期間が開始される前に各ソース配線14の電位がコモン電圧VCOMに近づいているので、表示期間開始時の突入電流は低減されている。よって、表示期間開始後の所定期間における駆動能力の上昇の程度を小さくすることができる。つまり、表示期間開始後の所定期間では出力バッファ251の駆動能力を高くするが、極端に高くする必要はない。
【0064】
ただし、垂直ブランキング期間におけるチャージシェアを行わない場合でも、表示期間開始後の所定期間においてソースドライバ20の駆動能力を高くする制御は効果的である。
【0065】
また、本実施の形態では、表示期間開始後の所定期間(例えば、1水平期間以上の期間)において、図6(B)に例示された駆動能力80%でソース配線14を駆動したが、図6(B)に示す例では100%や130%の駆動能力でソース配線14を駆動してもよい。また、本実施の形態では、表示期間開始後の所定期間では駆動能力80%の状態で駆動され、所定期間が経過した後ではソース配線14は、D−Aコンバータ24からの電圧信号で駆動されたが、所定期間における駆動能力が所定期間が経過した後の駆動能力よりも高ければ、駆動能力80%とD−Aコンバータ24からの電圧信号の駆動能力との組合せ以外の組合せを用いてもよい。
【0066】
一例として、表示期間開始後の所定期間では駆動能力130%または100%の状態(図6参照)で駆動され、所定期間が経過した後では駆動能力80%で駆動されるようにしてもよい。その場合には、図5に示す第1のスイッチ263および第2のスイッチ264は不要であり、D−Aコンバータ24からの電圧信号は常に増幅器261を介してソース配線14に印加され、増幅器261は、駆動能力を高くする期間では、その期間よりも後の期間における出力可能電流に比べて、出力可能電流を上昇させた状態でデータ信号に応じた電圧の信号をソース配線14に印加する。
【0067】
また、本実施の形態では、垂直ブランキング期間においてチャージシェアを実行したが、チャージシェアに代えて、ソース配線14に所定のプリチャージ電圧(例えば、コモン電圧VCOM)を印加するプリチャージを行ってもよい。プリチャージを行う場合には、図7に示された構成において、第3のスイッチ267に代えて、ソース配線14にプリチャージ電位に接続する状態と接続しない状態とに切り替える第4のスイッチが設けられる。そして、制御信号Cont1がハイレベルになると、バッファ回路25において、第1の出力スイッチ266は開放状態(第2の出力スイッチ268も同様)になり(図7参照)、第4のスイッチは、ソース配線14をプリチャージ電位に接続する状態になる。
【0068】
その場合には、第1の出力スイッチ266、第2の出力スイッチ268および第4のスイッチは、各ソース配線14を所定の電位に接続するソース配線初期設定部に相当する。
【0069】
以上に説明したように、本実施の形態では、ソースドライバ20は、少なくとも各フレームにおける最初の1ラインを駆動する期間、すなわち1ラインを駆動する期間以上の期間での駆動能力に対して、それより後の期間における駆動能力を低くするので、換言すれば、少なくとも各フレームにおける最初の1ラインを駆動する期間における駆動能力を、それより後の期間における駆動能力よりも高くするので、簡易な構成によって、表示品位の劣化を防止しつつ消費電力をより低減することができる。
【0070】
実施の形態2.
上記の実施の形態では、駆動装置が、表示期間開始後の所定期間(具体的には、1ラインを駆動する期間以上の期間である初期期間)では、例えば図6(B)に示された駆動能力80%(高い駆動能力に相当)でソース配線14を駆動するように制御し、所定期間経過後では、D−Aコンバータ24からの電圧信号(低い駆動能力に相当)でソース配線14を駆動するように制御したが、所定期間(初期期間)については高い駆動能力による制御を行うが、所定期間経過後の期間において、第1の実施の形態における所定期間経過後の場合と異なる制御を行ってもよい。
【0071】
第2の実施の形態では、所定期間よりも後の期間において、定期的に生ずる各期間における前半の区間では高い駆動能力でソース配線14を駆動するが、後半の区間では、前半の区間に比べて低い駆動能力でソース配線14を駆動する。
【0072】
なお、説明を容易にするために、以下の説明では、定期的に生ずる各期間を各ラインを駆動する期間(各ラインの期間)とする。
【0073】
第2の実施の形態におけるソースドライバ20の動作を、図10および図11のタイミング図を参照して説明する。図11のタイミング図は、図10に記載された各フレームにおける第1〜第3ラインの期間を拡大して示すタイミングである。なお、図10では、第1ラインの期間においてのみ制御信号Cont2が所定のレベルになっているが、本実施の形態では、第1ラインの期間よりも後の期間において前半の区間では高い駆動能力でソース配線14を駆動し後半の区間では低い駆動能力でソース配線14を駆動する制御を実現するために制御信号Cont2を利用するので、実際には、図11に示されているように、第2ラインの期間以降の期間においても所定のレベルになる。
【0074】
また、図10および図11において、制御信号Cont2のレベルが所定のレベルになっている期間がハイレベルの期間として示されているが、後述するように、所定のレベルは実際にはハイレベルであるとは限らない。また、所定のレベルになっていない期間がローレベルの期間として示されているが、実際にはローレベルであるとは限らない。また、図11に記載されている「(変更)」は、前半の区間の長さを任意に設定できることを意味している。
【0075】
ソースドライバ20およびゲートドライバ30の構成は、図1に示された第1の実施の形態におけるそれらの構成と同じである。増幅器261およびその出力側の構成は、図5および図7に示された第1の実施の形態におけるそれらの構成と同じである。タイミング制御回路40の構成は、以下で説明されるように第2ライン以降のラインの期間における制御信号の出力の仕方が一部異なること以外、図1に示された第1の実施の形態におけるタイミング制御回路40の構成と同じである。また、制御信号Cont2の信号状態と増幅器261の出力状態との関係、および増幅器261の出力状態として、図6に示された例を使用する。
【0076】
以下、バッファ回路25における2つの出力バッファ251,252(図5および図7参照)に着目して説明を行うが、バッファ回路25における2つの出力バッファ251,252以外の出力バッファも、出力バッファ251,252と同様に動作する。
【0077】
タイミング制御回路40は、図10に示すように、垂直ブランキング期間における1水平期間以上の間、制御信号Cont1をハイレベルにする。制御信号Cont1の状態に応じて、第1の実施の形態の場合と同様に、出力バッファ251,252の接続状態の設定によってチャージシェアが実行される。
【0078】
また、本実施の形態でも、タイミング制御回路40は、図10に示すように、各フレームにおける画像表示のための制御が開始された時点から1水平期間以上の所定期間に亘って、すなわち、1フレームにおける駆動開始後の所定期間(第1ラインの期間)では、制御信号Cont2のレベルを所定のレベルにする。本実施の形態では、所定のレベルは(H,L)である。
【0079】
よって、第1の実施の形態の場合と同様に、ソース配線14は、制御信号Cont2のレベルが所定のレベルになっている所定期間の間、駆動能力80%の状態で駆動される。
【0080】
第1の実施の形態では、タイミング制御回路40は、所定期間が終了すると、制御信号Cont2のレベルを所定のレベル以外のレベルにした。具体的には、制御信号Cont2のレベルを(H,H)にした。よって、ソース配線14は、D−Aコンバータ24からの電圧信号で駆動された(図6参照)。
【0081】
すなわち、第1の実施の形態では、タイミング制御回路40は、第2ライン以降の期間では、全期間に亘ってソース配線14が低い駆動能力で駆動されるように制御されていた。
【0082】
しかし、本実施の形態では、第2ライン以降の各期間において、前半の区間では高い駆動能力でソース配線14を駆動するが、後半の区間では、前半の区間に比べて低い駆動能力でソース配線14を駆動するために、制御信号Cont2の出力の仕方を、第1の実施の形態の場合とは異ならせる。
【0083】
すなわち、図11に示すように、第2ライン以降では、各々のラインの駆動を開始してから、所定の期間(前半の区間)では、タイミング制御回路40は、制御信号Cont2のレベルを所定のレベルにする。本実施の形態では、所定のレベルは(H,L)である(図6(A),(B)参照)。また、前半の区間が終わると、制御信号Cont2のレベルを(H,H)にする。よって、後半の区間では、低い駆動能力でソース配線14が駆動される(図6(A),(B)参照)。
【0084】
本実施の形態では、第1の実施の形態に比べて、液晶表示パネル10の特性を考慮して消費電力を低減することができる。つまり、液晶表示パネル10のサイズや画素数が大きいことなどに起因して第1の実施の形態を適用したのでは電流量が不足して表示品位が低下する等の現象が生ずる場合には、本実施の形態を適用することによって、第1の実施の形態の場合に比べて高い駆動能力で駆動する期間を長くして表示品位の低下防止を図りつつ、1フレームの全期間に亘って高い駆動能力で駆動することはないようにして消費電流の増加を抑制することができる。
【0085】
なお、第2ライン以降の期間においてタイミング制御回路40が制御信号Cont2の出力レベルを所定のレベルにした後、所定のレベルの出力を解除する時期(前半の区間の終了時点に相当)を変更することによって、駆動能力を高くする期間(すなわち、前半の区間)の長さを変更することができる。よって、液晶表示パネル10のサイズや画素数の違い等に応じて、前半の区間の長さを調整することができる。すなわち、表示品位の低下防止等を図りつつ消費電流を低減する制御をきめ細かく実現することが可能になる。例えば、消費電流を低減するために余りに駆動能力を高くする期間を短くしたのでは、表示品位が所望の品位よりも低くなるような場合には、前半の区間を長くする。
【0086】
前半の区間の長さを調整する制御を実現する構成として、一例として、タイミング制御回路40に制御入力端子を設けた構成がある。その場合、タイミング制御回路40は、制御信号Cont2の出力レベルを所定のレベルにした後、クロック信号のパルス数を計数し、計数値が、制御入力端子に入力された信号の種類(具体的には、信号レベルの種類)に応じたあらかじめ決められている値になったら所定のレベルの出力を解除する。なお、このように構成する場合には、タイミング制御回路40によって、前半の区間の長さを調整する区間調整手段が実現される。
【0087】
また、本実施の形態では、制御信号Cont2を利用して、前半の区間では高い駆動能力でソース配線14を駆動し後半の区間では低い駆動能力でソース配線14を駆動する制御を実現するが、実現方法は、制御信号Cont2を用いる方法に限られない。例えば、図12に示すように、タイミング制御回路40は、第2ライン以降の期間において、制御信号Cont2とは別の制御信号Cont3によって前半の区間または後半の区間を指定するようにしてもよい。
【0088】
制御信号Cont3を用いる場合には、タイミング制御回路40は、所定の期間(前半の区間)では、制御信号Cont3のレベルを所定のレベルにする。本実施の形態では、所定のレベルは(H,L)である(図6(A),(B)参照)。また、前半の区間が終わると、制御信号Cont3のレベルを(H,H)にする。よって、後半の区間では、低い駆動能力でソース配線14が駆動される(図6(A),(B)参照)。
【0089】
また、第2ライン以降の期間において、制御信号Cont2や制御信号Cont3を用いるのではなく、バッファ回路25が、例えばデータシフト用のクロック信号CLKを入力し、クロック信号CLKの立上がりまたは立下がりの回数を計数することによって、独自に、前半の期間の終了時点を定めるようにしてもよい。そのように構成する場合には、バッファ回路25によって、前半の区間の長さを調整する区間調整手段を実現することもできる。
【0090】
また、本実施の形態では、前半の区間において、図6(B)に例示された駆動能力80%でソース配線14を駆動したが、図6(B)に示す例では100%や130%の駆動能力でソース配線14を駆動してもよい。また、本実施の形態では、前半の区間では駆動能力80%の状態で駆動され、後半の区間ではソース配線14は、D−Aコンバータ24からの電圧信号で駆動されたが、後半の区間における駆動能力が表示期間開始後の所定期間(例えば、第1ラインの期間)および前半の区間における駆動能力よりも高いことを条件として、駆動能力80%とD−Aコンバータ24からの電圧信号の駆動能力との組合せ以外の組合せを用いてもよい。
【0091】
一例として、前半の区間では駆動能力130%または100%の状態(図6参照)で駆動され、後半の区間では駆動能力80%で駆動されるようにしてもよい。
【0092】
また、本実施の形態では、表示期間開始後の所定期間(初期期間)での駆動能力と所定期間よりも後の期間における前半の区間での駆動能力とを同じにしたが、前半の区間における駆動能力を、初期期間における駆動能力よりも低くしてもよい。なお、制御信号Cont2とは別の制御信号Cont3によって前半の区間または後半の区間を指定するように構成されている場合には、前半の区間における駆動能力を初期期間における駆動能力とは異ならせる制御がより容易である。
【0093】
また、以上の説明において、液晶表示パネル10は、モノクロパネル/カラーパネルのいずれであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明を、携帯機器、車載機器、映像表示機器等に搭載される液晶表示装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0095】
10 液晶表示パネル
20 ソースドライバ
21 シフトレジスタ
22 第1ラッチ回路
23 第2ラッチ回路
24 D−Aコンバータ
25 バッファ回路
30 ゲートドライバ
40 制御部(タイミングコントロール回路)
251,252 出力バッファ
261 増幅器
262 バイアス回路
263 第1のスイッチ
264 第2のスイッチ
266 第1の出力スイッチ
267 第3のスイッチ
268 第2の出力スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲート配線と複数のソース配線とが交差するように配置された液晶表示パネルのソース配線を列反転駆動で駆動するソースドライバを備えた液晶表示パネルの駆動装置であって、
前記ソースドライバは、少なくとも各フレームにおける最初の1ラインを駆動する初期期間での駆動能力に対して、各フレームにおける前記初期期間よりも後の期間における少なくとも一部の期間での駆動能力を低くする
ことを特徴とする液晶表示パネルの駆動装置。
【請求項2】
ソースドライバは、初期期間よりも後の期間では全期間に亘って駆動能力を低くする
請求項1記載の液晶表示パネルの駆動装置。
【請求項3】
ソースドライバは、初期期間よりも後の期間では、定期的に生ずる各期間における先行する所定区間での駆動能力に比べて、所定区間よりも後の区間における駆動能力を低くする
請求項1記載の液晶表示パネルの駆動装置。
【請求項4】
先行する所定区間での駆動能力を、初期期間での駆動能力よりも低くする
請求項3記載の液晶表示パネルの駆動装置。
【請求項5】
ソースドライバは、先行する所定区間の長さを調整する区間調整手段を含む
請求項3記載の液晶表示パネルの駆動装置。
【請求項6】
ソースドライバは、
データ信号に応じた電圧の信号が増幅器を介してソース配線に印加される状態と前記増幅器を介さずに前記ソース配線に印加される状態とのいずれかの状態に設定する出力経路設定部とを含み、
前記出力経路設定部は、駆動能力を低くするときには、前記データ信号に応じた電圧の信号が前記増幅器を介さずに前記ソース配線に印加される状態に設定し、
前記駆動能力を高くするときには、前記出力経路設定部は、前記データ信号に応じた電圧の信号が前記増幅器を介して前記ソース配線に印加される状態に設定し、前記増幅器は、前記データ信号に応じた電圧の信号が前記ソース配線にそのまま印加される場合の出力可能電流に比べて、出力可能電流を上昇させる
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の液晶表示パネルの駆動装置。
【請求項7】
ソースドライバは、出力可能電流を変化させることが可能な増幅器を含み、
データ信号に応じた電圧の信号は前記増幅器を介してソース配線に印加されるように構成され、
前記増幅器は、駆動能力を高くするときには、駆動能力を低くするときの出力可能電流に比べて、出力可能電流を上昇させた状態で前記データ信号に応じた電圧の信号を前記ソース配線に印加する
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の液晶表示パネルの駆動装置。
【請求項8】
ソースドライバは、垂直ブランキング期間において、隣接するソース配線を短絡させるか、または各ソース配線を所定の電位に接続するソース配線初期設定部を含む
請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載の液晶表示パネルの駆動装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−8519(P2012−8519A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264893(P2010−264893)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】