説明

液晶表示装置および電子機器

【課題】位相差層の厚み差に起因する画質低下を抑制した液晶表示装置、および該液晶表示装置を備えた電子機器を提供する。
【解決手段】1画素内に反射表示領域Rと透過表示領域Tとを備えた液晶表示装置1であって、液晶層70を挟持する一対の基板と、一対の基板のうち観察者側に配置された一方の基板と液晶層70との間の、反射表示領域Rと平面的に重なる領域に設けられ、端面にテーパ領域TPが形成された位相差層30と、一方の基板と位相差層30との間に設けられ、一方の基板側から装置内に差し込む入射光をテーパ領域TPを除く領域に導く屈折レンズ(集光素子)20と、を備え、屈折レンズ20の端部が、テーパ領域TPと平面的に重なって形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は様々な電気光学装置の光変調装置として用いられている。液晶表示装置では、透過する光を変調し所望の表示を可能にする液晶層をはじめとして、様々な部品により構成されており、例えば、所定の偏光された光を液晶層に入射するための偏光素子や、電圧無印加時に液晶分子の配列を制御する配向膜が挙げられる。更には、集光素子を用いて液晶表示装置に入射する光の進路を制御し、表示特性を向上させることも検討されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
【特許文献1】特開2005-221639号公報
【特許文献2】特開2002-14345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば位相差層は、外光を利用した反射型の表示方法と、バックライトなどの内部の光源を利用した透過型の表示方法と、を兼ね備えた半透過半反射型の液晶表示装置に利用されている。半透過半反射型の液晶表示装置は、周囲の明るさに応じて反射モードまたは透過モードのいずれかの表示方式に切り替えることにより、消費電力を低減しつつ周囲が暗い場合でも明瞭な表示が行えるようにしたものである。このような液晶表示装置では、表示方式の違いに起因して、反射表示を行う領域(反射表示領域)と透過表示を行う領域(透過表示領域)との間に位相差が生じるため、反射表示領域に重なって位相差層を設け、光学補償を行うことが一般的である。
【0004】
また、このように液晶表示装置を構成する各種部品を個々に作成して組み上げるのではなく、複数の部品を一体として構成し、液晶表示装置内に組み込んだ内蔵構造とすることが検討されている。内蔵構造にすると、部品点数を削減することができるので装置全体が薄型化でき、積層する部位が減り構造が簡略化されるのでコスト削減を図ることができるというメリットがある。
【0005】
装置内に内蔵された位相差層(内蔵位相差層)は、配向処理を施した面に紫外線硬化性の液晶材料を塗布した上で、紫外線で重合を行い、配向状態を維持した状態で硬化して形成するのが一般的な製法である。しかしながら、この方法では現像時に位相差層の端部がテーパ状になるという問題がある。即ち、位相差層を形成する際には、所定の露光マスクを介して紫外線照射を行うが、露光マスクの裏面側に回り込む回折光が位相差層の端面をテーパ状に斜面を形成してしまう。
【0006】
該テーパ領域では、設計通り平坦に形成された平坦領域の光学特性と厚みが異なるため、位相差層を透過する光に光路差が生じ、光への光学補償の程度が異なる。このテーパ領域と平坦領域との光学補償の差に起因して、テーパ領域では表示画像に不具合が生じる。前述の半透過半反射型の液晶表示装置においては、付された位相差層の端部が透過表示領域と反射表示領域の境界に位置するため、位相差層のテーパ領域が該境界に配置されることとなる。すると、テーパ領域での光学補償の差により黒表示の際に光漏れを生じ、コントラストが低下した不明瞭な画像となってしまう。また、このようにテーパ領域に重なるブラックマトリクスを用いて遮光することも考えられるが、その分だけ画素開口率が下がるため、精細度の高い画素の場合は輝度が低くなり、表示特性上不利となる。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、集光素子を用いて入射光の進路を制御し、所定の厚みを備えた位相差層を透過させることにより、位相差層の厚み差に起因する画質低下を抑制した液晶表示装置を提供することを目的とする。更には、該液晶表示装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の液晶表示装置は、1画素内に反射表示領域と透過表示領域とを備えた液晶表示装置であって、液晶層を挟持する一対の基板と、前記一対の基板のうち観察者側に配置された一方の基板と前記液晶層との間の、前記反射表示領域と平面的に重なる領域に設けられ、端面にテーパ領域が形成された位相差層と、前記一方の基板と前記位相差層との間に設けられ、前記一方の基板側から装置内に差し込む入射光を前記テーパ領域を除く領域に導く集光素子と、を備え、前記集光素子の端部が、前記テーパ領域と平面的に重なって形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、位相差層が備えるテーパ領域に光が差し込む前に集光素子が配置されているため、入射光は位相差層のテーパ領域以外の領域に導かれる。そのため、テーパ領域へ入射する光量が低減し、位相差層の厚みの差に起因してテーパ領域で発生する画質低下を抑制した液晶表示装置を提供できる。
【0009】
本発明においては、前記位相差層の一端は、前記反射表示領域と前記透過表示領域との境界に平面的に重なって配置され、前記集光素子の一端は、前記位相差層の一端と平面的に重なって配置されていることが望ましい。
この構成によれば、反射表示領域と透過表示領域との境界における光漏れを抑制し、高いコントラスト比が得られる液晶表示装置とすることができる。
【0010】
本発明においては、前記集光素子と前記液晶層との間であって前記画素の周囲には非表示領域が設けられ、前記集光素子の他端は、前記非表示領域と平面的に重なって配置されていることが望ましい。
この構成によれば、上述の効果に加え、例えばブラックマトリクスのような非表示領域への入射光を反射表示領域へ導くことができるため、光の利用効率が高まり視認性に優れる反射表示領域を備えた液晶表示装置とすることができる。
【0011】
本発明においては、前記集光素子は、前記位相差層の平面視形状に一致した形状を備えていることが望ましい。
この構成によれば、集光効率が高く効果的な外光利用が可能となり、良好な表示が可能な液晶表示装置とすることができる。ここで、本発明において、「一致した形状」とは、集光素子と位相差層とが平面視形状で同一、相似、または好適な形状設計や製造誤差等を考慮した範囲で同じ形状をしているとみなすことが出来る形状を指す。
【0012】
本発明においては、前記集光素子は断面での形状が略半円形または略半楕円形である屈折レンズであることが望ましい。
この構成によれば、集光素子としての機能を十分に確保できる上に、形成が容易であり、良好にテーパ領域以外の領域に光を集める集光素子とすることができる。ここで、本発明において「略半円形」または「略半楕円形」とは、製造誤差等を考慮した範囲で半円形または半楕円形とみなせる形状を指し、断面輪郭が半円、半楕円、放物線形状等の曲線を有している形状のことを指す。
【0013】
本発明においては、前記集光素子は、入射光の光軸に対して垂直な方向に屈折率分布を有する屈折率分布レンズであることが望ましい。
屈折率分布レンズは、内部の屈折率差に起因して光を歪曲させる。そのため、凹凸形状で屈折させる屈折レンズと異なり、平坦な表面を備える集光素子とすることができる。したがって、上述の効果に加えて、セル厚ムラに起因する表示品質の低下を回避することができる。
【0014】
本発明においては、前記屈折率分布レンズは、所定の電界方向に配列した液晶材料の配向分布に基づき前記屈折率分布を形成する液晶レンズであることが望ましい。
この構成では、液晶材料が備える屈折率の異方性と、液晶材料の配向分布とを利用して、屈折率分布レンズに必要な屈折率の分布を形成する。液晶材料に加える電界を制御することで、電界の広がりに応じた液晶材料の配向分布を容易に実現することができることから、良好な屈折率分布レンズを形成し、良好な表示が可能な液晶表示装置とすることができる。
【0015】
また本発明の電子機器は、上述の液晶表示装置を備えることを特徴とする。
この構成によれば、位相差層が備える厚み差による表示画像の乱れを低減し、良好な表示を実現する電子機器とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、図1〜図5を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0017】
図1は、液晶表示装置1の1画素の平面図である。液晶表示装置1は複数の画素Xを備えており、各々の画素Xは縦横にマトリクス状に多数配置している。図に示すように、液晶表示装置1の1画素領域には、それぞれ赤、緑、青に対応した平面視略矩形の3つのサブ画素Dr,Dg,Dbが設けられている。なお、「r」「g」「b」は、それぞれ赤色、緑色、青色を示す。各々の画素に設けられた3つのサブ画素Dは、各々の長軸方向に垂直な配列軸に並んで配列して1つの画素Xを形成しており、各画素Xに配置されたサブ画素Dは配列軸方向を互いに同じ方向として配置している。1つのサブ画素Dには、それぞれ対応して着色層(カラーフィルタ)が形成されており、赤色、緑色、青色の3原色のうち1色を表示可能となっている。各々の画素間は非表示領域45となっている。非表示領域45には、例えば遮光部材でありブラックマトリクスが設けられている。
【0018】
サブ画素Dは長軸方向において2つの領域に分割されている。図示上側の領域は、反射表示領域Rであり、図示下側の領域は、透過表示領域Tである。反射表示領域Rと透過表示領域Tとは、平面視でほぼ同一の形状及び大きさを有し、サブ画素領域の中央部で互いに接続されている。本実施形態では、反射表示領域Rに重なって図示略の位相差層が配置されている。また、位相差層は、前述のサブ画素の配列軸方向に形成され、延在方向で複数のサブ画素に、更には、複数の画素にもまたがって帯状に設けられている。
【0019】
位相差層に重なって、本発明の特徴部分である屈折レンズ20(集光素子)が配置されている。本実施形態の屈折レンズ20は、位相差層の形成パターンに対応した形状を備えており、したがって、位相差層と同様、サブ画素の配列軸方向に形成され、延在方向で複数のサブ画素に、更には、複数の画素にもまたがって帯状に設けられている。屈折レンズ20は、長辺のうち一辺がサブ画素領域の中央部、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界に平面的に重なって配置されており、他辺が画素間の非表示領域45に重なって配置されている。
【0020】
図2は、本実施形態の液晶表示装置1の概略断面図である。本実施形態の液晶表示装置1は、液晶層に対して基板面方向の電界(横電界)を作用させ、液晶材料の方位角を制御することにより画像表示を行う横電界方式のうち、FFS方式を採用したものである。
【0021】
図2(a)は液晶表示装置1の断面図であり、図1の線A−Aに対応する矢視断面図である。液晶表示装置1は、互いに対向して配置された対向基板100及び素子基板200と、これらの基板間に挟持された液晶層70と、を備えて構成されている。対向基板100の端部と素子基板200の端部とは、シール材(図示略)によって貼り合わせられており、液晶層70は、これらの基板間に封止されている。素子基板200の装置外面側(液晶層70と反対側)には、バックライト(照明装置)80が設けられている。液晶表示装置1は半透過半反射型の表示方式であり、バックライト80からの光を液晶層70で変調し表示を行う透過表示領域Tと、対向基板100側から装置内に差し込む外光を液晶層70で変調し表示を行う反射表示領域Rと、を備えている。
【0022】
素子基板200が備える基板50は、基板本体50Aを基体としてなる。基板本体50Aには、透明性を備える基板を用いることができ、例えばガラス、石英ガラス、窒化ケイ素等の無機物や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機高分子(樹脂)が使用可能である。また、光透過性を備えるならば、前記材料を積層または混合して形成された複合材料を用いることもできる。本実施形態では、基板本体50Aの材料としてガラスを用いる。
【0023】
基板本体50Aの装置内面側(液晶層70側)には、素子層52が形成されている。素子層52は、液晶表示装置1を駆動させるための駆動素子や、各種配線、更には層状に積層される無機物または有機物の絶縁膜などを備えている。駆動素子や各種配線はフォトリソグラフィによりパターニングした後エッチングすることにより、また、絶縁膜は蒸着法やスパッタ法など通常知られた方法により適宜形成することができる。
【0024】
基板50の装置内面側の面には、反射表示領域Rと平面的に重なって反射層54が形成されている。反射層54は、アクリル樹脂等の樹脂層の上に、銀やアルミニウム等の金属反射膜が形成されてなる。該樹脂層の表面は凹凸形状を有しており、金属反射膜はこの凹凸形状を反映して形成されるため、反射層54は全体として凹凸面を有した光散乱性の反射手段を構成している。
【0025】
更に基板50の装置内面側の面には、反射層54と基板50とを覆って、透過表示領域Tと反射表示領域Rとに重なる共通電極56が形成されている。共通電極56は、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料で形成されている。
【0026】
共通電極56上には、表面を覆って全面に酸化シリコン等の無機絶縁膜からなる層間絶縁膜58が形成されており、層間絶縁膜58上には、透過表示領域Tと反射表示領域Rとに重なる画素電極60が形成されている。画素電極60はITO等の透明導電材料からなるものであり、平面視した状態では梯子形状を備えている。更に、層間絶縁膜52上には、画素電極60の表面を覆って液晶層配向膜62が形成されている。液晶層配向膜62は、液晶材料を配向することができれば特に限定は無く、ポリイミド膜をラビングして配向処理した有機配向膜や、酸化シリコンの斜方蒸着膜のような無機配向膜などを、いずれも好適に用いることができる。
【0027】
一方、本発明の特徴部分である対向基板100は、図示略のカラーフィルタを備えた第1基板10Aと、透過光に作用し光学補償を行う位相差層30と、位相差層30に透過光を集光する屈折レンズ20と、屈折レンズ20と位相差層30との離間距離を制御する離間層40と、を備える。
【0028】
第1基板10Aには、透明性を備える基板を用いることができ、例えばガラス、石英ガラス、窒化ケイ素等の無機物や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機高分子(樹脂)が使用可能である。また、光透過性を備えるならば、前記材料を積層または混合して形成された複合材料を用いることもできる。本実施形態では、第1基板10Aの材料としてガラスを用いる。
【0029】
第1基板10Aの装置内面側の面には、反射表示領域Rに重なって、屈折レンズ20が形成されている。屈折レンズ20は、断面形状が略半楕円形状の平凸レンズとなっており、凸側が装置内面側を向いて形成されている。屈折レンズ20は、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の感光性樹脂を用い、公知のフォトリソグラフィ技術により形成することができる。または、第1基板10Aの表面にマスクをパターニングして形成し、マスクを介して第1基板10Aをエッチングすることで第1基板10Aと一体に形成することができる。更には、第1基板10A上に窒化シリコンなどの高屈折率材料の層を形成した上で、エッチングにより屈折レンズ20を形成することとしても良い。
【0030】
第1基板10Aの装置内面側の面には、更に屈折レンズ20を覆って全面に離間層40が形成されている。離間層40は、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の有機材料や、酸化シリコン等の無機材料のうち、屈折レンズ20の形成材料よりも相対的に屈折率の低い材料を用いて形成することができる。ここで屈折レンズ20の形成材料よりも相対的に屈折率の高い材料を用いると、両者の屈折率の関係から、屈折レンズ20が凹レンズとして機能してしまうため、想定する集光機能を果たさない。
【0031】
離間層40上には、位相差の形成材料を所定の方向に配列させる図示略の位相差層配向膜が形成されており、その上に反射表示領域Rに重なって位相差層30が形成されている。位相差層30は、液晶材料(液晶モノマーや液晶オリゴマー)が重合してなる液晶ポリマーにより形成されており、液晶材料を塗布して、所定の配向状態に配向させた後に重合硬化することにより形成される。
【0032】
位相差層30は断面形状が台形状となっており、端面には離間層40から液晶層70に向けて順テーパ状のテーパ領域TPが形成されている。位相差層30のテーパ領域TP以外の領域は、表面が平坦な面となっており、離間層40と接する第1平坦面S1と液晶層70に対向する第2平坦面S2を備える。端面がテーパ状であることから、第1平坦面S1のほうが第2平坦面S2よりも広く、第1平坦面の両端部は、平面視で第2平坦面の両端部よりも張り出して形成されている。
【0033】
離間層40上には、更に位相差層30の表面を覆って全面に配向膜32が形成されている。配向膜32は液晶材料を配向することができれば特に限定は無く、ポリイミド膜をラビングして配向処理した有機配向膜や、酸化シリコンの斜方蒸着膜のような無機配向膜などを、いずれも用いることができる。
【0034】
その他、対向基板100および素子基板200は、不図示の偏光板を備えている。液晶表示装置1は以上のような構造となっており、液晶表示装置1の外部から入射した光は、屈折レンズ20で屈折され、位相差層30を透過する構成となっている。
【0035】
図2(b)は液晶表示装置1が備える対向基板100の要部斜視図である。図に示すように、対向基板100に備わる屈折レンズ20は、断面形状が略半円形または略楕円形であり半円筒の形状を備えたシリンドリカルレンズである。屈折レンズ20は、帯状に形成される位相差層30に平面的に重なって延在している。
【0036】
本発明の液晶表示装置1では、課題を解決するために、上述した屈折レンズ20と位相差層30の端部の位置関係が特徴的なものとなっている。そこで次に、本発明の特徴部分について図を参照しながら詳しく説明する。
【0037】
図3は、屈折レンズ20の断面端部付近の拡大図である。図3(a)は反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界付近を、図3(b)は反射表示領域Rとブラックマトリクスとの境界付近をそれぞれ図示している。
【0038】
図3(a)に示すように、屈折レンズの一端20aは、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界付近において、位相差層30が備える該境界側のテーパ領域(第1テーパ領域TP1)と平面的に重なるように配置している。本実施形態では、屈折レンズの一端20aが第1平坦面の一端S1aと平面的に重なるように、つまり、屈折レンズ20と位相差層30との端部同士が重なるように配置されている。このように配置された屈折レンズ20は、第1テーパ領域TP1に差し込むはずの入射光を位相差層30の第2平坦面S2に向かって屈折し、第1テーパ領域TP1への光の入射を防ぐ。屈折レンズの一端20aが透過表示領域Tに平面的に重なって配置されると、透過表示領域Tを透過する光に作用し、透過表示領域Tの周縁部の画像が乱れるため好ましくない。また、屈折レンズの一端20aが第1テーパ領域TP1と重ならない場合には、第1テーパ領域TP1へ入射する光に変化がなく、光漏れの課題が解決されない。
【0039】
また、図3(b)に示すように、屈折レンズ20の他方の端部20bは、反射表示領域Rと非表示領域45との境界付近において、第2テーパ領域TP2と平面的に重なる領域を越え、画素間に配置された非表示領域45と重なるように配置している。このように配置された屈折レンズ20は、非表示領域45に差し込むはずの入射光を位相差層30へ導くため、反射表示領域Rに入射する光量が増え、反射表示領域Rでの表示画像が鮮明なものとなる。
【0040】
次いで、課題を解決するための屈折レンズ20の形態について図4を用いて説明する。図中において、符号rは屈折レンズ20の曲率半径、Pは屈折レンズ20の曲率半径を想定する際の円中心、Lは屈折レンズ20の幅(直径)、Dは屈折レンズ20の平坦面から位相差層30の第2平坦面S2までの距離、dは屈折レンズ20の端部と位相差層30の第2平坦面の一端S2aまでの平面視での距離を表している。ここでは、長さの単位は全てμmであるとする。また、装置外部から屈折レンズ20に平行光が入射する場合、屈折レンズ20の端部における接線H1に対する法線H2と入射光ILとがなす角度をθ、屈折レンズ20によって屈折した入射光が法線H2となす角度をφとする。
【0041】
屈折レンズ20の形成材料の屈折率をn、離間層40の形成材料の屈折率をnとすると、角度θと角度φとは以下の式(1)を満たす。
【0042】
【数1】

【0043】
また、この例においては、屈折レンズ20で屈折された入射光ILを全て位相差層30の第2平坦面S2に入射させるためには、以下の式(2)を満たすこととすればよい。
【0044】
【数2】

【0045】
上記の関係から、屈折レンズ20で屈折された入射光ILを全て位相差層30の第2平坦面S2に入射させるためには、それぞれの数値が以下の式(3)を満たすこととすればよい。
【0046】
【数3】

【0047】
続いて、図を参照しながら液晶表示装置1の製造方法について説明する。本発明の液晶表示装置1は、特徴部分である対向基板100以外は従来知られた液晶表示装置と同じであるため、対向基板100の製造方法について以下に詳しく説明する。図5は、対向基板100の製造工程を示す工程図であり、前述の式(3)を満たすように各々の部分を形成するものとする。
【0048】
まず、図5(a)に示すように、第1基板10A上に従来公知のフォトリソグラフィ技術を用いて屈折レンズ20を形成する。本実施形態では、屈折率1.6の紫外線硬化性エポキシ樹脂を用いて屈折レンズ20を形成する。
【0049】
次いで、図5(b)に示すように、第1基板10A上であって屈折レンズ20を覆って全面に、離間層40を形成する。本実施形態では、離間層40の形成材料に屈折率1.5の紫外線硬化性アクリル樹脂を用いる。屈折レンズ20と離間層40との各々の形成材料が備える屈折率の差により、屈折レンズ20は平凸レンズとして機能する。
【0050】
次いで、図5(c)に示すように、離間層40上に形成した図示略の位相差層配向膜の上に、位相差層30の形成材料を含む溶液を塗布し、乾燥させて表面が平坦な材料層30aを形成する。液晶材料を含む溶液の塗布は、液滴吐出法やディスペンサ法、またはフレキソ印刷やスクリーン印刷といった印刷法、あるいはスピンコート法などの湿式塗布法を用いて行うことができる。中でも、液滴吐出法やディスペンサ法や印刷法を用いると、所望の位置に必要量の液晶材料を塗布することができるため、材料の無駄を無くすことができ好適である。本実施形態ではフレキソ印刷法を用いて液晶材料の塗布を行う。
【0051】
次いで、図5(d)に示すように、形成した材料層30aに対して、形成する位相差層30に対応する開口部を備えたマスクMを介して紫外線UVを照射し、開口部に対応する領域の液晶材料を重合させる。マスクMは、材料層30aの上部に配置され、マスクMの上部から紫外線UVが照射される。紫外線UVが照射されると、マスクMの開口部で回折しマスクMの裏面側に回り込んだ紫外線UVが材料層30Aに対して斜めに入射し、断面台形状に材料層30aを重合させる。そのため、テーパ領域を備えた断面形状が台形状の位相差層30が形成される。
【0052】
使用する液晶材料、マスクMの形状、紫外線UVの照射時間等の各種条件を一定とすることにより、再現性良く同形状のテーパ領域を備えた位相差層30を形成することが可能である。したがって、テーパ形状を考慮して、形成する位相差層30の平面視形状よりも小さい開口部を備えたマスクMを使用し、テーパ領域を形成した後に、位相差層30の離間層40と接する面(第1平坦面S1)が反射表示領域Rの大きさと等しくなるように制御することが好ましい。
【0053】
次いで、図5(e)に示すように、位相差層30を覆って材料層40の表面全面に通常知られた方法により配向膜32を形成する。以上のようにして屈折レンズ20と位相差層30とを内蔵した対向基板100を製造することができる。このように製造される対向基板100を用い、従来知られた方法にて液晶表示装置1を製造することができる。
【0054】
以上のような構成の液晶表示装置によれば、位相差層30のテーパ領域TPに入射光ILが差し込む前に、屈折レンズ20が配置されているため、入射光ILは位相差層30の第2平坦面S2に導かれる。そのため、テーパ領域TPへ入射する光量が低減し、画質の低下を抑制した液晶表示装置1を提供できる。
【0055】
また、本実施形態では、位相差層の一端S1aは、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界に平面的に重なって配置され、屈折レンズの一端20aは、位相差層30の一端S1aと平面的に重なって配置されている。そのため、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界における光漏れを抑制し、高いコントラスト比が得られる液晶表示装置1とすることができる。
【0056】
また、本実施形態では、屈折レンズの他端20bが、画素間に配置される非表示領域45と平面的に重なって配置されている。そのため、非表示領域45へ差し込む光を反射表示領域Rへ導き、光の利用効率が高く視認性に優れる反射表示領域Rを備えた液晶表示装置1とすることができる。
【0057】
また、本実施形態では、屈折レンズ20は、位相差層30が延在する平面視形状に対応し、帯状に形成されている。そのため、全てのテーパ領域TPにおいて差し込む光を第2平坦面S2に導くことができる屈折レンズ20とすることができ、集光効率が高く効果的な外光利用が可能となる結果、良好な表示が可能な液晶表示装置とすることができる。
【0058】
また、本実施形態で使用する集光素子は、断面形状が略半楕円形である屈折レンズ20となっている。そのため、集光素子としての機能を十分に確保できる上に、形成が容易であり、良好に第2平坦面S2に光を集めることができる。
【0059】
なお、本実施形態においては、屈折レンズ20は平凸レンズとしたが、フレネルレンズを用いることとしてもよい。また、回折レンズを形成して集光素子として利用することも可能である。
【0060】
また、本実施形態においては、屈折レンズ20および位相差層30は、サブ画素D間や画素X間にまたがって帯状に延在していることとしたが、これらの一方または両方がサブ画素D毎に、または画素X毎に形成することとしても構わない。
【0061】
また、本実施形態においては、屈折レンズの他端20bが、画素間に配置される非表示領域45と平面的に重なって配置されていることとしたが、反射表示領域Rを覆っているならば、非表示領域45にまで延在していなくても構わない。
【0062】
[第2実施形態]
図6から図8は、本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置の説明図である。本実施形態の液晶表示装置は、第1実施形態と一部共通している。異なるのは、集光素子を液晶ポリマーを用いた液晶レンズとすることである。したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0063】
図6に示すように、本実施形態の液晶表示装置2は、対向基板110に第1基板10Aと、第2基板10Bと、第1および第2の両基板に挟持された液晶レンズ(集光素子)22Aを含む液晶レンズ層22と、透過光に作用し光学補償を行う位相差層30と、を備える。以下、特徴部分である対向基板110について詳細に説明する。
【0064】
第2基板10Bは、第1基板10A同様の材料を好適に用いることが可能である。本実施形態では、第2基板10Bの材料としてガラスを用いる。
【0065】
第1基板10Aの第2基板10Bと対向する面には第1配向電極12Aが配置されており、同様に、第2基板10Bの第1基板10Aと対向する面には第2配向電極12Bが配置されている。第1配向電極12Aは、位相差層30に平面的に重なる領域以外の領域に形成されており、第2配向電極12Bは、平面視ベタ状の形状となっている。これらの両配向電極は、ITO等の透明導電材料で形成されており、スパッタ法やマスク蒸着法などの公知の方法を用いて形成することができる。
【0066】
第1および第2の両基板が対向する面には、各配向電極の表面を覆ってポリイミド等からなる図示略のレンズ層配向膜がそれぞれ形成されており、この配向膜に液晶ポリマーで形成される液晶レンズ層22が挟持されている。レンズ層配向膜は、液晶レンズ層22の形成材料である液晶材料を両基板に水平に配向させる水平配向膜である。
【0067】
液晶レンズ層22は、反射表示領域Rに重なって形成される液晶レンズ22Aと、透過表示領域Tに重なって形成される透光部22Bとを備えている。液晶レンズ層22は、誘電異方性が正の液晶材料LCを重合させた液晶ポリマーで形成されており、第1実施形態の液晶表示装置1が備える屈折レンズ20と同様に、帯状に形成される位相差層30に平面的に重なって帯状に形成されている。図中では液晶材料LCを長い棒状の形と考え、小さい矩形で配向状態を表している。用いる液晶材料LCは光硬化性であることが好ましい。重合させることが容易であり、かつ硬化収縮が小さいため、液晶レンズ層22の形成材料に適している。本実施形態では、紫外線硬化性の液晶材料LCを用いる。
【0068】
図中破線で矩形に囲む部分に形成される液晶レンズ22Aは、装置に入射する平行光の光軸に垂直な方向に屈折率分布を有する屈折率分布レンズである。ここでは、液晶レンズ22Aの平面視中央部付近の屈折率が高く、端部方向に屈折率が低くなるように屈折率が変化するいわゆるラジアル型の屈折率分布レンズとなっている。屈折率分布レンズは、レンズ内部の屈折率勾配を利用して入射光を歪曲し、焦点に集光する機能を備えている。
【0069】
本実施形態の液晶レンズ22Aは、液晶材料LCが備える屈折率の異方性を利用し、液晶レンズ22Aに屈折率分布を持たせている。また透光部22Bでは、装置に入射する平行光の光軸に略平行な方向に液晶材料LCが配向し、このような配向を保持したまま液晶ポリマーを構成している。詳細な構造については、後に製造方法と共に説明する。
【0070】
第2基板12Bの液晶層70側の面には、反射表示領域Rに重なって位相差層30が形成されており、更に位相差層30の表面を覆って全面に配向膜32が形成されている。本実施形態の液晶表示装置2が備える対向基板110は、以上のような構成となっている。
【0071】
次いで、課題を解決するための液晶レンズ22Aの形態について図7を用いて説明する。図中において、符号rは液晶レンズ22Aの中心から外周までの幅、wは液晶レンズ22Aの厚み、Pは液晶レンズ22Aの焦点、fは液晶レンズ22Aの焦点距離、Dは液晶レンズ20の装置外側の面から第2平坦面S2までの距離、dは液晶レンズ22Aの端部から第2平坦面の一端S2aまでの平面視での距離を表している。ここでは、長さの単位は全てμmであるとする。
【0072】
液晶レンズ22Aの中央部での屈折率をn、端部での屈折率をnとすると(ただし、n>n)、中心部と端部との屈折率差Δnを用いて(ただし、Δn=n−n)、焦点距離fは以下の式(4)で与えられる。
【0073】
【数4】

【0074】
装置外部から液晶レンズ22Aの端部への入射光ILが直線光で焦点Pに収束すると近似した場合、入射光ILの屈折角をθとする。液晶レンズ22Aの端部での法線H3と、液晶レンズ22Aの第1基板10A側の面における端部と第2平坦面の一端S2aとを結ぶ線H4とがなす角をφとすると、液晶レンズ22Aで歪曲された全ての入射光ILを位相差層30の第2平坦面S2に導くためには、これらの角度がθ>φという関係を満たすこととすればよい。
【0075】
上記の関係から、液晶レンズ22Aで歪曲された入射光ILを全て位相差層30の第2平坦面S2に入射させるためには、それぞれの数値が以下の式(5)を満たすこととすればよい。
【0076】
【数5】

【0077】
続いて図を参照しながら、本実施形態の液晶表示装置2の製造方法を説明する。図8は液晶表示装置2が備える対向基板110の製造工程図である。該矩形の長軸方向は、液晶材料LCの向き(配向方向)を示している。以下の説明においては、前述の式(5)を満たすように各々の部分を形成するものとする。
【0078】
図8(a)に示すように、第1基板10A上の反射表示領域Rと重ならない領域に第1配向電極12Aを形成し、第1基板10Aの第1配向電極12Aが形成された面に、ポリイミド配向膜であるレンズ層配向膜を形成する。次いで、該配向膜上に液晶材料LCを含む溶液を塗布し溶媒を蒸発させて材料層22aを形成する。材料層22aを構成する液晶材料LCは、配向膜の配向方向に配列する。
【0079】
次いで、図8(b)に示すように、第2配向電極12Bおよびレンズ層配向膜を形成した第2基板10Bを、レンズ層配向膜の側から材料層22a上に配置し、圧着する。この際、材料層22aの周囲に図示略のシール材を配置して第1および第2の両基板を接着することとしても良い。
【0080】
次いで、図8(c)に示すように、電源300を用いて各配向電極の間に印加し、配向電極間に電界を発生させる。すると、第1配向電極12Aが形成された領域では、基板の法線方向に略平行な電界が発生するため、材料層22aを構成する液晶材料LCが基板の法線方向に配列する。
【0081】
一方、第1配向電極12Aが形成されていない領域では、第1配向電極12Aの端部から第2配向電極12Bに向かって放射状に広がる電界に沿って液晶材料LCが配列する。すると、第1配向電極12Aが形成されていない領域の第1配向電極12Aの端部付近では、液晶材料LCが基板の法線方向に略平行に配向する。また、第1配向電極12Aの端部から遠ざかるにつれて基板の法線方向に水平な配向に近づき、反射表示領域Rの中央部付近では略水平配向となる。このように、反射表示領域Rに重なる材料層22aでは、反射表示領域Rの基板の法線に垂直な方向(幅方向)に配向状態がことなるため、液晶材料LCが備える屈折率の異方性により、幅方向に屈折率が変化する。
【0082】
液晶材料LCがこのような配向を保持した状態で、材料層に紫外線を照射し液晶材料LCを重合硬化させる。反射表示領域Rに重なる材料層では、幅方向に屈折率が変化した配向状態で重合硬化するため、入射光に対して屈折率分布レンズとして作用する液晶レンズ22Aを形成する。また、第1配向電極12Aが形成された領域では、対向基板110の法線方向に液晶材料LCが配向するため、該法線方向には屈折率が一定である。そのため、入射光に対して作用しない透光部22Bとなる。このように、光に作用する液晶レンズ22Aと光に作用しない透光部22Bとを備える液晶レンズ層22を形成することができる。また、第1配向電極12Aの端部の位置は液晶レンズ22Aの端部の位置と一致するため、第1配向電極12Aの配置位置によって液晶レンズ22Aの端部位置を制御することができる。
【0083】
次いで、図8(d)に示すように、第2基板10Bの液晶レンズ層22と対向しない面に、第1実施形態と同様の方法にて反射表示領域Rに重なる位相差層30、および位相差層30を覆って全面に配向膜32を形成する。以上のようにして、集光素子を内蔵した対向基板110を製造し、このように製造される対向基板110を用い、従来知られた方法にて液晶表示装置2を製造することができる。
【0084】
以上のような構成の液晶表示装置2によれば、集光素子は入射光の光軸に対して垂直な方向に屈折率分布を有する屈折率分布レンズであり、また、配向電極により発生させる電界方向に液晶材料を配列させて形成する液晶レンズ22Aである。そのため、平坦な表面を備える集光素子とすることができ、セル厚ムラに起因する表示品質の低下を回避することができる上に、電界を制御することで液晶材料LCの配向を制御して良好な屈折率分布レンズを形成し、優れた画像表示が可能な液晶表示装置2とすることができる。
【0085】
また、本実施形態においては、透光部22Bの液晶材料LCの配向方向は、対向基板110の法線方向に平行であることとしたが、これに限らない。本発明における透光部22Bの液晶材料LCは、第1基板10Aが備える不図示の偏光板を透過して入射する偏光に対し、基板の法線方向に対して屈折率分布がなく、且つ光学的な作用を及ぼさない配向であれば良い。そのため、液晶材料LCの配向状態は、第1基板10Aの面方向に水平であって、且つ入射光の偏光方向に対して垂直もしくは平行な配向状態であっても構わない。
【0086】
[電子機器]
次に、本発明の電子機器の実施形態について説明する。図9は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。図9に示す携帯電話1300は、本発明の液晶表示装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。これにより、本発明の液晶表示装置により構成された、位相差層が備える厚み差による表示画像の乱れを低減し、良好な表示を実現する表示部を備えた携帯電話1300とすることができる。
【0087】
上記各実施の形態の液晶表示装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、プロジェクタ、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、テレビジョン受像機、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、かかる構成とすることで、表示品質が高く、信頼性に優れた液晶表示部を備えた電子機器を提供できる。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置1の平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置1の概略断面図である。
【図3】対向基板100の位相差層30付近の端部構造を説明する拡大断面図である。
【図4】液晶表示装置1に係る対向基板100の構造を説明する概略図である。
【図5】第1実施形態の液晶表示装置1に係る対向基板100の製造工程図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置2の断面図である。
【図7】液晶表示装置2に係る対向基板110の構造を説明する概略図である。
【図8】第2実施形態の液晶表示装置2に係る対向基板110の製造工程図である。
【図9】本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0090】
1,2…液晶表示装置、20…屈折レンズ(集光素子)、22A…液晶レンズ(集光素子)、30…位相差層、45…非表示領域、70…液晶層、1300…電子機器、IL…入射光、R…反射表示領域、T…透過表示領域、TP…テーパ領域、X…画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1画素内に反射表示領域と透過表示領域とを備えた液晶表示装置であって、
液晶層を挟持する一対の基板と、
前記一対の基板のうち一方の基板の前記液晶層側の、前記反射表示領域と平面的に重なる領域に設けられ、端面にテーパ領域が形成された位相差層と、
前記一方の基板と前記位相差層との間に設けられ、前記一方の基板側から前記液晶層側に向けて差し込む入射光を前記テーパ領域を除く領域に導く集光素子と、を備え、
前記集光素子の端部が、前記テーパ領域と平面的に重なって形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記位相差層の一端は、前記反射表示領域と前記透過表示領域との境界に平面的に重なって配置され、
前記集光素子の一端は、前記位相差層の一端と平面的に重なって配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記集光素子と前記液晶層との間であって前記画素の周囲には非表示領域が配置され、
前記集光素子の他端は、前記非表示領域と平面的に重なって配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記集光素子は、前記位相差層の平面視形状と一致した形状を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記集光素子は断面での形状が略半円形または略半楕円形である屈折レンズであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記集光素子は、入射光の光軸に対して垂直な方向に屈折率分布を有する屈折率分布レンズであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記屈折率分布レンズは、所定の電界方向に配列した液晶材料の配向分布に基づき前記屈折率分布を形成する液晶レンズであることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7に記載の液晶表示装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−145445(P2009−145445A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320476(P2007−320476)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】