説明

液晶表示装置

【課題】本発明は、光漏れを防止し、従来通りの組み立て精度で液晶表示装置を小型化することを目的とする。
【解決手段】液晶表示装置は、基板12及び基板12の端部を避けた領域に貼り付けられた偏光板18を含む液晶表示パネル10と、バックライト20と、液晶表示パネル10とバックライト20の間に配置されて偏光板18よりも小さい光学シート22と、第1凹部26と第1凹部26の底面に形成された第2凹部30と第2凹部30の底面に形成された第3凹部34とを有し第3凹部34の底面の内側にバックライト20を配置するフレーム24と、第1凹部26の底面に粘着して第2凹部30に突出する遮光両面テープ40を有する。基板12と第1凹部26の底面とが、遮光両面テープ40によって粘着されている。第2凹部30の内側に偏光板18が配置されている。第3凹部34の内側に光学シート22が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置の小型化に伴い、液晶表示パネルの表示領域の周辺部分(額縁)を小さくすることが要求されている(特許文献1参照)。液晶表示パネルは、ガラス基板の端部が偏光板から突出しており、ガラス基板の端部が両面粘着テープによってフレームに取り付けられている。偏光板は、フレームの凹部に収容されており、これにより薄型化が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−256585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
偏光板を通過しない光が斜めに表示領域に入ることを防止するためには、偏光板を表示領域の外側まで延ばす必要があるので、表示領域から偏光板の端までの距離を小さくすることは難しい。
【0005】
ガラス基板とフレームを固定する両面粘着テープは、切断加工の困難性から幅を小さくすることが難しいので、幅が広くなっていた。そのため、従来の構造では、ガラス基板とフレームとの粘着面積が広くなっており、小型化の妨げとなっていた。
【0006】
偏光板とフレームとの間の光漏れを防止するためには、フレームの凹部に隙間なく偏光板を配置することが好ましく、この隙間を減らすことは液晶表示装置の小型化にも寄与する。しかし、部品の加工精度及び組み立て精度からそれは困難であり、偏光板の一方の端部がフレーム上に載ってしまうと、液晶表示パネルが傾く一方で、偏光板の他方の端部とフレームとの間の隙間が大きくなって光漏れが生じるという問題が生じる。
【0007】
本発明は、光漏れを防止し、従来通りの組み立て精度で液晶表示装置を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る液晶表示装置は、基板及び前記基板の端部を避けた領域に貼り付けられた偏光板を含む液晶表示パネルと、バックライトと、前記液晶表示パネルと前記バックライトの間に配置された、前記偏光板よりも小さい光学シートと、第1凹部と、前記第1凹部の底面に形成された第2凹部と、前記第2凹部の底面に形成された第3凹部と、を有し、前記第3凹部の底面の内側に前記バックライトを配置するフレームと、前記第1凹部の前記底面に粘着して前記第2凹部に突出する遮光両面テープと、を有し、前記基板と前記第1凹部の前記底面とが、前記遮光両面テープによって粘着され、前記第2凹部の内側に前記偏光板が配置され、前記第3凹部の内側に前記光学シートが配置されていることを特徴とする。本発明によれば、遮光両面テープが、第1凹部の底面から第2凹部に突出して、第2凹部で光を遮るので、光漏れを防止することができる。また、遮光両面テープは、第2凹部に突出するように設けるので、第1凹部の幅が狭くても、幅の広い遮光両面テープを使用することができる。さらに、光学シートが偏光板よりも小さいので、偏光板の端部の下方にスペースを形成することができ、このスペースに遮光両面テープの端部を収容することができ、偏光板と光学シートの間に遮光両面テープが挟まれないようにすることができる。
【0009】
(2)(1)に記載された液晶表示装置において、前記遮光両面テープの少なくとも一部は、前記偏光板に接触していることを特徴としてもよい。
【0010】
(3)(1)又は(2)に記載された液晶表示装置において、前記第2凹部の深さDと、前記遮光両面テープの厚みtと、前記偏光板の厚みtとは、
D≧t+t
の関係を有することを特徴としてもよい。
【0011】
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、前記第2凹部の前記底面の、前記第1凹部と前記第3凹部との間の幅は、前記遮光両面テープの厚み以上であることを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置を示す平面図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置のII-II線断面図である。
【図3】図2に示す液晶表示装置の異なる組み立て例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置を示す平面図である。図2は、図1に示す液晶表示装置のII-II線断面図である。
【0014】
液晶表示装置は、液晶表示パネル10を有する。液晶表示パネル10は、一対の基板12(ガラス基板)を有し、両者間には図示しない液晶が介在する。一方の基板12は、薄膜トランジスタ、画素電極及び配線などを含むTFT(Thin Film Transistor)基板(又はアレイ基板)であり、他方の基板12はカラーフィルタ基板である。液晶表示パネル10の駆動方式は、IPS(In Plane Switching)方式、TN(Twisted Nematic)方式又はVA(Vertical Alignment)方式などいずれの方式であってもよく、方式に応じた電極及び配線が形成される。
【0015】
一方の基板12の端部には、液晶を駆動するためのドライバ回路を内蔵する集積回路チップ14が搭載されている。また、一方の基板12の端部には、フレキシブル配線基板16が取り付けられている。
【0016】
液晶表示パネル10は、偏光板18を含む。偏光板18は、基板12の端部(周端部)を避けた領域(基板12の周端部に囲まれた領域)に貼り付けられている。偏光板18が、基板12からその厚み方向に突出している。つまり、液晶表示パネル10は、周端部において偏光板18が無いので薄くなり、中央部において偏光板18があるために厚くなっている。
【0017】
液晶表示装置は、バックライト20を有する。図2には、バックライト20の一部である導光板が示されている。導光板は、点光源としての発光ダイオード(図示せず)の光を面光源に変換して液晶表示パネル10に照射するためのものである。バックライト20の発光面は、偏光板18の方向に向けられている。
【0018】
液晶表示パネル10とバックライト20の間には光学シート22が配置されている。光学シート22は、拡散シート及びプリズムシートなどを含む。光学シート22は、偏光板18よりも小さい。詳しくは、光学シート22は、バックライト20の発光面と対向する面と、この面とは反対の面と、を有し、これらの面の外形が偏光板18の外形よりも小さい。ここで、外形が小さいとは、面積が小さいだけでなく、小さい方の外形が、大きい方の外形の内側に完全に入る形状であることをいう。偏光板18と光学シート22は、相対的な位置によっては、光学シート22の全体が偏光板18に対向する場合(図2参照)と、光学シート22の一部が偏光板18からはみ出す場合(図3参照)がある。
【0019】
液晶表示装置は、フレーム24を有する。フレーム24は、樹脂のモールド成形品であり、モールドともよばれる。フレーム24には第1凹部26が形成されている。第1凹部26は、液晶表示パネル10を内側に配置できる大きさを有する。詳しくは、第1凹部26の内側面が液晶表示パネル10の周縁の外側を囲むようになっている。さらに、第1凹部26の内側面と液晶表示パネル10の周縁との間には第1スペース28が形成されている。第1スペース28は、液晶表示パネル10の両側(相互に反対を向く側。以下同じ。)にそれぞれ形成されている。第1凹部26の深さは、液晶表示パネル10の周端部(偏光板18の存在しない部分)の厚みと、遮光両面テープ40の厚みの合計厚みと同じかそれ以上になっている。
【0020】
フレーム24には第2凹部30が形成されている。第2凹部30は、第1凹部26の底面に形成されている。第2凹部30は、偏光板18を内側に配置できる大きさを有する。第2凹部30の内側に偏光板18が配置されている。詳しくは、第2凹部30の内側面が偏光板18の周縁の外側を囲むようになっている。さらに、第2凹部30の内側面と偏光板18の周縁との間には第2スペース32が形成されている。第2スペース32は、偏光板18の両側にそれぞれ形成されている。両側の第2スペース32の幅の合計は、両側の第1スペース28の幅の合計よりも大きい。
【0021】
フレーム24には第3凹部34が形成されている。第3凹部34は、第2凹部30の底面に形成されている。第3凹部34は、光学シート22を内側に配置できる大きさを有する。第3凹部34の内側に光学シート22が配置されている。詳しくは、第3凹部34の内側面が光学シート22の周縁の外側を囲むようになっている。さらに、第3凹部34の内側面と光学シート22の周縁との間には第3スペース36が形成されている。第3スペース36は、光学シート22の両側にそれぞれ形成されている。
【0022】
フレーム24の内側にバックライト20が配置されている。詳しくは、フレーム24に貫通穴38が形成されており、貫通穴38内にバックライト20が配置されている。貫通穴38は第3凹部34の底面に形成されている。言い換えると、第3凹部34の底面が貫通穴38を囲んでおり、第3凹部34の底面の内側にバックライト20が配置されている。
【0023】
液晶表示パネル10とフレーム24との間に遮光両面テープ40が配置されている。遮光両面テープ40は、文字通り遮光性を有する。遮光両面テープ40は、第1凹部26の底面から第2凹部30に突出する。遮光両面テープ40の一対の部分(図2で左右に位置する部分)が、それぞれ、偏光板18の両側に向けて対向する方向に延びている。遮光両面テープ40は、第2凹部30に突出するように設けるので、第1凹部26の底面の幅が狭くても、幅の広い遮光両面テープ40を使用することができる。
【0024】
液晶表示パネル10の基板12と第1凹部26の底面とが、遮光両面テープ40によって粘着されている。これにより、液晶表示パネル10がフレーム24に固定される。また、遮光両面テープ40が、第1凹部26の底面から第2凹部30に突出して、第2凹部30で光を遮るので、光漏れを防止することができる。
【0025】
本実施の形態では、第2凹部30の深さDと、遮光両面テープ40の厚みtと、偏光板18の厚みtとは、
D≧t+t
の関係を有する。また、第2凹部30の底面の、第1凹部26と第3凹部34との間の幅Wと、遮光両面テープ40の厚みtとは、
W≧t
の関係を有する。
【0026】
図3は、図2に示す液晶表示装置の異なる組み立て例を示す図である。図3に示すように、組み立て誤差によって、液晶表示パネル10が第1凹部26の一方に片寄って、一方の第2スペース32(図3で左側)が狭くなり、他方の第2スペース32(図3で右側)が広くなることがある。狭くなった第2スペース32では、第2凹部30に入り込んだ遮光両面テープ40は、偏光板18に押されて、第2スペース32内に入り込む。なお、光学シート22及び遮光両面テープ40を予めフレーム24の適切な位置に取り付けてあることを前提とする。
【0027】
上述したように、
D≧t+t
であるため、第2底面と偏光板18の間に遮光両面テープ40を挟んでも、液晶表示パネル10が傾かないようになっている。また、
W≧t
であるため、偏光板18の端面と第2底面の間に遮光両面テープ40を逃がすことができ、この点でも液晶表示パネル10の傾きを防止することができる。
【0028】
また、広くなった第2スペース32(図3の右側)では、第2凹部30内に突出した遮光両面テープ40によって光漏れを減らすことができる。
【0029】
[変形例]
図4は、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の変形例を示す図である。図2に示す例では、液晶表示パネル10をフレーム24の中央に適切に配置してあり、遮光両面テープ40が偏光板18に接触しないようになっている。
【0030】
これに対して、本変形例では、遮光両面テープ140の少なくとも一部(例えば一部のみ)が偏光板18に接触している。この場合でも、光学シート22が偏光板18よりも小さいので、偏光板18の端部の下方に形成される第3スペース36に、遮光両面テープ140の端部を収容することができ、偏光板18と光学シート22の間に遮光両面テープ140が挟まれないようにすることができる。
【0031】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施の形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0032】
10 液晶表示パネル、12 基板、14 集積回路チップ、16 フレキシブル配線基板、18 偏光板、20 バックライト、22 光学シート、24 フレーム、26 第1凹部、28 第1スペース、30 第2凹部、32 第2スペース、34 第3凹部、36 第3スペース、38 貫通穴、40 遮光両面テープ、140 遮光両面テープ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板及び前記基板の端部を避けた領域に貼り付けられた偏光板を含む液晶表示パネルと、
バックライトと、
前記液晶表示パネルと前記バックライトの間に配置された、前記偏光板よりも小さい光学シートと、
第1凹部と、前記第1凹部の底面に形成された第2凹部と、前記第2凹部の底面に形成された第3凹部と、を有し、前記第3凹部の底面の内側に前記バックライトを配置するフレームと、
前記第1凹部の前記底面に粘着して前記第2凹部に突出する遮光両面テープと、
を有し、
前記基板と前記第1凹部の前記底面とが、前記遮光両面テープによって粘着され、
前記第2凹部の内側に前記偏光板が配置され、
前記第3凹部の内側に前記光学シートが配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された液晶表示装置において、
前記遮光両面テープの少なくとも一部は、前記偏光板に接触していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された液晶表示装置において、
前記第2凹部の深さDと、前記遮光両面テープの厚みtと、前記偏光板の厚みtとは、
D≧t+t
の関係を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、
前記第2凹部の前記底面の、前記第1凹部と前記第3凹部との間の幅は、前記遮光両面テープの厚み以上であることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−223999(P2010−223999A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68213(P2009−68213)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】