説明

液晶表示装置

【課題】高輝度であり良好な視野角特性を有し、良好な映像を表示できる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、LCDパネル11と、面光源装置10とを備え、面光源装置10は、略円柱形状の一部形状又は楕円柱の一部形状である出光側単位レンズ131が複数配列された導光板13と、出光側単位レンズ131の稜線方向に直交する方向に位置する側面13a,13bに沿ってかつこの側面13a,13bに対向する位置に設けられる光源部12A,12Bと、導光板13とLCDパネル11との間に設けられ、出光側に略円柱形状の一部形状又は楕円柱の一部形状である単位レンズ141が複数配列されたレンズシート14とを備え、LCDパネル11の下偏光板112の透過軸は、表示装置1の観察画面に直交する方向から見て、単位レンズ141の配列方向に略平行であるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、面光源装置によって背面側からLCDパネルを照明して映像を表示する液晶表示装置の普及には目覚ましいものがある。この液晶表示装置に用いられる面光源装置としては、エッジライト型、直下型等のものが知られている。
エッジライト型の面光源装置は、導光板の少なくとも一端面に面する位置に、光源を配置する形態であり、各種光学シートの背面側に光源を配置する直下型の面光源装置に比べて、面光源装置の厚さを薄くできる等の利点がある。そのため、エッジライト型の面光源装置を使用した液晶表示装置は、様々な用途に利用されており、その光学特性等に関する開発も盛んに行われている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−265613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶表示装置の普及に伴い、液晶表示装置のさらなる薄型化に対する要求が高まっている。また、表示装置として、高輝度かつ良好な視野角特性を有する映像を表示することは、常々求められていることである。しかし、薄型化のために、面光源装置に使用する光学シート等を単に削減すると、正面輝度の低下や視野角の低下に加え、輝度ムラ等を招いてしまうという問題があった。
また、軽量化や意匠性の向上等の観点から、ベゼル(液晶透過型表示部の観察側に設けられる枠状の部材)の狭幅化が進み、これに伴い、光源部からの光漏れ等に起因したホットスポットが観察されやすくなるという問題があった。このホットスポットは、薄型化による光学シート等の枚数の削減により、さらに生じやすくなる。
さらに、薄型化に伴う光学シートの削減により、導光板の裏面に形成されたドットパターン等が視認されやすくなることが問題となっていた。
【0005】
本発明の課題は、高輝度であり良好な視野角特性を有し、良好な映像を表示できる液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、背面側に設けられる第1偏光板(112)と観察者側に設けられる第2偏光板(113)との間に液晶層(111)を備える液晶透過型表示部(11)と、前記液晶透過型表示部を背面側から照明する面光源装置(10)と、を備える液晶表示装置であって、前記面光源装置は、出光面(13c)側に、略円柱形状の一部形状又は略楕円柱形状の一部形状である出光側単位レンズ(131)が複数配列された導光板(13)と、前記出光側単位レンズの稜線方向に直交する方向に位置する前記導光板の2つの側面(13a,13b)のうち少なくとも1つの前記側面に沿ってかつ前記側面に対向する位置に設けられる光源部(12A,12B)と、前記導光板と前記液晶透過型表示部との間に設けられ、その液晶透過型表示部側の面に、略円柱形状の一部形状又は楕円柱の一部形状である単位レンズ(141)が複数配列されたレンズシート(14)と、を備え、前記第1偏光板の透過軸は、この液晶表示装置の観察画面に直交する方向から見て、前記単位レンズの配列方向に略平行であること、を特徴とする液晶表示装置(1,2)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置において、この液晶表示装置の観察画面に直交する方向から見て、前記出光側単位レンズ(131)の配列方向と、前記単位レンズ(141)の配列方向とは直交すること、を特徴とする液晶表示装置(1,2)である。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置において、前記光源部(12A,12B)は、使用状態におけるこの液晶表示装置の画面左右方向の両端部の少なくとも一方に設けられること、を特徴とする液晶表示装置(1,2)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の液晶表示装置において、前記第1偏光板(112)の透過軸は、使用状態におけるこの液晶表示装置の画面左右方向に平行又は略平行であること、を特徴とする液晶表示装置(1,2)である。
【0008】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の液晶表示装置において、前記レンズシート(14)よりも前記導光板(13)側に、第2のレンズシート(26)を備え、前記第2のレンズシートの前記液晶透過型表示部側の面には、略円柱形状の一部形状、又は略楕円柱形状の一部形状である単位レンズ(261)が複数配列されており、その配列方向が前記単位レンズ(141)の配列方向に直交すること、を特徴とする液晶表示装置(2)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の液晶表示装置において、光を拡散する作用を有する光拡散シートを備えていること、を特徴とする液晶表示装置である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の液晶表示装置において、所定の偏光を透過し、それ以外の偏光を反射する偏光選択反射シート(15)を前記液晶透過型表示部の前記導光板側に備えていること、を特徴とする液晶表示装置(1,2)である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高輝度であり良好な視野角特性を有する映像が表示でき、ホットスポットや輝度ムラ、導光板の裏面の印刷パターンが視認される等の表示不良が大幅に低減され、さらなる薄型化が可能な液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態の表示装置1の構成を説明する図である。
【図2】第1実施形態の表示装置1における導光板13、レンズシート14、下偏光板112の関係を示す図である。
【図3】出光側単位レンズ131の形状を説明する図である。
【図4】レンズシート14の単位レンズ141を説明する図である。
【図5】入射角度と偏光状態による反射率との関係を示す図である。
【図6】レンズシート14における、正面方向へ出射する光の様子と、入射角と偏光状態とを示す図である。
【図7】比較例となるプリズムシート57における、正面方向へ出射する光の様子と、入射角と偏光状態とを示す図である。
【図8】測定例1,2の画面上下方向及び画面左右方向における視野角特性を示すグラフである。
【図9】測定例3,4の画面上下方向及び画面左右方向における視野角特性を示すグラフである。
【図10】測定例5,6の画面上下方向及び画面左右方向における視野角特性を示すグラフである。
【図11】測定例7の画面上下方向及び画面左右方向における視野角特性を示すグラフである。
【図12】第2実施形態の表示装置2を示す図である。
【図13】変形形態の表示装置3を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無い。従って、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の表示装置1の構成を説明する図である。
図2は、第1実施形態の表示装置1における導光板13、レンズシート14、下偏光板112の関係を示す図である。
表示装置1は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル11と、LCDパネル11を背面側から照明する面光源装置10とを備えている。なお、表示装置1には、説明等は省略するが、この他に、表示装置として動作するために必要とされる通常の機器が備えられている。この表示装置1は、例えば、液晶テレビジョン等として使用される。
面光源装置10は、光源部12A,12B、導光板13、レンズシート14、偏光選択反射シート15等を備えるエッジライト型の面光源装置(バックライト)である。
【0013】
なお、図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、表示装置1の使用状態において、観察者がLCDパネル11を正面から観察した場合の画面上下方向(画面垂直方向)をY方向、画面左右方向(画面水平方向)をX方向、厚み方向(奥行方向、観察画面に直交する方向)をZ方向とする。観察者は、観察者側となるZ2側から背面側となるZ1側に向けて、LCDパネル11の画面の表示を視認する。また、レンズシート14や、LCDパネル11の厚み方向(Z方向)においては、Z1側は、光の入射側(入光側)であり、Z2側は光の出射側(出光側)となる。
特に断りが無い場合、以下の説明において、画面左右方向、画面上下方向とは、この表示装置1の使用状態における画面左右方向(X方向)、画面上下方向(Y方向)であるとする。
【0014】
LCDパネル11は、透過型の映像表示部であり、面光源装置10側(入射側、Z1側)に配置された下偏光板112と、観察者側(出射側、Z2側)に配置された上偏光板113と、下偏光板112と上偏光板113との間に配置される液晶層111とを有している。
液晶層111は、不図示の2枚のガラス基板と、このガラス基板の間に封入され、マトリクス状に配列された複数の液晶セルを有している。この液晶セルは、1つの画素を形成する領域ごとに電界印加され、この電界印加によって、液晶セルの配向方向が変化する。
下偏光板112及び上偏光板113は、それぞれ液晶層111のガラス基板の入射側、出射側に配置された偏光板である。
下偏光板112及び上偏光板113は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波及びS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分(本実施形態では、P波)を透過させ、この一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)の偏光成分(本実施形態では、S波)を吸収する機能を有している。
【0015】
本実施形態では、下偏光板112の透過軸(偏光軸)及び上偏光板113の透過軸(偏光軸)は、LCDパネル11の表面に直交する方向(表示装置1の観察画面の正面方向)から見て、直交している。図2(c)中に矢印で示すように、表示装置1の観察画面に直交する方向(正面方向、Z方向)から見て、下偏光板112の透過軸は、画面左右方向(X方向)に平行である。また、上偏光板113の透過軸は、画面上下方向(Y方向)に平行である。なお、本明細書において、「平行」、「直交」とは、厳密な平行や直交の状態だけでなく、平行や直交とみなせる状態(略平行、略直交)も含むものとする。
また、図2に示すように、下偏光板112の透過軸は、LCDパネル11の表面に直交する方向(Z方向)から見て、後述するレンズシート14の単位レンズ141の配列方向に平行である(図2参照)。
【0016】
面光源装置10から出射し、下偏光板112を透過した特定方向の偏光成分(本実施形態では、P波)は、電界印加された液晶セルを通過する際にはその偏光方向を90°回転させ、電界印加されていない液晶セルを通過する際にはその偏光方向を維持する。従って、液晶セルへの電界印加の有無によって、下偏光板112を透過した特定方向の偏光成分(P波)が、上偏光板113を透過するか、あるいは、上偏光板113で吸収されて遮断されるかを制御できる。そして、このような液晶セルへの電界印加により、LCDパネル11では、面光源装置10からの光の透過又は遮断を画素ごとに制御し、映像を表示可能とする。
本実施形態のLCDパネル11は、一例としてIPS方式のものとして説明するが、これに限らず、例えば、VA方式等のLCDパネルを用いてもよい。
【0017】
光源部12A,12Bは、LCDパネル11を背面から照明する光を発する部分である。本実施形態の光源部12Aは、導光板13の画面左右方向の一方(X1側)の端面となる入光面13aに面する位置に設けられており、光源部12Bは、入光面13aに対向する端面(導光板13の画面左右方向の一方(X2側)の端面)となる入光面13bに面する位置に設けられている。
本実施形態の光源部12A,12Bは、発光源として点光源121であるLEDが、入光面13a,13bに沿って画面上下方向に等間隔で複数配列されている。
【0018】
導光板13は、光を導波させる略平板状の部材である。導光板13は、光源部12A,12Bが発する光を入光面13a,13bから入射させ、出光面13c及び背面13dで全反射させながら、それぞれ対向する面13b,13a側へと画面左右方向に導光しながら、適宜出光面13cからレンズシート14側へ出射させる。
本実施形態の導光板13は、その出光面13c側に、出光側単位レンズ131が複数配列され、レンチキュラーレンズ形状を有している。
【0019】
図3は、出光側単位レンズ131の形状を説明する図である。図3では、出光側単位レンズ131の配列方向に平行であって導光板13の厚み方向に平行な断面(YZ面)での断面の一部を示している。
出光側単位レンズ131は、LCDパネル11側(Z2側)に凸となる柱状のレンズである。本実施形態の出光側単位レンズ131は、長軸が導光板13のシート面に直交する楕円柱の一部形状であり、画面上下方向(Y方向)に複数配列されている。この出光側単位レンズ131は、略円柱形状の一部形状としてもよいし、複数種類の楕円柱形状等の曲面を組み合わせてなる形状としてもよい。また、例えば、底角が55〜65°程度の略二等辺三角柱形状であり、頂部が比較的大きな曲率半径を有する曲面で形成された形状(即ち、賦形率が6割程度の略二等辺三角柱形状に近似される形状)としてもよい。
図3に示す断面において、出光側単位レンズ131の配列ピッチをP1とし、レンズ高さをH1(レンズシート14の厚み方向における出光側単位レンズ131の頂点tから出光側単位レンズ131間の谷部の谷底となる点vまでの寸法)とする。なお、本実施形態の導光板13では、出光側単位レンズ131配列ピッチP1は、配列方向におけるレンズ幅W1に等しい。
この出光側単位レンズ131は、出光面13cに形成され、導光板13の光の導光方向に直交する方向に配列されているので、導光方向に直交する方向における集光や拡散等の光線制御作用を有する。
【0020】
この導光板13は、出光側単位レンズ131によるレンチキュラーレンズ形状に加えて、以下のような構成を備えていてもよい。
例えば、導光板13は、背面側(Z1側)となる背面13dには、印刷等によりドット(不図示)等が形成された形態としてもよい。
導光板13は、背面側(Z1側)に、正面方向から見て、上述の出光側単位レンズと直交する方向に複数配列された単位プリズム又は単位レンズが配列された背面側光学形状を有する形態としてもよい。
導光板13は、光の導光方向に沿って入光面から離れるにつれてその厚みが薄くなる形態としてもよい。
導光板13は、その内部に光を拡散する拡散材を含有する形態としてもよい。
導光板13は、拡散材を含有し、かつ、背面側光学形状や、厚みの変化等の構成を適宜組み合わせた形態としてもよい。
なお、導光板13は、出光側単位レンズ131によるレンチキュラーレンズ形状のみを備え、背面側光学形状を有さず、拡散材を含有せず、厚みの変化等を有しない形態としてもよい。
導光板13は、例えば、アクリル系樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、COP(シクロオレフィンポリマー)樹脂等を用いて作製される。また、この導光板13は、例えば、押し出し成型や、射出成型等により作製可能である。なお、導光板は、基板となる熱可塑樹脂製等の板状の部材の出光面に、紫外線硬化型樹脂等によってレンチキュラーレンズ形状をUV成形法等によって形成してもよい。
【0021】
導光板13の背面側(Z1側)には、光を反射可能な板状の部材である不図示の反射板が設けられている。この反射板は、背面側へ向かう光を反射して、導光板13へ向ける機能を有している。反射板は、鏡面反射性(正反射性)を有するものや、白色のシート等のように拡散反射性を有するもの等を適宜選択して使用できる。
反射板は、特に、金属等の高い反射率を有する材料により形成されたシート、高い反射率を有する材料により形成された薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等といった、いわゆる鏡面反射を可能とする反射板を使用することが、集光性や、光の利用効率を向上させるという観点から好ましい。
【0022】
レンズシート14は、導光板13とLCDパネル11との間に配置され、導光板13から出射した光の方向を制御する作用を有する光学部材である。
図4は、レンズシート14の単位レンズ141を説明する図である。図4では、レンズシート14をシート面に直交し、かつ、単位レンズ141の配列方向に平行な断面(XZ面)の一部を拡大して示している。
ここで、シート面とは、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであり、本明細書中においても、同一の定義として用いている。例えば、レンズシート14のシート面は、レンズシート14全体として見たときにおける、レンズシート14の平面方向となる面であり、本実施形態においては、LCDパネル11の観察画面に平行な面である。
【0023】
レンズシート14は、そのLCDパネル11側(出光側、Z2側)の面に、LCDパネル11側に凸となる柱状の単位レンズ141が複数配列されている。本実施形態の単位レンズ141は、図4に示すように、その長軸がシート面に直交する略楕円柱形状の一部形状であり、画面上下方向(Y方向)を長手方向とし、画面左右方向(X方向)に配列されている。
なお、単位レンズ141は、略円柱の一部形状としてもよいし、複数種類の楕円柱形状等の曲面を組み合わせてなる形状としてもよい。また、例えば、底角が55〜65°程度の略二等辺三角柱形状であり、頂部が比較的大きな曲率半径を有する曲面で形成された形状(即ち、賦形率が6割程度の略二等辺三角柱形状に近似される形状)としてもよい。
図1や図2に示すように、シート面に直交する方向(Z方向)から見て、単位レンズ141の配列方向は、導光板13の出光側単位レンズ131の配列方向に直交しており、下偏光板112の透過軸に平行である。
【0024】
単位レンズ141は、その配列ピッチ(頂点t間の距離)がP2であり、レンズ高さ(シート面に直交する方向における単位レンズ141の頂点tから単位レンズ141間の谷部の谷底となる点vまでの寸法)はH2である。また、本実施形態の単位レンズ141は、この配列ピッチP2が配列方向におけるレンズ幅W2に等しい。
レンズシート14は、アクリル系樹脂や、PC樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、COP樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂等のような液晶テレビ用途として使用可能な耐熱性を有する熱可塑性樹脂を押し出し成型することにより形成される。なお、紫外線硬化型樹脂等により、PET樹脂製や、PC樹脂製等のシート状の基材上にUV成型法等によって単位レンズ141を形成し、レンズシート14を作製することも可能である。
【0025】
偏光選択反射シート15は、特定の偏光状態の光を透過し、それ以外の偏光状態の光については反射する機能を有する光学部材である。
偏光選択反射シート15を透過する偏光の偏光軸は、表示装置1の観察画面の法線方向(Z方向)から見て、下偏光板112の透過軸と平行である。
この偏光選択反射シート15としては、例えば、DBEF(3M社製)を使用することができる。
【0026】
図5は、入射角度と偏光状態(P波、S波)による反射率との関係を示す図である。
図6は、レンズシート14における、正面方向へ出射する光の様子と、入射角と偏光状態とを示す図である。図6(a)は、単位レンズ141の配列方向において、レンズシート14に入射し、レンズシート14からシート面に直交する方向(正面方向)に出射する光の光路を模式的に示した図であり、図6(b)は、レンズシート14における入射角度と偏光状態(P波、S波)による透過率を示すグラフである。
図7は、比較例となるプリズムシート57における、正面方向へ出射する光の様子と、入射角と偏光状態とを示す図である。図7(a)は、単位プリズム571の配列方向において、プリズムシート57に入射し、プリズムシート57からシート面に直交する方向(正面方向)に出射する光の光路を模式的に示した図であり、図7(b)は、プリズムシート57における入射角度と偏光状態(P波、S波)による透過率を示すグラフである。
ここで、プリズムシート57とは、出光面側に凸であり、頂角が90°の二等辺三角柱状の単位プリズム571が複数配列された光学部材である、なお、このプリズムシート57は、本実施形態のレンズシート14と同様の屈折率であるとする。
【0027】
図5に示すように、P波とS波では、その入射角によって、反射率が異なる。そのため、光学シート等を透過したP波及びS波の透過率もその入射角によって異なってくる。
さらに、図7(a),(b)に示すように、プリズムシート57では、プリズムシート57に対して入射角が20〜25°前後で入射した光が、その正面方向へ出射される。
そのため、プリズムシート57では、図7(b)に示すように、プリズムシート57を透過して正面方向へ出射する光におけるP波、S波の比率の差は少ない。LCDパネル11の下偏光板112は、S波を吸収し、P波のみを透過するため、本実施形態の表示装置1においてレンズシート14ではなくプリズムシート57を配置した比較例の表示装置(不図示)では、S波が吸収されることにより、輝度低下が大きくなる。
【0028】
これに対して、レンズシート14では、図6(a),(b)に示すように、レンズシート14に対して入射角が約0〜50°で入射した光が、その正面方向へ出射される。従って、正面方向へ出射する光のレンズシートに対する入射角の範囲が、プリズムシート57の場合に比べて広い。
そのため、レンズシート14では、図6(b)に示すように、レンズシート14を透過して正面方向へ出射する光におけるP波、S波の比率は、P波の方がS波に比べて多い。従って、下偏光板112でS波が吸収されたとしても、プリズムシート57に比べて輝度の低下の影響が小さい。従って、本実施形態の表示装置1のように、レンズシート14を配置することにより、上述のような光の損失が少なく、高輝度・広視野角を輝度が期待できる。
【0029】
従って、本実施形態によれば、レンズシート14の単位レンズ141は、画面左右方向に沿って配列されており、LCDパネル11の法線方向(Z方向)から見て、レンズシート14を透過する光におけるP波の偏光軸と、下偏光板112の透過軸とが平行となるので、下偏光板112を透過する光量が増え、正面輝度の上昇を図ることができる。
本実施形態によれば、レンズシート14の単位レンズ141は、画面左右方向に沿って配列されているので、画面左右方向における光線制御作用を有する。従って、上述のような正面方向の輝度上昇に加えて、画面左右方向において良好な広い視野角を実現できる。特に、本実施形態のように液晶テレビジョンとして使用される表示装置1では、画面左右方向の視野角が広いことが好まれるので、高品位の表示装置とすることができる。
本実施形態によれば、導光板13の導光方向に対して直交する方向である画面上下方向に出光側単位レンズ131が配列されるので、画面上下方向における視野角を好適に制御できる。
【0030】
本実施形態によれば、導光板13の出光側単位レンズ131の配列方向が画面上下方向(Y方向)であり、レンズシート14の単位レンズ141の配列方向が画面左右方向(X方向)であり、互いに直交するので、画面上下方向及び画面左右方向において、光線方向を制御でき、良好な視野角特性を実現できる。さらに、導光板13の出光側単位レンズ131及びレンズシート14の単位レンズ141により、ホットスポットや輝度ムラ等の低減が期待できる。加えて、導光板13の裏面に拡散作用を有する印刷パターン等が設けられている場合には、印刷パターン像が視認されるという問題が生じやすいが、導光板13の出光側単位レンズ131及びレンズシート14の単位レンズ141により、そのような印刷パターン像の見え等を大幅に低減できる。
【0031】
ここで、本実施形態の表示装置1の実施例及び比較例に相当する測定例1〜7の表示装置を作製し、その正面輝度や、視野角、ホットスポット等の表示不良の発生の有無に関して評価した。
各測定例の表示装置において、光源部12A,12Bは、図1に示すように、各導光板の画面左右方向両端部に配置されており、いずれもLEDを点光源121として使用している。また、各測定例の表示装置において、LCDパネル11は、その画面サイズ(LCDパネル11の表示領域のサイズ)が、対角32インチ(706mm×398mm)、解像度1920×1080ドットである。また、各測定例の表示装置において、反射板は、鏡面反射性のものを用いている。
各測定例の表示装置において、導光板の形状、レンズシート等の光学シートの形状及び枚数等は異なっており、以下には、各測定例の表示装置が備えている導光板及び光学シートについて説明する。
【0032】
測定例1の表示装置は、略平板状であり、裏面に印刷ドットパターンを有するが出光面にレンチキュラーレンズ形状を有しない導光板(以下、このような導光板を印刷導光板という)と、無指向性の拡散作用を有する拡散シートと、プリズムシート(出光面側に頂角90°の二等辺三角柱形状の単位プリズムが複数配列。単位プリズムは、画面上下方向に配列(単位プリズムの稜線が画面左右方向に平行))と、偏光選択反射シート15とを備えている。
測定例2の表示装置は、測定例1と同様の印刷導光板と、レンズシート14と、偏光選択反射シート15とを備えている。
測定例3の表示装置は、本実施形態の表示装置の実施例であり、導光板13、レンズシート14、偏光選択反射シート15を備えている。
【0033】
測定例4の表示装置は、印刷導光板と、プリズムシート(出光面側に頂角90°の二等辺三角柱形状の単位プリズムが複数配列。単位プリズムは、画面左右方向に配列(単位プリズムの稜線が画面上下方向に平行))と、偏光選択反射シート15とを備えている。
測定例5の表示装置は、導光板13と、プリズムシート(出光面側に頂角90°の二等辺三角柱形状の単位プリズムが複数配列。単位プリズムは、画面左右方向に配列(単位プリズムの稜線が画面上下方向に平行))と、偏光選択反射シート15とを備えている。
測定例6の表示装置は、印刷導光板と、無指向性の拡散作用を有する拡散シートと、偏光選択反射シート15とを備えている。
測定例7の表示装置は、導光板13と、無指向性の拡散作用を有する拡散シートと、偏光選択反射シート15とを備えている。
【0034】
ここで、実施例の導光板13は、出光側単位プリズムの配列ピッチP1=93μm、レンズ高さH1=38μmであり、アクリル樹脂製であり、その厚さが4mmである。
印刷導光板は、アクリル樹脂製であり、その厚さが4mmであり、裏面側に光拡散作用を有するドット状の印刷パターンを有している。
また、レンズシート14は、単位レンズ141の配列ピッチP2=64μm、レンズ高さH2=28μm、PC樹脂製であり、その厚さが0.3mmである。
プリズムシートは、PET樹脂製のシート状の基材の片面に、UV成型法により、ウレタン系紫外線硬化樹脂製の単位プリズムが複数配列されている。このプリズムシートの単位プリズムは、二等辺三角柱形状であり、その配列方向に関わらず、配列ピッチが50μm、プリズム高さが25μmである。プリズムシートの厚さは、285μmである。
拡散シートは、ヘイズ値が94.8%の無指向性の光拡散シート(SKC社製、CH273)である。
偏光選択反射シート15は、3M社製のDBEFである。
【0035】
図8〜図11は、各測定例の画面上下方向及び画面左右方向における視野角特性を示すグラフである。図8〜図11において、縦軸は相対輝度であり、横軸はLCDパネル11の観察画面に対する出射角度である。
【0036】
【表1】

【0037】
表1は、各測定例の構成及び正面輝度や半値角、サイドローブの有無、ホットスポット等を評価した評価結果を示す表である。
正面輝度に関しては、暗室環境下において、各測定例の表示装置の観察画面の幾何学的中心を通り、観察面側表面の法線方向(Z2側)800mmの位置から、輝度計(コニカミノルタ社製 分光放射輝度計CS−1000)を用いて各測定例の表示装置が白色表示を行った場合の観察画面(表示領域)の幾何学的中心における輝度を測定した。そして、測定例1の表示装置の正面輝度を基準(100%)とし、各測定例の表示装置の正面輝度の相対輝度を算出した。そして、正面輝度の評価は、相対輝度が100%以上を良好(表1において○)、95%以上100%未満を可とし(表1中に該当なし)、95%未満は不適(表1において×)とした。
【0038】
視野角は、暗室環境下において、各測定例の表示装置を白色表示し、その観察画面(表示領域)の幾何学的中心を通る画面上下方向及び画面左右方向における出射角度ごとの輝度を、視野角特性評価装置(ELDIM社製 視野角特性評価装置EZContrast)を用いて測定し、図8〜図11に示すように、画面上下方向及び画面左右方向において、それぞれピークとなる輝度を1.0とし、縦軸を相対輝度、横軸を出射角度としてグラフ化した。
視野角の評価は、各測定例の表示装置の視野角特性のグラフから、1/2角(半値角、αV,αH)、1/3角(βV,βH)を算出し、画面上下方向において1/2角αVが31°以上、かつ、画面左右方向において1/2角αHが31°以上を良好(表1において○)とし、これを満たさないものを不適(表1において×)とした。
【0039】
さらに、各測定例の表示装置に対する目視及び各測定例の表示装置の視野角特性のグラフにおける輝度の分布状況から、サイドローブの発生の有無を評価した。サイドローブに関する評価は、サイドローブが発生していないものを良好(表1において○)とし、発生しているが使用可能なものを可(表1において△)とし、発生しており使用に適さないものを不適(表1において×)とした。
【0040】
ホットスポットは、暗室環境下において、各測定例の表示装置の表示領域の幾何学的中心を通り、観察面側表面の法線方向(Z2側)2mの位置から観察し、表示領域の光源部12A,12B近傍にホットスポットが観察されるか否かを目視によって評価した。また、この正面位置から、画面上下方向において、観察面側表面の法線方向に対して±45°移動した点から、各透過型表示装置の表示領域を斜めに観察し、ホットスポットが観察されるか否かを目視によって評価した。
ホットスポットに関する評価は、正面方向及び斜め方向において、ホットスポットが観察されないものを良(表1において○)とし、ホットスポットが観察されるが使用可能なものを可(表1において△)とし、ホットスポットが観察されて使用に適さないものを不適(表1において×)とした。
【0041】
さらに、導光板の裏面に形成されたドット状の印刷パターン像が、視認されるか否かかに付いても評価した。印刷パターン像の評価に関しては、各測定例の表示装置を暗室環境下で白色表示し、観察画面の正面方向500mmの位置から観察した場合に、印刷パターン像が観察されないものを良好(表1において○)とし、やや観察されるが使用可能なものを可(表1において△)とし、印刷パターン像が観察されて使用に適さないものを不適(表1において×)とした。なお、この印刷パターン像の評価において、測定例3,5,7の表示装置に関しては、導光板13の裏面側に印刷導光板と同様の印刷パターンを形成したものも評価に使用している。
【0042】
表1に示すように、出光面13cに出光側単位レンズ131が複数配列されたレンチキュラーレンズ形状を有する導光板13を備える測定例3(実施例)と比較して、出光面側にレンチキュラーレンズ形状を有しない印刷導光板を備える測定例2は、輝度が低く、また、ホットスポットが解消されていない。さらに、測定例2は、印刷導光板の裏面の印刷パターン像が観察されており、拡散作用等による印刷パターン像の隠蔽が不十分である。
また、印刷導光板と画面左右方向に配列された単位プリズムを備えるプリズムシートを備える測定例4は、測定例3と比較して、輝度が低く、また、画面左右方向においてサイドローブが生じている。また、ホットスポットが生じており、印刷導光板の印刷パターンの隠蔽も不十分であり、使用に適さない。ホットスポット等を改善するために、測定例4において、偏光選択反射シート15に変えて拡散シートを配置した場合、さらにサイドローブが著しく観察される結果となった。
導光板13を備えているが、レンズシート14ではなく、画面左右方向に配列された単位プリズムを備えるプリズムシートを備える測定例5は、輝度、視野角は良好であるが、画面左右方向においてサイドローブが生じている。また、使用可能な範囲内ではあるが、ホットスポットも確認された。ここで、ホットスポット等を改善するために、測定例5において、偏光選択反射シート15に変えて拡散シートを配置した場合、さらにサイドローブが著しく観察され、視野角も不十分となった。さらに、測定例5の表示装置において、裏面に印刷パターンを有している導光板13を用いた場合には、印刷パターン像が視認されていた。
【0043】
印刷導光板と拡散シートとを備える測定例6の表示装置と、導光板13を備えるが光学シートではなく拡散シートを備える測定例7の表示装置は、視野角や、ホットスポットの低減、サイドローブの低減、印刷パターン像の隠蔽効果等は良好であったが、輝度が著しく低く、使用に適さなかった。
また、測定例6の表示装置において、拡散シートと偏光選択反射シート15との間にさらにプリズムシート(単位プリズムの稜線方向が画面左右方向)を配置した形態である測定例1の表示装置では、輝度は改善され視野角も向上し、ホットスポットの低減、印刷導光板の印刷パターン像の改善等も良好となり、使用可能ではある。しかし、測定例1は、使用可能な範囲内ではあるが、画面上下方向においてサイドローブが生じている。また、光学シートの枚数が増加するため、薄型化の観点からは、好ましくない。
【0044】
これに対して、測定例3(実施例)の表示装置は、測定例1の表示装置よりも輝度が高く、また、画面上下方向における1/2角αV,画面左右方向における1/2角αH、画面上下方向における1/3角βV,画面左右方向における1/3角βも大きく、視野角が広く良好である。また、サイドローブも生じておらず、ホットスポットやに関しても良好である。さらに、上述のような良好な光学特性を有しながら、部材数が少なく、薄型化も可能である。加えて、裏面に印刷パターンを有している導光板13を用いた場合には、印刷パターン像が視認されず、印刷パターン像の隠蔽に関しても良好な結果が得られた。
【0045】
以上のことから、測定例3である実施例の表示装置によれば、高輝度であり、良好な広い視野角(特に、画面左右方向における視野角)を有し、ホットスポットやサイドローブ等の表示不良を極力低減できる。
また、導光板13の裏面に印刷パターンを有する場合にも、導光板13の出光側単位レンズ131やレンズシート14の単位レンズ141等の拡散作用により、その印刷パターン像が隠蔽されて視認されず、良好な映像を表示できる。
さらに、面光源装置10を構成する光学シートの枚数を削減でき、表示装置の薄型化や、生産コストの低減を実現できる。
【0046】
(第2実施形態)
図12は、第2実施形態の表示装置2を示す図である。
第2実施形態の表示装置2は、図12に示すように、面光源装置20が、レンズシート14の導光板13側に第2レンズシート26を備えている点が、前述の第1実施形態の表示装置と異なる以外は、前述の第1実施形態と略同様の形状である。従って、第2実施形態において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
表示装置2は、面光源装置20のレンズシート14と導光板13との間に、第2レンズシート26を備えている。この第2レンズシート26は、その出射側(Z2側)の面に、単位レンズ261が複数配列されて形成されている。
本実施形態の単位レンズ261は、長軸がシート面に直交する略楕円柱形状であり、レンズシート14の単位レンズ141の配列方向と直交する方向に複数配列されている。即ち、第2レンズシート26おける単位レンズ261の配列方向は、導光板13の出光側単位レンズ131の配列方向に平行である。このような形態とした場合にも、部材枚数は増えるが、高輝度であり、良好な視野角を実現できる。特に、正面輝度に関しては、向上させることができる。
なお、単位レンズ261のピッチは、導光板の出光側単位レンズ131の配列ピッチとモアレを生じないような大きさとすることが望ましい。また、単位レンズ261は、略円柱形状の一部形状としてもよいし、複数の曲面からなる形状としてもよい。
【0047】
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、導光板13は、裏面に拡散作用を有する印刷ドットパターンを有していてもよいし、拡散材を含有する形態としてもよいし、裏面にプリズム形状やレンズ形状等を有していてもよいし、裏面が平面状であるものとしてもよい。
また、各実施形態において、略平板状の導光板13である例を示したが、これに限らず、例えば、光源部12Aのみを光源として備え、光源部12Bを備えない形態とする場合には、入光面13a側が厚く、入光面13aに対向する側面13b側に向かって厚みが薄くなるような形状としてもよい。
導光板13は、上述の形状等を、適宜、組み合わせてもよい。
【0048】
(2)各実施形態において、レンズシート14とLCDパネル11との間に偏光選択反射シート15を備える例を示したが、これに限らず、例えば、光を拡散する作用を有する拡散シートを備えてもよいし、そのような光学シートを備えない形態(即ち、レンズシート14とLCDパネル11との間に各種光学シートを備えない形態)としてもよい。なお、拡散シートに関しては、レンズシート14と導光板13との間に配置してもよい。また、所望する光学特性に応じて、適宜光学シートを設けてもよい。
なお、このような拡散シートとしては、拡散材を含有する樹脂製のシート状の部材や、基材となる樹脂製のシート状の部材の拡散材を含有するバインダをコートした部材や、基材となる樹脂製のシート状の部材の片面等にマイクロレンズアレイが形成されたマイクロレンズシート等を用いることができる。
【0049】
(3)各実施形態において、光源部12A,12Bは、画面左右方向両端部に設けられる例を示したが、これに限らず、例えば、光源部12Aのみを備える形態としてもよい。
また、光源部12A,12Bは、いずれも、点光源121であるLEDが複数配列されて形成される例を示したが、これに限らず、例えば、点光源はLED以外の光源種のものを用いてもよいし、点光源に限らず、冷陰極管等のような線光源を用いてもよい。
【0050】
(4)各実施形態において、光源部12A,12Bは、画面左右方向両端部に配置される例を示したが、これに限らず、光源部12A,12Bは、画面上下方向両端部に配置される形態としてもよい。
図13は、変形形態の表示装置3を示す図である。
図13に示す変形形態の表示装置3では、面光源装置30の光源部12A,12Bは、画面上下方向の両端部に配置されている。
このとき、導光板13の出光側単位レンズ131の稜線方向は、画面上下方向である。また、レンズシート14の単位レンズ141の稜線方向は、画面上下方向である。そして、このレンズシート14と導光板13との間に、稜線方向が画面左右方向となる方向に単位レンズ361が配列された第2レンズシート36を配置してもよい。
このような形態とした場合にも、高輝度であり、視野角が良好である表示装置することができる。ここで、図13に示すような表示装置3では、導光板13の出光側単位レンズ131と、レンズシート14の単位レンズ141とによって、画面左右方向における光線制御作用を受けるため、その視野角が狭められ、前述の図1等に示す第1実施形態の表示装置1や図12に示す第2実施形態の表示装置2に比べて、画面左右方向の視野角が狭くなる傾向を有する。しかし、液晶テレビジョンとしては、使用可能であり、また、パーソナルコンピューターのモニター等といった画面左右方向における視野角に関して広いものが要求されない他の表示装置には好適に使用可能である。
【0051】
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0052】
1,2 表示装置
10 面光源装置
11 LCDパネル
111 液晶セル
112 下偏光板
113 上偏光板
12A,12B 光源部
121 点光源
13 導光板
131 出光側単位レンズ
14 光学シート
141 単位レンズ
15 偏光選択反射シート
26 第2レンズシート
261 単位レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面側に設けられる第1偏光板と観察者側に設けられる第2偏光板との間に液晶層を備える液晶透過型表示部と、
前記液晶透過型表示部を背面側から照明する面光源装置と、
を備える液晶表示装置であって、
前記面光源装置は、
出光面側に、略円柱形状の一部形状又は略楕円柱形状の一部形状である出光側単位レンズが複数配列された導光板と、
前記出光側単位レンズの稜線方向に直交する方向に位置する前記導光板の2つの側面のうち少なくとも1つの前記側面に沿ってかつ前記側面に対向する位置に設けられる光源部と、
前記導光板と前記液晶透過型表示部との間に設けられ、その液晶透過型表示部側の面に、略円柱形状の一部形状又は楕円柱の一部形状である単位レンズが複数配列されたレンズシートと、
を備え、
前記第1偏光板の透過軸は、この液晶表示装置の観察画面に直交する方向から見て、前記単位レンズの配列方向に略平行であること、
を特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
この液晶表示装置の観察画面に直交する方向から見て、前記出光側単位レンズの配列方向と、前記単位レンズの配列方向とは直交すること、
を特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置において、
前記光源部は、使用状態におけるこの液晶表示装置の画面左右方向の両端部の少なくとも一方に設けられること、
を特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記第1偏光板の透過軸は、使用状態におけるこの液晶表示装置の画面左右方向に平行又は略平行であること、
を特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記レンズシートよりも前記導光板側に、第2のレンズシートを備え、
前記第2のレンズシートの前記液晶透過型表示部側の面には、略円柱形状の一部形状、又は略楕円柱形状の一部形状である単位レンズが複数配列されており、その配列方向が前記単位レンズの配列方向に直交すること、
を特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
光を拡散する作用を有する光拡散シートを備えていること、
を特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
所定の偏光を透過し、それ以外の偏光を反射する偏光選択反射シートを前記液晶透過型表示部の前記導光板側に備えていること、
を特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−68834(P2013−68834A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207942(P2011−207942)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】