説明

液滴付着装置

【解決手段】インクジェットプリンタは、本体を延通する通路を備え、各通路は隣接する通路に対して中心平面に相対的にオフセットしている。マニホールドは本体を延通し、各通路と交差して通路端部輪郭を形成する。ひとつの通路についての通路端部輪郭は、隣接する通路の通路端部輪郭に対して実質的に鏡像になっており、各通路とマニホールドとの境界における音波の反射係数は、実質的にすべての通路について等しくなっている。通路端部輪郭における傾斜領域によって、通路電極に結合軌道を形成することが容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴付着装置に関し、重要な例はインクジェットプリントヘッド、特にオンデマンドのインクジェットプリンタのプリントヘッドである。
【背景技術】
【0002】
産業用の印刷用途においては、スループットの能力が重要な要件になる。インクジェットの印刷では、単位時間あたりに印刷される領域を最大化するために、様々な手法が採られる。これらのすべての用途においてスループット能力の数値的目安は、個々のノズルから単位時間に送り出されるインクの総体積である。もちろん、印刷頁にわたって、また、印刷画像から印刷画像にかけて、プリンタの出力が精密で、信頼できる均等性があることも重要である。
公知の構造においては、ピエゾ圧電素子から形成された本体に通路を形成し、通路壁の変位が発生させるインク通路内の音波の作用を介して、インクの液滴を放出している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
EP−A−0 278 590号には交互のインク通路をオフセットすることが提案されている。しかしながら、実験によれば、かかるオフセットによって性能にばらつきが生じ、特に隣接するオフセット通路からのインク放出速度に差異が生じることが示されている。
【特許文献1】EP−A−0 278 590号
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のひとつの観点によって提供される、液滴付着装置は、本体構造が中心平面を形成し、通路延在方向はかかる平面にあるような上記本体構造と、複数の細長い液滴放出通路であって、中心平面に対して平行な通路の延在方向に本体構造を通って延び、各通路は、隣接する通路に対して中心平面に相対的にオフセットしているような上記液滴放出通路と、各通路に連通してなるそれぞれの液滴放出ノズルと、選択された通路内に音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させるためのアクチュータ手段と、中心平面に対して平行でかつ通路の延在方向に対して直交するように、本体構造を延通してなるマニホールドであって、マニホールドは各通路と交差して通路端部輪郭を形成し、ひとつの通路についての通路端部輪郭は、隣接する通路の通路端部輪郭の中心平面に対して実質的に鏡像になっており、各通路とマニホールドとの境界における音波の反射係数は、実質的にすべての通路について等しくなっていることを特徴とする液滴付着装置が提供される。
【0005】
本出願人は、オフセットした通路における音波反射の変動は、液滴放出速度における重要な要因であると考え、従って、本発明のかかる観点によれば、たとえゼロではないにせよきわめて少ない液滴放出速度の変動の状態にて、オフセットした通路の利点が得られる。
各通路の端部輪郭は、通路の延在する方向に対して傾斜してなる輪郭面を含むことが有利であって、ひとつの輪郭面についての傾斜の角度は、隣接する通路と等しくて逆向きの角度にすると良い。
傾斜した通路端部輪郭は、駆動波形を提供する回路の電極に各通路を結合させる、導電体の軌道を形成する上で著しい助けになる。これらの導電体の軌道は、連続的な導体層を形成した後、これに対してレーザ除去を施すことで軌道の線引きを行う。
本発明の別の観点によって提供される、液滴付着装置は、本体構造が中心平面を形成し、通路延在方向はかかる平面にあるような上記本体構造と、複数の細長い液滴放出通路であって、中心平面に対して平行な通路の延在方向に本体構造を通って延び、第1グループの通路は、中心平面に直交する第1のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしており、第2グループの通路は、中心平面に直交する第2のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしているような上記液滴放出通路と、各通路に連通してなるそれぞれの液滴放出ノズルと、駆動信号を入力される電極が設けられたピエゾ圧電素子の各部からなるアクチュータであって、それぞれのアクチュータは、駆動信号を受けると、選択された通路内に音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させるような上記アクチュータ手段と、中心平面に対して平行でかつ通路の延在方向に対して直交するように、本体構造を延通してなるマニホールドであって、マニホールドは各通路と交差して通路端部輪郭を形成し、各通路についての通路端部輪郭の少なくとも一部分上に導電体の軌道が延在していて、それぞれの導電体軌道は電極への駆動信号を運び、第1グループの通路についての通路端部輪郭は、第2グループの通路の通路端部輪郭の中心平面に対して実質的に鏡像になっており、各通路とマニホールドとの境界における音波の反射係数は、実質的にすべての通路について等しくなっていることを特徴とする液滴付着装置が提供される。
【0006】
望ましくは、マニホールドの横断面は中心平面に対して対称的になっている。
本発明のさらに別の観点によって提供される、液滴付着装置は、本体構造が中心平面を形成し、通路延在方向はかかる平面にあるような上記本体構造と、複数の細長い液滴放出通路であって、中心平面に対して平行な通路の延在方向に本体構造を通って延び、第1グループの通路は、中心平面に直交する第1のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしており、第2グループの通路は、中心平面に直交する第2のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしているような上記液滴放出通路と、各通路に連通してなるそれぞれの液滴放出ノズルと、選択された通路内に音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させるための電気的なアクチュータ手段と、中心平面に対して平行でかつ通路の延在方向に対して直交するように、本体構造を延通してなるマニホールドであって、マニホールドは各通路と交差して通路端部輪郭を形成し、マニホールドにて第1グループの通路が有する音波の反射係数は、第2グループの通路がマニホールドにて有する音波の反射係数とは異なっているような上記マニホールドと、第1グループの通路を駆動すべく第1の駆動波形を与える第1の電気駆動回路と、第2グループの通路を駆動すべく第2の駆動波形を与える第2の電気駆動回路とを備え、第1及び第2のグループの通路は、交互に動作して、第1グループの通路と第2グループの通路とから放出される液滴の速度を等しくするために必要である程度だけ、第1の駆動波形と第2の駆動波形とを異ならせていることを特徴とする液滴付着装置が提供される。
【0007】
第1の駆動波形と第2の駆動波形とでは、駆動電圧、パルス上昇、または、パルス幅が異なっていることが有利である。
本発明のさらに別の観点によって提供される、液滴付着方法は、中心平面を形成してなる本体構造を提供し、かかる平面内に通路延在方向があるような上記本体構造を提供する段階と、複数の細長い液滴放出通路であって、中心平面に対して平行な通路の延在方向に本体構造を通って延び、各通路は、隣接する通路に対して中心平面に相対的にオフセットしているような上記液滴放出通路と、各通路に連通してなるそれぞれの液滴放出ノズルと、中心平面に対して平行でかつ通路の延在方向に対して直交するように、本体構造を延通してなるマニホールドであって、マニホールドは各通路と交差して通路端部輪郭を形成してなるマニホールドと、第1の通路内にて音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させる段階と、第1の通路に隣接してなる第2の通路内にて音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させる段階と、第1の通路とマニホールドとの間の境界における音波の反射係数を、第2の通路とマニホールドとの間の境界における係数と等しくするように調節する段階と、を備えていることを特徴とする方法が提供される。
【0008】
本発明のさらに別の観点によって提供される、液滴付着装置の使用は、本体構造が中心平面を形成し、通路延在方向はかかる平面にあるような上記本体構造と、複数の細長い液滴放出通路であって、中心平面に対して平行な通路の延在方向に本体構造を通って延び、第1グループの通路は、中心平面に直交する第1のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしており、第2グループの通路は、中心平面に直交する第2のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしているような上記液滴放出通路と、各通路に連通してなるそれぞれの液滴放出ノズルと、選択された通路内に音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させるための電気的なアクチュータ手段と、中心平面に対して平行でかつ通路の延在方向に対して直交するように、本体構造を延通してなるマニホールドであって、マニホールドは各通路と交差して通路端部輪郭を形成し、マニホールドにて第1グループの通路が有する音波の反射係数は、第2グループの通路がマニホールドにて有する音波の反射係数とは異なっているような上記マニホールドと、上記使用においては、第1グループの選択された通路を動作させるべく第1の駆動波形を適用することと、第2グループの選択された通路を動作させるべく第2の駆動波形を適用することとを交互に行い、第1グループの通路と第2グループの通路とから放出される液滴の速度を等しくするために必要である程度だけ、第1の駆動波形と第2の駆動波形とを異ならせていることを特徴とする液滴付着装置の使用が提供される。
【0009】
第1の駆動波形と第2の駆動波形とでは、駆動電圧、パルス上昇、または、パルス幅が異なっていることが望ましい。
本発明のひとつの形態によって提供される、液滴付着装置は、所定の間隔を隔てた複数の通路を備えてなるアクチュータ板を備え、前記通路のそれぞれは所定の長さd1を有し、前記長さの一部分は一定の深さを有し、前記長さの一部分は変化する深さを有しているような上記アクチュータ板と、前記アクチュータ通路と前記カバー通路とに端部壁を提供するノズル板と、を備え、前記アクチュータ通路は音波反射変更手段を備えていることを特徴とする液滴付着装置が提供される。
【0010】
本発明のひとつの形態によって提供される、液滴付着装置は、所定の間隔を隔てた複数の通路を備えてなるアクチュータ板を備え、前記通路のそれぞれは所定の長さd1を有し、前記長さの一部分は一定の深さを有し、前記長さの一部分は変化する深さを有しているような上記アクチュータ板と、所定の通路間隔と通路長さd2(d2<d1)である複数の通路を有するようなカバー板と、を備え、前記アクチュータ通路の少なくともひとつは、前記カバー通路の少なくともひとつと整列していて、前記アクチュータ通路と前記カバー通路とに端部壁を提供するノズル板と、を備え、少なくともいくつかの前記アクチュータ通路は、音波反射変更手段を備え、カバー通路と整列してアクチュータ通路で形成された放出通路の音波の反射は、カバー通路と整列せずにアクチュータ通路で形成された放出通路の音波の反射と実質的に同一であることを特徴とする液滴付着装置が提供される。
音波反射変更手段は、アクチュータ通路の長さを横切るように延在してなる溝から構成されていて、横切る溝は、音響的に透明な固体で満たされており、音響的に透明な固体は、接着剤材料であって、好ましくはエポキシであるのが有利である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明のあくまでも例示としての実施形態について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、図1を参照すると、オンデマンドのインクジェットプリントヘッド10は、本体構造12と、集積回路駆動部分14と、印刷回路基板16とから構成されている。本体構造12には、複数の平行なインク通路18が、矢印20にて示した方向に形成されている。本体構造12の前縁には、ノズル板22(図2参照)が固定されており、各通路18毎に、インク放出ノズル24を形成している。各通路18は、関連するノズル24から、インク供給又はインク除去マニホールド26へと延びていて、このマニホールドは、矢印方向20に対して直交する方向に、本体構造12を貫通している。
【0012】
図2に明瞭に示されるように、本体構造12は、上部層30と下部層32とから形成されている。最も簡単な形態においては、これらの各層30及び32を、PZTなど、分極した圧電性材料から形成する。これらの2つの各層については、それ自体を層に重ねて形成し、層30及び32同士の境界はPZTから構成し、これにアルミナやガラスなど適当な裏打ち基板を添えると良い。インク通路18は、例えば層30及び32に対して、鋸加工を施して形成する。図5及び図6に最も明瞭に示されるように、隣接する通路18は、中心平面に対してオフセットしていて、この例においては、中心平面は、層30と層32との境界面として定められる。従って、第1グループの通路(一例としては、奇数番号が付される通路)は、層30に対しては比較的短い距離だけ延在し、層32に対しては比較的長い距離だけ延在する。第2グループの通路(前記例においては、偶数番号が付される通路)は、層30に対しては比較的長い距離だけ延在し、層32に対しては比較的短い距離だけ延在する。図2においては、偶数番号の通路については中心平面に対する位置を実線18にて示しており、他方、奇数番号の通路については破線18’にて示している。
【0013】
インクマニホールド26は、整列した相補的な溝34及び36を切り込むか、あるいはその他の方法にて、層32及び30にそれぞれ形成される。溝部34及び36はそれぞれ、方向20に対して約45゜傾斜してなる前縁34A及び36Aと、平坦なベース34B及び36Bと、同じく45゜傾斜してなる後縁34C及び36Cとを備える。
ピエゾ圧電材料の壁50(図5参照)は、隣接する通路18の間に形成され、いまでは当業者に知られているように、これらのピエゾ圧電材料の壁はアクチュータとして作用して、インクの液滴を関連する通路18のノズル24から放出させる。より詳しくは、層30及び32に交差する平面の付近における、通路の内壁には電極52が設けられ、ピエゾ圧電素子の逆極性の領域に電場を加えて、壁を変形させて山形を形成させる(例えば、EP−A−0 277 703号、及びEP−A−0 278 590号参照。)。
【0014】
電極52に適切な駆動信号を印加すると、選択されたインク通路に沿って音波が進み、インクの液滴を放出させる。インク通路内におけるかかる音波の挙動は、ノズル板22により形成される通路の端部とマニホールド26により形成される通路端部とにおいて、プリントヘッドの正確さ及び信頼できる性能にとって非常に重要である。2つのグループの通路(すなわち、本実施形態では、奇数番号の通路と偶数番号との通路)は、マニホールド26と、これらそれぞれのオフセット差のために、従って異なった通路端部輪郭を有する。図3は、偶数番号の通路について、その対応する通路端部輪郭54を模式的に示し、また、同じく奇数番号の通路についても、その通路端部輪郭56を模式的に示している。また、図3及び図4には、層30と層32との交わる平面ないし中心平面を指示した線58が示されている。しかしながら、2つのグループの通路について、通路端部輪郭は中心平面に対して互いに鏡像になっていることが分かる。このことは、インクマニホールド26における2グループの通路の音波反射係数が、オフセットの相違に関わらず、すべての通路について、実質的に同じであるという極めて重要な結果をもつ。
【0015】
このように、マニホールドにてすべての通路について同様に音波を反射させることは、均等な放出速度を得るための重要な鍵になる。
傾斜面34Aは、奇数番号のグループの通路にあっては、通路端部輪郭の比較的大きな部分を提供し、偶数番号の通路にあっては、比較的小さな部分を提供して、最も有効に目的のために働く。これらによって、電極50から延びた軌道60は、ワイヤボンド箇所62へと延び、簡単で信頼できる処理で形成した、集積回路に接続される。従って、ひとつの例としては、軌道は、層32の上に適当な金属材料を蒸着して形成し、続くレーザ処理で金属材料を取り除くことで、間隔が狭いが確実に互いに絶縁されてなる軌道の部分を残すようにする。連続した層を形成するには、無電解ニッケル金属形成が有利な技術である。インクマニホールドがインク通路に対して垂直に面している場合には、こうした技術は利用できないことを理解されたい。
【0016】
音波反射の同一性に充分な精度が確保されない構成にあっては、図6に示すように、2グループの通路を異なる波形にて駆動して、液滴放出の速度を均等に保ちつつ、音波反射の変動を補償することが可能になる。従って、駆動回路80は、各ワイヤボンド箇所62への複数の結合部82を有し、2つの駆動波形発生器82及び84を備えている。これら2つの波形発生器の出力を交互に駆動回路80に割り振るためにフリップ・フロップ回路86が動作する。
駆動回路は、2グループの通路を順々に動作させるべく構成されていて、フリップ・フロップ回路86は、同期式に2つの波形を割り振る。2つの波形は、様々なやり方にて異なっていても良い。これらは例えば、図7に示すように駆動電圧に関して相違していて、実線88にて片方の波形を示し、他方の波形を破線90にて示している。変形例としては、図8に示すように、波形は、パルスの上昇について、または、パルスの上昇及び下降について異なっている。図9に示した変形例においては、波形はパルス幅について異なっている。
【0017】
図10、図11、及び図12を参照すると、本発明の実施形態によるインクジェットプリンタがさらに示されている。
アルミナその他の適当な材料から作られたベース100の上には、ピエゾ圧電素子材料からなる第1の層102が形成されている。この層の上方には、ピエゾ圧電素子材料の第2の層104が形成される。インク通路106は、図面を参照して前述したやり方と同様にして、これら2つのピエゾ圧電素子層102及び104に切断その他の加工によって形成される。
図11には、通路106のオフセットした配置状態を示していて、またノズル108も示している。この事例においては、ノズル自体もオフセットしている。これは、本発明の様々な実施形態において採用できるオプションであって、別グループの通路から放出された液滴が印刷媒体上にて離れることを補償する。
隔壁フレーム110は、便宜的には射出成形プラスチックから形成され、ベース100の上に形成されて、この隔壁フレームは、2つの平行な端部部材112(図10には片方だけが図示されている)と、2つの平行な横断部材114及び116とから構成されている。隔壁の横断部材116は、ピエゾ圧電素子層102及び104における内側の縁面に面しており、これらの縁部表面にてインクマニホールド118を形成している。ピエゾ圧電素子層102の縁部表面102aは、ベース100に対して約45゜傾斜している。ピエゾ圧電素子層104の縁部表面104aは、同じ角度だけ反対方向に傾斜している。
【0018】
集積回路120は、隔壁の横断部材114と116との間に収容されている。この集積回路は、前記実施形態において説明したように、隣接するインク通路間に形成されて駆動される壁のための駆動回路を含んでいる。導電軌道122は、ベース100の上面の、隔壁横断部材116の下方において、ベース100のかかる部分にわたって延び、インク通路内に形成された電極と結合すべく、インクマニホールド118の境界に延び、傾斜面102aを昇る。
金属又はプラスチック箔の膜の積み重ね124,126,128はプリンタにわたって延設されている。この積み重ねの上には、代表的にはプラスチック素材からなるスペーサ層130が配置され、このスペーサ層の上には金属製のフィルタ板132が載置される。フィルタ板132には、インク入口開口134の列が形成されている。インクの流入は、関連するフレーム138を用いたポート136を介して提供される。インク出口ポート138は、フィルタ板132並びに積み重ね層126及び128に形成された比較的大きな開口140に連通している。フィルタ板132の下方には、スペーサ層130に切除領域142が設けられる。この切除領域は、積み重ね124,126,128に切り込まれた横断スロット144を介して、インクマニホールド118に連通している。ピエゾ圧電素子に隣接したプリントヘッドの端部から、スロット142の中へと指部146が延びている。これらの指部は、図11により明確に示され、スペーサ層130と3つの積み重ね層124,126,128を通して形成されている。スロット144の反対端部に沿って、段差148は、層124及び126を除去して形成されている。この段差から後方へ延びて、隔壁番号116を横切って集積回路120と隔壁番号114にわたり、層126を除去することによってインク出口経路が形成されている。この経路は、開口部140に連通している。このようにして、インクは、入口ポート136を通り、フィルタ開口134を通り、切除領域142を横切り、本質的には指部146と段差148との間のスロット144を通る。インクは、マニホールド118から、層126を除去して形成した経路を通り、開口部140及び出口ポート138へと流れる。
【0019】
マニホールドへ、また、マニホールドからインクを供給するには多くの変形例があることを認識されたい。
オフセット通路の寸法からもっと近づいて見ると良く分かる。
図14は、前述した2つの層の片方、つまりアクチュータ板200だけがピエゾ圧電素子材料から構成されたものを示している。電極202は、アクチュータ板の壁上に、方位性真空蒸着工程を用いて形成されている。図示の通り、これは、アクチュータ板に形成された通路の深さに応じて、放出通路の異なる部分を覆って延在するようなコーティングをもたらす。アクチュータ通路において、通路の深さが大きい場所では、電極は通路の中央部分に重なって延在する。通路において、通路の深さが小さい場所では、メッキは通路のベースに延在する。
図14に示したアクチュータの動作時について、DB=DC、つまり各通路の深さが450μmであり、通路は、交互に、アクチュータ板200の内部へと300μmだけ延在し、カバー204へと150μmだけ延在するものと、カバーへと300μmだけ延在し、アクチュータ板の内部へと150μmだけ延在するものとになっている場合、液滴の速度は、どちらの通路が放出するかによって、著しく変化することが見い出された。本出願人は、上側通路の効率が高くなるのは、ある程度は、カバー通路の端部にて音波反射係数が大きいためであると考えた。カバー通路の端部は、インク供給マニホールドへ開かれた直線状の縁部開口にて終端しており、このことが効率的な音波の境界を提供している。上述し、また、従来から知られているように、音波は放出通路内において、アクチュータ壁の動きによって生じる。音波は、通路に沿って後方へ伝わり、インク内における音波速度の関数である時刻に、音響的な境界にて反射する。次に、音波は通路に沿って前方へ伝わって、アクチュータ壁の更なる動きで強化され、適切なタイミングに液滴として放出される。音響的な境界は、音響インピーダンスが変化する場所ならばどこにでも生じ、例えば、インク深さの変化や、高いインピーダンスの通路が突然低いインピーダンスのチャンバに開口している場所などに生じる。その他の音響的な境界は当業者に良く知られている。通路長さの方向に対して直交する、カバー通路の端部の直線的な縁部は、アクチュータ通路に設けられる音響的な境界に比べて、より効率的に音波を反射すると信じられている。通路の全体深さが550μmであって、カバー通路とアクチュータ通路との深さを変更した、多数のプリントヘッドを形成した。それによれば、驚いたことに、カバー要素内に長距離延びた通路と、アクチュータ要素内に長距離延びた通路とから放出されるインク液滴の速度は、適切な深さを選んで、適切な通路断面積にすることで、均等化できることが分かった。本実施形態においては、速度はおよそ7.5m/sにて均等化され、550μmの通路長さを215μmと335μmとのカバー要素とアクチュータ要素から形成し、代替的な通路は、335μmと215μmとのカバー要素とアクチュータ要素とからそれぞれ構成した。通路の深さと幅が異なるならば、それに応じた最適な通路構成があるだろうことを理解されたい。
【0020】
オフセット通路における更なる利益は、高周波を維持しつつも、枯渇という不都合、すなわち、放出通路へのインクの供給が中断するような流量にて、放出通路からインクが放出される事態は、大きな横断面積の放出通路を設けることによって抑制できることである。
図14に示す如く、モノリシックの片持梁のデザインをもったオフセット通路のプリントヘッドは、図9に示した前述の実施形態に用いられていたような山形のオフセット通路のプリントヘッドに比べて、低い通路に対して高い駆動電圧を要求する。ここで、アクチュータ要素300は、2つの層状にされたピエゾ圧電素子の板320及び322から形成される。
【0021】
2つの反対極性のピエゾ圧電素子材料における接着剤結合部は、通路壁の可動部分の中央に配置され、通路壁の可動部分は電極にて完全に被われる。測定によれば、同一のオフセット通路深さであるならば、山形デザインはモノリシックのデザインと比較して、液滴の形成について、極めて高い効率を生み出し、駆動電圧を10V以上低くできることが判明した。
アクチュータ通路の音波反射係数を改良すれば、放出特性をさらに高められることが見い出された。図16は、音波反射チャンバ325がアクチュータ要素に形成された状態を示している。図17においては、音波反射チャンバが音響的に透明である接着剤の層330で形成されており、これは通路の長さに沿って10μm〜1000μmの間の距離だけ延在し、かかる距離は必要な音波反射が得られるように、日常的な実験経験則によって選択される。
【0022】
アクチュータ板は、図18及び図19に示した段階に従って製造される。支持体430の材料は、能動型PZT432と熱的に整合するものであり、平坦部分434を設けた上に、PZTや層状PZTが取り付けられる。PZTは、接着剤436を用いて支持体に接着されるが、この接着剤はアクチュータで使用されるインクに対して音響的に透明なものである。音響的に透明であるという用語の意味は、接着剤の母材が、インクの母材と同一である、音波反射係数をもつことを意味する。接着剤は、インクに対して、化学的に不活性であるべきである。PZTの後方と支持体との間における接着剤の厚みは、PZTの底面と支持体との間における接着剤の厚みに比べて大きいことが好ましく、これにより、支持体への剛い固定が得られると共に、高い音波反射係数が得られる。
【0023】
PZTアクチュータの後方に適切な厚みの接着剤を設けることで、要求される音波反射係数が得られる。通路438は、鋸加工されて、PZTと接着剤とを貫通して支持体へと達する。エポキシ接着剤が特に適している。
上側通路(通路の大きな部分がカバー要素にある)と下側通路(通路の大きな部分がアクチュータ要素にある)との間において、インク液滴の速度は、2サイクル、2フェーズの加熱法として知られる操作を適用することによって均等化される。隣接する上側通路は、第1の電圧にて、動作シーケンスにおける第1のサイクル及び第1のフェーズにて能動化させる。下側通路は、上下の通路における放出特性を均等にするために必要とされる、より高い電圧にて、プリントヘッドの第2のフェーズ及び第2のサイクルにて能動化させる。この技術は、たとえ音波反射係数を改変する場合においてさえも使用できる。前述の如く、異なる電圧を用いるのに代えて、異なるパルス上昇や、異なるパルス幅を用いても良い。
アクチュータ要素をこうした方法でこうした構造にすることで、ラン・アウトの利益のすべてが得られ、すなわち、放出通路の後方にある可変深さ部分について、生産的な観点から、例えばダイス加工、鋸引き加工、及び電気結合にて、音波反射係数が改善される。この観点によるアクチュータについては、オフセット通路を参照して既に説明したけれども、アクチュータ通路における音響的な境界の改良に関連した改変については、オフセットを持たない通路、例えば図20のカバー要素が通路を有しない場合や、図21のカバー要素に通路が設けられている場合などにも等しく適用できる。カバーに設けられる通路は、アクチュータ要素だけに形成された通路について、高い効率と、通路間の低いクロス・トークとを提供する。
【0024】
本発明について、奇数の通路がひとつのグループを形成し、偶数の通路が他方のオフセットグループを形成するものを例示したけれども、当業者には代替的なグループ構成は明らかである。これは、特許請求の範囲に定めた発明の範囲を逸脱せずに、実施できる多数の変形例のうちのひとつである。
【0025】
明細書及び特許請求の範囲に記載した各特徴は、他の単一若しくは複数の特徴と組み合わせることができ、それらは本願における本発明から逸脱するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の実施形態によるインクジェットプリンタを示した模式図である。
【図2】図2は、図1のインクジェットプリンタの一部分について拡大して示した断面図である。
【図3】図3は、重要な要素について相対的な偏位を示した模式図である。
【図4】図4は、重要な要素について相対的な偏位を示した模式図である。
【図5】図5は、重要な要素について相対的な偏位を示した模式図である。
【図6】図6は、駆動回路を示したブロック図である。
【図7】図7は、図6に示した駆動回路が代替的な動作をしたときの波形図である。
【図8】図8は、図6に示した駆動回路が代替的な動作をしたときの波形図である。
【図9】図9は、図6に示した駆動回路が代替的な動作をしたときの波形図である。
【図10】図10は、本発明の更なる実施形態による、オンデマンドのインクジェットプリンタ一部破断して示した斜視図である。
【図11】図11は、図10のプリントヘッドについて、その通路及びノズルの配置を示した模式図である。
【図12】図12は、図10のプリントヘッドを示した側断面図である。
【図13】図13は、図10のプリントヘッドを示した上面図である。
【図14】図14は、オフセットした通路について異なった構成を示した模式図である。
【図15】図15は、オフセットした通路について異なった構成を示した模式図である。
【図16】図16は、本発明のさらに代替的な形態を示した模式図である。
【図17】図17は、本発明のさらに代替的な形態を示した模式図である。
【図18】図18は、図16及び図17に示した構造を製造する手順を示した模式図である。
【図19】図19は、図16及び図17に示した構造を製造する手順を示した模式図である。
【図20】図20は、図16及び図17に示した構造を製造する手順を示した模式図である。
【図21】図21は、図16及び図17に示した構造を製造する手順を示した模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴付着装置であって、本体構造が中心平面を形成し、通路延在方向はかかる平面にあるような上記本体構造と、複数の細長い液滴放出通路であって、中心平面に対して平行な通路の延在方向に本体構造を通って延び、各通路は、隣接する通路に対して中心平面に相対的にオフセットしているような上記液滴放出通路と、各通路に連通してなるそれぞれの液滴放出ノズルと、選択された通路内に音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させるためのアクチュータ手段と、中心平面に対して平行でかつ通路の延在方向に対して直交するように、本体構造を延通してなるマニホールドであって、マニホールドは各通路と交差して通路端部輪郭を形成し、ひとつの通路についての通路端部輪郭は、隣接する通路の通路端部輪郭の中心平面に対して実質的に鏡像になっており、各通路とマニホールドとの境界における音波の反射係数は、実質的にすべての通路について等しくなっていることを特徴とする液滴付着装置。
【請求項2】
それぞれの通路端部輪郭は、通路の延在方向に対して傾斜してなる輪郭面を具備しひとつの通路についての輪郭面の傾斜角度は、隣接する通路の傾斜角度と等しくて反対向きになっていることを特徴とする請求項1に記載の液滴付着装置。
【請求項3】
各通路についての通路端部輪郭の部分上に導電体の軌道が延在していることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴付着装置。
【請求項4】
前記導電体の軌道は、連続的な導電体層を付着させ、続いて物質を除去して、軌道の線引きを行うことで形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液滴付着装置。
【請求項5】
前記物質は、レーザ処理によって除去されることを特徴とする請求項4に記載の液滴付着装置。
【請求項6】
液滴付着装置であって、本体構造が中心平面を形成し、通路延在方向はかかる平面にあるような上記本体構造と、複数の細長い液滴放出通路であって、中心平面に対して平行な通路の延在方向に本体構造を通って延び、第1グループの通路は、中心平面に直交する第1のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしており、第2グループの通路は、中心平面に直交する第2のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしているような上記液滴放出通路と、各通路に連通してなるそれぞれの液滴放出ノズルと、駆動信号を入力される電極が設けられたピエゾ圧電素子の各部からなるアクチュータであって、それぞれのアクチュータは、駆動信号を受けると、選択された通路内に音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させるような上記アクチュータ手段と、中心平面に対して平行でかつ通路の延在方向に対して直交するように、本体構造を延通してなるマニホールドであって、マニホールドは各通路と交差して通路端部輪郭を形成し、各通路についての通路端部輪郭の少なくとも一部分上に導電体の軌道が延在していて、それぞれの導電体軌道は電極への駆動信号を運び、第1グループの通路についての通路端部輪郭は、第2グループの通路の通路端部輪郭の中心平面に対して実質的に鏡像になっており、各通路とマニホールドとの境界における音波の反射係数は、実質的にすべての通路について等しくなっていることを特徴とする液滴付着装置。
【請求項7】
マニホールドの横断面は、中心平面に対して対称的になっていることを特徴とする請求項6に記載の液滴付着装置。
【請求項8】
装置がさらに、第1グループの通路を駆動すべく第1の駆動波形を与える第1の電気駆動回路と、第2グループの通路を駆動すべく第2の駆動波形を与える第2の電気駆動回路とを備え、第1及び第2のグループの通路は、交互に動作して、第1グループの通路と第2グループの通路とから放出される液滴の速度を等しくするために必要である程度だけ、第1の駆動波形と第2の駆動波形とを異ならせていることを特徴とする請求項6又は7に記載の液滴付着装置。
【請求項9】
第1の駆動波形と第2の駆動波形とでは、駆動電圧、パルス上昇、または、パルス幅が異なっていることを特徴とする請求項8に記載の液滴付着装置。
【請求項10】
液滴付着装置であって、本体構造が中心平面を形成し、通路延在方向はかかる平面にあるような上記本体構造と、複数の細長い液滴放出通路であって、中心平面に対して平行な通路の延在方向に本体構造を通って延び、第1グループの通路は、中心平面に直交する第1のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしており、第2グループの通路は、中心平面に直交する第2のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしているような上記液滴放出通路と、各通路に連通してなるそれぞれの液滴放出ノズルと、選択された通路内に音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させるための電気的なアクチュータ手段と、中心平面に対して平行でかつ通路の延在方向に対して直交するように、本体構造を延通してなるマニホールドであって、マニホールドは各通路と交差して通路端部輪郭を形成し、マニホールドにて第1グループの通路が有する音波の反射係数は、第2グループの通路がマニホールドにて有する音波の反射係数とは異なっているような上記マニホールドと、第1グループの通路を駆動すべく第1の駆動波形を与える第1の電気駆動回路と、第2グループの通路を駆動すべく第2の駆動波形を与える第2の電気駆動回路とを備え、第1及び第2のグループの通路は、交互に動作して、第1グループの通路と第2グループの通路とから放出される液滴の速度を等しくするために必要である程度だけ、第1の駆動波形と第2の駆動波形とを異ならせていることを特徴とする液滴付着装置。
【請求項11】
第1の駆動波形と第2の駆動波形とでは、駆動電圧、パルス上昇、または、パルス幅が異なっていることを特徴とする請求項10に記載の液滴付着装置。
【請求項12】
液滴付着方法であって、中心平面を形成してなる本体構造を提供し、かかる平面内に通路延在方向があるような上記本体構造を提供する段階と、複数の細長い液滴放出通路であって、中心平面に対して平行な通路の延在方向に本体構造を通って延び、各通路は、隣接する通路に対して中心平面に相対的にオフセットしているような上記液滴放出通路と、各通路に連通してなるそれぞれの液滴放出ノズルと、中心平面に対して平行でかつ通路の延在方向に対して直交するように、本体構造を延通してなるマニホールドであって、マニホールドは各通路と交差して通路端部輪郭を形成してなるマニホールドと、第1の通路内にて音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させる段階と、第1の通路に隣接してなる第2の通路内にて音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させる段階と、第1の通路とマニホールドとの間の境界における音波の反射係数を、第2の通路とマニホールドとの間の境界における係数と等しくするように調節する段階と、を備えていることを特徴とする方法。
【請求項13】
それぞれの通路端部輪郭は、通路の延在方向に対して傾斜してなる輪郭面を具備しひとつの通路についての輪郭面の傾斜角度は、隣接する通路の傾斜角度と等しくて反対向きになっていることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
液滴付着装置の使用であって、本体構造が中心平面を形成し、通路延在方向はかかる平面にあるような上記本体構造と、複数の細長い液滴放出通路であって、中心平面に対して平行な通路の延在方向に本体構造を通って延び、第1グループの通路は、中心平面に直交する第1のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしており、第2グループの通路は、中心平面に直交する第2のオフセット方向にて、中心平面に相対的にオフセットしているような上記液滴放出通路と、各通路に連通してなるそれぞれの液滴放出ノズルと、選択された通路内に音波を発生させて、それぞれのノズルを通して液滴を放出させるための電気的なアクチュータ手段と、中心平面に対して平行でかつ通路の延在方向に対して直交するように、本体構造を延通してなるマニホールドであって、マニホールドは各通路と交差して通路端部輪郭を形成し、マニホールドにて第1グループの通路が有する音波の反射係数は、第2グループの通路がマニホールドにて有する音波の反射係数とは異なっているような上記マニホールドと、上記使用においては、第1グループの選択された通路を動作させるべく第1の駆動波形を適用することと、第2グループの選択された通路を動作させるべく第2の駆動波形を適用することとを交互に行い、第1グループの通路と第2グループの通路とから放出される液滴の速度を等しくするために必要である程度だけ、第1の駆動波形と第2の駆動波形とを異ならせていることを特徴とする液滴付着装置の使用。
【請求項15】
第1の駆動波形と第2の駆動波形とでは、駆動電圧、パルス上昇、または、パルス幅が異なっていることを特徴とする請求項14に記載の液滴付着装置の使用。
【請求項16】
液滴付着装置であって、所定の間隔を隔てた複数の通路を備えてなるアクチュータ板を備え、前記通路のそれぞれは所定の長さd1を有し、前記長さの一部分は一定の深さを有し、前記長さの一部分は変化する深さを有しているような上記アクチュータ板と、前記アクチュータ通路と前記カバー通路とに端部壁を提供するノズル板と、を備え、前記アクチュータ通路は音波反射変更手段を備えていることを特徴とする液滴付着装置。
【請求項17】
液滴付着装置であって、所定の間隔を隔てた複数の通路を備えてなるアクチュータ板を備え、前記通路のそれぞれは所定の長さd1を有し、前記長さの一部分は一定の深さを有し、前記長さの一部分は変化する深さを有しているような上記アクチュータ板と、所定の通路間隔と通路長さd2(d2<d1)である複数の通路を有するようなカバー板と、を備え、前記アクチュータ通路の少なくともひとつは、前記カバー通路の少なくともひとつと整列していて、前記アクチュータ通路と前記カバー通路とに端部壁を提供するノズル板と、を備え、少なくともいくつかの前記アクチュータ通路は、音波反射変更手段を備え、カバー通路と整列してアクチュータ通路で形成された放出通路の音波の反射は、カバー通路と整列せずにアクチュータ通路で形成された放出通路の音波の反射と実質的に同一であることを特徴とする液滴付着装置。
【請求項18】
音波反射変更手段は、アクチュータ通路の長さを横切るように延在してなる溝から構成されていることを特徴とする請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
横切る溝は、放出流体で満たされていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
横切る溝は、音響的に透明な固体で満たされていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項21】
音響的に透明な固体は、接着剤材料であって、好ましくはエポキシであることを特徴とする請求項20に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2007−506580(P2007−506580A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527494(P2006−527494)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004136
【国際公開番号】WO2005/030490
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(397032943)ザール テクノロジー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】