説明

液状物充填機の充填通路開閉装置

【課題】液状物の充填通路の一部として可撓性チューブが設置され、該可撓性チューブを外力で潰し又は復元させることにより前記充填通路を開閉する液状物充填機の充填通路開閉装置の改良。可撓性チューブの耐久力を高め,交換等の手間,コストを低減する。
【解決手段】充填通路開閉装置が、可撓性チューブ7と可撓性チューブ7の周囲を気密に囲むチャンバー8を含む開閉制御部3、チャンバー8内に加圧気体を供給又はチャンバー8内から排気して可撓性チューブ7を潰し又は復元させる吸排気装置5、及び吸排気装置5における吸排気のタイミングを制御する制御装置6からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状物貯留タンク内の液状物を容器内に充填する液状物充填機において充填通路を所定のタイミングで開閉する充填通路開閉装置に関し、特に充填通路の一部として設置された可撓性チューブを外力で潰し又は復元させることにより充填通路の開閉を行う充填通路開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜4には、液状物貯留タンクと充填ノズルの吐出口の間の充填通路(充填ノズル自体を含む)に、該充填通路の一部として弾性材料からなる可撓性チューブを設置し、該可撓性チューブの近傍に駆動源により進退する剛性の押圧部材を配置した充填通路開閉装置が記載されている。この充填通路開閉装置では、駆動源により押圧部材を前進させ、可撓性チューブを押圧して押し潰し、充填通路をこの可撓性チューブの箇所で閉塞する。一方、充填通路を開くときは、押圧部材を後退させて可撓性チューブから引き離し、可撓性チューブを復元させて充填通路を開く。なお、可撓性チューブの復元は、充填通路内部の液圧及び可撓性チューブ自体の復元力(弾性材料で形成されている場合)によって行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3704270号公報
【特許文献2】特許第3454875号公報
【特許文献3】特開2008−94496号公報
【特許文献4】特開2009−234633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この種の充填通路開閉装置では、充填通路の開閉のたびに(1回の充填工程ごとに)、可撓性チューブに対する押圧部材の直接の接触及び離反が繰り返されるため、可撓性チューブの接触部の局部的な摩耗が激しく、このため可撓性チューブを頻繁に交換する必要があり、コスト面で問題があり、オペレータの負担も大きかった。また、可撓性チューブの摩耗による汚れ等もあり、清掃性やメンテナンス性にも問題があった。
従って、本発明は、局部的な摩耗を軽減することで可撓性チューブの耐久力を高め、これによりコストやオペレータの負担を軽減し、かつ清掃性やメンテナンス性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、液状物貯留タンクと充填ノズルの吐出口の間の充填通路に該充填通路の一部として設置された可撓性チューブを有し、可撓性チューブを外力で潰し又は復元させることにより前記充填通路を開閉する液状物充填機の充填通路開閉装置に関し、前記可撓性チューブと前記可撓性チューブの周囲を気密に囲むチャンバーを含む充填通路の開閉制御部、前記開閉制御部に接続し前記チャンバー内に加圧気体を供給又は前記チャンバー内から排気して前記可撓性チューブを潰し又は復元させる給排気装置、及び前記給排気装置を制御して前記チャンバー内への給排気を所定のタイミングで行わせる制御装置を備えることを特徴とする(請求項1)。給排気装置の排気手段として、チャンバーの大気開放又はチャンバー内の減圧(真空ポンプ等の減圧手段の設置)が考えられる。可撓性チューブは円筒形が望ましく、素材としてシリコンゴム等の弾性材料が好適に使用できる。
【0006】
この充填通路開閉装置において、充填通路の開閉制御部のチャンバー内に加圧気体を供給したとき、その加圧気体の圧力が十分大きければ、可撓性チューブは周囲から均等に加圧されて潰れ、充填通路は可撓性チューブの箇所で閉鎖される。また、チャンバー内から加圧気体を排気すると、可撓性チューブが充填通路内部の液圧及び可撓性チューブの弾性復元力によって、さらには補助的にチャンバー内を減圧することによってチューブ形状に復元し、充填通路が開く。
なお、本発明において液状物は、単なる液体のみでなく固形物と液体の混合物を含む。
【0007】
上記充填通路開閉装置のさらに具体的な形態として、例えば次の点を挙げることができる。
(1)前記チャンバーが略円筒形をなし、可撓性チューブの外周面とチャンバーの内面の間に気密室が構成され、該気密室に加圧気体が供給され又は該気密室から排気されること(請求項2)。
(2)前記充填通路の開閉制御部において、前記チャンバーが気密室の前後に可撓性チューブの両端部外周面の全周に密着する保持部を有し、各保持部の内径側に所定の間隔を置いて前記充填通路の一部を構成する中空のインナーピースが配置され、インナーピースは可撓性チューブの両端部に差し込まれて内周面全周に密着し、可撓性チューブの両端部がチャンバーの前記保持部とインナーピースの間に挟まれ所定位置に保持されていること(請求項3)。
【0008】
(3)2つの開閉制御部が充填通路に直列に配置され、給排気装置は各開閉制御部に接続していて、充填終了時に両開閉制御部のチャンバー内へ加圧気体を供給後、所定のタイミングで下流側の開閉制御部のチャンバーから排気すること(請求項4)。この構成により充填後のサックバックが可能となる。
(4)給排気装置は、チャンバー内へ供給する加圧気体の圧力を、可撓性チューブを潰して充填通路を閉じる高圧とそれより低圧の2段階で切換可能であり、充填終了時にチャンバー内へ高圧で加圧気体供給後、所定のタイミングで低圧への切換を行うこと(請求項5)。この場合、前記低圧の加圧気体の圧力レベルは、可撓性チューブを潰した状態が維持される(充填通路が閉じた状態が維持される)レベルに設定し(請求項6)、あるいは可撓性チューブを潰し切らない(充填通路が閉じた状態が維持されない)レベルに設定(請求項7)することができる。いずれも場合も、この構成により充填後のサックバックが可能となる。
【0009】
(5)給排気装置の一部としてチャンバーに連通する加圧気体供給配管に気体流量計が設置され、前記流量計はチャンバー内へ加圧気体が供給されている間加圧気体の流量を計測し、制御装置が前記流量計の計測値に基づいてリークの有無を判定すること(請求項8)。
(6)前記チャンバーがアクリル樹脂等の透明(透光性)材料からなること(請求項9)。
(7)前記チャンバーの気密室内に液状物の漏れを検出する検出センサを設置すること(請求項10)。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、充填通路の開閉制御部において、内部に配置された可撓性チューブが加圧気体によって周囲から均等に加圧され潰れるので、可撓性チューブを剛性の押圧部材によって潰す従来技術のように、押圧部材が接触する部分で局部的に摩耗するというようなことがない。このため、可撓性チューブの耐久力が高まって長寿命化し、交換頻度を減らしてコストやオペレータの負担を軽減し、かつ清掃性やメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る充填通路開閉装置の側面断面図(排気時)である。
【図2】その充填通路開閉装置を含む充填ノズルの分解断面図である。
【図3】本発明に係る充填通路開閉装置の側面断面図(加圧気体導入時)である。
【図4】本発明に係る別の充填通路開閉装置の側面断面図である。
【図5】本発明に係るさらに別の充填通路開閉装置の側面断面図である。
【図6】本発明に係るさらに別の充填通路開閉装置の側面断面図である。
【図7】本発明に係るさらに別の充填通路開閉装置の側面断面図(高圧の加圧気体導入時)である。
【図8】その充填通路開閉装置の側面断面図(低圧の加圧気体導入時)である。
【図9】その充填通路開閉装置の側面断面図(さらに低圧の加圧気体導入時)である。
【図10】本発明に係るさらに別の充填通路開閉装置の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1〜図10を参照して、本発明に係る液状物充填機の充填通路開閉装置について具体的に説明する。
図1に示す液状物充填機は、図示しない充填通路を介し又は介さずに図示しない液状物貯留タンクに連通するエルボ配管1と、エルボ配管1の下端に配置されたストレート配管2と、ストレート配管2の下端に配置された充填通路の開閉制御部3と、開閉制御部3の下端に配置された充填ノズル4と、開閉制御部3に接続される吸排気装置5と、吸排気装置5を制御する制御装置6等からなる。図1において、エルボ配管1、ストレート配管2、充填通路の開閉制御部3及び充填ノズル4によって充填通路が構成されている。
【0013】
図1,2に示すように、開閉制御部3は、例えばシリコンゴムで形成された円筒形の可撓性チューブ7と、可撓性チューブ7の周囲を取り囲む略円筒形状のチャンバー8と、チャンバー8の上下両端部内径側に配置されたインナーピース9,11からなる。
チャンバー8は、両端にストレート配管2及び充填ノズル4との接合用フランジ12,13が形成され、両端部近傍の内周面にリング状に突出する保持部14,15が形成され、保持部14,15の間(チャンバー8の内周中央域)がリング状の凹所16となっている。また、フランジ12,13の内径側(フランジ12の端面12aと保持部14の間、及びフランジ13の端面13aと保持部15の間)が凹所17,18となっている。保持部14,15の内径は可撓性チューブ7の外径とほぼ同じとされ、端部側の内周面14a,15aが凸状に湾曲して拡径し、凹所16はその内径が可撓性チューブ7の外径より大きく形成されている。
インナーピース9,11は全体として略切頭円錐形のリング状をなし、その外周面はチャンバー8の保持部14,15の内周面にほぼ沿った形で凹状に湾曲して拡径している。
【0014】
次にエルボ配管1、ストレート配管2、開閉制御部3及び充填ノズル4の組み付け状態を説明する。
エルボ配管1の下端に形成されたフランジ19とストレート配管2の上端に形成されたフランジ21が、パッキン22を挟んでクランプ23により接続される。
開閉制御部3においては、チャンバー8の内部に可撓性チューブ7が挿入され、可撓性チューブ7の両端にインナーピース9,11が頭部側から可撓性チューブ7の両端部に差し込まれる。この状態で、ストレート配管2の下端に形成されたフランジ24とチャンバー8のフランジ12が、パッキン25を挟んでクランプ26により接続され、かつ、チャンバー8のフランジ13と充填ノズル2の上端に形成されたフランジ27が、パッキン28を挟んでクランプ29により接続される。
【0015】
組み付け後の開閉制御部3において、インナーピース9,11はチャンバー8の両端部凹所17,18にそれぞれはまり込み、インナーピース9とストレート配管2のフランジ24の端面同士がOリング31を介して圧接し、かつインナーピース11と充填ノズル2のフランジ27の端面同士がOリング32を介して圧接している。
また、可撓性チューブ7の上端部はチャンバー8の保持部14とインナーピース9の間に圧縮状態で挟持され、下端部はチャンバー8の保持部15とインナーピース11の間に圧縮状態で挟持される。これにより、可撓性チューブ7はチャンバー8内の所定位置に保持されると共に、可撓性チューブ7の両端部は、外周面が全周にわたりチャンバー8の保持部14,15の内周面に密着し、内周面が全周にわたりインナーピース9,11の外周面に密着して、インナーピース9,11と可撓性チューブ7の間の液漏れが防止され、かつチャンバー8の凹所16と可撓性チューブ7の外周面の間にリング状の気密室33が構成される。なお、可撓性チューブ7は両端部が保持部14,15とインナーピース9,11の間で外拡がりの状態で挟持されているため、可撓性チューブ7の保持が強固で、位置ずれ等が生じにくい。
【0016】
開閉制御部3において、チャンバー8の側壁に気密室33に通じる吸排気口34が形成され、該吸排気口34に加圧気体供給源35、切換弁36、及び配管37等で構成される吸排気装置5が接続されている。切換弁36は、給排気口34側を加圧気体供給源35側又は大気開放側に切り換える。また、チャンバー8の側壁に気密室33に通じる穴38が形成され、前記穴38を通して液状物の漏れを検出する検出センサ39が気密室33内に設置されている。切換弁36の操作は配線30を通して制御装置6により制御され、検出センサ39の検出信号は配線40により制御装置6に送られる。本発明に係る充填通路開閉装置は、開閉制御部3、吸排気装置5、制御装置6、及び検出センサ39等からなる。
【0017】
以上説明した液状物充填機において、図示しない液状物貯留タンク内の液状物は、タンク内の液状物の位置エネルギーを利用した重力式(例えば特許文献1,2)、タンク内をエア圧で加圧する加圧タンク式、充填通路の途中に設けたポンプで加圧し送り出すポンプ式等、適宜の加圧手段により充填通路に圧送され、エルボ配管1、ストレート配管2、インナーピース9、可撓性チューブ7、インナーピース11、及び充填ノズル4を通り、充填ノズル4の吐出口から流出して、充填ノズル4の下に設置した図示しない容器に充填される。また、1回の充填工程における充填量の検出は、例えば特許文献2,4に記載された流量計等の計測手段により行うことができる。そのほか、充填通路の途中に設けた計量ポンプ(計量シリンダとピストンからなる)により、1回毎に計量された定量の液状物を圧送する液状物充填機もある。
【0018】
上記液状物充填機において、充填通路開閉装置による充填通路開閉制御の1サイクルは例えば次のように行われる。
(1)待機状態
制御装置6の指令により、切換弁36が吸排気口34を加圧気体供給源35に連通させている。これにより気密室33内が加圧され、図3に示すように、可撓性チューブ7は周囲からの圧力で潰され、充填通路は可撓性チューブ7の箇所で閉じられている。
(2)充填開始
次の空容器が充填ノズル4の吐出口の下に移送され停止すると、制御装置6の指令により切換弁36が大気開放側に切り換わり、給排気口34を大気開放側に連通させる。気密室33内が大気圧になり、弾性材料からなる可撓性チューブ7自体の復元力及び充填通路内の液状物の圧力により、可撓性チューブ7が図1に示すように復元し、充填通路が開く。これにより、充填ノズル4の吐出口の下に置かれた図示しない容器に液状物が充填される。
(3)充填停止
流量計等の充填量計測手段からの信号を受けて、制御装置6が切換弁36の切り換え指令を出す。切換弁36が加圧気体供給源35側に切り換わり、給排気口34が加圧気体供給源35側に連通し、気密室33内が加圧され、図3に示すように、可撓性チューブ7が潰れ、充填通路が閉じられる。続いて充填済みの容器は充填ノズル4の吐出口の下から移送される。
【0019】
なお、上記充填通路開閉装置は、次のような効果を有する。
(1)可撓性チューブ7を加圧気体によって非接触で潰すので、可撓性チューブの摩耗を防止して耐久性を増し、部品交換頻度を軽減することができる。また、装置の構造の簡略化も図れ、清掃性やメンテナンス性を向上することができる。
(2)可撓性チューブ7をチャンバー8内に挿入し、可撓性チューブ7の両端部にインナーチューブ9,11を嵌め込むだけで可撓性チューブ7の保持ができる(工具不要)ので、可撓性チューブ7の取り付け、交換が容易に行える。
(3)液状物の漏れを検出する検出センサ39を設置したため、万一、可撓性チューブ7が破れて液状物が気密室33内に漏れ出したとき、それを自動的に検出して制御装置6に信号を送り、制御装置6により液状物充填機を停止させたり、警報音や警告表示を出してオペレーターに知らせることができる。
【0020】
図4に、本発明に係る別の液状物充填機を示す。この液状物充填機はサックバック機能を有する。図4において、図1に示す液状物充填機と実質的に同じ部位には同じ番号を付与している。
この液状物充填機の充填通路開閉装置は、2つの開閉制御部3A,3Bが、ストレート配管41を介して直列に配置されている点で、図1に示す液状物充填機の充填通路開閉装置とは異なる。上流側開閉制御部3Aは上端がストレート配管2の下端に接続され、下端がストレート配管41の上端に接続され、下流側開閉制御部3Bは上端がストレート配管41の下端に接続され、下端が充填ノズル4の上端に接続されている。開閉制御部3A,3Bはそれぞれ独立して制御される。
【0021】
図4に示す充填通路開閉装置は、開閉制御部3A,3B、吸排気装置5、制御装置6、及び検出センサ39A,39B等からなり、吸排気装置5は並列に配置された2つの切換弁36A,36Bと配管37A,37Bを有する。各開閉制御部3A,3Bはそれぞれ図1に示す開閉制御部3と同一構造であり、開閉制御部3Aは可撓性チューブ7Aと、チャンバー8Aと、インナーピース9A,11Aからなり、開閉制御部3Bは可撓性チューブ7Bと、チャンバー8Bと、インナーピース9B,11Bからなる。チャンバー8A,8Bの吸排気口34A,34Bには、それぞれ図1に示す切換弁36と同じ切換弁36A,36Bが接続され、かつ穴38A,38Bには、図1に示す検出センサ39と同じ検出センサ39A,39Bが接続されている。切換弁36A,36Bは共通の加圧気体供給源35に連通し、切換弁36A,36Bの操作は、配線30A,30Bを介して、制御装置6により独立して制御可能とされる。
【0022】
図4に示す充填通路開閉装置による充填通路開閉制御の1サイクルは例えば次のように行われる。
(1)待機状態
制御装置6の指令により、切換弁36Aが吸排気口34Aを加圧気体供給源35に連通させ、切換弁36Bが給排気口34Bを大気開放側に連通させている。これにより、図4に示すように、気密室33A内が加圧され、可撓性チューブ7Aは周囲からの圧力で潰され、充填通路は可撓性チューブ7Aの箇所で閉じられている。一方、気密室33B内は大気圧で、可撓性チューブ7Bは元の形状に復元して充填通路は開いている。
(2)充填開始
次の空容器が充填ノズル4の吐出口の下に移送され停止すると、制御装置6の指令により、切換弁36Aも大気開放側に切り換わり、給排気口34Aが大気開放側に連通する。る。気密室33A内が大気圧になり、弾性材料からなる可撓性チューブ7A自体の復元力及び充填通路内の液状物の圧力により、可撓性チューブ7Aが復元し、充填通路が開き、液状物の充填が開始される。
【0023】
(3)充填停止
流量計等の充填量計測手段からの信号を受けて、制御装置6が切換弁36A,36Bの切り換え指令を出す。切換弁36A,36Bが加圧気体供給源35側に切り換わり、給排気口34A,34Bが加圧気体供給源35側に連通し、気密室33A,33B内が加圧され、可撓性チューブ7A,7Bが潰れ、充填通路が閉じられる。
(4)サックバック
続いて、充填済みの容器は充填ノズル4の吐出口の下から移送され、その前後の適宜のタイミングで、制御装置6が切換弁36Bの切り換え指令を出す。切換弁36Bのみが大気開放側に切り換わり、給排気口34Bが大気開放側に連通し、可撓性チューブ7B自体の復元力により可撓性チューブ7Bが開く。このときの状態が図4に示されている。これにより、可撓性チューブ7B内の充填通路の容積が拡大し、可撓性チューブ7Bから充填ノズル4の吐出口までの充填通路が負圧状態となり、充填ノズル4の吐出口付近の液状物が充填ノズル4内部に引き込まれ(サックバック現象)、充填終了後における吐出口からの液だれを防止できる。
【0024】
図5に、本発明に係る別の液状物充填機を示す。図5において、図1に示す液状物充填機と実質的に同じ部位には同じ番号を付与している。
この液状物充填機の充填通路開閉装置において、吸排気装置5は給気装置43と排気装置44からなり、チャンバー8に給気口45と排気口46が形成されている。この点で、この液状物充填機の充填通路開閉装置は、図1に示す液状物充填機の充填通路開閉装置とは異なる。
【0025】
給気装置43は、加圧気体供給源35と、加圧気体供給源35と給気口45の間に並列に配設された配管37(並列配管37a,37bを含む)と、並列配管37aに設置された切換弁47と、並列配管37bに設置された切換弁48及び圧力調整弁(減圧弁)49からなる。排気装置44は、真空ポンプ51と、真空ポンプ51と排気口46の間に配設された配管52と、配管52に設置された切換弁53からなる。切換弁47,48は加圧気体供給源35と給気口45との連通又は遮断、切換弁53は真空ポンプ51と排気口46との連通又は遮断を行う。従って、この給気装置43は、高圧の加圧気体と低圧の加圧気体の切り換えができる。切換弁47,48,53の操作は、配線54〜56を介して、制御装置6により独立して制御される。
【0026】
図5に示す充填通路開閉装置による充填通路開閉制御の1サイクルは例えば次のように行われる。
(1)待機状態
制御装置6の指令により、切換弁47が給気口45を加圧気体供給源35に連通させ、切換弁48が並列配管37bの管路を遮断し、切換弁53が配管52の管路を遮断している。これにより気密室33内が加圧され、可撓性チューブ7は周囲からの圧力で潰され、充填通路は可撓性チューブ7の箇所で閉じられている。
(2)充填開始
次の空容器が充填ノズル4の吐出口の下に移送され停止すると、制御装置6の指令により、切換弁47が並列配管37aの管路を遮断し、同時に切換弁53が真空ポンプ51側に切り換わる。これにより気密室33内が減圧され、可撓性チューブ7が強制的に開かれ(気密室33内の減圧が可撓性チューブ7の復元を補助する)、液状物の充填が開始される。
【0027】
(3)充填制御
制御装置6の指令により、切換弁53が配管52の管路を遮断し、同時に切換弁48が加圧気体供給源35側に切り換わる。これにより、図5に示すように、気密室33内が比較的低圧で加圧されて可撓性チューブ7が少し潰れ(図5の状態)、充填通路は可撓性チューブ7の箇所で断面積を減らし、充填通路を流れる液状物の流速や流量が減少する。このように充填通路を流れる液状物の流速や流量を制御することで,充填精度の向上を図ることができる。
(4)充填停止
流量計等の充填量計測手段からの信号を受けて、制御装置6が切換弁47,48の切り換え指令を出す。切換弁47が加圧気体供給源35側に切り換わり、切換弁48が配管37bの管路を遮断する。これにより、給気装置43による加圧気体の供給は、低圧から高圧へ切り換わり、気密室33内が高圧で加圧され、可撓性チューブ7が潰れ、充填通路が完全に閉じられる。続いて充填済みの容器は充填ノズル4の吐出口の下から移送される。
【0028】
図6に、本発明に係る別の液状物充填機を示す。図6において、図1に示す液状物充填機と実質的に同じ部位には同じ番号を付与している。
この液状物充填機は多連型包装機に対応したもので、一度に複数個の容器に同時に充填する多連(2連)型機である。この液状物充填機は、エルボ配管1、ストレート配管2、充填通路の開閉制御部3及び充填ノズル4の組を2組並列に有する点で、図1に示す液状物充填機と異なる。エルボ配管1,1は図示しない充填通路を介し又は介さずに図示しない共通の液状物貯留タンクに連通している。
【0029】
この液状物充填機の充填通路開閉装置において、並列に配置された開閉制御部3,3に共通の吸排気装置5が接続されている。開閉制御部3,3において、2つのチャンバー8,8が導通路57を介して一体的に形成され、前記導通路57に吸排気口34が形成され、この吸排気口34に配管37が接続し、さらに加圧気体供給源35及び切換弁36が接続している。検出センサ39,39が開閉制御部3,3のチャンバー8,8にそれぞれ設けられている。
この液状物充填機は、2つの開閉制御部3,3を有するが、これらは同時に制御される。すなわち、1つの加圧気体供給源35及び1つの切換弁36で同時に開閉制御部3,3(可撓性チューブ7,7の開閉)を制御することができ、充填通路開閉装置の構造が簡略化される。3連型以上も同様の形態で可能である。
【0030】
図7(及び図8,9)に、本発明に係る別の液状物充填機を示す。この液状物充填機はサックバック機能を有する。図7において、図1,5に示す液状物充填機と実質的に同じ部位には同じ番号を付与している。
この液状物充填機の充填通路開閉装置において、給排気装置5は、加圧気体供給源35と、加圧気体供給源35と給排気口58及び給気口59の間に並列に配設された配管37(並列配管37a,37bを含む)と、並列配管37a,37bの上流側の配管37に設置された圧力調整弁(減圧弁)61と、並列配管37aに設置された切換弁62と、並列配管37bに設置された切換弁63及び圧力調整弁(減圧弁)64からなる。並列配管37aは給排気口58に連通し、並列配管37bは給気口59に連通する。切換弁62は加圧気体供給源35と給排気口58との連通又は遮断、及び遮断時に給排気口58を大気開放側に切り換え、切換弁63は加圧気体供給源35と給気口59との連通又は遮断を行う。切換弁62,63の操作は、配線54,55を介して、制御装置6により独立して制御される。
【0031】
切換弁63が加圧気体供給源35と給気口59の連通を遮断し、切換弁62が加圧気体供給源35と給排気口58を連通させたとき、気密室33には高圧の加圧気体が供給される。そのときの可撓性チューブ7の変形形態が図7に示されている。図7に示すように、高圧の加圧気体の圧力レベルは、可撓性チューブ7の内周面が広範囲に密着するレベルに設定されている。
続いて、切換弁62が加圧気体供給源35と給排気口58の連通を遮断し、切換弁63が加圧気体供給源35と給気口59を連通させたとき、気密室33には、高圧の加圧気体に代わり、低圧の加圧気体が供給される。そのときの可撓性チューブ7の変形形態(2ケース)が図8,9に示されている。
【0032】
図8のケースでは、低圧の加圧気体の圧力レベルは、可撓性チューブ7を潰した状態が維持される(充填通路が閉じた状態が維持される)レベルに設定されている。すなわち、可撓性チューブは自身の弾性と気密室33内の加圧力がバランスするまでわずかに復元するが、可撓性チューブ7の内周面の密着は維持されている(ただし、密着の範囲は狭まっている)。
図9のケースでは、低圧の加圧気体の圧力レベルは、図8のケースより低く、可撓性チューブ7を潰し切らない(充填通路が閉じた状態が維持されない)レベルに設定されている。すなわち、潰されていた可撓性チューブ7が自身の弾性と気密室33内の加圧力がバランスするまで復元して、充填通路が幾分開いた状態となっている。
いずれのケースでも、可撓性チューブ7の内部(充填通路)の容積は、高圧の加圧気体が気密室33に供給されている場合(図7参照)に比べて増大している。
【0033】
図7に示す充填通路開閉装置による充填通路開閉制御の1サイクルは、低圧の加圧気体の圧力レベルを図8のケースのように設定したとき、例えば次のように行われる。
(1)待機状態
制御装置6の指令により、切換弁63が給気口59を加圧気体供給源35に連通させ、切換弁62が並列配管37aの管路を遮断し、これにより気密室33内が圧力調整弁64に基づく低圧に加圧されている。図8に示すように、気密室33内の圧力により可撓性チューブ7は潰した状態が維持され、充填通路は閉じている。
(2)充填開始
次の空容器が充填ノズル4の吐出口の下に移送され停止すると、制御装置6の指令により、切換弁63が並列配管37bの管路を遮断し、同時に切換弁62が給排気口58側を大気開放側に切り換える(加圧気体供給源35側は遮断のまま)。これにより気密室33内が大気開放され、可撓性チューブ7が元の形状に復元する(例えば図1に示す状態)。これと同時に液状物の充填が開始される。
【0034】
(3)充填停止
充填終了タイミングにおいて、制御装置6が切換弁62の切り換え指令を出し、切換弁62が給排気口58と加圧気体供給源35を連通させ、気密室33内が圧力調整弁61に基づく所定の高圧に加圧される。これにより、図7に示すように可撓性チューブ7が潰れ、充填通路が閉じられる。
(4)サックバック
続いて、充填済みの容器は充填ノズル4の吐出口の下から移送され、その前後の適宜のタイミングで、制御装置6が切換弁62,63の切り換え指令を出し、切換弁62が並列配管37aの管路を遮断し、切換弁63が並列配管37bを開き給気口59を加圧気体供給源35に連通させる。これにより、気密室33内が高圧から低圧に切り換わり、図8に示すように、可撓性チューブ7が自身の弾性と気密室33内の加圧力がバランスするまでわずかに復元する。ただし、可撓性チューブ7が潰れ、充填通路が閉じた状態は維持される。可撓性チューブ7がわずかに復元するのに伴い、可撓性チューブ7内の充填通路の容積が拡大し、可撓性チューブ7から充填ノズル4の吐出口までの充填通路が負圧状態となり、充填ノズル4の吐出口付近の液状物が充填ノズル4内部に引き込まれ(サックバック現象)、充填終了後における吐出口からの液だれを防止できる。
【0035】
一方、図7に示す充填通路開閉装置において、低圧の加圧気体の圧力レベルを図9のケースのように設定したときは、上記(1)の待機状態において、可撓性チューブ7内の充填通路が幾分開いた状態となっている。また、上記(4)のサックバックにおいて、気密室33内が高圧から低圧に切り換わったとき、可撓性チューブ7は充填通路が幾分開いた状態まで復元する。この場合も、可撓性チューブ7の復元に伴い、可撓性チューブ7内の充填通路の容積が拡大し、可撓性チューブ7から充填ノズル4の吐出口までの充填通路が負圧状態となり、充填ノズル4の吐出口付近の液状物が充填ノズル4内部に引き込まれ(サックバック現象)、充填終了後における吐出口からの液だれを防止できる。
【0036】
図7に示す充填通路開閉装置において、図9のケースは、可撓性チューブ7の復元に伴う充填通路の容積の拡大が図8のケースに比べて大きく、その分サックバックの吸引力が大きい利点がある。しかし、サックバック時に開閉制御部3内の充填通路が開くため、充填終了タイミングで該充填通路に上流側から加圧力が掛からない場合にのみ適用される。
例えば計量シリンダ及びピストンで構成される計量ポンプを用いた充填装置(例えば特開平4−201801号公報、実公平7−2479号公報参照)に適用するのであれば、充填終了タイミングでは計量シリンダ内のピストンが上死点(ピストンの往動端)に達し、開閉制御部3の充填通路に加圧力が掛からない。このため、この充填通路開閉装置にサックバック機能を持たせることができる。
一方、充填通路に液体貯留タンクから常時液圧が掛かっている流量計式等の加圧式充填装置(例えば特許文献1〜4参照)に適用する場合は、前記開閉制御部3の上流側に別途充填通路開閉装置を設け、充填終了タイミングで開閉制御部3の充填通路に上流側から加圧力が掛からないようにする必要がある。上流側の充填通路開閉装置として、本発明に係る充填通路開閉装置を設置することもでき(例えば図4に示す形態で設置)、あるいは他の方式の充填通路開閉装置を設置することもできる。
【0037】
図7に示す充填通路開閉装置は、サックバック時に気密室33に加圧力が加わっているため、図4に示す充填通路開閉装置の可撓性チューブ7Bに比べて、サックバック時の可撓性チューブ7の復元量が小さく、可撓性チューブ7内の充填通路の容積の増大量が少なく、サックバック作用(吸い込み力)が小さい。従って、充填ノズル4や可撓性チューブ7の径が比較的小さい(充填量が比較的少ない)場合や、充填する液状物の粘度が比較的小さい場合に適する。
【0038】
なお、図7に示す充填通路開閉装置において、図5に示すように、並列配管37aと並列配管37bを共に給排気口58に接続することもできる。この場合、給気口59は不要となる。また、切換弁62と切換弁63の機能を交換することもできる。この場合、給気口59が給排気口として機能し、給排気口58が給気口として機能する。すなわち、切換弁63が加圧気体供給源35と給気口59との連通又は遮断、及び遮断時に給気口59を大気開放側に切り換える機能を有し、切換弁62が加圧気体供給源35と給排気口58との連通又は遮断を行う機能を有し、気密室33の大気開放は、並列配管37b側で行われることになる。
【0039】
図10に、本発明に係る別の液状物充填機を示す。この液状物充填機は、可撓性チューブ7のリーク(液漏れ)の有無を検出する機能を有する。図10において、図1に示す液状物充填機と実質的に同じ部位には同じ番号を付与している。
この液状物充填機の充填通路開閉装置において、吸排気装置5は、加圧気体供給源35、圧力調整弁(減圧弁)65、切換弁36、気体流量計66及び配管37等で構成される。気体流量計66は切換弁36と給排気口34の間の配管37に設置されている。切換弁36は、給排気口34側を加圧気体供給源35側又は大気開放側に切り換える。
上記液状物充填機において、充填通路開閉装置による充填通路開閉制御の1サイクルは、先に図1に示す液状物充填機と同様に行われる。
【0040】
気体流量計66は、上記1サイクルのうち少なくとも給排気口34と加圧気体供給源35の連通時(気密室33への加圧気体供給時)に、配管37における加圧気体の流量を計測し、その計測信号は制御装置6に送られる。
加圧気体により可撓性チューブ7が潰れた後は、可撓性チューブ7に破れやピンホールが生じていなければ、配管37内において加圧気体の流れは生じない(流れが止まる)。この場合は、制御装置6によりリークなし(液状物の漏れなし)と判定される。
一方、可撓性チューブ7に破れやピンホールが生じていると、可撓性チューブ7内部の液圧より加圧気体の圧力が大きいため、気密室33内の気体が可撓性チューブ7内に浸入し、これにより可撓性チューブ7が潰れた後も配管37内に加圧気体の流れが生じ、気体流量計66がこの加圧気体の流れを計測する。この場合は、制御装置6によりリークあり(液状物の漏れあり)と判定される。
従って、この充填通路開閉装置によれば、可撓性チューブ7の破れやピンホールに基づく液状物の漏れを自動的に、しかも早期に検出、判定し、液状物充填機を停止させたり、警報音や警告表示を出してオペレーターに知らせることができる。
【0041】
なお、本発明に係る充填通路開閉装置は、上記の例に限られず、例えば下記のような種々の改変が可能である。
(1)以上の例では、開閉制御部3を充填ノズル4の直上に接続したが、液状物貯留タンクと充填ノズル4の吐出口の間の充填通路途中であれば、どこにでも設置できる。ただし、各図に示すように、充填ノズル4の吐出口に近い位置が望ましい。図5に示すように開閉制御部3A,3Bを充填通路に沿って直列に設置するケースでは、同図に示すように、少なくとも下流側の開閉制御部3Bを充填ノズル4の吐出口に近い位置に設けることが望ましい。
【0042】
(2)以上の例では、開閉制御部3のチャンバー8に液状物の漏れを検出する検出センサ39を設けたが、その代わりに、チャンバー8をアクリル樹脂等の透明(透光性)材料で作製して気密室内を透視できるようにし,液状物の漏れを視認できるようにしてもよい。チャンバー8を透明材料で作製すると、切換弁36等の動作不良等を可撓性チューブ7の潰れ・復元状態を視認してチェックできるという利点もある。チャンバー7を透明材料で作製したうえで検出センサ39を設置することもできる。
(3)図6の例では、導通路51を介して一体化されたチャンバー8,8を用いたが、導通路51を廃して2つのチャンバー8,8を独立させ、各チャンバー8,8に吸排気口を設け、一方、切換弁36から先の配管を並列とし(2つに分け)て、それぞれを前記吸排気口に接続することもできる。このようにしても、図6の例と同じ作用が得られる。
【符号の説明】
【0043】
3,3A,3B 充填通路の開閉制御部
4 充填ノズル
5 吸排気装置
6 制御装置
7,7A,7B 可撓性チューブ
8 チャンバー
9,9A,9B,11,11A,11B インナーピース
14,15 保持部
33 気密室
34,58 吸排気口
35 加圧気体供給源
36,36A,36B,47,48,53,62,63 切換弁
39,39A,39B 検出センサ
45,59 給気口
46 排気口
49,61,64,65 圧力調整弁
66 気体流量計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状物貯留タンクと充填ノズルの吐出口の間の充填通路に該充填通路の一部として設置された可撓性チューブを有し、前記可撓性チューブを外力で潰し又は復元させることにより前記充填通路を開閉する液状物充填機の充填通路開閉装置において、前記可撓性チューブと前記可撓性チューブの周囲を気密に囲むチャンバーを含む充填通路の開閉制御部、前記開閉制御部に接続し前記チャンバー内に加圧気体を供給又は前記チャンバー内から排気して前記可撓性チューブを潰し又は復元させる給排気装置、及び前記給排気装置を制御して前記チャンバー内への給排気を所定のタイミングで行わせる制御装置を備えることを特徴とする液状物充填機の充填通路開閉装置。
【請求項2】
前記チャンバーが略円筒形をなし、前記可撓性チューブの外周面と前記チャンバーの内面の間にリング状の気密室が構成され、前記気密室に前記加圧気体が供給され又は前記気密室から排気されることを特徴とする請求項1に記載された液状物充填機の充填通路開閉装置。
【請求項3】
前記開閉制御部において、前記チャンバーは前記気密室の前後に前記可撓性チューブの両端部外周面の全周に密着する保持部を有し、各保持部の内径側に前記充填通路の一部を構成する中空のインナーピースが配置され、前記インナーピースは前記可撓性チューブの両端部に差し込まれ、前記可撓性チューブの内周面全周に密着し、前記可撓性チューブの両端部が前記チャンバーの保持部とインナーピースの間に挟まれ所定位置に保持されていることを特徴とする請求項2に記載された液状物充填機の充填通路開閉装置。
【請求項4】
2つの開閉制御部が前記充填通路に直列に配置され、前記給排気装置は各開閉制御部に接続していて、充填終了時に両開閉制御部のチャンバー内へ加圧気体を供給後、所定のタイミングで下流側の開閉制御部のチャンバーから排気することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された液状物充填機の充填通路開閉装置。
【請求項5】
前記給排気装置は、前記チャンバー内へ供給する加圧気体の圧力を、前記可撓性チューブを潰して前記充填通路を閉じる高圧とそれより低圧の2段階で切換可能であり、充填終了時に前記チャンバー内へ高圧で加圧気体供給後、所定のタイミングで低圧への切換を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された液状物充填機の充填通路開閉装置。
【請求項6】
前記低圧の加圧気体の圧力レベルが、前記可撓性チューブを潰して前記充填通路を閉じた状態が維持できるレベルに設定されることを特徴とする請求項5に記載された充填通路開閉装置。
【請求項7】
前記低圧の加圧気体の圧力レベルが、前記可撓性チューブを潰し切らないレベルに設定されることを特徴とする請求項5に記載された充填通路開閉装置。
【請求項8】
前記給排気装置の一部として前記チャンバーに連通する加圧気体供給配管に気体流量計が設置され、前記流量計は前記チャンバー内へ加圧気体が供給されている間加圧気体の流量を計測し、前記制御装置が前記流量計の計測値に基づいてリークの有無を判定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載された液状物充填機の充填通路開閉装置。
【請求項9】
前記チャンバーが透明材料からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載された液状物充填機の充填通路開閉装置。
【請求項10】
前記チャンバー内に液状物を検出する検出センサを設置したことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載された液状物充填機の充填通路開閉装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate