説明

液肥およびマイナスイオン等による活性化と鮮度保持方法及び装置

【課題】植物と動物の活性化と育成および簡単でしかも長期に渡って保存可能な装置を提供すること。
【解決手段】植物・動物(以下対象物)の保管あるいは展示を目的としたバケツまたは水槽あるいは棚などの水を供給するための容器に、コンプレッサーにつないだ管を通すか、または水を吸い上げ落下させ循環させるか、あるいは容器底面を攪拌させるかして水中に容器外部から酸素・液肥・マイナスイオン等を供給し、容器内の水に対象物に有効な無臭で人体に無害な微生物を含む液肥を加えることで活性化に有効な一定濃度の液肥やマイナスイオン等を供給し、対象物の外気が触れる面に霧状にして吹きつけるか、あるいは加湿することによって一定濃度のマイナスイオンと活性化に有効な無臭で人体に無害な微生物を含む液肥を表面に吸着させることで、対象物の組織を活性化させ鮮度保持あるいは成長を促す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物と動物の活性化と育成および保存のために有効な無臭で人体に無害な微生物を含む液肥と酸素を供給する方法および装置、またこの方法を用いた生花水揚装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来のフラワーショーケース等の装置には、切花を延命させるために設定した温度を保つ装置や加湿装置と水の腐敗を遅らせるための水槽内の水を循環させる装置がある。これらの装置では植物の鮮度保持や成長に必要な水が植物に充分に行き渡らず、開花出来ずに蕾のまま枯れていく花などもある。生花店や生花問屋・市場では、これらの装置を用いた上で毎朝切花や枝物などの水替えや水切りで重労働をしている。切花の延命の為に毎日欠かせない仕事であるが、それでも入荷時点からの劣化を防ぐことが難しい。また毎日の水の消費量と作業時間のロスも多く経済的負担が大きい。水の腐敗を遅らせる装置はバケツを用いた水替え作業に比べ、水替えや水切りの頻度が少なく済むが、植物や水の腐敗による悪臭があり、植物の切り口の劣化で水が揚がりにくく植 物全体に水が行き渡らないといった問題点がある。
【0003】
従来は切り花の切断面の劣化が生じ、水が揚がりにくくなるため、水を入れたバケツなどの容器に切断面から茎を入れてハサミやナイフなどで水中で茎をカットしているが、寒冷地や早朝の作業は手がひび割れるなど大変な作業である。
【0004】
従来の八百屋やスーパーマーケットなどの野菜売り場における販売台やオープン冷蔵庫は、野菜を平積みで販売する為に鮮度が保てず痛みが激しいのが状況である。特に葉野菜は収穫後から、根に水気を与えることがなく植物の鮮度保持に必要な水分の補給が不可能であるため、野菜の仕入の時点からすでに劣化が始まっている状態で店舗に入荷している。
【0005】
従来のオープン冷蔵庫や氷水などを入れた鮮魚や魚貝類を展示する装置は鮮度を充分に保てない。また氷水に長時間つけていると魚貝類の旨味成分が水に流失してしまう。そのために発生する匂いや濁り水を取り替える作業なども大きな負担である。
【0006】
従来の切花入荷時に行う水切り作業は植物の水揚げを向上させるために行っているが、日を追うごとに水が充分に植物全体に行き渡らなくなっていく。そのため、切花を取り扱う店舗や市場ではほぼ毎日水切りを行う必要がある。
【特許文献】特開平5−23052号公報(第4頁、図1)
【特許文献2】特開2005−125049号公報(第2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし本発明者は上記問題点の解決を図るため、鋭意検討の結果、切花の鮮度保持のための従来の水温や湿度、外気温度管理装置及び根腐れや水の循環装置では、腐敗や酸素の欠乏による水質の劣化により植物が水を吸い上げるための切断面の組織は日を追うごとに破壊され、そのために水が植物全体に行き渡らなくなり、植物が枯死していくことに着眼し、水を補給するための植物の切断面などの組織を活性化させ、課題により長期に渡って鮮度保持あるいは活性化させる方法およびそれを手間を掛けずに行うことができる装置で、青果、鮮魚、貝類の鮮度保存にも活用ができる方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、植物や魚介類の生存に有効な無臭で人体に無害な微生物を含む液肥、酸素とマイナスイオン等を請求項で表しているような方法と装置で提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は次のような効果を奏する。
請求項1および2に記載されている発明は切花の切断面の組織を活性化させ、従来の装置に比べより多くの水を長期間に渡って供給することができる。さらに、切断面から吸い上げられ、外気に触れた部分から吸収された酸素とマイナスイオンと無臭で人体に無害な微生物を含む液肥は植物全体に行き渡り、植物の各部位にも有効に働いた。青果と魚貝類にも同様の効果が見られた。無臭で人体に無害な微生物を含む液肥を水に希釈して供給することにより、生物の活性化と生長を促進し、生物を自然有機栽培の状態で保存し育成することができ、人間の体の健康にも大きく貢献できる。従来は切花や枝物さらに青果は店頭では劣化の一途の状態だったものが、組織の活性化により成長し始める。収穫時の切り口が劣化せずに水揚りが良くなる。実験の結果切り口から発根し畑に植えることの出来る植物も多く見られる。また根のある植物は刈り入れ前の畑で栽培している状態と比較して、みずみずしく成長し良質になる。また魚介類も活性化して長期の保存が可能になる。さらに一定濃度に希釈した無臭で人体に無害な微生物を含む液肥を霧吹きすることで外気からそれらが組織に取り込まれ植物に活力を与える。さらにマイナスイオン等を外気および水中に送り込んだ空気を通して水槽内に取り込み、植物に取り入れることにより活性化させることが可能である。よって水の腐敗を防止し毎日の水替えが不要となる。副産物として庫内など近辺の空気から霧吹きした無臭で人体に無害な微生物を含む液肥を含む水蒸気を取り込むため、容器内に良質の水溶液が増え、この水溶液は鉢物などの水遣りに使うと液肥を希釈した水遣りと同様に活用できる。請求項3に記載されている発明は切り花や野菜の収穫時または収穫後あるいは入荷時に、酸素とマイナスイオンと無臭で人体に無害な微生物を含む液肥を植物に供給することで、切断面および植物全体の劣化を抑制させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
冷蔵装置内あるいは冷蔵装置外において水を蓄える容器内に、無臭で人体に無害な微生物を含む液肥を希釈した水を加え、コンプレッサーにつないだ管を通して水中に容器外部から酸素・液肥・マイナスイオン等を供給し、植物や魚貝などの対象物を入れる。マイナスイオン等を吸着させるために、それぞれ制御可能な発生装置を設置する。コンプレッサーの空気は管を通して容器内に設置した竹炭と琉球石灰岩の詰まった噴出装置を通過させる。これにより上質で豊富なカルシウムとミネラルを供給し、抗菌・水質浄化・防臭・洗浄効果など生物の鮮度を保つ。また生花水揚装置においては、上記機能を持つ容器内で鋭い刃が電動またはエンジンで回転し、切り花または青果の上部を持ったまま投入することで茎を切断した後、切断面に無臭で人体に無害な微生物を含む液肥およびマイナスイオン等を吸着させる。
【実施例】
【0011】
切花・野菜・魚類・貝類(以下対象物)の保管あるいは展示を目的としたバケツまたは水槽あるいは棚などの水を供給するための容器に、コンプレッサーやそれに準じた装置に管をつないで通すか、または容器内の水を自動的にポンプで吸い上げて落下させて循環させるか、あるいは容器底面に電気または磁石で自動的に攪拌させる装置を備え付けて水中に容器外部から対象物に一定量の酸素・液肥・マイナスイオン等を供給し、容器内に対象物の活性化に有効な無臭で人体に無害な微生物を含む液肥を希釈した水を対象物に供給し、対象物の外気が触れる面に噴霧するか、あるいは加湿することによって投入した対象物にマイナスイオン等を一定濃度で吸着させる。コンプレッサーの空気は管を通して容器内に設置した竹炭と琉球石灰岩の詰まった噴出装置を通過させる。また、上記機能を備えた、切り花や青果の茎を水中で切断する方法および装置においては植物の切断面の劣化を抑えるため、電動式あるいはエンジン式で切刃の回転でカットすると共に茎などの切り口に直接、液肥・有機微生物やマイナスイオン等を吸着させる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
保管庫内に無臭で人体に無害な微生物を含む液肥とマイナスイオン等を送り込む装置
【0013】
スーパーなどのオープンショウケースに無臭で人体に無害な微生物を含む液肥とマイナスイオン等を送り込む装置。例としてスーパー閉店時にオープンショウケースをビニールカーテンなどで包み込み外気を遮断して庫内の植物に霧状で散布する等。
【0014】
有機青果冷蔵庫および保管庫。ストッカー。青果専用開閉式ショウケース。従来のオープンショウケースは野菜に限らず多種多用な商品の冷却装置であるが、本装置は植物・動物専用のケースである。冷却装置に無臭で人体に無害な微生物を含む液肥・マイナスイオンや有用成分・有機成分を噴霧器や加湿器で庫内に送る。
【0015】
観葉植物鉢のためのマイナスイオン等の発生装置
【図面の簡単な説明】
【図1】鮮度保持および保管装置を示した概略図である。
【図2】生花水揚装置を示した原理図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物・動物(以下対象物)の保管あるいは展示を目的としたバケツまたは水槽あるいは棚などの水を供給するための容器に、コンプレッサーにつないだ管を通すか、または容器内の水を吸い上げ落下させて循環させるか、あるいは容器底面を攪拌させるかして水中に容器外部から酸素・液肥・マイナスイオン等を供給し、容器内の水に対象物に有効な無臭で人体に無害な微生物を含む液肥を加えることで活性化に有効な一定濃度の液肥やマイナスイオン等を供給し、対象物の外気が触れる面に霧状にして吹きつけるか、あるいは加湿することによって一定濃度のマイナスイオンと活性化に有効な無臭で人体に無害な微生物を含む液肥を表面に吸着させることで、対象物の組織を活性化させ鮮度保持あるいは成長を促す方法。
【請求項2】
請求項1に記載の機能を備えた保冷または保管、あるいは展示の方法および装置
【請求項3】
請求項1に記載の機能を備えた、切り花や野菜の茎を水中で切断する方法および装置。
【請求項4】
請求項1、請求項2、または請求項3に記載の機能に、ゴミや不純物が付き取り除ける機能か、水をろ過する機能を加えた方法および装置。
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3、および請求項5の装置から出た水溶液を用いて植物を栽培する方法および装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−75091(P2007−75091A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−302270(P2005−302270)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(505369620)
【Fターム(参考)】