説明

液面を一定にして撹拌効果を高める撹拌装置

【課題】 簡単な内部構造によって、撹拌流れの影響を抑えた流出路を確保し、撹拌効果を高める撹拌装置とすることを課題とする。
【解決手段】 流出口の設置高さを決めることにより流入量に見合った流出量となり槽内の液面が一定に保たれ、かつ流路板が撹拌機による液体の円運動を阻害して槽内液体の混合を促進することで、課題を実現させるものである。またこれに加えて、撹拌機の取付けを偏芯させることにより撹拌能力を更に高めるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
液体を主とする流体を混合・撹拌する装置に関するものである。特に、撹拌機の羽根を撹拌機の液中に入れて回転させることで液体を混合・撹拌する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来撹拌装置は、撹拌能力を保ち槽内を均一にするために撹拌槽内に撹拌流れからから隔離されるような内部構造を設けることはなかった。また液面を一定に保つためには計器を用いた液面制御を行う方法が一般的であり、オーバーフロー高さによる液面の一定化は撹拌流れの影響を直接受けるのでほとんど行われていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
撹拌装置において、簡単な内部構造によって、撹拌流れの影響を抑えた流出路を確保し、撹拌効果を高める撹拌装置とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
流出口の設置高さを決めることにより流入量に見合った流出量となり槽内の液面が一定に保たれ、かつ流路板が撹拌機による液体の円運動を阻害して槽内液体の混合を促進する。
【0005】
撹拌機の取付けを偏芯させることにより撹拌能力を更に高める。
【0006】
混合力が高まることによって、固定板の数を減らす或いは固定板を使用しなくても十分な撹拌状態を得る。
【0007】
上記の手段を用いて、投入される試薬と排水を混合して凝集操作やpH調整などの排水処理を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明を利用することによって、本来は計器による液面制御や流出配管などの外部構造であった液面制御システムを内部構造に取り入れた上に撹拌効果を高めることができるため、構造上および制御システムの上で簡略化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1において、流出口1bの設置高さを決めることにより流入口1aから入る流入量に見合った流出量となり槽内の液面1eが一定に保たれ、かつ流路板1cが撹拌機2による液体の円運動を阻害して槽内液体の混合を促進する。撹拌機2の取付けを偏芯させることにより撹拌能力を更に高めることができる。またこの手段で混合力が高まることによって、固定板1dの数を減らす或いは固定板1dを使用せずに十分な撹拌状態を得ることもできる。これらは排水処理の凝集操作や試薬の混合に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
排水処理や化学装置、食品などの製造に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】液面を一定にして撹拌効果を高める撹拌装置の一例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0012】
1 撹拌槽
1a 流入口
1b 流出口
1c 流路板
1d 固定板
1e 液面
2 撹拌機
2a モータ、減速機
2b 撹拌軸
2c 撹拌羽根


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撹拌槽、撹拌槽内の撹拌流れから隔離して液体の流入分を排出するための流路板、流路板により撹拌流れから隔離された流出路及び流出口、撹拌槽内の液体を流動させる撹拌機、撹拌機による液体の円運動に抵抗させて液体の混合を促進させる固定板からなり、流出口の設置高さを決めることにより流入量に見合った流出量となり槽内の液面が一定に保たれ、かつ流路板が撹拌機による液体の円運動を阻害して槽内液体の混合を促進する撹拌装置。
【請求項2】
請求項1に示す撹拌装置であって、撹拌機の取付けを偏芯させることにより撹拌能力を更に高めた撹拌装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に示す撹拌装置であって、混合力が高まることによって、固定板の数を減らす或いは固定板を使用しなくても十分な撹拌状態を得ることができるようにした撹拌装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3に示す撹拌装置であって、排水処理の試薬を混合するために用いられる撹拌装置。



【図1】
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【公開番号】特開2006−255623(P2006−255623A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78442(P2005−78442)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(503107392)
【Fターム(参考)】