説明

液面検出装置

【課題】 密封性を向上させることが可能な液面検出装置を提供すること。
【解決手段】 ケース9内に検出部4を収納し、検出部4からの検出信号を外部側へと引き出し案内する端子部材7を備えた液面検出装置Fにおいて、端子部材7は、軸部71の外周面にフランジ部72を設け、軸部71の一端側に回路基板3上の検出部4と接続する接触部73を設け、軸部71の他端側に配線コード8と接続する筒状の加締め部74を設け、ケース9は、端子部材7を収納配置する筒状の端子収納部91を備え、端子収納部91の内壁部91aに段差部71bを設け、端子収納部91の内壁部91aには、配線コード8と内壁部91aとの隙間箇所を密閉する第1のシール部材101を設け、フランジ部72と内壁部91aに設けられた段差部91bとの隙間箇所を密閉する第2のシール部材102が設けられていることを特徴とする液面検出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロートの液面の液位の変位に伴う上下動作を回転運動に変換するフロートアームと、このフロートアームの回転運動に伴って液面を検出する検出部(センシング部)を備えた液面検出装置に関し、特に前記検出部をケース内に密閉状態に収納するようにした液面検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の液面検出装置としては、液面の変動に応じて回動するフロートアームと、前記フロートアームの回動動作に伴って液面の残量を示す残量信号を出力する検出部と、を備えたものである。検出部は、回路基板上の抵抗体と、この抵抗体上を前記フロートアームの回動に伴い摺動する接点部材(摺動接点部)とで構成されている。
【0003】
前記フロートアームと前記接点部材(摺動接点部)とは、前記フロートアームの他端部を保持した連結部のシャフトに前記接点部材(摺動接点部)を有するホルダーを圧入などによって固定することで、前記フロートアームと前記接点部材(摺動接点部)とが連動するように構成されている。(例えば特許文献1を参照)
また、検出部からの検出信号はコネクタに接続された配線コードを介して外部の指示計器側と電気的に接続するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−311647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の液面検出装置において、近年環境問題の立場から、高濃度アルコール燃料を車両用燃料として使用することに対する要請が高まっており、高濃度アルコール燃料を用いた場合、回路基板上の抵抗体と接点部材(摺動接点部)を燃料液体中に浸漬させる構造を採っているために抵抗体と接点部材(摺動接点部)の腐食が著しいものとなり、液面レベルを正確に検出できなくなるという問題がある。この点を考慮して前記回路基板と前記接点部材(摺動接点部)とからなる検出部をケースによって密封状態に収納するようにしている。
【0006】
また、ケースから引き出し案内されるコネクタに接続された配線コードも同様にケースと配線コードとの間において気密性を保ちながら配線コードを外部へと引き出し案内する必要があるため、パッキンなどを介してケースと配線コードとの間を水密に保つようにしている。
【0007】
しかしながら、従来の液面検出装置は、配線コードが液量を計るタンク内に配置され、液面に浸っていることもあり配線コードの被覆部が傷んでしまった場合、被腹部と配線コードの芯線との隙間から燃料である液体が浸入する虞があり、検出部を収納するケース内に液体が浸入しショートあるいは腐食の虞もあり改善の余地がある。
【0008】
そこで、本発明は前述した問題点に着目し、密封性を向上させることが可能な液面検出装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前述した課題を解決するため、請求項1では、液面の変位に伴って上下動するフロートを装着し前記フロートの上下動を回転運動に変換するフロートアームと、前記回転運動に伴って前記液面を示す検出信号を出力する回路基板上に設けられた検出部と、前記検出部からの前記検出信号を外部側へと引き出し案内するための端子部材と、この端子部材と接続される配線コードと、前記回路基板と前記端子部材とを密閉状態にて収納し、前記配線コードを外部へと引き出し案内するケースとを備えた液面検出装置において、前記端子部材は、導電性材料からなり中央に中実な軸部が設けられるとともに、その軸部の外周面に環状からなる径大なフランジ部が設けられ、前記軸部の一端側に前記検出部と電気的に接触する接触部が設けられ、前記軸部の他端側に前記配線コードと接続する筒状からなる加締め部が設けられ、前記ケースは、前記検出部からの前記検出信号を取り出すための前記端子部材を収納配置する筒状の端子収納部を備え、この端子収納部の内壁部には段差部が設けられ、前記端子収納部の内壁部には、前記配線コードの外周部と前記端子収納部の内壁部との隙間箇所を密閉する第1のシール部材が設けられるとともに、前記端子部材に設けられた前記フランジ部と前記端子収納部の内壁部に設けられた段差部との隙間箇所を密閉する第2のシール部材が設けられていることを特徴とする液面検出装置である。
【0010】
このように構成することにより、第1のシール部材によって液体の浸入が抑えられるとともに、もし仮に液体が配線コードの芯線部分などに浸入してきた場合にあっては、先ず最初に配線コードの芯線を受け入れる筒状からなる加締め部によって液体の浸入が遮断される。ついで、第1のシール部材に加えて、ケースの端子収納部に設けられた段差部と端子部材の軸部の外周面に設けられたフランジ部との間に介在された第2のシール部材によって液体の浸入をさらに防ぐことができる。
【0011】
また前記第1のシール部材は、前記端子収納部の内周壁部と接する外周面および前記配線コードの外周部と接する内周面の少なくとも一方の面に環状の凹凸面を形成してなること特徴とする請求項1に記載の液面検出装置である。(請求項2)
【0012】
このように構成することにより、第1のシール部材に設けた環状の凹凸面によって水密に保つことができ、更なるシール効果を果たすことができる。
【0013】
また前記第2のシール部材は、Oリングからなることを特徴とする請求項1に記載の液面検出装置である。(請求項3)
【0014】
このように構成することにより、第2のシール部材を比較的コストの安いOリングによって形成することができるとともに、リング状であるため簡単に組み付けを行うことができ、シール効果も良好となるものである。
【0015】
また前記配線コードを引き出し案内する前記端子収納部の端部に、前記第1のシール部材を被うカバー部材を被着してなることを特徴とする請求項1に記載の液面検出装置である。(請求項4)
【0016】
このように構成することにより、カバー部材によって第1のシール部材の位置決めおよび保護を行うことができる。
【0017】
また前記カバー部材には、前記端子収納部の外周に設けられた係止部と係合する舌片部を備え、前記舌片部は、前記端子収納部の外周に設けられた壁部によって囲まれてなることを特徴とする請求項4に記載の液面検出装置である。(請求項5)
【0018】
このように構成することにより、カバー部材をケース側である端子収納部に簡単に固定することができるとともに、柔軟性を有する舌片部の周りを壁部にて覆うことによって誤って外れてしまうという問題も解消することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、フロートの上下動を回転運動に変換するフロートアームと、前記回転運動に伴って前記液面を示す検出信号を出力する回路基板上に設けられた検出部と、前記検出部からの前記検出信号を外部側へと引き出し案内するための端子部材と、この端子部材と接続される配線コードと、前記回路基板と前記端子部材とを(密閉状態にて)収納し、前記配線コードを外部へと引き出し案内するケースとを備えた液面検出装置において、前記端子部材は、導電性材料からなり中央に中実な軸部が設けられるとともに、その軸部の外周面に環状からなる径大なフランジ部が設けられ、前記軸部の一端側に前記回路基板上の前記検出部と電気的に接触(接続)する接触部が設けられ、前記軸部の他端側に前記配線コードと接続する筒状からなる加締め部が設けられ、前記ケースは、前記検出部からの前記検出信号を取り出すための前記端子部材を収納配置する筒状の端子収納部を備え、この端子収納部の内壁部には、前記端子部材に設けた前記フランジ部の形成位置よりも前記接触子側に段差部が設けられ、前記端子収納部の内部には、前記配線コードの外周と前記端子収納部の内周壁部との隙間箇所を密閉する第1のシール部材が設けられるとともに、前記端子部材に設けられた前記フランジ部と前記端子収納部の内壁部に設けられた段差部との隙間箇所を密閉する第2のシール部材が設けられていることを特徴とする液面検出装置であるため、前記配線コードの外周と前記端子収納部の内周壁部との隙間箇所を密閉する第1のシール部材によって液体の浸入が抑えられるとともに、ケースの端子収納部に設けられた段差部と端子部材の軸部の外周面に設けられたフランジ部との間に介在された第2のシール部材によって液体の浸入をさらに防ぐことができるものであり、これにより所期の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液面検出装置を示す正面図である。
【図2】図2は、図1の背面から見た液面検出装置を示すものであり、ケースの一部を断面で表した裏面図である。
【図3】図3は、図2におけるホルダーを取り除いた状態を示す裏面図である。
【図4】図4は、図1中のA−A線箇所を示す断面図である。
【図5】図5は、図1の要部箇所を示す拡大縦断面図である。
【図6】図6は、図5の要部を表した拡大断面図である。
【図7】図7は、カバー部材の実施態様例を示す液面検出装置の正面図である。
【図8】図8は、図7の要部箇所を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を適用した第1実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0022】
本発明の液面検出装置Fは、液面の変位に伴って上下動するフロート1と、このフロート1を装着し前記フロート1の上下動を回転運動に変換するフロートアーム2と、前記回転運動に伴って前記液面を示す検出信号を出力する検出部4と、前記フロートアーム2を保持する第1ホルダー5と、前記検出部4の一部の構成部品を保持する第2ホルダー6と、前記検出部4からの前記検出信号を外部側へと引き出し案内するための端子部材7と、この端子部材7と接続される配線コード8と、前記回路基板3を含む検出部4と前記端子部材7とを密閉状態にて収納し、前記配線コード8を外部へと引き出し案内するケース9とで、主に構成されている。
【0023】
フロート1は、たとえばステンレスなどの腐食しにくい金属製の材料から形成されており、液面に浮き、前記液面の変位に伴って変位するものである。なお、フロート1の材質は、本実施形態に限定されるものではなく、合成樹脂などで形成してもよい。
【0024】
フロートアーム2は、金属製で、一端に液面に浮くフロート1を備えている。他端にて第1ホルダー5に保持されている。この際、フロートアーム2の端部2bがフロートアーム2の主要部2aに対して略L字状に折り曲げられ、この折り曲げられた端部2b箇所と、端部2b箇所と隣接した主要部2a箇所の2箇所が第1ホルダー5に設けられた保持部(装着部)51a,51bに保持されるように設けられている。
【0025】
フロートアーム2は、液面の変動に応じて変動するものであり、第1ホルダー5に設けた回転軸52を中心として回動するものである。
【0026】
回路基板3は、絶縁性の基材であるセラミック基板によって形成されている。
【0027】
検出部(センシング部)4は、フロートアーム2の回動動作に伴って液面の残量を示す残量信号を出力するものであり、本実施形態では、回路基板3上に施された抵抗体と接続された複数の摺動電極部41と、常時接触する共通電極からなる摺動電極部42とを備えたものである。前記複数の摺動電極部41は、各々独立して前記抵抗体に電気的に接続している。この複数の摺動電極部41上と常時接触する共通電極からなる摺動電極部42上とに二股に分割された接点部材43、44が摺動して接触するように構成されている。なお、回路基板3上に設けられた摺動電極部41,42から外部へと電気的に引き回し配設するために回路基板3の端部側に二つのランド部41a、42aが施されている。
【0028】
二股状に分割された接点部材43、44は、導電性の金属からなり、その接点部材43,44の基部側が第2ホルダー6に固定保持されている。
【0029】
第1ホルダー5は、合成樹脂製にて成形され、前述したフロートアーム2の端部2b箇所と、端部2b箇所と隣接するフロートアーム2の主要部2a箇所とを保持する2箇所の保持部51a,51bが設けられるとともに、フロートアーム2の回動支軸となる回転軸52とを備えている。
【0030】
また第1の実施形態における回転軸52の端部には、第2ホルダー6と結合するために設けられた溶着用突部53が設けられている。なお、回転軸52の根本を取り巻くように環状のパッキンPが配設されている。
【0031】
第2ホルダー6は、合成樹脂製にて成形され、前述したように接点部材43,44の基部側を固定保持している。
【0032】
また第2ホルダー6には、第1ホルダー5の溶着用突部53と結合する結合用孔部61が設けられている。
【0033】
端子部材7は、導電性材料からなり中央に中実な軸部71が設けられるとともに、その軸部71の外周面に環状からなる径大なフランジ部72が設けられ、軸部71の一端側に回路基板3上に施された検出部4の一部を構成するランド部41a、42aと電気的に接触する接触部73が設けられ、軸部71の他端側に配線コード8の芯線8aと接続する筒状からなる加締め部74が設けられている。
【0034】
この際、接触部73は略コ字状からなる接触子により形成されており、このコ字状接触子からなる接触部73を回路基板3の端部に挿入することで回路基板3と端子部材7とを位置決めして、接触部73が回路基板3に設けたランド部41a、42aに接続するようにしている。
【0035】
ケース9は、枠状からなる第1ケース9aと蓋状からなる第2ケース9bで構成されている。そして、ケース9(第1ケース9aと第2ケース9b)は、検出部4、ホルダー5,6などの主要部品を密閉状態で収納するように構成している。
【0036】
また、その一方の第1ケース9aには、検出部4からの検出信号を取り出すための端子部材7を収納配置する筒状の端子収納部91が備えられている。この端子収納部91の内壁部91aには、端子部材7に設けたフランジ部72の形成位置よりも接触部73側に位置して段差部91bが設けられている。
【0037】
また端子収納部91の内部には、配線コード8の外周部分と端子収納部91の端部側に位置した内壁部91aとの隙間箇所を密閉する第1のシール部材101が設けられるとともに、端子部材7の軸部71に設けられたフランジ部72と端子収納部91の内壁部91aに設けられた段差部91bとの隙間箇所を密閉するOリングからなる第2のシール部材102が設けられている。
【0038】
また本実施形態においては、端子収納部91の内壁部91aと接する第1のシール部材101の外周面箇所に気密性を維持するための環状の凹凸面101aが形成されている。
【0039】
また配線コード8を引き出し案内する端子収納部91の端部には、第1のシール部材101を被う蓋状のカバー部材200を被着し、ゴミや液体の浸入を抑えるように構成している。
【0040】
以上のように本実施形態における液面検出装置Fにあっては、液面の変位に伴って上下動するフロート1を装着しフロート1の上下動を回転運動に変換するフロートアーム2と、前記回転運動に伴って液面を示す検出信号を出力する回路基板3上に設けられた検出部4と、検出部4からの検出信号を外部側へと引き出し案内するための端子部材7と、この端子部材7と接続される配線コード8と、回路基板3と端子部材7とを密閉状態にて収納し、配線コード8を外部へと引き出し案内するケース9とを備えた液面検出装置Fにおいて、端子部材7は、導電性材料からなり中央に中実な軸部71が設けられるとともに、その軸部71の外周面に環状からなる径大なフランジ部72が設けられ、軸部71の一端側に検出部4と電気的に接触する接触部73が設けられ、軸部71の他端側に配線コード8と接続する筒状からなる加締め部74が設けられ、ケース9は、検出部4からの検出信号を取り出すための端子部材7を収納配置する筒状の端子収納部91を備え、この端子収納部91の内壁部91aには、端子部材7に設けたフランジ部72の形成位置よりも接触部73側に段差部91bが設けられ、端子収納部91の内壁部91aには、配線コード8の外周部と端子収納部91の内壁部91aとの隙間箇所を密閉する第1のシール部材101が設けられるとともに、端子部材7に設けられたフランジ部72と端子収納部91の内壁部91aに設けられた段差部91bとの隙間箇所を密閉する第2のシール部材102が設けられていることを特徴とするものであり、これにより配線コード8の外周部と端子収納部91の内壁部91aとの隙間箇所を密閉する第1のシール部材101によって液体の浸入が抑えられるとともに、もし仮に液体が配線コード8の芯線8a部分などに浸入してきた場合にあっては、先ず最初に配線コード8の芯線8aを受け入れる筒状からなる加締め部74によって液体の浸入が遮断されるものである。ついで、第1のシール部材101に加えて、ケース9の端子収納部91に設けられた段差部91bと端子部材7の軸部71の外周面に設けられたフランジ部72との間に介在された第2のシール部材102によって液体の浸入をさらに防ぐことができる。
【0041】
またケース9に設けた筒状からなる端子収納部91の開口端部側から、Oリングからなる第2のシール部材102と第1のシール部材101とを端子部材7にセットした状態にて差し込んで組み付けることができるため、組み付け作業性も良好に行うことができる。
【0042】
この際、端子部材7の一端側に設けた接触部73はその組み付けと同時に回路基板3に設けられたランド部41a,42aに差し込むことで接続することができる。すなわち、コ字状接触子からなる接触部73を回路基板3の端部に挿入することで回路基板3と端子部材7とを位置決めしつつ、各端子部材7に設けられた接触部73を回路基板3のランド部41a、42aにそれぞれ接続することができる。
【0043】
また端子収納部91の内壁部91aと接する第1のシール部材101の外周面箇所に機密性を維持するための環状の凹凸面101aが形成されているため、環状の凹凸面101aによって水密に保つことができ、更なるシール効果を果たすことができる。
【0044】
なお、環状の凹凸面101aは、本実施形態においては、端子収納部91の内壁部91aと接する外周面箇所に形成したが、配線コード8の外周部と接する第1のシール部材101の内周面箇所に環状の凹凸面101aを形成するようにしても同様な効果を得ることができるものであり、場合によって両方に環状の凹凸面101aを形成しても良い。
【0045】
また本実施形態における第2のシール部材102として、Oリングを用いることにより、第2のシール部材102を比較的コストの安いOリングによって形成することができるとともに、リング状であるため簡単に組み付けを行うこともでき、シール効果も良好に保つことができるものである。
【0046】
また配線コード8を引き出し案内する端子収納部91の端部側に、第1のシール部材101を被うカバー部材200を被着してなることにより、カバー部材200によって第1のシール部材101の位置決めおよび保護を行うことができる。
【0047】
また、図7および図8はカバー部材200の実施態様例を示すもので、カバー部材200は、端子収納部91の外周に設けられた爪状の係止部92と係合するように設けられている。ここでは、カバー部材200の周壁箇所の一部に弾性を有する舌片部201が設けられ、この舌片部201に設けられた係合孔201aがカバー部材200の係止部92と係合保持されるように設けられている。
【0048】
また舌片部201は、端子収納部91の外周に設けられた壁部93によって三方が囲繞されるように設けられている。
【0049】
このようにカバー部材200に設けられた舌片部201は、端子収納部91の外周に設けられた係止部92と係合保持されるとともに、端子収納部91の外周に設けられた壁部93によって三方が囲繞されるように設けられているため、カバー部材200をケース9側である端子収納部91に簡単に固定することができるとともに、柔軟性を有する舌片部201の周りを壁部93にて覆うことによって誤って外れてしまうという問題も解消することができる。
【0050】
このように第1および第2のシール部材101,102によって液面検出装置Fの気密性を維持することができるため、ケース9の内部側に収納される部品を傷めることもなく、電気的な接触部分や電極部などの腐食も未然に防ぐことができる。
【0051】
配線コード8の外周と端子収納部91の内壁部91aとの隙間箇所を密閉する第1のシール部材101によって液体の浸入が抑えられるとともに、ケース9の端子収納部91に設けられた段差部91bと端子部材7の軸部71の外周面に設けられたフランジ部72との間に介在された第2のシール部材102によって液体の浸入をさらに防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
検出部をケース内に密閉状態で収納した液面検出装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
F 液面検出装置
P パッキン
1 フロート
2 フロートアーム
2a 主要部
2b 端部
3 回路基板
4 検出部
5 第1ホルダー
6 第2ホルダー
7 端子部材
8 配線コード
8a 芯線
9 ケース
9a 第1のケース
9b 第2のケース
41,42 摺動電極部
41a,42b ランド部
43,44 接点部材
51a,51b 保持部
52 回転軸
53 溶着用突部
61 結合用孔部
71 軸部
72 フランジ部
73 接触部
74 加締め部
91 端子収納部
91a 内壁部
91b 段差部
92 係止部
93 壁部
101 第1のシール部材
101a 凹凸部
102 第2のシール部材
200 カバー部材
201 舌片部
201a 係合孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液面の変位に伴って上下動するフロートを装着し前記フロートの上下動を回転運動に変換するフロートアームと、前記回転運動に伴って前記液面を示す検出信号を出力する回路基板上に設けられた検出部と、前記検出部からの前記検出信号を外部側へと引き出し案内するための端子部材と、この端子部材と接続される配線コードと、前記回路基板と前記端子部材とを密閉状態にて収納し、前記配線コードを外部へと引き出し案内するケースとを備えた液面検出装置において、
前記端子部材は、導電性材料からなり中央に中実な軸部が設けられるとともに、その軸部の外周面に環状からなる径大なフランジ部が設けられ、前記軸部の一端側に前記検出部と電気的に接触する接触部が設けられ、前記軸部の他端側に前記配線コードと接続する筒状からなる加締め部が設けられ、
前記ケースは、前記検出部からの前記検出信号を取り出すための前記端子部材を収納配置する筒状の端子収納部を備え、この端子収納部の内壁部には段差部が設けられ、
前記端子収納部の内壁部には、前記配線コードの外周部と前記端子収納部の内壁部との隙間箇所を密閉する第1のシール部材が設けられるとともに、前記端子部材に設けられた前記フランジ部と前記端子収納部の内壁部に設けられた段差部との隙間箇所を密閉する第2のシール部材が設けられていることを特徴とする液面検出装置。
【請求項2】
前記第1のシール部材は、前記端子収納部の内壁部と接する外周面および前記配線コードの外周部と接する内周面の少なくとも一方の面に環状の凹凸面を形成してなること特徴とする請求項1に記載の液面検出装置。
【請求項3】
前記第2のシール部材は、Oリングからなることを特徴とする請求項1に記載の液面検出装置。
【請求項4】
前記配線コードを引き出し案内する前記端子収納部の端部に、前記第1のシール部材を被うカバー部材を被着してなることを特徴とする請求項1に記載の液面検出装置。
【請求項5】
前記カバー部材には、前記端子収納部の外周に設けられた係止部と係合する舌片部を備え、前記舌片部は、前記端子収納部の外周に設けられた壁部によって囲まれてなることを特徴とする請求項4に記載の液面検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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