説明

液面検出装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒体内の液面レベルを検出するための液面検出装置に関し、特にその取付構造を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりタンク内の液量を検出するためにタンクに連なった透明パイプ内の液面レベルをセンサを用いて検出することが行われている。例えば、実公平6−42180号公報及び特開平4−66820号公報に開示されているものは、投受光部を備えた液面検出装置を透明パイプの所定部位に取り付け、その位置において液体のある・なしによる反射光量の相違によって液面レベルの検出を行うように構成されている。
【0003】ここで液面検出装置を透明パイプに取り付けるには、図20に示すように、結束バンド1,1が用いられる。この結束バンド1は、汎用品として市販されているものであり、そのバンド2の内側面はのこぎり刃状となっており、バンド2の一端部にはロック孔3が形成され、そのロック孔3の内部に係止爪(図示せず)が突出している。そして、結束バンド1を透明パイプ4に巻き付けた後、そのバンド2の先端部をロック孔3に挿通させるとバンド2が係止爪に係止されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記結束バンドはいわゆる永久固定型と呼ばれているものであり、バンド2に係合した係止爪を緩めることができない。そのため、結束バンドを強固に締め付けることができる反面、一度締め付けたら緩めることができず、液面検出装置を間違った部位に取り付けてしまった場合には結束バンドを切断して初めから取付作業をやり直さなければならなかった。従って、取付位置の調整が困難であり取付作業は非常に面倒なものとなっていた。
【0005】なお、市販されている結束バンドの中には、ロック解除機能を備えているものもある。それは、係止爪が係合解除操作可能に構成されており、締め付けた状態にあるバンドを緩めたい場合には、係止爪をバンドから離すように操作してロックを解除できる。この結束バンドを用いれば、上記問題は解決されるが、係止爪が解除操作可能に構成されていることから強固に締め付けることはできず、長期間にわたって使用すると振動やパイプの結露等により緩みが大きくなる。また、ロック能力を高めるにはバンド幅を広げることでも対処できるが、それでは液面検出装置の取付機構が大型化してしまうため、複数個の液面検出装置を並べる多点検出を行う場合には各検出点間の間隔が広がってしまい、検出分解能を低めることになってしまう。本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、確実に固定でき、しかも調整作業等が容易な液面検出装置を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の液面検出装置は、筒体に取り付けられ、その筒体内の液面レベルを検出するための液面検出装置であって、筒体内の液面レベルを検出する検出部を保持すると共にその前端面が筒体に宛われるセンサ本体と、センサ本体に筒体から離れる離間位置と接近する近接位置とに変位可能に設けられた可動部材と、センサ本体と可動部材とに設けられて、互いに筒体に接離する方向でスライド可能に係合するガイド突出部及びガイド溝と、可動部材に設けられて、筒体に巻回した結束バンド係合される係合部と、可動部材を、離間位置においてセンサ本体に固定すると共、操作によって可動部材を近接位置と離間位置との間で変位させる操作部材とが設けられているところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0007】また、操作部材は可動部材に回動可能に連結されるとともにセンサ本体に当接するカム部を有し、センサ本体に対するカム作用によって可動部材を筒体から離れる方向に変位させる構成であってもよい(請求項2の発明)。
【0008】さらに、操作部材のカム部がセンサ本体に当接するカム作用点と、操作部材が可動部材に回動可能に連結される連結点とが可動部材の変位方向に沿って配されていてもよい(請求項3の発明)。
【0009】
【作用】請求項1の発明によれば、液面検出装置を筒体に固定するには、操作部材を操作して可動部材を筒体から離間した位置としておく。そして、センサ本体を筒体の所定の部位に宛がいながら永久固定型の結束バンドで可動体の係合部と筒体とを強固に締め付ける。これによって、液面検出装置は所定の部位に確実に固定される。また、液面検出装置の取付位置を調整或いは変更したい場合には、操作部材を操作して締め付けられた状態にある可動部材を筒体に対して接近する方向に変位させる。すると、筒体に対する結束バンドの締め付けが緩んで来るから、センサ本体を筒体に沿って移動させることが可能となる。そして、調整作業等が終了したら、再び操作部材を操作して可動部材を筒体に対して離間するもとの位置まで変位させる。すると、もとの状態同様に係合部と筒体とが強く締め付けられた状態となるから、これによって、液面検出装置は再度筒体に強固に固定されることになる。
【0010】請求項2の発明によれば、操作部材を回動すると、可動部材はカム作用によって筒体に対して接離する方向に変位する。従って、操作部材を回動すれば、結束バンドの締め付けを緩めたり強くしたりすることができる。
【0011】請求項3の発明によれば、操作部材を回動させると可動部材が筒体に対して離間する方向に変位して結束バンドの締め付けが強くなるが、この際、可動部材には結束バンドから筒体に接近する方向に戻そうとする戻し力が作用する。そして、この戻し力は操作部材との連結点にも作用する。従って、操作部材にはカム作用点を支点として連結点に戻し力が作用するから、操作部材を操作するにはカム部をセンサ本体に対して作用させるのに必要な力(カム部とセンサ本体との摩擦力)と、この連結点に作用する戻し力に抗する力が必要となる。しかし、カム作用点(支点)と連結点とが戻し力の作用方向に沿って配されるように構成されているから、結局操作部材を操作するには戻し力に抗する力は必要なく、カム部を作用させるのに必要な力のみでよい。
【0012】
【発明の効果】上述したように請求項1の発明によれば、操作部材を操作することにより、結束バンドの締め付けを緩めたり強くしたりすることができるから、取付位置の調整や変更等を容易に行うことができ、しかも永久固定型の結束バンドを用いることができるから確実に固定される。
【0013】請求項2の発明によれば、カム作用を利用して可動部材を変位させることができるから、操作部材の操作を円滑に行うことができる。請求項3の発明によれば、カム作用点と連結点とが常に可動部材の変位方向に沿って配されるように構成されているため、低い操作力をもって操作部材を操作することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
<第一実施形態>以下、本発明の液面検出装置を具体化した第一実施形態について図1〜図12を参照して説明する。本実施形態の液面検出装置は、円筒状の透明パイプに取り付けられ、その透明パイプ内の液面レベルを検出するためのものである。この透明パイプはタンクに連なり、その液面がタンク内の液面と同一レベルとなるように構成されている。即ち、本実施形態の液面検出装置は、透明パイプ内の液面レベルを検出することによりタンク内の液量を検出せんとするものである。
【0015】さて、本実施形態の液面検出装置は、図1〜図3に示すように方形状のセンサ本体11を備えており、その前端面(図2中、上面)は僅かに凹みその部分が透明パイプ12に宛てがわれるようになっている。また、センサ本体11の内部には投光用の光ファイバーケーブル13及び受光用の光ファイバーケーブル14の先端部が保持されている。即ち、投光用の光ファイバーケーブル13の先端は、透明パイプ12内の液体(透明パイプ12の内壁面に接する液面)に対して光を照射できるように保持されるとともに、受光用の光ファイバーケーブル14の先端は投光用の光ファイバーケーブル13から液面に照射された光の反射光を受光できるように保持されている。そして、各光ファイバーケーブル13,14の他端部は図示しない測定装置に接続されており、受光用の光ファイバーケーブル14によって受光される反射光量の変化によって液面レベルを検出できるようになっている。なお、この投受光用の光ファイバーケーブル13,14が本発明にいう検出部に相当する。
【0016】センサ本体11の後部中央部分(図3中、右側部)には、センサ本体11を上下両側から挟み込むように可動体15,15が設けられ、かつその可動体15が透明パイプ12に対して接離する方向(図3中、左右方向)にスライド可能とされている。即ち、図4及び図5に示すように、センサ本体11の上下両側面には、後端部のほぼ中央に所定の間隔で一対のガイド部16,16が突出形成されており、その各一対のガイド部16間に可動体15が配されている。さらに、各ガイド部16には、対向面にガイド突出部16aがそれぞれ対向する位置に形成されている。また、可動体15には、ガイド部16に対向する側の面に透明パイプ12に対して接離する方向に延びるガイド溝15aが形成されており、そこにガイド突出部16aが嵌り込んでいる。これによって可動体15が透明パイプ12に対して接離する方向にスライド可能とされる。
【0017】また、図6に示すように、センサ本体11のうち、可動体15によって挟み込まれた部分の上下両側面、即ち可動体15に整合する面には、係合爪17,17が切り欠き形成されており、その先端部が整合面より僅かに突出している。さらに、可動体15の上記係合爪17に対向する部分が凹み形成されており、その凹部15bに係合爪17の先端部が嵌り込んでいる。これにより、可動体15が透明パイプ12から離間する方向にスライドし、所定位置に達すると係合爪17が凹部15bの前端側の内壁面に当接してそのスライドは停止される。この位置を以下、「離間位置」という。
【0018】さらに、センサ本体11のうち、各可動体15の前方部分にはストッパ部18,18が上下両側面に突出形成されている。このストッパ部18は、可動体15が透明パイプ12に接近する方向にスライドした際に、可動体15に当接してその動きを停止させるものである。可動体15がこのストッパ部18に当接する位置を以下、「近接位置」という。
【0019】ところで、各可動体15には、その前端部(透明パイプ12側の端部)に左右両側面に貫通する貫通孔15cが形成され、この各貫通孔15cに結束バンド19,19が挿通されるようになっている。ここで用いられる結束バンドは、従来例で述べたものと同様のいわゆる永久固定型のものであり、一旦ロックされると締め付け方向には締め付けが許容されるが、それを緩めることができない構成となっている。また、この結束バンド19の材質は、ナイロン製又はテフロン製等とされているが、耐薬品性が要求されるような場所に取り付ける場合にはテフロン製のものを用いることが望ましい。
【0020】一方、図7に示すように、各可動体15の後端部(センサ本体11から後方に突出する部分)には、相互に対向する側の面に軸受部15dが凹み形成されている。そして、そこには操作レバー20の一端部において上下に突出する軸部20a,20aが嵌り込んでいる。これによって、操作レバー20は可動体15に回動可能に取り付けられ、センサ本体11から後方に突出する調整位置(図10中、点線で示す位置)とセンサ本体11に接する固定位置(図10中、実線で示す位置)との間で回動可能とされる。さらに、この操作レバー20の一端部には、図10に示すようにカム部20bが形成されている。即ち、操作レバー20の一端部側の周縁部は、軸部20aを中心とした曲率半径が図10において時計回り方向に徐々に大きくなるように形成され、その後平坦部20cに連なっている。そして、そのカム部20bはセンサ本体11の後端面の中央部分に当接するようになっており、操作レバー20を固定位置と調整位置との間で回動するとカム作用によって各可動体15が離間位置と近接位置との間でスライドするようになっている。また、図8に示すように、操作レバー20の他端部(図中、右端部)は、そのセンサ本体11側の側縁部がセンサ本体11側に張り出しており、図9に示すように、その張出部21の上下両側面には対向する位置に係合突起部21a,21aが形成されている。一方、センサ本体11の後端面であって、固定位置における操作レバー20の他端部に対向する部分が凹み形成されており、操作レバー20が固定位置に回動すると張出部21がこの凹部22内に挿入されるようになっている。さらに、凹部22内の天井面と底面には係止孔22a,22aが形成されており、張出部21に形成された係合突起部21aがここに嵌り込むようになっている。
【0021】次に、本実施形態の作用について述べる。液面検出装置を透明パイプ12の所定部位に固定するには、まず、操作レバー20を固定位置に回動しておく(図10中、実線で示す状態)。これにより、可動体15は離間位置とされる(図11参照)。そして、この状態のままセンサ本体11の前端面を透明パイプ12に宛てがいながら結束バンド19を可動体15の貫通孔15cに挿通させる。さらに、結束バンド19の両端部を透明パイプ12を取り巻くようにして結合させ、その後強く締め付けてセンサ本体11を透明パイプ12に固定する。
【0022】ここで、固定した位置を調整或いは変更等する場合には、操作レバー20を図10中、時計回り方向に回動して調整位置とする(図10中、点線で示す状態)。すると、可動体15は、カム作用によって離間位置から近接位置へとスライドし、これに伴って強く締め付けられていた結束バンド19は次第に緩んで行き、可動体15が近接位置に達すると透明パイプ12に対して遊嵌状態となる(図12参照)。従って、センサ本体11を透明パイプ12に沿って移動させることができるから、これを適当な位置に移動して調整等する。
【0023】続いて、操作レバー20を図10中、反時計回り方向に回動して再度固定位置へと回動させる。すると、可動体15はカム作用によって近接位置から徐々に透明パイプ12から離間する方向にスライドし、それに伴って結束バンド19は引っ張られて可動体15に挿通する側とは反対側の部分が透明パイプ12に圧接されて行く。そして、離間位置に達すると結束バンド19の締め付けが強まりセンサ本体11が透明パイプ12に固定される(図11参照)。また、操作レバー20の他端部に形成された張出部21がセンサ本体11の凹部22内に挿入され、係合突起部21aと係止孔22aとが嵌り合って操作レバー20が固定位置に保持される。
【0024】ここで、操作レバー20を調整位置から固定位置に回動させると可動体15が近接位置から離間位置にスライドして結束バンド19の締め付けが強くなるが、この際、可動体15には結束バンド19から透明パイプ12に接近する方向に戻そうとする戻し力が作用する。そして、この戻し力は、図10に示す操作レバー20との連結点Aにも作用する。従って、操作レバー20にはカム作用点Bを支点として連結点Aに戻し力が作用するから、操作レバー20を反時計回り方向に回動するにはカム部20bをセンサ本体11に対して作用させるのに必要な力(カム部20bとセンサ本体11との摩擦力)と、この連結点Aに作用する戻し力に抗する力が必要となる。しかし、カム作用点Bと連結点Aとが常に戻し力の作用方向(図10中、矢印C)に沿って配されるように構成されているから、結局操作レバー20を回動するには戻し力に抗する力は必要なくなり、カム部20bを作用させるのに必要な力のみでよい。
【0025】このように、本実施形態では、操作レバー20を操作することにより、結束バンド19の締め付けを緩めたり強くしたりすることができるから、取付位置の調整や変更等を容易に行うことができ、しかも永久固定型の結束バンド19を用いることができるから確実に透明パイプ12に固定することができる。また、締め付けるために工具等を必要としないから、取付作業が容易である。
【0026】さらに、カム作用を利用して可動体15をスライドさせることができるから、操作レバー20の操作が円滑であり、しかもカム作用点Bと連結点Aとが常に可動体15のスライド方向に沿って配されるように構成されているため、低い操作力をもって操作レバー20を操作することができる。また、結束バンド19に一般的に市販されている汎用品を使用することができるから、コストの低減を図ることもできる。
【0027】<第二実施形態>以下、本発明の液面検出装置を具体化した第二実施形態について図13〜図15を参照して説明する。本実施形態と第一実施形態との相違は、第一実施形態では操作レバーによるカム作用を利用して可動体を透明パイプに対して接離する方向にスライドさせる構成であったが、本実施形態では可動体は操作部材によって螺進退可能に構成されている。その他の部分については、第一実施形態と同様の構成であるため、ここでは同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0028】本実施形態の液面検出装置は、図15に示すように、センサ本体11を挟むように上下に設けられた各可動体31,31の後端部間には連結体32が配されており、その連結体32の上下両側面には対向する位置に連結軸部32a,32aが突出形成されている。また、可動体31の後端部のうち、上記連結軸部32aに対向する部分には連結受部31aが凹み形成されており、そこに連結軸部32aが圧入されている。さらに、この連結体32には前後に貫通するねじ孔が形成されており、そのねじ孔にボルト状の操作部材33が螺合している。そして、その操作部材33の先端は連結体32を貫通してセンサ本体11の後端面に当接している。これにより、操作部材33を時計回り方向に回転させると連結体32は後方に螺進され、反時計回り方向に回転させると連結体32は前方に螺進され、上記第一実施形態同様に可動体31を離間位置と近接位置との間でスライドさせることができる。
【0029】また、操作部材33の後端部には摘み部34が形成されており、手動で操作部材33を回転させることができるようになっている。さらに、摘み部34には後端面に六角孔34aが形成されており、六角レンチによっても回転させることができるようになっている。
【0030】液面検出装置を透明パイプ12に固定するには、まず操作部材33を時計回り方向に回転させて可動体31を離間位置に移動させておく(図13参照)。そして、第一実施例同様に永久固定型の結束バンド19を可動体31の貫通孔31bに挿通させた後、透明パイプ12に強く締め付ける。これによって、センサ本体11は固定される。また、その位置を調整或いは変更等したい場合には、操作部材33を反時計回り方向に回転させる。すると連結体32が透明パイプ12に接近する方向に螺進され、もって可動体31が近接位置に移動するから第一実施例同様に位置調整等することができる(図1414参照)。さらに、位置調整等した後、操作部材33を時計回り方向に回転させると連結体32は再度透明パイプ12から離間する方向に螺進され、もって可動体31が離間位置に移動するから再度センサ本体11は強く締め付けられることになる(図13参照)。
【0031】このように、本実施形態でも、第一実施例同様に、結束バンド19の締め付けを緩めたり強くしたりすることができるから、取付位置の調整や変更等を容易に行うことができ、しかも結束バンド19には永久固定型のものを用いることができるため確実に透明パイプ12に固定することができる。また、操作部材33に摘み部34を設けたから、第一実施例同様に締め付けるための工具等を必要とせず、取付作業が容易とされるとともに、結束バンド19には一般的に使用されているものを用いることができるから、コストの低減化も図ることもできる。
【0032】<第三実施形態>以下、本発明の液面検出装置を具体化した第三実施形態について図16〜図19を参照して説明する。本実施形態と第一実施形態との相違は、第一実施形態では操作レバーを回動させることによりカム作用を利用して可動体を透明パイプに対して接離する方向にスライドさせる構成であったが、本実施形態では操作部材をスライド移動させることにより可動体を透明パイプに対して接離する方向にスライドさせるように構成されている。その他の部分については、第一実施形態と同様の構成であるため、ここでは同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0033】本実施形態の液面検出装置は、図18に示すように、各可動体41,41の後端部が内側方向(相互に対向する方向)に突出形成されており、その突出形成された各係合部41aとセンサ本体11の後端面との間に平板状の操作部材42が左右方向に貫通した状態で挿入されている。これによって、操作部材42は左右方向にスライド可能とされる。また、操作部材42の左右両端部には抜け止め部42a,42aが膨出形成されており、これがセンサ本体11に設けられたガイド部16に当接することにより抜け止めされるようになっている。さらに、操作部材は、図16に示すように、右側半分が肉厚に形成されるとともに左側半分が肉薄に形成されており、かつ肉薄部分から肉厚部分にかけて斜面42bが形成されている。
【0034】液面検出装置を透明パイプ12に固定するには、まず操作部材42を左方向にスライドさせる(図1818参照)。すると、可動体41の係合部41aが斜面42bによって後方に押され、可動体41が離間位置に移動する(図16参照)。そして、第一実施例同様に永久固定型の結束バンド19を可動体41の貫通孔41bに挿通した後、透明パイプ12に強く締め付ける。これによって、センサ本体11は固定される。また、その位置を調整或いは変更したい場合には、操作部材42を右方向にスライドさせる(図19参照)。すると係合部41aが斜面42bに沿って肉薄部分に移動するから、これにより可動体41は近接位置に移動し第一実施例同様に位置調整等することができる(図17参照)。さらに、取位置調整等した後、操作部材42を再度左方向にスライドさせると上記同様に係合部41aが後方に押されて可動体41が再度離間位置に移動して締め付けが強まる。
【0035】このように、本実施形態でも、第一実施例同様に、結束バンド19の締め付けを緩めたり強くしたりすることができるから、取付位置の調整や変更等を容易に行うことができ、しかも結束バンド19には永久固定型のものを用いることができるから確実に透明パイプ12に固定することができる。また、第一実施例同様に、操作部材42を操作するだけで締め付けることができるため、取付作業が容易であるとともに、結束バンド19には一般的に市販されているものが使用されるから、コストの低減化を図ることもできる。
【0036】なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施態様も本発明の技術的範囲に属する。
(1) 上記各実施形態では、透明パイプ12が本発明にいう筒体に相当するものであったが、金属製等の不透明筒体の一部に検出用の透明窓が形成されているものであってもよい。
【0037】(2) 上記各実施形態における液面検出装置は、タンク等に連なった透明パイプ12に取り付けられるものであったが、筒状の容器自体に取り付ける構成のものでもよい。
【0038】(3) 上記各実施形態では、液面レベルの検出方式は投受光用の光ファイバーケーブル13,14を利用した光電式のものであったが、超音波式や静電容量式等、種々の検出方式であってもよい。特に、超音波式や静電容量式によって液面レベルを検出する場合には、筒体は不透明なものを用いることができ、本発明の適用範囲が広がる。
【0039】(4) 上記各実施形態では、可動体15,31,41をセンサ本体11の上下に設け、2箇所で締め付けるように構成されていたが、可動体をどちらか1つとし1箇所で締め付けるように構成してもよい。その他、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の全体を示す斜視図である。
【図2】同実施形態を上面図である。
【図3】同実施形態の側面図である。
【図4】同実施形態の可動体を示す一部破断上面図である。
【図5】同実施形態の可動体を示す一部破断後面図である。
【図6】同実施形態の可動体を示す縦断面図である。
【図7】同実施形態の操作レバーを示す一部破断後面図である。
【図8】同実施形態の操作レバーを示す一部破断上面図である。
【図9】同実施形態の操作レバーを示す一部破断側面図である。
【図10】同実施形態における操作レバーの固定位置と調整位置を示す上面図である。
【図11】同実施形態において離間位置に位置する可動体を示す一部破断上面図である。
【図12】同実施形態において近接位置に位置する可動体を示す一部破断上面図である。
【図13】第二実施形態において離間位置に位置する可動体を示す上面図である。
【図14】同実施形態において近接位置に位置する可動体を示す上面図である。
【図15】同実施形態の後面図である。
【図16】第三実施形態において離間位置に位置する可動体を示す上面図である。
【図17】同実施形態において近接位置に位置する可動体を示す上面図である。
【図18】同実施形態において操作部材が左方向にスライドした状態を示す後面図である。
【図19】同実施形態において操作部材が右方向にスライドした状態を示す後面図である。
【図20】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11…センサ本体
12…透明パイプ(筒体)
13…投光用の光ファイバーケーブル(検出部)
14…受光用の光ファイバーケーブル(検出部)
15,31,41…可動体(可動部材)
15c,31b,41b…貫通孔(係合部)
19…結束バンド
20…操作レバー(操作部材)
20b…カム部
33…操作部材
42…操作部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒体に取り付けられ、その筒体内の液面レベルを検出するための液面検出装置であって、前記筒体内の液面レベルを検出する検出部を保持する共にその前端面が前記筒体に宛われるセンサ本体と、前記センサ本体に前記筒体から離れる離間位置と接近する近接位置とに変位可能に設けられた可動部材と、前記センサ本体と前記可動部材とに設けられて、互いに前記筒体に接離する方向でスライド可能に係合するガイド突出部及びガイド溝と、前記可動部材に設けられて、前記筒体に巻回した結束バンド係合される係合部と、前記可動部材を、前記離間位置において前記センサ本体に固定すると共、操作によって前記可動部材を前記近接位置と前記離間位置との間で変位させる操作部材とが設けられていることを特徴とする液面検出装置。
【請求項2】 前記操作部材は前記可動部材に回動可能に連結されるとともに前記センサ本体に当接するカム部を有し、前記センサ本体に対するカム作用によって前記可動部材を前記筒体から離れる方向に変位させる構成であることを特徴とする請求項1記載の液面検出装置。
【請求項3】 前記操作部材のカム部が前記センサ本体に当接するカム作用点と、前記操作部材が前記可動部材に回動可能に連結される連結点とが前記可動部材の変位方向に沿って配されていることを特徴とする請求項2記載の液面検出装置。

【図7】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図20】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【特許番号】特許第3015723号(P3015723)
【登録日】平成11年12月17日(1999.12.17)
【発行日】平成12年3月6日(2000.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−344848
【出願日】平成7年12月5日(1995.12.5)
【公開番号】特開平9−159507
【公開日】平成9年6月20日(1997.6.20)
【審査請求日】平成9年7月7日(1997.7.7)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【参考文献】
【文献】特開 平7−92007(JP,A)