説明

液餌給餌器

【課題】
昆虫や動物などの飲み水や液状の餌を補給配給する場合に、ある程度の量を自動的に補給して、器に溜めながら給餌面を潤して給餌させる給餌手段。
【解決手段】
液餌等を必要量入れた瓶を逆さに保持し、瓶内の液餌を器に補給して溜め、補給面を一定に保つ構造で、器の液が減り液面が下がることで瓶の口から空気を吸い込むようにし、空気を吸い込んだ分、瓶内の液が流下して器に流れ出、一定の液面高さに戻る。液を溜めた器に布地等を浸して毛管現象で吸い上げて面を潤して給餌させる、液餌自動補給手段。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昆虫や動物などの飲み水や液餌の補給配給で、瓶を逆さに保持し瓶内の液餌を器に補給して溜め、毛管現象の吸い上げで給餌面を潤し、給餌させる液餌給餌器に関する。
【背景技術】
【0002】
昆虫や動物などの飲み水や液餌の補給で、液餌をより空気に触れ難くする為に瓶を逆さに保持して、鳥かごの水やりの水補給と同様に、瓶補給口下端の高さで液面を一定に保ちながら瓶内の水を器に補給して溜めて給水する手段と、昆虫などが舐めて減る量を毛管現象の吸い上げで、給餌する表面を潤し、給水、給餌をさせる液餌給餌器に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−180492 号 公報
【特許文献2】特開平8―258894 号 公報
【特許文献3】特開2001―67 号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昆虫などの水飲みや液状の餌を補給する場合、従来は液餌等必要量を計量して給餌の器に入れて、その上に液が滲み易い布などを広げて虫等の足場と給餌面にする。該足場の布が沈むことを防ぐ様に浮き桟を浮かべた上に布を広げた器で補給している。飼育環境の温度を気温で高目に設定する場合が多く液餌が腐敗し易い。半日、一日と液餌交換する間隔が長くなる場合は溜めた液餌が高目の気温で劣化し易い。液餌が空気に触れる時間を少なくする目的で、器に溜める液餌を少なく低めの補給面とし、減少して補給面が下がる分を小まめに補給する。ケージ内の器の液餌が減る分を小まめに補給する労力を軽減し、液餌が減少する分を順次補給できる補給瓶を設けて器の補給面が低下する分少しを補給して劣化を防ぎ補給面を上下に調整して補給面高さを変えた給餌をする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、昆虫や動物などの飲み水や液状餌の補給給配で、瓶を逆さに保持して瓶内の液を器に補給する形態の補給器とし、液状の餌などを器に溜め、浸透性の良い布等を浸して毛管現象の吸い上げで、上部の給餌面を潤して給餌させる手段と、給餌面へ吸い上げられて減って低下する液面を一定に保つ液補給手段で、瓶を逆さに保持して液を溜める器に瓶の台を設け、該瓶の台を上下し、瓶口部の気泡流入口、液流下口が上下する事で液面の高さを調節し、補給瓶の口蓋に複数個の小穴を開けて、気泡流入と液流下を別々の穴で作用させ、吸入する気泡を小さく、液の流下を穏やかにする液面調整、液補給を可能とした。
【0006】
請求項2は、補給される液餌などを器に溜め、器にいけた液浸透体の毛管現象で吸い上げて布面などに浸透させ、濡れた布面などで給餌させる給餌器で、器に液餌等を溜めて液餌を吸い上げて給餌面を潤す。給餌容器の液餌に浸して液餌を吸い上げる液浸透体などの給餌器部品を熱湯などで洗浄して殺菌、給餌器の衛生や浸透機能を回復する手段で、液浸透体などを耐熱に成して、熱湯で殺菌や洗浄作業を可能にした。
【0007】
請求項3は、給餌部の器と補給瓶受け台をチューブ等で連結して液餌などを通し、該チューブの連結はワンタッチ継ぎ手とし、挿し側と受け側の何れか一方を固定し、繋ぎを片手の操作で可能な継ぎ手とする。
【0008】
請求項4は、給餌部の器に溜めた液餌を吸い上げ給餌する場合、高い室温のケージで液餌温度が高く成り、液餌の劣化、腐敗を来たし易い。液餌補給瓶内の温度を低くして液餌の劣化、腐敗を防止する手段で、液餌補給瓶や給餌部の器に冷却器を備えて容器の液餌を冷却し低温にして鮮度を保つ。
【0009】
請求項5は、給餌部の器に溜めた液餌を吸い上げ給餌する場合、高い室温のケージで液餌温度が高く成り、液餌の劣化、腐敗を来たし易い。液餌補給瓶内の温度を低くして液餌の劣化、腐敗を防止する手段で、液餌補給瓶の中へ冷却した蓄冷剤を入れて液餌を低温にして鮮度を保つ。
【発明の効果】
【0010】
本発明は前記の手段を講じたことにより、次のような効果を奏する。請求項1の発明は、昆虫などの飲み水や液状餌の補給給配で、瓶を逆さに保持して瓶内の液を器に補給する形態の補給器で液状の餌などを溜めた器から、液浸透体や浸透性の良い布等の毛管現象で上部給餌面を潤して給餌をさせる事が出来る。布など繊維の浸透物で給餌面を成して虫たちがつかまって身を安定して給餌する事が出来、布面などでの給餌で沈んだり溺れたりする事を防止できる。給餌等によって吸い上げられ減って低下する液面を、液餌の補給で一定に保つ手段で、液餌の入った補給瓶を逆さに保持して、一旦液餌溜め台に溜める、液餌溜め台に流下補給する補給瓶の口蓋に複数の小穴を設けて気泡の流入口と液餌流下口とがそれぞれ別の穴で作用し、吸入する気泡を小さくして液の流下が穏やかに成る。該液餌溜め台には、補給瓶を上下する瓶当て台が設けて有り、口蓋部分の高さを調節して、液餌溜め台の液面高さを調節し、チューブで連通する給餌容器の液面高さも調整した液餌の補給を可能とする。
【0011】
請求項2の発明は、補給される液餌などを給餌容器に溜め、給餌容器にいけた液浸透体の毛管現象で吸い上げ、布面などに浸透させて、布地など繊維の浸透物で給餌面を潤して給餌させる。給餌面へ毛管現象で液餌を浸透させる等で、目詰まりに因る吸い上げ不能や劣化した液餌の詰まり物の腐敗などが発生する。液浸透体、布など浸透物や補給瓶、容器などの給餌器部品を耐熱物にして熱湯などによる洗浄や殺菌が可能となり、給餌器の衛生や浸透機能の回復を容易になる。
【0012】
請求項3の発明は、給餌部の給餌容器と液餌溜め台をチューブ等で連結して液餌などを通して給餌容器に溜め、液浸透体で吸い上げ布地など浸透物の給餌面で給餌する。給餌容器はケージの中に置き補給瓶、液餌溜め台はケージの外に有って補給瓶の交換を容易に行う事が出来る。給餌部の給餌容器の洗浄、殺菌を行う場合には連通するチューブを外してケージの外に取り出す必要が有り、ケージの内側は片手による作業が多くなる。連通チューブの繋ぎはワンタッチ継ぎ手にして、継ぎ手の一方を床台板などに固定した取り付けにした事で片手操作の付け、外しを容易にした。
【0013】
請求項4の発明は、給餌容器に溜めた液餌を吸い上げて給餌する給餌器の、液餌を補給する補給瓶内を冷やして冷温で液餌の劣化、腐敗を防ぎ鮮度を保つ。ペルチェ効果等、電気を利用した冷却器で安定した温度設定、制御が可能である。
【0014】
請求項5の発明は、給餌容器に溜めた液餌を吸い上げて給餌する給餌器の、液餌を補給する補給瓶内を冷やして冷温で液餌の劣化、腐敗を防ぎ鮮度を保つ、該冷温で液餌の鮮度を保つ手段を補給瓶中へ冷却した蓄冷剤等を入れる事で成し、簡便な手段で電力を要しない補給瓶内冷却を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の液餌給餌器、実施例側面図である。
【図2】図1の液餌給餌器、上面図である。
【図3】液餌給餌器の正面図である。
【図4】養蝿ケージにセットした液餌給餌器の正面図である。
【図5】養蝿ケージにセットした液餌給餌器の側面図である。
【図6】養蝿ケージにセットした液餌給餌器の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
昆虫や動物などの飲み水や液状餌の補給給配で、液餌をケージの外側で補給する構造で、液餌を満たした補給瓶をケージの外側で逆さに保持し、補給瓶内の液餌を液餌溜め台に溜め、液餌溜め台から給餌容器にはチューブで連通してあり、液餌容器に液餌を溜める。ケージの内外を連通するチューブの中間にはワンタッチ継ぎ手が設けてある。該チューブ連結のワンタッチ継ぎ手は、挿し側と受け側の何れか一方を固定した構造にして、繋ぎ外しを片手操作で可能にした。ケージ内側の液餌容器には液餌を溜め、液餌容器の中にブロック様の液浸透体を置いて、液浸透体を覆うように浸透性の良い布地等を被せ、毛管現象の吸い上げで液餌容器に溜まる液餌を上の給餌布面へ吸い上げ給餌布面を潤して給餌させる。液餌容器の液餌は給餌布面へ吸い上げられて減り、液餌表面が低下すると、チューブで連通する補給瓶側の液餌溜め台から液餌が流れて来て、液餌溜め台の液餌液面は低下する。液餌溜め台の液餌補給は補給瓶の液餌が流下して行う。液餌補給瓶の液餌を流下して補給する場合、補給瓶蓋の蓋穴を下に、補給瓶受けで受けて液餌溜め台の内側にたて、瓶当て受け台で瓶下側を当てて受ける。該瓶当て受け台の上下動で蓋穴の上下位置を調節し、液餌溜め台の液餌液面の高さを調節する。補給瓶の蓋に複数個の蓋穴を開けてあり、液餌液面が下がって何れかの蓋穴が空気部分に出ると空気の気泡が流入し、液餌が流下する。蓋穴を複数個にする事で吸入する気泡を小さくし、別の蓋穴から液餌が流下して穏やかな液餌補給に成る。液餌容器の液浸透体や給餌布面を形成する覆いの布など給餌器部品は耐熱仕様で成し、熱湯等で洗浄、殺菌を可能に成してある。室温で比較的高温に設定されたケージ室で給餌させる液餌は腐敗や劣化し易い、液餌の劣化、腐敗を防止する為に給餌部分の給餌容器や補給瓶を機器冷却又は蓄冷剤等を利用して劣化防止、腐敗の防止をする。
【実施例】
【0017】
以下、本発明を図面に示した実施例により説明する。「図1」、「図2」、「図3」、「図4」、「図5」、「図6」、に実施例を示した。液餌給餌器1は、養蝿ケージ14に入れた昆虫、ハエの飲み水や液状餌の給配、補給、給餌装置である。液餌は養蝿ケージ14の外側で補給する構造で、液餌を満たした補給瓶2をケージの外側で逆さに保持し、補給瓶2内から流下する液餌を液餌溜め台6に溜め、該液餌溜め台6とケージ内にセットした液餌容器11の間はチューブ9で連通する。液餌溜め台6と給餌容器11の間を連通するチューブ9はその中間をワンタッチ継ぎ手10で繋ぐ。該チューブ9のワンタッチ継ぎ手10は、挿し側と受け側を何れかにし、給餌容器11側を移動側に、液餌溜め台6側を固定した構造にして、チューブ9の繋ぎ外しを片手の操作で可能にし、養蝿ケージ14の外へ給餌容器11を取り出す事が出来る。
【0018】
養蝿ケージ14内側の給餌容器11に液餌を溜め、該給餌容器11の中にブロック様の液浸透体12を置いて、液浸透体12を覆うように液浸透性の良い布等を被せ、毛管現象の吸い上げで給餌容器11に溜まる液餌を上の給餌布面13へ吸い上げ給餌布面13を潤して給餌させる。給餌容器11の液餌は給餌布面13へ吸い上げられて減り、液面が低下するとチューブ9で連通する液餌溜め台6の液餌が流れて液餌の液面が低下する。液餌の補給瓶2は液餌を流下して補給する蓋穴5aを下に、補給瓶受け4で受けて液餌溜め台6にたて、瓶当て受け台7で下側を当てて受ける。該瓶当て受け台7の上下動で蓋穴5aの上下位置を調節し、液餌溜め台6の液餌液面の高さを調節する。補給瓶蓋5に複数個の蓋穴5aを開けて、液餌液面が下がって蓋穴5aの何れかが液餌液面上の空気部分に出て空気が気泡で流入すれば、液餌が流下する。蓋穴5aを複数個にする事で吸入する気泡が小さく、液餌の流下を穏やかにする。
【0019】
給餌容器11内の液浸透体12や給餌面を形成する覆いの布など液餌給餌器1の部品を耐熱材で作成し、熱湯等で洗浄、殺菌が出来る。液餌給餌器1は比較的高い室温の育養室に設置する養蝿ケージ14で給餌させる液餌は腐敗や劣化し易く、給餌容器11や補給瓶2を図示しない冷却器や蓄冷剤3等で冷却して劣化防止、腐敗の防止をする。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は昆虫などの飲み水や液状の餌などを給餌する部分へ補給給配する手段で、補給する液状の餌を入れた補給瓶を逆さに保持し、補給瓶内の液を給餌する部分へ補給する形態で、流動性のある液体を同一なレベルの器に配給補給が出来る。液浸透体や浸透性の良い材料を利用した毛管現象で上の面を潤して面で給水なども出来る。布などの繊維製品の面状な浸透物で潤いの面を成し、虫たちがつかまって身を安定した、広くて多少の高低差の有る面で給餌給水をさせる事が出来る。布などの繊維で面状に成せば昆虫、小動物でも沈む、溺れるなどの事故を防止できる。給餌給水等によって吸い上げられ、減って低下する液面を自動的に液補給して一定に保つことが出来て省力化できる。補給瓶の口蓋部分に複数の小穴を設け、吸入する気泡を小さくし、液の流下が穏やかに成る。補給瓶を上下して口蓋部の高さを調節することで、液を補給する液面高さを調整出来、補給する水や液状の餌などを冷却し、劣化防止、腐食防止をして自動補給する給餌器を提供出来る。
【符号の説明】
【0021】
1 液餌給餌器
2 補給瓶
3 蓄冷剤
4 補給瓶受け
5 補給瓶蓋
5a 蓋穴
6 液餌溜め台
7 瓶当て受け台
8 台クランプ
9 チューブ
10 ワンタッチ継ぎ手
11 給餌容器
12 液浸透体
13 給餌布面
14 養蝿ケージ
15 ケージ袋口
16 口チャック
17 台板
18 ネット受け台板






【特許請求の範囲】
【請求項1】
昆虫や動物などの飲み水や液状餌の配給や補給で、瓶を逆さに保持し瓶内の液を器に補給する補給器において、液状餌などを器に溜め、布等を浸して毛管現象の吸い上げで、上部の給餌面を潤して給餌給水させる手段と、器の液を上部の給餌面に吸い上げ、減って低下する液面を一定に保つ液補給手段で、液餌の補給瓶を逆さに保持し、瓶の口高さを上下して補給液面高さを調節し、補給瓶口部に複数個の小穴を設けて空気吸入と、液流出とが別穴で作用し、吸入する気泡を小さくする液面調整補給手段を特徴とした、液餌給餌器。
【請求項2】
器に溜めた液餌を毛管現象で吸い上げ、上部の面で給餌させる給餌器で、器の液面から給餌部の上の面へ液餌を吸い上げる細管束など液浸透体を熱湯などの熱で殺菌、熱水で洗浄する手段と成した事を特徴とする、請求項1記載の液餌給餌器。
【請求項3】
給餌部の器と補給瓶受け台をチューブ等で連通して液餌などを通し、該チューブの連結はワンタッチ継ぎ手とし、挿し側と受け側の何れか一方を固定し、繋ぎが片手の操作で可能な継ぎ手を特徴とする、請求項1記載の液餌給餌器。
【請求項4】
器に溜めた液餌を吸い上げ給餌する液餌の補給瓶を冷やし、冷温で液餌の鮮度を保つ手段を冷却機の冷却で成した事を特徴とする請求項1記載の液餌給餌器。
【請求項5】
器に溜めた液餌を吸い上げ給餌する液餌の補給瓶を冷やし、冷温で液餌の鮮度を保つ手段で補給瓶の中へ冷却した蓄冷剤等を入れ、補給瓶内を冷やす手段を特徴とする、請求項1記載の液餌給餌器。


















【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−109954(P2011−109954A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268676(P2009−268676)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(592139500)
【Fターム(参考)】