説明

混合でなく、水と混練りした塗り材(パテ、左官材料、塗料等)を塗布する下地に塗布し、その上に塗る塗り材の品質改善ができる下塗り用固着促進シ−ラ−の製造方法。

【課題】 乾燥型粉末パテ材については、水分の乾燥によって硬化する性質のパテ材で乾燥が遅く水に溶解しやすい等問題があった。これは、水性樹脂と保水剤の影響がでているためである。又、硬化型粉末パテに於いては、硬化促進剤等の混合する場合は、早く硬化しやすく可使時間がとしにくい問題があった。
【解決手段】 混合でなく、塗り材の下地に塗布(下塗り用固着促進シ−ラ−)して置くことによって塗り材中の成分と化学反応させて、硬化促進や耐水性向上等の品質改善を可能にする方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末パテ(合成樹脂入り)を水と混練りしたペ−スト状のパテを、本発明した下塗り用固着促進シ−ラ−塗布後の上に塗布すると、短時間で固着開始し、又JISK5669の耐水型に合格性能に改善できる、接着剤に於いてもエマルジヨン型、水溶性タイプの種類いよつて、同様の品質改善ができる発明です。パテ作業、接着施工の正確性と、施工時間の短縮につながり、施工分野に広く利用できる技術を寄与するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の特に乾燥型粉末パテは、作業性を保持するため保水剤の含有が欠かせないため、合成樹脂エマルジョン型パテと比較し、乾燥が遅く、耐湿強度が弱く耐水性がないため、使用できない分野が生じていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の粉末パテ(硬化型)の硬化時間を短縮する場合、硬化促進剤を混合して時間を変えていたが、混練り状態で硬化してしまう等、乾燥型パテに於いては、混練り状態での固着しないが、雨の日等湿気の多い日は乾燥が遅く、施工の遅れを招き、耐水性もなく、性能面、作業性に於いても課題がある。
【0004】
本発明は、このような従来の構成を有していた問題を解決しようとるものであり、上塗り材の下地に塗布するだけで、固着促進や耐水性の向上、乾燥も早くする事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、本発明は上記目的を達成するために、合成樹脂、石膏、セメント等と反応性に富み又下地に良く付着する性質の原料を選定して構成するものである。
【0006】
反応剤の条件として、水分の移行によって反応が進行するので、水によく溶けていなければならない。又、上塗り材の作業性を損わない程度の反応速度、又、下地押さえ吸水性、を考えた接着剤の添加量、種類を制定することが大切であり、反応剤としては、硫酸カリウム、焼きアンモニウム明ばん、アルミナセメント、二水石膏、硫酸ばんど等があり、接着剤としては、エチレン・酢酸ビニル樹脂等がある。
【発明の効果】
【0007】
上記のように本発明の下塗り用固着促進シ−ラ−は、特に石膏、セメント等の短時間で硬化する材料を使用していない、水と混練りしてからの可使時間の長くとれる、パテ、塗り壁材、塗料等を耐湿性向上、短縮時間で固着させることができ、建築施工の工期短縮を提供できる。
【発明の実施すための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の形態と実施について説明する。
【0009】
下塗り用固着促進シ−ラ−は、合成樹脂エマルジョン、水溶性樹脂、上塗り材の反応剤、防腐剤、水、等を任意に混合して、多孔質下地(せっこうボ−ド、フレキシル板等)に塗布性の良い固さに調整して製造した。
【0010】
本発明は、以上のように構成された、下塗り用固着促進シ−ラ−は、以下に記載するような効果を発揮する。
【0011】
せっこうボード板(約70×70×90mm)の平滑な面に下塗り用固着促進シ−ラ−を約100g/m塗布し、室内に1時間、1日放置乾燥(指に付かない程度)した試験片とシ−ラ−なしの試験片を各2個作成する。
【0012】
乾燥型粉末パテ材及び硬化型粉末パテ材を、水と混練りしたペ−スト状のパテを下塗り用固着促進シ−ラ−塗布後1時間、1日放置後の試験片と下塗り用固着促進シ−ラ−なしの試験片に、約0.5mmの厚さに塗り付け、1時間後にJISA6904に規定する、マルテンス型引っかき硬度計を用いて硬度の試験をした結果、下塗り用固着促進シ−ラ−有りに塗布した、乾燥型、硬化型についても測定値は2対し、下塗り用固着促進シ−ラ−なしに塗布したパテ材は0でした。したがって固着が早いことの確認ができた。
【0013】
耐水性については、JIS K5410に規定するフレキシブル板(150×70×3mm)の平滑な面に下塗り用固着促進シ−ラ−を約100/m塗り、1時間乾燥後、その上に乾燥型粉末パテ材と硬化型粉末パテ材を約0.5mm厚になるように塗り、2時間放置乾燥した試験片を用いて、JISK5669合成樹脂エマルジョンパテ5.8の耐水性試験方法に基づいて試験した結果、浸せき時間24時間後試験片を取り出した直後に塗膜が指につかない事が確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パテ材、塗料、左官等の施工時に、本発明の下塗り用固着促進シ−ラ−を下地に塗布乾燥後、その上に塗布する塗り材の品質を(乾燥、耐水性等)改善をできる、下塗り用固着促進シ−ラ−の製造方法。

【公開番号】特開2009−127046(P2009−127046A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327999(P2007−327999)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(599055016)
【Fターム(参考)】