説明

添削管理サーバ装置、添削端末、添削管理システム、及び添削管理方法並びに添削管理プログラム、添削プログラム

【課題】答案を電子的に読み取った画像データにおいて、想定されるスペースを越えて記入される解答を参照することができ、かつ、添削に関する情報を入力することを可能とする。
【解決手段】添削管理サーバ装置10において添削対象設定記憶部20は、答案データにおける問題ごとの座標情報を問題の番号に対応付けて記憶する。添削条件・状態記憶部22は、添削端末に対応付けて添削端末の添削者が添削する問題の番号を記憶する。読出部11は、添削端末からの要求を受信した場合、答案データ記憶装置62から答案データを読み出すとともに、要求の送信元の添削端末に対応付けられる問題の番号を読み出し、読み出した問題の番号に対応する座標情報を読み出す。送受信部19は、読み出した答案データと座標情報とを添削端末にて当該座標情報を表示開始位置として答案データが表示されるように添削端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記述式の答案を電子的に読み取った画像データに対する添削に用いられる添削管理サーバ装置、添削端末、添削管理システム、及び添削管理方法並びに添削管理プログラム、添削プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されるように模擬試験等における記述式の問題に対して記載された答案の内容を電子的に画像データとして読み取り、当該画像データを用いてコンピュータ上において採点を行う技術が開示されている。
【0003】
具体的には、特許文献1に示される技術では、電子的に読み取った画像データを問題ごとに分割して記憶させておき、採点時に、問題ごとに複数人分を読み出して採点を行うことを可能としている。
【特許文献1】特許第3579599号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、記述式の問題では、解答者は、答案用紙の空きスペースを用いて任意に解答を記入することができるため、問題番号1に対する解答であっても、問題番号1の解答が記入されると想定される空きスペースを越えて問題番号2の一部の空きスペースに問題番号1の解答を記入することが行われることがある。
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術では、問題ごとの解答欄が予め定められていることを前提として、問題ごとに画像データを予め分割して記憶させる構成となっているため、想定されるスペースを越えて記入された解答については、採点者が参照することができないという問題がある。
【0006】
また、市場のニーズとして、答案に対して単に採点を行うだけではなく、答案の画像データに対して添削を行うことも望まれているが、特許文献1に示される技術では、添削を行うことができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、答案を電子的に読み取った画像データにおいて、想定されるスペースを越えて記入される解答を参照することができ、かつ、添削に関する情報を入力することを可能とする添削管理サーバ装置、添削端末、添削管理システム、及び添削管理方法並びに添削管理プログラム、添削プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するために、本発明は、解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末からの要求に応じて前記答案データ記憶装置から答案データを読み出し添削端末に送信する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムにおける添削管理サーバ装置であって、前記答案データにおける前記複数の問題ごとの座標情報を前記問題の番号に対応付けて記憶する第1の記憶手段と、前記添削端末に対応付けて前記添削端末の添削者が添削する前記問題の番号を記憶する第2の記憶手段と、前記添削端末からの要求を受信した場合、前記答案データ記憶装置から答案データを読み出すとともに、要求の送信元の前記添削端末に対応付けられる前記問題の番号を前記第2の記憶手段から読み出し、読み出した問題の番号に対応する座標情報を前記第1の記憶手段から読み出す読出手段と、前記読出手段が読み出した前記答案データと前記座標情報とを前記添削端末にて当該座標情報を表示開始位置として前記答案データが表示されるように前記添削端末に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする添削管理サーバ装置である。
【0009】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記答案データにおいて、前記添削者が前記添削端末を操作することにより前記問題に対する添削を記入可能な添削対象領域情報を前記問題の番号ごとに記憶する第3の記憶手段を備え、前記読出手段は、前記添削端末からの要求を受信した場合、前記答案データ記憶装置から答案データを読み出すとともに、要求の送信元の前記添削端末に対応付けられる前記問題の番号を前記第2の記憶手段から読み出し、前記問題の番号に対応する座標情報を前記第1の記憶手段から読み出し、前記前記問題の番号に対応付けられる前記添削対象領域情報を前記第3の記憶手段から読み出し、前記送信手段は、前記読出手段が読み出した前記答案データと前記座標情報と前記添削対象領域情報とを前記添削端末にて前記座標情報を表示開始位置として前記答案データが表示されるように前記添削端末に送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末からの要求に応じて前記答案データ記憶装置から答案データを読み出し添削端末に送信する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムにおける添削端末であって、前記要求の応答として前記添削管理サーバ装置から前記答案データと座標情報とを受信する受信手段と、前記受信手段が受信する前記答案データを画面に表示する際に、前記座標情報を表示開始位置として前記答案データを画面に表示し、前記添削者の画面表示に対する操作を受けた場合、当該操作に応じて前記答案データを移動させて表示する表示手段と、前記表示手段により画面に表示される答案データに対する前記添削者の添削操作を受け、当該添削操作に基づく添削情報を入力する入力手段と、を備えたことを特徴とする添削端末である。
【0011】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記座標情報は、一定の範囲の領域を示す情報であり、前記表示手段は、前記受信手段が受信した前記座標情報により特定される領域を前記添削者が添削情報を入力できる添削対象領域として設定し、前記入力手段は、前記添削対象領域の範囲内において前記添削者の添削操作を受けた場合のみ当該添削操作に基づく添削情報を入力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記表示手段は、前記要求の応答として前記添削管理サーバ装置から前記答案データと前記座標情報と添削対象領域情報とを受信して前記答案データを画面に表示する際に、前記座標情報を表示開始位置として前記答案データを画面に表示し、前記添削者の画面表示に対する操作を受けた場合、当該操作に応じて前記答案データを移動させて表示し、前記入力手段は、前記添削対象領域情報に示される範囲内において前記添削者の添削操作を受けた場合のみ当該添削操作に基づく添削情報を入力することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末による前記答案データに対する添削を管理する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムであって、前記添削管理サーバ装置は、前記答案データにおける前記複数の問題ごとの座標情報を前記問題の番号に対応付けて記憶する第1の記憶手段と、前記添削端末に対応付けて前記添削端末の添削者が添削する前記問題の番号を記憶する第2の記憶手段と、前記添削端末からの要求を受信した場合、前記答案データ記憶装置から答案データを読み出すとともに、要求の送信元の前記添削端末に対応付けられる前記問題の番号を前記第2の記憶手段から読み出し、読み出した問題の番号に対応する座標情報を前記第1の記憶手段から読み出す読出手段と、前記読出手段が読み出した前記答案データと前記座標情報とを前記添削端末に送信する送信手段と、を備え、前記添削端末は、前記添削管理サーバ装置に、前記答案データの要求を送信する送信手段と、前記要求の応答として前記添削管理サーバ装置から前記答案データと座標情報とを受信する受信手段と、前記受信手段が受信する前記答案データを画面に表示する際に、前記座標情報を表示開始位置として前記答案データを画面に表示し、前記添削者の画面表示に対する操作を受けた場合、当該操作に応じて前記答案データを移動させて表示する表示手段と、前記表示手段により画面に表示される答案データに対する前記添削者の添削操作を受け、当該添削操作に基づく添削情報を入力する入力手段と、を備えたことを特徴とする添削管理システムである。
【0014】
また、本発明は、解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末による前記答案データに対する添削を管理する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムにおける添削管理方法であって、前記添削管理サーバ装置が、前記答案データにおける前記複数の問題ごとの座標情報を前記問題の番号に対応付けて第1の記憶手段に記憶させるステップと、前記添削管理サーバ装置が、前記添削端末に対応付けて前記添削端末の添削者が添削する前記問題の番号を第2の記憶手段に記憶させるステップと、前記添削端末が、前記添削管理サーバ装置に、前記答案データの要求を送信するステップと、前記添削管理サーバ装置が、前記添削端末からの要求を受信した場合、前記答案データ記憶装置から答案データを読み出すとともに、要求の送信元の前記添削端末に対応付けられる前記問題の番号を前記第2の記憶手段から読み出し、読み出した問題の番号に対応する座標情報を前記第1の記憶手段から読み出すステップと、前記添削管理サーバ装置が、読み出した前記答案データと前記座標情報とを前記添削端末に送信するステップと、前記添削端末が、前記添削管理サーバ装置から前記答案データと座標情報とを受信するステップと、前記添削端末が、受信した前記答案データを画面に表示する際に、前記座標情報を表示開始位置として前記答案データを画面に表示し、前記添削者の画面表示に対する操作を受けた場合、当該操作に応じて前記答案データを移動させて表示するステップと、前記添削端末が、画面に表示される答案データに対する前記添削者の添削操作を受け、当該添削操作に基づく添削情報を入力するステップと、を含むことを特徴とする添削管理方法である。
【0015】
また、本発明は、解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末からの要求に応じて前記答案データ記憶装置から答案データを読み出し添削端末に送信する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムにおける添削管理サーバ装置のコンピュータに、前記答案データにおける前記複数の問題ごとの座標情報を前記問題の番号に対応付けて第1の記憶手段に記憶させるステップと、前記添削端末に対応付けて前記添削端末の添削者が添削する前記問題の番号を第2の記憶手段に記憶させるステップと、前記添削端末からの要求を受信した場合、前記答案データ記憶装置から答案データを読み出すとともに、要求の送信元の前記添削端末に対応付けられる前記問題の番号を前記第2の記憶手段から読み出し、読み出した問題の番号に対応する座標情報を前記第1の記憶手段から読み出すステップと、読み出した前記答案データと前記座標情報とを前記添削端末にて当該座標情報を表示開始位置として前記答案データが表示されるように前記添削端末に送信するステップと、を実行させるための添削管理プログラムである。
【0016】
また、本発明は、解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末からの要求に応じて前記答案データ記憶装置から答案データを読み出し添削端末に送信する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムにおける添削端末のコンピュータに、前記要求の応答として前記添削管理サーバ装置から前記答案データと座標情報とを受信するステップと、受信する前記答案データを画面に表示する際に、前記座標情報を表示開始位置として前記答案データを画面に表示し、前記添削者の画面表示に対する操作を受けた場合、当該操作に応じて前記答案データを移動させて表示するステップと、前記画面に表示される答案データに対する前記添削者の添削操作を受け、当該添削操作に基づく添削情報を入力するステップと、を実行させるための添削プログラムである。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、答案を電子的に読み取った画像データにおいて、想定されるスペースを越えて記入される解答を参照することができ、かつ、添削に関する情報を入力することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による添削管理システム1を示す概略ブロック図である。
添削管理システム1は、例えば、多くの受験者が参加する模擬試験等の試験において、これらの受験者である解答者が解答を記入した答案用紙を電子的に読み取って画像データとしたものに対して複数の添削者が電子的な情報により添削を行う機能を提供する。答案用紙200A、200B、200C、…は、受験者により解答が手書きで記入された紙媒体に、受験者などを識別する識別シールが貼付されたものである。
【0019】
図2は、未記入の状態の答案用紙200を示した図であり、受験者のそれぞれに試験開始前に配布される識別シール201が、それぞれの受験者により答案用紙の下欄に添付される。当該識別シール201は、例えば、バーコードやQR(Quick Response)コード(登録商標)などの2次元バーコードであり、受験者の受験番号と、受験者が受験する試験に対応する講座を示す講座番号と、これらの受験番号と講座番号との組み合わせに対して予め付与される一意に識別可能な管理番号の情報とが記憶されている。
【0020】
受験カード210A、210B、210C、…は、試験前に受験者に予め配布される、いわゆる受験票であり、図3は、ある受験者に配布された受験カード200の詳細を示した図であり、テストの名称(×××テスト)、受験番号、氏名、所属の欄には、受験者への配布前に、登録されている情報に従って予め記載され、志望校の欄には、配布後に受験者により当該受験者の志望校の名称等が記入される。また、受験カード210にも、受験者のそれぞれに試験開始前に配布され、答案用紙に貼付されたものと同じ情報、すなわち受験番号と講座番号と管理番号とが記憶された識別シール211が受験者によって貼付される。これらの識別シール201及び識別シール211により、答案用紙200A、200B、200C、…と受験カード210A、210B、210C、…とが対応付けられることになる。なお、以下の説明では、答案用紙200A、200B、200C、…に貼付される識別シールをそれぞれ識別シール201A、201B、201C、…と記載し、受験カード210A、210B、210C、…に貼付される識別シールをそれぞれ識別シール211A、211B、211C、…と記載する。
【0021】
添削管理システム1において、読取装置60は、例えば、スキャナとバーコードリーダとを備えた構成の装置であり、答案用紙200A、200B、200C、…を画像データ(以下、答案データという)として読み取りつつ、答案用紙200A、200B、200C、…のそれぞれに貼付される識別シール201A、201B、201C、…に記憶される情報を読み取り、読み取った情報と答案データとを対応付けて答案データ記憶装置62に記録する。また、読取装置60は、受験カード210A、210B、210C、…を画像データ(以下、受験データという)として読み取りつつ、受験カード210A、210B、210C、…のそれぞれに貼付される識別シール211A、211B、211C、…に記憶される情報を読み取り、読み取った情報と受験データとを対応付けて受験データ記憶装置62に記録する。
【0022】
受験データ処理装置63は、OCR(Optical Character Recognition)などを内部に備えており、受験データ記憶装置61に記憶される受験データから受験者により配布後に手書きされる志望校の情報をOCRで読み取り、読み取った志望校の情報と当該受験データに対応付けられる管理番号、受験番号、講座番号、氏名、所属の情報を添削管理サーバ装置10に送信する。
【0023】
添削管理システム1において、添削端末100、101、102、103、…は、答案用紙200A、200B、200C、…の添削を行う添削者により操作される端末であり、添削者が添削端末に備えられるペンにより添削端末の液晶ディスプレイに記入することにより手書き入力を行うことを可能とする端末である。ここで、以下、添削端末100を例として内部構成を説明するが、他の添削端末101、102、103、…についても添削端末100と同じ内部構成を有している。
【0024】
添削端末100は、送受信部30、表示部31、入力部32、記憶部33、登録部34とを備えている。送受信部30は、ネットワーク50を通じて添削管理サーバ装置10との間で答案データなどの送受信を行う。表示部31は、例えば、液晶ディスプレイなどの画面を備えており入力部13から入力される指示情報に基づく画面を表示する。入力部32は、タッチパネルなどの液晶ディスプレイに備えられるペン入力の座標情報を検出するデバイスに接続されており、当該デバイスにより検出された座標情報に基づいて手書き入力の情報を入力し、また、座標情報に対応して表示部31により画像データとして表示されているボタンの情報を検出し、検出したボタンに対応する指示情報の入力を行う。記憶部33は、添削管理サーバ装置10から送受信部30を通じて受信した答案データなどを記憶し、また、入力部32から入力される添削者による手書きの添削情報を答案データに付加して記憶する。登録部34は、添削が完了し添削者の操作により入力部32から指示情報が入力されると、記憶部33に記憶される答案データと当該答案データに付加される添削情報を送受信部30を通じて添削管理サーバ装置10に送信する。
【0025】
添削管理システム1において、添削管理サーバ装置10は、答案データ記憶装置62から答案データを読み出して添削端末100、101、102、103、…に答案データを送信し、また、当該答案データを添削する添削者に対してどの問題を添削させるかなどの設定情報を記憶する。添削管理サーバ装置10において、送受信部19は、ネットワーク50を介して複数の添削端末100、101、102、103、…との間で答案データの送受信などの通信を行う。
【0026】
読出部11は、送受信部19を通じて添削端末100、101、102、103、…から受信する要求に応じて答案データ記憶装置62から答案データを読み出す。また、読出部11は、送受信部19を通じて添削端末100、101、102、103、…から受信する要求に応じて添削対象設定記憶部20及び添削条件・状態記憶部22に記憶される情報を読み出す。また、読出部11は、読み出した答案データと添削対象設定記憶部20及び添削条件・状態記憶部22から読み出した情報とを送受信部19を通じて添削端末100、101、102、103、…に送信する。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイなどの画面を備えており、入力部13から入力される指示情報に応じた画面表示を行う。
【0027】
入力部13は、マウスやキーボードが接続されており、添削管理サーバ装置10を利用する管理者による操作を受けて、当該操作に対応する指示情報などを表示部12、登録部15に入力する。登録部15は、入力部13から入力される指示情報に応じて、例えば、表示部12に表示される情報を添削対象設定記憶部20に記録し、また、入力部13からテキストデータ等が入力された場合、入力されたテキストデータ等を添削対象設定記憶部20、あるいは添削条件・状態記憶部22に記録する。
【0028】
答案データ処理部14は、受験データ処理装置63から受信する情報に含まれる管理番号、講座番号、受験番号の組み合わせに対応するエントリを添削答案データ記憶部23に生成し、生成したエントリに対して受験データ処理装置63から受信する情報、すなわち受験者の氏名、所属、志望校の情報を記録する。また、答案データ処理部14は、受験データ処理装置63から受信する情報に含まれる管理番号、講座番号、受験番号を添削対象設定記憶部20に記録する。
【0029】
設定用答案データ記憶部21は、答案データごとに添削対象の領域などを設定する際に、表示部12により表示される、解答が未記入の状態の答案データ(以下、設定用答案データという)を試験の種別ごとに記憶する。
【0030】
添削対象設定記憶部20は、図4に示すデータ構成の添削対象設定データを試験を行う講座ごとに記憶している。当該データ構成において、「ファイル名」の項目には、それぞれの設定用答案データのファイルに付与されるファイル名が記憶される。「講座番号」の項目には、それぞれの試験ごとに予め付与される識別番号が記憶される。なお、当該講座番号は、上述した識別シール201及び識別シール211に記憶される講座番号の情報に対応する情報である。「講座情報」の項目には、当該試験を行う講座の名称が記憶される。「学年」の項目には、当該試験の対象としている学年を示す情報が記憶される。「得点」の項目には、当該試験の問題ごとの点数の合計、すなわち満点時の点数が記憶される。
【0031】
「添削対象領域外記入可否」の項目には、「可」あるいは[否]の情報が記憶され、「可」場合には、後述する添削端末100、101、…等を用いて添削者が答案データに対して添削を行う場合、予め設定される添削対象領域の範囲外に対する添削情報の入力が可能とされ、「否」の場合には、添削対象領域の範囲外に対する添削情報の入力が制限される。
【0032】
「問題1得点」、「問題2得点」、「問題3得点」、…の項目には、当該試験の問題ごとの配点の情報が記憶される。「氏名マスク座標」には、当該試験の答案データが添削端末100、101、…にて表示される際に、氏名の部分を表示させないようにするため、答案データにおける氏名の欄が存在する座標情報が記憶される。「問題1座標」、「問題2座標」、「問題3座標」、…には、当該試験の答案データにおける、それぞれの問題の問題文と解答が記入されると想定されるスペースとを含む領域を示す座標情報が記憶される。なお、「氏名マスク座標」及び「問題1座標」、「問題2座標」、「問題3座標」、…の4つの座標情報は、長方形の領域の左上の角のX座標とY座標、及び右下の角のX座標とY座標を示している。また、「問題1得点」、「問題2得点」、「問題3得点」、…の項目、及び「問題1座標」、「問題2座標」、「問題3座標」、…の項目は、問題数に応じて増減する項目である。また、添削対象設定記憶部20に設定されるデータは、後述する添削対象設定処理において、ユーザの操作を介して設定される。
【0033】
添削条件・状態記憶部22は、図5に示すデータ構成の添削条件・状態データを記憶している。「管理番号」、「受験番号」、「講座番号」の項目には、答案データ処理部14が受験データ処理装置63から受信した管理番号、受験番号、講座番号の情報が答案データ処理部14により記録される。
【0034】
「添削者情報」には、添削を行う者の氏名の情報が記憶される。「添削端末ID」には、「添削者情報」に記憶される添削者が利用する添削端末100、101、…に予め付与されている識別情報が記憶される。なお、添削管理サーバ装置10は、「添削端末ID」に記憶される情報を参照し、ネットワーク50を通じて、添削端末100、101、…に答案データ及び当該答案データに対応する添削対象設定記憶部20に設定される情報を送信する。
【0035】
「添削種別」の項目には、「個別」あるいは「一括」の情報が記憶される。ここで、「個別」の情報の場合、問題別に添削者が割り当てられて、問題ごとの添削が行われることを示しており、「一括」の情報の場合、全ての問題の添削が、一人の添削者により行われることを示している。「問題番号」には、「添削種別」が「個別」の場合に、「添削者情報」に記憶される添削者により添削される問題番号が記憶される。「得点」の項目には、添削が行われた後に、添削者が採点した得点の情報が記憶される。なお、一括の場合、「得点」の項目には、問題番号ごとの得点が記憶される。「状態」は、添削が完了している場合には「済」が記憶され、完了していない場合には、空欄の状態とされる。なお、「添削端末ID」が0001の行については、既に添削が完了した状態を示しており、0002の行については、まだ添削が行われていない状態を示している。
【0036】
添削答案データ記憶部23は、図6に示すようなデータ構成を有している。「管理番号」、「受験番号」、「講座番号」、「氏名」、「所属」、「志望校1」、「志望校2」、「志望校3」の項目には、答案データ処理部14が、受験データ処理装置63から受信した情報が、答案データ処理部14により記録される。
【0037】
「合計点」、「問題1」、「問題2」、「問題3」、…の項目には、添削者に添削された際に採点される得点の情報が添削端末100、101、…から送信され、送受信部19により当該得点の情報が記録される。「スタンプ」の項目には、添削者に添削された際に添削者により選択される評価の情報が添削端末100、101、…から送信され、送受信部19により当該評価の情報が記録される。添削答案イメージデータ領域には、添削者に添削された際の添削情報が付加された答案データが添削端末100、101、…から送信され、送受信部19により当該添削情報が付加された答案データが記録される。
【0038】
(添削管理サーバ装置における添削対象設定処理)
次に、図7及び図8を参照しつつ、添削管理サーバ装置10による添削対象設定処理について説明する。最初に添削管理サーバ装置10を利用する管理者が、入力部13に接続されるマウスを操作して、入力部13が設定画面表示指示を入力すると、表示部12が図8に示す設定画面300を画面に表示する(ステップSa1)。設定画面300では、設定用答案データ記憶部21に記憶される複数の答案データのファイル名が表示領域310に表示される。管理者が、入力部13に接続されるマウスを操作して、答案データファイル名表示領域310に表示されているファイル名の1つを選択する。図8では、「00010103.tif」が選択された状態を示している。表示部12は、答案データファイル名表示領域310にて選択されたファイル名に一致する設定用答案データを設定用答案データ記憶部21から読み出し、答案データ表示領域301に設定用答案データを表示する(ステップSa2)。
【0039】
次に、管理者は、入力部13に接続されるキーボードなどを操作して、入力領域302の講座名称、学年、回数、得点の項目に、ファイル名「00010103.tif」に対応する情報を入力する(ステップSa3)。ここで、「学年」とは、試験の対象学年であり、「回数」とは、当該講座名称の講座における試験回数であり、「得点」とは、当該試験における合計点数のことを示す。
【0040】
次に、管理者は、入力部13に接続されるマウスを操作して、設定用答案データ内において問題ごとの領域を設定する。具体的に、「問題−1」に対して設定を行う場合、符号303で示される複数の「設定」のボタンの中から、設定対象の「問題−1」に対応する「設定」のボタンを選択した状態にて、答案データ表示領域301において、「問題−1」に対応する領域301−1をマウスで選択する。表示部12は、マウスで選択された領域の座標情報を検出し、図8に示すように選択された領域301−1の左上の角の座標「0015」「0013」と、右下の座標「0443」「0270」とを位置情報表示領域304の「問題−1」に対応する表示枠に表示する。また、このとき、管理者は、「問題−1」に対する配点を、点数表示領域305の「問題−1」に対応する表示枠に入力する。図8では、「12」点が入力された状態を示している。このようにして、答案データに含まれる全ての問題に対する表示領域の設定及び配点の設定を行う(ステップSa4)。なお、当該問題ごとの表示領域の設定及び配点の設定は、領域311の各問題に対応する「解除」ボタンを選択することで何度でもやり直すことが可能である。なお、本実施形態では、問題ごとに設定される表示領域が、添削者が添削端末100、101、…において添削情報を入力可能な添削対象領域として設定されることになる。
【0041】
次に、管理者は、氏名欄に対するマスク領域の設定を行う。具体的には、入力部13に接続されるマウスにより「設定」のボタン306を選択した状態にて、答案データ表示領域301において、氏名欄の領域301−nをマウスで選択することにより行う。表示部12は、マウスで選択された領域の座標情報を検出し、図8に示すように、氏名欄の領域301−nの左上の角の座標「0279」「0075」と、右下の角の座標「0396」「0099」を位置情報表示領域304に表示する(ステップSa5)。この操作により、添削端末100、101、…にて当該答案データを受信した際に、氏名欄にマウスが重ねられた状態で表示されることになる。なお、当該氏名欄に対するマスク領域の設定も、「解除」のボタン312を選択することで何度でもやり直すことが可能である。
【0042】
次に、管理者は、入力部13に接続されるマウスを操作することにより、領域外記入可否領域309にて、「可」あるいは「否」のチェックボックスのいずれかを選択する(ステップSa6)。この設定により、問題ごとに個別に添削が行われる場合、問題ごとの表示領域、すなわち添削対象領域の範囲外での添削情報の入力の制限を行うことが可能となる。
【0043】
最後に、管理者が、入力部13に接続されるマウスを操作することにより、「登録」ボタン308を選択すると、登録部15は、表示部12にて表示されている情報を添削対象設定記憶部20に記録する(ステップSa7)。そして、管理者の操作により、設定を行う答案データの全てについて設定が終了し、管理者により「終了」のボタン313が選択されると、表示部12は設定画面300の表示を終了する。
【0044】
(添削端末における添削処理)
次に、図9から図12を参照しつつ、添削端末100、101、102、103、…における添削処理について説明する。以下では、添削端末100を例とし、添削端末100の処理について説明する。当該処理の前提として、添削管理サーバ装置10において、管理者により、上述した添削対象設定記憶部20に設定が行われているものとし、さらに、図5に示した添削条件・状態記憶部22にも、管理者により予め添削端末ごとの設定が行われているものとする。
【0045】
最初に、添削端末100の添削者が、添削端末100に備えられるペンを操作し、液晶ディスプレイの所定の座標に表示される開始ボタンなどを選択することで、入力部32が答案データ選択画面表示指示を入力する。答案データ選択画面表示指示が入力されると表示部31は、図10に示す答案データ選択画面400を表示部31に接続される画面に表示する(ステップSb1)。表示部31は、送受信部30を通じて添削管理サーバ装置10に対して添削条件・状態記憶部22に記憶されるデータの「添削端末ID」の項目に添削端末100のIDが設定されているデータの検索を要求し、当該要求の応答として添削管理サーバ装置10から受信したデータを表示領域401に一覧として表示する。表示領域401において、「管理番号」、「受験番号」、「講座番号」の列には、添削条件・状態記憶部22から表示部31により検索された情報が表示され、「Q−1」〜「Q−5」の列には、添削条件・状態記憶部22の「得点」の項目に記録されている値が表示され、「合計」の列には、「Q−1」〜「Q−5」の合計値が表示される。「合計」の列の右側に表示される「済」は、添削条件・状態記憶部22の「状態」の項目に記憶されている情報が表示される。
【0046】
なお、図10において、最下欄の答案データについては、「Q−5」が存在してないことを示している。また、添削条件・状態記憶部22の「添削種別」において「個別」が記録されている場合であって、当該添削者による割り当てられた問題の添削が完了している場合、「問題番号」の項目に記憶される問題番号に対応する「Q−1」〜「Q−5」のいずれかの項目に「得点」の項目に記憶される点数が表示され、「済」が表示されることになる。
【0047】
次に、添削者は、添削端末100のペンにより領域401に表示される添削対象のデータの中から1つ選択する(ステップSb2)。図10では、領域401の最上位のデータが選択されている例を示している。当該選択が行われている状態にて、添削者は、添削端末100のペンにより、「入力」ボタン405を選択すると、添削端末100の送受信部30は、選択された最上位のデータに対応する「管理番号」、「受験番号」、「講座番号」を含む要求を添削管理サーバ装置10に送信する。当該要求を送受信部19により受信した添削管理サーバ装置10の読出部11は、答案データ記憶装置62から、要求に含まれる「管理番号」、「受験番号」、「講座番号」に対応する答案データを読み出す。また、読出部11は、当該要求に含まれる「講座番号」により特定される添削対象設定記憶部20の添削対象設定データ及び当該「管理番号」、「受験番号」、「講座番号」により特定される添削条件・状態記憶部22の「添削情報」と「問題番号」とを読み出し、読み出した答案データと添削対象設定記憶部20に設定される情報と「添削情報」と「問題情報」とを対応付けて添削端末100に送信する。添削端末100の表示部31は、添削管理サーバ装置10から情報を受信すると図11あるいは図12に示すような添削画面500Aあるいは500Bを表示する(ステップSb3)。なお、以下の説明において、添削画面500Aあるいは500Bに含まれる要素については同じ符号を付して説明を行う。
【0048】
図11は、添削条件・状態記憶部22において「添削情報」の項目に「一括」が選択されている場合に添削端末100において表示される添削画面500Aを示した図であり、図12は、添削条件・状態記憶部22において「添削情報」の項目に「個別」が選択されている場合であって、かつ「問題番号」の項目に「問題1」が設定されている場合の添削画面500Bを示した図である。
【0049】
図11に示す添削画面500Aでは、一括添削、すなわち一人の添削者により全ての問題が添削されるため、答案データ表示領域510には、答案データの始めの部分から表示されている。表示領域530には、「講座」、「学年」、「回数」の項目には、当該答案データに対応する添削対象設定記憶部20に記憶される添削対象設定データの「講座情報」、「学年」、「回数」の項目に記憶される情報が表示され、「受験番号」の項目には、図10の答案データ選択画面400にて選択された際の受験番号の情報が表示される。また、表示領域531には、添削端末100が、添削管理サーバ装置10から受信した「一括」あるいは「個別」を示す情報に基づく情報が表示される。図11では、一括添削の場合が選択されているため「一括添削」が表示されている。
【0050】
また、図11において、氏名欄511には、当該答案データに対応する添削対象設定記憶部20の添削対象設定データの「氏名マスク座標」の項目に設定されている座標情報に基づくマスクが表示される。これにより、受験者の氏名を添削者が参照できないことになり、例えば、受験者と添削者の間に何らかの関係があったとしても、添削者に公平に添削させることを可能とする。
【0051】
一方、図12は、個別添削、すなわち一人の添削者に対して問題別の添削をさせる場合に添削端末100において表示される添削画面500Bを示している。図12において、図11と異なる表示箇所は、答案データ表示領域510において、答案データの表示が「問題1」に対して設定されている添削対象領域501から表示が開始されている点である。当該表示は、具体的には以下のようにして行われる。まず、添削管理サーバ装置10の読出部11が添削条件・状態記憶部22から当該添削端末100の添削者に割り当てられている問題番号である「問題1」を読み出し、また、添削対象設定記憶部20から講座番号に対応する添削対象設定データを読み出す。そして、添削端末100が読出部11が読み出した「問題1」を示す情報と添削対象設定データとを添削管理サーバ装置10から受信し、添削端末100の表示部31が受信した添削対象設定データの「問題1座標」示される座標情報に基づいて、問題1に対応する添削対象領域501から答案データ表示領域510に表示する。
【0052】
図11及び図12において、表示される答案データには解答者が記入した解答情報501A−1、501A−2、501A−3、501A−4が含まれており、解答情報501A−3については、問題1の添削対象領域501を超えて記載が行われている。図11に示す一括添削の場合には、添削者は、問題1から順に全ての問題を添削するため、縦のスクロールバー601等を上下に移動させることで、全ての答案データを参照することができる。一方、図12に示す個別添削の場合には、添削者は、問題1のみが添削対象であるが、問題1の解答が添削対象領域501を超えて記載されている場合であっても、縦のスクロールバー601等を上下に移動させることで、添削者は、問題1に対する解答を全て参照することができる。
【0053】
次に、添削端末100の登録部34は、添削者がペンにより添削画面500Aあるいは500Bにおいて「確定」ボタン520が選択されたか否かを判定する(ステップSb4)。選択されていない場合、入力部32は、答案データ表示領域510において、添削者のペン操作による添削の入力を検出し、検出した入力に従って記憶部33に添削情報を付加するとともに、表示部31により答案データに添削情報が付加されて表示される(ステップSb5)。次に、図12に示す添削画面500Bの場合、すなわち当該答案データに対する添削対象設定記憶部20の「添削対象領域外記入可否」の情報に「否」が記憶されており、かつ添削条件・状態記憶部22に「問題1」の「個別」が記憶されている場合、添削端末100の入力部32は、添削者のペン操作による入力が問題1の添削対象領域501の範囲内であるか否かを判定する(ステップSb6)。添削対象領域501の範囲内の入力の場合には、記憶部33に添削情報を付加し(ステップSb7)、添削対象領域501の範囲外の入力の場合には、当該入力に関する情報を廃棄し、ステップSb4に戻る。
【0054】
ステップSb4において、登録部34は、添削者がペンにより添削画面500Aあるいは500Bにおいて「確定」ボタン520が選択されたと判定した場合、記憶部33に記憶される答案データと当該答案データに付加された添削情報と当該答案データの管理番号とを対応付け、送受信部30を通じて添削管理サーバ装置10に送信する。添削管理サーバ装置10の送受信部19は、添削端末100から答案データと添削情報と管理番号とを受信すると、受信した管理番号に一致する添削答案データ記憶部23のエントリを検索し、検索したエントリの添削済答案データ領域に受信した答案データと添削情報とを記録する(ステップSb8)。このような処理が、他の添削端末101、102、103、…により行われることで、添削管理サーバ装置10の添削答案データ記憶部23には、全ての受験者の添削済み、すなわち答案データと添削情報とが記憶されることになる。
【0055】
なお、上記の添削情報には、図11に示す一括添削の場合には、問題ごとに設けられる採点入力欄512−1〜512−3に添削者のペン操作により入力される得点の情報と、その合計点の情報が含まれ、図12に示す個別添削の場合には、添削を行った問題、例えば図12の例では、問題1に対する採点入力欄512−1に入力される得点の情報が含まれる。また、当該添削情報には、図11に示されるスタンプ欄513にて添削者のペン操作により選択される解答に対する評価のランクを示した文字情報も含まれる。これらの情報は、添削者が「確定」ボタン520を選択する前に、入力あるいは選択されるものとする。
【0056】
また、上記の添削管理サーバ装置10において、答案データごとの模範解答データを記憶させておき、図11及び図12の添削画面500A及び500Bにおいて、模範解答表示521が添削者のペン操作により選択されると、添削端末100の表示部31が、他のウインドウの表示を開始し、当該ウインドウ内に模範解答データを表示するようにしてもよい。
【0057】
上記の実施形態の構成により、添削端末100、101、102、103、…では、解答者により手書きで記入される解答が、解答が記入されると想定される領域外に記載された場合であっても、答案用紙自体を画像データとして答案データの全てを添削端末100、101、102、103、…が受信しているため、スクロールバー等により上下、左右に移動させることで領域外に記載された場合であっても添削者が参照することができる。
【0058】
また、上記の実施形態の構成により個別添削の場合に、添削者が入力を行うことができる領域を各問題の添削対象領域に制限することで、答案データに対する個別添削された全ての添削情報を1つの答案データに対して付加した場合であっても、添削情報が重なって表示されることがなく、添削された答案を参照する解答者にとって添削された内容を明瞭に参照することが可能となる。
【0059】
また、上記の実施形態の構成における添削処理において個別添削の場合、添削答案データ記憶部23の添削済答案データ領域には、答案データに添削情報が付加された情報が、問題ごとに記憶される構成となるが、本発明は、当該実施形態に限られず、添削端末100、101、102、103、…にて個別添削が行われた場合に、答案データと添削情報を分けて記憶しておき、添削答案データ記憶部23には、答案データが1つと、各問題ごとの添削情報が記憶されるようにしてもよい。
【0060】
また、上記の実施形態において、添削管理サーバ装置10に設定用答案データ記憶部21を備えることとしているが、設定用答案データ記憶部21を備えずに、例えば、読取装置60から解答が未記入の状態の答案用紙を読み取らせ、読み取らせた答案データに対して直接、添削対象の領域の設定をするようにしてもよい。
【0061】
また、上記の実施形態において、問題ごとの表示領域と添削対象領域とを同じ領域としているが、本発明は、当該実施形態に限られず、問題ごとの表示領域とは別に添削対象領域を設定するようにしてもよく、その場合、添削対象領域の座標情報を記憶する記憶領域が設けられることになる。ここで、当該添削対象領域の座標情報を記憶する記憶領域は、本発明に記載の第3の記憶手段に対応する。
【0062】
また、上記の実施形態において、問題ごとの添削対象領域を特定するために、左上の角の座標情報と、右下の角の座標情報とを添削対象設定記憶部20に設定するようにしているが、本発明は、当該実施形態には限られず、例えば、問題ごとに左上の角の座標情報のみを記憶させておくようにしてもよく、また、領域の4つの角あるいはそれ以上の領域の範囲を特定する座標情報を記憶させておくようにしてもよい。
【0063】
また、上記の実施形態では、複数の問題及び解答記入欄を有する答案用紙を使用する場合について説明したが、本発明は、当該実施形態の構成に限られず、問題が1問だけの場合にも利用することが可能である。
【0064】
また、上記の実施形態では、識別シールを使用して答案用紙のデータと受験カードのデータの対応付けを行っているが、本発明は、当該実施形態の構成に限られず、答案用紙と受験カードに受験者により記入された受験番号、氏名、学校を示すコードをOCRまたはOMR(Optical Mark Recognition)で読み取り、その情報に基づいて対応付けを行うようにしてもよい。
【0065】
また、本発明に記載の添削管理サーバ装置に係る第1の記憶手段は、添削対象設定記憶部20に対応し、第2の記憶手段は、添削条件・状態記憶部22に対応する。
【0066】
上述の添削管理サーバ装置10及び添削端末100、101、102、103、…は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した添削対象設定処理及び添削処理は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施形態における添削管理システムを示すブロック図である。
【図2】同実施形態における答案用紙の構成を示した図である。
【図3】同実施形態における受験カードの構成を示した図である。
【図4】同実施形態における添削対象設定記憶部のデータ構成を示した図である。
【図5】同実施形態における添削条件・状態記憶部のデータ構成を示した図である。
【図6】同実施形態における添削答案データ記憶部のデータ構成を示した図である。
【図7】同実施形態における添削管理サーバ装置による添削対象設定処理を示したフローチャートである。
【図8】同実施形態における添削管理サーバ装置の画面に表示される設定画面を示した図である。
【図9】同実施形態における添削端末により添削処理を示したフローチャートである。
【図10】同実施形態における添削端末の画面に表示される答案データ選択画面を示した図である。
【図11】同実施形態における添削端末の画面に表示される一括添削の場合の添削画面を示した図である。
【図12】同実施形態における添削端末の画面に表示される個別添削の場合の添削画面を示した図である。
【符号の説明】
【0068】
1 添削管理システム
10 添削管理サーバ装置
11 読出部
12 表示部
13 入力部
14 答案データ処理部
15 登録部
19 送受信部
20 添削対象設定記憶部
21 設定用答案データ記憶部
22 添削条件・状態記憶部
23 添削答案データ記憶部
100、101、102、103 添削端末
30 送受信部
31 表示部
32 入力部
33 記憶部
34 登録部
60 読取装置
61 受験データ記憶装置
62 答案データ記憶装置
63 受験データ処理装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末からの要求に応じて前記答案データ記憶装置から答案データを読み出し添削端末に送信する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムにおける添削管理サーバ装置であって、
前記答案データにおける前記複数の問題ごとの座標情報を前記問題の番号に対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記添削端末に対応付けて前記添削端末の添削者が添削する前記問題の番号を記憶する第2の記憶手段と、
前記添削端末からの要求を受信した場合、前記答案データ記憶装置から答案データを読み出すとともに、要求の送信元の前記添削端末に対応付けられる前記問題の番号を前記第2の記憶手段から読み出し、読み出した問題の番号に対応する座標情報を前記第1の記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読出手段が読み出した前記答案データと前記座標情報とを前記添削端末にて当該座標情報を表示開始位置として前記答案データが表示されるように前記添削端末に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする添削管理サーバ装置。
【請求項2】
前記答案データにおいて、前記添削者が前記添削端末を操作することにより前記問題に対する添削を記入可能な添削対象領域情報を前記問題の番号ごとに記憶する第3の記憶手段を備え、
前記読出手段は、
前記添削端末からの要求を受信した場合、前記答案データ記憶装置から答案データを読み出すとともに、要求の送信元の前記添削端末に対応付けられる前記問題の番号を前記第2の記憶手段から読み出し、前記問題の番号に対応する座標情報を前記第1の記憶手段から読み出し、前記前記問題の番号に対応付けられる前記添削対象領域情報を前記第3の記憶手段から読み出し、
前記送信手段は、
前記読出手段が読み出した前記答案データと前記座標情報と前記添削対象領域情報とを前記添削端末にて前記座標情報を表示開始位置として前記答案データが表示されるように前記添削端末に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の添削管理サーバ装置。
【請求項3】
解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末からの要求に応じて前記答案データ記憶装置から答案データを読み出し添削端末に送信する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムにおける添削端末であって、
前記要求の応答として前記添削管理サーバ装置から前記答案データと座標情報とを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信する前記答案データを画面に表示する際に、前記座標情報を表示開始位置として前記答案データを画面に表示し、前記添削者の画面表示に対する操作を受けた場合、当該操作に応じて前記答案データを移動させて表示する表示手段と、
前記表示手段により画面に表示される答案データに対する前記添削者の添削操作を受け、当該添削操作に基づく添削情報を入力する入力手段と、
を備えたことを特徴とする添削端末。
【請求項4】
前記座標情報は、一定の範囲の領域を示す情報であり、
前記表示手段は、
前記受信手段が受信した前記座標情報により特定される領域を前記添削者が添削情報を入力できる添削対象領域として設定し、
前記入力手段は、
前記添削対象領域の範囲内において前記添削者の添削操作を受けた場合のみ当該添削操作に基づく添削情報を入力する
ことを特徴とする請求項3に記載の添削端末。
【請求項5】
前記表示手段は、
前記要求の応答として前記添削管理サーバ装置から前記答案データと前記座標情報と添削対象領域情報とを受信して前記答案データを画面に表示する際に、前記座標情報を表示開始位置として前記答案データを画面に表示し、前記添削者の画面表示に対する操作を受けた場合、当該操作に応じて前記答案データを移動させて表示し、
前記入力手段は、
前記添削対象領域情報に示される範囲内において前記添削者の添削操作を受けた場合のみ当該添削操作に基づく添削情報を入力する
ことを特徴とする請求項3に記載の添削端末。
【請求項6】
解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末による前記答案データに対する添削を管理する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムであって、
前記添削管理サーバ装置は、
前記答案データにおける前記複数の問題ごとの座標情報を前記問題の番号に対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記添削端末に対応付けて前記添削端末の添削者が添削する前記問題の番号を記憶する第2の記憶手段と、
前記添削端末からの要求を受信した場合、前記答案データ記憶装置から答案データを読み出すとともに、要求の送信元の前記添削端末に対応付けられる前記問題の番号を前記第2の記憶手段から読み出し、読み出した問題の番号に対応する座標情報を前記第1の記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読出手段が読み出した前記答案データと前記座標情報とを前記添削端末に送信する送信手段と、を備え、
前記添削端末は、
前記添削管理サーバ装置に、前記答案データの要求を送信する送信手段と、
前記要求の応答として前記添削管理サーバ装置から前記答案データと座標情報とを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信する前記答案データを画面に表示する際に、前記座標情報を表示開始位置として前記答案データを画面に表示し、前記添削者の画面表示に対する操作を受けた場合、当該操作に応じて前記答案データを移動させて表示する表示手段と、
前記表示手段により画面に表示される答案データに対する前記添削者の添削操作を受け、当該添削操作に基づく添削情報を入力する入力手段と、
を備えたことを特徴とする添削管理システム。
【請求項7】
解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末による前記答案データに対する添削を管理する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムにおける添削管理方法であって、
前記添削管理サーバ装置が、前記答案データにおける前記複数の問題ごとの座標情報を前記問題の番号に対応付けて第1の記憶手段に記憶させるステップと、
前記添削管理サーバ装置が、前記添削端末に対応付けて前記添削端末の添削者が添削する前記問題の番号を第2の記憶手段に記憶させるステップと、
前記添削端末が、前記添削管理サーバ装置に、前記答案データの要求を送信するステップと、
前記添削管理サーバ装置が、前記添削端末からの要求を受信した場合、前記答案データ記憶装置から答案データを読み出すとともに、要求の送信元の前記添削端末に対応付けられる前記問題の番号を前記第2の記憶手段から読み出し、読み出した問題の番号に対応する座標情報を前記第1の記憶手段から読み出すステップと、
前記添削管理サーバ装置が、読み出した前記答案データと前記座標情報とを前記添削端末に送信するステップと、
前記添削端末が、前記添削管理サーバ装置から前記答案データと座標情報とを受信するステップと、
前記添削端末が、受信した前記答案データを画面に表示する際に、前記座標情報を表示開始位置として前記答案データを画面に表示し、前記添削者の画面表示に対する操作を受けた場合、当該操作に応じて前記答案データを移動させて表示するステップと、
前記添削端末が、画面に表示される答案データに対する前記添削者の添削操作を受け、当該添削操作に基づく添削情報を入力するステップと、
を含むことを特徴とする添削管理方法。
【請求項8】
解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末からの要求に応じて前記答案データ記憶装置から答案データを読み出し添削端末に送信する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムにおける添削管理サーバ装置のコンピュータに、
前記答案データにおける前記複数の問題ごとの座標情報を前記問題の番号に対応付けて第1の記憶手段に記憶させるステップと、
前記添削端末に対応付けて前記添削端末の添削者が添削する前記問題の番号を第2の記憶手段に記憶させるステップと、
前記添削端末からの要求を受信した場合、前記答案データ記憶装置から答案データを読み出すとともに、要求の送信元の前記添削端末に対応付けられる前記問題の番号を前記第2の記憶手段から読み出し、読み出した問題の番号に対応する座標情報を前記第1の記憶手段から読み出すステップと、
読み出した前記答案データと前記座標情報とを前記添削端末にて当該座標情報を表示開始位置として前記答案データが表示されるように前記添削端末に送信するステップと、
を実行させるための添削管理プログラム。
【請求項9】
解答者により複数の問題に対する解答が記入された答案用紙を電子的に読み取って生成される答案データを記憶する答案データ記憶装置と、前記問題の添削者により操作され、前記答案データを画面に表示する添削端末と、前記添削端末からの要求に応じて前記答案データ記憶装置から答案データを読み出し添削端末に送信する添削管理サーバ装置とを備えた添削管理システムにおける添削端末のコンピュータに、
前記要求の応答として前記添削管理サーバ装置から前記答案データと座標情報とを受信するステップと、
受信する前記答案データを画面に表示する際に、前記座標情報を表示開始位置として前記答案データを画面に表示し、前記添削者の画面表示に対する操作を受けた場合、当該操作に応じて前記答案データを移動させて表示するステップと、
前記画面に表示される答案データに対する前記添削者の添削操作を受け、当該添削操作に基づく添削情報を入力するステップと、
を実行させるための添削プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−46398(P2008−46398A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222370(P2006−222370)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【出願人】(506281185)メレックシステム株式会社 (1)
【Fターム(参考)】