説明

清掃シート、および清掃具

【課題】 本発明は、被清掃面にこびりついた塵や埃をも十分に拭い取ることが可能な清掃シートを提供する。
【解決手段】 支持体シート2の少なくとも片面側に繊維束3が積層されるとともに該繊維束3が支持体シート2に接合されて繊維の流れ方向を横断する接合部5が形成され、且つ、支持体シート2が、複数のシート材6を積層するとともにシート材6同士を接合してなるとともに、把持柄を有する保持部材を挿入可能な柄挿入部をなす空間を、対面するシート材の間に形成している清掃シート1であって、弾力性を有する多孔質片4が、支持体シート2の外面上に、該支持体シート2に直接もしくは間接に設けられており、繊維束3の少なくとも一部と多孔質片4とが、支持体シート2の同一面上に位置している、ことを特徴とする清掃シート1により、被清掃面にこびりついた塵や埃をも十分に拭い取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃シート、および清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
建物等の内壁、床、窓、家具、敷居やサッシの溝等に付着した塵や埃を除去するための様々な清掃具や清掃シートが提案されている。
【0003】
たとえば、不織布シートに多数の繊維からなる繊維束を設けた清掃シートが提案されている(特許文献1)。特許文献1の清掃シートに柄を取り付けてなる清掃具を用いて家具等の被清掃面に付着した塵や埃の捕捉を行う清掃時には、清掃シートが被清掃面に当接する。そして、清掃シートの繊維束を構成する繊維にて被清掃面上の細かな塵や埃が捉えられることで、被清掃面の清掃が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4313817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の清掃シートでは、被清掃面上の塵や埃のうち被清掃面に弱く付着した塵や埃を拭い取ることができるものの、被清掃面に多少強く付着してしまった塵や埃や被清掃面にこびりついた塵や埃までは十分に拭い取りきれない虞がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、被清掃面に多少強く付着してしまった塵や埃や被清掃面にこびりついた塵や埃を拭い取ることが可能な清掃シート、およびその清掃シートを備えた清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(1)支持体シートの少なくとも片面側に繊維束が積層されるとともに該繊維束が支持体シートに接合されて繊維の流れ方向を横断する接合部が形成され、且つ、支持体シートが、複数のシート材を積層するとともにシート材同士を接合してなるとともに、把持柄を有する保持部材を挿入可能な柄挿入部をなす空間を、対面するシート材の間に形成している清掃シートであって、
弾力性を有する多孔質片が、支持体シートの外面上に、該支持体シートに直接もしくは間接に設けられており、繊維束の少なくとも一部と多孔質片とが、支持体シートの同一面上に位置している、ことを特徴とする清掃シート。
(2)多孔質片は、スポンジ、弾力性を有する発泡体、海綿のいずれかからなる、上記(1)に記載の清掃シート。
(3)多孔質片の前面には、支持基底面に向かう切り込みが加えられている、上記(1)または(2)記載の清掃シート。
(4)多孔質片は、繊維束を介して支持体シートに接合されている、請求項1から3のいずれかに記載の清掃シート。
(5)多孔質片は、支持体シートに直接接合されている、請求項1から3のいずれかに記載の清掃シート。
(6)支持体シートの両面に繊維束が積層され、
多孔質片は、輪状に形成されており、支持体シートと繊維束との積層体に着脱自在に外嵌されている、請求項1から3のいずれかに記載の清掃シート。
(7)請求項1から6のいずれかに記載の清掃シートの柄挿入部に、把持柄を有する保持部材を挿入してなる清掃具、を要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被清掃面に多少強く付着してしまった塵や埃や被清掃面にこびりついた塵や埃を拭い取ることが可能な清掃シート、およびその清掃シートを備えた清掃具を得ることができる。
【0009】
また、本発明によれば、サッシレールの溝や、壁の溝部、電話・パソコンのキーボード等の溝部といった、繊維では絡めとることが不十分であった溝部分に付着した塵についても、効果的に取り除くことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)本発明の第1の実施形態における清掃シートの1実施例を説明するための概略平面図である。(b)図1(a)のA−A線縦断面図である。(c)図1(a)のB−B線縦断面図である。
【図2】(a)本発明の清掃シートに設けられる多孔質片の他の例を説明するための概略斜視図である。(b)本発明の清掃シートに設けられる多孔質片の他の例を説明するための概略斜視図である。(c)本発明の清掃シートに設けられる多孔質片の他の例を説明するための概略斜視図である。(d)本発明の清掃シートに設けられる多孔質片の他の例を説明するための概略斜視図である。(e)本発明の清掃シートに設けられる多孔質片の他の例を説明するための概略斜視図である。(f)本発明の清掃シートに設けられる多孔質片の他の例を説明するための概略斜視図である。(g)本発明の清掃シートに設けられる多孔質片の他の例を説明するための概略斜視図である。(h)本発明の清掃シートに設けられる多孔質片の他の例を説明するための概略斜視図である。
【図3】(a)本発明の清掃シートの他の実施例を説明するための概略平面図である。(b)本発明の清掃シートの他の実施例を説明するための概略平面図である。(c)本発明の清掃シートの他の実施例を説明するための概略平面図である。(d)本発明の清掃シートの他の実施例を説明するための概略平面図である。(e)本発明の清掃シートの他の実施例を説明するための概略平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の清掃シートに保持部材を挿入した清掃具を説明するための概略分解斜視図である。
【図5】本発明の清掃シートの他の実施例を説明するための概略平面図である。
【図6】本発明の清掃シートの他の実施例を説明するための概略斜視図である。
【図7】(a)本発明の第2の実施形態における清掃シートの1実施例を説明するための概略平面図である。(b)図7(a)のC−C線縦断面図である。(c)図7(a)のD−D線縦断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の清掃シートに保持部材を挿入した清掃具を説明するための概略分解斜視図である。
【図9】本発明の清掃シートに点状接合部を設ける場合の実施例における縦断面の1つを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の清掃シートは、複数のシート材からなる支持体シートと、多数の繊維を並べてなる繊維束と、弾力性を有する多孔質片とを備えてなる。この清掃シートは、支持体シートの少なくとも片面側に繊維束を積層している。そこで、本発明の清掃シートとして、支持体シートの両面に繊維束を積層した構成を備えるもの(第1実施形態)と、清掃シートが支持体シートの片面にのみ繊維束を積層した構成を備えるもの(第2実施形態)について、それぞれの例を挙げて具体的に説明する。
【0012】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の清掃シート1は、図1(a)から(c)に示すように、支持体シート2と繊維束3と多孔質片4とを備えてなる。
【0013】
この清掃シート1は、矩形状の支持体シート2の両面に、多数の繊維が集積されてシート様に形成された繊維束3(3a,3b)が積層されている。繊維束3a,3bは、それぞれの繊維束3a,3bを構成する繊維の流れ方向を互いに同じくしている。清掃シート1は、繊維束3を構成する繊維の流れ方向を横切るように繊維束3aと支持体シート2とを接合して、接合部5(5a)を形成している。清掃シート1は、繊維束3aと同様に繊維束3bと支持体シート2とを接合して接合部5(5b)を形成している。繊維束3の繊維の流れ方向の端部31a、31bは、支持体シート2に接合されずに自由端部となっている。接合部5は、支持体シート2の中央に連続的にのびる細帯状に形成されている。接合部5の幅は、適宜設定可能である。また、接合部5は、繊維束3を支持体シート2に接合できるのであれば、帯状のほか、直線状、曲線状、破線状、断続的な点状に形成されてもよい。
【0014】
(支持体シート2)
支持体シート2は、複数のシート材としての複数の基材シート6(6a,6b)を積層するとともに、基材シート6a,6bを互いに接合して基材接合部60を形成している。
【0015】
基材接合部60は、点状に形成された接合要素60aが接合部5から所定間隔を隔てて接合部5の長手方向に沿って断続的に複数個形成されて点列をなして、すなわち点列群をなして、形成されている。このような点列群は、接合部5を挟んで両側(基材シート6の面外方向両側)に形成される。基材接合部60が形成されることにより、基材シート6aと基材シート6bの間には空間部が形成されている。この空間部は、後述の保持部材9を挿入可能な柄挿入部61をなす空間である。すなわち、柄挿入部61をなす空間部は、外部と連通するとともに保持部材9を挿入可能な大きさに開口し、その開口した部分から奥方に向かって保持部材9を挿入可能に広がる空間を備える。保持部材の形状に応じて柄挿入部61をなす空間部が、筒状、矩形袋状、舌片状などの適宜形状に定められ、その空間部の形状と基材シート6a,6bの形状に応じて、基材接合部60をなす点列群の形状や配置が定められ、支持体シート2に個々の接合要素60aを形成するべき部分が適宜定められる。なお、接合要素60aは、基材シート6a,6bを互いに接合できて柄挿入部61を形成できるのであれば、上記したような点状のほか、円状、楕円状、多角形状の適宜形状に形成されてよい。また、基材接合部60は、接合要素60aから形成されなくとも、帯状、直線状、曲線状等適宜形状に形成されてよい。この場合には、支持体シート2において基材接合部60は点列群を形成せずに柄挿入部61が形成される。
【0016】
基材シート6a,6bの接合は、ホットメルト接着剤等の接着剤による接合方法を用いることができる。その他の接合方法としては、熱融着法、超音波溶着による接合方法が用いられてもよい。
【0017】
(基材シート6)
基材シート6a,6bの大きさおよび形状は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0018】
基材シート6の材質は、特に限定されるものではないが、多様な塵や埃の捕捉性能を有する点から不織布シートが好ましく採用される。そのほか、基材シート6としては、紙、合成樹脂シート等を用いることができる。基材シート6が不織布シートである場合、その不織布シートは、坪量が10〜200g/mであるものが好ましく、基材シート6が合成樹脂シートである場合は、厚みが0.01〜0.1mmであるものが好ましい。
【0019】
基材シート6は、繊維束3の繊維が熱融着性繊維である場合、熱融着性を有するものが好ましい。この場合、基材シート6と繊維束3との接合が容易となる。また、基材シート6が不織布シートである場合、その不織布シートを構成する短繊維(繊維体)は特に限定されないが、繊維束3を構成する繊維に対して熱融着可能な熱融着性短繊維が好ましい。このような熱融着性短繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の繊維、これらを鞘芯型やサイドバイサイド型の複合繊維としたもの等が挙げられる。
【0020】
基材シート6として用いられる不織布シートは、例えば、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアスルーボンド不織布、ポイントボンド不織布等が挙げられる。好ましいのは、スパンレース不織布、サーマルボンド不織布等である。不織布シートは、一枚のシートから構成してもよいし、同種又は異なる種類のシートを複数枚積層して構成してもよい。
【0021】
(繊維束3)
清掃具用シート1に用いられる繊維束3は、多数の繊維を並べ重ねて、繊維がばらけない程度に繊維が纏められてシート様に形成されている繊維集合体である。繊維束3は、各繊維相互が融着等により部分的に結合されているものであってもよい。
【0022】
繊維束3を構成する繊維の長さは、特に限定されるものではないが、繊維束3が支持体シート2に接合された場合に、接合部5から繊維の流れ方向端部31の繊維の長さが接合部5から基材シート2の端縁までの長さの50%以上の長さとなっていることが好ましい。
【0023】
繊維束3は、同一種類の繊維のみで構成されていても、複数の種類の繊維で構成されていても良い。
【0024】
繊維束3を構成する繊維としては、例えば綿、毛等の天然繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル等の合成繊維、芯鞘型繊維、海島型繊維、サイドバイサイド型繊維等の複合繊維等が用いられるが、熱融着性のある合成繊維や複合繊維が用いられることが好ましく、特に芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維は、鞘を構成するポリエチレンの優れた熱融着性と、芯を構成するポリプロピレンの優れたコシの強さと、を併せ持つため、好ましい。
【0025】
また、繊維束3に用いられる繊維は、機械捲縮法、熱捲縮法等により捲縮されたものであってもよい。
【0026】
繊維束3には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等から製造され一般的にトウと呼ばれる長繊維束を用いることができる。
【0027】
繊維束3は、互いに同じ太さの繊維から構成されても良いし、太さの異なる複数種類の繊維で構成されていても良い。
【0028】
繊維束3を構成する繊維の太さは1〜18デニールが好ましい。また、繊維束3の坪量は繊維の太さが2デニールの場合で5〜30g/mであるのが好ましい。
【0029】
なお、繊維束3は、構成する繊維の種類、太さが同一であるか異なるかにかかわらず、色の異なる繊維を用いて構成することができる。
【0030】
支持体シート2と繊維束3は、接着剤による接合方法により接合される。具体的には、支持体シート2の中央部に接着剤を塗布して細帯状の塗膜を形成し、繊維束3と支持体シート2の間に塗膜が介在するように支持体シート2上の所定位置に繊維束3を積層する。このとき、塗膜の長手方向は、繊維束3を構成する繊維の流れ方向を横切るような方向となっている。また、繊維束3を構成する繊維の長手方向中央部分が塗膜上に位置される。そして、塗膜を構成する接着剤が固化されることで支持体シート2と繊維束3とが接合され、接合部5が形成される。また、接着剤としては、ホットメルト接着剤が好ましく用いられるが、これに限定されず、その他の接着剤、粘着剤等が適宜用いられてもよい。
【0031】
支持体シート2と繊維束3の接合方法としては、上記の接合方法のほか、熱融着法、超音波溶着法など、他の公知な接合方法を適宜選択することができる。
る。
【0032】
(支持体シート2と繊維束3との接合形態の他の例)
清掃シート1には、繊維束3の繊維を部分的に支持体シート2に接合する点状接合部13がさらに形成されて、接合部5と点状接合部13にて繊維束3と支持体シート2が接合されていてもよい(図5)。点状接合部13は、接合部5から繊維束3の先端31までの間の所定位置(点状接合予定位置)で繊維束3と支持体シート2とを点状に接合することによって形成される。その接合方法は、接合部5を形成する場合と同様に、接着剤による接合方法を用いることができる。その他、点状接合部13を形成する際の接合方法としては、熱融着法、超音波溶着による接合方法が用いられてもよい。
【0033】
また、点状接合部13は、接合部5から所定間隔を隔てて接合部5の長手方向に沿って複数個形成されて、点列をなしている。この点列は、支持体シート2と繊維束3との積層面において、接合部5を挟んで両側に形成される。点状接合部13が形成されると、清掃シート1は、繊維束3を構成する繊維として、繊維の先端31から接合部5まで固定されていないものと、先端31から点状接合部13まで固定されていないものとを有することになり、多様な長さの繊維を有するものとなる。
【0034】
基材シート6a,6bおよび繊維束3a,3bが熱融着法、超音波溶着による接合可能な素材にて形成されている場合には、清掃シート1は、点状接合部13にて、基材シート6a,6bを接合して支持体シート2を形成するように、構成されていてもよい(図9)。この場合、点状接合部13が基材接合部60を兼ねる。このような清掃シート1は、基材シート6aに繊維束3aを接合した構成を有するもの(積層体A)と、基材シート6bに繊維束3bを接合した構成を有するもの(積層体B)を用いて形成できる。すなわち、繊維束3a,3bを外側面に露出させ基材シート6aと基材シート6bとを対面させるようにして積層体A,Bを重ね合わせ、繊維束3a、基材シート6a、基材シート6b、繊維束3bの順に重なり合う積層体Cを形成する。この積層体Cの表面上に点状接合予定位置を定め、その点状接合予定位置に、熱融着法、超音波溶着による接合方法が適用され、点状接合部13を多数形成する。このとき、各点状接合部13は、繊維束3a、基材シート6a、基材シート6b、繊維束3bを点状接合予定位置にて溶着一体化させた部分となっている。こうして、点状接合部13の形成と同時に、基材シート6a,6bが接合され、支持体シート2が形成されることとなる。なお、この場合、点状接合予定位置は、柄挿入部61の形状に応じて適宜具体的に定められ、柄挿入部61は、基材シート6a,6bの間の空間であって点状接合部13の群にて囲まれた空間部として形成されることになる。
【0035】
(多孔質片4)
清掃シート1では、弾力性を有する多孔質片4が、支持体シート2の外面上に、その支持体シート2に直接もしくは間接に設けられている。清掃シート1には、繊維束3が支持体シート2の両面に設けられており、多孔質片4は、支持体シート2の両外面上に設けられる。
【0036】
多孔質片4(4a,4b)は、短手方向断面矩形状の角棒状に形成されている。多孔質片4の長手方向の長さは、接合部5の長手方向の長さよりも短い。多孔質片4は、その長手方向が接合部5の長手方向に沿うように、繊維束3の表面上に接合されており、支持体シー2の外面上に繊維束3を介して間接に設けられることになる。このとき、支持体シート2の同一面上に、繊維束3と多孔質片4が位置していることになる。また、多孔質片4は、多孔質片4の端縁が繊維束3の端縁に位置するように配置されて接合されている。さらに、多孔質片4a,4bは、それぞれ繊維束3a,3bの表面上、繊維束3と支持体シート2を介して互いに真裏の位置に接合される。
【0037】
多孔質片4は、弾力性を有する素材から形成される。具体的には、多孔質片4としては、ウレタンスポンジやメラミンスポンジなどのスポンジや、海綿の他、プラスチック製発泡体などの弾力性を有する発泡体を用いることができる。プラスチック製発泡体を構成するプラスチック素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルやポリビニルアセテートなどが挙げられる。
【0038】
多孔質片4の物性については、まず、多孔質片4の見かけ密度(JIS K 7222に準拠する)は、5〜50kg/mが好ましく、10〜45kg/mがより好ましい。多孔質片4の硬さ(JIS K 6400−2に準拠する)は、100N未満が好ましく、60N未満がより好ましい。多孔質片4の圧縮残留歪(JIS K 6400−4:50%圧縮後、に準拠する)は10%未満であることが好ましく、7%未満がより好ましい。多孔質片4が、上記のような物性を満たすものであると、清掃時に清掃シート1を被清掃面に押し付けた際、多孔質片4が被清掃面にこびりついた塵や埃に適度な圧力で弾力的に接触することとなり、多孔質片4で被清掃面に傷がつく虞が抑制されつつ、これらの塵や埃が多孔質片4にてより効果的に拭い取られるようになる。
【0039】
多孔質片4には、部分的に物性の異なる複数の部分が存在してもよいし、複数種類の異なる素材から構成されてもよい。たとえば、多孔質片4の長手方向の両端部分を、その長手方向の中央部分を構成する素材よりも柔らかい素材で構成するようにしてもよい。このような多孔質片4は、硬さの異なる複数の直方体状の素材片(スポンジ片など)を準備し、硬い素材片をはさむように柔らかい素材片を配置して、相互に素材片同士を接着することによって得ることができる。また、多孔質片4が硬さの異なる3種類以上の素材片から構成される場合、硬さが段階的に異なるように構成されていることが好ましい。このような多孔質片4は、硬さが段階的に異なるように配列された各素材片を相互に接着して連結させることにより得ることができる。清掃シート1が、硬さの異なる部分を有する多孔質片4を備えることで、被清掃部に付着した塵や埃のこびりつき度合いに応じて、多孔質片4の硬い部分や柔らかい部分を適宜当接させることができ、より効果的に塵や埃を取り除くことが可能になる。
【0040】
多孔質片4と繊維束3は、接着剤による接合方法により接合される。具体的には、繊維束3と多孔質片4の少なくとも一方に接着剤を塗布して、繊維束3と多孔質片4の間に接着剤の層が介在するように繊維束3上の所定位置に多孔質片4を配置し、その接着剤を固化することで多孔質片4と繊維束3とが接合される。また、接着剤としては、ホットメルト接着剤が好ましく用いられるが、これに限定されず、その他の接着剤、粘着剤等が適宜用いられてもよい。
【0041】
多孔質片4と繊維束3の接合方法としては、上記の接合方法のほか、必要に応じて公知の他の接合方法を適宜用いることができる。
【0042】
(多孔質片4の大きさ)
多孔質片4の大きさについて、まず、多孔質片4の短手方向の長さ(幅)と厚みは、適宜設定可能であるが、清掃時に繊維束3を構成する繊維に多孔質片4の表面が覆いつくされてしまう虞がないような大きさで設定されていることが好ましい。したがって、多孔質片4の幅と厚みの和の2倍が、繊維束の繊維の長さを超えないことが好ましい。また、幅と厚みの比率(幅/厚み)は、20/80から80/20の範囲にあることが好ましい。
【0043】
また、多孔質片4の長手方向の長さは、適宜設定可能であり、接合部5の長手方向の長さよりも短い長さに限定されず、接合部5の長手方向の長さと同じ程度の長さや、それよりも長い長さであってもよい。多孔質片4の長手方向の長さが接合部5の長手方向の長さと同じ程度の長さの場合、接合部5が図1のように形成されていれば、多孔質片4は、接合部5の長手方向に沿って繊維束3の一方端縁から他方端縁まで繊維の流れ方向を横断して配置される(図3(a))。
【0044】
(多孔質片4の配置位置の他例)
多孔質片4は、支持体シート2面上の繊維束3に接合される場合、すなわち支持体シート2上に間接的に接合される場合、に限定されず、支持体シート2を構成する基材シート6面に直接接合されていてもよい(図3(b)(c))。たとえば、支持体シート2の基材シート6面上に繊維束3を部分的に積層して、基材シート6の同一面上に繊維束積層部20と繊維束非積層部21を形成し、繊維束非積層部21に多孔質片4が接合されていてもよい。多孔質片4と基材シート6との接合方法は、多孔質片4と繊維束3との接合方法と同様の方法を適宜用いることができる(図3(b))。
【0045】
また、たとえば、支持体シート2の基材シート6面上に繊維束3を接合して細帯状の接合部5を形成し、基材シート6の繊維束3積層面と同一面上且つ接合部5の非形成領域に、多孔質片4が接合されていてもよい(図3(c))。なお、清掃シート1が繊維束3と支持体シート2との間で点状接合部を形成しているものである場合(図5)において、接合部5の非形成領域にて基材シート6と多孔質片4を接合するには、隣り合う点状接合部の間に多孔質片4を配置して基材シート6と多孔質片4が接合されればよい。
【0046】
また、多孔質片4は、繊維束3の端縁に配置される場合に限定されず、繊維束3の中央部に配置されてもよい(図3(d))。また、多孔質片4は、その長手方向が接合部5の長手方向に沿うように配置される場合に限定されない。たとえば、多孔質片4は、その長手方向が接合部5の長手方向を横断する方向、すなわち繊維束3を構成する繊維の流れ方向、に沿うように配置されていてもよい(図3(b)(c))。
【0047】
(多孔質片4a,4bの位置関係の他例)
多孔質片4a,4bは、それぞれ繊維束3a,3bの表面上、繊維束3と支持体シート2を介して互いに真裏の位置に接合される場合に限定されない。多孔質片4a,4bは、繊維束3と支持体シート2を介して互いに真裏の位置からずれた位置に接合されていてもよい。
【0048】
(多孔質片4の接合個数の他例)
また、多孔質片4は、支持体シート2に、計2個設けられる場合に限定されない。多孔質片4は、清掃シート1において、3個以上設けられていてもよい。たとえば、多孔質片4は、支持体シート2の繊維束3a,3bのそれぞれの両端に設けて、支持体シート2の一方の面側に2個(図3(e))、計4つ設けられてもよい。
【0049】
多孔質片4は、支持体シート2の両面に設けられる場合に限定されない。多孔質片4は、少なくとも支持体シート2の一方面側に設けられていればよく、清掃シート1において1箇所にのみ(計1個)設けられていてもよいし、支持体シート2の一方面側にのみ複数個設けられていてもよい。この場合、清掃シート1では、繊維束3の一部(繊維束3a,3bのいずれか一方)と多孔質片4が、支持体シート2の同一面上に位置していることになる。
【0050】
(多孔質片4への切り込み40の形成)
多孔質片4は、その前面11に、支持基底面12に向かう切り込み40が加えられて、多孔質小片41を形成していてもよい。個々の切り込み40は、隣り合う多孔質小片41の間に形成されることになる。切り込み40は、1つ設けられてもよいし、複数設けられてもよく、切り込み40の形成数は適宜選択可能である。また、切り込み40の深さは、適宜選択可能である。なお、多孔質片4の支持基底面12とは、多孔質片4を支持シート2面上もしくは繊維束3面上に取り付けた場合に、支持シート2もしくは繊維束3に対面する面を示し、多孔質片4の前面11とは、支持基底面12に対して表裏の位置関係にある面を示す。
【0051】
切り込み40の伸びる方向について、切り込み40は、多孔質片4の短手方向に沿って伸びていてよく(図2(a))、多孔質片4の長手方向に沿ってのびていてもよい(図2(b))。多孔質片4の短手方向に沿ってのびる切り込み40と長手方向に沿ってのびる切り込み40の両方が形成されてよい。この場合、格子状の切り込み40が形成されることになる(図2(c))。切り込み40は、多孔質片4の短手方向を斜めに横切る方向にのびていてもよい。また、切り込み40の形状は、直線状に限られず、曲線状に伸びるものでもよい。このように、切り込み40の伸びる方向や形状は、適宜選択可能である。
【0052】
(多孔質片4の前面11の他例)
多孔質片4は、その前面11が平面であるものに限定されず、前面11が凹凸面をなしているものでもよい。
【0053】
多孔質片4は、その前面11から支持基底面12に向かう切り欠き溝42を形成するとともに、切り欠き溝42を挟むように多孔質凸片43を形成することで、多孔質片4の前面11が凹凸面を形成していてもよい(図2(d))。切り欠き溝42の形成数と深さ、切り欠き溝42の伸びる方向は、多孔質片4に切り込み40を形成する場合と同じく、適宜選択可能である。多孔質片4に多数の切り欠き溝42が形成されると、多孔質片4は、長手方向縦断面櫛歯状の形状となる。
【0054】
多孔質片4は、前面11に多数の突出部44を形成して、凹凸面を形成していてもよい(図2(e))。突出部44の形状は、特に限定されず、なだらかな山形のほか、錐体状、円錐台状、角錐台状であってもよい。また、多孔質片4の前面11において、隣り合う突出部44の間は、平坦に形成されていてもよいし、凹状に形成されていてもよい。突出部44の高さや形成数は特に限定されず、適宜設定可能である。また、突出部44は、格子状の配置パターン、千鳥状の配置パターンなど、適宜の配置パターンで多数形成されてよい。
【0055】
また、多孔質片4は、高さを異にする複数種類の多孔質小片41(41a,41b・・・)が形成されて、多孔質片4前面に凹凸面を形成していてもよい(図2(f))。この場合、多孔質片4は、高さの低い多孔質小片41bが高さの高い多孔質小片41aよりも硬い(JIS K 6400−2に準拠した硬さ)ものとなっているように構成されていることが好ましい。多孔質凸片43や突出部44についても、これと同様に、多孔質片4には、高さを異にする複数種類の多孔質凸片43、高さを異にする複数種類の突出片44が形成されてよい。また、多孔質片4は、多孔質凸片43と突出片44について、高さの低いものが高さの高いものよりも硬いものとなっているように構成されていることが好ましい。なお、多孔質小片41、多孔質凸片43や突出部44における高さとは、多孔質片4の支持基底面12から前面11までの距離を示す。
【0056】
清掃シート1は、多孔質片4に、切り込み40や凹凸面が形成されていることにより、被清掃面にこびりついた塵や埃をより効果的に取り除くことができるようになる。
【0057】
(多孔質片4の形状についての他例)
多孔質片4の形状は、角棒状に限定されず、長手方向端部から中央部に向かってなだらかに突出した形状、長手方向端部から中央部に向かって階段状に突出した形状であってよく、そのほかにも、立方体形状、半球体状など適宜形状選択可能である。
【0058】
清掃シート1は、形状の異なる複数種類の多孔質片4を設けていてもよい。たとえば、清掃シート1は、支持シート2と繊維束3aの接合面側には、角棒状の多孔質片4を設け、支持シート2と繊維束3bの接合面側には、半球体状の多孔質片4を設けていてもよい。
【0059】
(多孔質片4の設置形態についての他例)
上記では、清掃シート1の例として、多孔質片4が支持体シート2もしくは繊維束3に接合固着されて清掃シート1に設けられるものを挙げて説明したが、このようなものに限定されず、清掃シート1は、多孔質片4を、支持体シート2と繊維束3の積層体に着脱自在に設けていてもよい(図6)。
【0060】
このような清掃シート1は、多孔質片4として、輪状に形成されているものを用いて得ることができる(図2(g))。
【0061】
この場合、この多孔質片4の内径は、支持体シート2および繊維束3の大きさと後述の保持部材の形状に応じて適宜設定可能である。多孔質片4の厚みと幅は、上記角棒状の多孔質片4と同様に、適宜設定可能である。また、多孔質片4の内径は、多孔質片4を支持体シート2に着脱自在に取り付け可能な程度の大きさの範囲で適宜設定可能である。
【0062】
また、この多孔質片4には、輪状に形成されている外周面から半径方向中心に向かって切り込み40が加えられて、多孔質小片41が形成されていてもよい(図2(h))。また、この多孔質片4には、角棒状の多孔質片4と同様に、切り欠き溝42や突出片44に対応した溝構造や突出構造が形成されていてもよい。切り込み40や、切り欠き溝42に対応する溝構造それぞれについて、それらの形成数や深さ、伸びる方向は適宜選択可能である。また、突出片44に対応する突出構造の形成数や突出高さ大きさは適宜選択可能である。切り込み40や、切り欠き溝42に対応する溝構造は、多孔質片4の外周面に沿って等間隔に設けられることが好ましい。
【0063】
(多孔質片4の設置)
清掃シート1は、支持体シート2と繊維束3との積層体Mを環状の多孔質片4の穴に嵌めこむことや、積層体Mに多孔質片4を外嵌することで得ることができる。また、この清掃シート1においては、多孔質片4の幅方向と接合部5の長手方向とが揃うように、多孔質片4が積層体Mに取り付けられることが好ましい。
【0064】
このような清掃シート1によれば、多孔質片4が着脱自在であることで、清掃時に多孔質片4が塵や埃で汚れてしまっても、清掃シート1から汚れた多孔質片4を取り外し、多孔質片4を洗浄し、再びその多孔質片4を支持体シート2と繊維束3との積層体に取り付けて清掃シート1として再利用することができる。
【0065】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の清掃シート1は、図7(a)から(c)に示すように、支持体シート22と繊維束3と多孔質片4とを備えてなる。
【0066】
この清掃シート1は、平面視矩形状の支持体シート22の片面にあたる基材シート6面側に、多数の繊維が集積されてシート様に形成された繊維束3が積層されている。清掃シート1は、繊維束3を構成する繊維の流れ方向を横切るように繊維束3と支持体シート22とを接合して、接合部5を形成している。繊維束3の繊維の流れ方向の端部31は、支持体シート22に接合されずに自由端部となっている。接合部5は、支持体シート22の中央に連続的にのびる細帯状に形成されている。接合部5の幅は、適宜設定可能である。そして、清掃シート1には、弾力性を有する多孔質片4が、支持体シート22の外面上、支持体シート22と繊維束3との積層面側に、支持体シート22に直接もしくは間接に設けられている。このとき、清掃シート1では、繊維束3と多孔質片4とが、支持体シート22の同一面上に位置している。すなわち、この清掃シート1においては、支持体シート22と繊維束3との積層面側に、多孔質片4が設けられる。
【0067】
(支持体シート22)
支持体シート22は、複数のシート材としての基材シート6と裏当シート8を積層するとともに、基材シート6と裏当シート8を互いに接合してシート接合部14を形成している。シート接合部14は、互いに間隔を隔てて細長帯状に3本並んで形成されている。このようなシート接合部14が形成されると、基材シート6と裏当シート8の間には、隣り合うシート接合部14,14によって互いに区画された2つの小空間7,7からなる空間部が形成されている。この空間部は、後述の保持部材9を挿入可能な柄挿入部61をなす空間となっている。なお、空間部の構造は、保持部材9の構造に応じて適宜選択可能であり、これに応じてシート接合部14も適宜選択可能であるから、空間部は、区画された複数の空間からなる場合に限られず、1つのまとまった空間で形成されてもよい。また、シート接合部14は、上記のような帯状のほか、直線状、曲線上に形成されてもよい。さらに、シート接合部14は、点状、円状、多角形状に形成された複数のシート接合要素から形成されてよい。この場合、複数のシート接合要素が所定パターンで並んで形成されて点列なし、シート接合部14は、この点列をなすシート接合部14の群によって点列群として形成され、このような点列群の形成により柄挿入部61をなす空間部が形成されることになる。
【0068】
(基材シート6、繊維束3、多孔質片4)
第2実施形態の清掃シート1について、基材シート6、繊維束3、多孔質片4は、それぞれ第1の実施形態の清掃シート1において使用可能なものと同様に構成されたものを適宜使用可能である。
【0069】
(裏当シート8)
裏当シート8は、基材シート6よりも幅狭な帯状のものを用いられているが、裏当シート8の大きさは、これに限定されず、基材シート6と同じ大きさのものや基材シート6よりも大きなもの(幅広なものや長尺なもの)でもよい。また、裏当シート8の形状については、帯状に限定されず、適宜形状を選択可能である。さらに、裏当シート8の素材は、基材シート6として使用可能なものと同様のものを適宜使用可能であり、基材シート6と互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0070】
(清掃シート1を用いた清掃具50)
清掃シート1には、保持部材9が取り付けられることにより、清掃具50が形成される。第1の実施形態の清掃シート1に取り付けられる保持部材9は、矩形ヘラ状の保持本体15と保持本体15の端部に連結されている把持柄10を備えてなる(図4)。第2の実施形態の清掃シート1に取り付けられる保持部材9は、二股状の保持本体15と保持本体15の端部からのびる把持柄10を備えてなる(図8)。このような保持部材9を保持本体15の先端(把持柄の連結端とは逆端)から清掃シート1の柄挿入部61に挿入することにより、清掃具50が形成される(図4,8)。
【0071】
第1の実施形態の清掃シート1に取り付けられる保持部材9は、矩形ヘラ状の保持本体15を備えるものに限定されず、第2の実施形態の清掃シート1に取り付けられる保持部材9は、二股状の保持本体15を備えるものに限定されず、保持本体15の形状は、三股状、舌片状など適宜選択可能である。保持部材9の保持本体15の形状として選択された形状に合わせて、柄挿入部61の形状を適宜選択すれば、清掃シート1の柄挿入部61に保持部材9の支持本体15を容易に挿入することができることとなり、清掃シート1に保持部材9を取り付けて、清掃具50を得ることができることとなる。
【0072】
清掃具50は、清掃シート1が脱落しないように保持部材9にて保持されており、片手持ち運び清掃可能な清掃具(ハンディモップ)として好ましく使用できるものである。この清掃具50によれば、把持部10を手で持たれて清掃シート1の繊維束3が被清掃面に当接されることで、繊維束3にて被清掃面の塵や埃が取り除かれる。そして、被清掃面にこびりついて繊維束3では絡めとれなかった塵や埃については、清掃者が清掃シート1の多孔質片4を塵や埃に押し当てながら清掃具50を動かすことで、弾力性を有する多孔質片4により被清掃面にこびりついた塵や埃を取り除くことができる。すなわち、清掃時に清掃シート1が被清掃面に押し付けられた際、多孔質片4が被清掃面にこびりついた塵や埃に適度な圧力で弾力的に接触することとなる。このとき塵や埃が多孔質片4との間の摩擦などにより被清掃面から離れやすくなって被清掃面から多孔質片4に移り、被清掃面から塵や埃が拭い取られる。さらに、被清掃面から容易に離れる状態となるものの被清掃面から多孔質片4に移りきらなかった塵や埃については、清掃シート1において多孔質片4と同一面上にある繊維束3にて効果的に絡めとられる。なお、清掃シート1の多孔質片4は適度の弾性力を有するので、清掃時に清掃具50の清掃シート1によって被清掃面が傷つけられる虞は、効果的に抑えられている。
【0073】
また、本発明によれば、多孔質片4が適度な反発力と弾性力を有するため、清掃時に、サッシレールの溝や、壁の溝部、電話・パソコンのキーボード等の溝部といった溝部分に容易に多孔質片4を入りませることができ、そうした溝部分に付着した塵を多孔質片4によって効果的に取り除かせることができるようになる。
【0074】
なお、清掃シート1が清掃具50に取り付けられて清掃に使用される際には、予め繊維束3にエアーを吹き付ける処理などが清掃シート1に施されることによって、繊維束3が開繊されて、繊維束3が嵩高で柔らかな綿塊様の状態とされていることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、塵や埃を除去するための清掃シートとして家庭などで用いるのに有益である。
【符号の説明】
【0076】
1 清掃シート
2,22 支持体シート
3,3a,3b 繊維束
4,4a,4b 多孔質片
5,5a,5b 接合部
6,6a,6b 基材シート
7 小空間
8 裏当シート
9 保持部材
10 把持柄
11 前面
12 支持基底面
13 点状接合部
15 シート接合部
16 保持本体
20 繊維束積層部
21 繊維束非積層部
31,31a,31b 先端
40 切り込み
41 多孔質小片
42 切り欠き溝
43 多孔質凸片
44 突出部
50 清掃具
60 基材接合部
61 柄挿入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体シートの少なくとも片面側に繊維束が積層されるとともに該繊維束が支持体シートに接合されて繊維の流れ方向を横断する接合部が形成され、且つ、支持体シートが、複数のシート材を積層するとともにシート材同士を接合してなるとともに、把持柄を有する保持部材を挿入可能な柄挿入部をなす空間を、対面するシート材の間に形成している清掃シートであって、
弾力性を有する多孔質片が、支持体シートの外面上に、該支持体シートに直接もしくは間接に設けられており、繊維束の少なくとも一部と多孔質片とが、支持体シートの同一面上に位置している、ことを特徴とする清掃シート。
【請求項2】
多孔質片は、スポンジ、弾力性を有する発泡体、海綿のいずれかからなる、請求項1に記載の清掃シート。
【請求項3】
多孔質片の前面には、支持基底面に向かう切り込みが加えられている、請求項1または2記載の清掃シート。
【請求項4】
多孔質片は、繊維束を介して支持体シートに接合されている、請求項1から3のいずれかに記載の清掃シート。
【請求項5】
多孔質片は、支持体シートに直接接合されている、請求項1から3のいずれかに記載の清掃シート。
【請求項6】
支持体シートの両面に繊維束が積層され、
多孔質片は、輪状に形成されており、支持体シートと繊維束との積層体に着脱自在に外嵌されている、請求項1から3のいずれかに記載の清掃シート。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の清掃シートの柄挿入部に、把持柄を有する保持部材を挿入してなる清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−104111(P2011−104111A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262153(P2009−262153)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(595007552)
【Fターム(参考)】