説明

清掃具

【課題】清掃すべき空洞部の中心から内壁面までの距離が異なっていても、当該空洞部を画定する内壁面を清掃することが可能であり、また、当該内壁面に対する押圧力に強弱を付けることができ、当該内壁面の汚れ具合に応じた最適な押圧力で清掃を行うことが可能であると共に、空洞部に対し進退方向に移動させるだけで前記内壁面の清掃を行うことができる清掃具を提供する。
【解決手段】芯部材10と、芯部材10の外周に沿って取付けられた清掃部20を備え、清掃部20は、弾性体からなり、空洞部101の開口径よりも大きな径を有すると共に、連続した環状の外面を備えた複数の清掃部材30と、空洞部101の開口径よりも小さな径を有し、清掃部材30を保持する保持部材40を備え、清掃部材30及び保持部材40は、芯部材10に、互いに交換可能且つ並べ替え可能に取付けられてなる清掃具1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械部品、各種設備、各種物品等に形成された空洞部の内壁面を清掃する清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な機械部品、各種設備、各種物品等に形成された略円筒形の空洞部の内壁面を清掃するための清掃具が種々知られている。このような清掃具としては、ブラシ部を有し、前記内壁面をこのブラシ部によって清掃するタイプのものが主流であるが、このような従来の清掃具では、前記内壁面をブラシ部で清掃する際に、ブラシ部を構成するブラシ毛の先端と、空洞部の内壁面とが点接触することになるため、当該清掃具を空洞部の軸方向に進退移動させる作業に加え、前記内壁面に対し清掃具を回転させるか、あるいは機械部品等をブラシ部に対して回転させる必要がある。また、点接触により傷が生じる。
【0003】
また、パイプラインの汚れを取り除くパイプクリーニング装置として、パイプライン内を移動可能であり、カッティングヘッドとして機能すると共に、個々の部材間に枢支ジョイントを有してなる推進要素を備えたものがある。このパイプクリーニング装置には、パイプラインの汚れを取り除くカラーが、各々独立して複数設けられている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そしてまた、被振動体と、この被振動体の外周に植立させたブラシと、当該被振動体に振動を与えるバイブレータとを備えた筒状内面清掃装置も紹介されている。この筒状内面清掃装置では、前記ブラシは、被振動体の外周に植立させたブラシ材と、短筒状をなすスペーサとが交互に複数配設された構成を有し、バイブレータにより各々のブラシ材に振動を与えることで、当該ブラシ材で筒状内面を清掃するものである。(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭60−34782号公報
【特許文献2】特開平5−293454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたパイプクリーニング装置は、各々のカラーを互いに交換して組み替えることができる構成を有していない。また、各々のカラーが独立した状態で設けられているため、パイプの径や、パイプの汚れ具合に応じて、当該カラー同士が補い合って、その弾性力や、硬さ等を変更することができない。したがって、清掃可能なパイプの内径に対する許容範囲が小さく、特定の径を有するパイプの清掃に使用されているのが実状である。また、パイプの空洞部の内壁面(内周面)に対する押圧力に強弱を付けることができず、当該内壁面の汚れ具合に応じた最適な力加減で清掃することが困難である。そしてまた各々のカラーには、中心から外周面に亘って複数の切り込みが形成されている。
【0006】
また、特許文献2に記載された筒状内面清掃装置も同様に、被振動体の外周に植立させたブラシ材及びスペーサの各々が、互いに交換して組み替えることができないため、特許文献1と同様に、特定の径を有するパイプの清掃に使用されると共に、筒状内面対する押圧力に強弱を付けることができない。また、筒状内面をブラシ材によって清掃するため、前述したように、当該筒状内面清掃装置を筒状内面(空洞部)の軸方向に進退移動させる作業に加え、当該筒状内面に対し清掃具を回転させるか、あるいは機械部品等をブラシ部に対して回転させる必要がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、清掃すべき空洞部の中心から内壁面までの距離が異なっていても、当該空洞部を画定する内壁面を清掃することが可能であり、また、当該内壁面に対する押圧力に強弱を付けることができ、当該内壁面の汚れ具合に応じた最適な押圧力で清掃を行うことが可能であると共に、空洞部に対し進退方向に移動させるだけで前記内壁面の清掃を行うことができる清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため、本発明は、空洞部を画定する内壁面を清掃する清掃具であって、芯部材と、当該芯部材の外周に沿って取付けられた清掃部と、を備え、前記清掃部は、弾性体からなり且つ前記空洞部の開口径よりも大きな径を有すると共に、連続した環状の外面を備えた複数の清掃部材と、前記空洞部の開口径よりも小さな径を有し、前記清掃部材を保持する保持部材と、を備え、前記清掃部材及び保持部材は、前記芯部材に、互いに交換可能且つ並べ替え可能に取付けられてなる清掃具を提供するものである。
【0009】
この構成を備えた清掃具は、清掃部を構成する清掃部材及び保持部材を、芯部材に対し互いに交換可能且つ並べ替え可能に取付けることができる。したがって、例えば、清掃部材と保持部材とを1枚ずつ交互に配設したり、3枚の清掃部材と1枚の保持部材とを交互に配設したり、1枚の清掃部材と3枚の保持部材とを交互に配設する等、清掃部材と保持部材を任意の枚数且つ任意の順番で配設することができる。
【0010】
ここで、清掃部材と保持部材とを1枚ずつ交互に配設した場合と、3枚の清掃部材と1枚の保持部材とを交互に配設した場合を比較すると、後者の方が、1組の清掃部材の前記空洞部に対する進退方向の長さが長くなる。この時、清掃部材は、弾性体から構成されているため、前記進退方向の長さが長くなると直径方向及び長さ方向に弾性変形し難くなり、空洞部の内壁面に対する押圧力が強くなる。このため、清掃部材と保持部材との配置(並べ方)を選択することで、空洞部の内壁面に対する押圧力の強弱を調整することができると共に、清掃可能な空洞部のサイズに幅を持たせることができる。
【0011】
さらにまた、前記清掃部材は、前記空洞部の開口径よりも大きな径を有すると共に、連続した環状の外面を備えているため、当該空洞部の内壁面の周方向(空洞部の内周面)に亘って面接触することになる。したがって、清掃部を空洞部の内壁面に対して相対的に回転させることなく、空洞部に対し進退移動させるだけで、当該内壁面を確実に清掃することができる。また、前記保持部材は、前記空洞部の開口径よりも小さな径を有しているため、空洞部の内壁面に接触することがないと共に、前記清掃部材と、当該保持部材を挟んで隣接した清掃部材と、空洞部の内壁面との間に隙間を形成することができる。したがって、清掃部材によって空洞部の内壁面から除去された除去物をこの隙間に保持することができる。したがって、清掃部を空洞部から抜脱することで、この隙間に保持された除去物を簡単に当該空洞部の外部に排出することができる。
【0012】
なお、本発明でいう断面形状とは、清掃具の進退方向に対し略垂直な断面の包絡線が、円である円筒形の他、当該包絡線が、曲線からなる略三角形状のもの、曲線からなる略四角形状のもの、曲線からなり、それ以上の多角である略多角形状のもの、角部が曲線からなる略三角形状のもの、角部が曲線からなる略四角形状のもの、それ以上の多角である略多角形状のもの等を含むものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる清掃具は、清掃部材及び保持部材を、芯部材に対し互いに交換可能且つ並べ替え可能に取付けることができるため、清掃部材と保持部材との配置(並べ方)を選択することで、空洞部の内壁面に対する押圧力の強弱を調整することができると共に、清掃可能な空洞部のサイズに幅を持たせることができる。また、前記清掃部材は、前記空洞部の開口径よりも大きな径を有すると共に、連続した環状の外面を備えているため、当該空洞部の内壁面の周方向に亘って面接触することになる結果、清掃部を空洞部の内壁面に対して相対的に回転させることなく、空洞部に対し進退移動させるだけで、当該内壁面を確実に清掃することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる清掃具について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施の形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
【0015】
図1は、本実施の形態にかかる清掃具の側面図であって、一部を断面で表現した図、図2は、図1に示すII−II線に沿った断面図、図3は、図1に示すIII−III線に沿った断面図、図4は、図1に示す清掃具の組立分解斜視図、図5は、本実施の形態にかかる清掃具によって清掃される空洞部を備えた工具ホルダの一部を示す断面図、図6は、図5に示す工具ホルダの空洞部に、本実施の形態にかかる清掃具を挿入した状態を示す断面図、図7及び図8は、図1に示す清掃具の清掃部材及び保持部材を並べ替えた状態の一例を示す断面図である。なお、図4については、説明を判りやすくするため、配設される清掃部材と保持部材の一部を割愛して示している。
【0016】
なお、本実施の形態では、清掃部が配設される側を「先端側」、使用者が把持する把持部側を「基端側」として説明する。
【0017】
図1〜図6に示すように本実施の形態にかかる清掃具1は、円筒形の芯部材10と、芯部材の外周に沿って取付けられた清掃部20を備えている。
【0018】
芯部材10は、その先端側に、清掃部20を配設するための清掃部配設部11が形成され、基端側に、使用者が把持する把持部13が形成されている。清掃部配設部11は、芯部材10の基端側よりも小さな径を有する円筒形を有し、この径の差によって形成された段部14により、清掃部20の基端側を係止するようになっている。また、この清掃部配設部11の先端には、後に詳述するナット15に形成された雌ねじ16が螺合する雄ねじ12が形成されている。
【0019】
清掃部20は、複数の清掃部材30と、清掃部材30を保持する複数の保持部材40から構成されている。清掃部材30は弾性部材からなり、略中央部分に円筒形の貫通孔31が形成されており、工具ホルダ100(図5及び図6参照)に形成された円筒形の空洞部101の開口径(d)よりも大きな径(D30)を有すると共に、連続した環状の外面を備えた中空の略円盤状を有している。すなわち、この清掃部材30は、空洞部101に対する清掃具1の進退方向(清掃部材30及び保持部材40の並設方向)に略垂直な断面の外形(清掃部材30の外周によって決定される形状)が、径(D30)である略円形を有している。また、貫通孔31は、芯部材10の清掃部配設部11とほぼ同じ径を有し、清掃部材30を芯部材10に配設する際に、清掃部配設部11が貫通可能となっている。なお、本実施の形態では、清掃部材30をフェルトから構成した。
【0020】
一方、保持部材40は、硬質な部材からなり、その略中央部分に円筒形の貫通孔41が形成されており、工具ホルダ100(図5及び図6参照)に形成された円筒形の空洞部101の開口径(d)よりも小さな径(D40)を有すると共に、連続した環状の外面を備えた中空の略円盤状を有している。すなわち、この保持部材40は、空洞部101に対する清掃具1の進退方向に略垂直な断面の外形(保持部材40の外周によって決定される形状)が、径(D40)である略円形を有している。したがって、保持部材40の外形は、清掃部材30の外形に対し、一様に縮小(D30>D40)された略相似形となっている。また、貫通孔41は、清掃部配設部11の径とほぼ同じ径(貫通孔31と同じサイズ)を有し、保持部材40を芯部材10に配設する際に、清掃部配設部11が貫通可能となっている。
【0021】
これらの清掃部材30及び保持部材40は、芯部材10の清掃部配設部11に、互いに交換可能且つ並べ替え可能に取付けられる。その一例としては、特に図4に示すように、先ず、芯部材10の清掃部配設部11に、2枚の保持部材40の貫通孔41を貫通させ、この2枚の保持部材40を芯部材10の段部14に接触させる。次に、この2枚の保持部材40が配設された清掃部配設部11に、5枚の清掃部材30の貫通孔31を貫通させ、先に配設された2枚の保持部材40に接触させる。次いで、この動作を繰り返し、清掃部配設部11に、2枚の保持部材40と、5枚の清掃部材30を、交互に接触させながら配設し、最後に2枚の保持部材40を配設した後、この最後の2枚の保持部材40の貫通孔41から延出した清掃部配設部11の先端に、ナット15を螺合させ、清掃部配設部11に配設された清掃部材30及び保持部材40を、芯部材10の段部14と、ナット15の基端面とで、締め付けて固定することで、図1に示す清掃具1(清掃部材30の重ね枚数5、保持部材の重ね枚数2)が得られる。
【0022】
この清掃具1は、清掃部20の空洞部101に対する進退方向の長さ(L1)が、後に詳述する空洞部101の奥行き(深さ)(L100)とほぼ同一となるように設定されている。また、保持部材40を挟んだ両側に配設された清掃部材30同士の間には、清掃部材30と保持部材40との径の差によって凹溝18が形成されている。
【0023】
この清掃具1によって清掃される工具ホルダ100の空洞部101は、特に図5に示すように、開口径(d)、奥行き(L100)を有する円筒形の内壁面102によって画定されている。この内壁面102は、清掃具1の進退方向に略垂直な断面形状が、径(d)である略円形を有しており、前述した清掃部材30の外形(円形)は、一様に拡大(D30>d)された略相似形となっている。
【0024】
この清掃具1を使用して空洞部101を画定する内壁面102を清掃する際は、空洞部101内に、清掃具1の先端を挿入し、そのまま空洞部101の奥に向けて清掃部20を進めればよい。この時、清掃部材30の径(D30)は、空洞部101の開口径(d)よりも大きいが、清掃部材30は、その弾性により、内壁面102に押圧されて弾性変形するため、内壁面102に密着しながら空洞部101の奥に向かって進む。ここで、清掃部材30を保持する保持部材40は、前述したように、清掃部材30の外形に対し略相似形である外形を有しているため、内壁面102の全周に亘って清掃部材30が均一な力を付与することができるように、清掃部材30を保持することができる。また、内壁面102も、前述したように、断面形状が清掃部材30の外形に対し略相似形であるため、清掃部材30によって内壁面102の全周に亘って均一な力(押圧力)を受けることになる。したがって、斑のない清掃を行うことができる。
【0025】
ここで、清掃部20を空洞部101内に挿入すると、凹溝18の存在により、内壁面102と清掃部20との間に隙間が形成されるが、清掃部材30は、前述したように、連続した環状の外面を有しており、この外面が、内壁面102の周方向亘って、斑なく密着するため、清掃具1を進退方向に移動させるだけで、内壁面102を確実に清掃することができる。また、清掃部材30によって内壁面102から除去された汚れ等の除去物は、凹溝18に保持される(残留する)ため、清掃部20を空洞部101から抜脱すれば、この凹溝18に保持された除去物を簡単に当該空洞部の外部に排出することができる。
【0026】
また、清掃具1は、ナット15を緩めて取外すことで、清掃部材30及び保持部材40を芯部材10から簡単に抜脱することができ、清掃部材30及び保持部材40を交換したり、並べ替えたりすることができる。したがって、例えば、内壁面102の汚れが軽い汚れであり、内壁面102に対する押圧力を小さくさせたい場合は、例えば、図7や図8に示すように、清掃部材30の重ね枚数が少なくなるように清掃部材30と保持部材40を並べ替えればよい。
【0027】
図7は、1枚の清掃部材30と、1枚の保持部材40を交互に配設したものであるが、このように配設した場合、1枚、1枚が独立して配設された清掃部材30(重ね枚数1)は、図1に示すように5枚の清掃部材30を1組として配設した場合(重ね枚数5)に比べ、弾性変形し易くなるため、内壁面102に対する押圧力を図1に示す場合よりも小さくすることができる。
【0028】
図8は、2枚の清掃部材30と、2枚の保持部材40を交互に配設したものであるが、このように配設した場合、1枚、1枚が独立して配設された清掃部材30(図7参照)よりも、2枚の清掃部材30を1組として配設した場合(重ね枚数2:図8参照)の方が、弾性変形し難くなるため、内壁面102に対する押圧力が図7に示す場合よりも大きくなる。また、図8に示すように、2枚の清掃部材30を1組として配設したものは、図1に示すように5枚の清掃部材30を1組として配設した場合に比べ、弾性変形し易くなるため、内壁面102に対する押圧力を図1に示す場合よりも小さくすることができる。
【0029】
なお、図1に示す場合よりも内壁面102に対する押圧力を大きくしたい場合は、5枚以上の清掃部材30を1組として配設すればよい。
【0030】
このように、清掃部材30及び保持部材40の配設枚数を調整することで、内壁面102に対する押圧力に強弱を付けることができ、内壁面102の汚れ具合に応じた最適な押圧力で清掃を行うことができる。
【0031】
また、清掃部材30は、弾性部材からなるため、円筒形以外の形状を有する内壁面であっても適切に清掃することができる。なお、この場合、清掃部材30の外形が、空洞部を画定する内壁面の外周形状に対応した形状、すなわち、互いに略相似形であれば、さらに良好な清掃を行うことができる。また、清掃すべき内壁面の形状(空洞部の形状)や、清掃部材の外形に応じて、清掃部材を構成する弾性部材の弾性も変更し、さらに適切な清掃が行えるようにしてもよい。
【0032】
そしてまた、本発明にかかる清掃具1は、空洞部101に対し進退方向に移動させるだけで、空洞部101の内壁面102の清掃を確実に行うことができるが、清掃具1を空洞部101に対し芯部材10を軸芯として回転させてもよいことは勿論である。
【0033】
なお、本実施の形態では、清掃部材30を構成する弾性部材として、フェルトを使用した場合について説明したが、これに限らず、スポンジや、織布等、清掃部材30を構成した際に、清掃部材30に弾性を持たせることができると共に、空洞部101の内壁面102に付着した汚れを除去可能な素材であれば、素材は特に限定されるものではない。
【0034】
また、本実施の形態では、空洞部101の奥行き(L100)とほぼ同一の長さとなるように、清掃部20の空洞部101に対する進退方向の長さ(L1)を設定した場合について説明したが、これに限らず、清掃部20の長さ(L1)は、所望により決定することができる。
【0035】
また、清掃部材30の配設数は、任意により決定することができる。
【0036】
また、本実施の形態では、芯部材10の先端に雄ねじ12を形成し、この雄ねじ12にナット15に形成された雌ねじ16を螺合させることで、清掃部材30及び保持部材40を芯部材10の清掃部配設部11に固定した場合について説明したが、これに限らず、例えば、図9に示すように、芯部材10の構成要素である清掃部配設部11をボルトから構成し、把持部13の先端に、清掃部配設部11(ボルト)の基端側に形成された雄ねじ41に螺合する雌ねじ42を形成してもよい。この場合、清掃部配設部11(ボルト)の基端側(雄ねじ41が形成されている側)から、前述した実施の形態と同様に保持部材40及び清掃部材30を所望数挿入した後、ボルト45を挿入し、清掃部配設部11(ボルト)に形成された雄ねじ41を把持部13に形成された雌ねじ42に螺合させることで、清掃部材30及び保持部材40を固定する。なお、この場合、清掃部配設部11(ボルト)の頭43の基端面44が、前述した段部14の機能を果たすことになる。
【0037】
また、図10に示すように、清掃部配設部11の先端にボルト51に形成された雄ねじ52が螺合する雌ねじ52を形成し、ナット15の代わりに、ボルト51によって、清掃部材30及び保持部材40を芯部材10の清掃部配設部11に固定してもよい。
【0038】
そしてまた、使用者が把持する把持部13の形状は、所望により適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態にかかる清掃具の側面図であって、一部を断面で表現した図である。
【図2】図1に示すII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1に示すIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図1に示す清掃具の組立分解斜視図である。
【図5】本実施の形態にかかる清掃具によって清掃される空洞部を備えた工具ホルダの一部を示す断面図である。
【図6】図5に示す工具ホルダの空洞部に、本実施の形態にかかる清掃具を挿入した状態を示す断面図である。
【図7】図1に示す清掃具の清掃部材及び保持部材を並べ替えた状態を示す一部断面図である。
【図8】図1に示す清掃具の清掃部材及び保持部材を並べ替えた状態を示す一部断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態にかかる清掃具の一部を示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態にかかる清掃具の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 清掃具
10 芯部材
11 清掃部配設部
13 把持部
18 凹溝
20 清掃部
30 清掃部材
40 保持部材
100 工具ホルダ
101 空洞部
102 内壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞部を画定する内壁面を清掃する清掃具であって、
芯部材と、当該芯部材の外周に沿って取付けられた清掃部と、を備え、
前記清掃部は、
弾性体からなり、前記空洞部の開口径よりも大きな径を有すると共に、連続した環状の外面を備えた複数の清掃部材と、
前記空洞部の開口径よりも小さな径を有し、前記清掃部材を保持する保持部材と、
を備え、
前記清掃部材及び保持部材は、前記芯部材に、互いに交換可能且つ並べ替え可能に取付けられてなる清掃具。
【請求項2】
前記保持部材及び前記清掃部材は、前記空洞部に対する進退方向に略垂直な断面の外形が互いに略相似形である請求項1記載の清掃具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−237107(P2007−237107A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65163(P2006−65163)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(390016344)ビッグアルファ株式会社 (7)
【Fターム(参考)】