清掃具
【課題】 清掃具において、スポンジ様材料からなる清掃具本体と、ブラシ体の双方を具備し、両者の使い勝手を向上すること。
【解決手段】 清掃具10において、清掃具本体15のスポンジ様材料からなる清掃主作業面20Aに開口する凹部23にブラシ体40を設け、このブラシ体40を清掃具本体15の清掃主作業面20Aに並置し、ブラシ体40の先端と清掃主作業面20Aとが共に被清掃面に接触可能となるもの。
【解決手段】 清掃具10において、清掃具本体15のスポンジ様材料からなる清掃主作業面20Aに開口する凹部23にブラシ体40を設け、このブラシ体40を清掃具本体15の清掃主作業面20Aに並置し、ブラシ体40の先端と清掃主作業面20Aとが共に被清掃面に接触可能となるもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃具として、特許文献1に記載の如く、ブラシの上面にスポンジを取付けたスポンジ付ブラシがある。このスポンジ付ブラシは、スポンジを上面に備えることで、スポンジの洗剤保持性、保水性によりブラシを洗剤や水に繰り返し浸すことなくブラシによる清掃持続性を向上している。
【特許文献1】特開2002-112836
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の清掃具は、ブラシとスポンジの双方を具備するものの、ブラシを下面に、スポンジを上面に備えるものであるから、両者の使用に対しては上下反転する必要があり、使い勝手が悪い。
【0004】
本発明の課題は、清掃具において、スポンジ様材料からなる清掃具本体と、ブラシ体の双方を具備し、両者の使い勝手を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、清掃具本体のスポンジ様材料からなる清掃主作業面に開口する凹部にブラシ体を設け、このブラシ体を清掃具本体の清掃主作業面に並置し、ブラシ体の先端と清掃主作業面とが共に被清掃面に接触可能となる清掃具である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記清掃具本体が、基材層とこれに固定したスポンジ様材料からなる孔形成層とからなり、孔形成層には貫通孔を設け、基材層に固定したブラシ体を孔形成層の貫通孔を通して孔形成層の清掃主作業面に並置したものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1の発明において更に、前記清掃具本体が、基材層とこれに固定したスポンジ様材料からなる孔形成層からなり、孔形成層に複数の貫通孔を設け、該複数の孔の各々にブラシ体を通してなり、各ブラシ体の基端を可撓性連結体に結合し、可撓性連結体を前記基材層と孔形成層との間に固定してなるものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3の発明において更に、前記可撓性連結体が枝状をなすようにしたものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において更に、前記清掃具本体が複数層のスポンジ様材料からなり、各層は、繊維を交絡させた不織布、織物、編物、合成樹脂を発泡させた多孔性材料から選ばれるようにしたものである。
【0010】
請求項6の発明は、請求項2〜5のいずれかの発明において更に、前記基材層が柄の先端ヘッド部に取付けられるようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
(請求項1、2)
(a)スポンジ様材料からなる清掃具本体の清掃主作業面に開口する凹部にブラシ体を設け、清掃具本体の清掃主作業面が柔軟なスポンジ様材料であるから被清掃面に密着でき、滑らかな被清掃面(緩やかな曲面を含む)にはスポンジ様材料の清掃主作業面が密着し、タイルの目地等の凹部、特に凹部の底に対して立ち上がり面が直角に近い状態をなす底角部等、スポンジ様材料が届きにくく追随困難な被清掃面の凹部や角隅部にはブラシ体が入り込み、被清掃面への追随性が良い。清掃具本体の外縁はスポンジ様材料で構成されているので、例えば床面の隅を清掃する際に、床面を清掃しながら同時に床面から立ち上がる側面にもスポンジ様材料を接触させて清掃が可能で、被清掃面の角隅の清掃性も良い。
【0012】
(b)スポンジ様材料からなる清掃具本体の清掃主作業面に開口する凹部にブラシ体を設けているから、ブラシ体が並置されている清掃具本体の清掃主作業面を被清掃面に当てて、使用者が清掃具本体に付加する清掃圧Fの強弱により、清掃具本体の清掃主作業面を被清掃面に当てつつ、ブラシ体の被清掃面への当たりに強弱をつけることができる。
【0013】
(請求項3)
(c)清掃具本体が基材層と孔形成層からなり、孔形成層に設けた複数の貫通孔のそれぞれにブラシ体を通し、各ブラシ体の基端を可撓性連結体に結合し、可撓性連結体を基材層と孔形成層との間に固定することにより、ブラシ体を含む清掃具本体の製造性、安定性を向上できる。各ブラシ体が互いに分離していると、ブラシ体を被清掃面に当てて清掃圧Fをかけたとき、清掃具本体の柔軟性によりブラシ体が斜めに倒れて、ブラシ体の先端面を被清掃面に当てにくく、特に柄の先端ヘッド部に基材層が取付けられている場合には、手で把持して用いるときよりもブラシ体が斜めに倒れ易い。各ブラシ体が可撓性連結体により連結されているから、斜めに倒れにくく、ブラシ体の先端面を被清掃面に確実に当てることができ、清掃性を向上できる。
【0014】
(請求項4)
(d)可撓性連結体を枝状とすることにより、清掃具本体を絞ることが容易となるため、水切りし易い。
【0015】
(請求項5)
(e)清掃具本体を構成するスポンジ様材料が繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料、例えば不織布、織物、編物からなるものとすることで、柔軟な清掃具本体を構成し、被清掃面への追随性が良い。
【0016】
清掃具本体を構成するスポンジ様材料が合成樹脂を発泡させた多孔性材料、例えば発泡樹脂からなるものとすることで、一層柔軟な清掃具本体を形成できる。
【0017】
(f)清掃具本体に含まれ、ブラシ体が固定される基材層もスポンジ様材料からなるものとし、繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料、例えば不織布、織物、編物からなるものとすることで、使用者が基材層を介して付加する清掃圧Fが孔形成層及びブラシ体に作用するとき、この清掃圧Fをスポンジ様材料の選択によって被清掃面への当たり具合(清掃感)を調節することができる。例えば、不織布の中でクッション性の低い不織布を基材層とした場合には、清掃圧Fをブラシ体の先端に伝え易く、ブラシ体による清掃をハードにできる。
【0018】
例えば、基材層を、合成樹脂を発泡させた多孔性材料、発泡樹脂からなるものとする場合に、クッション性の高い発泡樹脂を選択することで、使用者が基材層を介して付加する清掃圧Fが孔形成層及びブラシ体に作用するとき、この清掃圧Fをクッション性の高い発泡樹脂の基材層からブラシ体の先端に伝えることにより、ブラシ体による清掃をソフトにできる。また、被清掃面の細かい凹凸面に対しても、被清掃面への追従性を維持しながら、基材層及び/又は孔形成層のスポンジ様材料のクッション性によって清掃具の使用者の当たりはソフトにすることができる。
【0019】
以上の如く、基材層と孔形成層のスポンジ様材料の選択によって、清掃圧Fによる清掃具本体の被清掃面への当たり具合(清掃感)を調節することができる。
(請求項6)
【0020】
(g)柄の先端ヘッド部に清掃具の基材層を取付けることにより、清掃作業性を向上できる。基材層をヘッド部から容易に着脱できるようにすることで、清掃具を手で直接把持して用いることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
清掃具10は、図1〜図4に示す如く、清掃具本体15を、スポンジ様材料からなる孔形成層20と、この孔形成層20に固定(接着、溶着、嵌合等)される基材層30とからなるものとしている。清掃具本体15のスポンジ様材料からなる孔形成層20は、清掃主作業面20Aからこれに対向する背面に貫通する孔23を設け、孔形成層20の背面に基材層30を接着し、基材層30に固定したブラシ体40を孔形成層20の孔23に通して清掃主作業面20Aに並置してある。従って、清掃具本体15は、孔形成層20の孔23によって形成された凹部にブラシ体40を設ける。ブラシ体40は清掃具本体15の清掃主作業面20Aに並置し、ブラシ体40の先端と清掃主作業面20Aとが共に被清掃面に接触可能になる。尚、基材層30もスポンジ様材料からなるものとすることができ、これによって基材層30も清掃作業面として用いることができる。そして、孔形成層20と基材層30の輪郭形状は同一の例えば楕円形状をなす。
【0022】
孔形成層20を構成するスポンジ様材料は、液状物を含浸できる材料であり、繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料(不織布、フェルト、編物、織物)、例えば不織布21、又は合成樹脂を発泡させた多孔性材料(発泡樹脂、連通したハニカム構造体)、例えば発泡樹脂22からなるものとすることができる。本実施例の孔形成層20は、図4に示す如く、不織布21の上面に発泡樹脂22を接着して構成した2層構造体からなり、不織布21と発泡樹脂22に貫通する多数の孔23を有し、不織布21の下面を清掃主作業面20Aとする。清掃主作業面20Aを形成するスポンジ様材料は、掻き取り性の良いスポンジ様材料が好ましく、不織布21又は目の粗い多孔性材料等、又はスポンジ様部材の表面に固定された編物、織物等を採用することができる。発泡樹脂22は、弾力性があり洗浄剤等をあわ立たせたり、保水性を有し液剤等を保持できるものであれば、種々のスポンジ様材料を選択することができる。
【0023】
基材層30は、繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料(不織布、フェルト、編物、織物)、例えば不織布31、又は合成樹脂を発泡させた多孔性材料(発泡樹脂、連通したハニカム構造体)、例えば発泡樹脂32からなるものとすることができる。本実施例の基材層30は、図4に示す如く、不織布31のみからなる1層構造体であり、不織布31の下面を孔形成層20の背面(発泡樹脂22の上面)に接着する。
【0024】
ブラシ体40は、基板41に毛材の基端が植毛され、この基板41を孔形成層20の孔23に臨む基材層30(不織布31)の下面に接着する。
【0025】
清掃具10は、柄11の先端ヘッド部12に取付けられる。ヘッド部12は板状をなし、ヘッド部12の裏面に清掃具10の基材層30の上面を脱着自在に固定することが好ましい。例えば、ヘッド部12の裏面に設けられているマジックテープ(登録商標)等に対し清掃具10の基材層30(不織布31)の上面を着脱自在に取付けできる。
【0026】
清掃具10は、孔形成層20(不織布21、発泡樹脂22)と基材層30(不織布31)の輪郭形状を同一の例えば楕円形状にし、ヘッド部12の輪郭形状を孔形成層20と基材層30の輪郭形状より小形にしており、ヘッド部12の周縁が基材層20の周縁まで配置せず、孔形成層20(不織布21)の外周面も清掃作業面として利用できるだけでなく、ヘッド部12の周縁よりも外側に延びる清掃具本体15の部分が、清掃具本体15の側方から受ける圧力に対して圧縮させたり、撓ませたり、湾曲させたり変形することができる。
【0027】
清掃具10は、図5に示す如く、基材層30が不織布31の下面に発泡樹脂32を接着した2層構造体からなるものとし、発泡樹脂32の下面を孔形成層20の背面(発泡樹脂22の上面)に接着するものとしても良い。このとき、ブラシ体40は、基板41を孔形成層20の孔23に臨む基材層30(発泡樹脂32)の下面に接着する。基材層30の上面と清掃主作業面20Aを構成する層は、掻き取り性のある不織布等のスポンジ様材料を選択することが好ましい。基材層30の下側(清掃具10の中間層)のスポンジ様材料32は、孔形成層20よりも目が粗く液切れの良い(保水性が低い)スポンジ様材料を選択する。例えば、スポンジ様材料32は孔形成層20を形成する発泡樹脂22よりも目が粗く液切れの良い、例えば多孔性材料、ハニカム構造体等の連通孔が形成された発泡樹脂が好適である。
【0028】
図5の清掃具10によれば、基材層30が合成樹脂を発泡させた多孔性材料、例えば発泡樹脂32からなるものとすることで、使用者が基材層30を介して付加する清掃圧Fが孔形成層20及びブラシ体40に作用するとき、この清掃圧Fをクッション性の高い発泡樹脂32の基材層30からブラシ体40の先端に伝えることにより、ブラシ体40による清掃をソフトにできる。
【0029】
本実施例の清掃具10によれば以下の作用効果を奏する。
(a)スポンジ様材料からなる清掃具本体15の清掃主作業面20Aに開口する孔23にブラシ体40を設け、清掃具本体15の清掃主作業面20Aが柔軟なスポンジ様材料であるから被清掃面に密着でき、滑らかな被清掃面(緩やかな曲面を含む)にはスポンジ様材料の清掃主作業面20Aが密着し、タイルの目地等の凹部、特に凹部の底に対して立ち上がり面が直角に近い状態をなす底角部等、スポンジ様材料が届きにくく追随困難な被清掃面の凹部や角隅部にはブラシ体40が入り込み、被清掃面への追随性が良い。清掃具本体15の外縁はスポンジ様材料で構成されているので、例えば床面の隅を清掃する際に、床面を清掃しながら同時に床面から立ち上がる側面にもスポンジ様材料を接触させて清掃が可能で、被清掃面の角隅の清掃性も良い。
【0030】
(b)スポンジ様材料からなる清掃具本体15の清掃主作業面20Aに開口する孔23にブラシ体40を設けているから、ブラシ体40が並置されている清掃具本体15の清掃主作業面20Aを被清掃面に当てて、使用者が清掃具本体15に付加する清掃圧Fの強弱により、清掃具本体15の清掃主作業面20Aを被清掃面に当てつつ、ブラシ体40の被清掃面への当たりに強弱をつけることができる。
【0031】
(c)清掃具本体15が基材層30と孔形成層20からなり、孔形成層20に複数の貫通孔23が設けられている。そして、ブラシ体40の位置に対応する複数の貫通孔23のそれぞれにブラシ体40を通し、各ブラシ体40の基端を可撓性連結体50に結合し、可撓性連結体50を基材層30と孔形成層20との間に固定することにより、ブラシ体40を含む清掃具本体15の製造性、安定性を向上できる。各ブラシ体40が互いに分離していると、ブラシ体40を被清掃面に当てて清掃圧Fをかけたとき、基材層30の柔軟性によりブラシ体40が斜めに倒れて、ブラシ体40の先端面を被清掃面に当てにくく、特に柄11の先端ヘッド部12に基材層30が取付けられている場合には、手で把持して用いるときよりもブラシ体40が斜めに倒れ易い。各ブラシ体40が可撓性連結体50により連結されているから、斜めに倒れにくく、ブラシ体40の先端面を被清掃面に確実に当てることができ、清掃性を向上できる。
【0032】
(d)清掃具本体15を構成するスポンジ様材料が繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料、例えば不織布21からなるものとすることで、柔軟な清掃具本体15を構成し、清掃主作業面20Aの被清掃面への追随性を向上できる。
【0033】
清掃具本体15を構成するスポンジ様材料が合成樹脂を発泡させた多孔性材料、例えば発泡樹脂22からなるものとすることで、一層柔軟な清掃具本体15を構成し、清掃主作業面20Aの被清掃面への追随性を一層向上することができる。
【0034】
(e)清掃具本体15に含まれ、ブラシ体40が固定される基材層30もスポンジ様材料からなるものとし、繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料、不織布、合成樹脂を発泡させた多孔性材料等からなるものから、クッション性の低い材質を選択することで、使用者が基材層30を介して付加する清掃圧Fが孔形成層20及びブラシ体40に作用するとき、この清掃圧Fをクッション性の低いスポンジ様部材の基材層30からブラシ体40の先端に伝え易く、ブラシ体40による清掃をハードにできる。例えば、不織布31としてクッション性の低い材質を選択する場合は、ブラシ体40による清掃をハードにできる。
【0035】
基材層30を、クッション性の高いスポンジ様材料からなるものとすることで、使用者が基材層30を介して付加する清掃圧Fが孔形成層20及びブラシ体40に作用するとき、この清掃圧Fをクッション性の高いスポンジ様材料の基材層30からブラシ体40の先端に伝えることにより、ブラシ体40による清掃をソフトにできる。また、被清掃面の細かい凹凸面に対しても、被清掃面への追従性を維持しながら、基材層30及び/又は孔形成層20のスポンジ様材料のクッション性によって清掃具の使用者の当たりはソフトにすることができる。例えば、合成樹脂を発泡させた多孔性材料でクッション性の高い発泡樹脂32を採用した場合は、ブラシ体40による清掃をソフトにできる。
【0036】
以上の如く、基材層30と孔形成層20のスポンジ様材料の選択によって、清掃圧Fによる清掃具本体15の被清掃面への当たり具合(清掃感)を調節することができる。
【0037】
(f)柄11の先端ヘッド部12に清掃具10の基材層30を取付けることにより、清掃作業性を向上できる。基材層30をヘッド部12から容易に着脱できるようにすることで、清掃具10を手で直接把持して用いることもできる。
【0038】
清掃具10にあっては、孔形成層20に多数の孔23が設けられており、ブラシ体40の位置に対応する複数の孔23のそれぞれにブラシ体40を設けるに際し、各ブラシ体40の基端を図6〜図8に示す如くのポリプロピレン等の樹脂、又は金属等からなる枝状可撓性連結体50に結合し、可撓性連結体50を孔形成層20と基材層30の間に挟み込んで固定することができる。可撓性連結体50は孔形成層20と基材層の間に配置し、基材層30(孔形成層20も可)に接着して固定することが好ましい。可撓性連結体50は、図9〜図29に示す如くの多様な形状に変形できる。可撓性連結体50は、薄板状をなすものでも良い。
【0039】
可撓性連結体50を用いた清掃具10によれば、孔形成層20に複数の孔23が設けられ、ブラシ体40の位置に対応する複数の孔23のそれぞれにブラシ体40を通してなり、各ブラシ体40の基端を可撓性連結体50に結合し、可撓性連結体50を基材層30に固定することにより、ブラシ体40を含む清掃具10の製造性、安定性を向上できる。各ブラシ体40が互いに分離していると、ブラシ体40を被清掃面に当てて清掃圧Fをかけたとき、基材層30の柔軟性によりブラシ体40が斜めに倒れて、ブラシ体40の先端面を被清掃面に当てにくく、特に柄11の先端ヘッド部12に基材層30が取付けられているには、手で把持して用いるときよりもブラシ体40が斜めに倒れ易い。各ブラシ体40が可撓性連結体50により連結されているから、斜めに倒れにくく、ブラシ体40の先端面を被清掃面に確実に当てることができ、清掃性を向上できる。
【0040】
また、可撓性連結体50を枝状とすることにより、孔形成層20及び基材層30を絞ることが容易であり、水切りし易い。
【0041】
尚、清掃具10にあっては、清掃具本体15の孔形成層20及び基材層30において、保管時引掛け用の貫通孔を設けることもできる。
【0042】
また、清掃具10にあっては、清掃具本体15のスポンジ様材料からなる清掃主作業面20Aに開口する切欠き凹部等の凹部にブラシ体40を設け、このブラシ体40を孔形成層20の清掃主作業面20Aに並置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は清掃具を示す斜視図である。
【図2】図2は清掃具を示す分解図である。
【図3】図3は清掃具を示す裏面図である。
【図4】図4は清掃具の要部断面図である。
【図5】図5は清掃具の変形例の要部断面図である。
【図6】図6は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図7】図7は図6の要部拡大図である。
【図8】図8は図6のA−A線に沿う断面図である。
【図9】図9は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図10】図10は図9の要部拡大図である。
【図11】図11は図9のA−A線に沿う断面図である。
【図12】図12は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図13】図13は図12の要部拡大図である。
【図14】図14は図12のA−A線に沿う断面図である。
【図15】図15は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図16】図16は図15の要部拡大図である。
【図17】図17は図15のA−A線に沿う断面図である。
【図18】図18は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図19】図19は図18の要部拡大図である。
【図20】図20は図18のA−A線に沿う断面図である。
【図21】図21は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図22】図22は図21の要部拡大図である。
【図23】図23は図21のA−A線に沿う断面図である。
【図24】図24は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図25】図25は図24の要部拡大図である。
【図26】図26は図24のA−A線に沿う断面図である。
【図27】図27は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図28】図28は図27の要部拡大図である。
【図29】図29は図27のA−A線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0044】
10 清掃具
11 柄
12 ヘッド部
15 清掃具本体
20 孔形成層
20A 清掃主作業面
21 不織布
22 発泡樹脂
23 孔(凹部)
30 基材層
31 不織布
32 発泡樹脂
40 ブラシ体
50 可撓性連結体
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃具として、特許文献1に記載の如く、ブラシの上面にスポンジを取付けたスポンジ付ブラシがある。このスポンジ付ブラシは、スポンジを上面に備えることで、スポンジの洗剤保持性、保水性によりブラシを洗剤や水に繰り返し浸すことなくブラシによる清掃持続性を向上している。
【特許文献1】特開2002-112836
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の清掃具は、ブラシとスポンジの双方を具備するものの、ブラシを下面に、スポンジを上面に備えるものであるから、両者の使用に対しては上下反転する必要があり、使い勝手が悪い。
【0004】
本発明の課題は、清掃具において、スポンジ様材料からなる清掃具本体と、ブラシ体の双方を具備し、両者の使い勝手を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、清掃具本体のスポンジ様材料からなる清掃主作業面に開口する凹部にブラシ体を設け、このブラシ体を清掃具本体の清掃主作業面に並置し、ブラシ体の先端と清掃主作業面とが共に被清掃面に接触可能となる清掃具である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記清掃具本体が、基材層とこれに固定したスポンジ様材料からなる孔形成層とからなり、孔形成層には貫通孔を設け、基材層に固定したブラシ体を孔形成層の貫通孔を通して孔形成層の清掃主作業面に並置したものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1の発明において更に、前記清掃具本体が、基材層とこれに固定したスポンジ様材料からなる孔形成層からなり、孔形成層に複数の貫通孔を設け、該複数の孔の各々にブラシ体を通してなり、各ブラシ体の基端を可撓性連結体に結合し、可撓性連結体を前記基材層と孔形成層との間に固定してなるものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3の発明において更に、前記可撓性連結体が枝状をなすようにしたものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において更に、前記清掃具本体が複数層のスポンジ様材料からなり、各層は、繊維を交絡させた不織布、織物、編物、合成樹脂を発泡させた多孔性材料から選ばれるようにしたものである。
【0010】
請求項6の発明は、請求項2〜5のいずれかの発明において更に、前記基材層が柄の先端ヘッド部に取付けられるようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
(請求項1、2)
(a)スポンジ様材料からなる清掃具本体の清掃主作業面に開口する凹部にブラシ体を設け、清掃具本体の清掃主作業面が柔軟なスポンジ様材料であるから被清掃面に密着でき、滑らかな被清掃面(緩やかな曲面を含む)にはスポンジ様材料の清掃主作業面が密着し、タイルの目地等の凹部、特に凹部の底に対して立ち上がり面が直角に近い状態をなす底角部等、スポンジ様材料が届きにくく追随困難な被清掃面の凹部や角隅部にはブラシ体が入り込み、被清掃面への追随性が良い。清掃具本体の外縁はスポンジ様材料で構成されているので、例えば床面の隅を清掃する際に、床面を清掃しながら同時に床面から立ち上がる側面にもスポンジ様材料を接触させて清掃が可能で、被清掃面の角隅の清掃性も良い。
【0012】
(b)スポンジ様材料からなる清掃具本体の清掃主作業面に開口する凹部にブラシ体を設けているから、ブラシ体が並置されている清掃具本体の清掃主作業面を被清掃面に当てて、使用者が清掃具本体に付加する清掃圧Fの強弱により、清掃具本体の清掃主作業面を被清掃面に当てつつ、ブラシ体の被清掃面への当たりに強弱をつけることができる。
【0013】
(請求項3)
(c)清掃具本体が基材層と孔形成層からなり、孔形成層に設けた複数の貫通孔のそれぞれにブラシ体を通し、各ブラシ体の基端を可撓性連結体に結合し、可撓性連結体を基材層と孔形成層との間に固定することにより、ブラシ体を含む清掃具本体の製造性、安定性を向上できる。各ブラシ体が互いに分離していると、ブラシ体を被清掃面に当てて清掃圧Fをかけたとき、清掃具本体の柔軟性によりブラシ体が斜めに倒れて、ブラシ体の先端面を被清掃面に当てにくく、特に柄の先端ヘッド部に基材層が取付けられている場合には、手で把持して用いるときよりもブラシ体が斜めに倒れ易い。各ブラシ体が可撓性連結体により連結されているから、斜めに倒れにくく、ブラシ体の先端面を被清掃面に確実に当てることができ、清掃性を向上できる。
【0014】
(請求項4)
(d)可撓性連結体を枝状とすることにより、清掃具本体を絞ることが容易となるため、水切りし易い。
【0015】
(請求項5)
(e)清掃具本体を構成するスポンジ様材料が繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料、例えば不織布、織物、編物からなるものとすることで、柔軟な清掃具本体を構成し、被清掃面への追随性が良い。
【0016】
清掃具本体を構成するスポンジ様材料が合成樹脂を発泡させた多孔性材料、例えば発泡樹脂からなるものとすることで、一層柔軟な清掃具本体を形成できる。
【0017】
(f)清掃具本体に含まれ、ブラシ体が固定される基材層もスポンジ様材料からなるものとし、繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料、例えば不織布、織物、編物からなるものとすることで、使用者が基材層を介して付加する清掃圧Fが孔形成層及びブラシ体に作用するとき、この清掃圧Fをスポンジ様材料の選択によって被清掃面への当たり具合(清掃感)を調節することができる。例えば、不織布の中でクッション性の低い不織布を基材層とした場合には、清掃圧Fをブラシ体の先端に伝え易く、ブラシ体による清掃をハードにできる。
【0018】
例えば、基材層を、合成樹脂を発泡させた多孔性材料、発泡樹脂からなるものとする場合に、クッション性の高い発泡樹脂を選択することで、使用者が基材層を介して付加する清掃圧Fが孔形成層及びブラシ体に作用するとき、この清掃圧Fをクッション性の高い発泡樹脂の基材層からブラシ体の先端に伝えることにより、ブラシ体による清掃をソフトにできる。また、被清掃面の細かい凹凸面に対しても、被清掃面への追従性を維持しながら、基材層及び/又は孔形成層のスポンジ様材料のクッション性によって清掃具の使用者の当たりはソフトにすることができる。
【0019】
以上の如く、基材層と孔形成層のスポンジ様材料の選択によって、清掃圧Fによる清掃具本体の被清掃面への当たり具合(清掃感)を調節することができる。
(請求項6)
【0020】
(g)柄の先端ヘッド部に清掃具の基材層を取付けることにより、清掃作業性を向上できる。基材層をヘッド部から容易に着脱できるようにすることで、清掃具を手で直接把持して用いることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
清掃具10は、図1〜図4に示す如く、清掃具本体15を、スポンジ様材料からなる孔形成層20と、この孔形成層20に固定(接着、溶着、嵌合等)される基材層30とからなるものとしている。清掃具本体15のスポンジ様材料からなる孔形成層20は、清掃主作業面20Aからこれに対向する背面に貫通する孔23を設け、孔形成層20の背面に基材層30を接着し、基材層30に固定したブラシ体40を孔形成層20の孔23に通して清掃主作業面20Aに並置してある。従って、清掃具本体15は、孔形成層20の孔23によって形成された凹部にブラシ体40を設ける。ブラシ体40は清掃具本体15の清掃主作業面20Aに並置し、ブラシ体40の先端と清掃主作業面20Aとが共に被清掃面に接触可能になる。尚、基材層30もスポンジ様材料からなるものとすることができ、これによって基材層30も清掃作業面として用いることができる。そして、孔形成層20と基材層30の輪郭形状は同一の例えば楕円形状をなす。
【0022】
孔形成層20を構成するスポンジ様材料は、液状物を含浸できる材料であり、繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料(不織布、フェルト、編物、織物)、例えば不織布21、又は合成樹脂を発泡させた多孔性材料(発泡樹脂、連通したハニカム構造体)、例えば発泡樹脂22からなるものとすることができる。本実施例の孔形成層20は、図4に示す如く、不織布21の上面に発泡樹脂22を接着して構成した2層構造体からなり、不織布21と発泡樹脂22に貫通する多数の孔23を有し、不織布21の下面を清掃主作業面20Aとする。清掃主作業面20Aを形成するスポンジ様材料は、掻き取り性の良いスポンジ様材料が好ましく、不織布21又は目の粗い多孔性材料等、又はスポンジ様部材の表面に固定された編物、織物等を採用することができる。発泡樹脂22は、弾力性があり洗浄剤等をあわ立たせたり、保水性を有し液剤等を保持できるものであれば、種々のスポンジ様材料を選択することができる。
【0023】
基材層30は、繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料(不織布、フェルト、編物、織物)、例えば不織布31、又は合成樹脂を発泡させた多孔性材料(発泡樹脂、連通したハニカム構造体)、例えば発泡樹脂32からなるものとすることができる。本実施例の基材層30は、図4に示す如く、不織布31のみからなる1層構造体であり、不織布31の下面を孔形成層20の背面(発泡樹脂22の上面)に接着する。
【0024】
ブラシ体40は、基板41に毛材の基端が植毛され、この基板41を孔形成層20の孔23に臨む基材層30(不織布31)の下面に接着する。
【0025】
清掃具10は、柄11の先端ヘッド部12に取付けられる。ヘッド部12は板状をなし、ヘッド部12の裏面に清掃具10の基材層30の上面を脱着自在に固定することが好ましい。例えば、ヘッド部12の裏面に設けられているマジックテープ(登録商標)等に対し清掃具10の基材層30(不織布31)の上面を着脱自在に取付けできる。
【0026】
清掃具10は、孔形成層20(不織布21、発泡樹脂22)と基材層30(不織布31)の輪郭形状を同一の例えば楕円形状にし、ヘッド部12の輪郭形状を孔形成層20と基材層30の輪郭形状より小形にしており、ヘッド部12の周縁が基材層20の周縁まで配置せず、孔形成層20(不織布21)の外周面も清掃作業面として利用できるだけでなく、ヘッド部12の周縁よりも外側に延びる清掃具本体15の部分が、清掃具本体15の側方から受ける圧力に対して圧縮させたり、撓ませたり、湾曲させたり変形することができる。
【0027】
清掃具10は、図5に示す如く、基材層30が不織布31の下面に発泡樹脂32を接着した2層構造体からなるものとし、発泡樹脂32の下面を孔形成層20の背面(発泡樹脂22の上面)に接着するものとしても良い。このとき、ブラシ体40は、基板41を孔形成層20の孔23に臨む基材層30(発泡樹脂32)の下面に接着する。基材層30の上面と清掃主作業面20Aを構成する層は、掻き取り性のある不織布等のスポンジ様材料を選択することが好ましい。基材層30の下側(清掃具10の中間層)のスポンジ様材料32は、孔形成層20よりも目が粗く液切れの良い(保水性が低い)スポンジ様材料を選択する。例えば、スポンジ様材料32は孔形成層20を形成する発泡樹脂22よりも目が粗く液切れの良い、例えば多孔性材料、ハニカム構造体等の連通孔が形成された発泡樹脂が好適である。
【0028】
図5の清掃具10によれば、基材層30が合成樹脂を発泡させた多孔性材料、例えば発泡樹脂32からなるものとすることで、使用者が基材層30を介して付加する清掃圧Fが孔形成層20及びブラシ体40に作用するとき、この清掃圧Fをクッション性の高い発泡樹脂32の基材層30からブラシ体40の先端に伝えることにより、ブラシ体40による清掃をソフトにできる。
【0029】
本実施例の清掃具10によれば以下の作用効果を奏する。
(a)スポンジ様材料からなる清掃具本体15の清掃主作業面20Aに開口する孔23にブラシ体40を設け、清掃具本体15の清掃主作業面20Aが柔軟なスポンジ様材料であるから被清掃面に密着でき、滑らかな被清掃面(緩やかな曲面を含む)にはスポンジ様材料の清掃主作業面20Aが密着し、タイルの目地等の凹部、特に凹部の底に対して立ち上がり面が直角に近い状態をなす底角部等、スポンジ様材料が届きにくく追随困難な被清掃面の凹部や角隅部にはブラシ体40が入り込み、被清掃面への追随性が良い。清掃具本体15の外縁はスポンジ様材料で構成されているので、例えば床面の隅を清掃する際に、床面を清掃しながら同時に床面から立ち上がる側面にもスポンジ様材料を接触させて清掃が可能で、被清掃面の角隅の清掃性も良い。
【0030】
(b)スポンジ様材料からなる清掃具本体15の清掃主作業面20Aに開口する孔23にブラシ体40を設けているから、ブラシ体40が並置されている清掃具本体15の清掃主作業面20Aを被清掃面に当てて、使用者が清掃具本体15に付加する清掃圧Fの強弱により、清掃具本体15の清掃主作業面20Aを被清掃面に当てつつ、ブラシ体40の被清掃面への当たりに強弱をつけることができる。
【0031】
(c)清掃具本体15が基材層30と孔形成層20からなり、孔形成層20に複数の貫通孔23が設けられている。そして、ブラシ体40の位置に対応する複数の貫通孔23のそれぞれにブラシ体40を通し、各ブラシ体40の基端を可撓性連結体50に結合し、可撓性連結体50を基材層30と孔形成層20との間に固定することにより、ブラシ体40を含む清掃具本体15の製造性、安定性を向上できる。各ブラシ体40が互いに分離していると、ブラシ体40を被清掃面に当てて清掃圧Fをかけたとき、基材層30の柔軟性によりブラシ体40が斜めに倒れて、ブラシ体40の先端面を被清掃面に当てにくく、特に柄11の先端ヘッド部12に基材層30が取付けられている場合には、手で把持して用いるときよりもブラシ体40が斜めに倒れ易い。各ブラシ体40が可撓性連結体50により連結されているから、斜めに倒れにくく、ブラシ体40の先端面を被清掃面に確実に当てることができ、清掃性を向上できる。
【0032】
(d)清掃具本体15を構成するスポンジ様材料が繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料、例えば不織布21からなるものとすることで、柔軟な清掃具本体15を構成し、清掃主作業面20Aの被清掃面への追随性を向上できる。
【0033】
清掃具本体15を構成するスポンジ様材料が合成樹脂を発泡させた多孔性材料、例えば発泡樹脂22からなるものとすることで、一層柔軟な清掃具本体15を構成し、清掃主作業面20Aの被清掃面への追随性を一層向上することができる。
【0034】
(e)清掃具本体15に含まれ、ブラシ体40が固定される基材層30もスポンジ様材料からなるものとし、繊維を交絡させたり織ったり編んだりした材料、不織布、合成樹脂を発泡させた多孔性材料等からなるものから、クッション性の低い材質を選択することで、使用者が基材層30を介して付加する清掃圧Fが孔形成層20及びブラシ体40に作用するとき、この清掃圧Fをクッション性の低いスポンジ様部材の基材層30からブラシ体40の先端に伝え易く、ブラシ体40による清掃をハードにできる。例えば、不織布31としてクッション性の低い材質を選択する場合は、ブラシ体40による清掃をハードにできる。
【0035】
基材層30を、クッション性の高いスポンジ様材料からなるものとすることで、使用者が基材層30を介して付加する清掃圧Fが孔形成層20及びブラシ体40に作用するとき、この清掃圧Fをクッション性の高いスポンジ様材料の基材層30からブラシ体40の先端に伝えることにより、ブラシ体40による清掃をソフトにできる。また、被清掃面の細かい凹凸面に対しても、被清掃面への追従性を維持しながら、基材層30及び/又は孔形成層20のスポンジ様材料のクッション性によって清掃具の使用者の当たりはソフトにすることができる。例えば、合成樹脂を発泡させた多孔性材料でクッション性の高い発泡樹脂32を採用した場合は、ブラシ体40による清掃をソフトにできる。
【0036】
以上の如く、基材層30と孔形成層20のスポンジ様材料の選択によって、清掃圧Fによる清掃具本体15の被清掃面への当たり具合(清掃感)を調節することができる。
【0037】
(f)柄11の先端ヘッド部12に清掃具10の基材層30を取付けることにより、清掃作業性を向上できる。基材層30をヘッド部12から容易に着脱できるようにすることで、清掃具10を手で直接把持して用いることもできる。
【0038】
清掃具10にあっては、孔形成層20に多数の孔23が設けられており、ブラシ体40の位置に対応する複数の孔23のそれぞれにブラシ体40を設けるに際し、各ブラシ体40の基端を図6〜図8に示す如くのポリプロピレン等の樹脂、又は金属等からなる枝状可撓性連結体50に結合し、可撓性連結体50を孔形成層20と基材層30の間に挟み込んで固定することができる。可撓性連結体50は孔形成層20と基材層の間に配置し、基材層30(孔形成層20も可)に接着して固定することが好ましい。可撓性連結体50は、図9〜図29に示す如くの多様な形状に変形できる。可撓性連結体50は、薄板状をなすものでも良い。
【0039】
可撓性連結体50を用いた清掃具10によれば、孔形成層20に複数の孔23が設けられ、ブラシ体40の位置に対応する複数の孔23のそれぞれにブラシ体40を通してなり、各ブラシ体40の基端を可撓性連結体50に結合し、可撓性連結体50を基材層30に固定することにより、ブラシ体40を含む清掃具10の製造性、安定性を向上できる。各ブラシ体40が互いに分離していると、ブラシ体40を被清掃面に当てて清掃圧Fをかけたとき、基材層30の柔軟性によりブラシ体40が斜めに倒れて、ブラシ体40の先端面を被清掃面に当てにくく、特に柄11の先端ヘッド部12に基材層30が取付けられているには、手で把持して用いるときよりもブラシ体40が斜めに倒れ易い。各ブラシ体40が可撓性連結体50により連結されているから、斜めに倒れにくく、ブラシ体40の先端面を被清掃面に確実に当てることができ、清掃性を向上できる。
【0040】
また、可撓性連結体50を枝状とすることにより、孔形成層20及び基材層30を絞ることが容易であり、水切りし易い。
【0041】
尚、清掃具10にあっては、清掃具本体15の孔形成層20及び基材層30において、保管時引掛け用の貫通孔を設けることもできる。
【0042】
また、清掃具10にあっては、清掃具本体15のスポンジ様材料からなる清掃主作業面20Aに開口する切欠き凹部等の凹部にブラシ体40を設け、このブラシ体40を孔形成層20の清掃主作業面20Aに並置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は清掃具を示す斜視図である。
【図2】図2は清掃具を示す分解図である。
【図3】図3は清掃具を示す裏面図である。
【図4】図4は清掃具の要部断面図である。
【図5】図5は清掃具の変形例の要部断面図である。
【図6】図6は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図7】図7は図6の要部拡大図である。
【図8】図8は図6のA−A線に沿う断面図である。
【図9】図9は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図10】図10は図9の要部拡大図である。
【図11】図11は図9のA−A線に沿う断面図である。
【図12】図12は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図13】図13は図12の要部拡大図である。
【図14】図14は図12のA−A線に沿う断面図である。
【図15】図15は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図16】図16は図15の要部拡大図である。
【図17】図17は図15のA−A線に沿う断面図である。
【図18】図18は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図19】図19は図18の要部拡大図である。
【図20】図20は図18のA−A線に沿う断面図である。
【図21】図21は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図22】図22は図21の要部拡大図である。
【図23】図23は図21のA−A線に沿う断面図である。
【図24】図24は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図25】図25は図24の要部拡大図である。
【図26】図26は図24のA−A線に沿う断面図である。
【図27】図27は可撓性連結体に連結されたブラシ体の基板を示す模式図である。
【図28】図28は図27の要部拡大図である。
【図29】図29は図27のA−A線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0044】
10 清掃具
11 柄
12 ヘッド部
15 清掃具本体
20 孔形成層
20A 清掃主作業面
21 不織布
22 発泡樹脂
23 孔(凹部)
30 基材層
31 不織布
32 発泡樹脂
40 ブラシ体
50 可撓性連結体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃具本体のスポンジ様材料からなる清掃主作業面に開口する凹部にブラシ体を設け、このブラシ体を清掃具本体の清掃主作業面に並置し、ブラシ体の先端と清掃主作業面とが共に被清掃面に接触可能となる清掃具。
【請求項2】
前記清掃具本体が、基材層とこれに固定したスポンジ様材料からなる孔形成層とからなり、
孔形成層には貫通孔を設け、基材層に固定したブラシ体を孔形成層の貫通孔を通して孔形成層の清掃主作業面に並置した請求項1記載の清掃具。
【請求項3】
前記清掃具本体が、基材層とこれに固定したスポンジ様材料からなる孔形成層からなり、
孔形成層に複数の貫通孔を設け、該複数の孔の各々にブラシ体を通してなり、
各ブラシ体の基端を可撓性連結体に結合し、可撓性連結体を前記基材層と孔形成層との間に固定してなる請求項1記載の清掃具。
【請求項4】
前記可撓性連結体が枝状をなす請求項3に記載の清掃具。
【請求項5】
前記清掃具本体が複数層のスポンジ様材料からなり、各層は、繊維を交絡させた不織布、織物、編物、合成樹脂を発泡させた多孔性材料から選ばれる請求項1〜4のいずれかに記載の清掃具。
【請求項6】
前記基材層が柄の先端ヘッド部に取付けられる請求項2〜5のいずれかに記載の清掃具。
【請求項1】
清掃具本体のスポンジ様材料からなる清掃主作業面に開口する凹部にブラシ体を設け、このブラシ体を清掃具本体の清掃主作業面に並置し、ブラシ体の先端と清掃主作業面とが共に被清掃面に接触可能となる清掃具。
【請求項2】
前記清掃具本体が、基材層とこれに固定したスポンジ様材料からなる孔形成層とからなり、
孔形成層には貫通孔を設け、基材層に固定したブラシ体を孔形成層の貫通孔を通して孔形成層の清掃主作業面に並置した請求項1記載の清掃具。
【請求項3】
前記清掃具本体が、基材層とこれに固定したスポンジ様材料からなる孔形成層からなり、
孔形成層に複数の貫通孔を設け、該複数の孔の各々にブラシ体を通してなり、
各ブラシ体の基端を可撓性連結体に結合し、可撓性連結体を前記基材層と孔形成層との間に固定してなる請求項1記載の清掃具。
【請求項4】
前記可撓性連結体が枝状をなす請求項3に記載の清掃具。
【請求項5】
前記清掃具本体が複数層のスポンジ様材料からなり、各層は、繊維を交絡させた不織布、織物、編物、合成樹脂を発泡させた多孔性材料から選ばれる請求項1〜4のいずれかに記載の清掃具。
【請求項6】
前記基材層が柄の先端ヘッド部に取付けられる請求項2〜5のいずれかに記載の清掃具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2008−279021(P2008−279021A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125092(P2007−125092)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
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