説明

清掃器具

本発明は、硬質表面を清掃するための清掃器具(10)を提供する。清掃器具(10)は、第一のハンドル区分(130)に旋回可能に連結されたモップヘッド(20)と、器具(10)の第二のハンドル区分(230)に連結された流体移送機構とを含む。清掃器具(10)が、未組立てであってパッケージ(100、200)内に貯蔵されている時、第一のハンドル区分(130)は、第二のハンドル区分(230)から分離されている。ユーザーが清掃器具(10)をパッケージ(100、200)から取り出す時、ユーザーは、清掃器具(10)を組み立てることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一実施形態では、硬質表面の清掃に使用される清掃器具に関する。
本発明は、別の実施形態では、清掃器具をパッケージ内に含む清掃キットに関する。
【背景技術】
【0002】
文献には、セラミックタイル床、硬木質床、カウンター上面などの硬質表面を清掃できる製品があふれている。床の清掃に関連して、パッケージの大きさを減少するために分割された、多数のモップ装置及びその他の清掃器具が記述されている。そのような清掃器具の例として、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)により販売されている、スイッファー・ウェットジェット(SWIFFER WETJET:登録商標)及びスイッファー・スプレーアンドクリーン(SWIFFER SPRAY & CLEAN:登録商標)がある。これらの器具は、通常は3つの区分に分割されたハンドルを含む。ユーザーは、区分を共に連結することにより、清掃器具を組み立てることができる。これらの清掃器具は、ハンドルに旋回可能に連結されたモップヘッドと、このハンドルに作用可能に連結された又は連結可能な流体放出機構と、清掃組成物を貯蔵するための及び流体放出機構に流体連通可能な貯槽とを含む。これらの清掃器具はまた、清掃溶液を床面に供給するための及びモップヘッドに取付け可能なノズルを含む。清掃組成物を容器からノズルへ移送するために、可撓性のプラスチックチューブなどの流体移送要素が、一端を流体放出機構に他端をノズルに連結された。清掃操作中にこのチューブを保護するために、チューブは、ハンドル区分の1つの中に配置可能である。この場合、チューブが流体放出機構からノズルまで連続的に走るので、ハンドルの(通常は自在継手によりモップヘッドに連結された)この区分の長さとモップヘッドの長さが、器具を貯蔵して消費者に販売するのに使用されるパッケージの最小長さを決める。流体放出機構とノズルの間に連続的な内部流体連通を必要としない清掃器具、例えばクロロックス社(The Clorox Company)により販売されるレディモップ(READYMOP:登録商標)などは、清掃器具が包装される時にモップヘッドがハンドルに取り付けられないような具合に、更に多く分割可能である。その結果、これらの清掃器具は、より小さいパッケージで販売可能であり、これは、販売店においてより小さな棚空間しか必要としない。しかしながら、この器具のチューブはハンドル内に配置されていないので、清掃操作中に家具又はユーザーの脚に引っかかる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのような状況であるので、器具がパッケージ内にある時には分離されているが、器具がパッケージから取り出される時にユーザーにより機械的に連結可能でもある、少なくとも2つのハンドル区分を有する清掃器具が必要とされる。
【0004】
器具が包装されている時には流体放出機構から分離されており、清掃器具がユーザーにより組み立てられる時に器具の流体放出機構とノズルの間の流体連通が維持又は確立いずれかとなるようなモップヘッドを有する、清掃器具を含む清掃キットも必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一実施形態では、パッケージ内に貯蔵される清掃器具に関する。清掃器具は、近位端部及び遠位端部を有してこの近位端部が使い捨て清掃基材を保持するためのモップヘッドに旋回可能に連結された第一のハンドル区分と、近位端部及び遠位端部を有する第二のハンドル区分と、第二のハンドル区分に連結された流体移送機構と、モップヘッドに連結されたノズルと、ノズルを流体移送機構に流体連通する流体移送チューブとを備えるものであって、流体移送チューブの近位部分は第一のハンドル区分内に配置され、且つ流体移送チューブの遠位部分は第二のハンドル区分内に配置され、且つ清掃器具がパッケージから取り出される時、第一のハンドル区分の遠位端部は第二のハンドル区分の近位端部に機械的に連結可能であり、且つ前記清掃器具がパッケージ内にある時、第一のハンドル区分の遠位端部は第二のハンドル区分の近位端部から分離されている。
【0006】
一実施形態において、本発明はまた、近位端部及び遠位端部を有して近位端部が使い捨て清掃基材を保持するためのモップヘッドに旋回可能に連結された第一のハンドル区分と、近位端部及び遠位端部を有する第二のハンドル区分と、第二のハンドル区分に連結された流体移送機構と、モップヘッドに連結されたノズルと、第一の流体移送チューブであって、第一の流体移送チューブがノズルに流体連通され、且つ第一の流体移送チューブの実質的な部分が第一のハンドル区分内に配置されている第一の流体移送チューブと、第二の流体移送チューブであって、第二の流体移送チューブが流体移送機構に流体連通され、且つ第二の流体移送チューブの実質的な部分が第二のハンドル区分内に配置されている第二の流体移送チューブとを備える清掃器具であって、清掃器具がパッケージから取り出される時、第一のハンドル区分の遠位端部は第二のハンドル区分の近位端部に機械的に連結可能であり、清掃器具がパッケージ内にある時、第一のハンドル区分の遠位端部は第二のハンドル区分の近位端部から分離されており、且つ第一のハンドル区分の遠位端部が第二のハンドル区分の近位端部に機械的に連結された時、第一の流体移送チューブが第二の流体移送チューブに流体連結された、清掃器具に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本明細書で引用されるすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることの容認として解釈されるべきでない。
【0008】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0009】
特に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び請求の範囲におけるすべての部、比及び百分率は重量基準であり、すべての数値限定は、当該技術分野において許容できる通常の程度の精度で使用される。
本明細書の流体放出機構の有用性を制限するものではないが、最近のモップ器具に伴うその使用についての簡単な説明が、本発明を明瞭にするのに役立つと考える。
【0010】
最新の清掃/モップ器具は、使い捨てシート又は吸収性パッドを使用しており、これは、器具のヘッドに取外し可能に取り付けられて、汚れた後で簡便に廃棄又は交換ができる。より最近の器具は、それ自体に清掃液体の貯蔵器を備え、その結果、器具の有用性及び便利さが大きく向上している。使用に際して、好ましくは液体形態である清掃組成物が、液体放出機構を介して、清掃されている表面上に供給される。この液体放出機構は、器具のハンドルに連結されている又は連結可能であり、好ましくはハウジング内に配置される。幾つかの清掃器具は、液体放出機構をノズルに連結する連続チューブを含み、清掃操作中にこのチューブを保護するために、チューブが器具のハンドル内に配置されるようになっている。このチューブが連続であるので、チューブを含むハンドルの区分(すなわち、液体放出機構を担持するハンドル区分及びモップヘッド)の長さで、清掃器具を貯蔵及び販売するのに使用されるパッケージの長さが決まる。
【0011】
このパッケージの大きさを減少するために、器具がパッケージの中に置かれる時に、液体放出機構を担持するハンドルの部分からモップヘッドが分離されるように、下側区分も分割可能であることを発明者らが見出した。
【0012】
開示から見られるように、(包装された形態において)モップヘッドが液体放出機構から分離される清掃器具を提供して、ノズルと液体放出機構の間に液体連通を確立することは、結果として、その解決が些細なことではない幾つかの問題となる。
【0013】
製造者が直面する第一の問題点は、清掃器具がパッケージから取り出されると、ユーザーが、モップヘッド部分をハンドル区分に機械的に連結可能でなければならないことである。
【0014】
製造者が直面する別の問題点は、ノズルと液体放出機構の間の液体連通は、モップヘッドが分離されている間も維持されるか、又はモップヘッドがユーザーによりハンドル区分に取り付けられる時に確立されるいずれかでなければならないことである。
後に続く詳細開示から明らかなように、本発明は、前記考察を対象としている。
【0015】
本発明の好ましい実施形態についてここから詳細に説明するが、その例を添付図により例示しており、添付図において、同じ数字は全ての図において同じ数字を示し、下二桁が同じ参照番号(例えば、20と120)は類似の要素を意味する。
【0016】
I.清掃器具
図1は、ハンドル30に連結されたモップヘッド20、清掃組成物を満たされた容器50を受け止めるためのハウジング40を含む、組み立てられた清掃器具10を示す。
【0017】
一実施形態では、ハンドル30は、複数のハンドルを含むように分割され、好ましくは4つのハンドル区分130、230、330、及び430を含む。一実施形態では、各ハンドル区分は、近位端部及び遠位端部を含む。一実施形態では、第一のハンドル区分130の近位端部1130は、モップヘッド20に旋回可能に連結可能であり、且つ遠位端部2130は、第二のハンドル区分230の近位端部1230に機械的に連結可能である。「機械的に連結可能」とは、清掃器具がパッケージ内にある時にはハンドル区分が連結及び/又は取り付けされていないが、ユーザーがハンドル区分をパッケージから取り出すと、これらのハンドル区分は、ユーザーにより永久的に又は解除可能のいずれかに連結及び/又は取付け可能であることを意味する。2つのハンドル区分は、当該技術分野において既知のいずれかの連結及び/又はロック機構により機械的に連結可能である。連結機構の非限定的な例として、対応する雌形区分に係合する雄形区分(例えば、スエージ加工された又は先細の棒)、ねじ連結機構、片寄らされたプッシュボタンなどが挙げられる。
【0018】
一実施形態では、第二のハンドル区分230の遠位端部2230は、第三のハンドル区分330の近位端部1330に機械的に連結可能であり、第三のハンドル区分330の遠位端部2330は、第四のハンドル区分430の近位端部1430に機械的に連結可能である。清掃器具は、より少ない又はより多くのハンドル区分を有することが可能であり、それでも同一効果を提供可能であることを理解されるであろう。
【0019】
一実施形態では、ハウジング40は、第二のハンドル区分230に連結可能である。先に説明したように、ハウジング40は、容器50の少なくとも一部を受け止めて、清掃操作中にこの容器を保持することができる。好ましい実施形態では、液体放出機構は、清掃操作中に液体放出機構を保護し、及び放出機構が間違って作動されるのを防ぐために、ハウジング40内に配置される。液体放出機構は、容器50内に貯蔵された清掃溶液をノズル60に、及び清掃される表面上に、好ましくはモップヘッドの前に、ユーザーが調製可能に供給することを可能にする、当該技術分野において既知のいかなる機構にもすることができる。液体放出機構の非限定的な例として、重力型機構、モータ付き機構、ポンプ機構、エアゾール型又は圧力式機構が挙げられる。
【0020】
図2に示す一実施形態では、ノズル60が、液体放出機構と流体連通している。ノズルは、清掃溶液を清掃される表面に供給可能な、当該技術分野において既知のいかなるノズルにもすることができる。好ましい実施形態では、ノズルは、流体移送チューブ70を介して液体放出機構に流体連結される。流体移送チューブ70は、第一のハンドル区分130が第二のハンドル区分230に機械的に連結された時、好ましくは第一のハンドル区分130、第二のハンドル区分230、及びハウジング40の中に配置される。好ましい実施形態では、モップヘッド20は、第一のハンドル区分130に自在継手80により旋回可能に連結され、且つ流体移送チューブ70は、米国特許第5,988,920号(クンクラー(Kunkler)ら、1999年11月23日発行、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡)にて開示されているように、好ましくは自在継手80の中に配置される。
【0021】
一実施形態では、流体移送チューブ70は、流体移送チューブにいかなる実質的な損傷もなく流体移送チューブ70が折り曲げ可能であるように、可撓性及び/又は曲げ可能の材料で作製される。実質的に漏れを通さない方法で流体を移送するのに好適な可撓性及び/又は曲げ可能の材料の非限定的な例として、天然又は合成のゴム類、エラストマー材類、シリコーン型材料類、ポリウレタン、ポリビニルクロライド、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタロセン触媒作用を受けた樹脂類、及びこれらいずれかの混合物などが挙げられる。
【0022】
一実施形態では、流体移送チューブ70の長さは、第一のハンドル区分130が第二のハンドル区分230に機械的に連結されていない時に、液体放出機構とノズル60の間に連続的な流体連通が存在するようなものである。第一のハンドル区分130が第二のハンドル区分230から分離されることを許容しながら、液体放出機構とノズルの間に連続的な流体連通をもたらすためには、流体移送チューブ70の長さは、液体放出機構とノズルの間に流体連通をもたらすのに必要な流体移送チューブの最小長さより好ましくは長くなることが、当業者は理解されるであろう。
【0023】
一実施形態では、流体移送チューブ70は、たるみ部分170を含む。一実施形態では、たるみ部分の長さは、少なくとも約3mm、好ましくは少なくとも約6mm、より好ましくは少なくとも約10mmである。一実施形態では、たるみ部分170の長さは、約100mm未満、好ましくは約50mm未満、より好ましくは約25mm未満である。たるみ部分170の長さは、第一ハンドル区分130及び第二ハンドル区分230を一直線にしてこれらを引張って離し、流体移送チューブ70を分離又は切断することなくたるみ部分170が実質的に真直ぐになるようにすることにより、第一のハンドル区分130の遠位端部2130の縁と第二のハンドル区分230の近位端部1230の縁との合間で測定することができる。一実施形態では、たるみ部分170は、ワイヤメッシュで作製された外側カバーにより、第一及び第二のハンドル区分の縁により引き起こされる損傷に対して保護することができる。たるみ部分170により、パッケージ内にて、モップヘッド20及び第一のハンドル区分130が第二のハンドル区分230及びハウジング40に沿って配置可能になることが、当業者には理解されるであろう。その結果、未組立ての清掃器具のサイズを縮小して、図3に示されるもののようなハウジングから分離されたモップヘッドを含まない清掃器具と比較して、器具がより小さなパッケージ内に貯蔵可能になる。図3に示される清掃器具は、モップヘッド20に旋回可能に連結された第一の連続的なハンドル区分132と、第一の連続的なハンドル区分132に連結されたハウジング40とを含む。
【0024】
図2に示される未組立ての清掃器具をユーザーがそのパッケージから取り出す時、ユーザーは、ハンドル区分130、230、330、及び430を機械的に連結することにより、非常に簡単に器具を組み立てることができる。ユーザーが第一ハンドル区分130及び第二のハンドル区分230を機械的に連結する時、流体移送チューブ70に使用された材料の可撓性及び曲げ特性のために、流体移送チューブを第一のハンドル区分130及び/又は第二のハンドル区分230の内側へ曲げることができる。ユーザーを助けるために、流体配送チューブをばねで引張ることができ、これにより、チューブが、ハンドル区分の中へ引込み可能となる。
【0025】
図4に示す一実施形態では、清掃器具10は、清掃器具が未組立ての時に、第二のハンドル区分230から分離されて、液体放出機構がノズル60と流体連通しないようになっている、第一のハンドル区分130を有することができる。ユーザーが第一のハンドル区分130を第二のハンドル区分230に機械的に連結する時、ノズル60とハウジング40内に配置された液体放出機構との間に、流体連通が確立される。一実施形態では、清掃器具は、ノズル60と液体放出機構の間に流体連通を確立するために、流体連結部材を有することができる。
【0026】
図5は、第二のハンドル区分230に連結された第一のハンドル区分130と流体連結部材90の部分断面を示す。
【0027】
一実施形態では、流体連結部材90は、受入れ要素190及び係合要素290を含む。一実施形態では、受入れ要素190は、第一のハンドル区分130に連結され、且つ係合要素290は、第二のハンドル区分230に連結される。好ましい実施形態では、受入れ要素190は、第一のハンドル区分130に固定的に連結され、且つ係合要素290は、第二のハンドル区分230に固定的に連結された。
【0028】
一実施形態では、受入れ要素190は、流体が雌形部分1190からチューブ状部分2190へ流動可能なように、第一のチューブ状部分2190に連結された雌形部分1190を含む。好ましくは第一のハンドル区分130内に配置された第一の流体移送チューブ73が、第一のチューブ状部分2190とノズル60の間に流体連通をもたらす。
【0029】
一実施形態では、受入れ要素190は、第一のハンドル区分130の遠位端部に取り付けられる。受入れ要素190は、第一のハンドル区分130を第二のハンドル区分230に取付け可能にする、ロック要素390に連結可能である。ロック要素390は、実質的に円筒形の本体1390と、円筒形本体1390に片寄り可能に連結された突出部2390とを含む。一実施形態では、第一のチューブ状部分2190は、円筒形本体1390を貫いて延びる。一実施形態では、ロック要素の突出部2390は、第一のハンドル区分130の開口部3130を貫いて延び、これにより、第一のハンドル区分130に取り付けられたロック要素390を保持する。一実施形態では、ユーザーが第一のハンドル区分130の遠位端部2130を第二のハンドル区分230の近位端部1230に通して挿入する時、突出部2390は、第二のハンドル区分230の開口部3230を少なくとも部分的に貫いて延びることができる。
【0030】
一実施形態では、係合要素290は、受入れ要素190の雌形部分1190に係合するための雄形部分1290を含む。雄形部分1290は、中間部分2290に連結可能であり、且つ第二のチューブ状部分3290が、中間部分2290に連結可能であって、流体が、第二のチューブ状部分3290から雄形部分1290まで流動可能なようになっている。第二のハンドル区分230内に配置された第二の流体移送チューブ76が、第二のチューブ状部分3290と液体放出機構の間に流体連通をもたらす。一実施形態では、雄形部分1290は、雄形部分が雌形部分に係合する時に雄形部分1290と雌形部分1190の間に実質的に漏れを通さない流体連通をもたらすために、封止部材1295を含む。封止部材1295は、例えばゴムで作製されたOリングなど、当該技術分野において既知のいかなる封止体にもすることができる。一実施形態では、中間部分2290は、第二のハンドル区分230に固定的に連結されて、雄形部分1290が第二のハンドル区分230内に配置されるようになっている。係合要素290が第二のハンドル区分230内に配置される時、輸送及び/又は係合要素と受入れ要素の組立ての間の予期しない損傷に対して、雄形部分1290がハンドル区分230により保護されることが、当業者には理解されるであろう。
【0031】
一実施形態では、遠位部分2130は、第二のハンドル区分230の近位端部1230の対応する雌形部分に係合するための雄形部分2130Aである。一実施形態では、第一及び第二のハンドル区分は、実質的に円筒形であり、且つ遠位部分2130の直径は、遠位部分2130が近位部分1230に挿入可能であるように、近位端部2130の直径より小さい。好ましい実施形態では、遠位部分2130は、同時係属中の米国特許出願公開番号2003/0110584A1(クレア(Clare)ら、2003年6月19日公開、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡)にて公開されているように、スエージ加工及び/又は先細にされる。
【0032】
好ましい実施形態では、雄形部分2130Aが第二のハンドル区分230の雌形部分に実質的に完全に挿入される時、実質的に漏れを通さない流体連通が係合要素と受入れ要素の間に確立されるように、係合要素290は、第二のハンドル区分230の近位部分1230の中に配置され、且つ受入れ要素190は、第一のハンドル区分の雄形部分2130Aの遠位縁に実質的に隣接している。
【0033】
受入れ要素190は、第二のハンドル区分230に連結可能であり、且つ係合要素290は、第一のハンドル区分130に連結可能であり、それでも同一効果を提供できることが理解されるであろう。同様に、第一のハンドル区分130の遠位端部2130は雌形部分を有することができ、且つ第二のハンドル区分230の近位端部1230は雄形部分を有することができ、それでも同一効果を提供できることが理解されるであろう。
【0034】
係合要素290を有する第二のハンドル区分230を清掃器具が含む時、受入れ要素190が付いた第一のハンドル区分130を有する異なるタイプのモップヘッドが連結可能であることを、当業者は理解されるであろう。清掃する床のタイプによって特定のモップヘッドをユーザーが選定できるようにするために、モップヘッドは、異なる形状及び大きさを有することができる。
【0035】
II.清掃キット
器具の第二のハンドル区分から分離される第一のハンドル区分を有する先の説明の清掃器具のいかなるものも、図2に示される器具を貯蔵するのに必要なパッケージより小さいパッケージ中の清掃キットとして販売できる。
【0036】
図7は、横に並んだ2つのパッケージの絵を示す。第一のパッケージ100は、図2又は図4に示されるもののような、未組立ての清掃器具を含む。第二のパッケージ200は、図3に示されるもののような、未組立ての清掃器具を含む。パッケージ100は、パッケージ200より小さいサイズであることが直ちに認識できる。
【0037】
一実施形態では、パッケージは、清掃器具を取り出して、次に連続するハンドル区分を機械的に連結することにより組み立てるための、取扱い説明を含むことができる。
【0038】
一実施形態では、清掃キットは、清掃溶液で満たされた清掃貯槽、及び/又は器具のモップヘッドに取外し可能に取付け可能な少なくとも1つの使い捨て清掃基材を含むことができる。
【0039】
一実施形態では、清掃キットは、ユーザーがその所望のモップヘッドを選択的に器具に取り付けできるように、好ましくは異なる形状及び/又は大きさを有するモップヘッドであって、それぞれのモップヘッドが第一のハンドル区分の遠位端部に受入れ要素が付いた第一のハンドル区分を含む、少なくとも2つのモップヘッドを含むことができる。
【0040】
一実施形態では、清掃キットは更に、ハンドルの全長を伸ばすための少なくとも1つの延長区分を含むことができる。
【0041】
図8は、清掃キットに含めることができる延長区分530の断面を示す。
【0042】
延長区分530は、器具がパッケージ内にある時、好ましくは、清掃器具の第一のハンドル区分130又は第二のハンドル区分230のいずれにも機械的に連結されていない。
【0043】
一実施形態では、延長区分530は、先の説明のような係合要素295付きの近位端部1530と、受入れ要素195付きの遠位端部2530とを有する。一実施形態では、係合要素295は、延長区分内に配置された流体移送チューブ75により、受入れ要素195に流体連結される。延長ハンドル530の近位端部1530は、器具の第一のハンドル区分130の遠位端部2130に機械的に連結可能であり、且つ延長ハンドルの遠位端部2530は、第二のハンドル区分230の近位端部1230に機械的に連結可能である。他にも効果がある中で、この清掃キットにより、清掃器具を貯蔵又は販売するのに使用されるパッケージのサイズを大きくすることなく、ユーザーがハンドルの長さを延長することが可能になる。
【0044】
III.その他
一実施形態では、ハンドル区分は、木材、プラスチック、又は金属で作製できる。好ましい実施形態では、ハンドル区分は、アルミニウムで作製される。
【0045】
一実施形態では、器具のモップヘッド20は、その周りに使い捨ての吸収性清掃基材を取外し可能に保持するための留め部材を含む。留め部材は、使い捨て清掃基材を器具のモップヘッドに取外し可能に保持するためのいかなる機構にもすることができる。留め部材の非限定的な例として、可撓性の切れ目入り構造、フック又はループ締結具、クリップ又はクランプなどが挙げられる。好適な切れ目入り構造が、米国特許第6,651,290号(キングリー(Kingry)ら、2003年11月25日発行、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡)にて開示されている。
【0046】
使い捨て清掃基材は、当技術分野において既知のいずれかの清掃基材とすることができる。使い捨て清掃基材は、好ましくは、清掃されている表面から液体を除去するための吸収層を含む。好適な清掃基材の非限定的な例が、米国特許第6,048,123号、第6,003,191号、第5,960,508号、第6,101,661号、第2003/0126710A1号、同時係属中の米国特許出願シリアル番号10/700,988(ポリシチオ(Policicchio)ら、2003年11月4日出願)、及び同時係属中の米国特許仮出願シリアル番号60/477,669(ポリシチオ(Policicchio)ら、2003年6月11日出願、全てプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡)にて開示されている。
【0047】
図9は、貯槽内に貯蔵された清掃溶液を清掃される表面の上に調整可能に供給するための、及びハウジングの中に配置された、好適な液体放出機構の部分断面を示す。
【0048】
液体放出機構300は、逆さの容器50に連結されたキャップ400の少なくとも一部分を受け止めるための、可撓性の膜1300を有することができる。液体放出機構はまた、キャップ400に片寄り可能に連結された流体放出逆止め弁1400に係合するための、突出要素2300を含む。突出要素2300は、ハンドル区分230及びハウジング40の中に配置されたチューブ76に流体連通可能である。レバー部材3300が上向きに動くと、突出要素2300を流体放出逆止め弁1400に係合させてこれを開放し、その結果、容器50と共に貯蔵された清掃組成物が重力によりチューブ76へ流入する。
【0049】
液体放出機構は、同時係属中の米国特許出願シリアル番号10/658,031(ヘフテ(Hofte)ら、2003年9月9日出願、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡)に更に詳細に記載されている。
【0050】
ノズルは好ましくはモップヘッドに連結されたが、器具のハンドルに直接的に連結及び又は連結可能とすることもでき、それでも同一効果を提供することができる。
【0051】
先に説明した清掃器具は、清掃組成物を調整可能に清掃される表面の上に供給するための、液体放出機構を含む。しかしながら、先に説明した機構及び清掃キットは、液体又は気体いずれかの流体を容器からノズルへ、又はノズルから容器へ、又は第一の容器から第二の容器へ移送可能な流体移送機構を有する、他のタイプの清掃器具と共に使用もできることが当業者には理解されるであろう。
【0052】
一実施形態では、流体移送機構は、モップヘッドの前縁に隣接する吸引ノズルに流体連通された真空機構とすることができる。(使い捨て清掃シートと共に使用される)モップヘッドと真空機構を含む清掃器具の一例には、ロイヤル社(The Royal Company)により販売されるダートデビル(DIRT DEVIL:登録商標)スイーパー・バック(SWEEPER-VAC:商標)がある。
【0053】
主題発明の特定の実施形態について説明してきたが、主題発明の様々な変形及び変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく実施可能であることは当業者に明らかである。更に、本発明をある特定の実施形態と関連させて説明したが、限定を目的とするものではなく、本発明の範囲は添付の請求項によって定義され、従来技術で認められるのと同様に広範に解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態の組み立てられた清掃器具の等角図。
【図2】本発明の一実施形態の未組立ての清掃器具の平面図。
【図3】未組立ての清掃器具の平面図。
【図4】本発明の別の実施形態の未組立ての清掃器具の平面図。
【図5】本発明の一実施形態の流体連結部の部分断面図。
【図6】図5の流体連結部の分解図。
【図7】第一のパッケージ内に貯蔵された本発明の清掃器具と、第二のパッケージ内に貯蔵された別の清掃器具の等角図。
【図8】本発明の一実施形態の延長区分の断面図。
【図9】重力型液体放出機構の部分断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質表面を清掃するための清掃キットにおいて、前記キットは、
パッケージ、及び
前記パッケージ内に貯蔵された清掃器具であって、
近位端部及び遠位端部を有する第一のハンドル区分であって前記近位端部が使い捨て清掃基材を保持するためのモップヘッドに旋回可能に連結された第一のハンドル区分と、
近位端部及び遠位端部を有する第二のハンドル区分と、
前記第二のハンドル区分に連結された流体移送機構と、
前記モップヘッドに連結されたノズルと、
前記ノズルを前記流体移送機構に流体連通する流体移送チューブとを備えた清掃器具を備え、前記流体移送チューブの近位部分が前記第一のハンドル区分内に配置され、且つ前記流体移送チューブの遠位部分が前記第二のハンドル区分内に配置され、且つ前記清掃器具が前記パッケージから取り出される時、前記第一のハンドル区分の前記遠位端部が前記第二のハンドル区分の前記近位端部に機械的に連結可能であり、且つ前記清掃器具が前記パッケージ内にある時、前記第一のハンドル区分の前記遠位端部が前記第二のハンドル区分の前記近位端部から分離されている清掃キット。
【請求項2】
前記流体移送チューブがたるみ部分を含む請求項1の清掃キット。
【請求項3】
前記たるみ部分の長さが約5mmと約100mmの間である請求項2の清掃キット。
【請求項4】
前記清掃器具が前記パッケージ内にある時、前記たるみ部分が折り曲げられている請求項3の清掃キット。
【請求項5】
前記流体移送機構は液体放出機構であり、且つ前記ノズルは液体供給ノズルである請求項1の清掃キット。
【請求項6】
清掃組成物を満たされた容器と、少なくとも1つの使い捨ての吸収性清掃基材とを更に備えた請求項1の清掃キット。
【請求項7】
前記流体移送機構がハウジング内に配置され、且つ前記ハウジングが前記第二のハンドル区分に取り付けられた請求項1の清掃キット。
【請求項8】
硬質表面を清掃するための清掃キットにおいて、前記キットは、
パッケージ、及び
前記パッケージ内に貯蔵された清掃器具であって、
近位端部及び遠位端部を有する第一のハンドル区分であって前記近位端部が使い捨て清掃基材を保持するためのモップヘッドに旋回可能に連結された第一のハンドル区分と、
近位端部及び遠位端部を有する第二のハンドル区分と、
前記第二のハンドル区分に連結された流体移送機構と、
前記モップヘッドに連結されたノズルと、
第一の流体移送チューブであって、前記第一の流体移送チューブが前記ノズルに流体連通され、且つ前記第一の流体移送チューブの実質的な部分が前記第一のハンドル区分内に配置された第一の流体移送チューブと、
第二の流体移送チューブであって、前記第二の流体移送チューブが前記流体移送機構に流体連通され、且つ前記第二の流体移送チューブの実質的な部分が前記第二のハンドル区分内に配置された第二の流体移送チューブとを備えた清掃器具を備え、前記清掃器具が前記パッケージから取り出される時、前記第一のハンドル区分の前記遠位端部が前記第二のハンドル区分の前記近位端部に機械的に連結可能であり、前記清掃器具が前記パッケージ内にある時、前記第一のハンドル区分の前記遠位端部が前記第二のハンドル区分の前記近位端部から分離されており、且つ前記第一のハンドル区分の前記遠位端部が前記第二のハンドル区分の前記近位端部に機械的に連結された時、前記第一の流体移送チューブが前記第二の流体移送チューブに流体連通される清掃キット。
【請求項9】
前記第一のハンドル区分が受入れ要素を更に備え、前記受入れ要素が前記第一の流体移送チューブにより前記ノズルに流体連通され、且つ前記第二のハンドル区分が係合要素を更に備え、前記係合要素が前記第二の流体移送チューブにより前記流体移送機構に流体連通された請求項8の清掃キット。
【請求項10】
前記受入れ要素は雌形部分を含み、且つ前記係合要素は雄形部分を含み、前記雄形部分が前記雌形部分に係合する時に、前記流体移送機構が前記ノズルに流体連通される請求項9の清掃キット。
【請求項11】
前記係合要素の前記雄形部分が前記第二のハンドル区分内に配置された請求項10の清掃キット。
【請求項12】
前記流体移送機構は液体放出機構であり、及び前記ノズルは液体供給ノズルである、請求項8の清掃キット。
【請求項13】
清掃組成物で満たされた容器と、少なくとも1つの使い捨ての吸収性清掃基材とを更に備えた請求項8の清掃キット。
【請求項14】
前記流体移送機構がハウジング内に配置され、且つ前記ハウジングが前記第二のハンドル区分に取り付けられた請求項8の清掃キット。
【請求項15】
近位端部及び遠位端部を有する延長区分を更に備え、前記延長区分の前記近位端部は、前記第一のハンドル区分の前記遠位端部に機械的に連結可能であり、且つ前記延長区分の前記遠位端部は、前記第二のハンドル区分の前記近位端部に機械的に連結可能である請求項8の清掃キット。
【請求項16】
前記延長区分の近位端部は係合要素を更に備え、且つ前記延長区分の前記遠位端部は受入れ要素を更に備え、前記延長区分の前記係合要素と受入れ要素が第三の流体移送チューブにより流体連通された請求項15の清掃キット。
【請求項17】
前記第一のハンドル区分の前記遠位端部は受入れ要素を更に備え、前記受入れ要素が前記第一の流体移送チューブにより前記ノズルに流体連通され、且つ前記第二のハンドル区分の前記近位端部は係合要素を更に備え、前記係合要素が前記第二の流体移送チューブにより前記流体移送機構に流体連通された請求項16の清掃キット。
【請求項18】
前記延長区分の前記係合要素は、前記第一のハンドル区分の前記受入れ要素に流体連通可能であり、且つ前記延長区分の前記受入れ要素は、前記第二のハンドル区分の前記係合要素に流体連通可能である請求項17の清掃キット。
【請求項19】
硬質表面を清掃するための清掃器具であって、
近位端部及び遠位端部を有する第一のハンドル区分であって、前記近位端部が使い捨て清掃基材を保持するためのモップヘッドに旋回可能に連結された第一のハンドル区分と、
近位端部及び遠位端部を有する第二のハンドル区分と、
前記第二のハンドル区分に連結された流体移送機構と、
前記モップヘッドに連結されたノズルと、
前記ノズルを前記流体移送機構に流体連通する流体移送チューブとを備え、前記流体移送チューブの近位部分が前記第一のハンドル区分内に配置され、且つ前記流体移送チューブの遠位部分が前記第二のハンドル区分内に配置され、且つ前記第一のハンドル区分の前記遠位端部が前記第二のハンドル区分の前記近位端部に機械的に連結可能であり、且つ前記清掃器具が未組立ての時、前記第一のハンドル区分の前記遠位端部が前記第二のハンドル区分の前記近位端部から分離されている清掃器具。
【請求項20】
硬質表面を清掃するための清掃器具であって、
近位端部及び遠位端部を有する第一のハンドル区分であって前記近位端部が使い捨て清掃基材を保持するためのモップヘッドに旋回可能に連結された第一のハンドル区分と、
近位端部及び遠位端部を有する第二のハンドル区分と、
前記第二のハンドル区分に連結された流体移送機構と、
前記モップヘッドに連結されたノズルと、
第一の流体移送チューブであって、前記第一の流体移送チューブが前記ノズルに流体連通され、且つ前記第一の流体移送チューブの実質的な部分が前記第一のハンドル区分内に配置された第一の流体移送チューブと、
第二の流体移送チューブであって、前記第二の流体移送チューブが前記流体移送機構に流体連通され、且つ前記第二の流体移送チューブの実質的な部分が前記第二のハンドル区分内に配置された第二の流体移送チューブとを備え、前記第一のハンドル区分の前記遠位端部が前記第二のハンドル区分の前記近位端部に機械的に連結可能であり、前記清掃器具が未組立ての時、前記第一のハンドル区分の前記遠位端部が前記第二のハンドル区分の前記近位端部から分離されており、且つ前記第一のハンドル区分の前記遠位端部が前記第二のハンドル区分の前記近位端部に機械的に連結された時、前記第一の流体移送チューブが前記第二の流体移送チューブに流体連通される清掃器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−526102(P2007−526102A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502084(P2007−502084)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/007348
【国際公開番号】WO2005/084515
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】