説明

清掃機能付仕切壁装置

【課題】透光壁部17aの撮像性能を良好に維持できるものとなす。
【解決手段】ブレード18を仕切壁17の表面と直交する方向から見たときに透孔壁部17aの領域の外方となる位置でしかも透孔壁部17a及び仕切壁17から特定距離だけ離反させた位置に移動させて停止させるものとしたブレード駆動案内手段19、30を形成する。
またブレード18の前面及び後面に付着した付着物を特定位置で掻き落とすものとしたスクレーパ33を装設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物などの粒状物群中から異色粒状物を選別する色彩選別機などに使用される清掃機能付仕切壁装置に関し、特に清掃機能を良好に維持させることを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
一部を透光壁部となされた仕切壁と、該透光壁部の一側に位置された弾性変形可能なブレードと、該ブレードを前記透光壁部の一側の表面に押しつけた状態で該表面に沿って特定軌跡上を往復移動させる駆動手段とを備えた清掃機能付仕切壁装置は既に存在している。
【0003】
該清掃機能付仕切壁装置は例えば次のように使用される。
即ち、仕切壁の一側でブレードの存在する側の領域をケーシングで囲って粒状物の落下される粒状物処理室に形成し、また仕切壁の他側の領域をケーシングで囲って清浄な空気の充たされた撮像室に形成し、該撮像室内にカメラや蛍光灯などを設け、該カメラにより透光壁部を通じて粒状物処理室内の粒状物群を撮像するものとなす。(特許文献1参照)
【0004】
このような使用において、粒状物処理室内の塵埃が透光壁部の表面に付着するなどして透光壁部の透光性能が低下したときはブレードを移動させて塵埃を取り除くのであり、これにより透光壁部の透光性能が回復され、カメラは粒状物処理室内の粒状物を支障なく撮像するものとなる。
【0005】
【特許文献1】特開平2−21980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来の清掃機能付仕切壁装置では、ブレードが使用状態であると不使用状態であるとに拘わらず、常に透光壁部の表面に押しつけられ且つ蛍光灯の発する紫外線を透光壁部を通じて照射される状態となって、早期に劣化し、亀裂が生じ、適正な清掃性能が発揮されなくなるのである。
【0007】
また粒状物が籾摺直後の玄米のようなものであると、ブレードを往復移動させたとき、該ブレードの前面及び後面に糠が付着するが、この糠は、ブレードが透光壁部の表面を移動する過程でブレードから離脱し、既にブレードで清掃された面上に残存するようになり、やはり、適正な清掃性能が発揮されなくなるのである。
【0008】
本発明は、これらの問題点を解消させて透光壁部を通じたカメラの高品質な撮像を可能とした清掃機能付仕切壁装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は次のようなものとなす。
即ち、第1発明に係る清掃機能付仕切壁装置は、請求項1に記載したように、一部を透光壁部となされた仕切壁と、該透光壁部の一側に位置された弾性変形可能なブレードと、該ブレードを前記透光壁部の一側の表面に押しつけた状態で該表面に沿って特定軌跡上を往復移動させる駆動手段とを備えた清掃機能付仕切壁装置において、前記ブレードを前記表面と直交する方向から見たときに前記透孔壁部の領域の外方となる位置でしかも前記透孔壁部及び前記仕切壁から特定距離だけ離反させた位置に移動させて停止させるものとしたブレード駆動案内手段を形成したものである。
【0010】
また第2発明に係る清掃機能付仕切壁装置は、請求項2に記載したように、一部を透光壁部となされた仕切壁と、該透光壁部の一側に位置された弾性変形可能なブレードと、該ブレードを前記透光壁部の一側の表面に押しつけた状態で該表面に沿って特定軌跡上を往復移動させる駆動手段とを備えた清掃機能付仕切壁装置において、前記ブレードの前面及び後面に付着した付着物を特定位置で掻き落とすものとしたスクレーパを装設したものとなす。
【0011】
また第3発明に係る清掃機能付仕切壁装置は、請求項3に記載したように、一部を透光壁部となされた仕切壁と、該透光壁部の一側に位置された弾性変形可能なブレードと、該ブレードを前記透光壁部の一側の表面に押しつけた状態で該表面に沿って特定軌跡上を往復移動させる駆動手段とを備えた清掃機能付仕切壁装置において、前記仕切壁をこれの表面と直交する方向から見たときに前記ブレードを前記透孔壁部の領域の外方となる位置でしかも前記透孔壁部及び前記仕切壁から特定距離だけ離反させた位置に移動させるためのブレード駆動案内手段を設けると共に、前記した透孔壁部の領域の外方となる位置で、前記ブレードの前面及び後面に付着した付着物を掻き落とすものとしたスクレーパを装設したものである。
【0012】
上記第2及び第3発明は次のように具体化するのがよいのであって、即ち、請求項4に記載したように、前記ブレードが前記透光壁部の一端近傍から他端近傍までの間で往復変位されると共に、前記スクレーパが前記一端近傍と前記他端近傍のそれぞれに装設されている構成となす。
【発明の効果】
【0013】
以上に記載した本発明によれば、透過壁部を通じることによるのカメラの撮像性能を長期に亘って良好に維持させることができるのであり、該発明を例えば玄米(特に籾摺直後のもの)などの色彩選別機に使用するとき異色粒状物を的確に選別することが可能となる。
【0014】
そして各請求項記載の発明の効果は次のとおりである。
即ち、請求項1記載の発明によれば、ブレードを仕切壁の表面と直交する方向から見たときに透孔壁部の領域の外方となる位置でしかも透孔壁部及び仕切壁部から特定距離だけ離反した位置にブレードを移動させて停止させておくことにより、停止させた状態のブレードが透光壁部を通じた光の直進を妨げることのないものとなり、また仕切壁を境とした一側でブレードの存在しない側から透光壁部を透過して他側へ達した紫外線などがブレードを直射することのない状態となってブレードの劣化が防止され、しかもブレードが透光壁部や仕切壁に接触しないためブレードの材料に内部応力が生じ難い状態となってブレードの力学的損耗が回避され、ブレードの清掃能力が低下し難くなり、透光壁部の透光性能を良好に維持させることができるものである。
【0015】
請求項2記載のものによれば、ブレードの前面及び後面の付着物がスクレーパで掻き取られるため、ブレードの前面及び後面が清浄に維持されるようになり、またブレードが透光壁部の付着物を清掃している過程で清掃済みの透光壁部表面にブレードの付着物が落下することの生じ難いものとなり、透光壁部の透光性能を良好に維持させることができるものである。
【0016】
請求項3記載のものによれば、請求項1記載の発明の効果と請求項2記載の発明の効果の双方を得ることができる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、スクレーパが透孔壁部の領域の外方となる位置にてブレードの付着物を掻き取るようになるため、スクレーパでブレードから分離された付着物が透光壁部の表面に付着し難くなり、透過壁部の透光性能がさらに確実に確保されるものとなる。
【0017】
請求項4記載のものによれば、ブレードの1回の往復移動の往行と復行のそれぞれの初期において、ブレードに付着した付着物をスクレーパで掻き取ることができるものとなり、請求項2記載の効果をさらに促進させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る清掃機能付仕切壁装置を備えた粒状物色彩選別機を示す側面図、図2は前記清掃機能付仕切壁装置を示す斜視図、図3は前記清掃機能付仕切壁装置の一部を示す断面図、図4は前記清掃機能付仕切壁装置の作動説明図である。
【0019】
図1に示すように、本発明に係る清掃機能付仕切壁装置を備えた粒状物色彩選別機は、穀物などの粒状物wに混入している小石、金属片、ガラス片又は、不良品質の粒状物などの異色粒状物w1を除去するものであり、機体フレーム上に選別部100を形成すると共に適当個所に原料タンク101、良品タンク102、不良品タンク103が付属して設けられる。なお、図1中、左側が前方であり右側が後方である。
【0020】
選別部100は、原料タンク101から送られる粒状物wを定量的に後方へ送り出すフィーダー1と、該フィーダー1から粒状物wを供給される流下樋2と、該流下樋2から落下した粒状物w群の中から異色粒状物w1を選別して除去する光学選別部3と、良品収容部4a及び不良品収容部4bを具備した分別収集部4を備えている。
【0021】
フィーダー1は、機体フレームに固定されており原料タンク101からの粒状物wを収容するホッパー5と、これの下側に配置され粒状物wを上面で支持するトラフ6と、これを振動させる電磁駆動手段7とを備えており、この際、トラフ6は電磁駆動手段7から付与される振動の振幅や周期を変化されて粒状物w搬送力を大小に変化されるものである。フィーダー1の供給能力を制御するための流量制御装置8は光学選別部3の良好な選別精度が得られるように、電磁駆動手段7の発生する振動の振幅や周期を自動的に制御するものである。
【0022】
流下樋2は、上面に直状の流下案内面2aをなす溝を形成されて機体フレームに傾斜状に支持されており、流下案内面2aはこれの案内始端に供給された粒状物wをこれの下端まで案内するもので案内中に粒状物w群を単層状となして斜め前下方へ飛行させる。
【0023】
光学選別部3は流下樋2の下端から斜め前下方へ飛行する粒状物wの通常飛行軌跡a1の周囲を略密閉状に包囲した粒状物処理室9と、該粒状物処理室9の上部寄り位置において前後方向で粒状物処理室9を挟むように対向して配置された一対の撮像室10A、10Bを備えると共に、粒状物処理室9と各撮像室10A、10Bとの境界を清掃機能付仕切壁装置11で塵埃密状に区分し、さらに異色粒存在検出手段12及び外力付与手段13を形成すると共に、粒状物処理室9用の換気手段14を設けたものとなされている。
【0024】
粒状物処理室9は清掃機能付仕切壁装置11、11、上部ケーシング15a、下部ケーシング15b及び分別収集部4で囲まれており、また各撮像室10A、10Bは清掃機能付仕切壁装置11とケーシング16で囲まれている。
【0025】
図2及び図3にも示すように、各撮像室10A、10Bに対応した清掃機能付仕切壁装置11、11のそれぞれは、一部を透光壁部17aとなされた仕切壁17と、該透光壁部17aの粒状物処理室9側に位置された弾性変形可能なブレード18とを具備しており、さらに該ブレード18を透光壁部17aの粒状物処理室9側の表面に押しつけた状態で該表面に沿って左右方向bの特定軌跡上を往復移動させる駆動手段19を備えたものとなされている。
【0026】
この際、透光壁部17aは仕切壁17に長四角形状の透孔c1を設け、該透孔c1を密状に覆うものとしたガラス板や樹脂板などの透明板20を固定することにより形成されるのであり、厳密には透明板20のうち透孔c1と重なり合った部分で形成される。ブレード18は長四角形状のゴム質板で形成されおり、また駆動手段19は機体フレームに左右向きに固定されたロッドレスシリンダ21と、該シリンダ21の出力部材21aから延出された第1アーム部材22と、該第1アーム部材22の先端に固着された結合棒部材23とを備えると共に、該結合棒部材23の各端部にブレード18の固定されたブレード上縁支持片19を矢印方向(透明板20と略直交した方向)d1の弾性変位可能に係着した板バネ部材24、24を介して結合されている。従って、各撮像室10A、10Bを囲った清掃機能付仕切壁装置11、11のそれぞれにおけるのブレード18は共通の駆動手段19で駆動される。
【0027】
ロッドレスシリンダ21は左右端に空気出入り口e1、e2を有し、これら空気出入り口e1、e2のそれぞれが電磁式方向切換弁25の2つの空気口f1、f2のうちの対応するものに空気管26a、26bを介して接続されており、また電磁式方向切換弁25の空気入口f3は圧縮空気供給源27に空気供給ライン28aで接続されている。この際、電磁式方向切換弁25の電磁コイルが通電されると、圧縮空気供給源27から圧縮空気が一側の空気管26aに供給されてその対応する側のシリンダ室内に流入し、ピストンを押し移動させ、出力部材21aを右方向b1へ移動させるものとなり、従って他側のシリンダ室内の空気がピストンで押し出され他側の空気管26bを通じて電磁式方向切換弁25の空気排出口f4から排出されるのであり、逆に電磁式方向切換弁25の電磁コイルが通電を遮断されると、圧縮空気供給源27から圧縮空気が他側の空気管26bに供給されてその対応する側のシリンダ室内に流入し、ピストンを逆向きへ押し移動させ、出力部材21aを左方向b2へ移動させるのであり、従って前記一側のシリンダ室内の空気がピストンで押し出され前記一側の空気管26aを通じて電磁式方向切換弁25の空気排出口f4から排出される。
【0028】
各ブレード上縁支持片19の長さ中央箇所には透明板20と対向した空気出口を有する掃除用空気噴射ノズル29が固定されており、該ノズル29の空気入口と電磁式方向切換弁25の空気排出口f4とが空気管28bで接続されている。従って、ロッドレスシリンダ21の出力部材21aが左右方向bへ移動しているときは掃除用空気噴射ノズル29の空気出口から圧縮空気が噴出して透明板20の表面に吹き付けられる。
【0029】
また各清掃機能付仕切壁装置11はブレード駆動案内手段を備えているのであり、該ブレード駆動案内手段は駆動手段19とリフトアップ手段30の2つの技術要素からなる。
【0030】
さらに詳細には、駆動手段19がブレード18を左右方向bへ移動させる際に、ブレード18を透明板20の左端よりもさらに左方向b2へ特定距離だけ移動させ、またブレード18を透明板20の右端よりもさらに右方向b1へ特定距離だけ移動させるものとなされていることである。
【0031】
そしてリフトアップ手段は、ブレード18を、透明板20の左端よりもさらに左側となる箇所と、透明板20の右端よりもさらに右側となる箇所とのそれぞれにおいて、仕切壁17と直交する方向で透明板20及び仕切壁17から離れる方向へ移動させるものとなされている。
【0032】
該リフトアップ手段30は種々に形成できるものであり、図示例では、透明板20の左右各端部近傍位置のそれぞれに、傾斜案内面g1の形成された上下一対の案内ブロック31a、31bを仕切壁17と同体状に設け、またブレード上縁支持片19の左右の各側面の上下端寄り箇所に左右各側の一対の案内ブロック31a、31bに対応する上下一対の摺接部材32a、32bを左右方向bへ張り出させた状態に固設し、ブレード18が左方向b2へ移動されたときに、左側の上下一対の案内ブロック31a、31bの傾斜案内面g、gと、ブレード上縁支持片19の左側面の上下一対の摺接部材32a、32bの先部とが当接し、ブレード18の左方向b2移動に伴って案内ブロック31a、31bと摺接部材32a、32bとの相互作用でブレード18が透明板20や仕切壁17から離れるように図3中の上方へ押し上げられるようになり、一方、ブレード18が右方向b1移動されたときに、右側の上下一対の案内ブロック31a、31bの傾斜案内面g、gと、ブレード上縁支持片19の左側面の上下一対の摺接部材32a、32bの先部とが当接し、ブレード18の右方向b1移動に伴って案内ブロック31a、31bと摺接部材32a、32bとの相互作用でブレード18が透明板20や仕切壁17から離れるように図3中の上方へ押し上げられるようになるものとなされている。
【0033】
従ってブレード駆動案内手段19、30は、ブレード18を透明板20の表面と直交する方向から見たときに透孔壁部17aの領域の外方となる位置でしかも透孔壁部17a及び仕切壁17から特定距離だけ離反させた位置に移動させた状態として停止させることができるものである。
【0034】
また透明板20の左右端部近傍であって、左側の上下一対の案内ブロック31a、31bと透明板20左端との間となる位置、及び、右側の上下一対の案内ブロック31a、31bと透明板20右端との間となる位置のそれぞれの仕切壁17箇所には、ブレード18の前面h1及び後面h2に付着した付着物を掻き落とすものとしたスクレーパ33が設けられている。該スクレーパ33はブレード18の長さよりも長くなされ丸断面又は角断面の棒部材からなり、該棒部材33は仕切壁17表面から少なくとも数mm以上離して略上下向きに配置し、各端部を支持片を介して仕切壁17に固定してあり、ブレード18が左右方向bへ移動されるときにブレード18先部の前面h1及び後面h2の全長箇所が衝接するものとなされている。
【0035】
ここで、ブレード18とリフトアップ手段30とスクレーパ33との関係をさらに詳細に説明する。いま駆動手段19が作動し、ブレード18が板バネ部材24、24の弾性で透明板20表面に押しつけられた状態で透明板20の右側から左方向b2へ移動され図3に実線で示すように透明板20の左端に到達したとき、ブレード18は左側のスクレーパ33に接近すると共に左側の上下一対の摺接部材32a、32bが左側の上下一対の案内ブロック31a、31bに接近し、さらにブレード18が左側へ移動されると、ブレード18は透明板20から左側へ外れ、左側の上下一対の案内ブロック31a、31bが左側の上下一対の摺接部材32a、32bを支持案内することによりブレード18は透明板20や仕切壁17から離れるように図3中の下方へ移動され、仕切壁17の表面から僅かに離れた状態に保持される。一方ではブレード18の前面h1が図4Aに示すように左側のスクレーパ33に衝接し、さらにブレード18が左方向b2移動する過程で、ブレード18は左側の上下一対の案内ブロック31a、31bと左側の上下一対の摺接部材32a、32bの相互作用によりさらに透明板20や仕切壁17から離れるように図3中の下方へ漸次に移動され、このとき左側のスクレーパ33はブレード18の前面h1を押してブレード18をその曲がり度合いを弾性限度内で増大させるように屈曲させつつブレード18の前面h1上を先端まで相対移動し、この移動過程でブレード18の前面h1に付着した付着物を掻き落とすように作用し、さらにブレード18が左方向b1移動したときブレード18は左側のスクレーパ33から離れ自由状態となって自身の弾性で平面状に復帰し、やがて図4Cに示すように最左方位置に到達し、該最左方位置では左側の上下一対の摺接部材32a、32bが左側の上下一対の案内ブロック31a、31bの傾斜案内面g、gで支持され、ブレード18は仕切壁17表面から最も大きく離れた状態となる。
【0036】
逆に、ブレード18が駆動手段19の作動により最左方位置から右方向b1へ移動されると、ブレード18は左側の上下一対の案内ブロック31a、31bと左側の上下一対の摺接部材32a、32bの相互作用により漸次に透明板20や仕切壁17に近づくように図3中の上方へ移動され、先ずその後面h2が図4Bに示すように左側のスクレーパ33に衝接し、さらにブレード18が右方向b1移動する過程で、ブレード18はさらに透明板20や仕切壁17に近づくように図3中の上方へ漸次に移動されるようになり、また左側のスクレーパ33はブレード18の後面h2を押してブレード18をその曲がり度合いを弾性限度内で増大させるように屈曲させつつブレード18の後面h2上をその先端まで相対移動し、ブレード18の後面h2に付着した付着物を掻き落とすように作用し、さらにブレード18が右方向b1移動したとき、ブレード18は左側のスクレーパ33から離れ自由状態となって自身の弾性で平面状に復帰し、ブレード18は透明板20の左端に到達して、左側の上下一対の摺接部材32a、32bが左側の上下一対の案内ブロック31a、31bから離れるものとなり、さらにブレード18が右方向b1移動されたとき、ブレード18は板バネ部材24の弾性で透明板20の表面に押しつけられた状態になる。
【0037】
ブレード18と左側のリフトアップ手段30と左側のスクレーパ33の関連作動は上述したとおりであるが、ブレード18と右側のリフトアップ手段30と右側のスクレーパ33の関連作動は上述の関連作動と対称的に行われるものとなる。
【0038】
また異色粒存在検出手段12は一対の撮像室10A、10Bのそれぞれの内方に設けられる撮像装置と機体の適宜箇所に設置される異色粒存在判別部34を備えている。各撮像室内の撮像装置はカメラ35、背景板36及び蛍光灯37などからなっており、一対の撮像室10A、10B内の各カメラ35は他側の撮像室内の背景板36を背景として流下樋2の下端から落下して飛行する粒状物w群を透過壁部17aを通じて撮像し、また一対の撮像室10A、10B内の蛍光灯37はこのように撮像する粒状物w群の前後を透過壁部17aを通じて照射するものであり、従って各カメラ35は粒状物wを透過した蛍光灯37の光と粒状物wで反射された蛍光灯37の光を受けるものとなる。異色粒存在判別部34はカメラ35で生成された撮像情報を伝達され該撮像情報から異色粒状物w1の存在を判別し、異色粒状物w1が存在すると判断したときに異色粒存在検出信号を発出するものである。
【0039】
また外力付与手段10は粒状物処理室9の内方で撮像室10A、10Bの下側に配設された空気噴射ノズル38と、該ノズル38に圧縮空気源27から圧縮空気を供給する空気供給ライン28bと、該ライン28bの途中に設けられる電磁開閉弁39と、該電磁開閉弁39を開閉制御するための弁開閉制御部40とを備えている。
【0040】
異色粒存在判別部34から異色粒存在検出信号が発出されると、弁開閉制御部40が該異色粒存在検出信号に関連して電磁開閉弁39の電磁コイルに通電し、該電磁開閉弁39を瞬間的に開放させるのであり、これにより圧縮空気源27の圧縮空気が空気供給ライン28b及び電磁開閉弁39を通じて空気噴射ノズル38に供給され、該空気噴射ノズル38は異色粒存在検出手段12の検出した異色粒状物w1に向けて圧縮空気を噴射する。
【0041】
該噴射により生成された空気流は流下樋2の下端から落下して飛行する粒状物w群中の異色粒状物w1及びこれの近傍の正常な粒状物wを上側へ撥ね飛ばし、このように撥ね飛ばされた異色粒状物w1などは上側飛行軌跡a2を経て不良品収容部4b内に落下し、それ以外の粒状物wは通常飛行軌跡a1を経て良品収容部内に落下する。なお、良品収容部4a内の粒状物wは良品タンク102内に移送され、また不良品収容部4b内の異色粒状物w1などは不良品タンク103内に移送される。
【0042】
さらに換気手段14は下部ケーシング15bの上部に形成された給風窓j1と、下部ケーシング15bの下部に形成された排風口j2と、該排風口j2から排風管41を通じて粒状物処理室9内の空気などを大気側へ流動させる排風機42とからなっている。
【0043】
次に清掃機能付仕切壁装置11の使用例及び作用を説明する。
色彩選別機で粒状物wを色彩選別しているときは、ブレード18はその左右方向bの移動範囲の最左方位置又は最右方位置に位置させる。この状態では、ブレード18は、仕切壁17と直交する方向から見たとき、透光壁部17aの表面範囲の外方に位置した状態となるから、カメラ35、35で透光壁部17aを通じ粒状物処理室9内の粒状物w群を撮像するときの障害となることがなくなり、また蛍光灯37の光が透光壁部17aを通じてブレード18を直射する状態とならないためブレード18が蛍光灯37から発せられる紫外線で劣化されることが防止されるのであり、またブレード18は透明板20や仕切壁17から離れて自由状態となるため、内部応力の生じ難い状態となってその材料の力学的損耗が防止されるのである。
【0044】
また色彩選別機で処理する粒状物wが籾摺機で脱ぷされた直後の玄米であるときは、粒状物処理室9内には玄米と一緒に多くの糠が入り込むのであり、このように入り込んだ糠は換気手段14で外方へ排出されるが、一部の糠は透光壁部17aの粒状物処理室9側の表面に付着し時間の経過と共に堆積していくのである。しかし、各撮像室10A、10B内は清掃機能付仕切壁装置11及びケーシング16で囲まれているため、糠などの塵埃が侵入することはなく清浄な状態に維持される。
【0045】
糠が透光壁部17aに一定程度を越えて付着したり堆積すると、透光壁部17aの透過性能が低下して、撮像室10A、10B内の蛍光灯37の光が粒状物処理室9内の粒状物w群を充分に照らさなくなる上に、粒状物w群からの光がカメラ35、35に到達し難くなるため、カメラ35、35による撮像が高感度状態で行われないようなり、異色粒状物w1の選別除去が的確に行われなくなる。
【0046】
そこで、該堆積が一定程度を越える前に、駆動手段19を作動させるのである。該駆動手段19を作動させるときは、色彩選別機のフィーダ1から流下樋2への玄米wの供給は停止させた状態とする。
【0047】
該停止状態の下で、駆動手段19を作動させるのであり、いま電磁方向切換弁25が非通電状態であるとすると、ブレード18は最左方位置に位置されて停止されており、駆動手段19の作動を開始させる時に、非通電状態の電磁方向切換弁25を図示しない制御装置のスイッチを操作して通電状態となす。これにより、ブレード18はロッドレスシリンダ21で右方向b1へ移動され、透明板20上に到達する前にブレード18の後面h2に付着した糠などをスクレーパ33で掻き取られ、透明板20上では透明板20の表面に押しつけられた状態で移動し、該移動中にこれに付着した糠などを後面h2で押して剥離させ右側へ掃き寄せるように除去するのであり、一方では掃除用空気噴射ノズル29から空気が噴射され、透明板20から剥離された糠などを透明板20の外方へ吹き落とすのであり、従って透明板20表面は綺麗に掃除される。なお、このように吹き落とされた糠などは粒状物処理室9内の下部に落下し換気装置14で外方へ排出される。
【0048】
ブレード18が透明板20表面の右端に達したとき、ブレード18の後面h2先端部には掻き寄せた糠などが付着した状態となるが、さらにブレード18が右方向b1へ移動されることにより、右側のスクレーパ33がブレード18の後面h2に付着した糠などを掻き取って除去する。右側のスクレーパ33の掻き取った糠などは該スクレーパ33の近傍に落下するが、透光壁部17aよりも右側に落下するため透光壁部17a上に直接には落下せず透光壁部17aの透光性能を損ねることはないのであり、また掃除用空気噴射ノズル29から噴射される空気により仕切壁17表面から吹き落とされるため仕切壁17表面上にて糠などの堆積が過度に進行することはないのである。なお、左右のスクレーパ33が仕切壁17から離れていることはスクレーパ33で掻き取られた糠などを空気で吹き飛ばす上で有益となる。
【0049】
ブレード18が最右方位置に到達した後は、電磁方向切換弁25を図示しない制御装置の自動的な作動により再び非通電状態となすのであり、これによりブレード18はロッドレスシリンダ21で左方向b2へ移動されるのであり、透明板20上に到達する前に右側のスクレーパ33がブレード18の前面h1に付着した糠などを掻き落とし、透明板20上ではブレード18は透明板20表面に押しつけられた状態で移動し、該移動中に透明板20に付着した糠などをその前面h1で押して剥離させ左側へ掃き寄せるように除去するのであり、一方では掃除用空気噴射ノズル29から空気が噴射され、透明板20から剥離された糠などを透明板20表面の外方へ吹き落とすのであり、従って透明板20表面は綺麗に掃除される。
【0050】
ブレード18が透明板20の左端に達したとき、ブレード18の前面h1には掻き寄せた糠などが付着した状態となるが、さらにブレード18が左方向b2へ移動されることにより、左側のスクレーパ33がブレード18の前面h1に付着した糠などを掻き取って除去する。左側のスクレーパ33の掻き取った糠などは該スクレーパ33の近傍に落下するが、右側のスクレーパ33の場合と同様に、透光壁部17a上に直接に落下しないため透光壁部17aの透光性能を損ねることはなく、また掃除用空気噴射ノズル29から噴射される空気で仕切壁17表面から吹き落とされるため仕切壁17表面にて糠などの堆積が過度に進行することはないのである。
【0051】
こうしてブレード18が最左方位置に到達したとき、適宜なストッパによる規制作用によりブレード18のさらなる左方向への移動が規制されて停止され、次の作動に備える。このときロッドレスシリンダ21のピストンは空気圧で左側へ押された状態を維持され、ブレード18は最左方位置に安定的に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る清掃機能付仕切壁17装置を備えた粒状物色彩選別機を示す側面図である。
【図2】前記清掃機能付仕切壁17装置を示す斜視図である。
【図3】前記清掃機能付仕切壁17装置の一部を示す断面図である。
【図4】前記清掃機能付仕切壁17装置の作動説明図である。
【符号の説明】
【0053】
11 清掃機能付仕切壁装置
17 仕切壁
17a 透光壁部
18 ブレード
19 駆動手段(ブレード駆動案内手段)
30 リフトアップ手段(ブレード駆動案内手段)
33 スクレーパ
h1 ブレードの前面
h2 ブレードの後面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部を透光壁部となされた仕切壁と、該透光壁部の一側に位置された弾性変形可能なブレードと、該ブレードを前記透光壁部の一側の表面に押しつけた状態で該表面に沿って特定軌跡上を往復移動させる駆動手段とを備えた清掃機能付仕切壁装置において、前記ブレードを前記表面と直交する方向から見たときに前記透孔壁部の領域の外方となる位置でしかも前記透孔壁部及び前記仕切壁から特定距離だけ離反させた位置に移動させて停止させるものとしたブレード駆動案内手段を形成したことを特徴とする清掃機能付仕切壁装置。
【請求項2】
一部を透光壁部となされた仕切壁と、該透光壁部の一側に位置された弾性変形可能なブレードと、該ブレードを前記透光壁部の一側の表面に押しつけた状態で該表面に沿って特定軌跡上を往復移動させる駆動手段とを備えた清掃機能付仕切壁装置において、前記ブレードの前面及び後面に付着した付着物を特定位置で掻き落とすものとしたスクレーパを装設したことを特徴とする清掃機能付仕切壁装置。
【請求項3】
一部を透光壁部となされた仕切壁と、該透光壁部の一側に位置された弾性変形可能なブレードと、該ブレードを前記透光壁部の一側の表面に押しつけた状態で該表面に沿って特定軌跡上を往復移動させる駆動手段とを備えた清掃機能付仕切壁装置において、前記仕切壁をこれの表面と直交する方向から見たときに前記ブレードを前記透孔壁部の領域の外方となる位置でしかも前記透孔壁部及び前記仕切壁から特定距離だけ離反させた位置に移動させるためのブレード駆動案内手段を設けると共に、前記した透孔壁部の領域の外方となる位置で、前記ブレードの前面及び後面に付着した付着物を掻き落とすものとしたスクレーパを装設したことを特徴とする清掃機能付仕切壁装置。
【請求項4】
前記ブレードが前記透光壁部の一端近傍から他端近傍までの間で往復変位されると共に、前記スクレーパが前記一端近傍と前記他端近傍のそれぞれに装設されていることを特徴とする請求項2又は3記載の清掃機能付仕切壁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−198538(P2006−198538A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−13804(P2005−13804)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【Fターム(参考)】