説明

清掃用シート

【課題】ゴミをかき出して絡め取ることができるとともに、ゴミをふき取って捕捉しておくことができる清掃用シートを提供する。
【解決手段】掃除具100に装着される清掃用シート1において、第1基材シート11と、第1基材シート11の上面に配置された第2基材シート12と、第1基材シート11と第2基材シート12との間に配置された伸縮部材13,…と、を備え、第1基材シート11の非接合部分には、伸縮部材13の伸縮方向に略直交する方向に沿って、複数のスリットが設けられて刷毛部集合体A(モップ)が形成されており、伸縮部材13は、接合領域R1に配置され、伸長した状態で固定されており、接合領域R1の表面は、伸長した状態の伸縮部材13を元の状態に復元させる当該伸縮部材13の復元力によって、伸縮部材13の伸縮方向に沿って波状(凹凸状)になっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、掃除具に取り替え自在に装着されて使用される清掃用シートが知られている。
このような清掃用シートとしては、例えば、シートを貼り合わせて貼り合わせ部を設け、当該貼り合わせ部の内側に挿入空間を有し、当該貼り合わせ部の外側に非貼り合わせ部を有する扁平な袋状に形成し、当該挿入空間への挿入口を有する清掃用シートにおいて、清掃具本体の柄の先端部に備えられた清掃用シート装着用のヘッド部が上記挿入空間に挿入されることにより、当該清掃具本体に装着され、前記非貼り合わせ部が短冊状にカットされている清掃用シート(例えば、特許文献1参照)のように、清掃面の周囲に広がるモップ状の清掃用シートが知られている。
また、例えば、伸縮自在な伸縮シートに、繊維層が重ねられて、前記繊維層で形成された多数のループ部が清掃面に設けられており、前記ループ部は、前記伸縮シートを伸長させた状態で前記繊維層と前記伸縮シートとを前記繊維層の繊維の延びる方向に間隔を空けて接合した後に、前記伸縮シートを自らの弾性復元力で収縮させることにより形成された清掃用シート(例えば、特許文献2参照)のように、清掃面が凹凸状の清掃用シートが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3047727号公報
【特許文献2】特開2005−261515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の清掃用シートは、清掃面の周囲に広がるモップ状であり、隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面などにフィットし易いため、ゴミをかき出して、繊維状のゴミを絡めて捕捉しておくことはできるものの、特に粉末状のゴミを捕捉しておくことができ難い。
また、特許文献2記載の清掃用シートは、清掃面が凹凸状であるため、当該清掃面でゴミをふき取って捕捉しておくことはできるものの、隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面などにあるゴミをかき出すことができ難い。
【0005】
本発明の課題は、ゴミをかき出して絡め取ることができるとともに、ゴミをふき取って捕捉しておくことができる清掃用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
掃除具に装着される清掃用シートにおいて、
第1基材シートと、
前記第1基材シートの上面に配置された第2基材シートと、
前記第1基材シートと前記第2基材シートとの間に、所定の一方向に沿って伸縮自在に配置された伸縮部材と、
を備え、
前記伸縮部材の伸縮方向に直交する方向の両端部に、前記第1基材シート及び前記第2基材シートが互いに接合されていない非接合領域と、当該非接合領域同士の間に、前記第1基材シート及び前記第2基材シートが互いに接合された接合領域と、を有しており、
前記非接合領域を構成する前記第1基材シートの非接合部分には、前記伸縮方向に略直交する方向に沿って、複数のスリットが設けられており、
前記伸縮部材は、前記接合領域に配置され、伸長した状態で前記第1基材シート及び前記第2基材シートのうちの少なくとも何れか一方に固定されており、
前記接合領域を構成する前記第1基材シートの接合部分及び前記第2基材シートの接合部分は、伸長した状態の前記伸縮部材を元の状態に復元させる当該伸縮部材の復元力によって、前記伸縮方向に沿って波状になっていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記非接合領域を構成する前記第2基材シートの非接合部分には、前記伸縮方向に略直交する方向に沿って、複数のスリットが設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の清掃用シートにおいて、
前記第2基材シートの上面に、或いは、前記第1基材シートと前記第2基材シートとの間に配置された第3基材シートを備え、
前記第3基材シートは、前記接合領域では、前記第1基材シート及び/又は前記第2基材シートに接合されているとともに、前記非接合領域では、前記第1基材シート及び前記第2基材シートに接合されていないことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記第1基材シートは、前記非接合領域を構成する非接合部分の剛性と、前記接合領域を構成する接合部分の剛性と、が異なることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、
請求項2又は3に記載の清掃用シートにおいて、
前記第1基材シート及び前記第2基材シートのうちの少なくとも何れか一方は、前記非接合領域を構成する非接合部分の剛性と、前記接合領域を構成する接合部分の剛性と、が異なることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5の何れか一項に記載の清掃用シートにおいて、
前記接合領域を構成する前記第1基材シートの接合部分の下面に設けられ、ゴミを粘着捕集するための粘着部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6の何れか一項に記載の清掃用シートにおいて、
当該清掃用シートは、前記掃除具に装着された際に当該掃除具に設けられた係止部に係止されることによって、当該掃除具に固定されるようになっており、
前記第1基材シート及び前記第2基材シートのうちの少なくとも何れか一方は、前記非接合領域を構成する非接合部分における前記係止部に係止可能な位置に、当該係止部に係止可能な幅の被係止部を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、
請求項1〜7の何れか一項に記載の清掃用シートにおいて、
前記第1基材シートが有する清掃機能と、前記第2基材シートが有する清掃機能と、が異なることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、
請求項1〜8の何れか一項に記載の清掃用シートにおいて、
前記第2基材シートの上面に、或いは、前記第1基材シートと前記第2基材シートとの間に配置された第3基材シートを備え、
前記第3基材シートは、前記接合領域では、前記第1基材シート及び/又は前記第2基材シートに接合されているとともに、前記非接合領域では、前記第1基材シート及び前記第2基材シートに接合されておらず、
前記接合領域では、前記第1基材シートと前記第2基材シートとの間に、或いは、前記第2基材シートと前記第3基材シートとの間に所定の収容物を収容する収容部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、
請求項9に記載の清掃用シートにおいて、
前記収容部に着脱自在に配置され、所定の薬液を染み出させる薬液供給体及び/又は所定の液を吸収する液吸収体を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、清掃用シートは、第1基材シートに設けられた複数のスリットによってモップ状になっているため、ゴミをかき出して絡め取ることができるとともに、接合領域の表面が凹凸状になっているため、ゴミをふき取って捕捉しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態の清掃用シートの一例を示す図であって、上面斜視図を示す図(a)と、下面斜視図を示す図(b)と、である。
【図2】図1の清掃用シートをフロアモップ用の掃除具に装着した状態の一例を示す図である。
【図3】図1の清掃用シートの製造方法の一例を説明するための図である。
【図4】第2の実施の形態の清掃用シートの一例を示す下面斜視図である。
【図5】第3及び第4の実施の形態の清掃用シートの一例を示す上面斜視図である。
【図6】第5の実施の形態の清掃用シートの一例を示す上面斜視図である。
【図7】図6の清掃用シートをハンディーモップ用の掃除具に装着した状態の一例を示す図である。
【図8】第6の実施の形態の清掃用シートの一例を示す上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
本発明に係る清掃用シートは、掃除具に装着して用いる取り替え式の清掃用シートである。
なお、以下の説明では、清掃用シートにおいて、長手方向一端側を左側、他端側を右側とし、短手方向一端側を前側、他端側を後側とし、掃除具100に装着された際に掃除具100と接する側を上側、掃除具100と接する側の反対側を下側とする。
【0019】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態の清掃用シート1について説明する。
【0020】
清掃用シート1は、例えば、図1及び図2に示すように、長方形状の第1基材シート11と、第1基材シート11の上面に配置され、第1基材シート11と同一サイズの第2基材シート12と、第1基材シート11と第2基材シート12との間に、所定の一方向である第1基材シート11及び第2基材シート12の長手方向(左右方向)に沿って伸縮自在に配置された紐状の伸縮部材13,…と、を備えて構成される。
そして、清掃用シート1は、例えば、図1に示すように、伸縮部材13の伸縮方向(左右方向)に直交する方向(前後方向)の両端部に、第1基材シート11及び第2基材シート12が互いに接合されていない非接合領域R2,R2と、当該非接合領域R2,R2同士の間に、第1基材シート11及び第2基材シート12が互いに接合された接合領域R1と、を有している。
【0021】
非接合領域R2,R2を構成する第1基材シート11の非接合部分には、伸縮部材13の伸縮方向に直交する方向(前後方向)に沿って、略等間隔に複数のスリットが設けられている。これにより、複数の短冊状の刷毛部が集合してなる刷毛部集合体A,Aが形成されて、モップ状になっているため、清掃用シート1は、当該刷毛部集合体Aでゴミをかき出して絡め取ることができる。
ここで、接合領域R1の短手方向の長さは、清掃用シート1の短手方向の長さに対して50%〜70%となるよう設定されていることが好ましい。すなわち、接合領域R1の短手方向の長さをL1とし、非接合領域R2の短手方向の長さをL2とすると、L1及びL2は、0.5≦L1/(L2+L1+L2)≦0.7となるよう設定されていることが好ましい。これにより、一方の刷毛部集合体Aを構成する刷毛部と、他方の刷毛部集合体Aを構成する刷毛部と、が絡まり難くなるとともに、刷毛部の長さが、効率よくゴミをかき出して絡め取ることができる程度の十分なものとなる。
【0022】
伸縮部材13は、接合領域R1に配置され、伸長した状態で第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの少なくとも何れか一方に固定されている。そのため、伸長した状態の伸縮部材13を元の状態に復元させる当該伸縮部材13の復元力によって、接合領域R1を構成する第1基材シート11の接合部分及び第2基材シート12の接合部分は、伸縮部材13の伸縮方向(左右方向)に沿って波状になっており、接合領域R1の長手方向の長さは縮小されている。
具体的には、伸縮部材13は、例えば、元の状態での長さの110%〜200%になるように伸長された状態で、第1基材シート11及び/又は第2基材シート12に固定されている。したがって、伸縮部材13の復元力によって、接合領域R1の長手方向の長さは、元の状態の長さの約50%〜約90%に縮小される。これにより、接合領域R1の表面(上面及び下面)は凹凸状になっているため、清掃用シート1は、凸部でゴミや汚れをふき取って、凹部で捕捉しておくことができる。
【0023】
また、第1基材シート11と第2基材シート12とが互いに接合された接合領域R1と、互いに接合されていない非接合領域R2,R2と、では剛性(コシ)が異なり、さらに、伸縮部材13の復元力による接合領域R1の長手方向の長さの縮小に伴って、刷毛部集合体Aを構成する刷毛部同士が互いに重なり合っている。これにより、刷毛部が基端部で起立してランダムな方向に広がり、刷毛部集合体Aが上下方向及び左右方向に扇状に広がった形状になるため、清掃用シート1は、当該刷毛部集合体Aで広範囲を清掃することができる。
【0024】
清掃用シート1は、例えば、図2に示すように、略板状の掃除具100の下面を覆うように装着されて使用される。
掃除具100には、当該掃除具100を操作するためにユーザが握る把持棒110が連結されており、掃除具100の上面には、清掃用シート1を装着するための係止部100aが4つ設けられている。そして、掃除具100の下面は、その形状が長辺及び短辺を有する矩形状となっている。
【0025】
清掃用シート1は、掃除具100に装着される際、接合領域R1が掃除具100の下面側に配置される。そして、非接合領域R2,R2を構成する第2基材シート12の非接合部分が、上側に折り返されて掃除具100の係止部100a,…に係止されることによって、掃除具100に固定されるようになっている。
また、清掃用シート1が掃除具100に装着された際、非接合領域R2,R2を構成する第1基材シート11の非接合部分(刷毛部集合体A,A)は、掃除具100の端部(主に短手方向両端部)からはみ出している。これにより、掃除具100が入り込めない隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面などに刷毛部集合体Aがフィットして効率よく清掃できるようになっている。
【0026】
第1基材シート11及び第2基材シート12の形態としては、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体を適宜任意に用いることができ、特に不織布が適する。不織布としては、所定の繊維を繊維素材として、スパンレース、エアスルー、エアレイド、ポイントボンド、スパンボンド、ニードルパンチ等の周知の技術により製造される不織布が挙げられる。
なお、第1基材シート11の形態と第2基材シート12の形態とは、同一であっても良いし、異なっていても良い。
また、第1基材シート11において、非接合領域R2,R2を構成する非接合部分の形態と接合領域R1を構成する接合部分の形態とは、同一であっても良いし、異なっていても良い。第2基材シート12についても同様である。
【0027】
また、第1基材シート11及び第2基材シート12の材質としては、合成繊維や再生繊維、天然繊維などの所定の繊維、合成樹脂や天然繊維などの所定の樹脂等、或いはこれらの複合体を適宜任意に用いることができ、具体的には、シルクやウール、アクリル、ナイロンなどの帯電しやすいもの、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用性や溶融性に優れるもの、セルロース(レーヨンやパルプ、コットンなど)などの吸油性や吸水性に優れるもの、ゴム状高分子(消しゴム)やメラミンスポンジなどの摩擦力により汚れを擦り取るもの等が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、第1基材シート11の材質と第2基材シート12の材質とは、同一であっても良いし、異なっていても良い。
また、第1基材シート11において、非接合領域R2,R2を構成する非接合部分の材質と接合領域R1を構成する接合部分の材質とは、同一であっても良いし、異なっていても良い。第2基材シート12についても同様である。
【0028】
ここで、第1基材シート11は、非接合領域R2,R2を構成する非接合部分と、接合領域R1を構成する接合部分と、で剛性(コシ)が異なるよう形成されている。
具体的には、第1基材シート11は、非接合部分及び接合部分のうちの何れか一方が、何れか他方よりも高剛性となるよう(コシが強くなるよう)形成されている。これにより、刷毛部集合体Aを構成する刷毛部が基端部で起立し易くなっている。
【0029】
さらに、第1基材シート11は、表面の硬さが汚れの擦り取りに適したものになるよう、印刷等によって所定の溶剤を塗布する、一部の繊維(例えば、表面にある繊維)を溶融する等の加工が施されていても良い。
また、第1基材シート11は、所定の薬液を含浸させる等の加工が施されていても良い。ここで、所定の薬液とは、例えば、水(精製水)に所定の薬剤を添加したものであり、シミ汚れやこびりつき汚れをふやかすことができるものが好ましい。所定の薬剤としては、洗剤、除菌剤、防虫剤、防腐剤、芳香剤、消臭剤、香料等が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、所定の薬液は、被清掃面に塗布するための所定の成分(ワックス掛け用の油状成分(艶出し剤やコーティング剤など)等)などであっても良い。
また、第1基材シート11は、埃等のゴミを引っ掛けることができるよう、パイルループを形成する等の加工が施されていても良い。
なお、これらの加工は、第2基材シート12に施されていても良い。
【0030】
また、第1基材シート11は、非接合部分の親水性度が、基端側ほど高くなるよう形成されていても良い。これにより、被清掃面にこぼれた水等の液状汚れを拭き取る際、拭き取られた液状汚れは、刷毛部の先端から基端へと移行するため、液状汚れが刷毛部の先端から基端へと吸い上げられ、先端に液状汚れが残り難く、効率よく液状汚れを拭き取ることができる。
さらに、第1基材シート11は、非接合部分の繊維密度が、基端側ほど高くなるよう形成されていても良い。これにより、毛細管現象が作用して、刷毛部の先端から基端への液状汚れの吸い上げ効率が向上する。
なお、親水性度の勾配及び繊維密度の勾配は両方つける必要はなく、何れか一方だけをつけても良い。
また、親水性度や繊維密度の勾配を、第2基材シート12につけるようにしても良い。
【0031】
伸縮部材13は、例えば当該伸縮部材13の元の長さの110%以上となるよう伸長された際に、ほぼ元の長さまで自身の復元力で戻ることができるものであれば任意である。
伸縮部材13の材質としては、天然ゴムや合成ゴムなどの所定のゴム等を適宜任意に用いることができ、具体的には、ラテックスゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、シリコンゴム、オレフィンゴム等が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、伸縮部材13の材質は、ウレタン系高分子等の高分子であっても良い。
なお、伸縮部材13は、紐状に形成されたものに限ることはなく、例えば、帯状に形成されたものであっても良い。
【0032】
<清掃用シートの製造方法>
次に、第1の実施の形態の清掃用シート1の製造方法について説明する。
まず、第1基材シート11の接合部分の上面と第2基材シート12の接合部分の下面とに、ホットメルト等の所定の接着剤を塗布する。
次いで、例えば、図3の上図に示すように、元の状態での長さの110%〜200%になるよう伸長された伸縮部材13,…を、第1基材シート11の接合部分の上面と第2基材シート12の接合部分の下面とで挟んで、第1基材シート11及び第2基材シート12に固定する。
次いで、例えば、図3の下図に示すように、伸縮部材13,…が固定された第1基材シート11及び第2基材シート12の長手方向両端を引っ張った状態で、スリッターやカッターを用いて、第1基材シート11に複数のスリットを入れ、そして、所定の長さに切断することによって、例えば、図1に示すような清掃用シート1を製造する。
【0033】
なお、上記した清掃用シート1の製造方法は、一例であって、これに限られるものではない。
具体的には、例えば、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方のみに所定の接着剤を塗布しても良い。この場合、伸縮部材13,…は、主に所定の接着剤が塗布された側に固定される。
また、例えば、伸縮部材13が配置される部分に条状の隙間が形成されるよう、第1基材シート11の接合部分と第2基材シート12の接合部分とを所定の接合手段で接合し、当該隙間の一端(左端(又は右端))から他端(右端(又は左端))へと伸縮部材13を通して伸長させた状態で、当該伸縮部材13の少なくとも両端を所定の接合手段で第1基材シート及び/又は第2基材シート12に固定するようにしても良い。ここで、所定の接合手段としては、ホットメルト、ヒートシール、超音波シール等が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、例えば、第1基材シート11及び/又は第2基材シート12に所定の接着剤を塗布するようにしたが、これに限ることはなく、伸縮部材13,…に所定の接着剤を塗布しても良い。
また、例えば、伸縮部材13,…を固定した後にスリットを入れるようにしたが、これに限ることはなく、スリットを入れた後に伸縮部材13,…を固定するようにしても良い。
【0034】
<清掃用シートの使用方法>
次に、清掃用シート1の使用方法について説明する。
【0035】
まず、清掃用シート1を掃除具100に装着する。
具体的には、掃除具100の下面に接合領域R1の上面をあてがって、掃除具100の側面(短手方向両側面)に沿って第2基材シート12の非接合部分を上側に折り返す。そして、当該非接合部分の自由端部を掃除具100の上面に設けられている4つの係止部100aに挟み込む等して係止させることにより、例えば、図2に示すように、清掃用シート1を掃除具100に装着する。
そして、ユーザは、清掃用シート1が装着された掃除具100の把持棒110を握り、清掃用シート1で被清掃面を拭き掃除する。
この際、清掃用シート1は、刷毛部集合体A(モップ)でゴミをかき出して絡め取ることができるとともに、接合領域R1の下面(凹凸面)で、ゴミや汚れをふき取って捕捉しておくことができる。
【0036】
ここで、清掃用シート1においては、刷毛部集合体Aの厚みによって、刷毛部集合体Aと、接合領域R1の表面(下面)と、に段差が生じている。
そのため、ユーザによる把持棒110の操作等によって、清掃用シート1が被清掃面に軽く押し付けられると、刷毛部集合体Aのみが被清掃面に接触して、接合領域R1の下面(第1基材シート11の接合部分)は被清掃面に接触しない。したがって、刷毛部集合体Aのみで清掃することができる。
一方、ユーザによる把持棒110の操作等によって、清掃用シート1が被清掃面に強く押し付けられると、接合領域R1の下面も被清掃面に接触する。したがって、例えば、固形物のこびりつき汚れや、砂埃等の刷毛部に絡み難いゴミなどがある場合には、清掃用シート1を被清掃面に強く押し付けることによって、これらの汚れやゴミを接合領域R1の表面で除去することができる。
すなわち、清掃用シート1は、把持棒110の操作の仕方等によって、清掃中に、刷毛部集合体A(モップ)と接合領域R1の表面(凹凸面)とを使い分けることができるため、多彩な清掃を行うことができ、好適である。
【0037】
以上説明した第1の実施の形態における清掃用シート1によれば、第1基材シート11と、第1基材シート11の上面に配置された第2基材シート12と、第1基材シート11と第2基材シート12との間に、所定の一方向に沿って伸縮自在に配置された伸縮部材13と、を備え、伸縮部材13の伸縮方向に直交する方向の両端部に、第1基材シート11及び第2基材シート12が互いに接合されていない非接合領域R2,R2と、当該非接合領域R2,R2同士の間に、第1基材シート11及び第2基材シート12が互いに接合された接合領域R1と、を有しており、非接合領域R2,R2を構成する第1基材シート11の非接合部分には、伸縮部材13の伸縮方向に直交する方向に沿って、複数のスリットが設けられており、伸縮部材13は、接合領域R1に配置され、伸長した状態で第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの少なくとも何れか一方に固定されており、接合領域R1を構成する第1基材シート11の接合部分及び第2基材シート12の接合部分は、伸長した状態の伸縮部材13を元の状態に復元させる当該伸縮部材13の復元力によって、伸縮部材13の伸縮方向に沿って波状になっている。
したがって、清掃用シート1は、第1基材シート11に設けられた複数のスリットによってモップ状になっているため、ゴミをかき出して絡め取ることができるとともに、接合領域R1の表面が凹凸状になっているため、ゴミをふき取って捕捉しておくことができる。
また、接合領域R1の表面が凹凸状になっており、被清掃面との接触面積が少ないため、被清掃面に貼り付き難く、滑らせ易い。
また、接合領域R1が伸縮可能であり、例えば、掃除具100のサイズ合わせて接合領域R1を伸縮させることができるため、掃除具100が汚れ難い。
【0038】
また、以上説明した第1の実施の形態における清掃用シート1によれば、第1基材シート11は、非接合部分と接合部分とで剛性が異なる。具体的には、第1基材シート11は、非接合部分及び接合部分のうちの何れか一方が、何れか他方よりも高剛性である。
したがって、刷毛部が基端部で起立し易くなっているため、刷毛部集合体Aが上下方向及び左右方向に扇状に広がった形状になり易く、当該刷毛部集合体Aで広範囲を清掃することができる。
【0039】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態の清掃用シート2について説明する。
なお、第2の実施の形態の清掃用シート2は、粘着部14を備えている点が、第1の実施の形態の清掃用シート1と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0040】
清掃用シート2は、例えば、図4に示すように、複数のスリットが設けられた第1基材シート11と、スリットが設けられていない第2基材シート12と、第1基材シート11及び第2基材シート12の間に配置された伸縮部材13,…と、接合領域R1に設けられた粘着部14と、を備えて構成され、非接合領域R2,R2と、接合領域R1と、を有している。
【0041】
粘着部14は、例えば、接合領域R1を構成する第1基材シート11の接合部分の下面に設けられた粘着シートである。
粘着シートとしては、ゴミ粘着捕集性を有する粘着剤(ゴム状の性質を持つ物質を含む)により形成されたものであれば任意であり、例えば、ホットメルト粘着剤等の公知の粘着剤により形成することができる。
【0042】
以上説明した第2の実施の形態の清掃用シート2によれば、第1基材シート11の接合部分の下面に設けられ、ゴミを粘着捕集するための粘着部14を備えている。
したがって、髪の毛や綿埃などの刷毛部に絡みやすいゴミを、刷毛部集合体Aで絡め取って除去することができるとともに、砂埃等の刷毛部に絡みにくいゴミを、刷毛部集合体Aで掻き集めて、接合領域R1の下面(粘着部14)に付着させて除去することができる。
【0043】
ここで、清掃用シート2においては、刷毛部集合体Aの厚みによって、刷毛部集合体Aと、接合領域R1の下面(粘着部14)と、に段差が生じている。
そのため、ユーザによる把持棒110の操作等によって、清掃用シート2が被清掃面に軽く押し付けられると、刷毛部集合体Aのみが被清掃面に接触して、粘着部14は被清掃面に接触しない。したがって、粘着部14が被清掃面に粘着することなく、スムーズに拭き掃除することができる。
一方、ユーザによる把持棒110の操作等によって、清掃用シート2が被清掃面に強く押し付けられると、粘着部14も被清掃面に接触する。したがって、例えば、刷毛部集合体Aにより捕集できないゴミ(刷毛部に絡みにくいゴミ等)が被清掃面上にある場合は、清掃用シート2を被清掃面に強く押し付けて、粘着部14に当該ゴミを付着させることによって、当該ゴミを捕集することができる。
すなわち、清掃用シート2は、把持棒110の操作の仕方等によって、清掃中に、刷毛部に絡みやすいゴミ用の清掃用シートと、刷毛部に絡みにくいゴミ用の清掃用シートと、に切替自在であり、刷毛部集合体Aと粘着部14とを使い分けることができるため、多彩な清掃を行うことができ、好適である。
【0044】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態の清掃用シート3について説明する。
なお、第3の実施の形態の清掃用シート3は、第2基材シート12にもスリットが設けられている点が、第1の実施の形態の清掃用シート1と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0045】
清掃用シート3は、例えば、図5に示すように、複数のスリットが設けられた第1基材シート11と、複数のスリットが設けられた第2基材シート12と、第1基材シート11及び第2基材シート12の間に配置された伸縮部材13,…と、を備えて構成され、非接合領域R2,R2と、接合領域R1と、を有している。
【0046】
第1基材シート11の非接合部分には、前後方向に沿って、複数のスリットが設けられているとともに、第2基材シート12の非接合部分には、前後方向に沿って、複数のスリットが設けられている。
これにより、複数の短冊状の刷毛部が集合してなる刷毛部集合体A,Aが形成されて、モップ状になっているため、清掃用シート3は、当該刷毛部集合体Aでゴミをかき出して絡め取ることができる。
また、第2基材シート12にもスリットを設けて刷毛部を形成してあるため、第1の実施の形態と第3の実施の形態とでスリットの間隔が同一である場合、第1の実施の形態の清掃用シート1と比較して、刷毛部集合体Aを構成する刷毛部の本数が多くなり、刷毛部集合体Aが上下方向及び左右方向に扇状に広がった形状になり易く、清掃用シート3は、当該刷毛部集合体Aでより広範囲を清掃することができる。
【0047】
ここで、第2基材シート12は、当該第2基材シート12の非接合部分における掃除具100の係止部100aに係止可能な位置に、当該係止部100aに係止可能な幅の被係止部Bを備えている。
すなわち、第1基材シート11の非接合部分には、全域に亘って略等間隔にスリットが設けられているのに対し、第2基材シート12の非接合部分には、掃除具100の係止部100aに係止可能な位置に、被係止部Bとしてスリットが設けられていない部分が設けられている。当該スリットが設けられていない部分(被係止部B)の幅は、掃除具100の係止部100aに係止可能な幅となるよう設定されており、当該被係止部Bは、清掃用シート3が掃除具100に装着される際、上側に折り返されて掃除具100の係止部100aに係止されるようになっている。
【0048】
また、第1基材シート11は、非接合部分と接合部分とで剛性が異なるよう形成されているとともに、第2基材シート12は、非接合部分と接合部分とで剛性が異なるよう形成されている。
具体的には、第1基材シート11は、非接合部分及び接合部分のうちの何れか一方が、何れか他方よりも高剛性となるよう形成されているとともに、第2基材シート12は、非接合部分及び接合部分のうちの何れか一方が、何れか他方よりも高剛性となるよう形成されている。これにより、刷毛部集合体Aを構成する刷毛部が基端部で起立し易くなっている。
【0049】
さらに、第1基材シート11及び/又は第2基材シート12は、表面の硬さが汚れの擦り取りに適したものになるよう、印刷等によって所定の溶剤を塗布する、一部の繊維を溶融する等の加工が施されていても良い。
また、第1基材シート11及び/又は第2基材シート12は、所定の薬液を含浸させる等の加工が施されていても良い。
また、第1基材シート11及び/又は第2基材シート12は、埃等のゴミを引っ掛けることができるよう、パイルループを形成する等の加工が施されていても良い。
【0050】
また、第1基材シート11及び/又は第2基材シート12は、非接合部分の親水性度が、基端側ほど高くなるよう形成されていても良い。
さらに、第1基材シート11及び/又は第2基材シート12は、非接合部分の繊維密度が、基端側ほど低くなるよう形成されていても良い。
なお、親水性度の勾配及び繊維密度の勾配は両方つける必要はなく、何れか一方だけをつけても良い。
【0051】
以上説明した第3の実施の形態における清掃用シート3によれば、第2基材シートの非接合部分には、伸縮部材13の伸縮方向に直交する方向に沿って、複数のスリットが設けられている。
したがって、第1基材シート11だけでなく第2基材シート12にもスリットが設けられているため、第1の実施の形態の清掃用シート1と比較して、刷毛部集合体Aを構成する刷毛部の本数が多く、刷毛部集合体Aが上下方向及び左右方向に扇状に広がった形状になり易いので、より広範囲を清掃することができる。
【0052】
また、以上説明した第3の実施の形態における清掃用シート3によれば、第2基材シート12は、非接合部分における掃除具100の係止部100aに係止可能な位置に、係止部100aに係止可能な幅の被係止部Bを備えている。
すなわち、第2基材シート12の非接合部分には、スリットが設けられていない部分(被係止部B)が設けられているため、掃除具100の係止部100aに係止し易く、好適である。
【0053】
また、以上説明した第3の実施の形態における清掃用シート3によれば、第1基材シート11及び第2基材シート12は、非接合部分と接合部分とで剛性が異なる。具体的には、第1基材シート11は、非接合部分及び接合部分のうちの何れか一方が、何れか他方よりも高剛性であるとともに、第2基材シート12は、非接合部分及び接合部分のうちの何れか一方が、何れか他方よりも高剛性である。
したがって、刷毛部が基端部で起立し易くなっているため、刷毛部集合体Aが上下方向及び左右方向に扇状に広がった形状になり易く、当該刷毛部集合体Aで広範囲を清掃することができる。
【0054】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態の清掃用シート4について説明する。
なお、第4の実施の形態の清掃用シート4は、第1基材シート11の清掃機能と第2基材シート12の清掃機能とが異なる点が、第3の実施の形態の清掃用シート3と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0055】
清掃用シート4は、例えば、図5に示すように、複数のスリットが設けられた第1基材シート11と、複数のスリット及び4つの被係止部Bが設けられた第2基材シート12と、第1基材シート11及び第2基材シート12の間に配置された伸縮部材13,…と、を備えて構成され、非接合領域R2,R2と、接合領域R1と、を有している。
【0056】
清掃用シート4においては、第1基材シート11が有する清掃機能と、第2基材シート12が有する清掃機能と、が異なる。
ここで、清掃機能とは、各種の汚れや用途に対して、有効な機能をいう。具体的には、汚れには、ゴミ等の固形状汚れ、水等の液状汚れ、シミ汚れ、こびりつき汚れ等があり、これらの汚れを除去するために有効な機能をいう。また、用途には、一般的な清掃用途の他、ワックス掛け、除菌等があり、これらの用途に有効な機能をいう。
【0057】
<第1の例>
具体的には、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、所定の成分を被清掃面に塗布する機能を有するシートであり、何れか他方は、被清掃面に塗布された当該所定の成分を拭き取る機能を有するシートである。
【0058】
ここで、所定の成分を被清掃面に塗布する機能を有するシートとは、例えば、被清掃面に塗布するための所定の成分が塗工された不織布である。被清掃面に塗布するための所定の成分としては、蝋やワックス状樹脂などの、ワックス掛け用の油状成分(艶出し剤やコーティング剤など)等が挙げられる。
また、被清掃面に塗布された所定の成分を拭き取る機能を有するシートとは、例えば、分割繊維や極細繊維が集合してなる不織布である。分割繊維や極細繊維は疎水性繊維であることが好ましく、疎水性繊維としては、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリビニルアルコールなどのポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ナイロンなどのポリアミド系繊維等が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0059】
なお、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、被清掃面に塗布するための所定の成分が塗工されたシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
また、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか他方は、被清掃面に塗布された所定の成分を拭き取る機能を有するシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
【0060】
以上説明した第1の例の清掃用シート4によれば、所定の成分の塗布と、当該所定の成分の拭き取りと、の両方を行うことができる。
ワックス成分等の所定の成分を用いて行う清掃の一般的な手順としては、所定の成分が付着した清掃用品で当該所定の成分を被清掃面に塗布し、その後、乾いた清掃用品で被清掃面に塗布された当該所定の成分を拭き取って、被清掃面を磨き上げることが多い。これに対し、第1の例の清掃用シート4では、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方(主に当該何れか一方により形成された刷毛部)で所定の成分を被清掃面に塗布しながら、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか他方(主に当該何れか他方により形成された刷毛部)で当該所定の成分を拭き取って、被清掃面を磨き上げることができ、所定の成分の塗布と、当該所定の成分の拭き取りと、を1枚の清掃用シートで行うことができるため、使い勝手が良い。
【0061】
<第2の例>
また、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、ゴミ(髪の毛や綿埃など)等の固形状汚れを絡め取る機能を有し、かつ、被清掃面が濡れていても当該機能が低下し難いシートであり、何れか他方は、水等の液状汚れを拭き取ることができるとともに、所定の液体(水や薬液など)を用いてふやけさせたシミ汚れやこびりつき汚れを擦り取って、当該汚れを当該所定の液体とともに取り去る機能を有するシートであっても良い。
【0062】
ここで、ゴミ等の固形状汚れを絡め取る機能を有し、かつ、被清掃面が濡れていても当該機能が低下し難いシートとは、例えば、撥水性を有する不織布である。撥水性を有する不織布としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの疎水性繊維が集合してなる不織布、撥水成分が塗工された所定の繊維が集合してなる不織布、所定の繊維が集合してなる不織布に撥水成分を塗工したもの等が挙げられる。
また、液状汚れを拭き取ることができるとともに、所定の液体を用いてふやけさせたシミ汚れやこびりつき汚れを擦り取って、当該汚れを当該所定の液体とともに取り去る機能を有するシートとは、例えば、液吸収性を有する不織布である。液吸収性を有する不織布は、例えば、親水性繊維が集合してなる不織布であり、親水性繊維としては、レーヨンやリヨセル、テンセル、コットンなどのセルロース系繊維等が挙げられる。
【0063】
なお、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、撥水性を有するシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
また、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか他方は、液吸収性を有するシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
【0064】
ここで、上記何れか他方(液吸収性を有するシート)には、薬液を予め含浸しておいても良い。薬液は、例えば、水(精製水)に所定の薬剤を添加したものであり、シミ汚れやこびりつき汚れをふやかすことができるものが好ましい。所定の薬剤としては、洗剤、除菌剤、防虫剤、防腐剤、芳香剤、消臭剤、香料等が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これにより、薬液を拭き取る手間だけでなく、被清掃面に薬液を塗布する手間も省くことができるため、使い勝手が良い。
【0065】
以上説明した第2の例の清掃用シート4によれば、乾拭きと、濡拭きと、の両方を行うことができる。
すなわち、第2の例の清掃用シート4では、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方(主に当該何れか一方により形成された刷毛部)で乾拭きを行いながら、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか他方(主に当該何れか他方により形成された刷毛部)で濡拭きを行うことができ、乾拭きと、濡拭きと、を1枚の清掃用シートで行うことができるため、使い勝手が良い。
特に、上記何れか一方は、撥水性を有するため、被清掃面が濡れていても、当該何れか一方は濡れない。そのため、刷毛部集合体A,Aの嵩の減少を抑えることができるとともに、刷毛部集合体A,Aによる固形状汚れを絡め取る機能が低下し難く、好適である。
また、上記何れか他方は、液吸収性を有するため、被清掃面が液状汚れで汚れている場合、当該液状汚れを拭き取ることもでき、好適である。
【0066】
<第3の例>
また、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、被清掃面に落ちている髪の毛や被清掃面にこぼれたコーヒーなどの黒色汚れが付着したことをユーザに視認させる機能を有するシートであり、何れか他方は、被清掃面に落ちている綿埃や被清掃面にこぼれた牛乳などの白色汚れが付着したことをユーザに視認させる機能を有するシートであっても良い。
【0067】
ここで、黒色汚れが付着したことをユーザに視認させる機能を有するシートとは、例えば、白色の不織布である。白色の不織布としては、白色の繊維(白色に着色された繊維も含む)が集合してなる不織布、繊維が集合してなる不織布を白色に着色したもの等が挙げられる。
また、白色汚れが付着したことをユーザに視認させる機能を有するシートとは、例えば、黒色の不織布である。黒色の不織布としては、黒色の繊維(黒色に着色された繊維も含む)が集合してなる不織布、繊維が集合してなる不織布を黒色に着色したもの等が挙げられる。
【0068】
なお、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、白色のシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
また、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか他方は、黒色のシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
【0069】
以上説明した第3の例の清掃用シート4によれば、黒色汚れと、白色汚れと、の両方をユーザに視認させることができる。
すなわち、第3の例の清掃用シート4は、刷毛部集合体A,Aが2色の刷毛部からなるため、刷毛部集合体が1色の刷毛部からなる清掃用シートと比較して、汚れの付着度合いを正確にユーザに認識させることができる。そのため、第3の例の清掃用シート4は、取り替えるタイミング等が分かり易く、使い勝手が良い。
【0070】
なお、第3の例の清掃用シート4において、上記何れか一方と上記何れか他方とで異なる色の汚れをユーザに視認させることができるのであれば、色の組み合わせは、白色と黒色の組み合わせに限ることはなく任意である。
【0071】
<第4の例>
また、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、磨耗しながら汚れを擦り取る機能を有するシートであり、何れか他方は、上記何れか一方の磨耗に伴い発生する屑を捕集する(絡め取る)機能を有するシートであっても良い。
【0072】
ここで、磨耗しながら汚れを擦り取る機能を有するシートとは、例えば、ゴム状高分子(消しゴム)やメラミンスポンジなどにより形成されたシート材である。
また、上記何れか一方の磨耗に伴い発生する屑を捕集する機能を有するシートとは、例えば、不織布(特に、エアスルーにより製造された不織布)やパイル織りの布、パイルループを形成する加工が施されたシート材である。なお、磨耗しながら汚れを擦り取る機能を有するシートを、例えばメラミンスポンジで形成する場合、当該シートによる汚れの除去には水が必要である。したがって、屑を捕集する機能を有するシートとしては、被清掃面が濡れていても屑を絡め取る機能が低下し難いシートが好ましく、具体的には、例えば、撥水性を有するものが好ましい。
【0073】
なお、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、磨耗しながら汚れを擦り取る機能を有するシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
また、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか他方は、屑を捕集する機能を有するシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
【0074】
以上説明した第4の例の清掃用シート4によれば、こびりつき汚れ等の擦り取りと、固形状汚れの取り去りと、の両方を行うことができる。
すなわち、第4の例の清掃用シート4では、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方(主に当該何れか一方により形成された刷毛部)でこびりつき汚れ等を擦り取り、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか他方(主に当該何れか他方により形成された刷毛部)で上記何れか一方からの屑を捕集しながら、当該屑以外の固形状汚れを絡め取ることができ、こびりつき汚れ等の擦り取りと、固形状汚れの取り去りと、を1枚の清掃用シートで行うことができるため、使い勝手が良い。
【0075】
なお、第4の例の清掃用シート4において、上記何れか一方を、例えばメラミンスポンジで形成する場合、当該何れか一方による汚れの擦り取りには、洗剤等の洗浄成分は必要ないが、水は必要である。したがって、吸水性を有するシートを第3基材シートとして加えたり、接合領域R1に内蔵したりして第4の例の清掃用シート4を構成すると、当該水を拭き取る手間を省くことができ、好適である。
この場合、当該第3基材シートに水を予め含浸しておくと、水を拭き取る手間だけでなく、被清掃面に水を塗布する手間も省くことができるため、さらに使い勝手が良い。
【0076】
また、第4の例の清掃用シート4において、上記何れか一方は、磨耗せずに汚れを擦り取る機能を有するシートであっても良い。具体的には、当該何れか一方としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の汚れを擦り取る硬さのある樹脂により形成されたシート材が挙げられるが、当該何れか一方は、磨耗せずに汚れを擦り取る機能を有するシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良いし、表面の硬さが汚れの擦り取りに適したものになるよう、印刷等によって所定の溶剤を塗布する、一部の繊維(例えば、表面にある繊維)を溶融する等の加工が施されたシートであっても良い。
この場合、上記何れか他方は、上記何れか一方が擦り取った汚れを捕集する(絡め取る)機能を有するシートであれば良い。具体的には、当該何れか他方としては、例えば、不織布(特に、エアスルーにより製造された不織布)やパイル織りの布、パイルループを形成する加工が施されたシート材が挙げられるが、当該何れか他方は、上記何れか一方が擦り取った汚れを捕集する機能を有するシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
【0077】
<第5の例>
また、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面などに届き易いシートあり、何れか他方は、上記何れか一方によりかき出されたゴミを捕集する(絡め取る)機能を有するシートであっても良い。
【0078】
ここで、隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面などに届き易いシートとは、例えば、硬くてしなり易いシート材である。
また、上記何れか一方によりかき出されたゴミを捕集する機能を有するシートとは、例えば、不織布である。
【0079】
なお、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、硬くてしなり易いシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
また、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか他方は、ゴミを捕集する機能を有するシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
【0080】
以上説明した第5の例の清掃用シート4によれば、清掃し難い場所にあるゴミの取り去りも行うことができる。
すなわち、第5の例の清掃用シート4では、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方により形成された刷毛部で清掃し難い場所(隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面など)にあるゴミをかき出して、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか他方(主に当該何れか他方により形成された刷毛部)で当該ゴミを捕集しながら、清掃し易い場所にあるゴミを絡め取ることができ、清掃し難い場所にあるゴミの取り去りと、清掃し易い場所にあるゴミの取り去りと、を1枚の清掃用シートで行うことができるため、使い勝手が良い。
【0081】
また、以上説明した第5の例の清掃用シート4によれば、上記何れか一方により形成された刷毛部は、上記何れか他方により形成された刷毛部を隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面などへと誘導することができる。したがって、当該何れか他方により形成された刷毛部が清掃し難い場所に届くようになり、被清掃面を効率よく清掃することができる。
また、上記何れか他方によって、上記何れか一方の表面を拭うことができるため、当該表面にゴミが残り難く、被清掃面を効率よく清掃することができる。
【0082】
<第6の例>
また、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、帯電してゴミ(固形状汚れ)を引き付ける機能を有するシートであり、何れか他方は、上記何れか一方に引き付けられたゴミを捕集する(絡め取る)機能を有する帯電し難いシートであっても良い。
【0083】
ここで、帯電してゴミを引き付ける機能を有するシートとは、例えば、アクリル等の樹脂により形成されたシート材である。
また、上記何れか一方に引き付けられたゴミを捕集する機能を有する帯電し難いシートとは、例えば、セルロース等の繊維が集合してなる不織布である。
【0084】
なお、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方は、帯電してゴミを引き付ける機能を有するシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
また、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか他方は、ゴミを捕集する機能を有する帯電し難いシートであれば、布(不織布や織布(平織り、綾織り、パイル織り)、編物など)、シート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、抄紙(所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体であっても良い。
【0085】
以上説明した第6の例の清掃用シート4によれば、清掃し難い場所にあるゴミの取り去りも行うことができる。
すなわち、第6の例の清掃用シート4では、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか一方(主に当該何れか一方により形成された刷毛部)で清掃し難い場所(隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面など)にあるゴミを引き付けて、第1基材シート11及び第2基材シート12のうちの何れか他方(主に当該何れか他方により形成された刷毛部)で当該ゴミを捕集しながら、清掃し易い場所にあるゴミを絡め取ることができ、清掃し難い場所にあるゴミの取り去りと、清掃し易い場所にあるゴミの取り去りと、を1枚の清掃用シートで行うことができるため、使い勝手が良い。
また、上記何れか一方の表面は、上記何れか他方によって拭われるため、当該表面にゴミが残り難く、被清掃面を効率よく清掃することができる。
【0086】
以上説明した第4の実施の形態における清掃用シート4によれば、第1基材シート11が有する清掃機能と、第2基材シート12が有する清掃機能と、が異なる。
したがって、清掃用シート4は、所定の用途や汚れに適した清掃機能を複数有しているため、複数種類の用途や汚れに対して1枚のシートで対応することができることとなって、使い勝手が良い。
【0087】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態の清掃用シート5について説明する。
なお、第5の実施の形態の清掃用シート5は、第3基材シート15が備えられている点が、第3の実施の形態の清掃用シート3と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0088】
清掃用シート5は、例えば、図6に示すように、複数のスリットが設けられた第1基材シート11と、複数のスリットが設けられた第2基材シート12と、第1基材シート11及び第2基材シート12の間に配置された伸縮部材13,…と、第2基材シート12の上面に配置された第3基材シート15と、を備えて構成される。
そして、清掃用シート5は、前後方向の両端部に、第1基材シート11及び第2基材シート12が互いに接合されていないとともに、第2基材シート12及び第3基材シートが互いに接合されていない非接合領域R2,R2と、当該非接合領域R2,R2同士の間に、第1基材シート11及び第2基材シート12が互いに接合されるとともに、第2基材シート12及び第3基材シート15が互いに接合された接合領域R1と、を有している。
【0089】
第3基材シート15は、非接合領域R2,R2を構成する非接合部分にスリットが設けられておらず、清掃用シート5が掃除具100に装着される際、上側に折り返されて掃除具100の係止部100aに係止されるようになっている。したがって、清掃用シート5においては、第1基材シート11及び第2基材シート12の何れにも、被係止部Bを備える必要がない。
【0090】
また、接合領域R1を構成する第3基材シート15の接合部分は、当該接合部分の両端部(例えば、前後方向両端部)が第2基材シート12に接合されている。そのため、接合領域R1では、第2基材シート12と3基材シート15との間に収容部Gが形成されている。
当該収容部Gには、例えば、図7に示すように、所定の収容物としてハンディーモップ用の掃除具200等を差し込むことができる。
【0091】
以上説明した第5の実施の形態における清掃用シート5によれば、第2基材シート12の上面に配置された第3基材シート15を備え、接合領域R1では、第3基材シート15及び第2基材シート12は互いに接合されているとともに、非接合領域R2では、第3基材シート15及び第2基材シート12は互いに接合されていない。
したがって、被係止部Bを備えなくても、第3基材シート15で掃除具100に係止することができるため、第3の実施の形態の清掃用シート3と比較して、刷毛部集合体Aを構成する刷毛部の本数が多く、刷毛部集合体Aが上下方向及び左右方向に扇状に広がった形状になり易いので、より広範囲を清掃することができる。
【0092】
また、以上説明した第5の実施の形態における清掃用シート5によれば、第3基材シート15の接合部分は、当該接合部分の両端部が第2基材シート12に接合されており、接合領域R1では、第2基材シート12と第3基材シート15との間に所定の収容物(例えば、ハンディーモップ用の掃除具200)を収容するための収容部Gが形成されている。
したがって、当該収容部Gには、ハンディーモップ用の掃除具200を差し込むことができるため、清掃用シート5は、フロアモップ用の掃除具100に装着されてフロアモップとして使用することもでき、ハンディーモップ用の掃除具200に装着されてハンディーモップとしても使用することもできる。
【0093】
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態の清掃用シート6について説明する。
なお、第6の実施の形態の清掃用シート6は、所定のカートリッジCを備えている点が第5の実施の形態の清掃用シートと異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0094】
清掃用シート6は、例えば、図8に示すように、複数のスリットが設けられた第1基材シート11と、複数のスリットが設けられた第2基材シート12と、第1基材シート11及び第2基材シート12の間に配置された伸縮部材13,…と、第2基材シート12の上面に配置された第3基材シート15と、第2基材シート12の接合部分と第3基材シート15の接合部分との間に形成された収容部Gに着脱自在に配置されたカートリッジCと、を備えて構成され、非接合領域R2,R2と、接合領域R1と、を有している。
【0095】
カートリッジCは、所定の薬液を染み出させて、当該所定の薬液を、清掃中等に、第1基材シート11や第2基材シート12に染み込ませ、シミ汚れやこびりつき汚れをふやかしたり、被清掃面に塗布したりするための薬液供給体である。
カートリッジCは、収容部Gに着脱自在な形状に形成され、所定の薬液を染み出させることができるものであれば任意であり、例えば、ろ紙などで蓋がされたケース体に所定の薬液を内蔵したもの、ろ紙などに所定の薬液を含浸させたもの等が挙げられる。
ここで、所定の薬液とは、例えば、水(精製水)に所定の薬剤を添加したものや、被清掃面に塗布するための所定の成分(ワックス掛け用の油状成分(艶出し剤やコーティング剤など)等)などである。
【0096】
以上説明した第6の実施の形態の清掃用シート6によれば、収容部Gに着脱自在に配置され、所定の薬液を染み出させるカートリッジCを備えている。
したがって、清掃中等に、第1基材シート11や第2基材シート12に所定の薬液を染み込ませることができるため、シミ汚れやこびりつき汚れを当該所定の薬液でふやかして除去したり、被清掃面に当該所定の薬液を塗布したりする等の多彩な清掃を行うことができ、好適である。
【0097】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0098】
上記第3及び第4の実施の形態において、第2基材シート12に被係止部Bを備えるようにしたが、これに限ることはなく、被係止部Bは、第1基材シート11に備えられていても良いし、第1基材シート11と第2基材シート12との両方に備えられていても良い。また、上記第1及び第2の実施の形態においても、第1基材シート11及び/又は第2基材シート12に被係止部Bを備えていても良い。
また、上記第3及び第4の実施の形態において、第1基材シート11及び/又は第2基材シート12により形成された刷毛部の幅が広く、当該刷毛部が掃除具100の係止部100aに係止可能であれば、第1基材シート11及び/又は第2基材シート12は、被係止部Bを備えていなくても良い。
また、上記第3及び第4の実施の形態において、第1基材シート11と第2基材シート12との両方で、非接合部分の剛性と接合部分の剛性とを異ならせるようにしたが、これに限ることはなく、第1基材シート11及び第2基材シート12の少なくとも何れか一方で、非接合部分の剛性と接合部分の剛性とが異なっていれば良い。
また、上記第3及び第4の実施の形態において、清掃用シート3,4は、第1基材シート11の接合部分の下面に粘着部14を備えていても良い。
【0099】
上記第5及び第6の実施の形態において、清掃用シート5,6は、第1基材シート11の接合部分の下面に粘着部14を備えていても良い。
また、上記第5及び第6の実施の形態において、第1基材シート11が有する清掃機能と、第2基材シート12が有する清掃機能と、が異なっていても良い。また、上記第1及び第2の実施の形態においても、第1基材シート11が有する清掃機能と、第2基材シート12が有する清掃機能と、が異なっていても良い。
また、上記第5及び第6の実施の形態において、第3基材シート15にもスリットを設けても良い。
また、上記第5及び第6の実施の形態において、第1基材シート11、第2基材シート12及び第3基材シート15のうちの少なくとも何れか1つに被係止部Bを備えていても良い。
また、上記第5及び第6の実施の形態において、第1基材シート11が有する清掃機能と、第2基材シート12が有する清掃機能と、第3基材シート15が有す清掃機能と、のうちの少なくとも何れか1つが異なっていても良い。
また、上記第5及び第6の実施の形態において、第3基材シート15は、非接合部分の剛性と接合部分の剛性とを異ならせても(具体的には、非接合部分及び接合部分のうちの何れか一方が、何れか他方よりも高剛性であっても)良い。
【0100】
また、上記第5及び第6の実施の形態において、第3基材シート15を第2基材シート12の上面に配置するようにしたが、第3基材シート15は、第1基材シート11と第2基材シート12との間に配置するようにしても良い。この場合、掃除具100に装着する際、第2基材シート12が掃除具100の下面に接するよう装着すると、第3基材シート15で第2基材シート12が覆われるため、第1基材シート11のみで清掃でき、第1基材シート11が掃除具100の下面に接するよう装着すると、第3基材シート15で第1基材シート11が覆われるため、第2基材シート12のみで清掃できる。したがって、例えば、まず、第1基材シート11のみで清掃して、次いで、第2基材シート12のみで清掃できるため、1枚で2回清掃することができるとともに、第2基材シート12のみで清掃する場合には、使用済みの第1基材シート11に付いた汚れが落ちることなく清掃することができる。なお、この場合、第3基材シート15の前後方向の長さは、第1基材シート11及び第2基材シート12の前後方向の長さと同一又はそれ以上であることが好ましい。また、この場合、弾性部材13は、第1基材シート11と第3基材シート15との間に配置して、第1基材シート11及び/又は第3基材シート15に固定しても良いし、第2基材シート12と第3基材シート15との間に配置して、第2基材シート12及び/又は第3基材シート15に固定しても良い。また、この場合、清掃用シート5,6の製造方法としては、例えば、第1基材シート11及び第2基材シート12にスリットを入れた後に伸縮部材13,…を固定するようにしても良いし、第1基材シート11及び第2基材シート12よりも前後方向の長さが長い第3基材シート15を使用して、伸縮部材13,…を固定した後に、第1基材シート11及び第2基材シート12は端部まで切れて、第3基材シート15の端部は切れないで互いに繋がるように、第1基材シート11、第2基材シート12及び第3基材シート15にスリットを入れるようにしても良い。
【0101】
また、上記第5及び第6の実施の形態において、第3基材シート15を、第1基材シート11と第2基材シート12との間に配置する場合、複数枚の第3基材シート15を第1基材シート11と第2基材シート12との間に配置して、第1基材シート11と第2基材シート12との間(すなわち、第3基材シート15,15同士の間)に収容部Gを形成しても良い。
【0102】
また、上記第6の実施の形態において、収容物として、薬液供給体(カートリッジC)を備えるようにしたが、これに限ることはなく、液状汚れ等の所定の液を吸収する液吸収体を備えるようにしても良い。
【0103】
また、上記第1〜第6の実施の形態において、第1基材シート11、第2基材シート12、伸縮部材13、粘着部14、第3基材シート15、接合領域R1、非接合領域R2、スリット(刷毛部)、被係止部B、収容部G、カートリッジC、掃除具100,200等の形状は、上記したものに限ることはなく、任意である。
具体的には、第1基材シート11と第2基材シート12のサイズ(長さ、幅、厚み)を同一としたが、これに限ることはなく、第1基材シート11のサイズと第2基材シート12のサイズとは異なっていても良い。第3基材シート15についても同様である。
また、一方の非接合領域R2の前後方向の長さと、他方の非接合領域R2の前後方向の長さと、は同一でなくても良い。
また、刷毛部の形状は、短冊状(矩形状)に限ることはなく、伸縮部材13の伸縮方向に略直交する方向に沿ってスリットを入れることにより形成されたものであれば、例えば、台形状であっても良い。
また、スリットは、直線状に限ることはなく、伸縮部材13の伸縮方向に略直交する方向に沿って設けられているのであれば任意であり、例えば、ジグザグ状、波線状、曲線状であっても良い。
また、スリットの間隔は、略等間隔に限ることはなく、任意である。
【0104】
また、上記第1〜第6の実施の形態において、第1基材シート11は、接合部分の清掃機能と非接合部分の清掃機能とが異なるものであっても良い。
第2基材シート12、第3基材シート15についても同様である。
【符号の説明】
【0105】
1,2,3,4,5,6 清掃用シート
11 第1基材シート
12 第2基材シート
13 伸縮部材
14 粘着部
15 第3基材シート
100 掃除具
100a 係止部
200 掃除具(収容物)
B 被係止部
C カートリッジ(収容物、薬液供給体)
G 収容部
R1 接合領域
R2 非接合領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除具に装着される清掃用シートにおいて、
第1基材シートと、
前記第1基材シートの上面に配置された第2基材シートと、
前記第1基材シートと前記第2基材シートとの間に、所定の一方向に沿って伸縮自在に配置された伸縮部材と、
を備え、
前記伸縮部材の伸縮方向に直交する方向の両端部に、前記第1基材シート及び前記第2基材シートが互いに接合されていない非接合領域と、当該非接合領域同士の間に、前記第1基材シート及び前記第2基材シートが互いに接合された接合領域と、を有しており、
前記非接合領域を構成する前記第1基材シートの非接合部分には、前記伸縮方向に略直交する方向に沿って、複数のスリットが設けられており、
前記伸縮部材は、前記接合領域に配置され、伸長した状態で前記第1基材シート及び前記第2基材シートのうちの少なくとも何れか一方に固定されており、
前記接合領域を構成する前記第1基材シートの接合部分及び前記第2基材シートの接合部分は、伸長した状態の前記伸縮部材を元の状態に復元させる当該伸縮部材の復元力によって、前記伸縮方向に沿って波状になっていることを特徴とする清掃用シート。
【請求項2】
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記非接合領域を構成する前記第2基材シートの非接合部分には、前記伸縮方向に略直交する方向に沿って、複数のスリットが設けられていることを特徴とする清掃用シート。
【請求項3】
請求項2に記載の清掃用シートにおいて、
前記第2基材シートの上面に、或いは、前記第1基材シートと前記第2基材シートとの間に配置された第3基材シートを備え、
前記第3基材シートは、前記接合領域では、前記第1基材シート及び/又は前記第2基材シートに接合されているとともに、前記非接合領域では、前記第1基材シート及び前記第2基材シートに接合されていないことを特徴とする清掃用シート。
【請求項4】
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記第1基材シートは、前記非接合領域を構成する非接合部分の剛性と、前記接合領域を構成する接合部分の剛性と、が異なることを特徴とする清掃用シート。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の清掃用シートにおいて、
前記第1基材シート及び前記第2基材シートのうちの少なくとも何れか一方は、前記非接合領域を構成する非接合部分の剛性と、前記接合領域を構成する接合部分の剛性と、が異なることを特徴とする清掃用シート。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の清掃用シートにおいて、
前記接合領域を構成する前記第1基材シートの接合部分の下面に設けられ、ゴミを粘着捕集するための粘着部を備えることを特徴とする清掃用シート。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の清掃用シートにおいて、
当該清掃用シートは、前記掃除具に装着された際に当該掃除具に設けられた係止部に係止されることによって、当該掃除具に固定されるようになっており、
前記第1基材シート及び前記第2基材シートのうちの少なくとも何れか一方は、前記非接合領域を構成する非接合部分における前記係止部に係止可能な位置に、当該係止部に係止可能な幅の被係止部を備えることを特徴とする清掃用シート。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の清掃用シートにおいて、
前記第1基材シートが有する清掃機能と、前記第2基材シートが有する清掃機能と、が異なることを特徴とする清掃用シート。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載の清掃用シートにおいて、
前記第2基材シートの上面に、或いは、前記第1基材シートと前記第2基材シートとの間に配置された第3基材シートを備え、
前記第3基材シートは、前記接合領域では、前記第1基材シート及び/又は前記第2基材シートに接合されているとともに、前記非接合領域では、前記第1基材シート及び前記第2基材シートに接合されておらず、
前記接合領域では、前記第1基材シートと前記第2基材シートとの間に、或いは、前記第2基材シートと前記第3基材シートとの間に所定の収容物を収容する収容部が形成されていることを特徴とする清掃用シート。
【請求項10】
請求項9に記載の清掃用シートにおいて、
前記収容部に着脱自在に配置され、所定の薬液を染み出させる薬液供給体及び/又は所定の液を吸収する液吸収体を備えることを特徴とする清掃用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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