説明

清掃用両用ブラシ

【課題】ブラシとしての機能を持たせると共に、ブラシ部に不織布ブラシカバーを被せることで従来のスポンジブラシと同等の清掃効果を得ることができ、また不織布ブラシカバーを交換するときは、スライドカバー管を棒体の中段部から前端へ押し動かすだけの操作で、不織布ブラシカバーをブラシ部から押し外すことができ、手を汚すことがない、両用ブラシを提供すること。
【解決手段】棒体を含み、この棒体の前端部にブラシ部が設けられ、棒体の中段部にスライドカバー管が設置され、且つこのスライドカバー管のブラシ部に対応する端部にはラッパ形の開口部が設けられており、この開口部を通してスライドカバー管の中にブラシ部を収納することができ、且つこのブラシ部にさらに不織布ブラシカバーを被せることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃用両用ブラシに関し、特にバストイレ清掃用両用ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的なバストイレ清掃用ブラシは、単一のブラシ部を備えているだけである。そのため、特に便器用のトイレブラシがそうであるように単一の清掃機能しか提供することができない。そのため、一般的にトイレ内にはブラシ部が異なる2本のトイレブラシが備え付けられている。これは前端部にスポンジブラシを備えた1本と、前端部に弾性毛のブラシを備えた他の1本であり、異なるブラシ部で異なる程度の清掃効果を得ようとしている。しかしながら、このような方法ではトイレ空間内の用具が多すぎて、乱雑になってしまう。
【0003】
さらに、前述のスポンジブラシ部で実際にこすり洗いをするときには、スポンジブラシ表面(表層)のみ用いられるが、スポンジブラシ部とトイレブラシの柄部の前端部間を緊密に結合させて柄部の前端部に固定するため、スポンジブラシは一定の質量密度を維持する必要があり、原料コストが比較的高い高密度の実心スポンジを採用する必要がある。
【0004】
弾性毛ブラシと比較すると、スポンジブラシは耐摩擦性が劣り、スポンジブラシが破損すると容易に柄部から分離して脱落してしまう。このほか、スポンジブラシは長期間湿った環境に置かれると、湿気で細菌が繁殖し易いほか、カビが生え易く、且つ、スポンジブラシを交換するとき、手で汚れたスポンジブラシを取り外さなければならず、スポンジブラシの交換作業に手が汚れ易く、人の衛生に悪影響を及ぼす。
【0005】
上述のように、いかに人の衛生に影響を与えずに清掃用ブラシのブラシ部を簡単に交換できるようにするかが本発明の課題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の先行技術の各欠点に鑑みて、本発明の目的は、棒体を含み、この棒体の前端部にブラシ部が設けられ、棒体の中段部にスライドカバー管が設置され、且つこのスライドカバー管のブラシ部に対応する端部にはラッパ形の開口部が設けられており、この開口部を通してスライドカバー管の中にブラシ部を収納することができ、且つこのブラシ部にさらに不織布ブラシカバーを被せることができる、両用ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明の清掃用両用ブラシは、少なくとも棒体と、ブラシ部と、スライドカバー管を含み、前記棒体はその二端がそれぞれ前端部と後端部を成し、前記ブラシ部は前記前端部に設置され、前記スライドカバー管は前記棒体表面に被せて設置され、前記棒体表面上で滑動させることができ、且つ、前記ブラシ部に対応する前記スライドカバー管の端部にラッパ型の開口部が設けられたことを特徴とする。
【0008】
すなわち、本願の第1発明は、清掃用両用ブラシであって、棒体と、ブラシ部と、スライドカバー管を含み、前記棒体はその二端がそれぞれ前端部と後端部を成し、前記ブラシ部は前記前端部に設置され、前記スライドカバー管は前記棒体表面に被せて設置され、前記棒体表面上で滑動されることができ、且つ、前記ブラシ部に対応する前記スライドカバー管の端部にラッパ型の開口部が設けられたことを特徴とする、清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第2発明は、前記ブラシ部に不織布ブラシカバーを被せることができることを特徴とする、前記第1発明の清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第3発明は、前記スライドカバー管が上蓋及び下蓋から構成され、且つ、前記上蓋及び下蓋の形状が相互に対応することを特徴とする、前記第1発明の清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第4発明は、前記前端部において、前記ブラシ部の後端部に対応する箇所に仕切り板が設置されたことを特徴とする、前記第1発明の清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第5発明は、前記後端部が延伸されて柄部が設けられ、前記柄部の後端部にさらにフック形状が設けられ、前記柄部の外径が前記前端部の外径より大きいことを特徴とする、前記第1発明の清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第6発明は、前記仕切り板が、前記両用ブラシが便器内の湾曲部に引っかからないよう防止することができることを特徴とする、前記第4発明の清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第7発明は、前記ブラシ部が表面に複数の植毛孔を設けた本体と、前記植毛孔にそれぞれ固定される複数束の弾性毛から構成されることを特徴とする、前記第1発明の清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第8発明は、前記不織布ブラシカバーが前記ブラシ部上に被せて設置され、且つ、前記ブラシ部により前記不織布ブラシカバーの外形が保持されることを特徴とする、前記第2発明の清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第9発明は、前記ブラシ部が化学繊維毛または動物繊維毛或いはこれらの組み合わせであることを特徴とする、前記第1発明の清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第10発明は、前記本体が2つ以上の湾曲節を備え、自由にこすり角度を変化させることができることを特徴とする、前記第7発明の清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第11発明は、前記スライドカバー管のラッパ型の開口部が前記ブラシ部を収容できることを特徴とする、前記第1発明の清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第12発明は、前記ブラシ部上に被せられた前記不織布ブラシカバーが、前記スライドカバー管の一端により、前記スライドカバー管が滑動されたとき前記ブラシ部の外へ押し出されることを特徴とする、前記第2発明の清掃用両用ブラシを提供する。
本願の第13発明は、前記不織布ブラシカバーの開口部が、少なくとも前記スライドカバー管より大きいことを特徴とする、前記第2発明の清掃用両用ブラシを提供する。
【発明の効果】
【0009】
上述のような構成により、本発明の両用ブラシは、ブラシとしての機能を持たせると共に、ブラシ部に不織布ブラシカバーを被せることで従来のスポンジブラシと同等の清掃効果を得ることができる。このほか、不織布ブラシカバーを取り外すときは、スライドカバー管を棒体の中段部から前端へ押し動かすだけの操作で、不織布ブラシカバーをブラシ部から押し外すことができ、手を汚すことがない。
【0010】
さらに、スライドカバー管で完全にブラシ部を覆うと、本発明の両用ブラシはスライドカバー管の開口部を利用して地面上に直立させることができ、別途座体を設置する必要がない。また、フックを利用して壁に掛けることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1及び図2に示すように、本発明は少なくとも棒体10、ブラシ部20及びスライドカバー管30を含んで成る。
【0012】
そのうち、前記棒体10は前端部に前記ブラシ部20が固定され、且つ、この棒体10の中段部に前記スライドカバー管30が被せて設置される。
【0013】
本実施例において、棒体10の二端をそれぞれ前端部12及び後端部13とし、そのうち前端部12はブラシ部20が固定されるほか、ブラシ部20の後ろ側に対応する仕切り板201が固定され、これによりブラシ部20をこすり洗いに用いるときの水滴の飛散やスライドカバー管30内への逆流を防ぎ、手やその他構成部材が汚れないようにすると同時に、この仕切り板201は本発明の両用ブラシが便器内の湾曲部に引っかからないよう防止することができる。前記後端部13には外径が前端部12より大きい柄部11が延伸され、この柄部11表面に摩擦力と触感を増加する複数の弧形凹部111が形成される。
【0014】
前記ブラシ部20は耐用性を備えた弾性ブラシ部であり、例えば化学繊維毛や動物繊維毛或いは/及びそれらの組み合わせとすることができる。本実施例において、このブラシ部20は表面に複数の植毛孔211が設けられた本体21(図4参照)及び分別固定於該等これら植毛孔211にそれぞれ固定された複数束の弾性毛22から構成され、そのうち、本体21は面積の増加とブラシ部20の角度変化の増加のため、2つ以上の湾曲節(図4参照)を備えている。
【0015】
スライドカバー管30は、本実施例において上蓋301及びこの上蓋301と形状が相互に対応する下蓋302を組み合わせて成る(図1参照)。このスライドカバー管30の後端部にはこのカバー管30を貫通する穿通孔303(図7参照)が設けられ、この穿通孔303の口径は前端部12の外径に合わせるものとし、カバー管30が前端部12の表面に被せて設置される。このほか、スライドカバー管30のブラシ部20に対応する端部(前端部)はラッパ型の形状の開口端31を設け、ブラシ部20を収納するために用い、ブラシ部20を使用しないとき、スライドカバー管30内部に収納することができる。より詳細に説明すると、本発明のブラシ部20を使用してこすり洗いをしたいときは、スライドカバー管30を柄部11の方向に滑動させるだけでブラシ部20が円滑に露出され、こすり洗いの動作を行なうことができる(図2及び図5参照)。また、スライドカバー管30の中にブラシ部20を完全に収納すると(図3参照)、本発明の両用ブラシはスライドカバー管30のラッパ型の開口端31を利用し、接続された棒体10を地面に立たせて(地面と垂直状態を成して)置くことができ、美観に欠け且つ細菌が繁殖しやすいブラシ部20を遮蔽して収納し、清掃用ブラシの美観と衛生を向上することができる。
【0016】
次に、図6は本発明の両用ブラシのブラシ部に不織布ブラシカバーを被せた立体分解図であり、図7は本発明の両用ブラシのブラシ部に被せられた不織布ブラシカバーをスライドカバー管で押し動かす動作を示す断面図である。
【0017】
これらの図に示すように、本発明のブラシ部20は望みの清掃効果に基づきさらに不織布ブラシカバー40を被せてもよく、このブラシカバー40内部の大きさはブラシ部20に合わせるものとし、一般的には、ブラシ部20を収容することができればよい。ブラシカバー40の開口部の大きさは、前端部12の仕切り板201に合わせるものとし、ブラシカバー40の開口部が仕切り板201の弾力により支持され、ブラシ部20に固定されるようにする(図6参照)。不織布ブラシカバー40をブラシ部20から取り外すときは、スライドカバー管30をブラシ部20の方向に滑動させてブラシカバー40をブラシ部20上から押し動かして外す(図7参照)。この取り外し過程は簡易で迅速にできるだけでなく、使用者の手の清潔と個人の衛生を保つことができる。
【0018】
本発明について上述の最良の実施例に基づき詳細に説明したが、以上で述べた内容は、本発明を関連の技術を熟知した者に説明し、本発明についてより理解を促すために用いたのみであり、本発明の実施の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の両用ブラシの立体分解図である。
【図2】本発明の両用ブラシのブラシ部がスライドカバー管から露出された状態を示す立体外観図である。
【図3】本発明の両用ブラシのスライドカバー管にブラシ部が収納された状態を示す立体外観図である。
【図4】本発明の両用ブラシのブラシ部本体の立体造型を示す部分立体図である。
【図5】本発明の両用ブラシの使用状態参考図である。
【図6】本発明の両用ブラシのブラシ部に不織布ブラシカバーを被せた立体分解図である。
【図7】本発明の両用ブラシのブラシ部に被せられた不織布ブラシカバーをスライドカバー管で押し動かす動作を示す断面図である。
【符号の説明】
【0020】
10 棒体
11 柄部
111 弧形凹部
12 前端部
13 後端部
20 ブラシ部
201 仕切り板
21 本体
211 植毛孔
22 弾性毛
30 スライドカバー管
301 上蓋
302 下蓋
303 穿通孔
31 開口端
40 ブラシカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃用両用ブラシであって、
棒体と、ブラシ部と、スライドカバー管を含み、
前記棒体はその二端がそれぞれ前端部と後端部を成し、
前記ブラシ部は前記前端部に設置され、
前記スライドカバー管は前記棒体表面に被せて設置され、前記棒体表面上で滑動されることができ、且つ、前記ブラシ部に対応する前記スライドカバー管の端部にラッパ型の開口部が設けられたことを特徴とする、
清掃用両用ブラシ。
【請求項2】
前記ブラシ部に不織布ブラシカバーを被せることができることを特徴とする、請求項1に記載の清掃用両用ブラシ。
【請求項3】
前記スライドカバー管が上蓋及び下蓋から構成され、且つ、前記上蓋及び下蓋の形状が相互に対応することを特徴とする、請求項1に記載の清掃用両用ブラシ。
【請求項4】
前記前端部において、前記ブラシ部の後端部に対応する箇所に仕切り板が設置されたことを特徴とする、請求項1に記載の清掃用両用ブラシ。
【請求項5】
前記後端部が延伸されて柄部が設けられ、前記柄部の後端部にさらにフック形状が設けられ、前記柄部の外径が前記前端部の外径より大きいことを特徴とする、請求項1に記載の清掃用両用ブラシ。
【請求項6】
前記仕切り板が、前記両用ブラシが便器内の湾曲部に引っかからないよう防止することができることを特徴とする、請求項4に記載の清掃用両用ブラシ。
【請求項7】
前記ブラシ部が表面に複数の植毛孔を設けた本体と、前記植毛孔にそれぞれ固定される複数束の弾性毛から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の清掃用両用ブラシ。
【請求項8】
前記不織布ブラシカバーが前記ブラシ部上に被せて設置され、且つ、前記ブラシ部により前記不織布ブラシカバーの外形が保持されることを特徴とする、請求項2に記載の清掃用両用ブラシ。
【請求項9】
前記ブラシ部が化学繊維毛または動物繊維毛或いはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の清掃用両用ブラシ。
【請求項10】
前記本体が2つ以上の湾曲節を備え、自由にこすり角度を変化させることができることを特徴とする、請求項7に記載の清掃用両用ブラシ。
【請求項11】
前記スライドカバー管のラッパ型の開口部が前記ブラシ部を収容できることを特徴とする、請求項1に記載の清掃用両用ブラシ。
【請求項12】
前記ブラシ部上に被せられた前記不織布ブラシカバーが、前記スライドカバー管の一端により、前記スライドカバー管が滑動されたとき前記ブラシ部の外へ押し出されることを特徴とする、請求項2に記載の清掃用両用ブラシ。
【請求項13】
前記不織布ブラシカバーの開口部が、少なくとも前記スライドカバー管より大きいことを特徴とする、請求項2に記載の清掃用両用ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−55139(P2008−55139A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125705(P2007−125705)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(506276860)
【Fターム(参考)】