説明

清掃用具、清掃体

【課題】ごみ、埃、塵ないし汚れ等の捕集対象物を繊維の奥まで取り込むことが可能な清掃体を提供する。
【解決手段】清掃用具の清掃体110は、不織布からなる重ねられた第1シート112および第2シート113と第1接合部121および第2接合部122とによって区画される領域を、それぞれ清掃体ホルダの保持体142、142を挿入するための第1の方向10に沿って延在する第1および第2の挿入孔117、117とし、第1接合部121の第1の内側接合部121bと、第2接合部122の第2の内側接合部122bとによって区画される領域を中間領域118として構成し、該中間領域118は第1の方向10と交差する第2の方向12に延在する複数の繊維からなる繊維体を含み、2つの保持体142,142が第1および第2の挿入孔117,117に挿入されることによって、中間領域118における繊維体が配置されている方向に押し出されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用具に係り、詳しくは清掃対象を清掃するための清掃体を備える清掃用具の構築技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、清掃対象の清掃をするためのシート状の清掃体を備える清掃用具が種々提案されている。例えば、下記特許文献1には、繊維層および掻き出しシートからなる清掃体を備える構成の清掃用具が開示されているが、清掃体の表面が繊維によって高密度状態とされるこの種の清掃用具の設計に際しては、ごみ、埃、塵ないし汚れ等の捕集対象物を繊維の奥まで取り込むことによって清掃効果向上を図る技術が要請される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−29136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、清掃対象を清掃するための清掃体において、ごみ、埃、塵ないし汚れ等の捕集対象物を繊維の奥まで取り込むことを可能とし、以って清掃効果向上を図るのに有効な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。これら各請求項に記載の発明は、一戸建て、マンション、ビル、工場、車両等の室内、室外、屋外における被清掃領域(床面、壁面、窓、天井面、外壁面、柱、家具面、衣類、カーテン、ブラインド、寝具、照明、電気コード類、家電品等)や、人体の各構成部位を清掃するための清掃用具の構成に適用され得る。これら各種の清掃領域は、平面として構成されてもよいし、或いは曲面、凹凸面、段差面として構成されてもよい。
【0006】
本発明に係る清掃体用具は、清掃対象の清掃に用いられるものであり、清掃体ホルダと、この清掃体ホルダに保持される清掃体を備える。なお、本発明において清掃体は、一回使用を目安とした使い捨てタイプのものや、清掃対象から捕集したごみ、塵、埃などの捕集対象物を保持しつつ複数回の使用を目安として交換を行う使い捨てタイプのものであってもよいし、或いは洗濯などを行ったうえで繰り返し使用することが可能なタイプのものであってもよい。
【0007】
清掃体ホルダは、把持部と、この把持部から並行して長尺状に延在する第1の保持体および第2の保持体を含む構成とされる。把持部は、使用者の手指で把持される部位として構成される。各保持体は、清掃体を保持する部位として構成される。このとき、把持部と保持体は、互いに分離不能に一体状として構成されてもよいし、或いは互いに分離可能として構成されてもよい。また、保持体は少なくとも2つ設けられる構成であればよく、更に別の保持体が追加されてもよい。
【0008】
清掃体は、第1の挿入空間および第2の挿入空間、第1のシートおよび第2のシート、第1の内側接合部および第1の外側接合部、第2の内側接合部および第2の外側接合部、中間領域および繊維体を含む。第1の挿入空間および第2の挿入空間は、清掃体ホルダの第1の保持体および第2の保持体のそれぞれが挿入され、第1の方向に沿って延在する挿入空間として構成される。これら第1の挿入空間および第2の挿入空間に加えて、更なる挿入空間が追加されてもよい。ここでいう「第1の方向に沿って延在する挿入空間」とは、第1の方向に沿った延在成分を含む挿入空間と解され、当該挿入空間には、挿入空間の全部または一部の延在方向が第1の方向に合致する構成や、挿入空間の全部または一部の延在方向が第1の方向に概ね合致する構成が包含される。第1のシートおよび第2のシートはいずれも、不織布からなる不織布シートとして構成される。第1の内側接合部および第1の外側接合部は、重ねられた第1のシートと第2のシートを接合し、第1の挿入空間を区画する接合部として構成される。第2の内側接合部および第2の外側接合部は、重ねられた第1のシートと第2のシートを接合し、第2の挿入空間を区画する接合部として構成される。中間領域は、第1の内側接合部と第2の内側接合部の間に形成される領域として構成される。繊維体は、第1の方向と交差する第2の方向に延在する複数の繊維が、中間領域において第1のシートに接合された部位として構成される。この繊維体は、中間領域に存在する第1の内側接合線や第2の内側接合線によって第1のシートに接合される構成であってもよいし、或いはこれら第1の内側接合線や第2の内側接合線とは別の接合部によって第1のシートに接合される構成であってもよい。
【0009】
上記構成の清掃用具は特に、清掃体ホルダの第1の保持体および第2の保持体のそれぞれが清掃体の第1の挿入空間および第2の挿入空間に挿入されることによって、第1の挿入空間と第2の挿入空間が接近し、それによって、中間領域における繊維体が、第1の挿入空間および第2の挿入空間に対して繊維体が配置されている方向、すなわち第1のシートと繊維体が重なり合う方向に押し出されるように構成される。この押し出しによって、繊維体のうち中間領域の両側の繊維部分(例えば、中間領域を固定端部とした場合の繊維体の自由端部)の厚みが増えることとなる。従って、清掃体の断面に関し繊維体の押し出し方向の繊維間距離が広げられることとなり、清掃体に清掃体ホルダが装着される前よりも見た目の比容積を増加させることができる。これにより、ごみ、塵、埃などの捕集対象物を捕集するための領域を繊維内部まで拡張することができ、繊維体を有効に利用することが可能となり、以って清掃効果向上を図ることが可能となる。
また、繊維体の繊維間距離が広がることで表面積が増えることとなり、その結果、一拭きの清掃範囲が広がって払拭効果が高まる。
また、繊維体の比容積や表面積が増加された上記の状態は、各保持体を各挿入空間に挿入することによって自然に形成されるため、使用前に繊維体の繊維を手で解いたり、清掃体ホルダを清掃体ごと振ることによって、清掃体のボリューム感を高める操作を使用者があえて行なう必要なく合理的である。しかも、一旦形成された清掃体の形状は、各挿入孔に挿入された各保持体によって強制的に維持されるため、当該形状がより長く安定的に維持され得る。
【0010】
また本発明に係る更なる形態の清掃用具では、前記の清掃体の繊維体は、第1のシート側に配置された第1グループの複数の繊維と、第1グループの複数の繊維を挟んで第1のシートの反対側に配置された第2グループの複数の繊維とを含み、第1の挿入空間と第2の挿入空間が接近することによって、第1グループの複数の繊維が中間領域まわりに旋回する構成であるのが好ましい。このような構成によれば、清掃体を構成する繊維体の比容積や表面積をより確実に増加させることが可能となる。
【0011】
また本発明に係る更なる形態の清掃用具では、前記の清掃体は、第1グループの複数の繊維および第2グループの複数の繊維が、中間領域において、第1の内側接合部と第2の内側接合部とは別の、第1の方向に沿って延在する中間接合部によって第1のシートに接合され、当該中間接合部が、第1グループの複数の繊維の旋回中心とされるのが好ましい。これにより、第1グループの複数の繊維が中間領域まわりの旋回をより確実なものとすることが可能となる。
【0012】
また本発明に係る更なる形態の清掃用具では、前記の清掃体の繊維体は、第1グループの複数の繊維と、第2グループの複数の繊維を含む構成であるのが好ましい。第1グループの複数の繊維は、第1のシート側に配置され、中間領域において、少なくとも第1の内側接合部と第2の内側接合部によって第1のシートに接合された繊維とされる。これに対し、第2グループの複数の繊維は、第1グループの複数の繊維を挟んで第1のシートの反対側に配置され、中間領域において、第1の内側接合部と第2の内側接合部とは別の、第1の方向に沿って延在する中間接合部によって第1のシートに接合された繊維とされる。
これにより、清掃体ホルダの挿入動作に伴って第1の挿入空間と第2の挿入空間が接近する際、第1グループの複数の繊維が第1のシートと一体的に清掃体上方に旋回する一方、第2グループの複数の繊維が第1のシートと一体的に清掃体上方に旋回しない構成の清掃体が実現される。
【0013】
また本発明に係る更なる形態の清掃用具では、前記の清掃体は、繊維体の複数の繊維が、第1の方向と交差する方向に、第1の挿入空間および第2の挿入空間の双方にまたがって延在する構成であるのが好ましい。これにより、繊維体が、第1の挿入空間に対応した繊維と、第2の挿入空間に対応した繊維に分割されていない清掃体が実現される。
【0014】
また本発明に係る更なる形態の清掃用具では、前記の清掃体は、第2のシートのうち第1のシートとは反対の面が当該清掃体の清掃体表面として規定される構成であるのが好ましい。これにより第2のシートの片面が清掃体表面に露出した構成、すなわち第2のシートの片面の別の清掃体要素が接合されていない構成の清掃体が実現される。
【0015】
本発明に係る清掃体は、上記の各清掃用具の清掃体と実質的に同様に構成される。従って、本発明に係る清掃体によれば、前述の作用効果と同様の作用効果が得られることとなり、少なくとも、ごみ、埃、塵ないし汚れ等の捕集対象物を繊維の奥まで取り込むことを可能とし、以って清掃効果向上を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、清掃対象を清掃するための清掃体において、ごみ、埃、塵ないし汚れ等の捕集対象物を繊維の奥まで取り込むことを可能とし、以って清掃効果向上を図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態の清掃用具100を構成する構成要素の斜視図である。
【図2】図1中の清掃体110を各積層要素に分解した状態の斜視図である。
【図3】図1中の清掃体110の平面図である。
【図4】図3中の清掃体110のA−A線に関する断面構造を示す図である。
【図5】図3中の清掃体110のB−B線に関する断面構造を示す図である。
【図6】図5中の清掃体110の断面構造に関し、清掃体ホルダ130の各保持体142が各挿入孔117に挿入される前後の様子を示す図である。
【図7】別実施の形態の清掃体210の平面図である。
【図8】別実施の形態の清掃体220の平面図である。
【図9】別実施の形態の清掃体230の平面図である。
【図10】別実施の形態の清掃体240の平面図である。
【図11】別実施の形態の清掃体250の平面図である。
【図12】別実施の形態の清掃体260の平面図である。
【図13】別実施の形態の清掃体270の平面図である。
【図14】別実施の形態の清掃体310の断面図である。
【図15】別実施の形態の清掃体320の断面図である。
【図16】別実施の形態の清掃体330の断面図である。
【図17】別実施の形態の清掃体340の断面図である。
【図18】別実施の形態の清掃体350の断面図である。
【図19】別実施の形態の清掃体360の断面図である。
【図20】別実施の形態のホルダ本体160の一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明における「清掃用具」の一実施の形態である清掃用具100の構成を、図面を参照しつつ詳細に説明する。この清掃用具100は、清掃対象を清掃するための清掃用具として構成される。典型的な清掃対象としては、一戸建て、マンション、ビル、工場、車両(自動車)等の室内、室外、屋外における被清掃領域(床面、壁面、窓、天井面、外壁面、柱、家具面、衣類、カーテン、ブラインド、寝具、照明、電気コード類、家電品等)や、人体の各構成部位における被清掃領域を含む清掃対象等が挙げられる。これら各種の清掃対象として、平面構造或いは立体構造のものが挙げられる。この場合、清掃対象における被清掃領域は、平面、曲面、凹凸面、段差面などとされる。
【0019】
本実施の形態の清掃用具100を構成する構成要素の斜視図が図1に示される。図1に示すように、この清掃用具100は、清掃体110と、清掃体110を保持する清掃体ホルダ130に大別される。この清掃用具100は、いわゆる「モップ」とも称呼される。
【0020】
清掃体110は、清掃対象のごみ、埃、塵ないし汚れ等の捕集対象物を拭き取る拭き取り機能、捕集対象物を掃き取る掃き取り機構、或いは捕集対象物を掻き取る掻き取り機能を有する清掃体とされる。この清掃体110は、販売時或いは未使用時にはシート状ないし平板状とされる一方、使用時には解されてシート厚み方向に関し嵩高な状態とされる。詳細については後述するが、この清掃体110は、所定の長手方向(長辺の延在方向)に長尺状に延在するような平面視が長方形のシート体であって、それぞれが同様の平面形状を有する複数の層状体(後述する保持シート部111および刷毛部114)が互いに重ねられた積層構造を有する。ここでいう清掃体110が、本発明における「清掃体」に相当する。本実施の形態では、清掃体110の長辺110aが延在する第1の方向を図1中の矢印10で示しており、また清掃体110の短辺110bが延在する第2の方向を図1中の矢印12で示している。ここでいう第1の方向10が、本発明における「第1の方向」に相当し、またこの第1の方向10と交差する第2の方向12が、本発明における「第2の方向」に相当する。
【0021】
なお、必要に応じては、この清掃体110を、平面視が正方形、円形、楕円形、多角形等の他の形状の清掃体として構成することもできる。また、平面視が長方形ないし正方形とされたこの清掃体110の隅部(角部)は、必要に応じて直角状或いは曲線状とされる。この清掃体110は、一回使用を目安とした使い捨てタイプのものや、捕集対象物を保持しつつ複数回の使用を目安として交換を行う使い捨てタイプの清掃体として構成されてもよいし、或いは必要に応じて洗濯などを行ったうえで繰り返し使用することが可能なタイプの清掃体として構成されてもよい。
【0022】
清掃体ホルダ130は、上記構成の清掃体110が着脱自在とされており、清掃作業時に清掃体110が取り付けられる一方、保管時や清掃体交換時などにおいて清掃体110が取り外される。この清掃体ホルダ130は、それぞれが互いに連接するホルダ本体140およびハンドル部150からなる長尺状の部材として構成される。この清掃体ホルダ130は、典型的には合成樹脂材料等の非金属材料によって構成されるのが好ましい。ここでいう清掃体ホルダ130が、本発明における「清掃体ホルダ」に相当する。
【0023】
ハンドル部150は、長尺状に延在するハンドル本体151を備える。このハンドル本体151は、使用者の手指によって把持される部位とされる。このハンドル部150は、ハンドル本体151の一方の端部とホルダ本体140の一方の端部とによって形成される接続部141を介してホルダ本体140に接続される。ハンドル部150のこの接続構造に関しては、ホルダ本体140およびハンドル部150(ハンドル本体151および接続部141)の各々を別体構造として組み付け自在とする構成や、ホルダ本体140およびハンドル部150を接続部141とともに一体成型とする構成、また接続部141をホルダ本体140およびハンドル本体151のいずれか一方と一体成型とする構成などを適宜採用することができる。ここでいうハンドル部150ないしハンドル本体151が、本発明における「把持部」を構成する。
【0024】
ホルダ本体140は、清掃体110を着脱自在に保持する機能を有する部位とされる。このホルダ本体140には、左右一対の長尺状の保持体142,142が設けられている。これらの保持体142,142は、接続部141側の端部を固定端143とし、その反対側の端部を自由端144として、所定の間隔を空けて同一平面上にて平行に(並行して)延在する長尺状とされる。すなわち、ホルダ本体140は、その先端側が保持体142,142によって二股状に分かれたフォーク形状となっている。これら保持板142,142の断面形状に関しては、断面が長方形、正方形、円形、多角形のものを適宜採用することが可能である。
【0025】
また各保持体142には、突片145および押え板146が設けられている。突片145は、各保持体142の外縁部142aから保持体外方へと突出している。この突片145は、各保持体142の長手方向に関し1または複数(図1では、各保持体142に2つ)設けられるのが好ましい。これにより、各保持体142のうち突片145が設けられた部位は、当該保持体の各部位のうち幅方向の長さが最も拡張された拡幅部とされる。押え板146は、両保持板142,142の間において前方へと延在するとともに、下側に向けて凸形状となるように湾曲して形成される板状部材として構成され、更にその下面に係止突部(図示省略)を備える。ここでいう保持体142,142が、本発明における「保持体」を構成する。
【0026】
各保持体142は、清掃体110に形成された対応する挿入空間(後述する挿入孔117)への挿入が可能とされており、この挿入空間への挿入状態において清掃体110を保持する機能を有する。各保持体142は、その挿入状態において清掃体110の挿入空間に密着状に摺接して嵌まり込み、清掃体110に対する止着作用を発揮する。また、各保持体142は、その挿入状態において当該保持体の拡幅部である突片145が、清掃体110に対する抜け止めとして作用する。更に、この挿入状態においては、押え板146が清掃体110を上方から押えつけるとともに、その下面の係止突部が清掃体110の抜け止めとして作用する。これにより、各保持体142の挿入状態では、清掃体110がホルダ本体140によって抜け止めされつつ確実に保持されることとなる。
【0027】
なお、各保持体142の挿入動作の円滑化を図るべく、各保持体142の形状を適宜設定するのが好ましい。例えば、保持体の板幅方向の形状に関しては、各保持体142の板幅が固定端143と自由端144の間で一定とされた構成や、各保持体142の板幅が自由端144に向かうにつれて小さくなる構成などを採用することができる。また、例えば、保持体の板厚方向の形状に関しては、各保持体142の板厚が固定端143と自由端144の間で一定とされた構成や、各保持体142の板厚が自由端144に向かうにつれて小さくなる構成などを採用することができる。
【0028】
次に、上記清掃体110の具体的な構造に関し、図1に加え更に図2〜図5を参照しつつ詳細に説明する。ここで、図2には、図1中の清掃体110を各積層要素に分解した状態の斜視図が示されている。また、図3には、図1中の清掃体110の平面図が示され、図4には、図3中の清掃体110のA−A線に関する断面構造が示され、図5には、図3中の清掃体110のB−B線に関する断面構造が示されている。
【0029】
図2に示すように、本実施の形態の清掃体110は、その構成要素として、シート状の保持シート部111および刷毛部114を含む。保持シート部111の一方の面に刷毛部114が重ねられて、所定の接合部においてこれらの構成要素が接合される。
【0030】
図4に示すように、保持シート部111は、いずれも不織布からなるシート状の第1シート112および第2シート113が互いに重ねられて形成されている。この保持シート部111は、第2シート113の第1の方向10の長辺が、第1シート112の第1の方向10の長辺よりも短くなるように構成されるのが好ましい。これにより、第1シート112と第2シート113が重ねられた状態では、第1シート112のうち第2シート113よりも延出した延出面が、清掃体ホルダ130の保持体142を後述の挿入孔117へと円滑に誘導する機能を果たす。ここでいう第1シート112および第2シート113がそれぞれ、本発明における「第1のシート」および「第2のシート」に対応している。
【0031】
一方、刷毛部114は、繊維集合体115と不織布からなるシート状の第3シート116が互いに重ねられて形成され、繊維集合体115側において保持シート部111の第2シート113に被着される。従って、清掃体110は、保持シート部111の第2シート113と第3シート116との間に繊維集合体115が挟み込まれる構成とされる。繊維集合体115は、更に重ねられた3つの繊維体からなる。これら3つの繊維体のうちの第2シート113側の1つの繊維体115aは、第1グループの複数の繊維(本発明における「第1グループの複数の繊維」に相当する)からなる繊維体とされ、その他の2つの繊維体115bは、第2グループの複数の繊維(本発明における「第2グループの複数の繊維」に相当する)からなる繊維体とされる。繊維集合体115を構成する繊維体115a,115bはいずれも、複数の繊維が第2の方向12方向に、一方の挿入孔と他方の挿入孔の双方にまたがって延在する構成とされる。これにより、繊維集合体115が、一方の挿入孔117に対応した繊維と、他方の挿入孔117に対応した繊維に分割されていない清掃体が実現される。また、この清掃体110では、保持シート部111の第2シート113によって一方の清掃体表面(清掃体上面)が形成され、また刷毛部114の第3シート116によって他方の清掃体表面(清掃体下面)が形成される。これにより、清掃体110は第2シート113の片面が清掃体表面に露出する一方、第3シート116の片面が清掃体表面に露出する。
【0032】
上記構成の第1シート112、第2シート113および第3シート116は、それぞれ図2中の矢印12方向に関する端部、すなわち左右端部にジクザグ状にカットされた複数の短冊片(短冊部分)112a,113aおよび116aを備えるのが好ましい。これら短冊片112a,113a,116aはいずれも、図2中の矢印12方向に長尺状に延在する構成とされる。この場合、当該短冊片を備えるシート112,113,116は、短冊シートとも称呼される。このような構成の短冊片は、ごみを引っ掛けて捕捉し易く、また凹部に入り込んだごみを描き出し易い、清掃機能の高い構造として特に効果的である。なお、短冊片112a,113a,116aの形状に関しては、ジクザグ状、直線状、曲線状などのうちの単一種類或いは複数種類の形状を適宜用いることができる。
【0033】
(不織布の構成)
上記構成の第1シート112、第2シート113および第3シート116に関しては、いずれも典型的には熱溶融性繊維(熱可塑性繊維)からなるシート状の不織布を使用することができる。従って、これら第1シート112、第2シート113および第3シート116は、「不織布シート」とも称呼される。この不織布は、機械的、化学的、熱的などの処理によって繊維を固着したり絡み合わせたりして作られるシート状の構成物であって、熱可塑性繊維を一部に含み接合が可能な不織布とされ、複数の短冊片を有する形状の不織布として構成される。熱可塑性繊維(熱溶融繊維)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等を使用することができる。
【0034】
また、この不織布は、実用的な強度を備える10〜100g/mの熱可塑性繊維によって構成されるのが好ましい。この不織布としては、エアースルー法、スパンボンド法、サーマルボンド法、スパンレース法、ポイントボンド法、メルトブロー法、ステッチボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法等により製造されたものを適宜使用することができる。ここでいう不織布が、本発明における「不織布」に相当する。なお、清掃時の掃き出し機能を向上させるためには、剛性の高い不織布を用いるのが好ましい。また、不織布に代えて或いは加えて、ウレタン、スポンジ、織布、ネット、ワリフなどの素材を短冊状に加工したものを用いることもできる。
【0035】
(繊維集合体の構成)
一方、繊維集合体115の繊維体115a,115bはいずれも、繊維による単一の繊維構造体や、繊維が長さ方向および/または径方向にそろった繊維構造体(撚糸、紡績糸、複数の長繊維が部分的に接続された糸材など)、ないし当該繊維構造体の集合体とされ、熱可塑性繊維を一部に含み接合が可能な繊維体として構成される。各繊維体を形成する繊維とは、糸、織物などの構成単位であり、太さに比して十分な長さを持つ、細くてたわみやすい形態のものとして規定され、典型的には長い連続状の繊維が長繊維(フィラメント)とされ、短い繊維が短繊維(ステープル)とされる。当該繊維体の繊維は、短冊片112a,113a,116aと同様に、図2中の矢印12方向に長尺状に延在する構成とされる。この繊維集合体115は、複数の繊維が束状に形成された「繊維束」とも称呼される。この繊維集合体115を構成する繊維体115a,115bによって、本発明における「繊維体」が構成される。
【0036】
なお、本実施の形態では、繊維体115a,115bが重ねられて繊維集合体115が形成される場合について記載しているが、繊維体の数は必要に応じて1または複数とすることができる。この繊維集合体115や繊維体115a,115bは、所定の平面や曲面による面構造を有するとともに、ある程度の厚みを有する立体形状として、或いは薄肉シート形状として構成されるのが好ましい。ここでいう「繊維体」は、典型的にはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、レーヨンなどを材質とし、実用上はトウを開繊することによって得られる長繊維(フィラメント)の集合体がこの繊維体として多用される。特には、芯部分がポリプロピレン(PP)或いはポリエチレンテレフタレート(PET)であり、この芯部分の外面を覆う鞘部分がポリエチレン(PE)の複合繊維を用いて繊維体が構成されるのが好ましい。この繊維体を形成する長繊維は、その繊度が0.5〜66dtexとされるのが好ましい。また、各繊維体は概ね同様の繊度の繊維から構成されてもよいし、或いは各繊維体が異なる繊度の繊維を含む構成であってもよい。また、熱可塑性樹脂を含む繊維を用いる場合、少なくとも2種類以上の異なった融点の樹脂(例えば融点差が20℃以上の樹脂)を使用するのが好ましい。
【0037】
また、清掃時の掃き出し機能を向上させるためには、剛性の高い繊維、すなわち繊度が高い繊維を含む繊維体を用いるのが好ましい。また、この繊維体は、捲縮繊維を有する構成とされるのが好ましい。この場合、1インチあたりのクリンプ数が5〜30の倦縮繊維を用いるのが好ましい。ここでいう捲縮繊維は、所定の巻き縮み処理が付与された繊維として構成され、繊維同士が絡み易い構造とされる。このような捲縮繊維を用いると、繊維体が清掃体ホルダ装着前の状態よりも嵩高となり、更に捲縮部分にごみを取り込み易い構造とされる。本構造は、特にトウ繊維から形成された捲縮繊維を用いることによって実現され得る。また、ごみ、塵、埃などを確実に吸着するべく、着塵油剤を含有する繊維を用いるのが好ましい。
【0038】
繊維体として、フィルムをテープ状にスリットし、縦方向へ延伸させたフラットヤーンや、スプリットヤーンと称呼される熱可塑性フィルム樹脂を樹脂の配向方向と直交する方向にかきわけて、繊維状となったフィルムが網目状に接合されているものを使用してもよい。或いは、繊維体として、エアースルー不織布などの嵩高で繊維密度の低い不織布を使用してもよい。
【0039】
図3に示されるように、上記構成の清掃体110は、それぞれ当該清掃体110の長辺110aが延在する第1の方向10に沿って延在する第1接合部121、第2接合部122および第3接合部123を備える。これら第1接合部121、第2接合部122および第3接合部123はいずれも、融着、接着、係着、縫着等のうちの少なくとも1つの接合形態によって構成されるのが好ましい。第3接合部123は、清掃体110の短辺110bが延在する第2の方向12に関し、当該清掃体110の中央領域に配置されており、連続した1つの接合線を形成している。この第3接合部123の両側に第1接合部121および第2接合部122が配置されている。図3に示す実施形態では、第1接合部121および第2接合部122は、第2の方向12に関し当該第3接合部123から同じ距離を隔てて配置され、且つ当該第3接合部123について線対称とされる。
【0040】
第1接合部121は、互いに並行して延在する第1の外側接合部121aおよび第1の内側接合部121bからなり、そのうちの第1の内側接合部121bが第2接合部122に近接して配置されている。この第1接合部121は、第1の外側接合部121aおよび第1の内側接合部121bが互いに平行であってもよいし、或いは平行でなくてもよい。ここでいう第1の外側接合部121aおよび第1の内側接合部121bがそれぞれ、本発明における「第1の外側接合部」および「第1の内側接合部」に対応している。
【0041】
同様に、第2接合部122は、互いに並行して延在する第2の外側接合部122aおよび第2の内側接合部122bからなり、そのうちの第2の内側接合部122bが第1接合部121に近接して配置されている。この第2接合部122は、第2の外側接合部122aおよび第2の内側接合部122bが互いに平行であってもよいし、或いは平行でなくてもよい。ここでいう第2の外側接合部122aおよび第2の内側接合部122bがそれぞれ、本発明における「第2の外側接合部」および「第2の内側接合部」に対応している。なお、「内側接合部」は、第1接合部121(第2接合部122)を構成する複数の接合部のうち第2接合部122(第1接合部121)側の接合部を表し、「外側接合部」は、第1接合部121(第2接合部122)を構成する複数の接合部のうち第2接合部122(第1接合部121)と反対側の接合部を表す。
【0042】
第1接合部121の第1の内側接合部121bと、第2接合部122の第2の内側接合部122bとによって区画される領域が中間領域118とされ、この中間領域118に第3接合部123が配置されている。この場合、第3接合部123は、第1接合部121および第2接合部122とは独立して構成されてもよいし、或いは第1接合部121または第2接合部122の一部を兼務した構成であってもよい。ここでいう中間領域118が本発明における「中間領域」に相当し、またこの中間領域118に配置された第3接合部123が、本発明における「中間接合部」に相当する。
【0043】
第1の外側接合部121aは、第1の方向10に直線状に延在し、それぞれ離間して配置された3つの直線領域121cと、隣り合う2つの直線領域121cの間に傾斜状に配置された2つの傾斜領域121dとによって連続して延在する1つの接合線を形成している。また第1の内側接合部121bは、第1の方向10に直線状に延在し、それぞれ離間して配置された3つの直線領域121eと、隣り合う2つの直線領域121eの間に傾斜状に配置された2つの傾斜領域121fとによって連続して延在する1つの接合線を形成している。同様に、第2の外側接合部122aは、第1の方向10に直線状に延在し、それぞれ離間して配置された3つの直線領域122cと、隣り合う2つの直線領域122cの間に傾斜状に配置された2つの傾斜領域122dとによって連続して延在する1つの接合線を形成している。また第1の内側接合部122bは、第1の方向10に直線状に延在し、それぞれ離間して配置された3つの直線領域122eと、隣り合う2つの直線領域122eの間に傾斜状に配置された2つの傾斜領域122fとによって連続して延在する1つの接合線を形成している。
【0044】
なお、上記構成の第1接合部121、第2接合部122および第3接合部123はいずれも、第1の方向10に沿って連続して延在する1つの接合線や1つの接合点として構成されてもよいし、或いは第1の方向10に沿って断続的に延在する複数の接合線または接合点として構成されてもよい。また、接合線の形状として、直線、破線、波線、ジグザグ線、曲線等、種々の形態を採り得る。
【0045】
重ねられた第1シート112および第2シート113と、第1接合部121とによって区画される領域は、清掃体ホルダ130の一方の保持体142を挿入するための一方の挿入孔117として構成される。同様に、重ねられた第1シート112および第2シート113と、第2接合部122とによって区画される領域は、清掃体ホルダ130の他方の保持体142を挿入するための他方の挿入孔117として構成される。これら挿入孔117,117はいずれも、挿入口117aから清掃体110の長辺110aが延在する第1の方向10に沿って延在する挿入空間として構成される。これら挿入孔117,117は、典型的には直線状、曲線状、或いは波線状に延在する構成とされる。なお、この挿入孔117を、各保持体142の挿入を許容する挿入孔以外の挿入空間、例えばスリット、切り込み等によって形成される挿入空間に置き換えることもできる。また、この挿入孔117は、その全部または一部の延在方向が第1の方向10に合致する挿入空間として、或いはその全部または一部の延在方向が第1の方向10に概ね合致する挿入空間として構成され得る。ここでいう挿入孔117,117によって、本発明における「第1の挿入空間」および「第2の挿入空間」が構成される。
【0046】
上記第1接合部121、第2接合部122および第3接合部123によって接合される清掃体110の具体的な接合部位に関しては図5が参照される。図5に示すように、第1接合部121および第2接合部122はいずれも、保持シート部111と刷毛部114の一部、具体的には第1シート112および第2シート113に繊維体115aを加えた3つの構成要素を接合する接合部として構成される。これにより繊維集合体115の繊維体のうち、第1グループの複数の繊維からなる繊維体115aのみが第1接合部121および第2接合部122において保持シート部111に接続され、第2グループの複数の繊維からなる繊維体115bは第1接合部121および第2接合部122においては保持シート部111に接続されない。これに対して、第3接合部123は、保持シート部111と刷毛部114の全部を接合する接合部として構成される。
【0047】
このような接合によれば、保持シート部111(第1シート112と第2シート113)および繊維体115aはいずれも、第1の外側接合部121aで接合された端部を固定端とし、この第1の外側接合部121aを挟んで第1の内側接合部121bと反対側の端部を自由端として延在する第1延在部111aと、第2の外側接合部122aで接合された端部を固定端とし、この第2の外側接合部122aを挟んで第2の内側接合部122bと反対側の端部を自由端として延在する第2延在部111bを有する。一方で、刷毛部114のうち繊維体115aを除く部位、すなわち繊維体115bおよび第3シート116からなる部位は、第3接合部123で接合された端部を固定端とし、当該第3接合部123から離間する側の端部を自由端としてそれぞれ延在する第1延在部114aおよび第2延在部114bを有する。
【0048】
また、本実施の形態の清掃体110は、清掃体ホルダ130が未装着の状態、すなわち各保持体142が各挿入孔117に完全に挿入されていない状態においては、中間領域118の第2の方向12についての間隔d1が、2つの保持体142,142の間隔d2のうちの最も短い間隔を上回る拡隔部124を有する構成が特徴とされる。この拡隔部124は、清掃体110の第1の方向10の全ての部位にわたって形成されてもよいし、或いは清掃体110の第1の方向10の一部に形成されてもよい。図3には、2つの保持体142,142の間隔d2が第1の方向10について一定とされた実施形態を示している。また、第1の方向10に関し拡隔部124を挟んでその両側には、両挿入孔117,117の第2の方向12の間隔が拡隔部124よりも狭い、具体的には間隔d1が間隔d2を下回る縮隔部125,125が設けられている。特に、挿入口117a側の縮隔部125は、各保持体142を各挿入孔117に挿入し易くするための誘導領域としての機能を果たす。
【0049】
上記構成の拡隔部124を有する清掃体110の作用効果については図3に加えて、更に図6が参照される。この図6には、図5中の清掃体110の断面構造に関し、各保持体142が各挿入孔117に挿入される前後の様子が示されている。
【0050】
図3において、各保持体142を各挿入孔117に挿入する際、まず一方の保持体142の自由端144が第1の内側接合部121bのうち挿入口117a側の傾斜領域121fに接触し、また他方の保持体142の自由端144が第2の内側接合部122bのうち挿入口117a側の傾斜領域122fに接触する。当該保持体142の挿入が継続されると、当該傾斜領域121f,122fは、両保持体142,142によって互いに引き寄せられるように動作し、更にこれら傾斜領域121f,122fに連接する真ん中の直線領域121e,122eも、両保持体142,142によって互いに引き寄せられるように動作する。
【0051】
これにより、図6に示すように、2つの挿入孔117,117が図中の矢印14および16方向に接近し、それによって、中間領域118における保持シート部111と繊維体115aが、挿入孔117,117に対して繊維集合体115が配置されている方向、すなわち図中の矢印18方向に押し出される。この押し出し動作によって、繊維集合体115のうち中間領域118の両側の繊維部分(例えば、中間領域118を固定端部とした場合の繊維集合体115の自由端部)の厚みが増えることとなる。具体的には、保持シート部111および繊維体115aの第1延在部111aは、それらの自由端部が第3接合部123を旋回中心として中間領域118まわりに矢印20方向に旋回し、また保持シート部111および繊維体115aの第2延在部111bは、それらの自由端部が第3接合部123を旋回中心として中間領域118まわりに矢印22方向に旋回する。更に、各保持体142の突片145が、第1の外側接合部121aまたは第2の外側接合部122aを摺動する際に、第1延在部111aおよび第2延在部111bの旋回動作が更に助長される。このような旋回動作をより確実に行なうためには、清掃体110の幅方向(図3中の第2の方向)の断面に関し、保持シート部111を挟んでその上方の構成要素の形状とその下方の構成要素の形状とが非対称となるように構成するのが好ましい。図6に示す実施形態の場合には、清掃体110は保持シート部111の上方には構成要素が備えておらず非対称とされる。
【0052】
一方、第1延在部111aおよび第2延在部111bの旋回動作の際には、第3シート116および繊維体115bの第1延在部114aと、第3シート116および繊維体115bの第2延在部114bは、それらの位置がほぼ維持した状態とされるか、或いは各繊維体の自重作用によって、当該繊維体の自由端部が第3接合部123を旋回中心として中間領域118まわりに矢印24または矢印26方向に旋回する。
【0053】
第1延在部111aおよび第2延在部111bの上記旋回動作によって、清掃体110の幅方向(図3中の矢印12方向)の断面に関し繊維集合体115の上記押し出し方向の繊維間距離が広げられるため、清掃体110に清掃体ホルダ130が装着される前よりも見た目の比容積を増加させることができる。これにより、ごみ、塵、埃などの捕集対象物を捕集するための領域を繊維内部まで拡張することができ、繊維集合体115を有効に利用することが可能となり、以って清掃効果向上を図ることが可能となる。
また、繊維集合体115の繊維間距離が広がることで表面積が増えることとなり、その結果、一拭きの清掃範囲が広がって払拭効果が高まる。
また、繊維集合体115の比容積や表面積が増加された上記の状態は、各保持体142を各挿入孔117に挿入することによって自然に形成されるため、使用前に繊維集合体115の繊維を手で解いたり、清掃体ホルダ130を清掃体110ごと振ることによって、清掃体110のボリューム感を高める操作を使用者があえて行なう必要なく合理的である。しかも、一旦形成された清掃体110の形状は、各挿入孔117に挿入された各保持体142によって強制的に維持されるため、当該形状がより長く安定的に維持され得る。
【0054】
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0055】
本発明においては、清掃体110や清掃体ホルダ130の構成要素の種類や数等に関しては、上記の例に限定されるものではなく、必要に応じて種々選択が可能である。例えば、清掃体110に3つ以上の挿入孔を設ける構成や、清掃体ホルダ130に3つ以上の保持体を設ける構成などを適宜採用することもできる。
【0056】
また、上記実施の形態では、清掃体110をシート状の不織布と繊維体を用いて構成する場合について記載したが、本発明では、シート状の不織布と繊維体のいずれか一方によって清掃体が構成されてもよい。
【0057】
また、上記実施の形態の清掃体110では、不織布からなる第3シート116が刷毛部114に含まれる場合について記載したが、清掃体110の設計仕様変更等の必要に応じては、刷毛部114から第3シート116が省略された構成を採用することも可能である。
【0058】
また、上記実施の形態の清掃体110では、保持シート部111が清掃体上面を規定する構成、すなわち保持シート部111を挟んで刷毛部114とは反対側には清掃体要素が設けられない構成について記載したが、本発明では、保持シート部111を挟んで刷毛部114とは反対側に繊維集合体115のような刷毛部を接合することもできる。
【0059】
また、本発明では、第1接合部121、第2接合部122および第3接合部123の形状や配置については、図3に示す実施形態の清掃体110に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。例えば、図7〜図13の平面図によって示される別実施の形態の清掃体210〜270を採用することもできる。
【0060】
図7に示す清掃体210において、第1接合部121の第1の外側接合部121aおよび第1の内側接合部121bは、第1の方向10に互いに平行に延在し、且つ、いずれも第3接合部123に対し平行に延在している。同様に、第2接合部122の第2の外側接合部122aおよび第2の内側接合部122bは、第1の方向10に互いに平行に延在し、且つ、いずれも第3接合部123に対し平行に延在している。従って、この清掃体210には、図3に示す清掃体110とは異なり、第1接合部121および第2接合部122の全体にわたって拡隔部124が設けられており、縮隔部125が設けられていない。また、この実施形態では、各挿入孔117は、その全部が第1の方向10に合致して延在する挿入空間として構成されている。
【0061】
図8に示す清掃体220は、第1接合部121の第1の内側接合部121bと第2接合部122の第2の内側接合部122b以外は、図3に示す清掃体210の接合部と同様とされる。第1の内側接合部121bは、2つの傾斜領域121fのみによって形成され、図3中の直線領域121eを備えていない。同様に、第2の内側接合部122bは、2つの傾斜領域122fのみによって形成され、図3中の直線領域122eを備えていない。また、この実施形態では、各挿入孔117は、その一部が第1の方向10に合致して延在し、全体として第1の方向10に沿って延在する挿入空間として構成されている。
【0062】
図9に示す清掃体230において、第3接合部123は、第1の方向10に延在するジグザグ線とその両側の直線を組み合わせた1つの接合線とされる。これにより、第3接合部123の形状が第1の方向10に関し左右非対称とされる。また、第1接合部121の第1の外側接合部121aは、図3に示す清掃体110の真ん中の直線領域121cのみによって形成されている。同様に、第2接合部122の第2の外側接合部122aは、図3に示す清掃体110の真ん中の直線領域122cのみによって形成されている。また、この実施形態では、各挿入孔117は、その一部が第1の方向10に合致して延在し、全体として第1の方向10に沿って延在する挿入空間として構成されている。
【0063】
図10に示す清掃体240は、第1接合部121の第1の外側接合部121aおよび第1の内側接合部121bは、第1の方向10に沿って互いに平行に延在し、且つ、いずれも第3接合部123に対し傾斜して延在している。同様に、第2接合部122の第2の外側接合部122aおよび第2の内側接合部122bは、第1の方向10に沿って互いに平行に延在し、且つ、いずれも第3接合部123に対し傾斜して延在している。具体的には、第1の方向10に関し挿入口117a側を清掃体後端とし、その反対側を清掃体前端とした場合、第1の外側接合部121aおよび第1の内側接合部121bは、清掃体後端から清掃体前端に向けて等間隔を維持した状態で第3接合部123から直線的に離間していくように延在する1つの接合線とされる。同様に、第2の外側接合部122aおよび第1の内側接合部122bは、清掃体後端から清掃体前端に向けて等間隔を維持した状態で第3接合部123から直線的に離間していくように延在する1つの接合線とされる。この実施形態では、各挿入孔117は、全体として第1の方向10に沿って延在する挿入空間として構成されている。
【0064】
図11に示す清掃体250において、第1の外側接合部121aは、3つの直線領域121cのみによって形成され、図3中の傾斜領域121dを備えていない。また、第1の内側接合部121bは、3つの直線領域121eのみによって形成され、図3中の傾斜領域121fを備えていない。同様に、第2の外側接合部122aは、3つの直線領域122cのみによって形成され、図3中の傾斜領域122dを備えていない。また、第2の内側接合部122bは、3つの直線領域122eのみによって形成され、図3中の傾斜領域122fを備えていない。また、この実施形態では、各挿入孔117は、その一部が第1の方向10に合致して延在し、全体として第1の方向10に沿って延在する挿入空間として構成されている。
【0065】
図12に示す清掃体260では、清掃体長辺の中点を通る中心線Lに関し、当該中心線Lの両側の接合部の形状が異なる。具体的には、第1の方向10に関し挿入口117a側を清掃体後端とし、その反対側を清掃体前端とした場合、図3に示す清掃体110と対比して、拡隔部124の位置が中心線Lよりも清掃体前端側にシフトされている。また、この実施形態では、各挿入孔117は、その一部が第1の方向10に合致して延在し、全体として第1の方向10に沿って延在する挿入空間として構成されている。
【0066】
図13に示す清掃体270において、第3接合部123は、第1の方向10に延在するジグザグ線とその両側の直線を組み合わせた1つの接合線とされる。また、この第3接合部123は、第1接合部121の第1の内側接合部121bの機能と、第2接合部122の第2の内側接合部122bの機能を兼務している。これにより接合部の数を抑えることが可能となり合理的である。また、この実施形態では、各挿入孔117は、その一部が第1の方向10に合致して延在し、全体として第1の方向10に沿って延在する挿入空間として構成されている。
【0067】
上記構成の清掃体210〜270も図3に示す清掃体110と同様に少なくとも拡隔部124を有しており、この点において清掃体110の前述の作用効果と同様の作用効果を奏することとなる。
【0068】
また、本発明では、清掃体110の保持シート部111および刷毛部114の構成や、清掃体110のうち第1接合部121、第2接合部122および第3接合部123によって接合される部位については、図5に示す実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更が可能である。例えば、図14〜図19の断面図によって示される別実施の形態の清掃体310〜360を採用することもできる。
【0069】
図14に示す清掃体310は、繊維集合体115が第2グループの複数の繊維からなる繊維体115bのみによって構成されている。この繊維体115bは、第3接合部123において保持シート部111に接続されるが、第1接合部121および第2接合部122においては保持シート部111に接続されない。本構成では、2つの挿入孔117,117が接近し、中間領域118における保持シート部111が、挿入孔117,117に対して繊維集合体115が配置されている方向に押し出される。この押し出し動作によって、保持シート部111の第1延在部111aは、その自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印20方向に)旋回し、また保持シート部111の第2延在部111bは、その自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印22方向に)旋回する。
【0070】
図15に示す清掃体320は、繊維集合体115が第1グループの複数の繊維からなる繊維体115aのみによって構成されている。この繊維体115aは、第1接合部121〜第3接合部123の全てにおいて保持シート部111に接続される。本構成では、2つの挿入孔117,117が接近し、中間領域118における保持シート部111と繊維体115aが、挿入孔117,117に対して繊維集合体115が配置されている方向に押し出される。この押し出し動作によって、保持シート部111および繊維体115aの第1延在部111aは、それらの自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印20方向に)旋回し、また保持シート部111および繊維体115aの第2延在部111bは、それらの自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印22方向に)旋回する。
【0071】
図16に示す清掃体330は、繊維集合体115が、第1グループの複数の繊維からなる繊維体115aと、第2グループの複数の繊維からなる2つの繊維体115bによって構成されている。繊維体115aと保持シート部111側の一方の繊維体115bは、第1接合部121または第2接合部122において保持シート部111に接続される。これに対し、他方の繊維体115bは、第3接合部123において保持シート部111に接続されるが、第1接合部121または第2接合部122においては保持シート部111に接続されない。本構成では、2つの挿入孔117,117が接近し、中間領域118における保持シート部111、繊維体115aおよび一方の繊維体115bが、挿入孔117,117に対して繊維集合体115が配置されている方向に押し出される。この押し出し動作によって、保持シート部111および繊維体115aの第1延在部111aは、それらの自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印20方向に)旋回し、また保持シート部111および繊維体115aの第2延在部111bは、それらの自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印22方向に)旋回する。
【0072】
図17に示す清掃体340は、繊維集合体115が、第1グループの複数の繊維からなる繊維体115aと、第2グループの複数の繊維からなる2つの繊維体115bによって構成されている。また、繊維体115aは、一方の挿入孔117に対応して設けられたシート部と、他方の挿入孔117に対応して設けられたシート部とに分割されている。同様に、繊維体115bは、一方の挿入孔117に対応して設けられたシート部と、他方の挿入孔117に対応して設けられたシート部とに分割されている。繊維体115aの2つのシート部は、第1接合部121および第2接合部122において保持シート部111に接続される。これに対し繊維体115bの2つのシート部は、第3接合部123において保持シート部111に接続されるが、第1接合部121および第2接合部122においては保持シート部111に接続されない。本構成では、2つの挿入孔117,117が接近し、中間領域118における保持シート部111および繊維体115aが、挿入孔117,117に対して繊維集合体115が配置されている方向に押し出される。この押し出し動作によって、保持シート部111および繊維体115aの一方のシート部の第1延在部111aは、それらの自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印20方向に)旋回し、また保持シート部111および繊維体115aの一方のシート部の第2延在部111bは、それらの自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印22方向に)旋回する。
【0073】
図18に示す清掃体350は、繊維集合体115が、第2グループの複数の繊維からなる繊維体115bのみによって構成されている。また、繊維体115bは、一方の挿入孔117に対応して設けられたシート部と、他方の挿入孔117に対応して設けられたシート部とに分割されている。繊維体115bの2つのシート部は、第3接合部123において保持シート部111に接続されるが、第1接合部121および第2接合部122においては保持シート部111に接続されない。本構成では、2つの挿入孔117,117が接近し、中間領域118における保持シート部111が、挿入孔117,117に対して繊維集合体115が配置されている方向に押し出される。この押し出し動作によって、保持シート部111の第1延在部111aは、その自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印20方向に)旋回し、また保持シート部111の第2延在部111bは、その自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印22方向に)旋回する。
【0074】
図19に示す清掃体360は、繊維集合体115が、第1グループの複数の繊維からなる繊維体115aのみによって構成されている。また、繊維体115aは、一方の挿入孔117に対応して設けられたシート部と、他方の挿入孔117に対応して設けられたシート部とに分割されている。繊維体115aの2つのシート部は、第1接合部121〜第3接合部123の全てにおいて保持シート部111に接続される。本構成では、2つの挿入孔117,117が接近し、中間領域118における保持シート部111と繊維体115aが、挿入孔117,117に対して繊維集合体115が配置されている方向に押し出される。この押し出し動作によって、保持シート部111および繊維体115aの一方のシート部の第1延在部111aは、それらの自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印20方向に)旋回し、また保持シート部111および繊維体115aの他方のシート部の第2延在部111bは、それらの自由端部が第3接合部123を旋回中心として(図6中の矢印22方向に)旋回する。
【0075】
上記構成の清掃体310〜370も、図5に示す清掃体110と同様に、中間領域118の繊維体が、挿入孔117,117に対して繊維集合体115が配置されている方向に押し出されて、繊維集合体115のうち中間領域118の両側の繊維部分の厚みが増え、これにより繊維集合体115の繊維間距離が広げられるという作用効果を奏する。
【0076】
上記実施の形態では、図3に示されるように、2つの保持体142,142の間隔d2が第1の方向10について一定とされる場合について記載したが、当該間隔が第1の方向10について異なる構成を採用することもできる。例えば、2つの保持体142,142の間隔が自由端144において第2の方向12に拡隔されるように、自由端144に傾斜部147を設けた別実施の形態のホルダ本体160を採用することもできる。このような構成を採用することによって、挿入孔117への保持体142の挿入し易さを実現することができる。
【符号の説明】
【0077】
100…清掃用具
110…清掃体
110a…長辺
110b…短辺
111…保持シート部
111a…第1延在部
111b…第2延在部
112…第1シート
112a…短冊片
113…第2シート
113a…短冊片
114…刷毛部
114a…第1延在部
114b…第2延在部
115…繊維集合体
115a,115b…繊維体
116…第3シート
116a…短冊片
117…挿入孔
117a…挿入口
118…中間領域
118a…短冊片
121…第1接合部
121a…第1の外側接合部
121b…第1の内側接合部
121c,121e…直線領域
121d,121f…傾斜領域
122…第2接合部
122a…第2の外側接合部
122b…第2の内側接合部
122c,122e…直線領域
122d,122f…傾斜領域
123…第3接合部
124…拡隔部
130…清掃体ホルダ
140…ホルダ本体
141…接続部
142…保持体
142a…外縁部
143…固定端
144…自由端
145…突片
146…押え板
150…ハンドル部
151…ハンドル本体
160…ホルダ本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃対象の清掃に用いられる清掃用具であって、
清掃体ホルダと、前記清掃体ホルダに保持される清掃体を備え、
前記清掃体ホルダは、
使用者によって把持される把持部と、前記把持部から並行して長尺状に延在する第1の保持体および第2の保持体と、
を含み、
前記清掃体は、
前記清掃体ホルダの前記第1の保持体および前記第2の保持体のそれぞれが挿入され、第1の方向に沿って延在する第1の挿入空間および第2の挿入空間と、
不織布からなる第1のシートおよび第2のシートと、
重ねられた前記第1のシートと前記第2のシートを接合し、前記第1の挿入空間を区画する第1の内側接合部および第1の外側接合部と、
重ねられた前記第1のシートと前記第2のシートを接合し、前記第2の挿入空間を区画する第2の内側接合部および第2の外側接合部と、
前記第1の内側接合部と前記第2の内側接合部の間に形成される中間領域と、
前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する複数の繊維が、前記中間領域において、前記第1のシートに接合された繊維体と、
を備え、
前記清掃体ホルダの前記第1の保持体および前記第2の保持体のそれぞれが前記清掃体の前記第1の挿入空間および前記第2の挿入空間に挿入されることによって、前記第1の挿入空間と前記第2の挿入空間が接近し、それによって、前記中間領域における前記繊維体が、前記第1の挿入空間および前記第2の挿入空間に対して前記繊維体が配置されている方向に押し出されることを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
請求項1に記載の清掃用具であって、
前記清掃体の前記繊維体は、
前記第1のシート側に配置された第1グループの複数の繊維と、
前記第1グループの複数の繊維を挟んで前記第1のシートの反対側に配置された第2グループの複数の繊維と、を含み、
前記第1の挿入空間と前記第2の挿入空間が接近することによって、前記第1グループの複数の繊維が前記中間領域まわりに旋回することを特徴とする清掃用具。
【請求項3】
請求項2に記載の清掃用具であって、
前記清掃体は、前記第1グループの複数の繊維および前記第2グループの複数の繊維が、前記中間領域において、前記第1の内側接合部と前記第2の内側接合部とは別の、前記第1の方向に沿って延在する中間接合部によって前記第1のシートに接合され、当該中間接合部が、前記第1グループの複数の繊維の旋回中心として構成されることを特徴とする清掃用具。
【請求項4】
請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の清掃用具であって、
前記清掃体は、前記繊維体の複数の繊維が、前記第1の方向と交差する方向に、前記第1の挿入空間および前記第2の挿入空間の双方にまたがって延在する構成であることを特徴とする清掃用具。
【請求項5】
請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の清掃用具であって、
前記清掃体は、前記第2のシートのうち前記第1のシートとは反対の面が当該清掃体の清掃体表面として規定される構成であることを特徴とする清掃用具。
【請求項6】
清掃対象の清掃に用いる清掃体であって、
第1の保持体および第2の保持体のそれぞれが挿入され、第1の方向に沿って延在する第1の挿入空間および第2の挿入空間と、
不織布からなる第1のシートおよび第2のシートと、
重ねられた前記第1のシートと前記第2のシートを接合し、前記第1の挿入空間を区画する第1の内側接合部および第1の外側接合部と、
重ねられた前記第1のシートと前記第2のシートを接合し、前記第2の挿入空間を区画する第2の内側接合部および第2の外側接合部と、
前記第1の内側接合部と前記第2の内側接合部の間に形成される中間領域と、
前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する複数の繊維が、前記中間領域において、前記第1のシートに接合された繊維体と、
を備え、
前記第1の保持体および前記第2の保持体のそれぞれが前記清掃体の前記第1の挿入空間および前記第2の挿入空間に挿入されることによって、前記第1の挿入空間と前記第2の挿入空間が接近し、それによって、前記中間領域における前記繊維体の前記接合部が、前記第1の挿入空間および前記第2の挿入空間に対して前記繊維体が配置されている方向に押し出されることを特徴とする清掃体。
【請求項7】
請求項6に記載の清掃体であって、
前記繊維体は、
前記第1のシート側に配置された第1グループの複数の繊維と、
前記第1グループの複数の繊維を挟んで前記第1のシートの反対側に配置された第2グループの複数の繊維と、を含み、
前記第1の挿入空間と前記第2の挿入空間が接近することによって、前記第1グループの複数の繊維の前記少なくとも一方の端部が前記中間領域まわりに旋回し、また前記第2グループの複数の繊維の前記中間領域と反対側の端部が前記中間領域まわりに旋回することを特徴とする清掃体。
【請求項8】
請求項7に記載の清掃体であって、
前記第1グループの複数の繊維および前記第2グループの複数の繊維は、前記中間領域において、前記第1の内側接合部と前記第2の内側接合部とは別の、前記第1の方向に沿って延在する中間接合部によって前記第1のシートに接合され、当該中間接合部が、前記第1グループの複数の繊維および前記第2グループの複数の繊維の旋回中心として構成されることを特徴とする清掃体。
【請求項9】
請求項1から8のうちのいずれか一項に記載の清掃体であって、
前記繊維体の複数の繊維が、前記第1の方向と交差する方向に、前記第1の挿入空間および前記第2の挿入空間の双方にまたがって延在する構成であることを特徴とする清掃体。
【請求項10】
請求項6から9のうちのいずれか一項に記載の清掃体であって、
前記第2のシートのうち前記第1のシートとは反対の面が当該清掃体の清掃体表面として規定される構成であることを特徴とする清掃体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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