説明

清掃用具

【課題】収納溝に収納した清掃補助体が収納溝に沿う方向に移動しないように位置を規制した状態で植毛台を把持して毛体群によって比較的広い汚れ面を清掃することができ、収納溝から取り出した清掃補助体で狭隘部を清掃することができる清掃用具を提供する。
【解決手段】植毛台1の一面に毛体群2を設けてある清掃用具において、柄部31の一端部に清掃材32,33が設けられている清掃補助体3を備え、該清掃補助体3を取出し可能に収納する収納溝11を植毛台1の他面に設け、収納溝11に収納してある清掃補助体3の収納溝11に沿う方向における位置を規制する規制手段1c,1d,31b,31cを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室等を清掃するのに便利な清掃用具に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室等を清掃する清掃用具は、植毛台の一面に毛体群が設けられており、植毛台を把持し、毛体群の先端をタイル等の汚れ面に押し当てて擦ることにより、汚れ面に付着している汚れを落とすものである(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−353103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
比較的小形のタイルが敷設されている浴室等を植毛台の一面に毛体群が設けられている清掃用具(以下、ブラシという)で清掃する場合、毛体群の先端部の面積が狭いブラシでは清掃効率が悪く、一方、毛体群の先端部の面積が広いブラシでは、浴室の角部(隅部)、タイルの目地、折りたたみ式の風呂蓋の折り目部分等(以下、狭隘部と総称する)に毛体群を当て難く、狭隘部の汚れを落し難いという問題がある。また、ブラシは毛体群を有するため未使用時の適切な収納保存状態が決めにくいという問題もある。
【0004】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は、植毛台の一面に毛体群を設けてある清掃用具において、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を備え、該清掃補助体を取出し可能に収納する収納溝を植毛台の他面に設け、収納溝に収納してある清掃補助体の収納溝に沿う方向における位置を規制する規制手段を備えることにより、収納溝に収納した清掃補助体が収納溝に沿う方向に移動しないように位置を規制した状態で植毛台を把持して毛体群によって比較的広い汚れ面を清掃することができ、収納溝から取り出した清掃補助体で狭隘部を清掃することができる清掃用具を提供することにある。
【0005】
また、他の目的は、規制手段は収納溝の内部及び柄部に夫々設けられ、係合し合う係合凸部により構成することにより、簡易な構造によって収納溝に収納した清掃補助体の位置を規制することができる清掃用具を提供することにある。
【0006】
また、他の主たる目的は、植毛台の一面に毛体群を設けてある清掃用具において、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を備え、清掃補助体を取出し可能に収納する収納溝を植毛台の他面に設け、収納溝が縦方向に向く姿勢に植毛台を保持する姿勢保持手段を備えることにより、植毛台を把持して毛体群によって比較的広い汚れ面を清掃することができ、狭隘部を収納溝から取り出した清掃補助体で清掃することができ、未使用時は収納溝が縦方向に向く姿勢に植毛台の姿勢を保持して収納保存することができる清掃用具を提供することにある。
【0007】
また、他の目的は、姿勢保持手段は、植毛台の収納溝に沿う方向における端部に、植毛台の収納溝に沿う方向と略直交する一つの平面内に先端が位置するように設けた保持部材により構成することにより、収納溝に清掃補助体を収納させた植毛台の端部に設けた保持部材の先端を下側に位置する姿勢にして植毛台を支持面上に置くだけの簡易な操作で収納溝が縦方向に向く姿勢に保持させることができる清掃用具を提供することにある。
【0008】
また、他の目的は、姿勢保持手段は、収納溝に収納してある清掃補助体の清掃材を設けた柄部の一端部が下側に位置する姿勢に保持することにより、清掃材を設けた清掃補助体を収納する収納溝の部分を大部に形成した植毛台の端部が下側に位置し、重心位置が安定した姿勢で植毛台を保持させることができる清掃用具を提供することにある。
【0009】
また、他の目的は、収納溝に収納してある清掃補助体の清掃材が保持部材の先端が位置する一つの平面より突出しないように、収納溝に沿う方向における清掃補助体の位置を規制する規制手段を備えることにより、植毛台の端部に設けた保持部材の先端が下側に位置したときに、該保持部材の先端から清掃材が下側に突出せず、円滑に収納溝が縦方向に向く姿勢に保持させることができる清掃用具を提供することにある。
【0010】
また、他の目的は、規制手段は、収納溝の内部及び柄部に夫々設けられ、係合し合う係合凸部により構成してあることにより、簡易な構造にて収納溝内の清掃補助体の位置を規制して、植毛台の端部に設けた保持部材の先端が下側に位置したときに該保持部材の先端から清掃材が下側に突出せず、円滑に収納溝が縦方向に向く姿勢に保持させることができる清掃用具を提供することにある。
【0011】
また、他の目的は、清掃材は、柄部の一端部の先端側方向と毛体とが鋭角をなすように植毛された毛体群であることにより、柄部の一端部の先端側方向と鋭角をなす毛体を狭隘部に向けて、狭隘部の汚れを良好に落すことができる清掃用具を提供することにある。
【0012】
また、他の目的は、清掃材は、柄部の周方向の2位置に二つ設けられ、毛体の長手方向を異にしてある二つの毛体群であることにより、狭隘部の位置、広さ及び汚れ度合いに応じて一方の毛体群又は他方の毛体群を選択し、狭隘部の汚れを良好に落すことができる清掃用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明に係る清掃用具は、植毛台の一面に毛体群を設けてある清掃用具において、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を備え、該清掃補助体を取出し可能に収納する収納溝を前記植毛台の他面に設け、前記収納溝に収納してある前記清掃補助体の前記収納溝に沿う方向における位置を規制する規制手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
第1発明にあっては、一面に毛体群を設けてある植毛台の他面に設けた収納溝に、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を収納するので、毛体群の先端面積を比較的広くすることができ、規制手段によって、収納溝に収納してある清掃補助体の収納溝に沿う方向における位置を規制することができる。従って、比較的広い汚れ面を清掃する場合は、収納溝に収納した清掃補助体が収納溝に沿う方向に移動しないように位置を規制した状態で植毛台を把持し、毛体群を汚れ面に当てて効率よく清掃することができる。また狭隘部を清掃する場合は、収納溝から取り出した清掃補助体の柄部を把持し、清掃材を狭隘部に当てて該狭隘部の汚れを容易に落すことができ、従って、植毛台に植毛した毛体群と清掃補助体に設けた清掃材とにより汚れ面の全体を効率よく清掃することができる。
【0015】
第2発明に係る清掃用具は、前記規制手段は、前記収納溝の内部及び柄部に夫々設けられ、係合し合う係合凸部により構成してあることを特徴とする。
【0016】
第2発明にあっては、収納溝の内部に設けた係合凸部に、柄部に設けた係合凸部を係合させるという簡易な構造により、収納溝に収納してある清掃補助体の収納溝に沿う方向における位置を的確に規制することができる。
【0017】
第3発明に係る清掃用具は、植毛台の一面に毛体群を設けてある清掃用具において、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を備え、該清掃補助体を取出し可能に収納する収納溝を前記植毛台の他面に設け、前記収納溝が縦方向に向く姿勢に前記植毛台を保持する姿勢保持手段を備えていることを特徴とする。
【0018】
第3発明にあっては、一面に毛体群を設けてある植毛台の他面に設けた収納溝に、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を収納するので、毛体群の先端面積を比較的広くすることができる。従って、比較的広い汚れ面を清掃する場合は、収納溝に収納した清掃補助体が収納溝に沿う方向に移動しないように位置を規制した状態で植毛台を把持し、毛体群を汚れ面に当てて効率よく清掃することができ、狭隘部を清掃する場合は、収納溝から取り出した清掃補助体の柄部を把持し、清掃材を狭隘部に当てて該狭隘部の汚れを容易に落すことができ、従って、植毛台に植毛した毛体群と清掃補助体に設けた清掃材とにより汚れ面の全体を効率よく清掃することができる。さらに、姿勢保持手段によって、収納溝が縦方向に向く姿勢に植毛台を保持することができるので、未使用時は収納溝が縦方向に向く姿勢に植毛台を立てて、毛体群に負荷が加わらず水切りできる状態で適切に収納保存することができる。
【0019】
第4発明に係る清掃用具は、前記姿勢保持手段は、前記植毛台の前記収納溝に沿う方向における端部に、前記植毛台の前記収納溝に沿う方向と略直交する一つの平面内に先端が位置するように設けた保持部材により構成してあることを特徴とする。
【0020】
第4発明にあっては、植毛台の収納溝に沿う方向における端部に設けた保持部材の先端が、収納溝に沿う方向と略直交する一つの平面内に位置するので、収納溝に清掃補助体を収納させた植毛台の端部に設けた保持部材の先端を下側に位置する姿勢にして植毛台を支持面上に置いたときに、該保持部材の先端は支持面上に当接し、植毛台を収納溝が支持面に略直交し縦方向に向く姿勢に保持させることができる。
【0021】
第5発明に係る清掃用具は、前記姿勢保持手段は、前記収納溝に収納してある前記清掃補助体の柄部の一端部が下側に位置する姿勢に保持することを特徴とする。
【0022】
第5発明にあっては、収納溝に収納してある清掃補助体の清掃材を設けた柄部の一端部が下側に位置する姿勢に植毛台を保持するので、清掃補助体の清掃材を収納するために収納溝の部分を大部に形成した植毛台の端部が下側に位置し、その結果、植毛台及び収納した清掃補助体の重心位置が下側に位置した安定姿勢に植毛台を保持させることができる。
【0023】
第6発明に係る清掃用具は、前記収納溝に収納してある前記清掃補助体の前記清掃材が前記平面より突出しないように、前記収納溝に沿う方向における前記清掃補助体の位置を規制する規制手段を備えていることを特徴とする。
【0024】
第6発明にあっては、収納溝に収納してある清掃補助体の清掃材が植毛台の端部に設けた保持部材の先端が位置する一つの平面より突出しないので、植毛台の端部に設けた保持部材の先端が下側に位置したときに、該保持部材の先端から清掃材が下側に突出せず、清掃材によって妨げられることなく円滑に収納溝が縦方向に向く姿勢に保持させることができる。
【0025】
第7発明に係る清掃用具は、前記規制手段は、前記収納溝の内部及び柄部に夫々設けられ、係合し合う係合凸部により構成してあることを特徴とする。
【0026】
第7発明にあっては、収納溝の内部に設けた係合凸部に、柄部に設けた係合凸部を係合させるという簡易な構造により、収納溝内の清掃補助体の位置を規制して、植毛台の端部に設けた部材の先端が下側に位置したときに該部材の先端から清掃材が下側に突出しないようにし、円滑に収納溝が縦方向に向く姿勢に保持させることができる。
【0027】
第8発明に係る清掃用具は、前記清掃材は、前記柄部の前記一端部の先端側方向と毛体とが鋭角をなすように植毛された毛体群であることを特徴とする。
【0028】
第8発明にあっては、柄部の一端部の先端側方向に対して鋭角をなす毛体を狭隘部に向けて、狭隘部の汚れを良好に落すことができる。
【0029】
第9発明に係る清掃用具は、前記清掃材は、前記柄部の周方向の2位置に二つ設けられ、毛体の長手方向を異にしてある二つの毛体群であることを特徴とする。
【0030】
第9発明にあっては、柄部の周方向の2位置に毛体の長手方向を異にするように設けた二つの毛体群を狭隘部の位置、広さ及び汚れ度合いに応じて選択し、狭隘部の汚れを良好に落すことができる。
【発明の効果】
【0031】
第1発明によれば、清掃補助体が収納溝に沿う方向に移動しないように規制した状態で植毛台を把持して毛体群によって比較的広い汚れ面を清掃することができ、収納溝から取り出した清掃補助体で狭隘部を清掃することができ、汚れ面の全体を効率よく清掃することができる清掃用具が提供される。
【0032】
第2発明によれば、簡易な構造によって収納溝に収納してある清掃補助体の収納溝に沿う方向における位置を的確に規制することができる清掃用具が提供される。
【0033】
第3発明によれば、植毛台を把持して毛体群によって比較的広い汚れ面を清掃することができ、収納溝から取り出した清掃補助体で狭隘部を清掃することができ、汚れ面の全体を効率よく清掃することができるとともに、未使用時は収納溝が縦方向に向く姿勢に植毛台を立てて、毛体群に負荷が加わらず水切りできる状態で適切に収納保存することができる清掃用具が提供される。
【0034】
第4発明によれば、植毛台の端部に設けた保持部材の先端を下側に位置する姿勢にして植毛台を支持面上に置くだけの簡易な操作で収納溝が縦方向に向く姿勢に保持させることができる清掃用具が提供される。
【0035】
第5発明によれば、清掃材を設けた清掃補助体を収納する収納溝の部分を大部に形成した植毛台の端部が下側に位置し、重心位置が安定した姿勢で植毛台を保持させることができる清掃用具が提供される。
【0036】
第6発明によれば、植毛台の端部に設けた保持部材の先端が下側に位置したときに、該保持部材の先端から清掃材が下側に突出せず、円滑に収納溝が縦方向に向く姿勢に保持させることができる清掃用具が提供される。
【0037】
第7発明によれば、簡易な構造にて収納溝内の清掃補助体の位置を規制して、植毛台の端部に設けた保持部材の先端が下側に位置したときに該保持部材の先端から清掃材が下側に突出せず、円滑に収納溝が縦方向に向く姿勢に保持させることができる清掃用具が提供される。
【0038】
第8発明によれば、柄部の一端部の先端側方向に対して鋭角をなす毛体を狭隘部に向けて、狭隘部の汚れを良好に落すことができる清掃用具が提供される。
【0039】
第9発明によれば、狭隘部の位置、広さ及び汚れ度合いに応じて、毛体の長手方向を異にする二つの毛体群の一方の毛体群又は他方の毛体群を選択し、狭隘部の汚れを良好に落すことができる清掃用具が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明に係る清掃用具の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る清掃用具を示す正面図、図2は平面図、図3は図2のIII−III線における断面図、図4は底面図、図5は左側面図、図6は清掃補助体を取り出した状態の斜視図、図7は清掃補助体の平面図、図8は植毛台の平面図、図9は図7のIX−IX線における断面図、図10は図8のX−X線における断面図である。
【0041】
本発明に係る清掃用具は、横長の略直方体の外形をなす植毛台1と、該植毛台1の底面に植毛されてなる第1の毛体群2と、柄部31及び該柄部31の一端部に第2及び第3の毛体群32,33が植毛されており、後記する収納溝11に取出し可能に収納される清掃補助体3とを備える。
【0042】
植毛台1は、第1の毛体群2を設けてある台板1aと、該台板1aの全周面に上側から外嵌し、中央部に長手方向に沿って収納溝11を形成した把持体1bとにより構成されている。把持体1bは、長手方向の一端部及び中央部が略同一高さであり、中央部に比べて他端部側の高さが漸次低く形成されている。その結果、収納溝11は植毛台1の前記一端部に近くなるに従って漸次深くなっている。把持体1bは、前記一端部及び中央部が略同一の奥行き寸法であり、中央部に比べて前記他端部側の奥行き寸法が漸次小さくなるように形成してある。把持体1bの全周側面及び上面は外向きに凸となるように湾曲し、全長に亘って把持し易い形状にしてある。
【0043】
植毛台1の前記一端部には、収納溝11の底部及び台板1aを切り欠いた切欠部12が形成されている。収納溝11の底部の切欠部12側の端部は、切欠部12に向かって下側に傾いた傾斜面1fに形成してある。第1の毛体群2は裾側が広がった形状をなし、切欠部12に対応する箇所は毛体が存在しない非毛領域14としてある。
【0044】
植毛台1の前記他端部側の収納溝11の底部には、平面視にて収納溝11の溝幅方向に沿った寸法を収納溝11の長手方向に沿った寸法より大に形成し、角部を丸くした略長方形状の突起1cが立設されている。植毛台1の前記一端部側の収納溝11の端部の傾斜面1fには、切欠部12の方に突出する突出部分を設け、該突出部分の切欠部12側の端部に段部1dを形成している。該段部1dは、上側ほど切欠部12の方への突出量が大となるテーパ状に形成してある。
【0045】
植毛台1の前記一端部側の把持体1bは切欠部12を挟んで位置する2つの部分を有しており、該各部分の端面には夫々、収納溝11の底部面に略直交する方向に沿い互いに平行な直線状をなす突条1e,1eを形成してある。該2つの突条1e,1eは突条に直交する断面が外向き凸の曲面に形成されている。2つの突条1e,1eの収納溝11に沿う方向(長手方向)の端部は、収納溝11に沿う方向に略直交する一つの平面内に位置している。
【0046】
植毛台1の台板1a及び把持体1bは共にポリプロピレン等の樹脂材料を成形した成形品であり、第1の毛体群2はポリプロピレン等の樹脂材料を繊維状に形成したもので構成してあるが、これらの材料に限るものではない。
【0047】
清掃補助体3は、一端部側に形成した扁平な四角柱部分及び該四角柱部分に連なって他端部側に伸び、該四角柱部分よりも肉厚に形成した握り部分を有する柄部31を備え、該柄部31の前記扁平な四角柱部分の一面に複数本の毛体が植毛されている第2の毛体群32を備える。第2の毛体群32は柄部31の長手方向と略直交するように植毛されている。柄部31の前記扁平な四角柱部分の一面とは反対側の面は、柄部31の長手方向に沿った略三角柱を形成するように膨出され、この略三角柱状の膨出部31aの2つの斜面のうち前記他端部より遠い方に位置する斜面に、複数本の毛体が植毛されている第3の毛体群33が設けられている。第3の毛体群33は柄部31の一端部の先端側方向と毛体とが鋭角(45度程度)をなすように植毛されており、第2及び第3の毛体群32,33の毛体は毛体の長手方向を異にしてある。第3の毛体群33は、柄部31の幅方向の寸法が基端部側に同幅の部分を有し、該同幅部分より先端部の両側が斜めにカットされ、先端が尖っている。
【0048】
第2の毛体群32及び第3の毛体群33は、ポリプロピレン、PET等の樹脂材料を繊維状に形成したもので構成してあるが、これらの材料に限るものではない。また、第2の毛体群32及び第3の毛体群33の毛体の繊維径は、第1の毛体群2の繊維径より細く形成して、当たりを柔らかくしている。
【0049】
柄部31の前記握り部分には、第3の毛体群33が位置する側に開放された凹溝31dが形成されており、この凹溝31d内の前記他端部寄りに開放側に向けて突出した突起31bが立設されている。該突起31bは、平面視にて凹溝31dの溝幅方向に沿った寸法を凹溝31dの長手方向に沿った寸法より大に形成した略長方形に形成され、両端部は凹溝31dの横壁に連なっている。また、膨出部31aには、第3の毛体群33を設けていい方の斜面をくり抜いて凹部を形成し、該凹部の内面に、柄部31の他端部に向いた面を有する段部31cを形成している。柄部31の横幅寸法は、植毛台1の収納溝11の横幅寸法より少し大きめに形成してある。これにより、柄部31は収納溝11の内壁に当接して拘束される。
【0050】
清掃補助体3を植毛台1の収納溝11に収納させるときは、植毛台1の段部1dに柄部31の段部31cを係合させてから、収納溝11内の突起1cの外側面(植毛台1の他端部側に向いた側面)に、柄部31の突起31bの内側面(植毛台1の一端部側に向いた側面)を当接させて該面に沿って押し込んで係合させる。これにより、収納溝11に収納した清掃補助体3が収納溝11に沿う方向に動かないように規制される。この植毛台1の段部1dに柄部31の段部31cが係合し、収納溝11内の突起1cに柄部31の突起31bが係合した状態で、第2の毛体群32が植毛台1から外部へ突出しないように、柄部31及び第2の毛体群32の寸法を決めてある。
【0051】
以上のように構成された清掃用具は、植毛台1の収納溝11に清掃補助体3が収納されている。この清掃補助体3は柄部31が収納溝11に保持され、第3の毛体群33が貫通凹部12を経て第1の第1の毛体群2の空洞14に収納され、第2の毛体群32が収納溝11の開放側に露出している。このような清掃補助体3が収納されている植毛台1の把持体1bを片手で把持し、第1の毛体群2の先端を比較的広い汚れ面に当てて擦ることにより、汚れ面に付着している汚れを落すことができる。
【0052】
また、狭隘部を清掃する場合は、清掃補助体3を植毛台1の収納溝11から取り出し、該清掃補助体3の柄部31を把持して第2の毛体群32又は第3の毛体群33の先端を狭隘部に当てて擦ることにより、狭隘部の汚れを容易に落すことができる。このとき、第3の毛体群33は柄部31の長手方向外方に傾斜し、さらに先端が尖っているため、柄部31の一端部に邪魔されずに狭隘部の汚れを容易に落すことができる。
【0053】
また、清掃用具を収納保存するときは、清掃用具を立てて保存することができる。図11は本発明に係る清掃用具を立てた状態の正面図である。収納溝11が縦方向に向く姿勢に把持して植毛台1の一端側の端面に設けた突条1e,1eの先端が水平な支持面5上に載置されるようにすることにより、清掃用具は収納溝11が縦方向に向く姿勢に保持される。この保持姿勢では、清掃補助体3の第3の毛体群33の毛先はほとんど突条1e,1eの先端より下側に出ていないし、また一部出たとしても毛体は柔らかいので、第3の毛体群33が姿勢保持の邪魔になることはない。さらに、清掃補助体3の第2および第3の毛体群32,33を収納するために大部に形成された植毛台1の収納溝11の部分が下側に位置しているので、重心位置が下側に位置し安定した保持姿勢となる。
【0054】
以上説明した実施の形態では、柄部31の一端部に第2及び第3の毛体群32,33が設けられている清掃補助体3を備える構成としたが、その他、柄部31の一端部に第2の毛体群32又は第3の毛体群33が設けられている清掃補助体3を備える構成であってもよい。また、清掃補助体3の清掃材は、毛体群である他、不織布、スポンジ等であってもよい。
【0055】
以上説明した実施の形態では、規制手段を、収納溝11の内部に設けた突起1c及び段部1d(係合凸部)と、柄部31に設けた突起31b及び段部31c(係合凸部)とにより構成したが、これに限るものではない。規制手段を、収納溝11の内部(又は柄部31)に設けた突起と、これに係止すべく柄部31(又は収納溝11の内部)に設けた係止穴とにより構成してもよい。
【0056】
以上説明した実施の形態では、姿勢保持手段を、植毛台1の一端部側の端面に設けた突条1e,1eにより構成したが、これに限るものではなく、植毛台1の一端部側の端面に離散させて設けた複数の突起、又は、該端面に設けた平面部により構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る清掃用具の構成を示す正面図である。
【図2】本発明に係る清掃用具の構成を示す平面図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図である。
【図4】本発明に係る清掃用具の構成を示す底面図である。
【図5】本発明に係る清掃用具の構成を示す左側面図である。
【図6】本発明に係る清掃用具の清掃補助体を取り出した状態の斜視図である。
【図7】本発明に係る清掃用具の清掃補助体の構成を示す平面図である。
【図8】本発明に係る清掃用具の植毛台の構成を示す平面図である。
【図9】図7のIX−IX線における断面図である。
【図10】図8のX−X線における断面図である。
【図11】本発明に係る清掃用具を立てた状態の正面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 植毛台
1c 突起(係合凸部、規制手段)
1d 段部(係合凸部、規制手段)
1e 突条(保持部材、姿勢保持手段)
11 収納溝
2 第1の毛体群(毛体群)
3 清掃補助体
31 柄部
31b 突起(係合凸部、規制手段)
31c 段部(係合凸部、規制手段)
32 第2の毛体群(清掃材)
33 第3の毛体群(清掃材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植毛台の一面に毛体群を設けてある清掃用具において、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を備え、該清掃補助体を取出し可能に収納する収納溝を前記植毛台の他面に設け、前記収納溝に収納してある前記清掃補助体の前記収納溝に沿う方向における位置を規制する規制手段を備えていることを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
前記規制手段は、前記収納溝の内部及び柄部に夫々設けられ、係合し合う係合凸部により構成してあることを特徴とする請求項1に記載の清掃用具。
【請求項3】
植毛台の一面に毛体群を設けてある清掃用具において、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を備え、該清掃補助体を取出し可能に収納する収納溝を前記植毛台の他面に設け、前記収納溝が縦方向に向く姿勢に前記植毛台を保持する姿勢保持手段を備えていることを特徴とする清掃用具。
【請求項4】
前記姿勢保持手段は、前記植毛台の前記収納溝に沿う方向における端部に、前記植毛台の前記収納溝に沿う方向と略直交する一つの平面内に先端が位置するように設けた保持部材により構成してあることを特徴とする請求項3に記載の清掃用具。
【請求項5】
前記姿勢保持手段は、前記収納溝に収納してある前記清掃補助体の柄部の一端部が下側に位置する姿勢に保持することを特徴とする請求項3又は4に記載の清掃用具。
【請求項6】
前記収納溝に収納してある前記清掃補助体の前記清掃材が前記平面より突出しないように、前記収納溝に沿う方向における前記清掃補助体の位置を規制する規制手段を備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載の清掃用具。
【請求項7】
前記規制手段は、前記収納溝の内部及び柄部に夫々設けられ、係合し合う係合凸部により構成してあることを特徴とする請求項6に記載の清掃用具。
【請求項8】
前記清掃材は、前記柄部の前記一端部の先端側方向と毛体とが鋭角をなすように植毛された毛体群であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の清掃用具。
【請求項9】
前記清掃材は、前記柄部の周方向の2位置に二つ設けられ、毛体の長手方向を異にしてある二つの毛体群であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の清掃用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−89850(P2009−89850A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262593(P2007−262593)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(596060594)株式会社サンコー (65)
【Fターム(参考)】