説明

清掃用具

【課題】清掃シートを挟む部材が汚れに直接接触することを防止でき、衛生状態を向上できる清掃用具を提供すること。
【解決手段】清掃用具1は、上面24及び下面21を有する柱状の清掃部材取付部2と、清掃部材取付部2の上面24に配置され、清掃部材取付部2の平面視における外形よりも大きい外形を有する支持板4と、支持板4に取り付けられる把持部6と、支持板4の下面46側に配置されると共に、清掃部材取付部2の形状に対応した切り欠き部又は開口部51が形成されたシート押さえ部材5と、シート押さえ部材5の一部が清掃部材取付部2の下面21よりも下方に位置する開位置とシート押さえ部材5が支持板4に当接する閉位置との間で、支持板4とシート押さえ部材5とを位置変更可能に連結する連結部7と、連結部7に配置され、支持板4及びシート押さえ部材5を閉位置側に付勢する付勢部材8と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不織布等からなる清掃シートを用いて清掃対象物の清掃対象面を拭き取る場合において、直接、清掃シートに触れることなく清掃対象面を拭き取ることが可能な清掃用具が提案されている。例えば、特許文献1には、清掃シートが巻きつけられる略直方体の紙押え台と、この紙押え台の側面の外側から清掃シートを挟む紙押え部材と、紙押え台の長手方向の一端部から延びる下側柄と、紙押え部材から延びる上側柄と、上側柄の端部と下側柄の端部とを接続するヒンジ部と、を備える清掃用具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−81112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で提案された清掃用具では、紙押え台の側面側において、紙押え部材が清掃シートの外側に位置するため、紙押え台の側面側を利用して汚れを取り除こうとした場合、紙押え部材が汚れに直接接触し、不衛生であった。
【0005】
従って、本発明は、清掃シートを挟む部材が汚れに直接接触することを防止し、衛生状態を向上できる清掃用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上面及び下面を有する柱状の清掃部材取付部と、前記清掃部材取付部の上面に配置され、該清掃部材取付部の平面視における外形よりも大きい外形を有する支持板と、前記支持板に取り付けられる把持部と、前記支持板の下面側に配置されると共に、前記清掃部材取付部の形状に対応した切り欠き部又は開口部が形成されたシート押さえ部材と、前記シート押さえ部材の一部が前記清掃部材取付部の下面よりも下方に位置する開位置と前記シート押さえ部材が前記支持板に当接する閉位置との間で、前記支持板と前記シート押さえ部材とを位置変更可能に連結する連結部と、前記連結部に配置され、前記支持板及び前記シート押さえ部材を前記閉位置側に付勢する付勢部材と、を備える清掃用具に関する。
【0007】
また、前記支持板及び前記シート押さえ部材は、平面視において楕円形状に構成され、前記把持部は、前記支持板の長手方向の一端側に延び、前記連結部は、前記支持板の長手方向の一端側に配置されることが好ましい。
【0008】
また、前記把持部は、前記支持板の上面における略中央部に取り付けられることが好ましい。
【0009】
また、前記シート押さえ部材は、前記連結部から該シート押さえ部材の長手方向に延出し、該シート押さえ部材の前記支持板に対する位置の変更を行う場合に操作される開閉操作部を更に備えることが好ましい。
【0010】
また、前記清掃部材取付部の厚さは、3mm〜50mmであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の清掃用具によれば、清掃シートを挟む部材が汚れに直接接触することを防止でき、衛生状態を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る清掃用具を示す斜視図である。
【図2】図1に示す清掃用具の分解斜視図である。
【図3】図1に示す清掃用具にシート状部材を取付けた状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示す清掃用具の動作を示す図であり、シート押さえ部材を閉じた状態を示す図である。
【図5】図1に示す清掃用具の動作を示す図であり、シート押さえ部材を開いた状態を示す図である。
【図6】本発明の清掃用具の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の清掃用具の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
本実施形態の清掃用具1は、図1及び図2に示すように、清掃部材取付部2と、支持板4と、把持部6と、シート押さえ部材5と、連結部7と、付勢部材8と、を備えて構成される。この清掃用具1は、清掃部材取付部2の下面21及び側面22にシート状の清掃部材としての清掃シート3を配置した状態で、洗面台及びトイレ等の清掃対象物の清掃対象面を清掃する場合に用いられる。
【0015】
清掃部材取付部2は、上面24及び下面21を有し、略楕円柱(平面視において略楕円)形状に構成されている。
本実施形態では、清掃部材取付部2は、下面21側に配置されたナイロン不織布と、上面24側に配置されたウレタンスポンジとを合成樹脂系接着剤により固定させたクッション性を有する材料により形成される。
【0016】
清掃部材取付部2の厚さは、清掃用具1の使用時に、後述するシート押さえ部材5が汚れることを好適に防ぐ観点から、好ましくは3mm〜50mmである。本実施形態では、清掃部材取付部2は、長軸方向LDの長さが60mm、短軸方向SDの長さが40mm、高さ方向HDの長さが20mmに構成されている。また、ナイロン不織布は、長軸方向LDの長さが60mm、短軸方向SDの長さが40mm、高さ方向HDの長さが5mmに構成されており、ウレタンスポンジは、長軸方向LDの長さが60mm、短軸方向SDの長さが40mm、高さ方向HDの長さが15mmに構成されている。
【0017】
清掃シート3は、レーヨンやパルプ等の繊維から抄紙された紙又は不織布により構成されており、水洗トイレに捨てたとき等の多量の水で繊維が分離可能な水解性シートである。この清掃シート3は、水解性又は水膨潤性のCMC(カルボキシ・メチル・セルロース)等のバインダを含んで構成される。
また、清掃シート3として、不織布に所定の薬液を含浸したものを用いてもよい。不織布に含浸させる薬液成分としては、例えば、水95%、アルコール4%、防腐剤0.5%、香料0.5%が挙げられる。また、不織布に含浸させる薬液の重量は、好ましくは、不織布の乾燥重量の約1.5倍である。
【0018】
支持板4は、図1及び図2に示すように、支持板本体40と、開閉操作補助部42と、を備える。
支持板本体40は、略楕円柱(平面視において略楕円形状の立体)形状に構成されており、清掃部材取付部2の上面24の略中央部に合成樹脂系接着剤により固定されている。この支持板本体40は、清掃部材取付部2の平面視における外形よりも大きい外形を有している。本実施形態では、支持板本体40は、長軸方向LDの長さが100mm、短軸方向SDの長さが50mm、高さ方向HDの長さが1mmに構成されていると共に、支持板本体40の外縁45と清掃部材取付部2の外縁25との離間距離が10mmに構成されている。
【0019】
開閉操作補助部42は、支持板本体40の長軸方向LDの一端41に配置されている。この開閉操作補助部42は、シート押さえ部材5の支持板4に対する位置を近接させる位置又は離間させる位置に変更する場合に操作される。開閉操作補助部42は、支持板本体40と一体形成されている。本実施形態では、開閉操作補助部42は、長軸方向LDの長さが20mm、短軸方向SDの長さが20mm、高さ方向HDの長さが1mmに構成されている。
【0020】
支持板4としては、例えば、アクリロニトリルーブタジエンースチレン(ABS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を射出成形した硬質の合成樹脂材料が用いられる。
【0021】
把持部6は、図1及び図2に示すように、支持板4の上面44の中央部付近から支持板4の長手方向としての長軸方向LDの一端41側に延びる平柄形状に構成されている。把持部6としては、例えば、アクリロニトリルーブタジエンースチレン(ABS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を射出成形した硬質の合成樹脂材料が用いられる。
本実施形態では、把持部6は、長さが140mm、幅が15mm、支持板4の上面44に対する角度が約30度〜60度に構成されている。
【0022】
シート押さえ部材5は、図1及び図2に示すように、支持板4の下面46側に配置される。このシート押さえ部材5は、開口部51と、開閉操作部52と、を備える。
開口部51は、清掃部材取付部2の形状に対応した形状に形成されている。本実施形態では、シート押さえ部材5は、平面視において楕円環形状に形成されている。
開閉操作部52は、シート押さえ部材5の長軸方向LDに延出している。この開閉操作部52は、シート押さえ部材5の支持板4に対する位置を近接させる位置又は離間させる位置に変更する場合に操作される。
【0023】
本実施形態では、シート押さえ部材5は、長軸方向LDの長さが100mm、短軸方向SDの長さが50mm、高さ方向HDの長さが1mmに構成されている。開口部51は、清掃部材取付部2の平面視における外径よりも一回り大きい楕円形に形成されている。本実施形態では、開口部51は、長軸方向LDの長さが94mm、短軸方向SDの長さが46mm、高さ方向HDの長さが1mmに構成されている。開閉操作部52は、長軸方向LDの長さが20mm、短軸方向SDの長さが20mm、高さ方向HDの長さが1mmに構成されている。
また、シート押さえ部材5としては、例えば、アクリロニトリルーブタジエンースチレン(ABS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を射出成形した硬質の合成樹脂材料が用いられる。
【0024】
連結部7は、支持板4とシート押さえ部材5とを開位置又は閉位置に位置変更可能に連結する。この連結部7は、支持板4の長手方向としての長軸方向LDの一端41側に配置されている。閉位置は、図4に示すように、シート押さえ部材5の上面53が支持板本体40の下面46に当接又は近接する位置である。開位置は、図5に示すように、シート押さえ部材5の一部が清掃部材取付部2の下面21よりも下方に位置する位置である。
【0025】
連結部7は、図1及び図2に示すように、第1軸穴部76と、第2軸穴部77と、回転軸78と、を備える。第1軸穴部76は、シート押さえ部材5の上面53における開口部51と開閉操作部52との間から支持板4の高さ方向HDに延びて配置されており、回転軸78が挿入される軸穴を有している。第2軸穴部77は、支持板4の下面46における長軸方向LDの一端41において支持板4の高さ方向HDに延びて配置されており、回転軸78が挿入される軸穴を有している。回転軸78は、支持板4の短軸方向SDに延びて配置されており、第1軸穴部76の軸穴及び第2軸穴部77の軸穴に挿入されている。
【0026】
付勢部材8は、連結部7に配置されており、支持板4及びシート押さえ部材5を閉位置側に付勢する。付勢部材8としては、洗濯ばさみ等に利用される金属製ねじりコイルばねが用いられている。
【0027】
次に、図3〜図5を用いて、清掃用具1に清掃シート3を取り付ける方法について説明する。
まず、清掃用具1に清掃シート3を取り付ける場合、親指を開閉操作補助部42に当て、人差し指を開閉操作部52に当てながら開閉操作補助部42及び開閉操作部52をつまんで開閉操作補助部42及び開閉操作部52を近接させる。すると、付勢部材8の付勢力に抗して、シート押さえ部材5は、図4に示す閉位置から図5に示す開位置に移動する。
【0028】
次いで、清掃部材取付部2の下面21に清掃シート3を配置し、清掃シート3の端部側を支持板4の上面44側に配置する。
【0029】
次いで、開閉操作補助部42及び開閉操作部52をつまむ力を取り除き、シート押さえ部材5を図5に示す開位置から図3に示す閉位置に移動させ、清掃シート3を支持板4の下面とシート押さえ部材5の開口部51の上面とで挟む。これにより、清掃シート3は、少なくとも清掃部材取付部2の下面21及び側面22を覆う位置に配置される。
【0030】
以上説明した本実施形態の清掃用具1によれば、以下のような作用効果を奏する。
【0031】
(1)清掃部材取付部2の上面24に清掃部材取付部2の外形よりも大きい外形を有する支持板4を配置した。また、支持板4の下面46側にシート押さえ部材5を配置し、連結部7及び付勢部材8により支持板4とシート押さえ部材5と閉位置又は開位置に移動可能に構成した。これにより、清掃シート3が巻き付けられた清掃部材取付部2の側面22側を利用しても、シート押さえ部材5が汚れに直接接触することがないため、清掃用具1の衛生状態を向上させられる。
【0032】
(2)支持板4及びシート押さえ部材5を平面視において楕円形状に構成し、把持部6を支持板4の長軸方向LDの一端41側に延ばした。また、連結部7を支持板4の長軸方向LDの一端41側に配置した。これにより、シート状部材を巻きつけた清掃部材取付部2を狭い汚れ箇所まで移動させることが容易になると共に、シート状部材を押さえつけるシート押さえ部材5の接触面積を大きくすることができる。
【0033】
(3)把持部6を、支持板4の上面における略中央部に取り付けた。これにより、清掃部材取付部2の下面に配置された清掃シート3の全面に、好適に力を加えられる。
【0034】
(4)シート押さえ部材5を、開閉操作部52を含んで構成した。これにより、シート押さえ部材5の閉位置又は開位置への移動を容易に行える。
【0035】
(5)清掃部材取付部2の厚さを、3mm〜50mmに構成した。これにより、力を加えられた清掃部材取付部2が高さ方向HDに圧縮した場合でもシート押さえ部材5が汚れに直接接触することを防止できる。
【0036】
以上、本発明の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、シート押さえ部材5を、開口部51を含んで構成したが、これに限らない。即ち、シート押さえ部材を、このシート押さえ部材の先端側から基端側に向かって切り欠かれて形成され、清掃部材取付部が高さ方向HDに移動可能な切り欠き部を含んで構成してもよい。
【0037】
また、本実施形態では、支持板4及び把持部6を別部材により構成したが、これに限らない。即ち、支持板及び把持部を一体成形により構成してもよい。
【0038】
また、本実施形態では、支持板4を、開閉操作補助部42を含んで構成したが、これに限らない。即ち、図6に示すように、支持板4の一端41から長軸方向LDに演出するように把持部6を構成してもよい。これにより、把持部6を開閉操作補助部として兼用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 清掃用具
2 清掃部材取付部
3 清掃シート(シート状部材)
4 支持板
5 シート押さえ部材
6 把持部
7 連結部
8 付勢部材
21 下面
22 側面
24 上面
25 外縁
41 一端
42 開閉操作補助部
44 上面
45 外縁
46 下面
51 開口部
52 開閉操作部
53 下面
76 第1軸穴部
77 第2軸穴部
78 回転軸
LD 長軸方向
SD 短軸方向
HD 高さ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面を有する柱状の清掃部材取付部と、
前記清掃部材取付部の上面に配置され、該清掃部材取付部の平面視における外形よりも大きい外形を有する支持板と、
前記支持板に取り付けられる把持部と、
前記支持板の下面側に配置されると共に、前記清掃部材取付部の形状に対応した切り欠き部又は開口部が形成されたシート押さえ部材と、
前記シート押さえ部材の一部が前記清掃部材取付部の下面よりも下方に位置する開位置と前記シート押さえ部材が前記支持板に当接する閉位置との間で、前記支持板と前記シート押さえ部材とを位置変更可能に連結する連結部と、
前記連結部に配置され、前記支持板及び前記シート押さえ部材を前記閉位置側に付勢する付勢部材と、を備える清掃用具。
【請求項2】
前記支持板及び前記シート押さえ部材は、平面視において楕円形状に構成され、
前記把持部は、前記支持板の長手方向の一端側に延び、
前記連結部は、前記支持板の長手方向の一端側に配置される請求項1に記載の清掃用具。
【請求項3】
前記把持部は、前記支持板の上面における略中央部に取り付けられる請求項1又は2に記載の清掃用具。
【請求項4】
前記シート押さえ部材は、前記連結部から該シート押さえ部材の長手方向に延出し、該シート押さえ部材の前記支持板に対する位置の変更を行う場合に操作される開閉操作部を更に備える請求項2又は3に記載の清掃用具。
【請求項5】
前記清掃部材取付部の厚さは、3mm〜50mmである請求項1〜4のいずれかに記載の清掃用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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