説明

清掃用物品

【課題】 従来の使い捨て用の清掃用物品は、不織布で形成されているため、平坦形状で埃の捕捉効果が劣っていた。また繊維のみで刷毛部を形成したものでは、繊維が絡まって刷毛部を保形できない。
【解決手段】 清掃用物品の刷毛部26は、不識布の短冊片12,17と、繊維束3,4,6により形成されている。間に短冊片があるために繊維束どうしが絡みあいにくい。また繊維束4と短冊片17とが接合部18により接合されているため、繊維束4が縮みにくく、刷毛部26の保形性に優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば保持具に保持されて清掃用モップとして使用され、または手で保持して使用される使い捨て可能な清掃用物品に係わり、特に埃やゴミの捕捉効果が高くまた剛性の高い刷毛部を有する清掃用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の室内清掃用などのモップ型の清掃用物品は、木綿等の撚り糸により刷毛部が形成されたものが主である。しかしこの種の清掃用物品は、製造原価が高く、よって使い捨て製品としての使用は困難である。また前記撚り糸の表面に流動パラフィンなどの粘着油剤が塗布されて、この粘着油剤により埃を吸着するものであるため、前記撚り糸自体が埃の捕捉力を有していない。よって髪の毛などの細かな埃の捕捉能力が低い欠点がある。
【0003】
また、使い捨ての清掃用物品として、特許文献1や特許文献2に開示されたものがある。これらは、モップなどの保持具に装着できるようにしたものであり、不織布で形成され、あるいは不織布の周囲部分を細長く切断してはたき部が形成されたものである。
【特許文献1】特開平9−154791号公報
【特許文献2】特開平9−38009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記各公報に記載の不織布で形成された清掃用物品は、安価で使い捨てに適してはいるが、清掃用物品自体が平面的であるため、微細な埃を拭き取ることは可能であるが、比較的大きなゴミの捕捉能力が低い。
【0005】
さらに使い捨て清掃用物品として繊維により刷毛部を形成したものもあるが、繊維のみの刷毛部では、刷毛部の剛性が低いために、清掃作業中に繊維どうしが絡み合ったり繊維が丸まったりして、実質的に刷毛部として機能する部分が圧縮され、繊維の持つ埃捕集効果を十分に発揮できない欠点がある。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、ゴミの捕集能力の高く且つ形状が安定した刷毛部を備え、低コストで形成できる清掃用物品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、刷毛部を有する清掃用物品において、前記刷毛部が、軟質なシートで細長く形成された複数の短冊片と、繊維束とで形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
上記本発明では、刷毛部の繊維束により細かな埃を捕捉でき、短冊片で繊維どうしの絡みを抑制でき、また短冊片自体によっても清掃効果を発揮できる。また短冊片を有することで刷毛部が剛性を有し、外力に対して保形性を有するようになる。
【0009】
例えば、複数の前記短冊片を有する少なくとも1枚のシートと、少なくとも1層の繊維束とが重ねられて、前記短冊片を有するシートと前記繊維束とが部分的に接合されているものである。
【0010】
あるいは、複数の前記短冊片を有する少なくとも1枚のシートと、少なくとも1層の前記繊維束とが基材シートに重ねられて、前記基材シートと前記短冊片を有するシートおよび前記繊維束とが部分的に接合されているものである。
【0011】
このように接合されることで、繊維束のばらつきや絡みを抑制でき、基材シートに隣接する面でも埃の捕捉能力を高められる。
【0012】
また、前記基材シートにも細長い短冊片が形成されていてもよい。これにより、様々な形状の被清掃面に対する密着性を高めることができるので、埃の捕捉能力をさらに向上できる。
【0013】
本発明の清掃用物品は、前記短冊片を有するシートが、前記清掃面側の最表面に現れているものとして構成できる。この場合、比較的剛性の高い短冊片が最表面に位置しているため、清掃作業中に繊維束が絡んで固まる現象が生じにくくなり、長時間の使用に耐えるものとなる。
【0014】
ただし、前記繊維束が、前記清掃面側の最表面に現れているものであってもよい。この場合には、細かな凹凸形状に対して繊維束が入り込んで密着性がよくなるので、細かな埃の捕捉能力が向上する。
【0015】
この場合に、前記繊維束が、前記基材シートとの接合部から所定の長さの範囲で、繊維どうしが固着されているものが好ましい。
【0016】
このように、繊維束の繊維を少なくとも接合部から所定の長さ範囲で固着することで、繊維束が最表面に現れていても、清掃作業時の摩擦により、繊維束の繊維が絡まったり、固まるのを防止できる。
【0017】
また、前記繊維束は複数層設けられ、前記基材シートに最も近い繊維束の目付けが、それよりも表面側に位置する繊維束の目付けよりも大きいものであってもよい。
【0018】
このように目付けを変えると、基材シートの近くに厚い繊維束が位置することになり、清掃作業時に基材シートが清掃面に露出するのを防止でき、また清掃作業時にクッション感を得ることができる。
【0019】
また、前記基材シートに、前記基材シートを保持するための保持領域が設けられているものであってもよい。これにより、前記保持領域を手で保持できるようになる。
【0020】
例えば、前記保持領域には、保持具に装着するための保持空間が形成される。このように保持具を装着することで、使用者の手や衣服が汚れることが防止される。ただし前記保持空間を手で保持してもよい。
【0021】
また、前記繊維束は、前記保持空間が形成されている基材シートの表面に重ねられて、前記保持空間への保持具の挿入方向に沿って延びる接合線により前記基材シートに接合されていてもよい。このように形成することで、保持空間が形成されている部分で、基材シートの表面に繊維束が重ねられたものとなり、清掃作業時に保持具の硬さが被清掃部に影響を与えず、優れた清掃感触が得られる。
【0022】
第2の本発明の清掃用物品は、少なくとも1枚が複数の細長い短冊片を有する複数枚のシートが重ねられ、各シートが複数箇所の接合部で接合されて、前記シート間に前記接合部で挟まれた保持空間が形成されており、前記保持空間を形成する前記シートの表面に繊維束が設けられ、前記繊維束が前記接合部で前記シートに接合されていることを特徴とするものである。
【0023】
上記本発明では、表裏両面で清掃機能を発揮できるので、清掃面を気にせずに使用できる。また片面づつ使用することで、連続使用時間を向上できる。
【0024】
この場合も、前記短冊片と前記繊維束とで刷毛部を形成することで、細かな埃を捕捉でき、繊維どうしの絡みを抑制でき、また短冊片自体によっても清掃効果を発揮できる。
【0025】
また、前記シートの表面に位置している繊維束の少なくとも一部が、前記接合部から延びて自由端を有する繊維刷毛部が形成されているものであってもよい。前記繊維刷毛部により、埃を払う機能を発揮でき、清掃能力を向上できる。
【0026】
例えば、縦長の前記保持空間が平行に2つ形成されており、前記繊維束はその繊維の延び方向が前記2つの保持空間を横断する向きに配置されて、前記2つの保持空間の中間および、2つの保持空間の外側で、前記シートと前記繊維束とが接合されているものであってもよい。
【0027】
これにより、保持空間に保持具を装着して、使用者の手や衣服を汚すことなく清掃が可能となる。また保持空間の両端が開口しているものであれば、保持具の挿入方向を変更することで、清掃面を均一に使用できるようになる。
【0028】
前記各発明において、前記短冊片と、この短冊片に隣接する前記繊維束とが、前記短冊片の途中部分で部分的に接合されていることが好ましい。
【0029】
このように構成すると、繊維束が短冊片と一緒に動くようになり、繊維束が単独で動いて繊維どうしが絡みあったり、繊維が固まるのを防止できる。
【0030】
また、前記短冊片を有するシートは、熱可塑性繊維を少なくとも一部に含む不織布、または熱可塑性樹脂フィルムであることが好ましい。これにより、熱融着による接合が可能になり、容易且つ迅速に接合部を形成できる。また不織布を熱風で接合させると、シートが剛性と弾性に富むものとなる。
【0031】
また、前記繊維束は少なくとも一部に熱可塑性繊維を含む融着可能なものであることが好ましい。前記シートも同様に熱可塑性繊維を含むようにすることで、シートと繊維束とを熱シールにより容易且つ確実に接合できるようになる。
【0032】
そして請求項1の発明は、刷毛部を有する清掃用物品であって、融着接合可能で軟質なシートと、少なくとも一部に融着性繊維を含む繊維束とを備え、前記シートは、縁部から切り込まれた複数の切込線および前記切込線と切込線との間に形成された細長い短冊片を有し、前記繊維束は、前記シートの一方の面に重ねられ、前記繊維束を前記シートに接合する第一接合部と、前記繊維束の繊維の一部を前記シートに部分的に接合する第二接合部とが設けられ、前記短冊片と、この短冊片に重ねられた前記繊維束とで、外方に向けて延びる刷毛部が形成されていることを特徴とする清掃用物品である。
【0033】
また請求項2の発明は、請求項1に記載の清掃用物品であって、前記シートは、縁部から切り込まれた複数の切込線および前記切込線と切込線との間に形成された細長い短冊片を有する短冊片形成領域と、前記切込線が形成されていない非切断領域とを有し、前記繊維束は、前記シートの一方の面に、前記短冊片形成領域および前記非切断領域の双方に渡って重ねられることを特徴とする清掃用物品である。
【0034】
また請求項3の発明は、請求項1または2に記載の清掃用物品であって、前記第二接合部は、前記第一接合部に対して間隔を開けて位置することにより、前記繊維束の繊維の絡まり防止手段、または塊発生防止手段をなすように構成されていることを特徴とする清掃用物品である。
【0035】
また請求項4の発明は、請求項1から3までのいずれかに記載の清掃用物品であって、前記第二接合部は、前記繊維束の繊維を横切る方向に連続状に形成されていることを特徴とする清掃用物品である。
【0036】
また請求項5の発明は、請求項1から4までのいずれかに記載の清掃用物品であって、前記第一接合部は、前記繊維束の繊維を横切る方向へと延在する接合線によって構成されることを特徴とする清掃用物品である。
【0037】
各請求項の発明は、前記構成を備えることにより、刷毛部の繊維束により細かな埃を捕捉でき、短冊片で繊維どうしの絡みを抑制でき、また短冊片自体によっても清掃効果を発揮できる。また短冊片を有することで刷毛部が剛性を有し、外力に対して保形性を有するようになる。
【発明の効果】
【0038】
以上のように本発明の清掃用物品は、刷毛部が、短冊片と繊維束とで形成されているため、繊維束が絡んだり丸まったりしにくくなり、刷毛部の保形性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1は第1の本発明の清掃用物品の実施の形態を清掃面側から示す斜視図、図2は前記清掃用物品の刷毛部を拡大して示す部分斜視図、図4は清掃用物品を裏側から示す斜視図、図4と図5は清掃用物品を各層別に示す斜視図、図6は清掃用物品の層構造の最も好ましい例を示す部分斜視図である。
【0040】
図1と図2に示す清掃用物品1は、図示上面側が清掃面側である。ここで、清掃面側とは、使用時に被清掃物に向けられるのを意図した側を示す。
【0041】
前記清掃用物品1は、基材シート2の清掃面側に、下から順に第1の繊維束3、第2の繊維束4、短冊片が形成されたシート5、第3の繊維束6の順に積層されている。この清掃用物品1は短辺の延びる方向が、製造時に上記各層の材料が連続して供給される方向(MD)である。前記基材シート2から第3の繊維束6までの各層は、MDと直交する方向に延びる全層接合線7により一体に接合されている。
【0042】
前記基材シート2およびシート5は、熱可塑性繊維(熱融着性繊維)で形成された、または熱可塑性繊維を含む不織布である。前記熱可塑性繊維はPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、PEとPETの複合繊維、PEとPPの複合繊維、例えば芯がPETまたはPP、鞘がPEの芯鞘構造の複合繊維などであり、不織布は、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、あるいはスパンレース不織布などである。また、前記基材シート2およびシート5が、熱可塑性樹脂フィルムで例えばPEフィルム、PPフィルムであってもよい。または前記基材シート2およびシート5が不織布と樹脂フィルムとのラミネートシートであってもよい。
【0043】
また、前記基材シート2、および短冊片が形成されたシート5を、前記熱可塑性繊維を熱風で接合させるエアースルー工程で形成された不織布で構成すると、シートが剛性と弾性に富むものとなり好ましい。特に、短冊片を有するシート5を清掃面側の最表面に配置する場合(図6に示す例)、前記シート5をエアースルー工程で形成された不織布とすることが好ましい。
【0044】
前記第1の繊維束3、第2の繊維束4、および第3の繊維束6は、熱可塑性繊維の束(層)、あるいは少なくとも一部に熱可塑性繊維が含まれた繊維の束であって、後に示す接合部など特に説明のない部分において、繊維どうしが互いに熱融着されていないものである。前記繊維束は、例えばトウから開繊された長繊維束が使用される。すなわち、長繊維のトウをMDに連続的に供給しながら繊維どうしを分離させ(開繊させ)、所定の幅および厚さとすることで形成される。また前記所定の幅および厚さの繊維束はシート材料の上に重ねられて前記繊維束と前記シート材料とが部分的に接合され、清掃用物品の寸法に合わせて前記繊維束とシート材料を一緒に切断することによって以下の清掃用物品を得ることができる。
【0045】
トウから開繊される長繊維束は、例えばPE、PP、Ne(ナイロン)、レーヨンなどから製造される。この中でも、芯がPPまたはPET、鞘がPEの複合繊維を用いることが好ましい。
【0046】
また、前記繊維束を形成する長繊維の繊度は1〜50dtexが好ましく、更に好ましくは2〜10dtexである。また各繊維束が異なる繊度の繊維を含むものでもよい。
【0047】
また、前記繊維束として、フィルムをテープ状にスリットし、縦方向へ延伸させたフラットヤーンや、スプリットヤーンと称される熱可塑性フィルムを樹脂の配向方向と直交する方向にかきわけて、繊維状となったフィルムが網目状に接合されているものを使用してもよい。あるいは繊維束として、エアースルー不織布などの嵩高で繊維密度の低い不織布を使用してもよい。
【0048】
また、繊維束を形成する繊維は捲縮繊維が好ましい。捲縮繊維を用いると、繊維束が嵩高くなり、さらに捲縮部分に塵や埃を取り込み易い構造となる。特に、トウ繊維から形成された捲縮繊維束を用いることが好ましい。
【0049】
前記清掃用物品1を形成する各層の構造およびその積層手順を説明する。
図4(A)は、前記基材シート2を示している。スパンボンド不織布、エアースルー不織布などの基材シート2は、中央領域2aの両側部が、短冊片形成領域2b,2bとなっている。図3では、前記清掃用物品1の基材シート2を、外面2Bを上向きにして示しているが、この外面2Bには、前記中央領域2aから前記短冊片形成領域2b,2bに渡って保持シート8が重ねられている。この保持シート8は基材シート2と同様にスパンボンドやエアースルー不織布などの不織布で形成されている。ただし、この保持シート8が樹脂フィルムなどで形成されていてもよい。前記基材シート2と保持シート8は、MD方向の長さ寸法が一致しており、MDと直交する方向の幅寸法は、基材シート2よりも保持シート8の方が短くなっている。
【0050】
前記基材シート2の外面2Bに保持シート8が重ねられた状態で、前記短冊片形成領域2b,2bに、ギザギザ形状(鋸歯形状)の切込線11,11,…が切込まれて、前記基材シート2および保持シート8に前記切込線11で分離された細長形状の複数の短冊片12,12,…が形成される。ここで、本発明での短冊片とは、少なくとも2mmの幅を有して細長い形状となるようにシートから切り出されたものを指す。
【0051】
図4(B)に示すように、短冊片12が形成された基材シート2の清掃面側の表面2Aに、第1の繊維束3が重ねられる。このとき第1の繊維束3は繊維が前記短冊片12と共にMDに向って延び、且つMDと直交する方向へ繊維束3が拡幅されて、基材シート2の表面2A上で繊維束3が一定の嵩となるように重ねられる。
【0052】
そして、基材シート2および外面2Bに位置する前記保持シート8ならびに表面2A側に位置する前記第1の繊維束3が、接合線13および接合線14により一体に接合される。この接合は、熱シール、超音波シールなどであり、前記接合線13および14において、基材シート2、保持シート8および第1の繊維束3が融着接合される。
【0053】
一対の前記接合線13,13はMD方向に間隔を開け、前記中央領域2aと短冊片形成領域2b,2bとの境界線に沿って平行に形成される。また前記接合線14は、前記短冊片形成領域2b,2bにおいて、ジグザグ形状(鋸歯形状)に形成される。
【0054】
その結果、図2に拡大して示すように、基材シート2および保持シート8に形成された前記短冊片12に第1の繊維束3が重ねられた状態で、この短冊片12と第1の繊維束3とが、短冊片12の長手方向の途中部分を斜めに横切る前記接合線14により部分的に接合された状態となる。前記接合線14により拘束された第1の繊維束3はばらばらに分離しにくく、また絡み合いにくくなる。ただし、短冊片12と第1の繊維束3は接合線14により部分的に接合されているので、短冊片12上で第1の繊維束3はある程度の自由度を持って動くことができ、第1の繊維束3により埃やゴミの捕集効果を発揮できる。
【0055】
図5は、第2の繊維束4とシート5とを積層した状態を示している。前記シート5は、基材シート2と同じスパンボンドまたはエアースルーなどの不織布あるいは樹脂フィルムであり、その平面形状および面積は前記基材シート2と同じである。
【0056】
前記シート5は、中央部分が接合領域5aであり、その両側部が短冊片形成領域5b,5bである。前記短冊片形成領域5b,5bでは、シート5の縁部からMDに向けてギザギザ形状(鋸歯形状)の切込線16,16,…が切込まれ、前記切込線16で分離されたMDへ細長い複数の短冊片17,17,…が形成されている。
【0057】
図4(A)に示す基材シート2の短冊片12の長さをL1、幅寸法をW1、図5に示すシート5の短冊片17の長さをL2、幅寸法をW2とすると、L2>L1で、W1>W2であり、短冊片17が、短冊片12よりも細長形状となっている。また、個々の短冊片12および17は、幅が2〜50mmで、長さが10〜100mmの大きさの範囲で形成されている。
【0058】
そして、前記シート5の裏面5B側に第2の繊維束4が積層されている。製造工程では、シート5の裏面5Bが上向きとされ、この裏面5B上に第2の繊維束4が重ねられる。繊維束4は繊維が短冊片17の延びるMDに向けられた状態で、MDと直交する方向へ拡幅されて、一定の嵩となるように前記シート5の裏面5Bに重ねられる。
【0059】
そして、前記短冊片17の延びる方向の途中箇所において、前記短冊片17と第2の繊維束4とが、接合部18によって部分的に接合されている。この接合部18は熱シールまたは超音波シールで融着される。図5に示すように、前記接合部18は、MDと直交する方向に並ぶ複数の短冊片17において一個おきに形成されている。すなわち接合部18が形成された短冊片17と接合部18を有しない短冊片17とが交互に並んでいる。ただし全ての短冊片17が接合部18を有するものであってもよい。
【0060】
図2の部分拡大図に示すように、第2の繊維束4は、短冊片17の下に重ねられ、短冊片17の途中部分で、短冊片17と第2の繊維束4とが接合部18で部分的に接合されているため、第2の繊維束4が絡み合ったり、丸まったりしにくくなり、短冊片17により形状を保持された状態となっている。
【0061】
この清掃用物品1の製造工程の最終段階では、図4(B)に示す、基材シート2と保持シート8並びに第1の繊維束3が積層されて接合された第1の積層体の上に、図5に示す第2の繊維束4とシート5とが積層されて接合された第2の積層体が重ねられる。このとき第1の繊維束3の上に第2の繊維束4が乗るようにして前記第1と第2の積層体が重ねられる。
【0062】
そして、図1に示すように、第2の積層体の前記シート5の表面5A上に第3の繊維束6が重ねられる。この第3の繊維束6は繊維がMDに向くようにし、MDと直交する方向へ拡幅されてほぼ均一な嵩となるように重ねられる。そして、保持シート8、基材シート2、第1の繊維束3、第2の繊維束4、シート5、第3の繊維束6が一緒にMD方向に延びる中央線に沿う前記全層接合線7により接合されて一体化される。この全層接合線7は熱シール、超音波シールなどの融着シール線であり、この全層接合線7によって各層が一体化されて融着接合される。
【0063】
図1および図2に示すように、この清掃用物品1は、基材シート2の清掃面側および左右両側に、刷毛部26が形成された構造であり、この刷毛部26は、基材シート2の短冊片12、第1の繊維束3、第2の繊維束4、シート5の短冊片17および第3の繊維束6の集合体により形成されている。
【0064】
まず、図1で上向きに示されている清掃面側で、床や家具などを拭くと、表面に現れている第3の繊維束6によって細かな埃やゴミを捕集することができ、且つ刷毛部26において、繊維束3,4,6により細かな埃やゴミを捕集できるとともに、短冊片12と17も埃などを払う機能を発揮する。このとき、短冊片12と17で払った埃を繊維束3,4,6で捕捉することが可能である。
【0065】
また、第2の繊維束4と第3の繊維束6との間には、短冊片17が介在しているため、清掃を繰り返しているときに、第2の繊維束4と第3の繊維束6とが互いに絡み合うことがなく、刷毛部26の形態を長期間維持できる。
【0066】
さらに、第1の繊維束3と第2の繊維束4は、それぞれ部分的に短冊片12と短冊片17に接合されているため、繊維束3,4が丸まったり、絡んだりすることがなく、長期間清掃を行なっても、刷毛部26が潰れ難くなり、刷毛部26の保形性に優れる。
【0067】
完成した清掃用物品1の外面側では、図3に示すように、基材シート2と保持シート8とが接合線13と接合線13とで接合されているとともに、接合線13と接合線13との中間に前記全層接合線7が形成されるため、前記中央領域2aの外面の保持領域において、基材シート2と保持シート8との間に、接合線13と全層接合線7との間に2つの平行な保持空間20,20が形成される。
【0068】
よって、図3に示すように二股構造の保持具21により前記清掃用物品1を外面側から保持することができる。前記保持具21は、二股に分かれた挿入部22,22と把持部23とを有している。挿入部22,22が前記保持空間20,20内に挿入される。そして把持部23を保持して清掃を行なうことができる。
【0069】
清掃の際に保持具21から清掃用物品1が容易に脱落しないようにするための構造を種々採用することが可能である。
【0070】
まず、前記挿入部22,22の下面に、細かく配列され且つ先端が鋭角な鋸歯状の凸部22aを多数形成し、この凸部22aが基材シート2に向けられた状態で、挿入部22,22を保持空間20,20に挿入できるようにする。挿入された状態で鋸歯状の凸部22aと基材シート2との摩擦係数が大きくなり、これにより清掃用物品1が容易に脱落するのを防止できる。
【0071】
または、保持具21における挿入部22,22の基端部分に、係止ファスナー24を固定しておく。係止ファスナー24は、細かな鉤状またはきのこ形状の突出部が形成されたものである。この係止ファスナー24が基材シート2の裏面2Bに係止されることで、保持具21からの清掃用物品1の脱落を防止できる。
【0072】
また、二股の一方の挿入部22の先端部分に連結部材25を回動自在に設けておき、挿入部22,22が保持空間20,20に挿入され、挿入部22,22の先部が保持空間20,20を貫通して抜け出た時点で、連結部材25を回動させ、連結部材25を他方の挿入部22の先端に凹凸嵌合などで係止させる。これによっても、保持具21からの清掃用物品1の脱落を防止できる。
【0073】
前記凸部22a、係止ファスナー24、連結部材25による抜け止め手段は、その全てを備えても良いし、そのいずれか少なくとも1つの手段を備えてもよい。なお、前記抜け止め手段を有する保持具21は、本発明の清掃用物品1に限られず、どのような清掃用物品であっても使用することができる。
【0074】
また前記清掃用物品1は、図3に示すように対称形状であるため、保持具21に対し清掃用物品1を図3の方向から装着した状態で、清掃作業を行ない、その結果、清掃用物品1が局部的に汚れたときに、清掃用物品1を図3に示す向きから180度回転させた向きで保持具21に保持させてもよい。このように向きを変えて使用することで、清掃用物品1の各部を片寄りなく均一に使用することができる。
【0075】
なお、前記保持具21の挿入部22を容易に変形する素材で形成すると、保持具21に保持された清掃用物品1の形状を任意に湾曲させることができる。また把持部23を伸縮自在な構造とし、把持部23を長く伸ばして清掃を行なうようにしてもよい。
【0076】
また前記清掃用物品1において、前記接合線13,13によって少なくとも一の繊維束が接合されることで、保持空間20,20内に挿入される保持具21の清掃面側に繊維束が位置するようになるので、清掃面側の厚みが増し、清掃作業時に保持具の硬さが被清掃面に影響を与えず、優れた清掃感覚が得られる。
【0077】
図6は前記第1の本発明の実施の形態の変形例の清掃用物品1Aを示す斜視図である。
図6に示す清掃用物品1Aは、図1ないし図5に示した清掃用物品1の各層の積層順番を変えたものである。
【0078】
この清掃用物品1Aには、エアースルー工程で得られた不織布で形成された最外層基材シート15が設けられ、この最外層基材シート15の表面にスパンボンド不織布などで形成された基材シート2が重ねられている。そして、前記基材シート2の清掃面側である表面2A上に、下から順に第1の繊維束3、第2の繊維束4、第3の繊維束6が重ねられ、最表部に、短冊片17が形成されたシート5が重ねられている。このシート5は不織布または樹脂フィルムで形成されるが、エアースルー不織布で形成されることが好ましい。
【0079】
そして、最外層基材シート15、基材シート2および、第1の繊維束3が、図4(B)に示したのと同じ接合線13,13で互いに接合されている。そして、最外層基材シート15から短冊片17を有するシート5までが、中央部に形成された全層接合線7によって一緒に接合されている。
【0080】
また、第3の繊維束6と、その上のシート5とが、図%に示したのと同様に、短冊片17の途中に位置する接合線18によって接合されて、短冊片17とその下の第3の繊維束6の繊維の一部とが部分的に一体化されていてもよい。また、図4(A)と同様に、基材シート2に複数の短冊片12が形成され、図4(B)に示すように、前記短冊片12と第1の繊維束3とがジグザグ形状の接合線14で接合されていてもよい。
【0081】
また、最外層基材シート15の外面に、図3と同様に保持シート8が接合され、最外層基材シート15と保持シート8との間に保持空間20,20が形成されているものであってもよい。
【0082】
図6に示す清掃用物品1Aでは、清掃面側の最表面に、短冊17を有するシート5が設けられているため、床や家具などの被清掃部を拭いたときに、この被清掃部にシート5が優先的に当たることになるため、その下に位置する各繊維束3,4,6の繊維が絡まりあったり、被清掃部との摩擦により塊状になるのを防ぐことができる。特に、第3の繊維束6の一部の繊維がその上に位置する短冊片17に接合線18によって接合されていると、第3の繊維束6の繊維が絡まりにくく、塊状になりにくい。また最表部のシート5を剛性が高く柔軟なエアースルー不織布で形成すると、被清掃部との摩擦で短冊片と繊維束とで形成された刷毛部26が変形しづらく、長期間の使用によっても形がくずれにくくなる。
【0083】
また、図6に示すように、清掃面側の最表部に短冊片17が現れるものでは、個々の短冊片17が長い方がよい。よって短冊片17を分離する切断線16が全層接合線7まであるいはその近傍まで至っているものが好ましい。または前記切断線16がシート5の全域をMD方向に横断し、全層接合線7で接合される前の状態において、短冊片17が互いに分離されているものであってもよい。
【0084】
本発明の清掃用部品は、前記短冊片と前記繊維束の繊維とで形成された刷毛部26によって、大きな塵と小さな埃を効果的に拭取ることができるが、図6に示すように清掃面側の最表部に、エアースルー不織布などで形成された短冊片17が位置していると、長期間使用しても刷毛部26の形を保つことができる。
【0085】
この点に関して、図1ないし図5に示す清掃用物品1は、清掃面側の最表面に第3の繊維束6が位置している。よって、被清掃部との長期間の摩擦により、第3の繊維束6に絡みや塊が生じるおそれがある。
【0086】
そこで、図1ないし図5に示す前記清掃用物品1において、最表部に現れている第3の繊維束6に対し、油剤、ワックス、HMA(ホットメルト)等の樹脂を固着剤として塗布して繊維の動きに対する自由度を阻害させる(繊維のばらつきを抑制する)ことにより、払拭時に繊維に過剰な絡みや塊が生じるのを防止することができる。
【0087】
この場合の樹脂を塗布する範囲としては、繊維束6の清掃面側の表面のみに前記固着剤をスプレー塗布して、第3の繊維束6の表面の繊維のみを固着してもよいし、前記全層接合線7から所定の範囲までに部分的に固着剤を塗布し、第3の繊維束6の自由端側の繊維は自由状態としてもよい。このようにすると、繊維束6による埃の捕捉効果を低減させることなく、繊維束6の繊維の絡まりを防止できる。またこれらの固着剤は常温で固体であるものが好ましい。
【0088】
例えば、ワックスで固める場合に繊維束6に対するワックスの割合としては、第3の繊維束6に対する質量比が0.5〜25%とすることが好ましい。0.5%以下では繊維の絡みを効果的に防止することができず、また25%以上であると繊維が強固に固まり過ぎ、繊維が十分に起毛せず埃の捕捉効果が低下する。
【0089】
また、HMAは粘度が高いと着塵性は良好であるが逆に繊維が絡まるため、粘度の低いHMAを使用することが好ましい。またはワックスと粘度の低いHMAとを混合したものであってもよい。
【0090】
なお、繊維束6に樹脂を塗布する方法ではなく、溶剤や熱で繊維束6の繊維を融かした後に再度固めることで、繊維の絡みを防止してもよい。この場合にも、繊維束6の基端のみを強めに固めて絡みを防ぎ、繊維束の先端部分の自由度を残すことで起毛効果を発揮できるようにしてもよい。
【0091】
さらに、図6に示す清掃用物品1Aの第2の繊維束4と第3の繊維束6のそれぞれにおいて、各繊維束の繊維どうしを、前記と同様に固着剤や融着により接合させてもよい。
【0092】
また図1に示す前記清掃用物品1において、第3の繊維束6を全層接合線7のみで接合するのではなく、前記全層接合線7と間隔を開けて位置する他の接合線によって、前記第3の繊維束6を、その下のシート5または基材シート2に接合することによっても、第3の繊維束6の繊維の絡まりや塊の発生を防止できる。
【0093】
また、図1に示す清掃用物品1および図6に示す清掃用物品1Aの双方において、基材シート2に最も近い第1の繊維束3の目付けを、その上に位置する第2の繊維束4や第3の繊維束6よりも大きくしておくことが好ましい。このようにすると、長期間清掃を繰り返して、刷毛部26の短冊片や繊維束が絡まったり塊状になったときに、基材シート2が刷毛部26から露出することがなく、この基材シート2が被清掃部に直接に当たるのを防止できる。
【0094】
図7は第2の本発明の清掃用物品30を示す部分斜視図、図8はその断面図である。
この清掃用物品30では、不織布などのシート31と両側部にMD方向に向く複数の短冊片31aが形成されている。また前記シート31に重ねられる他のシート32の両側部にも同様にして短冊片32aが形成されている。この短冊片31a,32aは前記シート31と32の両側部に複数の切込線を入れることで形成されている。
【0095】
シート31の下側には繊維束33が重ねられ、シート32の上には繊維束34が重ねられて、シート31,32および繊維束33,34が中央接合線35と、側部接合線36,36とで一体に融着接合されている。前記側部接合線36,36の外側には、前記短冊片31aと短冊片32aおよび繊維束33,34との集合体により刷毛部37,37が形成されている。
【0096】
側部接合線36と側部接合線36とで挟まれた部分が保持領域38となっており、この保持領域38では、シート31とシート32との間に、中央接合線35で分離された2つの保持空間39,39が形成されている。この保持空間39,39に図3に示すような保持具21の挿入部22,22が挿入される。または中央接合線35を設けずに、側部接合線36と側部接合線36との間に比較的広い保持空間が形成され、この保持空間に平坦形状の保持具が挿入されてもよい。
【0097】
さらに、保持領域38では、各接合線35と36との中間において、MDと直交する方向に延びる切断線41が一定の間隔を開けて間欠に形成されており、この切断線41により、シート31,32と繊維束33,34とが一緒に切断されている。
【0098】
その結果、清掃用物品30の表裏両面の保持領域38において、前記切断線41が形成されている部分には、接合線35と36から繊維が延びる繊維刷毛部42が形成されている。また切断線41と切断線41との間の切断線41が形成されていない部分では、接合線35と接合線36とを渡って延びる繊維ブリッジ43が形成されている。
【0099】
この清掃用物品30では、両側部に延びる刷毛部37,37が、繊維束33,34と短冊片31a,32aとの集合体であるため、刷毛部37全体の剛性が高く、短冊片31a,32aで埃やゴミを払い、繊維束33,34で埃などを捕捉することができる。
【0100】
また保持領域38では、切断線41により切断された繊維束34で形成された繊維刷毛部42が埃を払う機能を発揮でき、また払われた埃を繊維ブリッジ43で捕捉することができる。よってこの清掃用物品30は、刷毛部37,37での清掃機能のみならず、表裏両面での保持領域38での清掃機能も発揮でき、各方向に向けた状態で効果的な清掃ができる。
【0101】
また図8に示すように、前記シート31と、前記繊維刷毛部42を有する繊維束33との間に、切断線41を有しない目付けの大きい繊維束またはエアースルー不織布の層44が設けられ、シート32と、前記繊維刷毛部42を有する繊維束34との間に、切断線41を有しない目付けの大きい繊維束またはエアースルー不織布の層45が介在していてもよい。
【0102】
図9は第3の本発明の他の実施の形態の清掃用物品50を示す斜視図である。
この清掃用物品50は、シート51の両側部に複数の切込線が入れられて複数の短冊片51aが形成され、シート52の両側部にも同様にして複数の短冊片52aが形成されている。シート51の下側には繊維束53が重ねられ、シート52の上側には繊維束54が重ねられて、シート51、シート52、繊維束53、繊維束54が、平行に延びる接合線55と56とで一体に融着接合されている。
【0103】
前記接合線55と56の両側では、短冊片51a、短冊片52aおよび繊維束53、繊維束54の集合体による刷毛部57が形成されている。
【0104】
接合線55と接合線56との間では、シート51とシート52の間に保持空間が形成されている。この保持空間に保持具61が挿入されるが、このとき清掃用物品50を捻るようにして保持具61に装着すると、刷毛部57が螺旋状に延びる、立体的な刷毛部57を形成できる。
【0105】
この清掃用物品50は狭い隙間などを清掃する際に、周囲全方向にわたって刷毛部57が延びているため、埃やゴミの捕捉効果を高くできる。
【0106】
なお、図7の実施の形態において、シート31の短冊片31aと、シート32の短冊片32aとの間に、さらに繊維束が挟まれた構造であってもよい。同様に、図9に示す実施の形態においても、シート51の短冊片51aとシート52の短冊片52aとの間に、さらに繊維束が挟まれた構造であってもよい。
【0107】
そして、図7と図9の実施の形態において、短冊片の長手方向の途中部分で、この短冊片と繊維束とが部分的に接合されているものであってもよい。
【0108】
また、前記各実施の形態において、繊維束が捲縮繊維であると、繊維そのものが埃を捕集しやすくなる。またトウから開繊された繊維やスプリットヤーンなどの繊維をMDに向けて延ばした状態で、シートに接合し、その後にシートと共に繊維を切断すると、繊維が捲縮し、刷毛部においては短冊片よりも繊維束の方が短い構造となる。このようにすると、短冊片による埃やゴミの払拭機能を高め、払拭された埃などを捲縮繊維で捕捉するという清掃作業が行なえるようになり、繊維と短冊片との集合体による清掃機能を有効に発揮できる。
【0109】
また、繊維束や短冊片に着塵剤を塗布することで埃の吸着捕捉効果を高めることができる。着塵剤は、例えば界面活性剤、ミネラルオイル、ワックスなどである。あるいは接着力を弱めたアクリル系接着剤やホットメルト接着剤を塗布してもよい。
【0110】
また前記着塵剤の他、例えば消臭剤、保湿剤、抗菌剤等の物質を含有させることができる。
【0111】
さらに各実施の形態において、保持領域に形成される接合線と接合線との間においてシートに弾性収縮性を持たせておくと、保持具に保持させたときに、保持具に密着でき、保持具から清掃用物品が脱落しにくくなる。
【0112】
また各実施の形態において、短冊片を有するシートに使用する不織布は、スパンボンドやエアースルー法で形成されたものに限られず、サーマルボンド、スパンレース、ポイントボンド、メルトブロー、ステッチボンド、ケミカルボンド、ニードルパンチなどで形成されたものであってもよい。また不織布に代えて、ウレタン、スポンジ、織布、ネット、ワリフなどの短冊状に加工可能な素材であってもよい。
【0113】
また短冊片を有するシートが不織布で形成されている場合、繊維束と組み合わせたときの使い易さや加工技術上の点において、目付けが10〜100g/mで厚みが0.5〜5mmのものが好ましい。また不織布のMD方向の幅は80〜250mmであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1の本発明の清掃用物品の実施の形態を示す斜視図、
【図2】図1の清掃用物品の刷毛部を示す部分拡大斜視図、
【図3】図1の清掃用物品を裏面側から示す斜視図、
【図4】(A)(B)は図1に示す清掃用物品の基材シートおよび基材シートと第1の繊維束との積層体を示す斜視図、
【図5】図1に示す清掃用物品の第2の繊維束とシートとの積層体を示す斜視図、
【図6】第1の本発明の清掃用物品の変形例を示す斜視図、
【図7】第2の本発明の清掃用物品の実施の形態を示す斜視図、
【図8】図7の清掃用物品の断面図、
【図9】第2の本発明の清掃用物品の変形例を示す斜視図、
【符号の説明】
【0115】
1 第1の実施の形態の清掃用物品
2 基材シート
2a 保持領域
3 第1の繊維束
4 第2の繊維束
5 シート
6 第3の繊維束
7 全層接合線
8 保持シート
11 切込線
12 短冊片
13,14 接合線
17 短冊片
18 接合部
21 保持具
26 刷毛部
30 第2の実施の形態の清掃用物品
31,32 シート
31a,32a 短冊片
33,34 繊維束
37 刷毛部
38 保持領域
42 繊維刷毛部
43 繊維ブリッジ
50 第3の実施の形態の清掃用物品
51,52 シート
51a,52a 短冊片
53,54 繊維束
61 保持具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刷毛部を有する清掃用物品であって、
融着接合可能で軟質なシートと、少なくとも一部に融着性繊維を含む繊維束とを備え、
前記シートは、縁部から切り込まれた複数の切込線および前記切込線と切込線との間に形成された細長い短冊片を有し、
前記繊維束は、前記シートの一方の面に重ねられ、
前記繊維束を前記シートに接合する第一接合部と、
前記繊維束の繊維の一部を前記シートに部分的に接合する第二接合部とが設けられ、
前記短冊片と、この短冊片に重ねられた前記繊維束とで、外方に向けて延びる刷毛部が形成されていることを特徴とする清掃用物品。
【請求項2】
請求項1に記載の清掃用物品であって、
前記シートは、縁部から切り込まれた複数の切込線および前記切込線と切込線との間に形成された細長い短冊片を有する短冊片形成領域と、前記切込線が形成されていない非切断領域とを有し、
前記繊維束は、前記シートの一方の面に、前記短冊片形成領域および前記非切断領域の双方に渡って重ねられることを特徴とする清掃用物品。
【請求項3】
請求項1または2に記載の清掃用物品であって、
前記第二接合部は、前記第一接合部に対して間隔を開けて位置することにより、前記繊維束の繊維の絡まり防止手段、または塊発生防止手段をなすように構成されていることを特徴とする清掃用物品。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれかに記載の清掃用物品であって、
前記第二接合部は、前記繊維束の繊維を横切る方向に連続状に形成されていることを特徴とする清掃用物品。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれかに記載の清掃用物品であって、
前記第一接合部は、前記繊維束の繊維を横切る方向へと延在する接合線によって構成されることを特徴とする清掃用物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−15164(P2006−15164A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−270477(P2005−270477)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【分割の表示】特願2004−321443(P2004−321443)の分割
【原出願日】平成13年7月9日(2001.7.9)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】