説明

減カロリー飲食品用組成物

【課題】 減カロリー食品の香辛料からくる刺激と呈味のバラバラ感を解消し、味のバランスを整え、汎用的においしさを付与すること。
【解決手段】減カロリー飲食品に、分子量30000以下からなる植物性たん白加水分解物を添加すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減カロリー飲食品に用いるために、分子量30000以下からなる植物性たん白加水分解物を含有する方法およびその組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、カロリーの過剰摂取が生活習慣病の原因の一つとして、問題となっている。減カロリー化に向けて、これまでに油脂代替物質が報告されている。
例えば、油脂代替物質として、ジステアロモノリノレインマ又は/及びジステアロモノα-リノレン、湿熱処理澱粉、ジヒドロキシステアリン酸、乳清タンパク質、セルロース含有複合体等が報告されている。しかしながら、これらの文献通りに素材を配合しても、標準的な食品に対して、カロリーの低減割合が25%以上の減カロリー飲食品に添加した場合には、効果が弱く、嗜好性を十分に満足させる程度までおいしさを付与するには至らなかった。このように、カロリー低減で損なわれたおいしさを、嗜好性を満足させる程度まで付与できる、効果的な油脂代替物質は未だない。
カレー・シチュールー等を中心に、減カロリー商品は既に販売されているが、効果的な油脂代替物質がないのが現状である。効果的な油脂代替物質が未だない中、減カロリー飲食品においしさを付与する素材が強く望まれている。
一方、調味料の中でもコク味を付与する機能を有する調味料等が知られている(特許文献1、特許文献2)、これらは減カロリーについては、記載も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2004/096836号公報
【特許文献2】国際公開WO2006/104022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、減カロリー商品に効果的な油脂代替物質がないという現状を踏まえて鋭意検討をおこなった。そして本発明者は、減カロリー商品、特に、標準的な飲食品に対してカロリーの低減割合が25%以上の減カロリー飲食品では、香辛料からくる刺激と呈味がバラバラになるという味覚上のプロファイルを発見した。そして更にプロファイルの解析と検討を行った結果、先味は香辛料の刺激で感じることができるが、それに続く呈味の立ちあがりが弱く遅いため、味が一端切れるように感じ、その結果として、味のバランスが崩れていることを発見した。
本発明は、これらの発見を踏まえ、減カロリー飲食品に分子量30000以下からなる植物性たん白加水分解物を加えて、上記課題を解決し、汎用的に嗜好性を十分に満足させる程度までおいしさを付与できる食品素材を提供することにある。更には、効果の強さの点で、分子量1000から30000である糖鎖とペプチドが結合してなるペプチドからなる植物性たん白加水分解物を加えることがより好ましいことを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成した。本発明は以下の各発明を包含する。
(1) 香辛料を含む減カロリー飲食品に用いる事を特徴とする、分子量30000以下である植物性たん白加水分解物を含有することを特徴とする減カロリー飲食品用組成物。
(2) 分子量1000以上30000以下であり、糖鎖とペプチドが結合してなる糖ペプチドを含む植物性たんぱく加水分解物を含有することを特徴とする発明(1)記載の減カロリー飲食品用組成物。
(3) 香辛料を0.005%以上0.4%以下含む減カロリー飲食品に用いる事を特徴とする、発明(1)記載の減カロリー飲食品用組成物。
(4) 植物性たんぱく源が穀類、豆類、ナッツ類のいずれかである発明(1)記載の減カロリー飲食品用組成物。
(5) 植物性たん白加水分解物が以下の(a)〜(g)の1種または2種以上に該当する工程を含む方法で製造されることを特徴とする発明(1)に記載の減カロリー飲食品用組成物。
(a)pH6以下で加水分解を行う工程、
(b)pH8以上で加水分解を行う工程、
(c)アルカリ溶液をたんぱく加水分解液に添加して、脱ナトリウム化する工程、
(d)液体麹または固体麹を用い、20〜40℃の温度、pH6〜9のpHで酵素分解を行う工程、
(e)たんぱく加水分解液中に含まれる菌体を遠心分離または濾過により分離・乾燥する工程、
(f)膜処理および/または活性炭による脱色を行う工程、
(g)pH8以上で濃縮を行う工程
(6) 植物性たん白加水分解物の加水分解工程が無塩で行われる方法で製造されることを特徴とする発明(1)記載の減カロリー飲食品用組成物。
(7) 発明(1)記載の減カロリー飲食品用組成物を0.005%以上0.2%以下含む減カロリー飲食品。
(8) カロリー低減割合が25%以上の減カロリー飲食品において、発明(1)の組成物を含有せしめることを特徴とする減カロリー飲食品。
【0006】
本発明において、香辛料とは、調味料の一種で、植物から採取され、調理の際に香りや辛味、色をだすものの総称である。食事をおいしくしたり、食欲を増進させたりする。例えば、単一素材としては、アニス、オレガノ、カレーリーフ、グリーンペッパー、コショウ、クローブ、コリアンダー、サンショウ、シナモン、タイム、唐辛子、マスタードがあり、ブレンド素材としては、5香粉、ガラムマサラ、カレー粉、7味唐辛子、チリパウダー等が一例として挙げられる。本発明においては、香辛料のことをスパイスと呼ぶこともある。また本発明においては、先味にピリっとした刺激がくる香辛料による課題が大きいため、その効果が強い胡椒がより好ましい。
【0007】
尚、本発明はこれからの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で置き換えたものを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、減カロリー食品の香辛料からくる刺激と呈味がバラバラになるという課題を解決し、味のバランスを整え、汎用的に嗜好性を十分に満足させる程度までおいしさを付与できる方法およびその組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、減カロリー飲食品とは、食品100g(液状品では100ml)当たり、標準もしくは既存の飲食品に対して40kcal(20kcal)以上カロリーが減少しているものを指す。組成物の添加効果が顕著に発揮できる、即ち、よりバランスのよい風味や呈味が付与できる点から、標準的な飲食品に対してカロリーの低減割合が25%以上の飲食品がより好ましい。また本発明では、減カロリー飲食品に香辛料が含まれていることが特徴であるが、減カロリー飲食品に含まれる香辛料の量としては、減カロリー飲食品に対して0.005%以上、0.4%以下であることが好ましい。香辛料の量が0.005未満の減カロリー飲食品では、香辛料からくる刺激が弱いため、香辛料からくる刺激と呈味がバラバラになるという課題が生じにくく、香辛料の量が0.4%よりも多い減カロリー飲食品では、味のバランスを保つことが困難となり好ましくない。
【0010】
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、本発明で定義する減カロリー飲食品に、分子量30000以下からなる植物性たん白加水分解物で本課題が解決することを見出し、更には、効果の強さの点で、分子量1000から30000である糖鎖とペプチドが結合してなるペプチドからなる植物性たん白加水分解物がより好ましいことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明に用いる分子量30000以下からなる植物性たん白加水分解物は、植物性たん白質を酸で加水分解したもの、及び植物性たん白質等を酵素で加水分解して得られた分子量1000から30000である糖鎖とペプチドが結合してなるペプチドからなるものを好適に使用できるが特にこれに限定されるものではない。また、本発明に用いる分子量1000から30000である糖鎖とペプチドが結合してなる糖ペプチドからなる植物性たん白加水分解物は、公知の方法により調整することが出来る。具体的な一例としては国際公開WO2004/096836号公報(特許文献1)の実施例1に従って調整することができる。
【0012】
本発明の減塩飲食品用組成物は、分子量30000以下からなる植物性たん白加水分解物を含有することが重要である。本発明の減カロリー飲食品用組成物は、これを減カロリー飲食品に添加することによって、香辛料からくる刺激と呈味がバラバラになるという課題を解決し、味のバランスを整え、おいしさ付与を向上させる効果がある。減カロリー飲食品用組成物にはその使用形態に制限はなく、例えば、粉末、顆粒、固形、ペースト、溶液などの形態があげられる。また減カロリー飲食品用組成物は減カロリー飲食品の原料などとして用いても良いし、減カロリーされたつゆ、スープ、たれ、ソース、ルー、ドレッシング、マヨネーズ等の調味料形態としても良い。
【0013】
本発明で用いられる呈味とは、飲食時の口腔内で感じる味であり、強さ、持続感、ひろがりを示すものである。
【0014】
本発明で用いられる先味とは、飲食品を口腔内に入れてから2秒以内に感じる味を示すものである。
【0015】
本発明で用いられる香辛料の刺激とは、飲食品を口腔内に入れてから1秒以内に感じる刺激を示すものである。
【0016】
本発明において、植物性たん白加水分解物は、植物性たんぱく質等を、酵素や酸で加水分解したものの総称である。力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点から、たんぱく源は小麦、米、とうもろこし等の穀類、大豆等の豆類・ナッツ類であることが好ましい。更に、以下の(a)〜(g)の1種または2種以上に該当する工程を含む方法で製造する場合、より力価が強く、バランスのよい風味・呈味を付与できるため好ましい。
(a)pH6以下で加水分解を行う工程
(b)pH8以上で加水分解を行う工程
(c)アルカリ溶液をたんぱく加水分解液に混合して、脱ナトリウム化する工程
(d)液体麹または固体麹を用い、20〜40℃の温度、pH6〜9のpHで酵素分解を行う工程
(e)たんぱく加水分解液中に含まれる菌体を遠心分離または濾過により分離・乾燥する工程
(f)膜処理および/または活性炭による脱色を行う工程
(g)pH8以上で濃縮を行う工程
また植物性たん白加水分解物の加水分解工程を無塩で行うことが好ましい。
【0017】
本発明において、飲食品の喫食時の濃度とは、飲食品の調理後の喫食時点での濃度を指す。本発明においては、力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点から、喫食時の飲食品中に減カロリー飲食品用組成物が0.005%以上0.3%未満となるように含むことが好ましい。減カロリー飲食品用組成物の濃度がこれ以下だと添加効果が弱く、これ以上だと刺激臭等の異風味が発生する場合があり、おいしさ付与の点で好ましくない。更に力価が強く、バランスのよい風味や呈味を付与できる点からは、減塩飲食品用組成物の濃度が0.02%以上、0.04%以下がより好ましい。
【0018】
本発明において用いられる減カロリー飲食品用組成物の減カロリー飲食品ならびに減カロリー調味料への混合時期に特に限定はなく、飲食品や調味料の製造前の原料としてだけでなく、製造中、完成後、喫食直前、喫食中など、いつ混合しても、減カロリー飲食品の香辛料からくる刺激と呈味がバラバラになるという課題を解決し、味のバランスを整え、おいしさを付与する効果を得ることができる。
【0019】
本発明において用いられる減カロリー飲食品用組成物の原料は飲食品に使用できるものであれば、合成品、抽出品、発酵品等、各種素材の加熱反応等様々な履歴のものを用いることができる。
【0020】
本発明において、香辛料からくる刺激と呈味がバラバラになるという課題を解決し、味のバランスを整え、おいしさが付与される減カロリー飲食品に特に限定はない。本発明の減カロリー飲食品用組成物を使用する際は、調味料形態として減カロリー飲食品への添加や、水や溶媒を用いて減カロリー飲食品用組成物を希釈してからの減カロリー飲食品への添加、たん白加水分解物などの形態での減カロリー飲食品への添加、減カロリーされた粉末調味料、固形調味料、液体調味料の原料としての混合、減カロリーされた飲食品、減カロリーされた水産・畜肉飲食品への原料としての混合等、利用形態に特に制限はない。具体例としては、例えば、揚げ物、スナック、シリアル、炒め物や、低カロリー・減カロリーされたつゆ、たれ、ソース、ドレッシング、マヨネーズ等の調味料類、スープ(カップスープ、即席めんのスープ)、ルー等の飲食品、低カロリーされた水練り、ハム、ソーセージ等の水産・畜肉加工製品が挙げられる。
【0021】
以下、本発明について実施例で更に説明するが、本発明の技術範囲はこれら実施例によって制限されるものではない。また、本実施例において、官能評価は特に断りのない限り、食品業務に平均して10年以上従事している充分に訓練された4名の専門パネルを用いて実施した。
【実施例】
【0022】
<減カロリーカレールーの作成>
ラード20gを100℃に加熱後、小麦粉40gを添加し、20分間加熱混合した。加熱後、カレー粉(商品名「特製エスビーカレー」、エスビー食品株式会社製)5g、食塩5g、グラニュー糖5g、調味料(グルタミン酸ナトリウム、ウスターソース、トマトペースト)5gを加え、混合冷却してカレールーを作成した。このカレールーのカロリーは369kcalであり、標準的な(5訂増補食品成分表2006記載)カレールーのカロリー512kcalのものと比較して、カロリーが28%低いため、本発明でいう減カロリーカレールーに該当する。
<減カロリーカレーソースの作成>
前述の減カロリーカレールー15gに熱湯85gを加え、水分量が変化しないように調整しつつ、ひと煮立ちさせた。このカレーソースのカロリーは55kcalであり、標準的な(5訂増補食品成分表2006記載)カレーソースのカロリー76kcalのものと比較して、カロリーが28%低いため、本発明でいう減カロリーカレーソースに該当する。
<実施例1 カレーソースでの減カロリー飲食品用組成物と他の素材との添加効果の比較>
前術したカレーソースに各種素材を添加し比較した。1)分子量1000から30000からなる植物性たん白加水分解物(国際公開WO2006/104022号公報(特許文献2)の実施例1に従って調整した分子量1000から30000である糖鎖とペプチドが結合してなる糖ペプチドからなる植物性たん白加水分解物で、分子量1000以下と、30000以上を分画除去している)、2)分子量1000以上からなる植物性たん白加水分解物(国際公開WO2004/096836号公報(特許文献1)の実施例1に従って調整した小麦グルテンを加水分解し、分解液を固液分離後に得た分子量1000以上で分画した乾燥粉末で、分子量の上限での分画はしていない)、3)植物性たん白加水分解物(大豆を酸で加水分解した分解液から得た乾燥粉末で、酸分解のため分子量30000以上の画分は実質含まれていない)、4)動物性たん白加水分解物(ゼラチンを加水分解した分解液から得た乾燥粉末で分子量は10000以下)、5)酵母エキス(汎用的なパン酵母エキスで、分子量30000以下の画分を含む)、6)酵母エキス(トルラ酵母エキスで、分子量30000以下の画分を含む)をそれぞれ0.03%添加した。また、素材無添加のカレーソースをコントロールとした。尚、このコントロールは、減カロリーカレールーのために、「香辛料からくる刺激と呈味がバラバラになる」、「味のバランスがわるく、おいしくない」という特徴があった。この香辛料からくる刺激と呈味がバラバラで、味が物足りなく、おいしさが損なわれたカレーソースに、本発明での減カロリー食品用組成物を添加して、その添加効果を確認した。
官能評価は(1)香辛料と呈味がバラバラになる、(2)おいしさ(総合評価)について評価した。また採点は以下に従った。
(1)の評価: ++コントロールと比較して効果が明瞭である、+コントロールと比較して効果がある、―:コントロールと比較して効果が明瞭でない、または効果が好ましくない。
(2)の評価: ◎コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭である、○コントロールと比較しておいしさ付与効果がある、×:コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭でない、または効果が好ましくない。
尚、喫食温度は75℃〜65℃の間に保った上で評価した。
【0023】
【表1】

【0024】
表1の結果から、カレーソースの系で分子量30000以下である植物性たん白加水分解物を添加した場合に、香辛料と呈味のバラバラ感が解消され、味のバランスが好ましく、おいしさ付与効果が発現することが確認された。更には、効果の強さの点で、分子量1000から30000である糖鎖とペプチドが結合してなるペプチドからなる植物性たん白加水分解物がより好ましいことが判明した。
【0025】
<実施例2 減カロリーカレーソースへの減カロリー飲食品用組成物の各種濃度での添加>
前述した減カロリーカレーソースに、分子量1000から30000である糖鎖とペプチドが結合してなる糖ペプチドからなる植物性たん白加水分解物(国際公開WO2006/104022号公報(特許文献2)の実施例1に従って調整)を喫食濃度10ppm、0.01%、0.02%、0.04%、0.08%、0.16%、0.32%となるように添加した。また植物性たん白加水分解物を添加していない減カロリーカレーソースをコントロールとした。
尚、このコントロールのカレーソースのカロリーは55kcalであり、標準的な(5訂増補食品成分表2006記載)カレーソースのカロリー76kcalのものと比較して、カロリーが28%低いため、「香辛料からくる刺激と呈味がバラバラになる」、「味のバランスがわるく、おいしくない」という特徴があった。この香辛料からくる刺激と呈味がバラバラで、味が物足りなく、おいしさが損なわれた減カロリーカレーソースに、本発明での減カロリー食品用組成物を添加して、その添加効果を確認した。
官能評価は(1)香辛料と呈味がバラバラになる、(2)おいしさ(総合評価)について評価した。また採点は以下に従った。
(1)の評価: ++ コントロールと比較して効果が明瞭である、+ コントロールと比較して効果がある、― コントロールと比較して効果が明瞭でない、または効果が好ましくない
(2)の評価: ◎コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭である、○コントロールと比較しておいしさ付与効果がある、×コントロールと比較しておいしさ付与効果が明瞭でない、または効果が好ましくない。
尚、喫食温度は75℃〜65℃の間に保った上で評価した。
【0026】
【表2】

【0027】
表2の結果から、カレーソースの系で植物性たん白加水分解物が0.005%以上0.2%未満の場合に、香辛料と呈味のバラバラ感が解消され、味のバランスが好ましく、おいしさ付与効果が発現することが確認された。更には、0.02%以上、0.08%以下の場合に味のバランスの点でより好ましいことが分かった。10ppm以下では添加効果が分からず、0.3%では添加量が多すぎ刺激臭等の異風味があった。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、香辛料濃度が0.005%以上0.4%以下の減カロリー飲食品において、分子量30000以下からなる植物性たん白加水分解物を含有する減カロリー飲食品用組成物に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
香辛料を含む減カロリー飲食品に用いる事を特徴とする、分子量30000以下である植物性たん白加水分解物を含有することを特徴とする減カロリー飲食品用組成物。
【請求項2】
分子量1000以上30000以下であり、糖鎖とペプチドが結合してなる糖ペプチドを含む植物性たんぱく加水分解物を含有することを特徴とする請求項1記載の減カロリー飲食品用組成物。
【請求項3】
香辛料を0.005%以上0.4%以下含む減カロリー飲食品に用いる事を特徴とする、請求項1記載の減カロリー飲食品用組成物。
【請求項4】
植物性たんぱく源が穀類、豆類、ナッツ類のいずれかである請求項1記載の減カロリー飲食品用組成物。
【請求項5】
植物性たん白加水分解物が以下の(a)〜(g)の1種または2種以上に該当する工程を含む方法で製造されることを特徴とする請求項1に記載の減カロリー飲食品用組成物。
(a)pH6以下で加水分解を行う工程、
(b)pH8以上で加水分解を行う工程、
(c)アルカリ溶液をたんぱく加水分解液に添加して、脱ナトリウム化する工程、
(d)液体麹または固体麹を用い、20〜40℃の温度、pH6〜9のpHで酵素分解を行う工程、
(e)たんぱく加水分解液中に含まれる菌体を遠心分離または濾過により分離・乾燥する工程、
(f)膜処理および/または活性炭による脱色を行う工程、
(g)pH8以上で濃縮を行う工程
【請求項6】
植物性たん白加水分解物の加水分解工程が無塩で行われる方法で製造されることを特徴とする請求項1記載の減カロリー飲食品用組成物。
【請求項7】
請求項1記載の減カロリー飲食品用組成物を0.005%以上0.2%以下含む減カロリー飲食品。
【請求項8】
カロリー低減割合が25%以上の減カロリー飲食品において、請求項1の組成物を含有せしめることを特徴とする減カロリー飲食品。

【公開番号】特開2011−211988(P2011−211988A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84927(P2010−84927)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】