減圧デバイス
【課題】減圧デバイスを提供する。
【解決手段】本減圧デバイスは本体と、該本体に画定された踵部と、該本体に画定された持上部とを備える。該本体は厚みと、本体前端とを有し、該持上部は後境界と前境界とを有する。該後境界は該踵部に隣接し該踵部と該本体の該本体前端との間に位置する。該前境界は該持上部の該後境界と該本体の該本体前端との間で該後境界の前に位置する。該本体の厚みは、該後境界から該前境界に向って減少する。
【解決手段】本減圧デバイスは本体と、該本体に画定された踵部と、該本体に画定された持上部とを備える。該本体は厚みと、本体前端とを有し、該持上部は後境界と前境界とを有する。該後境界は該踵部に隣接し該踵部と該本体の該本体前端との間に位置する。該前境界は該持上部の該後境界と該本体の該本体前端との間で該後境界の前に位置する。該本体の厚みは、該後境界から該前境界に向って減少する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減圧デバイス、特に、足の踵にかかる圧力を解放する減圧デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
代謝症候群によって特徴付けられる現代生活スタイル、運動不足、及び慢性痛は問題として広く認識されている。慢性痛は不安定な又は不平衡な直立姿勢によって起こる場合があり、一般に長期間続き、健康に害を及ぼす。不安定で不平衡な直立姿勢は不必要な緊張を足底の筋肉にもたらし、その結果、長期間慢性痛を引き起こす。安定な直立姿勢を維持することは、このような慢性痛を治すための効果的な治療法である。
【0003】
安定な直立姿勢は、足底の3つの部分からなる3点支持構造によって特徴付けられる。3つの部分はそれぞれ、第1中足骨、第4中足骨、足の踵に対応する。足底にかかる圧力が第1中足部、第4中足部、及び足底の踵部に分散される時、直立姿勢は安定に維持される。直立姿勢を安定に維持する効果的な手段が要望されていることは明らかである。
【0004】
また、かかとのある靴を履くと、足の踵は上がり、上記3点支持構造は崩れる。直立姿勢を維持するための効果的な手段が要望されている。
【0005】
この欠点を克服するために、本発明は上記の問題を緩和する減圧デバイスを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、直立姿勢において足の踵にかかる圧力を解放することで、3点支持構造を維持し人体を安定に支える減圧デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る減圧デバイスは本体と、該本体に画定された踵部と、該本体に画定された持上部とを備える。該本体は厚みと、本体前端とを有し、該持上部は後境界と前境界とを有する。該後境界は該踵部に隣接し該踵部と該本体の該本体前端との間に位置する。該前境界は該持上部の該後境界と該本体の該本体前端との間で該後境界の前に位置する。該本体の厚みは、該後境界から該前境界に向って減少する。
【0008】
本発明の他の目的、利点、及び新規な特徴は、下記の詳細な説明と添付の図面からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る減圧デバイスの第1の実施形態の使用時の上面図である。
【図2】図1の減圧デバイスの上面図である。
【図3】本発明に係る減圧デバイスの第2の実施形態の上面図である。
【図4】靴に実施された図1の減圧デバイスの使用時の部分断面側面図である。
【図5】かかとのある靴に実施された図1の減圧デバイスの使用時の部分断面側面図である。
【図6】本発明に係る減圧デバイスの第3の実施形態の拡大断面側面図である。
【図7】本発明に係る減圧デバイスの第4の実施形態の拡大断面側面図である。
【図8】本発明に係る減圧デバイスの第5の実施形態の拡大断面側面図である。
【図9】本発明に係る減圧デバイスの第6の実施形態の拡大断面側面図である。
【図10】本発明に係る減圧デバイスの第7の実施形態の拡大断面側面図である。
【図11】本発明に係る減圧デバイスの第8の実施形態の拡大断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び図2を参照すると、本発明に係る減圧デバイスの第1の実施形態は、本体(10)、踵部(11)、持上部(12)、及び省略可能な傾斜面(13)からなる。
【0011】
本体(10)は足底のためのパッドであり、立位、歩行、又は走行時、足底にかかる圧力に対するクッション効果を提供する。本体(10)はクッション性材料でできており、上面、厚み、及び本体前端を有する。本体(10)はサンダル又はスリッパ等の履物の中底、中物、又は表底として実現されてもよい。
【0012】
踵部(11)は足の踵にクッションを提供するために本体(10)に画定され、踵右側、踵左側、及び踵後端を有する。踵部(11)は本体(10)の上面上に形成されてもよい。
【0013】
持上部(12)は本体(10)に画定され、持上右側、持上左側、後境界(121)、及び前境界(122)を有する。持上部(12)は本体(10)の上面上に形成されてもよい。後境界(121)は踵部(11)に隣接し、踵部(11)と本体(10)の本体前端との間に位置する。前境界(122)は持上部(12)の後境界(121)と本体(10)の本体前端との間で後境界(121)の前に位置する。本体(10)の厚みは、持上部(12)の後境界(121)から前境界(122)に向って減少する。本体(10)がサンダル又はスリッパ等の履物の中底、中物、又は表底として実現される場合、持上部(12)は本体(10)の上面上に形成されるのが好ましい。第1の実施形態では、持上部(12)の後境界(121)と前境界(122)との間で高さの降下があることが分かる。
【0014】
傾斜面(13)は踵部(11)の踵右側、踵左側、及び踵後端を囲っており、傾斜面内縁を有する。本体(10)は、その厚みが傾斜面(13)の傾斜面内縁から外方へ向かって減少するよう傾斜が付けられている。
【0015】
上記の構造により、この減圧デバイスが人の足(90)を受容するための靴内に使用された時、足(90)の底は本体(10)の上面に接触する。体重が本体(10)にかかり、足の踵は踵部(11)と持上部(12)との上に位置する。踵の後半分と前半分はそれぞれ踵部(11)と持上部(12)によって支えられる。本体(10)の厚みは後境界(121)から前境界(122)に向って減少し、スロープ等の構造を形成するので、踵の前半分は持上部(12)に、踵の後半分が踵部(11)に接触するのと同じくらいにはしっかりと接触しない。この結果、踵の前半分にかかる圧力は減少する。
【0016】
直立して歩く人間にとって、体重が第1中足骨の周囲の第1中足部と、第4中足骨の周囲の第4中足部と、踵の周囲の踵部とに分散されることが最良と考えられる。これらの部分への体重の分散は、安定な支えのための3点支持構造を構成する。踵の前半分にかかる圧力を減少させることは、上記3点支持構造を更に際立たせる。立位、歩行、又は走行時、踵への不快な圧力は減少し、同時により安定な3点支持構造がより良好に維持される。
【0017】
図3を参照すると、本発明に係る減圧デバイスの第2の実施形態も本体(10A)と、踵部(11A)と、後境界(121A)及び前境界(122A)を有する持上部(12A)と、傾斜面(13A)とからなる。
【0018】
減圧デバイスの第2の実施形態の持上部(12A)は半楕円形状と半楕円形前線とを有する。この前線は後境界(121A)と前境界(122A)との間に位置する。
【0019】
傾斜面(13A)は持上右側及び持上左側のそばを持上部(12A)の該前線を越えて前方へ延び、傾斜面(13A)の傾斜面内縁が持上部(12A)の持上右側、持上左側、及び前線と重なる。このため、本体(10A)は、その厚みが傾斜面内縁又は持上右側、持上左側、及び前線から外方へ向かって減少するよう傾斜が付けられている。
【0020】
本体(10A)の厚みは後境界(121A)から該前線に向って減少し、該前線から前境界(122A)に向って更に減少する。従って、減圧デバイスの第2の実施形態は、上記の構造で踵の前半分にかかる圧力を解放し、平衡のとれた直立姿勢を維持する。
【0021】
図4及び図5を参照すると、第1と第2の実施形態等の本発明に係る減圧デバイスは、平らな靴(80)又はヒール靴(80A)において実施されてよい。平らな靴(80)はヒールからつま先に向って傾斜を有し、一方、ヒール靴(80A)は同じ向きにより大きな傾きの傾斜を有する。平らな靴(80)とヒール靴(80A)はユーザの踵を上げ、ユーザの足底にかかる圧力を再分配し、3点支持構造をそれぞれ違う程度崩す。ユーザは前方へ傾斜し易く、余分な緊張を筋肉にかけることなく安定な直立姿勢を保つことが出来ない。余分な筋肉の緊張は、長期に亘って健康を害する慢性痛を引き起こす場合がある。
【0022】
減圧デバイスの使用は圧力分布を均衡させ、安定な直立姿勢のための3点支持構造を回復させるので、ユーザは平らな靴(80)又はヒール靴(80A)を不安定な直立姿勢による慢性痛を起こすことなく健康に履くことができる。図1及び図2を参照すると、省略可能な傾斜面(13)は足(90)の踵の周縁にかかる圧力を更に減少させる。持上部(12)と共に傾斜面(13)は直立姿勢を安定な状態に均衡させ、足底の筋肉から不必要な緊張を取り除く。
【0023】
図6を参照すると、本発明に係る減圧デバイスの第3の実施形態は本体(10B)、踵部(11B)、持上部(12B)、及び傾斜面(13B)からなる。本体(10B)の厚みは、持上部(12B)内で前方へ向って減少する。減圧デバイスの第3の実施形態の傾斜面(13B)は丸い面を有する。持上部(12B)は踵の前半分にかかる圧力を減少させ、一方、傾斜面(13B)はその周縁にかかる圧力を減少させる。持上部(12B)と傾斜面(13B)とは共に踵部(11B)の周囲の圧力分布を均衡させ、足底の筋肉を不必要に緊張させることなく安定な直立姿勢を維持するのを助ける。
【0024】
図7〜図9を参照すると、減圧デバイスの第4、第5、及び第6の実施形態が上記実施形態と同様に実施され、それぞれ本体(10C、10D、10E)、踵部(11C、11D、11E)、持上部(12C、12D、12E)、及び傾斜面(13C、13D、13E)からなる。減圧デバイスの第4の実施形態の持上部(12C)は異なる傾きの傾斜を形成する。減圧デバイスの第5の実施形態の持上部(12D)はジグザグの外観を有し、第6の実施形態の持上部(12E)は不規則な外観を有する。第4、第5、及び第6の実施形態は、持上部(12C、12D、12E)の外観又は傾きは本発明の範囲を限定しないことを示す。持上部(12C、12D、12E)が本体(10C、10D、10E)の厚みが持上部内で前方へ向って減少する構造を有する限り、本減圧デバイスは、踵の前半分にかかる圧力を減少させ、平衡のとれた直立姿勢のための安定な3点支持構造を維持するのを助けるよう機能する。
【0025】
図10を参照すると、減圧デバイスの第7の実施形態は、本体(10F)、踵部(11F)、持上部(12F)、及び傾斜面(13F)からなり、本体(10F)は柔らかな部材(14F)を更に有する。柔らかな部材(14F)は前記クッション性材料より柔らかな材料でできている。柔らかな部材(14F)は持上部(12F)に取り付けられ、本体(10F)を平らな形状にする。柔らかな部材(14F)は本体(10F)より容易に圧力に屈する。従って、柔らかな部材(14F)と組み合わせても、持上部(12F)は踵の前半分に、踵部(11F)が踵の後半分に接触するのと同じくらいにはしっかりと接触しない。減圧デバイスの第7の実施形態は、直立姿勢を均衡させ慢性痛を防ぐ機能を保ちながら、従来の靴の中敷に慣れたユーザにとってよりなじみのある平らな形状の本体(10F)を提供する。
【0026】
図11を参照すると、減圧デバイスの第8の実施形態は、本体(10G)、踵部(11G)、持上部(12G)、及び傾斜面(13G)からなり、本体(10G)は底面と平らな上面とを有する。踵部(11G)と持上部(12G)は本体(10G)の底面上に形成されている。
【0027】
踵部(11G)と持上部(12G)は本体(10G)の底面上に形成されているが、本体(10G)の厚みは持上部(12G)内で前方へ向って減少する。言い換えると、踵部(11G)内での本体(10G)の厚みは持上部(12G)の厚みより厚い。第8の実施形態を使用する時、足底は本体(10G)の平らな上面と接触する。しかし、該底面上に形成された踵部(11G)と持上部(12G)により、踵の前半分は本体(10G)の上面に、踵の後半分と同じくらいにはしっかりと接触しない。従って、第8の実施形態は他の実施形態と同様に機能し、平衡のとれた直立姿勢を安定に支え、慢性痛を除去することが出来る。第7の実施形態で説明した柔らかな部材を第8の実施形態の持上部(12G)に取り付けて、本体(10G)を平らな形状にしてもよい。
【0028】
上記実施形態の説明から、当業者は、本発明が直立姿勢を均衡させ安定に支えるために3点支持構造を維持する減圧デバイスを提供することを容易に理解するであろう。平衡のとれた直立姿勢を保つことで、ユーザの足底の筋肉は不必要な緊張から解放される。従って、健康に長期の害を及ぼす慢性痛を防ぐことが出来る。
【符号の説明】
【0029】
10 本体
11 踵部
12 持上部
13 傾斜面
121 後境界
122 前境界
【技術分野】
【0001】
本発明は、減圧デバイス、特に、足の踵にかかる圧力を解放する減圧デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
代謝症候群によって特徴付けられる現代生活スタイル、運動不足、及び慢性痛は問題として広く認識されている。慢性痛は不安定な又は不平衡な直立姿勢によって起こる場合があり、一般に長期間続き、健康に害を及ぼす。不安定で不平衡な直立姿勢は不必要な緊張を足底の筋肉にもたらし、その結果、長期間慢性痛を引き起こす。安定な直立姿勢を維持することは、このような慢性痛を治すための効果的な治療法である。
【0003】
安定な直立姿勢は、足底の3つの部分からなる3点支持構造によって特徴付けられる。3つの部分はそれぞれ、第1中足骨、第4中足骨、足の踵に対応する。足底にかかる圧力が第1中足部、第4中足部、及び足底の踵部に分散される時、直立姿勢は安定に維持される。直立姿勢を安定に維持する効果的な手段が要望されていることは明らかである。
【0004】
また、かかとのある靴を履くと、足の踵は上がり、上記3点支持構造は崩れる。直立姿勢を維持するための効果的な手段が要望されている。
【0005】
この欠点を克服するために、本発明は上記の問題を緩和する減圧デバイスを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、直立姿勢において足の踵にかかる圧力を解放することで、3点支持構造を維持し人体を安定に支える減圧デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る減圧デバイスは本体と、該本体に画定された踵部と、該本体に画定された持上部とを備える。該本体は厚みと、本体前端とを有し、該持上部は後境界と前境界とを有する。該後境界は該踵部に隣接し該踵部と該本体の該本体前端との間に位置する。該前境界は該持上部の該後境界と該本体の該本体前端との間で該後境界の前に位置する。該本体の厚みは、該後境界から該前境界に向って減少する。
【0008】
本発明の他の目的、利点、及び新規な特徴は、下記の詳細な説明と添付の図面からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る減圧デバイスの第1の実施形態の使用時の上面図である。
【図2】図1の減圧デバイスの上面図である。
【図3】本発明に係る減圧デバイスの第2の実施形態の上面図である。
【図4】靴に実施された図1の減圧デバイスの使用時の部分断面側面図である。
【図5】かかとのある靴に実施された図1の減圧デバイスの使用時の部分断面側面図である。
【図6】本発明に係る減圧デバイスの第3の実施形態の拡大断面側面図である。
【図7】本発明に係る減圧デバイスの第4の実施形態の拡大断面側面図である。
【図8】本発明に係る減圧デバイスの第5の実施形態の拡大断面側面図である。
【図9】本発明に係る減圧デバイスの第6の実施形態の拡大断面側面図である。
【図10】本発明に係る減圧デバイスの第7の実施形態の拡大断面側面図である。
【図11】本発明に係る減圧デバイスの第8の実施形態の拡大断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び図2を参照すると、本発明に係る減圧デバイスの第1の実施形態は、本体(10)、踵部(11)、持上部(12)、及び省略可能な傾斜面(13)からなる。
【0011】
本体(10)は足底のためのパッドであり、立位、歩行、又は走行時、足底にかかる圧力に対するクッション効果を提供する。本体(10)はクッション性材料でできており、上面、厚み、及び本体前端を有する。本体(10)はサンダル又はスリッパ等の履物の中底、中物、又は表底として実現されてもよい。
【0012】
踵部(11)は足の踵にクッションを提供するために本体(10)に画定され、踵右側、踵左側、及び踵後端を有する。踵部(11)は本体(10)の上面上に形成されてもよい。
【0013】
持上部(12)は本体(10)に画定され、持上右側、持上左側、後境界(121)、及び前境界(122)を有する。持上部(12)は本体(10)の上面上に形成されてもよい。後境界(121)は踵部(11)に隣接し、踵部(11)と本体(10)の本体前端との間に位置する。前境界(122)は持上部(12)の後境界(121)と本体(10)の本体前端との間で後境界(121)の前に位置する。本体(10)の厚みは、持上部(12)の後境界(121)から前境界(122)に向って減少する。本体(10)がサンダル又はスリッパ等の履物の中底、中物、又は表底として実現される場合、持上部(12)は本体(10)の上面上に形成されるのが好ましい。第1の実施形態では、持上部(12)の後境界(121)と前境界(122)との間で高さの降下があることが分かる。
【0014】
傾斜面(13)は踵部(11)の踵右側、踵左側、及び踵後端を囲っており、傾斜面内縁を有する。本体(10)は、その厚みが傾斜面(13)の傾斜面内縁から外方へ向かって減少するよう傾斜が付けられている。
【0015】
上記の構造により、この減圧デバイスが人の足(90)を受容するための靴内に使用された時、足(90)の底は本体(10)の上面に接触する。体重が本体(10)にかかり、足の踵は踵部(11)と持上部(12)との上に位置する。踵の後半分と前半分はそれぞれ踵部(11)と持上部(12)によって支えられる。本体(10)の厚みは後境界(121)から前境界(122)に向って減少し、スロープ等の構造を形成するので、踵の前半分は持上部(12)に、踵の後半分が踵部(11)に接触するのと同じくらいにはしっかりと接触しない。この結果、踵の前半分にかかる圧力は減少する。
【0016】
直立して歩く人間にとって、体重が第1中足骨の周囲の第1中足部と、第4中足骨の周囲の第4中足部と、踵の周囲の踵部とに分散されることが最良と考えられる。これらの部分への体重の分散は、安定な支えのための3点支持構造を構成する。踵の前半分にかかる圧力を減少させることは、上記3点支持構造を更に際立たせる。立位、歩行、又は走行時、踵への不快な圧力は減少し、同時により安定な3点支持構造がより良好に維持される。
【0017】
図3を参照すると、本発明に係る減圧デバイスの第2の実施形態も本体(10A)と、踵部(11A)と、後境界(121A)及び前境界(122A)を有する持上部(12A)と、傾斜面(13A)とからなる。
【0018】
減圧デバイスの第2の実施形態の持上部(12A)は半楕円形状と半楕円形前線とを有する。この前線は後境界(121A)と前境界(122A)との間に位置する。
【0019】
傾斜面(13A)は持上右側及び持上左側のそばを持上部(12A)の該前線を越えて前方へ延び、傾斜面(13A)の傾斜面内縁が持上部(12A)の持上右側、持上左側、及び前線と重なる。このため、本体(10A)は、その厚みが傾斜面内縁又は持上右側、持上左側、及び前線から外方へ向かって減少するよう傾斜が付けられている。
【0020】
本体(10A)の厚みは後境界(121A)から該前線に向って減少し、該前線から前境界(122A)に向って更に減少する。従って、減圧デバイスの第2の実施形態は、上記の構造で踵の前半分にかかる圧力を解放し、平衡のとれた直立姿勢を維持する。
【0021】
図4及び図5を参照すると、第1と第2の実施形態等の本発明に係る減圧デバイスは、平らな靴(80)又はヒール靴(80A)において実施されてよい。平らな靴(80)はヒールからつま先に向って傾斜を有し、一方、ヒール靴(80A)は同じ向きにより大きな傾きの傾斜を有する。平らな靴(80)とヒール靴(80A)はユーザの踵を上げ、ユーザの足底にかかる圧力を再分配し、3点支持構造をそれぞれ違う程度崩す。ユーザは前方へ傾斜し易く、余分な緊張を筋肉にかけることなく安定な直立姿勢を保つことが出来ない。余分な筋肉の緊張は、長期に亘って健康を害する慢性痛を引き起こす場合がある。
【0022】
減圧デバイスの使用は圧力分布を均衡させ、安定な直立姿勢のための3点支持構造を回復させるので、ユーザは平らな靴(80)又はヒール靴(80A)を不安定な直立姿勢による慢性痛を起こすことなく健康に履くことができる。図1及び図2を参照すると、省略可能な傾斜面(13)は足(90)の踵の周縁にかかる圧力を更に減少させる。持上部(12)と共に傾斜面(13)は直立姿勢を安定な状態に均衡させ、足底の筋肉から不必要な緊張を取り除く。
【0023】
図6を参照すると、本発明に係る減圧デバイスの第3の実施形態は本体(10B)、踵部(11B)、持上部(12B)、及び傾斜面(13B)からなる。本体(10B)の厚みは、持上部(12B)内で前方へ向って減少する。減圧デバイスの第3の実施形態の傾斜面(13B)は丸い面を有する。持上部(12B)は踵の前半分にかかる圧力を減少させ、一方、傾斜面(13B)はその周縁にかかる圧力を減少させる。持上部(12B)と傾斜面(13B)とは共に踵部(11B)の周囲の圧力分布を均衡させ、足底の筋肉を不必要に緊張させることなく安定な直立姿勢を維持するのを助ける。
【0024】
図7〜図9を参照すると、減圧デバイスの第4、第5、及び第6の実施形態が上記実施形態と同様に実施され、それぞれ本体(10C、10D、10E)、踵部(11C、11D、11E)、持上部(12C、12D、12E)、及び傾斜面(13C、13D、13E)からなる。減圧デバイスの第4の実施形態の持上部(12C)は異なる傾きの傾斜を形成する。減圧デバイスの第5の実施形態の持上部(12D)はジグザグの外観を有し、第6の実施形態の持上部(12E)は不規則な外観を有する。第4、第5、及び第6の実施形態は、持上部(12C、12D、12E)の外観又は傾きは本発明の範囲を限定しないことを示す。持上部(12C、12D、12E)が本体(10C、10D、10E)の厚みが持上部内で前方へ向って減少する構造を有する限り、本減圧デバイスは、踵の前半分にかかる圧力を減少させ、平衡のとれた直立姿勢のための安定な3点支持構造を維持するのを助けるよう機能する。
【0025】
図10を参照すると、減圧デバイスの第7の実施形態は、本体(10F)、踵部(11F)、持上部(12F)、及び傾斜面(13F)からなり、本体(10F)は柔らかな部材(14F)を更に有する。柔らかな部材(14F)は前記クッション性材料より柔らかな材料でできている。柔らかな部材(14F)は持上部(12F)に取り付けられ、本体(10F)を平らな形状にする。柔らかな部材(14F)は本体(10F)より容易に圧力に屈する。従って、柔らかな部材(14F)と組み合わせても、持上部(12F)は踵の前半分に、踵部(11F)が踵の後半分に接触するのと同じくらいにはしっかりと接触しない。減圧デバイスの第7の実施形態は、直立姿勢を均衡させ慢性痛を防ぐ機能を保ちながら、従来の靴の中敷に慣れたユーザにとってよりなじみのある平らな形状の本体(10F)を提供する。
【0026】
図11を参照すると、減圧デバイスの第8の実施形態は、本体(10G)、踵部(11G)、持上部(12G)、及び傾斜面(13G)からなり、本体(10G)は底面と平らな上面とを有する。踵部(11G)と持上部(12G)は本体(10G)の底面上に形成されている。
【0027】
踵部(11G)と持上部(12G)は本体(10G)の底面上に形成されているが、本体(10G)の厚みは持上部(12G)内で前方へ向って減少する。言い換えると、踵部(11G)内での本体(10G)の厚みは持上部(12G)の厚みより厚い。第8の実施形態を使用する時、足底は本体(10G)の平らな上面と接触する。しかし、該底面上に形成された踵部(11G)と持上部(12G)により、踵の前半分は本体(10G)の上面に、踵の後半分と同じくらいにはしっかりと接触しない。従って、第8の実施形態は他の実施形態と同様に機能し、平衡のとれた直立姿勢を安定に支え、慢性痛を除去することが出来る。第7の実施形態で説明した柔らかな部材を第8の実施形態の持上部(12G)に取り付けて、本体(10G)を平らな形状にしてもよい。
【0028】
上記実施形態の説明から、当業者は、本発明が直立姿勢を均衡させ安定に支えるために3点支持構造を維持する減圧デバイスを提供することを容易に理解するであろう。平衡のとれた直立姿勢を保つことで、ユーザの足底の筋肉は不必要な緊張から解放される。従って、健康に長期の害を及ぼす慢性痛を防ぐことが出来る。
【符号の説明】
【0029】
10 本体
11 踵部
12 持上部
13 傾斜面
121 後境界
122 前境界
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、足の踵にクッションを提供するために該本体に画定された踵部と、該本体に画定された持上部とを備え、
該本体は厚みと、本体前端とを有し、
該踵部は踵右側、踵左側、及び踵後端を有し、
該持上部は持上右側と、持上左側と、該踵部に隣接し該踵部と該本体の該本体前端との間に位置する後境界と、該持上部の該後境界と該本体の該本体前端との間で該後境界の前に位置する前境界とを有し、
該本体の厚みは、該後境界から該前境界に向って減少する減圧デバイス。
【請求項2】
前記本体は前記踵部の前記踵右側、踵左側、及び踵後端を囲う傾斜面を更に有し、
該傾斜面は傾斜面内縁を有し、該本体は、その厚みが該傾斜面内縁から外方へ向かって減少するよう傾斜が付けられている請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項3】
前記持上部は、前記後境界と前記前境界との間に位置する前線を更に有し、
前記傾斜面は該持上部の前記持上右側及び持上左側のそばを該前線を越えて前方へ延び、前記傾斜面内縁は該持上部の該持上右側、持上左側、及び該前線と重なる請求項2に記載の減圧デバイス。
【請求項4】
前記本体は、クッション性材料でできた中底である請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項5】
前記本体は、クッション性材料でできた中物である請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項6】
前記本体は、クッション性材料でできた表底である請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項7】
前記本体は上面を有し、
前記踵部と前記持上部は、該本体の該上面上に形成されている請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項8】
前記本体は底面を有し、
前記踵部と前記持上部は、該本体の該底面上に形成されている請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項9】
前記本体は、前記持上部に取り付けられて補い該本体を平らな形状にする柔らかな材料でできた柔らかな部材を更に有する請求項7に記載の減圧デバイス。
【請求項10】
前記本体は、前記持上部に取り付けられて補い該本体を平らな形状にする柔らかな材料でできた柔らかな部材を更に有する請求項8に記載の減圧デバイス。
【請求項1】
本体と、足の踵にクッションを提供するために該本体に画定された踵部と、該本体に画定された持上部とを備え、
該本体は厚みと、本体前端とを有し、
該踵部は踵右側、踵左側、及び踵後端を有し、
該持上部は持上右側と、持上左側と、該踵部に隣接し該踵部と該本体の該本体前端との間に位置する後境界と、該持上部の該後境界と該本体の該本体前端との間で該後境界の前に位置する前境界とを有し、
該本体の厚みは、該後境界から該前境界に向って減少する減圧デバイス。
【請求項2】
前記本体は前記踵部の前記踵右側、踵左側、及び踵後端を囲う傾斜面を更に有し、
該傾斜面は傾斜面内縁を有し、該本体は、その厚みが該傾斜面内縁から外方へ向かって減少するよう傾斜が付けられている請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項3】
前記持上部は、前記後境界と前記前境界との間に位置する前線を更に有し、
前記傾斜面は該持上部の前記持上右側及び持上左側のそばを該前線を越えて前方へ延び、前記傾斜面内縁は該持上部の該持上右側、持上左側、及び該前線と重なる請求項2に記載の減圧デバイス。
【請求項4】
前記本体は、クッション性材料でできた中底である請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項5】
前記本体は、クッション性材料でできた中物である請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項6】
前記本体は、クッション性材料でできた表底である請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項7】
前記本体は上面を有し、
前記踵部と前記持上部は、該本体の該上面上に形成されている請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項8】
前記本体は底面を有し、
前記踵部と前記持上部は、該本体の該底面上に形成されている請求項1に記載の減圧デバイス。
【請求項9】
前記本体は、前記持上部に取り付けられて補い該本体を平らな形状にする柔らかな材料でできた柔らかな部材を更に有する請求項7に記載の減圧デバイス。
【請求項10】
前記本体は、前記持上部に取り付けられて補い該本体を平らな形状にする柔らかな材料でできた柔らかな部材を更に有する請求項8に記載の減圧デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−279697(P2010−279697A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−126541(P2010−126541)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(506159426)
【出願人】(510116277)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126541(P2010−126541)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(506159426)
【出願人】(510116277)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]