説明

減圧装置

【課題】減圧装置において空気消費量の削減を図る。
【解決手段】減圧装置10を構成するボディ12には、圧力流体の供給される一次側ポート20と、減圧された圧力流体の排出される二次側ポート22とを備え、前記二次側ポート22とパイロットバルブ93に臨む第3ダイヤフラム室90とを連通するフィードバック通路64が形成される。そして、二次側ポート22に流通した圧力流体が、フィードバック通路64を通じて第3ダイヤフラム室90へと導入され、第3ダイヤフラム78を第2スプリング82の弾発力に抗して押し上げて均衡させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給された圧力流体を所望の圧力に減圧して導出する減圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、一次側から供給された圧力流体を所望の圧力に減圧して二次側に導出する減圧装置を提案している。この減圧装置は、流体圧供給源から流体圧機器に所望の設定圧力で圧力流体を供給する場合、前記流体圧供給源と流体圧機器との間に設けられ、前記流体圧供給源から供給された一次側の圧力流体を、二次側に接続される前記流体圧機器に対応するように所望の圧力に減圧した後に、二次側に供給するものである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−198433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記の提案に関連してなされたものであり、空気消費量の削減を図ることが可能な減圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するために、本発明は、ノズルに対する離間及び閉塞動作によって、一次側から背圧室に導入される圧力流体の流通を制御するフラッパと、前記フラッパに設けられた弁部を介して前記背圧室と連通するダイヤフラム室とを有し、前記一次側から供給された前記圧力流体を所望の圧力に減圧して二次側に導出する減圧装置において、
前記背圧室と前記ダイヤフラム室との間に変位自在に設けられ、前記ノズルを有した弁体と、
前記一次側と前記背圧室とを接続し、前記弁体によって連通状態の切り換えられる第1接続通路と、
前記二次側と前記ダイヤフラム室とを連通する第2接続通路と、
を備え、
前記フラッパが、前記背圧室の給気側に設けられ、且つ、前記第1接続通路が、前記給気側に接続されると共に、前記背圧室が、前記第2接続通路を介して前記二次側と連通することを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、圧力流体を一次側から二次側へと流通させ減圧する減圧装置において、前記一次側と背圧室とを接続し、弁体によって連通状態の切り換えられる第1接続通路と、前記二次側とダイヤフラム室とを連通する第2接続通路とを備え、前記背圧室に供給される圧力流体が外部に排気されることなく、前記第2接続通路を通じて二次側へと流通させている。
【0007】
従って、二次側における圧力流体の設定圧力が予め設定されていない場合には、弁体によって背圧室への圧力流体の供給が完全に遮断されているため、前記圧力流体が大気へと排気されることがなく、前記設定圧力が設定された場合でも、前記背圧室の圧力流体が、ノズル、ダイヤフラム室及び第2接続通路を通じて二次側へと流通するため大気へと排出されることがない。その結果、パイロット圧となる圧力流体を大気へと排出している従来の減圧装置と比較し、前記パイロット圧を二次側へと供給して利用することができるため、前記圧力流体の不必要な消費が抑制され、その消費量を効果的に削減することが可能となる。
【0008】
また、第2接続通路と背圧室とを接続する分岐通路を備え、前記分岐通路には、前記背圧室から前記第2接続通路へと流通する前記圧力流体の流量を絞る絞り部を設けるとよい。
【0009】
さらに、弁体には、ノズルをフラッパで閉塞した際、圧力流体の一部をノズルを通じて背圧室とダイヤフラム室との間で流通させる溝部を有するとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0011】
すなわち、圧力流体を一次側から二次側へと流通させ減圧する減圧装置において、前記一次側と背圧室とを接続し、弁体によって連通状態の切り換えられる第1接続通路と、前記二次側とダイヤフラム室とを連通する第2接続通路とを備えることにより、二次側における圧力流体の設定圧力が予め設定されていない場合には、弁体によって背圧室への圧力流体の供給を完全に遮断できるため、前記圧力流体が大気へと排気されることがなく、一方、前記設定圧力が設定された場合でも、前記背圧室の圧力流体が、ノズル、ダイヤフラム室及び第2接続通路を通じて二次側へと流通するため大気へと排出されることがない。その結果、パイロット圧となる圧力流体を大気へと排出している従来の減圧装置と比較し、前記パイロット圧を二次側へと供給して利用することができるため、前記圧力流体の不必要な消費が抑制され、その消費量の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る減圧装置の全体断面図である。
【図2】図1の減圧装置を示す模式構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る減圧装置の全体断面図である。
【図4】図3の減圧装置を示す模式構成図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る減圧装置の全体断面図である。
【図6】図5の減圧装置におけるパイロットバルブ近傍を示す拡大断面図である。
【図7】図5の減圧装置を示す模式構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る減圧装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1において、参照符号10は、本発明の第1の実施の形態に係る減圧装置を示す。
【0014】
この減圧装置10は、図1及び図2に示すように、ボディ12と、前記ボディ12の内部を流通する流体の流通状態を切り換える弁機構14と、前記ボディ12の上部に連結されるボンネット16と、前記ボンネット16の上部に回動自在に設けられる操作部18とを含む。
【0015】
ボディ12は、一次側ポート(一次側)20及び二次側ポート(二次側)22を有した第1ボディ24と、前記第1ボディ24の上部に配置される第2ボディ26と、前記第2ボディ26のさらに上部に配置される第3ボディ28とからなり、前記第1ボディ24、前記第2ボディ26、前記第3ボディ28は、図示しないねじによって一体的に組み付けられる。
【0016】
一次側ポート20は、ボディの一側面側に開口して図示しない流体圧供給源に接続され、二次側ポート22は、前記ボディの他側面側に開口して図示しない流体圧機器に接続され、前記一次側ポート20と前記二次側ポート22との間には、該一次側ポート20と該二次側ポート22とを連通させる連通路30が形成される。この連通路30の内部には、後述するメインバルブ66の着座可能な弁座部32が形成される。
【0017】
また、第1ボディ24の下部には、連通路30と連通し、下方に向かって開口した装着孔34が形成され、前記装着孔34には、下方から閉塞プラグ36が挿入され係止リング38によって係止される。これにより、装着孔34が、閉塞プラグ36によって閉塞され、連通路30と外部との連通が遮断される。
【0018】
第1ボディ24と第2ボディ26との間には、中央部に設けられた第1保持部材40を介して第1ダイヤフラム42が設けられ、一方、前記第2ボディ26と第3ボディ28との間には、プレート状の第2保持部材44を介して第2ダイヤフラム46が設けられている。なお、第1保持部材40の中央部には、軸線方向に沿って貫通した孔部48が形成される。
【0019】
そして、第1ダイヤフラム42の下部には、第1ボディ24との間に第1ダイヤフラム室50が設けられ、該第1ボディ24に形成された連通孔52を通じて二次側ポート22と連通している。また、第1ダイヤフラム42と第2ダイヤフラム46との間には、第2ダイヤフラム室54が設けられ、第2ボディ26の側方に開口した排気ポート56と連通している。すなわち、第2ダイヤフラム室54は、排気ポート56を通じて外部と連通している。
【0020】
さらに、第2ダイヤフラム46の上部には、第3ボディ28との間にノズル背圧室(背圧室)58が形成され、前記第3ボディ28の中央部に軸線方向に沿って貫通した貫通孔60と連通している。
【0021】
一方、第1〜第3ボディ24、26、28には、ボディ12の中心に対して一次側ポート20側に、該一次側ポート20と貫通孔60とを連通するようにバイパス通路(第1接続通路)62が形成される。詳細には、バイパス通路62は、一次側ポート20の上部に接続され、第1〜第3ボディ24、26、28において上方へと延在した後、前記第3ボディ28において中心側へと直角に曲がり、貫通孔60に接続される。
【0022】
また、第1〜第3ボディ24、26、28には、ボディ12の中心に対して二次側ポート22側に、該二次側ポート22と後述するボンネット16の第3ダイヤフラム室(ダイヤフラム室)90とを連通するようにフィードバック通路(第2接続通路)64が形成される。詳細には、フィードバック通路64は、二次側ポート22の上部に接続され、第1〜第3ボディ24、26、28において上方へと延在した後、前記第3ボディ28において中心側へと直角に曲がり、さらに上方へと直角に曲がって第3ダイヤフラム室90に接続される。
【0023】
なお、バイパス通路62及びフィードバック通路64は、いずれも第1及び第2ダイヤフラム室50、54、ノズル背圧室58とは非連通に形成される。
【0024】
弁機構14は、第1ボディ24における連通路30に設けられ、鉛直方向(矢印A、B方向)に沿って変位自在に設けられるメインバルブ66と、前記メインバルブ66と閉塞プラグ36との間に介装される第1スプリング68とを含む。
【0025】
メインバルブ66は、閉塞プラグ36の上方に設けられ、上方に向かって徐々に先狭状となる着座部70と、該着座部70の上方に形成され第1保持部材40の孔部48を閉塞する封止部72とを備える。なお、メインバルブ66は、その封止部72が第1ボディ24の中心部を貫通したガイド孔74に挿通されることにより、軸線方向に沿って変位自在に案内される。
【0026】
第1スプリング68は、例えば、コイルスプリングからなり、メインバルブ66を閉塞プラグ36から離間させる方向(矢印A方向)に向かって付勢し、第1ボディ24の弁座部32に対して着座部70を着座させている。
【0027】
ボンネット16は、円筒状に形成され、その下端部に設けられたベース部材76を介して第3ボディ28の上部に連結されると共に、前記ベース部材76との間には、第3ダイヤフラム78が第3保持部材80と共に設けられる。第3保持部材80は、第3ダイヤフラム78の略中央部に設けられる。一方、ボンネット16の内部には、コイルスプリングからなる第2スプリング82と、操作部18を構成する回転シャフト84及びスプリングホルダ86が設けられる。
【0028】
第3ダイヤフラム78の上面には、第3保持部材80に嵌合されるディスク部材88が設けられ、その上部には第2スプリング82の一端部が固着される。一方、第3ダイヤフラム78とベース部材76との間には第3ダイヤフラム室90が形成され、第3ボディ28の貫通孔60と連通している。
【0029】
ベース部材76は、その略中央部から下方へと突出したノズル92を備え、前記ノズル92が第3ボディ28の貫通孔60の内部に挿入される。
【0030】
ノズル92の内部には、軸線方向(矢印A、B方向)に沿って貫通し、後述するパイロットバルブ(弁体)93の挿通されるバルブ孔94と、前記バルブ孔94と直交方向に開口した一組の側孔96とを有し、前記側孔96を介してバイパス通路62とバルブ孔94とが連通している。
【0031】
パイロットバルブ93は、その内部に軸線方向(矢印A、B方向)に沿って貫通したパイロット通路98が形成され、バルブ孔94及び貫通孔60に対して軸線方向(矢印A、B方向)に沿って変位自在に設けられると共に、その上端部には、断面半球状に窪んで球体106(後述する)の保持される弁部100が形成される。
【0032】
また、パイロットバルブ93の下端部と貫通孔60との間には、第3スプリング102が介装され、前記パイロットバルブ93を上方(矢印A方向)に向かって付勢する。これにより、パイロットバルブ93のフラッパ104が、ノズル92の下端部に当接することによってバルブ孔94とノズル背圧室58との間の連通が遮断される。
【0033】
一方、弁部100に保持される球体106は、パイロット通路98を閉塞すると共に、第3スプリング102の弾発作用下に第3保持部材80の下面に対して常に当接している。
【0034】
操作部18は、ボンネット16の上部に螺合された回転シャフト84と、前記回転シャフト84に対して嵌合されるハンドル108とを備え、前記ハンドル108が前記ボンネット16の上部を覆うように設けられる。また、回転シャフト84の下方には、鍔部を介してスプリングホルダ86が螺合され、前記スプリングホルダ86には第2スプリング82の他端部が固着される。すなわち、第2スプリング82は、ボンネット16の内部においてスプリングホルダ86とディスク部材88との間に介装され、互いに離間する方向に付勢している。
【0035】
そして、ハンドル108を回転させることによって回転シャフト84が一体的に回転し、それに伴って、前記回転シャフト84に螺合されたスプリングホルダ86が軸線方向に沿って変位する。これにより、例えば、第2スプリング82が、スプリングホルダ86を介して圧縮され、その押圧力が第3ダイヤフラム78へと付勢される。
【0036】
本発明の第1の実施の形態に係る減圧装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0037】
先ず、図示しないチューブ等を介して一次側ポート20に圧力流体供給源(図示せず)を接続し、二次側ポート22に、例えば、シリンダ等の所望の流体圧機器を接続する。そして、図示しない圧力流体供給源から一次側ポート20へと圧力流体を供給する。
【0038】
このような準備作業を行った後、作業者が、操作部18を構成するハンドル108を所定方向に回動させ、スプリングホルダ86を下降させることにより、第2スプリング82が圧縮され、その弾発力によってディスク部材88及び第3ダイヤフラム78が所定圧力(設定圧力)で下方へと押圧される。この第3ダイヤフラム78が押し下げられることにより、パイロットバルブ93が第3スプリング102の弾発力に抗して下降し、そのフラッパ104がノズル92の下端部から離間する。これにより、バイパス通路62を通じて流通する圧力流体が、貫通孔60を通じてノズル背圧室58へと供給される。
【0039】
そして、ノズル背圧室58の圧力(ノズル背圧)が上昇し、前記ノズル背圧の作用下に第2ダイヤフラム46が下方に押圧され、それに伴って、第1ダイヤフラム42が押し下げられ、第1保持部材40を介してメインバルブ66が第1スプリング68の弾発力に抗して下降する。その結果、メインバルブ66の着座部70が、第1ボディ24の弁座部32から離間し、一次側ポート20と二次側ポート22とが連通する。これにより、一次側ポート20に供給された圧力流体が、連通路30を通じて二次側ポート22へと流通する。
【0040】
この際、二次側ポート22に流通する圧力流体の一部が、フィードバック通路64を通じて第3ダイヤフラム室90へと流通し、該第3ダイヤフラム室90の圧力が上昇する。それに伴って、第3ダイヤフラム78が、第2スプリング82の押圧力に抗して上方へと押圧されて変位する。これにより、パイロットバルブ93が、第3スプリング102の弾発力によって上方へと変位する。
【0041】
そして、第3ダイヤフラム室90の圧力と、第2スプリング82による押圧力とが均衡した際に、パイロットバルブ93のフラッパ104が、ノズル92の下端部に対して着座し、ノズル背圧室58に対する圧力流体の流通が遮断され、ハンドル108によって調整された設定圧力で調圧された圧力流体が二次側ポート22へと流通し、図示しない流体圧機器に対して供給される。
【0042】
一方、ハンドル108の回転角度(回転数)に基づいて設定された設定圧力に対し、二次側ポート22における圧力が設定圧力以上に上昇すると、圧力の上昇した圧力流体が、フィードバック通路64を通じて第3ダイヤフラム室90へと流通し、第3ダイヤフラム78を第2スプリング82の弾発力に抗してさらに上方(矢印A方向)へと押圧して変位させると共に、ノズル背圧室58及びパイロット通路98における圧力流体の圧力が、第3ダイヤフラム室90における圧力流体の圧力より高いため、その圧力差(差圧)によって球体106が上方へと押し上げられ弁部100から離間する。これにより、パイロット通路98と第3ダイヤフラム室90とが連通し、ノズル背圧室58内の圧力流体が、パイロット通路98を通じて第3ダイヤフラム室90へと流通し、前記ノズル背圧室58の圧力が低下する。なお、この球体106及び弁部100は、ノズルフラッパ機構として機能する。
【0043】
ノズル背圧が低下することにより、第1ダイヤフラム42及び第2ダイヤフラム46が上方へと変位し、それに伴って、メインバルブ66の封止部72が第1保持部材40から離間すると共に、第1スプリング68の弾発作用下にメインバルブ66が上昇し、その着座部70が弁座部32に対して着座する。従って、メインバルブ66の封止部72によって閉塞されていた前記第1保持部材40の孔部48が開口し、二次側ポート22において圧力が上昇した圧力流体は、孔部48を介して第2ダイヤフラム室54に導入され、排気ポート56を通じて大気中に排出される。
【0044】
以上のように、第1の実施の形態では、圧力流体を一次側ポート20から二次側ポート22へと流通させる際、前記二次側ポート22と第3ダイヤフラム室90とを連通するフィードバック通路64を設けると共に、ノズル背圧室58に供給される圧力流体が外部に排気されることなく、前記フィードバック通路64を通じて二次側ポート22側へと流通可能な構成としている。
【0045】
このような構成とすることにより、二次側ポート22における圧力流体の二次側圧力(設定圧力)が予め設定されていない場合には、パイロットバルブ93のフラッパ104がノズル92の下端部に着座し、ノズル背圧室58への圧力流体の供給が完全に遮断されているため、パイロット圧となる圧力流体が大気へと排気されることがない。また、操作部18によって二次側ポート22における圧力流体の二次側圧力(設定圧力)を設定し、前記圧力を調圧する場合でも、ノズル背圧室58の圧力流体が、パイロット通路98、第3ダイヤフラム室90を通じて二次側ポート22に流通するため、大気へと排出されることがない。その結果、パイロット圧となる圧力流体を大気へと排出している従来の減圧装置と比較し、前記パイロット圧を二次側ポート22へと供給することができるため、前記圧力流体の不必要な消費が抑制され、その消費量を効果的に削減することが可能となる。
【0046】
次に、第2の実施の形態に係る減圧装置150を図3及び図4に示す。なお、上述した第1の実施の形態に係る減圧装置10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0047】
この第2の実施の形態に係る減圧装置150では、フィードバック通路64から分岐し、ノズル背圧室58に接続される分岐通路152をボディ12に備えると共に、前記分岐通路152内に絞り部154を有している点で、第1の実施の形態に係る減圧装置10と相違している。
【0048】
この分岐通路152は、ボディ12を構成する第3ボディ28に形成され、鉛直方向に沿って成形され、その下端部がノズル背圧室58に接続され、上端部がフィードバック通路64に接続されている。すなわち、分岐通路152は、フィードバック通路64を介してノズル背圧室58、二次側ポート22及び第3ダイヤフラム室90を相互に連通している。
【0049】
また、分岐通路152には、その通路径より縮径した絞り孔156を有した絞り部154が設けられる。この絞り孔156は、例えば、ノズル背圧室58から第3ダイヤフラム室90側(矢印A方向)に向かって徐々に縮径するように形成される。
【0050】
このように、ボディ12において、二次側に設けられたフィードバック通路64に対して分岐しノズル背圧室58と連通した分岐通路152を設け、前記分岐通路152に通路径の縮径した絞り部154を設けることにより、前記ノズル背圧室58から絞り部154を通じて二次側ポート22へと流通する圧力流体の流量に対し、一次側ポート20からバイパス通路62を通じて前記ノズル背圧室58へと供給される圧力流体の流量をパイロットバルブ93によって制御することにより、前記ノズル背圧室58の圧力を高精度に制御することができる。
【0051】
その結果、減圧装置150において設定圧力を低く設定することが可能となり、しかも、ノズル背圧室58と二次側ポート22との間の圧力差が抑制されるため、従来の減圧装置と比較し、圧力流体の消費量を削減することができる。
【0052】
次に、第3の実施の形態に係る減圧装置200を図5〜図7に示す。なお、上述した第1の実施の形態に係る減圧装置10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0053】
この第3の実施の形態に係る減圧装置200では、パイロットバルブ93の弁部100に、球体106から離間する方向に窪んだ切欠溝(溝部)202を設けている点で、第1の実施の形態に係る減圧装置10と相違している。
【0054】
この切欠溝202は、例えば、断面三角形状に形成され、球体106が弁部100に着座した際に、パイロット通路98と第3ダイヤフラム室90とを連通している。これにより、パイロットバルブ93の弁部100に球体106が着座した場合でも、パイロット通路98を通じてノズル背圧室58と第3ダイヤフラム室90とを連通させることができ、該ノズル背圧室58の圧力流体を、第3ダイヤフラム室90を経て二次側ポート22へと流通させることが可能となる。その結果、ノズル背圧室58から二次側ポート22へと常時圧力流体を流通させることによって二次側圧力(設定圧力)の制御をより一層高精度に行うことが可能となる。
【0055】
また、第2の実施の形態に係る減圧装置150と比較し、切欠溝202を弁部100に直接設けることができるため、部品点数が増大してしまうことがなく、構成の簡素化を図ることができると共に、該切欠溝202に塵埃等が目詰まりした場合でも、前記弁部100から球体106が離間した際に流通する圧力流体によって前記塵埃等を吹き飛ばし、前記目詰まりを解消することも可能である。
【0056】
なお、本発明に係る減圧装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0057】
10、150、200…減圧装置 12…ボディ
14…弁機構 16…ボンネット
18…操作部 20…一次側ポート
22…二次側ポート 30…連通路
32…弁座部 40…第1保持部材
42…第1ダイヤフラム 44…第2保持部材
46…第2ダイヤフラム 50…第1ダイヤフラム室
54…第2ダイヤフラム室 58…ノズル背圧室
62…バイパス通路 64…フィードバック通路
66…メインバルブ 68…第1スプリング
70…着座部 72…封止部
76…ベース部材 78…第3ダイヤフラム
80…第3保持部材 82…第2スプリング
90…第3ダイヤフラム室 92…ノズル
93…パイロットバルブ 98…パイロット通路
100…弁部 102…第3スプリング
104…フラッパ 106…球体
108…ハンドル 152…分岐通路
154…絞り部 156…絞り孔
202…切欠溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルに対する離間及び閉塞動作によって、一次側から背圧室に導入される圧力流体の流通を制御するフラッパと、前記フラッパに設けられた弁部を介して前記背圧室と連通するダイヤフラム室とを有し、前記一次側から供給された前記圧力流体を所望の圧力に減圧して二次側に導出する減圧装置において、
前記背圧室と前記ダイヤフラム室との間に変位自在に設けられ、前記ノズルを有した弁体と、
前記一次側と前記背圧室とを接続し、前記弁体によって連通状態の切り換えられる第1接続通路と、
前記二次側と前記ダイヤフラム室とを連通する第2接続通路と、
を備え、
前記フラッパが、前記背圧室の給気側に設けられ、且つ、前記第1接続通路が、前記給気側に接続されると共に、前記背圧室が、前記第2接続通路を介して前記二次側と連通することを特徴とする減圧装置。
【請求項2】
請求項1記載の減圧装置において、
前記第2接続通路と前記背圧室とを接続する分岐通路を備え、前記分岐通路には、前記背圧室から前記第2接続通路へと流通する前記圧力流体の流量を絞る絞り部が設けられることを特徴とする減圧装置。
【請求項3】
請求項1記載の減圧装置において、
前記弁体には、前記ノズルを前記フラッパで閉塞した際、前記圧力流体の一部を前記ノズルを通じて前記背圧室と前記ダイヤフラム室との間で流通させる溝部を有することを特徴とする減圧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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