説明

減容可能な樹脂成型品

【課題】物品の収納・覆蓋時、あるいは段積み時等の使用時では必要な剛性を確保することができ、簡単な操作で「減容」を行うことができて、しかも減容した後ではその状態が維持できて「ゴミ減量」を図ることのできる樹脂成形品を提供すること。
【解決手段】樹脂成形品10を、その底面または天板となる部分中央に形成した内側平面11と、この内側平面11に立ち上げ内壁12aを介して連続して当該内側平面11の外側を囲む外側平面12と、この外側平面12の立ち上げ外壁12bを介して形成した側壁部13と、この側壁部13の開口端部に形成したフランジ部14とを備えたものとするとともに、側壁部13に、先端が内側平面11に向かう押し上げ柱15、または先端16aが内側平面11に向かう押し上げリブ16のいずれか少なくとも一方を形成したこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱状または椀状に成形される樹脂成形品に関し、特に、その容積を小さくしたときの状態を維持することができて、元に戻らないようにした樹脂成形品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、弁当用容器やカップ容器、あるいは各種トレイのような樹脂成型品は、安価に提供できることから所謂「使い捨て」の包装用容器として重宝されており、種々な用途に使用できるものとして種々提案されてきている。
【0003】
このような樹脂成型品は、少ない材料で剛性が高くなるような工夫(例えばリブを立てたり、複雑な形状にしたりすること)をして、食品等の物品を崩れないように収納しながら、保管や運搬を低コストでできるようにするものである。
【0004】
このような樹脂成型品は、物品を収納するものであるから、使用するときには所定の容積が必要ではあるが、捨てる際にはできるだけ容積が小さくなった方が「ゴミの減量」の上から好ましい。このような所定の場合に容積を小さくできるようにすることを、以下では「減容」というが、このような減容できるものとしては、例えば、特許文献1の「内容積を可変とした容器」や、特許文献2の「折りたたみ容器の折曲構造」が既に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−91513号公報
【特許文献2】特公平4−76870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の「内容積を可変とした容器」は、「小容積状態から大容積状態へと極めて簡単に内容積を変えることができしかも一旦変更された容積状態を維持することができ、更に使用後には再び小容積状態へと押潰可能な容器を提供すること」を目的としてなされたもので、図15の(a)及び(b)に示すように、「大径筒部と小径筒部とを圧延変形性を有する湾曲壁部によって一体的に達成するとともに該湾曲壁部の外周には多数の凸形または凹形のエンボスを形成してなり、これにより該湾曲壁部が該大径筒部内に折り込まれて該大径筒部が該小径筒部を少なくとも一部囲繞する状態から、該小径筒部を該大径筒部に対して引き出して該湾曲壁部を介して該小径筒部と該大径筒部とが上下方向に連続した状態と変形可能としてなる内容積を可変とした容器」という構成を有するものである。
【0007】
しかしながら、この特許文献1の「内容積を可変とした容器」は、図15の(a)から同(b)の状態に小容積化しようとすると、「エンボスによる湾曲部分」を相当薄くしなければならないと考えられ、このエンボス部分が薄いと、図15の(a)に示した使用状態での剛性確保が困難になると考えらる。勿論、この特許文献1の「容器」は、図15の(a)から同(b)の状態に小容積化しようとする場合に、湾曲壁部を該大径筒部内に折り込まなければならないが、当然、湾曲壁部を小径筒部と大径筒部との間の非常に狭い空間内に折り込む必要があることから、非常に大きな力を要するものと考えられる。
【0008】
一方、特許文献2の「折りたたみ容器の折曲構造」は、図16の(a)及び(b)に示すように、「上側面部5の下縁と斜面部4の上縁とを上屈曲部7で連接し、斜面部4の下縁と下側面部6の上縁とを下屈曲部8で連接すると、折畳み時に上屈曲部7及び下屈曲部8が弾性的に伸縮して上側面部5や下側面部6の変形を吸収するために反転角度θや長さlを大きくすることが可能で、その結果、最大折畳み高さHが大きくなって嵩変化を大きくすることができる」ものである。
【0009】
この特許文献2の容器では、特許文献1の容器で必要であった「狭い隙間内に折り込む」ことは必要なくなっているが、その分「斜面部4」での変形が起き易くなっていて、例えば、当該引用文献2の容器上に他の容器を「段積み」した場合に、当該容器が変形してしまう虞があって、使用に不便ではないかと考えられる。
【0010】
また、この種の容器を、合成樹脂シートによるシート成形した場合、使用時の剛性を確保することは、前述した「リブ」や「複雑形状」によって十分行えるが、「減容」のための潰しを行っても、合成樹脂シート自体が有している弾性力によって殆ど元の状態に戻ってしまう。つまり、合成樹脂の成形品は、「紙」のように折り畳んだり潰したりすることができないため、使用後には、「減容」が殆どできないまま捨てなければならず、例えば家庭用のゴミ箱が直ぐに一杯になってしまう、といった問題がある。
【0011】
そこで、本発明者等は、この種の箱状または椀状の樹脂成型品について、物品の収納あるいは覆蓋時、あるいは段積み時等の「使用状態」では十分な剛性を有するとともに、「減容」は単に押し込むという簡単な操作で行え、しかも減容状態が維持できるようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0012】
すなわち、本発明の目的とするところは、物品の収納・覆蓋時、あるいは段積み時等の使用時では必要な剛性を確保することができ、簡単な操作で「減容」を行うことができて、しかも減容した後ではその状態が維持できて「ゴミ減量」を図ることのできる樹脂成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「箱状または椀状に形成した樹脂成形品10であって、
この樹脂成形品10を、その底面または天板となる部分中央に形成した内側平面11と、この内側平面11に立ち上げ内壁12aを介して連続して当該内側平面11の外側を囲む外側平面12と、この外側平面12の立ち上げ外壁12bを介して形成した側壁部13と、この側壁部13の開口端部に形成したフランジ部14とを備えたものとするとともに、
側壁部13に、先端が内側平面11に向かう押し上げ柱15、または先端16aが内側平面11に向かう押し上げリブ16のいずれか少なくとも一方を形成したことを特徴とする樹脂成形品10」
である。
【0014】
すなわち、この請求項1の樹脂成形品10は、図1〜図6に示すように、各図の中央から、内側平面11、この内側平面11の外周に位置する立ち上げ内壁12aを介して連なる外側平面12、この外側平面12の立ち上げ外壁12bを介して連なる側壁部13、この側壁部13の外端縁に連なるフランジ部14を備えているものであり、断面でみると例えば図7の(a)に示すようになっていて、全体的に箱状またはお椀状になっているものである。
【0015】
また、この樹脂成形品10は、箱状またはお椀状の容器本体と、この容器本体に嵌合される蓋体とからなる包装用容器を考えた場合、これらの容器本体にもあるいは蓋体にもなり得るものである。つまり、この樹脂成形品10は、図7の(a)に示すように外側平面12が「底面」となる場合には、物品を収納する所謂「容器」となるものであるが、外側平面12が「天板」となる場合には、物品を収納した容器のための「蓋体」となるものである。換言すれば、この樹脂成形品10は、包装用容器の、容器本体にも、また蓋体にも、あるいはこれら両方にもすることができるものである。
【0016】
さらに、この樹脂成形品10において、その外側平面12が図7の(a)に示すように底面となる場合、つまり「容器本体」となる場合を想定したとき、この外側平面12の内外両側には、上記立ち上げ内壁12a及び立ち上げ外壁12bがそれぞれ立ち上がっており、立ち上げ内壁12aによって内側平面11が少し浮いた状態になっている。勿論、当該樹脂成形品10を「蓋体」として想定した場合、内側平面11が少し凹んだ状態になることは言うまでもない。
【0017】
そして、この樹脂成形品10は、図1〜図7に示すように、側壁部13に押し上げ柱15または押し上げリブ16のいずれか少なくとも一方を形成したものである。各押し上げ柱15または押し上げリブ16は、結果的に側壁部13の内側に膨らんで「リブ」のような形状になっているものであり、側壁部13の剛性を高める役割を果たすものとなっている。勿論、側壁部13の外周に連なったフランジ部14は、側壁部13の剛性を確保するものになっていることは当然として、他の樹脂成形品10への「嵌合部」にもなっているものである。
【0018】
以上のように構成した樹脂成形品10は、各部分が上記のように剛性を有したものであるから、当該樹脂成形品10を容器にしても、内容物をしっかりと収納することができるものになっている。勿論、当該樹脂成形品10を、容器(当該樹脂成形品10を使用しても、他のものを採用しても)内を覆蓋する蓋体としても、内容物をしっかりと覆蓋できる剛性を有しており、従って、この蓋体である樹脂成形品10の上に別の容器を段積みしても、当該樹脂成形品10が潰れてしまうようなこともない。
【0019】
特に、押し上げ柱15や押し上げリブ16について、その平面視形状が、例えばフランジ部14から先端に向かうに従ってだんだん細くなるようにしたり、あるいは横断面形状が三角や円あるいは楕円になっていれば、その剛性は非常に高いものとなる。従って、押し上げ柱15や押し上げリブ16を、以上のような剛性の高い形状のものにした場合には、これらの押し上げ柱15や押し上げリブ16の先端が内側平面11を確実に持ち上げることができて、減容操作を確実に行うことができる。
【0020】
さて、当該樹脂成形品10を使用して捨てようとする場合、減容しなければならないが、その操作は、例えば、フランジ部14の上に手を載せて力を加える(押し潰す)か、あるいは、フランジ部14を机面上に当接させた樹脂成形品10の外側平面12上に手を載せて力を加えることによって容易に行える。以下では、フランジ部14の上に手を載せて力を加える場合を中心に説明するが、フランジ部14を机面上に当接させた樹脂成形品10の外側平面12上に手を載せて力を加える場合も、基本的には同じ作用となる。
【0021】
すなわち、フランジ部14に手を載せて、当該樹脂成形品10全体を押し潰すように力を加えると、例えば図10に示すように、フランジ部14からの力が、側壁部13を介して押し上げ柱15または押し上げリブ16に加わり、これらの押し上げ柱15または押し上げリブ16を、例えば図10中の点線、及び図11の(b)にて示すように、少し中心に移動させるように働く。その後さらにフランジ部14を押すと、各押し上げ柱15または押し上げリブ16が、図11の(c)に示すように、側壁部13に変形を加えかつ内側平面11を持ち上げながら、各押し上げ柱15または押し上げリブ16の両側の側壁部13を内側平面11の下側に向けて押し込むのである。
【0022】
図11の(c)に示した状態になれば、図9にも示すように、各押し上げ柱15または押し上げリブ16の先端は、最大限延びた後に反転し、外側平面12を完全に変形させながら当該外側平面12中にめり込むから、押し上げ柱15または押し上げリブ16が再び元の位置に戻ることはない。つまり、この樹脂成形品10が、図9に示すような状態に押し潰されれば、外側平面12や押し上げ柱15の先端または押し上げリブ16の先端16aは弾性変形の範囲を超えて変形するから、これらの外側平面12や押し上げ柱15または押し上げリブ16の先端が元の状態に復帰することはないのである。
【0023】
以上のように、図8に示した使用状態にあった樹脂成形品10の断面高さが、図11の(a)に示したようにH0であったとき、図9に示した「減容状態」になった場合には、図11の(b)に示したようにH1となったのである。このとき、H1=1/3・H0〜1/4・H0となった。
【0024】
なお、容器本体であった樹脂成形品10を減容した後に、当該樹脂成形品10のフランジ部14に蓋体を嵌合すれば、樹脂成形品10内は気密状態に保持されるから、仮に、樹脂成形品10が元の状態に戻ろうとしても、この蓋体による気密状態保持によって、簡単には戻らないことになる。換言すれば、減容した樹脂成形品10に蓋体お嵌合すれば、この減容した樹脂成形品10に衝撃や振動が加えられたとしても、樹脂成形品10は、元の状態に戻ることは殆どないのである。
【0025】
従って、この請求項1に係る樹脂成形品10は、物品の収納・覆蓋時、あるいは段積み時等の使用時では必要な剛性があり、簡単な操作で「減容」ができるものであり、しかも減容した後ではその状態が維持できて「ゴミ減量」を図り得るものとなっているのである。
【0026】
以上の課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「箱状または椀状に形成した樹脂成形品10であって、
この樹脂成形品10を、その底面または天板となる部分中央に形成した内側平面11と、この内側平面11に立ち上げ内壁12aを介して連続して当該内側平面11の外側を囲む外側平面12と、この外側平面12の立ち上げ外壁12bを介して形成した側壁部13と、この側壁部13の開口端部に形成したフランジ部14とを備えたものとするとともに、
側壁部13を、フランジ部14の下端部と連続する横面部13aと、この横面部13aから立ち上げ外壁12bに向けて連続して、互いの間に押し上げ柱15を形成する複数の凹壁部13bとを備えたものとしたことを特徴とする樹脂成形品10」
である。
【0027】
すなわち、この請求項2の樹脂成形品10は、外側平面12が図7の(a)に示すように底面となる場合を想定したとき、この外側平面12の内外両側には、上記立ち上げ内壁12a及び立ち上げ外壁12bがそれぞれ立ち上がっており、立ち上げ内壁12aによって内側平面11が少し浮いた状態になっている。また、この請求項2の樹脂成形品10では、図1〜図6に示すように、その側壁部13が、フランジ部14の内側縁と連なる横面部13aと、この横面部13a内端縁から上記立ち上げ外壁12bに連なる凹壁部13bとからなっているのである。
【0028】
そして、この樹脂成形品10は、図1〜図7に示すように、側壁部13を構成している各凹壁部13bの間に押し上げ柱15を形成したものである。各押し上げ柱15は、結果的に各凹壁部13bの凹み方向とは反対側に膨らんで「リブ」のような形状になっているものであり、各凹壁部13b間の剛性を高める役割を果たすものとなっている。
【0029】
勿論、側壁部13の外周に連なったフランジ部14は、側壁部13の剛性を確保するものになっていることは当然として、他の樹脂成形品10への「嵌合部」にもなっているものである。
【0030】
以上のように構成した樹脂成形品10は、各部分が上記のように剛性を有したものであるから、当該樹脂成形品10を容器にしても、内容物をしっかりと収納することができるものになっている。勿論、当該樹脂成形品10を、容器(当該樹脂成形品10を使用しても、他のものを採用しても)内を覆蓋する蓋体としても、内容物をしっかりと覆蓋できる剛性を有しており、従って、この蓋体である樹脂成形品10の上に別の容器を段積みしても、当該樹脂成形品10が潰れてしまうようなこともない。
【0031】
さて、当該樹脂成形品10を使用して捨てようとする場合、減容しなければならないが、その操作は、例えば、フランジ部14の上に手を載せて力を加える(押し潰す)か、あるいは、フランジ部14を机面上に当接させた樹脂成形品10の外側平面12上に手を載せて力を加えることによって容易に行える。以下では、フランジ部14の上に手を載せて力を加える場合を中心に説明するが、フランジ部14を机面上に当接させた樹脂成形品10の外側平面12上に手を載せて力を加える場合も、基本的には同じ作用となる。
【0032】
すなわち、フランジ部14に手を載せて、当該樹脂成形品10全体を押し潰すように力を加えると、例えば図10に示すように、フランジ部14からの力が、側壁部13を介して各立ち上げ外壁12b及びこれらの間に存在している押し上げ柱15に加わり、これらの押し上げ柱15及び立ち上げ外壁12bを、図10中の点線、及び図11の(b)にて示すように、少し中心に移動させるように働く。その後さらにフランジ部14を押すと、各押し上げ柱15が、図11の(c)に示すように、立ち上げ内壁12aや立ち上げ外壁12bに変形を加えかつ内側平面11を持ち上げながら、各押し上げ柱15の両側の立ち上げ外壁12b及び外側平面12を内側平面11の下側に向けて押し込むのである。
【0033】
図11の(c)に示した状態になれば、図9にも示すように、各押し上げ柱15の先端は、最大限延びた後に反転し、外側平面12を完全に変形させながら当該外側平面12中にめり込むから、この押し上げ柱15が再び元の位置に戻ることはない。つまり、この樹脂成形品10が、図9に示すような状態に押し潰されれば、外側平面12や押し上げ柱15の先端は弾性変形の範囲を超えて変形するから、これらの外側平面12や押し上げ柱15の先端が元の状態に復帰することはないのである。
【0034】
以上のように、図8に示した使用状態にあった樹脂成形品10の断面高さが、図11の(a)に示したようにH0であったとき、図9に示した「減容状態」になった場合には、図11の(b)に示したようにH1となったのである。このとき、H1=1/3・H0〜1/4・H0となった。
【0035】
従って、本発明に係る樹脂成形品10は、物品の収納・覆蓋時、あるいは段積み時等の使用時では必要な剛性があり、簡単な操作で「減容」ができるものであり、しかも減容した後ではその状態が維持できて「ゴミ減量」を図り得るものとなっているのである。
【0036】
上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項2に記載の樹脂成型品10について、
「内側平面11を多角形状のものとするとともに、各押し上げ柱15の内端が内側平面11の頂点に向かうようにしたこと」
である。
【0037】
すなわち、この請求項3の樹脂成形品10は、図1〜図4の各(a)、図5及び図6に示したような内側平面11が多角形状のものを想定し、このような多角形状の内側平面11の頂点に各押し上げ柱15の内端が向かうようにしたものである。「多角形状」とは、図5及び図6に示した「正五角形」、図1の(a)に示した「正方形」、あるいは「正三角形」等のような「正多角形」の場合は勿論、単なる「多角形」の場合も含むものである。また、この場合、全ての「頂点」に各押し上げ柱15の内端が向かうようにしてもよいし、「頂点」の内の一部に各押し上げ柱15の内端が向かうように実施しても良いものである。
【0038】
内側平面11の「頂点」に各押し上げ柱15の内端を向かわせることによって、使用後の「減容」のための操作がより確実になされる。何故なら、多角形状の内側平面11の各「頂点」には、各押し上げ柱15からの力を集中させ易いし、各頂点に集中してきた力は、頂点を形成している「辺」方向に分散されるから、内側平面11自体を変形させることはない。それよりも、これら各頂点に向かってきた押し上げ柱15からの力が、当該頂点近傍に位置している立ち上げ内壁12aを変形させながら押し上げ、内側平面11の該当頂点部分を効率よく持ち上げることになるからである。
【0039】
具体的には、フランジ部14に手を載せて、当該樹脂成形品10全体を押し潰すように力を加えると、例えば図10に示すように、フランジ部14からの力が、側壁部13を介して各立ち上げ外壁12b及びこれらの間に存在している押し上げ柱15に加わり、これらの押し上げ柱15及び立ち上げ外壁12bを、図10中の点線、及び図11の(b)にて示すように、少し中心に移動させるように働く。その後さらにフランジ部14を押すと、各押し上げ柱15が、図11の(c)に示すように、立ち上げ内壁12aや立ち上げ外壁12bに変形を加えかつ内側平面11を持ち上げながら、各押し上げ柱15の両側の立ち上げ外壁12b及び外側平面12を内側平面11の下側に向けて押し込むのである。
【0040】
図11の(c)に示した状態になれば、図9にも示すように、各押し上げ柱15の先端は外側平面12を完全に変形させながら当該外側平面12中にめり込むから、この押し上げ柱15が再び元の位置に戻ることはない。つまり、この請求項3の樹脂成形品10も、図9に示すような状態に押し潰されれば、外側平面12や押し上げ柱15の先端は弾性変形の範囲を超えて変形するから、これらの外側平面12や押し上げ柱15の先端が元の状態に復帰することはないのである。
【0041】
従って、この請求項3の樹脂成形品10は、上記請求項2のそれと同様な機能を発揮する他、押し上げ柱15からの力を内側平面11の頂点に集中させることができて、減容を効率的に行えるものとなっている。
【0042】
また、上記課題を解決するために、請求項4に係る発明の採った手段は、
「箱状または椀状に形成した樹脂成形品10であって、
この樹脂成形品10を、その底面または天板となる部分中央に形成した内側平面11と、この内側平面11に立ち上げ内壁12aを介して連続して当該内側平面11の外側を囲む外側平面12と、この外側平面12の立ち上げ外壁12bを介して形成した側壁部13と、この側壁部13の開口端部に形成したフランジ部14とを備えたものとするとともに、
側壁部13を、フランジ部14の下端部と連続する横面部13aと、この横面部13aから立ち上げ外壁12bに向けて連続する複数の凹壁部13bと、この凹壁部13bに縦方向に形成されて先端16aが内側平面11に向かう押し上げリブ16とを備えたものとしたことを特徴とする樹脂成形品10」
である。
【0043】
この請求項4の樹脂成形品10は、上記請求項2のそれと基本的部分は同じであるが、凹壁部13bに縦方向に形成されて、先端16aが内側平面11に向かう押し上げリブ16を備えたものであることが、請求項2のそれと異なる点である。従って、以下では、この押し上げリブ16を有する実施例を示す、図3、図4、及び図6を中心に説明をしていくこととし、請求項2と共通する部分については、これらの図中請求項2の説明で使用したのと同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0044】
これら各押し上げリブ16は、図3、図4、及び図6に示すように、凹壁部13bに縦方向に形成されなければならない。その理由は、フランジ部14を押したときの力が各凹壁部13bに加わったとき、これらの各押し上げリブ16が少し縮んで凹壁部13b全体を窄め、さらに凹壁部13bに加わった力をこの押し上げリブ16に集中させる必要があるからである。また、この押し上げリブ16は、その先端16aが内側平面11に向かう必要があるが、その理由は、当該押し上げリブ16に集中してきた力を、外側平面12及びその立ち上げ内壁12aの変形と、当該押し上げリブ16の先端16aが向かう内側平面11の該当部分の持ち上げに使用する必要があるからである。
【0045】
さて、この請求項4に係る樹脂成形品10を使用後捨てる場合、減容しなければならないが、その操作は、例えば、フランジ部14の上に手を載せて力を加える(押し潰す)か、あるいは、フランジ部14を机面上に当接させた樹脂成形品10の外側平面12上に手を載せて力を加えることによって容易に行える。
【0046】
すなわち、フランジ部14に手を載せて、当該樹脂成形品10全体を押し潰すように力を加えると、例えば図10に示すように、フランジ部14からの力が、側壁部13を介して各立ち上げ外壁12bに形成してある押し上げリブ16に加わり、これらの押し上げリブ16及び立ち上げ外壁12bを、図10中の点線、及び図12の(b)にて示すように、少し中心に移動させるように働く。その後さらにフランジ部14を押すと、各押し上げリブ16及びその先端16aが、図12の(c)に示すように、立ち上げ内壁12aや外側平面12に変形を加えかつ内側平面11を持ち上げながら、外側平面12を内側平面11の下側に向けて押し込むのである。
【0047】
図12の(c)に示した状態になれば、図9にも示すように、各押し上げリブ16の先端16aは、外側平面12あるいは立ち上げ内壁12aを内側平面11の下側に変形させながら押し込むから、この押し上げリブ16及び先端16aが再び元の位置に戻ることはない。つまり、この樹脂成形品10が、図9に示すような状態に押し潰されれば、外側平面12や押し上げリブ16の先端16aは弾性変形の範囲を超えて変形するから、これらの外側平面12や押し上げリブ16の先端16aが元の状態に復帰することはないのである。
【0048】
以上のように、図8に示した使用状態にあった樹脂成形品10の断面高さが、図12の(a)に示したようにH0であったとき、図9に示した「減容状態」になった場合には、図12の(b)に示したようにH1となったのである。このとき、H1=1/3・H0〜1/4・H0となった。
【0049】
従って、この請求項4に係る樹脂成形品10は、物品の収納・覆蓋時、あるいは段積み時等の使用時では必要な剛性があり、簡単な操作で「減容」ができるものであり、しかも減容した後ではその状態が維持できて「ゴミ減量」を図り得るものとなっているのである。
【0050】
上記課題を解決するために、請求項5に係る発明の採った手段は、上記請求項4に記載の樹脂成型品10について、
「内側平面11を多角形状のものとするとともに、各押し上げリブ16の先端16aが内側平面11の辺の中央に向かうようにしたこと」
である。
【0051】
すなわち、この請求項5の樹脂成形品10は、前述した請求項3と同様に、請求項4の樹脂成形品10における内側平面11について、これを「多角形状」のものに限定したものである。この場合、請求項3の場合と異なるのは、各押し上げリブ16の先端16aが内側平面11の辺の中央に向かうようにした点である。
【0052】
各押し上げリブ16の先端16aは、図9にも一部見られるように、これが形成されている外側平面12や、この外側平面12の立ち上げ内壁12aを内側平面11の下側に折り込むようにも働くことがあるが、その際に、もし、内側平面11の頂点に近い部分に当該押し上げリブ16の先端16aが位置していたとすると、外側平面12や、その立ち上げ内壁12aを内側平面11の下側へ折り込むことが困難になるからである。何故なら、多角形状になっている内側平面11の頂点近傍は、直線状の部分が集中しているところであるため、押し上げリブ16の先端16aによっては変形させにくい部分になっているからである。
【0053】
従って、この押し上げリブ16の先端16aによって、外側平面12やその立ち上げ内壁12aを内側平面11の下側へ折り込ませようとすると、この押し上げリブ16の先端16aを内側平面11の各辺の中央に向かうようにすることが最も効果的であり、この押し上げリブ16の先端16aは、外側平面12やその立ち上げ内壁12aを効果的に内側平面11の下側へ折り込ませることができるのである。
【0054】
従って、この請求項5の樹脂成形品10は、上記請求項4のそれと同様な機能を発揮する他、押し上げリブ16からの力を内側平面11の辺の中央に集中させることができて、減容を効率的に行えるものとなっている。
【0055】
また、上記課題を解決するために、請求項6係る発明の採った手段は、上記請求項2〜請求項5のいずれかに記載の樹脂成型品10について、
「凹壁部13bを外側に湾曲する曲面としたこと」
である。
【0056】
すなわち、この請求項6の樹脂成形品10は、側壁部13を構成している凹壁部13bを外側に湾曲する曲面としたものであり、これによって、フランジ部14から受けた力によって当該凹壁部13bが容易に「窄む」ことができるようにしたものである。
【0057】
本発明に係る樹脂成形品10は、使用時における剛性が確保されたものである必要があるし、使い捨てする際には、簡単に「減容」できるものである必要がある。剛性の確保は、所謂「リブ」の役割を果たすフランジ部14、押し上げ柱15あるいは押し上げリブ16、そして側壁部13を横面部13aと凹壁部13bによって構成した複雑形状によって十分なされている。問題は、「減容」を如何に簡単にするかである。
【0058】
その点、この請求項6の樹脂成形品10では、側壁部13を構成している凹壁部13bを外側に湾曲する曲面としたことによって、フランジ部14を押圧したときの力により各凹壁部13bが簡単に窄められ、押し上げ柱15または押し上げリブ16をその両側から押し縮めることになる。これにより、押し上げ柱15または押し上げリブ16の剛性をより高いものとすることができて、これらの押し上げ柱15または押し上げリブ16によるその後の内側平面11の押し上げを容易かつ確実に行えるようにするのである。
【0059】
従って、この請求項6に係る樹脂成形品10は、上記請求項2〜4の何れかに係る樹脂成形品10と同様な機能を発揮する他、凹壁部13bを変形し易くするとともに、この凹壁部13bに、あるいは間に形成した押し上げリブ16または押し上げ柱15を減容時に剛性の高いものとすることができて、減容操作をより簡単にし得るものとなっているのである。
【0060】
さて、上記課題を解決するために、請求項7に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「箱状または椀状に形成した樹脂成形品10であって、
この樹脂成形品10を、その中央部分に位置する底面または天板10aと、この底面または天板10aに立ち上げ内壁12aまたは立ち上げ外壁12bを介して連続する側壁部13と、この側壁部13の開口端部に形成したフランジ部14とを備えたものとするとともに、
底面または天板10aにリブ18を形成して、このリブ18に先端が向かう押し上げ柱15、または先端16aがリブ18に向かう押し上げリブ16のいずれか少なくとも一方を形成したことを特徴とする樹脂成形品10」
である。
【0061】
すなわち、この請求項7に係る樹脂成形品10は、図13に示すようなものであり、この樹脂成形品10も、合成樹脂シートを材料としてシート成形したものであって、容器本体にも、この容器本体に嵌合される蓋体としても使用され得るものである。また、この請求項7に係り、図13に示す樹脂成形品10は、リブ18を形成した底面または天板10a以外の部分において、上述した各樹脂成形品10と同様な部分を有するものであり、これら同様部分については、前述したの同一の符号を図13中に付して、その詳細な説明を省略することがある。
【0062】
図13に示した樹脂成形品10では、図示中央の底面または天板10aの周囲に側壁部13が形成してあり、この側壁部13の外端部(開口を形成している部分)にフランジ部14が形成してある。また、この樹脂成形品10では、先端が底面または天板10aに向かう複数の押し上げ柱15またはリブ16が側壁部13に形成してあり、底面または天板10aの各押し上げ柱15またはリブ16が向かう部分には、複数のリブ18が形成してある。
【0063】
この図13に示した樹脂成形品10では、図示中央にリブ18を有した底面または天板10aを積極的に形成したため、このリブ18自体が、上述した内側平面11または外側平面12となり得るものである。また、この底面または天板10aを積極的に形成した場合、側壁部13自体が上述した内側平面11または外側平面12を含んだ構成になることもあり得るのであり、底面または天板10aの周囲に上述した立ち上げ内壁12aまたは立ち上げ外壁12bが形成されることもあるものとなっている。
【0064】
以上のように構成した樹脂成形品10は、各部分が剛性を有したものであるから、当該樹脂成形品10を容器にしても、内容物をしっかりと収納することができるものになっている。勿論、当該樹脂成形品10を、容器(当該樹脂成形品10を使用しても、他のものを採用しても)内を覆蓋する蓋体としても、内容物をしっかりと覆蓋できる剛性を有しており、従って、この蓋体である樹脂成形品10の上に別の容器を段積みしても、当該樹脂成形品10が潰れてしまうようなこともない。
【0065】
さて、当該樹脂成形品10を使用して捨てようとする場合、減容しなければならないが、その操作は、例えば、フランジ部14の上に手を載せて力を加える(押し潰す)か、あるいは、フランジ部14を机面上に当接させた樹脂成形品10の外側平面12上に手を載せて力を加えることによって容易に行える。以下では、フランジ部14の上に手を載せて力を加える場合を中心に説明するが、フランジ部14を机面上に当接させた樹脂成形品10の外側平面12上に手を載せて力を加える場合も、基本的には同じ作用となる。
【0066】
すなわち、フランジ部14に手を載せて、当該樹脂成形品10全体を押す潰すように力を加えると、フランジ部14からの力が、側壁部13を介して押し上げ柱15またはリブ16に加わり、これらの押し上げ柱15またはリブ16を、例えば図10中の点線にて示すように、少し中心に移動させるように働く。その後さらにフランジ部14を押すと、各押し上げ柱15またはリブ16が側壁部13に変形を加え、かつ底面または天板10aを持ち上げながら、各押し上げ柱15またはリブ16の先端両側の側壁部13を底面または天板10aの下側に向けて押し込むのである。何故なら、底面または天板10aは各リブ18によって補強されているからである。
【0067】
すると、各押し上げ柱15またはリブ16の先端は、最大限延びた後に反転し、立ち上げ内壁12aあるいは立ち上げ外壁12bを完全に変形させながら底面または天板10a下にめり込むから、押し上げ柱15またはリブ16が再び元の位置に戻ることはない。つまり、この樹脂成形品10が押し潰されれば、押し上げ柱15またはリブ16の先端は弾性変形の範囲を超えて変形するから、押し上げ柱15またはリブ16の先端が元の状態に復帰することはないのである。
【0068】
以上のように、この樹脂成形品10の断面高さは、「減容状態」になった場合には、元の高さの1/3〜1/4となった。
【0069】
従って、この請求項7に係る樹脂成形品10は、物品の収納・覆蓋時、あるいは段積み時等の使用時では必要な剛性があり、簡単な操作で「減容」ができるものであり、しかも減容した後ではその状態が維持できて「ゴミ減量」を図り得るのである。
【0070】
そして、上記課題を解決するために、請求項8に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の樹脂成型品10について、
「樹脂成形品10は、合成樹脂シートをシート成形したものであること」
である。
【0071】
本発明に係る樹脂成形品10は、射出成形品やブロー成形品であってもよいが、この請求項8に係る樹脂成形品10では、特にシート成形品としたものである。本発明に係る樹脂成形品10は、図5〜図7に示すように、側壁部13を横面部13a及び凹壁部13bによって構成したり、押し上げ柱15または押し上げリブ16を図示上側に凸となるようにしたから、シート成形に最も適した形状になっているし、薄い合成樹脂シートを使用したシート成形品であっても、使用時に必要な剛性が確保でき、減容操作も容易に行えるものとなるのである。
【0072】
従って、この請求項8に係る樹脂成形品10は、上記請求項2〜5の何れかに係る樹脂成形品10と同様な機能を発揮する他、シート成形によるメリットを十分発揮し得るし、使用時の剛性も十分であり、また減容操作もよりし易いものとなっているのである。
【発明の効果】
【0073】
以上説明した通り、本発明においては、
「箱状または椀状に形成した樹脂成形品10であって、
この樹脂成形品10を、その底面または天板となる部分中央に形成した内側平面11と、この内側平面11に立ち上げ内壁12aを介して連続して当該内側平面11の外側を囲む外側平面12と、この外側平面12の立ち上げ外壁12bを介して形成した側壁部13と、この側壁部13の開口端部に形成したフランジ部14とを備えたものとするとともに、
側壁部13に、先端が内側平面11に向かう押し上げ柱15、または先端16aが内側平面11に向かう押し上げリブ16のいずれか少なくとも一方を形成したこと」
または、
「箱状または椀状に形成した樹脂成形品10であって、
この樹脂成形品10を、その底面または天板となる部分中央に形成した内側平面11と、この内側平面11に立ち上げ内壁12aを介して連続して当該内側平面11の外側を囲む外側平面12と、この外側平面12の立ち上げ外壁12bを介して形成した側壁部13と、この側壁部13の開口端部に形成したフランジ部14とを備えたものとするとともに、
側壁部13を、フランジ部14の下端部と連続する横面部13aと、この横面部13aから立ち上げ外壁12bに向けて連続して、互いの間に押し上げ柱15を形成する複数の凹壁部13bとを備えたものとしたこと」
あるいは、
「箱状または椀状に形成した樹脂成形品10であって、
この樹脂成形品10を、その底面または天板となる部分中央に形成した内側平面11と、この内側平面11に立ち上げ内壁12aを介して連続して当該内側平面11の外側を囲む外側平面12と、この外側平面12の立ち上げ外壁12bを介して形成した側壁部13と、この側壁部13の開口端部に形成したフランジ部14とを備えたものとするとともに、
側壁部13を、フランジ部14の下端部と連続する横面部13aと、この横面部13aから立ち上げ外壁12bに向けて連続する複数の凹壁部13bと、この凹壁部13bに縦方向に形成されて先端16aが内側平面11に向かう押し上げリブ16とを備えたものとしたこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、物品の収納・覆蓋時、あるいは段積み時等の使用時では必要な剛性を確保することができ、簡単な操作で「減容」を行うことができて、しかも減容した後ではその状態が維持できて「ゴミ減量」を図ることのできる樹脂成形品10を提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】請求項2のクレーム対応図であり、(a)は凹壁部13bを円弧状に、内側平面11を多角形状にした樹脂成形品10の平面図、(b)は凹壁部13bを円弧状に、内側平面11を円弧状にした樹脂成形品10の平面図である。
【図2】請求項2のクレーム対応図であり、(a)は凹壁部13bを三角状に、内側平面11を多角形状にした樹脂成形品10の平面図、(b)は凹壁部13bを三角状に、内側平面11を円弧状にした樹脂成形品10の平面図である。
【図3】請求項3のクレーム対応図であり、(a)は凹壁部13bを円弧状に、内側平面11を多角形状にした樹脂成形品10の平面図、(b)は凹壁部13bを円弧状に、内側平面11を円弧状にした樹脂成形品10の平面図である。
【図4】請求項3のクレーム対応図であり、(a)は凹壁部13bを三角状に、内側平面11を多角形状にした樹脂成形品10の平面図、(b)は凹壁部13bを三角状に、内側平面11を円弧状にした樹脂成形品10の平面図である。
【図5】本発明の実施例1に係る樹脂成形品10の平面図である。
【図6】本発明の実施例2に係る樹脂成形品10の平面図である。
【図7】図6に示した樹脂成形品10の断面を示すもので、(a)は図6中の1−1線に沿ってみた縦断面図、(b)は当該樹脂成形品10の複数を段積みした状態の部分拡大断面図である。
【図8】図6に示した樹脂成形品10の斜視図である。
【図9】図8に示した樹脂成形品10を減容したときの斜視図である。
【図10】減容する際の各部分の変化概略を示す樹脂成形品10の部分平面図である。
【図11】減容する際の押し上げ柱15を中心にした様子を、(a)減容前、(b)減容途中、(c)減容後、に分けて示した部分縦断面図である。
【図12】減容する際の押し上げリブ16を中心にした様子を、(a)減容前、(b)減容途中、(c)減容後、に分けて示した部分縦断面図である。
【図13】請求項7に係る樹脂成形品10の平面図である。
【図14】その他の実施例であって他の例に係る樹脂成形品10を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図15】特許文献1に示された容器の、(a)減容前と(b)減容後の様子を示す斜視図である。
【図16】特許文献2に示された容器の、(a)減容前と(b)減容後の様子を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
次に、上記のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した実施形態に係る樹脂成形品10について説明するが、図5には第1実施例に係る樹脂成形品10が、図6には第2実施例に係る樹脂成形品10がそれぞれ示してあるので、以下では各実施例毎に説明していくこととする。
【0076】
(第1実施例)
この実施例1に係る樹脂成形品10は、厚さ0.2mm〜0.8mm、好ましくは0.35mm〜0.4mmの、アモルフィスポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンフィラー、ポリスチレン、ポリ乳酸、あるいはポリプロピレンのシートを採用してシート成形したものであり、最大直径が50mm〜300mm、最適には120mm〜150mmの平面視円形で、断面が図7の(a)に示したような、お椀状の包装用容器である。また、この樹脂成形品10の容器高さは、10mm〜90mm、最適には35mm〜45mmで、外側平面12の幅は、2mm〜15mm、最適には5mm〜6mmであった。
【0077】
以上の合成樹脂シートの具体的材質や、具体的大きさ、及び具体的シート厚は、押し上げ柱15またはリブ16、立ち上げ内壁12a、立ち上げ外壁12b、あるいは側壁部13(特に凹壁部13b)が、減容時にアコーディオンのように折り畳まれるのに最適なものである。このような材質の合成樹脂シートを採用することによって、減容時の底面が内側平面11よりも小さくなる(内側平面11の下側に潜り込む)のを確実に助ける作用を発揮することになるのである。
【0078】
そして、この実施例1の樹脂成形品10は、図5に示したように、図の中央から、平面視正五角形の内側平面11、この内側平面11の外周に位置する立ち上げ内壁12aを介して連なる外側平面12、この外側平面12の立ち上げ外壁12bを介して連なる側壁部13、この側壁部13の外端縁に連なるフランジ部14を備えているものであり、断面でみると図7の(a)に示したようになっていて、全体的にお椀状になっているものである。なお、この樹脂成形品10は、全体的に箱状となるように実施してもよいものである。
【0079】
この実施例1に係る樹脂成形品10では、その外側平面12の内外両側に、立ち上げ内壁12a及び立ち上げ外壁12bがそれぞれ立ち上げ状態で形成してあり、その内の立ち上げ内壁12aによって、図7の(a)に示したように、内側平面11を少し浮いた状態になるように支持している。勿論、中央に位置する内側平面11が正五角形にしてあるから、この内側平面11の周囲に連続する外側平面12は、図5に図示した通り、正五角形の枠状にしてある。
【0080】
また、この実施例1の樹脂成形品10では、図5に示したように、前述した側壁部13を、フランジ部14の内側縁と連なる横面部13aと、この横面部13a内端縁から上記立ち上げ外壁12bに連なる凹壁部13bとによって構成してある。特に、この実施例1の樹脂成形品10では、側壁部13を構成している凹壁部13bについて、当該樹脂成形品10の外側に湾曲する曲面としたものであり、フランジ部14から減容のための押圧力を受けたとき、当該凹壁部13bが容易に「窄む」ことができるようにしてある。なお、この凹壁部13bについては、図5に示したような「丸み」を持たせたものであっても、あるいは図2や図4に示したような「角張った」ものにして実施してもよい。
【0081】
この実施例1の樹脂成形品10において、側壁部13を構成して、フランジ部14の内側縁と連なる横面部13aは、フランジ部14から受けた力に耐えるものであるとともに、この力を押し上げ柱15や押し上げリブ16に直接伝えるものである。また、この横面部13aとフランジ部14との境界は、前述した「反転」時の「節」となるものである。
【0082】
そして、この横面部13aは、図示したような形状に限定されるものではなく、例えば押し上げ柱15の上端のみからなるものであってもよい。この横面部13aの形状も図示したものに限定されるものではないが、この横面部13aが三角形であると、当該樹脂成形品10の押し潰し時に押し上げ柱15の下端の折り畳みを容易にし、自身の変形も容易となる。
【0083】
一方、この実施例1の樹脂成形品10において、側壁部13を構成している凹壁部13bの形状は、押し上げ柱15が形成できるのであれば実施例のものに限らずどのような形状であってもよく、直方体や半球形状、あるいはダイヤ状であってもよい。この凹壁部13bを外側に湾曲する曲面とした場合には、各凹壁部13bがフランジ部14を押圧したときの力により簡単に窄められ、後述する押し上げ柱15または押し上げリブ16をその両側から容易に押し縮めることになる。特に、各凹壁部13bが花びらのように複数になっていると、樹脂成形品10の押し潰し時に、各押し上げ柱15の下端の折り畳みが容易になり、樹脂成形品10の減容が一層容易になる。
【0084】
なお、この実施例1の樹脂成形品10は、物品を収納する所謂「包装用容器」、「容器本体」、あるいは「トレイ」であるが、外側平面12が「天板」となるようにすれば、物品を収納した「包装用容器」あるいは「容器本体」のための「蓋体」となるものである。換言すれば、この実施例1の樹脂成形品10は、包装用容器を構成する、容器本体にも、蓋体にも、あるいはこれら両方にも、そしてトレイにもすることができるものである。
【0085】
そして、この実施例1の樹脂成形品10では、図5及び図7の(a)に示したように、側壁部13を構成している各凹壁部13bの間に押し上げ柱15を形成したものである。各押し上げ柱15は、結果的に各凹壁部13bの凹み方向とは反対側に膨らんで「リブ」のような形状になっているものであり、各凹壁部13b間の剛性を高める役割を果たすものである。
【0086】
勿論、側壁部13の外周、つまり上端開口縁には、側壁部13の上端に連なったフランジ部14が形成してあるが、このフランジ部14は、側壁部13の剛性を確保するものになっていることは当然として、他の樹脂成形品10への「嵌合部」にもなっているものである。なお、この実施例1におけるフランジ部14の高さ位置は、外側平面12から5mm〜81mm、最適には26mm〜36mmである。
【0087】
この実施例1の樹脂成形品10の上端開口縁に形成したフランジ部14は、その縦断面形状が、図7の(a)に示したように、「雪ダルマ」形状、つまり、上端の頭部よりも幅の狭い括れ部分を中央に有するものとしてあるから、当該樹脂成形品10の多数を積み重ねたとき、図7の(b)に示したように、各フランジ部14や他の部分がブロッキング(互いに嵌り込んでしまって、外しにくくなること)が発生しないようになっている。
【0088】
なお、本実施例1における樹脂成形品10のフランジ部14の一部には、つまみ17が形成してあり、この樹脂成形品10に嵌合される図示しない蓋体にも同様なつまみ17が形成される。これらのつまみ17は、当該フランジ部14に嵌合した蓋体を樹脂成形品10から外す際にそれぞれ指でつままれるもので、樹脂成形品10と蓋体と嵌合解除が容易に行えるようにするものである。
【0089】
また、以上の実施例1に係る樹脂成形品10は、その各部分を上記のように構成したから、内容物をしっかりと収納することができる剛性を有したものになっており、この樹脂成形品10に蓋体を嵌合して、その上に別の樹脂成形品10を段積みしても、当該樹脂成形品10が潰れてしまうようなことはない。
【0090】
さて、当該樹脂成形品10を使用して捨てようとする場合、減容しなければならないが、その操作は、例えば、フランジ部14の上に手を載せて力を加える(押し潰す)ことによって容易に行える。すなわち、フランジ部14に手を載せて、当該樹脂成形品10全体を押し潰すように力を加えると、図10に示したように、フランジ部14からの力が、側壁部13を介して各立ち上げ外壁12b及びこれらの間に存在している押し上げ柱15に加わり、これらの押し上げ柱15及び立ち上げ外壁12bを、図10中の点線、及び図11の(b)にて示すように、少し中心に移動させるように働く。その後さらにフランジ部14を押すと、各押し上げ柱15が、図11の(c)に示すように、立ち上げ内壁12aや立ち上げ外壁12bに変形を加えかつ内側平面11を持ち上げながら、各押し上げ柱15の両側の立ち上げ外壁12b及び外側平面12を内側平面11の下側に向けて押し込むことになるのである。
【0091】
図11の(c)に示した状態になれば、図9にも示したように、各押し上げ柱15の先端は、最大限延びた後に反転し、外側平面12を完全に変形させながら当該外側平面12中にめり込むから、この押し上げ柱15が再び元の位置に戻ることはない。つまり、この樹脂成形品10が、図9に示すような状態に押し潰されれば、外側平面12や押し上げ柱15の先端は弾性変形の範囲を超えて変形するから、これらの外側平面12や押し上げ柱15の先端が元の状態に復帰することはないのである。
【0092】
(第2実施例)
図6には、第2実施例に係る樹脂成形品10が示してあるが、この実施例2の樹脂成形品10は、押し上げリブ16を有したものとした点が、上記実施例1の場合と異なるものであり、その他の点は、上記実施例1の場合と同様である。従って、上記実施例1で説明したのと同じ部材については、図6中に実施例1で使用したのと同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0093】
各押し上げリブ16は、図3、図4、及び図6に示したように、凹壁部13bの中央に縦方向に形成したものであるが、そうしたのは、フランジ部14を押したとき、これらの各押し上げリブ16が少し縮んで凹壁部13b全体を窄め、さらに凹壁部13bに加わった力をこの押し上げリブ16に集中させるためである。また、この押し上げリブ16は、その先端16aが内側平面11に向かう必要があるが、その理由は、当該押し上げリブ16に集中してきた力を、外側平面12及びその立ち上げ内壁12aの変形と、当該押し上げリブ16の先端16aが向かう内側平面11の該当部分の持ち上げに使用する必要があるからである。
【0094】
さて、この実施例2の樹脂成形品10を使用後捨てる場合の、減容操作は、例えば、フランジ部14の上に手を載せて力を加える(押し潰す)ことによって容易に行える。
【0095】
すなわち、フランジ部14に手を載せて、当該樹脂成形品10全体を押し潰すように力を加えると、例えば図10に示したように、フランジ部14からの力が、側壁部13を介して各立ち上げ外壁12bに形成してある押し上げリブ16に加わり、これらの押し上げリブ16及び立ち上げ外壁12bを、図10中の点線、及び図12の(b)にて示したように、少し中心に移動させるように働く。その後さらにフランジ部14を押すと、各押し上げリブ16及びその先端16aが、図12の(c)に示したように、立ち上げ内壁12aや外側平面12に変形を加えかつ内側平面11を持ち上げながら、外側平面12を内側平面11の下側に向けて押し込むのである。
【0096】
図12の(c)に示した状態になれば、図9にも示したように、各押し上げリブ16の先端16aは、外側平面12あるいは立ち上げ内壁12aを内側平面11の下側に変形させながら押し込むから、この押し上げリブ16及び先端16aが再び元の位置に戻ることはない。つまり、この樹脂成形品10が、図9に示したような状態に押し潰されれば、外側平面12や押し上げリブ16の先端16aは弾性変形の範囲を超えて変形するから、これらの外側平面12や押し上げリブ16の先端16aが元の状態に復帰することはないのである。
【0097】
以上のように、図8に示した使用状態にあった樹脂成形品10の断面高さが、図12の(a)に示したようにH0であったとき、図9に示した「減容状態」になった場合には、図12の(b)に示したようにH1となったのである。このとき、H1=1/3・H0〜1/4・H0となった。
【0098】
図13には、請求項7に係る樹脂成形品10が示してあるが、この樹脂成形品10は、合成樹脂シートを材料としてシート成形したものであって、容器本体にも、この容器本体に嵌合される蓋体としても使用され得るものである。また、この図13に示した樹脂成形品10は、リブ18を形成した底面または天板10a以外の部分において、上述した各樹脂成形品10と同様な部分を有するものであり、これら同様部分については、前述したの同一の符号を図13中に付して、その詳細な説明を省略することがある。
【0099】
すなわち、この図13に示した樹脂成形品10は、その中央部分に底面または天板10aが位置しており、この底面または天板10aの周囲には、立ち上げ内壁12aまたは立ち上げ外壁12bを介して連続する側壁部13が位置し、この側壁部13の開口端部にフランジ部14が形成してある。
【0100】
以上の底面または天板10aには、リブ18が複数形成してあり、これらのリブ18には、前述してきた押し上げ柱15の先端、または押し上げリブ16の先端16aがいずれか少なくとも一方が向かうものとしてある。
【0101】
つまり、この図13に示した樹脂成形品10では、図示中央の底面または天板10aの周囲に側壁部13が形成してあり、この側壁部13の外端部(開口を形成している部分)にフランジ部14が形成してある。また、この樹脂成形品10では、先端が底面または天板10aに向かう複数の押し上げ柱15またはリブ16が側壁部13に形成してあり、底面または天板10aの各押し上げ柱15またはリブ16が向かう部分には、複数のリブ18が形成してある。
【0102】
この図13に示した樹脂成形品10では、図示中央にリブ18を有した底面または天板10aを積極的に形成したため、このリブ18自体が、上述した内側平面11または外側平面12となり得るものである。また、この底面または天板10aを積極的に形成した場合、側壁部13自体が上述した内側平面11または外側平面12を含んだ構成になることもあり得るのであり、底面または天板10aの周囲に上述した立ち上げ内壁12aまたは立ち上げ外壁12bが形成されることもあるものとなっている。
【0103】
(その他の実施例)
図14には、その他の実施例に係る樹脂成形品10が示してあるが、この樹脂成形品10は、上記図13で定義した底面または天板10aが、当該図14の(a)に示したように、上述してきた内側平面11となる場合を示すもので、側壁部13に外側平面12を形成したものである。この外側平面12は、図14の(b)にも示したように、側壁部13の中程に位置するものであり、この外側平面12の上下には複数の押し上げ柱15またはリブ16が形成してある。また、この実施例では、図14の(b)に示したように、側壁部13が図1等で示した凹壁部13bとなり得るものであり、この側壁部13の外縁がフランジ部14となっているものである。
【0104】
さて、この図14に示した樹脂成形品10を使用して捨てようとする場合、減容しなければならないが、その操作は、例えば、フランジ部14の上に手を載せて力を加えることによって容易に行える。
【0105】
すなわち、フランジ部14に手を載せて、当該樹脂成形品10全体を押し潰すように力を加えると、フランジ部14からの力が、側壁部13の外側平面12より外側部分及びこれに形成してある押し上げ柱15またはリブ16を介して外側平面12に加わり、この外側平面12を少し中心に移動させるように働く。その後さらにフランジ部14を押すと、外側平面12より内側の側壁部13に形成してある各押し上げ柱15またはリブ16、及び側壁部13に変形を加えながら、各押し上げ柱15またはリブ16の先端が、内側平面11を少し持ち上げながら、この内側平面11の下側に向けて押し込まれるのである。
【0106】
すると、各押し上げ柱15またはリブ16の先端は、最大限延びた後に反転して完全に変形しながらめり込むから、各押し上げ柱15またはリブ16の特に先端が再び元の位置に戻ることはない。つまり、この樹脂成形品10が押し潰されれば、押し上げ柱15またはリブ16の先端は弾性変形の範囲を超えて変形するから、押し上げ柱15またはリブ16の先端が元の状態に復帰することはないのである。
【0107】
以上のように、この樹脂成形品10の断面高さは、「減容状態」になった場合には、元の高さの1/3〜1/4となった。
【0108】
従って、この図14に示した実施例に係る樹脂成形品10も、物品の収納・覆蓋時、あるいは段積み時等の使用時では必要な剛性があり、簡単な操作で「減容」ができるものであり、しかも減容した後ではその状態が維持できて「ゴミ減量」を図り得るのである。
【符号の説明】
【0109】
10 樹脂成形品
10a 底面または天板
11 内側平面
12 外側平面
12a 立ち上げ内壁
12b 立ち上げ外壁
13 側壁部
13a 横面部
13b 凹壁部
14 フランジ部
15 押し上げ柱
16 押し上げリブ
16a 先端
17 つまみ
18 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱状または椀状に形成した樹脂成形品であって、
この樹脂成形品を、その底面または天板となる部分中央に形成した内側平面と、この内側平面に立ち上げ内壁を介して連続して当該内側平面の外側を囲む外側平面と、この外側平面の立ち上げ外壁を介して形成した側壁部と、この側壁部の開口端部に形成したフランジ部とを備えたものとするとともに、
前記側壁部に、先端が前記内側平面に向かう押し上げ柱、または先端が前記内側平面に向かう押し上げリブのいずれか少なくとも一方を形成したことを特徴とする樹脂成形品。
【請求項2】
箱状または椀状に形成した樹脂成形品であって、
この樹脂成形品を、その底面または天板となる部分中央に形成した内側平面と、この内側平面に立ち上げ内壁を介して連続して当該内側平面の外側を囲む外側平面と、この外側平面の立ち上げ外壁を介して形成した側壁部と、この側壁部の開口端部に形成したフランジ部とを備えたものとするとともに、
前記側壁部を、前記フランジ部の下端部と連続する横面部と、この横面部から前記立ち上げ外壁に向けて連続して、互いの間に押し上げ柱を形成する複数の凹壁部とを備えたものとしたことを特徴とする樹脂成形品。
【請求項3】
前記内側平面を多角形状のものとするとともに、前記各押し上げ柱の内端が前記内側平面の頂点に向かうようにしたことを特徴とする請求項2に記載の樹脂成型品。
【請求項4】
箱状または椀状に形成した樹脂成形品であって、
この樹脂成形品を、その底面または天板となる部分中央に形成した内側平面と、この内側平面に立ち上げ内壁を介して連続して当該内側平面の外側を囲む外側平面と、この外側平面の立ち上げ外壁を介して形成した側壁部と、この側壁部の開口端部に形成したフランジ部とを備えたものとするとともに、
前記側壁部を、前記フランジ部の下端部と連続する横面部と、この横面部から前記立ち上げに向けて連続する複数の凹壁部と、この凹壁部に縦方向に形成されて先端が前記内側平面に向かう押し上げリブとを備えたものとしたことを特徴とする樹脂成形品。
【請求項5】
前記内側平面を多角形状のものとするとともに、前記各押し上げリブの先端が前記内側平面の辺の中央に向かうようにしたことを特徴とする請求項4に記載の樹脂成型品。
【請求項6】
前記凹壁部を外側に湾曲する曲面としたことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の樹脂成形品。
【請求項7】
箱状または椀状に形成した樹脂成形品であって、
この樹脂成形品を、その中央部分に位置する底面または天板と、この底面または天板に立ち上げ内壁または立ち上げ外壁を介して連続する側壁部と、この側壁部の開口端部に形成したフランジ部とを備えたものとするとともに、
前記底面または天板にリブを形成して、このリブに先端が向かう押し上げ柱、または先端が前記リブに向かう押し上げリブのいずれか少なくとも一方を形成したことを特徴とする樹脂成形品。
【請求項8】
前記樹脂成形品は、合成樹脂シートをシート成形したものであることを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれかに記載の樹脂成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−31913(P2011−31913A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178423(P2009−178423)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(396000422)リスパック株式会社 (53)
【Fターム(参考)】