説明

温室配置用滑車部材及び温室用滑車ユニット

【課題】 滑車の交換作業を軽減し、作業時間の短縮化を図る。
【解決手段】 滑車を挟んで対面する一対の軸受け板32a,32bのそれぞれに取り付け板32c,32dが連接され、相互に重なり合って固定対象となるパイプ材に取り付けられる構成であり、パイプ材から取り外した際に、重なり合って固定された一対の取り付け板32c,32dが互いに離間し、両者間の隙間を通じて滑車に掛け回された駆動ワイヤを取り外すことが可能である。滑車の交換作業では、取り付け板32c,32dを、温室用滑車ユニットの挟持板及びパイプ材から取り外せば、駆動ワイヤを張設した状態のまま、一対の取り付け板32c,32d間の隙間を介して温室配置用滑車部材のみを取り外すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室カーテン開閉機構等において使用される温室配置用滑車部材及び該温室配置用滑車部材を含む温室用滑車ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
温室カーテン開閉機構に使用される温室用滑車ユニットとして、特許文献1に示されたものが知られている。これは、温室の天井付近において長手方向に沿って配設されたパイプ材に固定される一対の挟持板と、該一対の挟持板のうちの横長の挟持板の両端部に支持され、該挟持板を介してパイプ材に固定される温室配置用滑車部材とを備えて構成されている。
【特許文献1】特開平10−304779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示された温室配置用滑車部材は、滑車を挟んで対面して設けられた2つの軸受け板と、上記横長の挟持板及びパイプ材に取り付けられる取り付け板とが一体に設けられていると共に、該取り付け板は1枚の板状部材を曲成して形成されている。駆動ワイヤは、対面配設された2つの軸受け板の間であって、取り付け板の下方の隙間を通じて滑車に掛け回されるが、駆動ワイヤを掛け回す際及び取り外す際のいずれも駆動ワイヤの走行方向から取り付け板の下方の隙間に挿入し、あるいは駆動ワイヤの走行方向に沿って引き抜く必要がある。滑車は、経年変化による劣化等により定期的又は不定期に交換作業を行わなければならないが、特許文献1に開示されたものでは、駆動ワイヤを走行方向に引き抜いて滑車を取り外さなければならず、その上、滑車を交換した後は、再度駆動ワイヤを張り直す必要があり、非常に面倒であった。実際、従来の温室配置用滑車部材では、滑車の交換作業に当たっては、この駆動ワイヤの張り直し作業に多くの時間と手間がかかり、かかる作業の軽減が望まれていた。
【0004】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、駆動ワイヤを引き抜くことなく滑車の交換を行うことができ、滑車の交換作業を軽減し、作業時間の短縮化を図ることができる温室配置用滑車部材及び温室用滑車ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1記載の本発明では、温室用カーテンを開閉するための駆動ワイヤが掛け回される温室配置用滑車部材であって、
滑車と、
前記滑車を回転可能に支持する支持枠部材とを備えてなり、
前記駆動ワイヤを、温室内に張設した状態のまま、支持枠部材の外部位置へと離脱させることができるワイヤ取り外し部が該支持枠部材に設けられていることを特徴とする温室配置用滑車部材を提供する。
請求項2記載の本発明では、前記支持枠部材が、前記滑車を挟んで対面して配置され、回転軸を支持する一対の軸受け板と、
前記各軸受け板のそれぞれに設けられ、固定対象となるパイプ材に直接又は間接に取り付けられる一対の取り付け板とを備え、
前記一対の取り付け板間の隙間が、前記ワイヤ取り外し部となっていることを特徴とする請求項1記載の温室配置用滑車部材を提供する。
請求項3記載の本発明では、前記一対の取り付け板は、互いに相手方に向かって折り曲げられ、相互に重なり合って固定対象となるパイプ材に直接又は間接に取り付けられ、前記一対の取り付け板を離間させることにより形成される隙間が、前記ワイヤ取り外し部となっていることを特徴とする請る構造であることを特徴とする請求項2記載の温室配置用滑車部材を提供する。
請求項4記載の本発明では、前記各取り付け板は、側面から見て前記各軸受け板の一方の側部寄りの位置から上方に延びるように設けられており、前記各軸受け板の下端縁間には、両者を連結する連結板が一体的に設けられていることを特徴とする請求項3記載の温室配置用滑車部材を提供する。
請求項5記載の本発明では、請求項1〜4のいずれか1に記載の温室配置用滑車部材と、
前記温室配置用滑車部材を支持し、温室配置用滑車部材を固定対象となるパイプ材に取り付けるために用いられる滑車支持部材とを有する温室用滑車ユニットであって、
前記滑車支持部材が、固定対象となるパイプ材を挟む2枚一対の挟持板を備えて構成され、該一対の挟持板間の離間距離を固定対象となるパイプ材の直径に合わせて調整可能であることを特徴とする温室用滑車ユニットを提供する。
請求項6記載の本発明では、前記滑車支持部材を構成する2枚一対の挟持板は、固定対象となるパイプ材を挟み、パイプ材の上方又は下方を通過するように一方に設けた係合突起を他方に設けた係合孔に係合させ、パイプ材の上方又は下方であって該係合突起と反対側に設けたボルト挿通孔を介してボルトにより締め付け固定される構成であり、
前記係合突起は、係合孔に係合する複数の段部を備え、固定対象となるパイプ材の直径に合わせて係合位置を調整可能に設けられていることを特徴とする請求項5記載の温室用滑車ユニットを提供する。
請求項7記載の本発明では、前記2枚一対の挟持板のいずれかには、前記パイプ材の長手方向に沿って延びる横板部を備え、該横板部を介して前記温室配置用滑車部材の取り付け板を前記パイプ材に取り付け可能であることを特徴とする請求項5又は6記載の温室用滑車ユニットを提供する。
請求項8記載の本発明では、前記横板部がいずれかの挟持板から前記パイプ材の長手方向に沿って両方向に伸びるように設けられ、該横板部の両端部に前記温室配置用滑車部材の取り付け板を支持可能になっていることを特徴とする請求項7記載の温室用滑車ユニットを提供する。
請求項9記載の本発明では、温室頂部付近で妻面間に長手方向を沿わせて配置されたパイプ材に取り付けられ、温室用カーテンに連結され、該温室用カーテンを開閉する駆動ワイヤの中継用に用いられるものであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1に記載の温室用滑車ユニットを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の温室配置用滑車部材は、滑車を回転可能に支持する支持枠部材に、滑車に掛け回された駆動ワイヤを、温室内に張設した状態のまま、支持枠部材の外部位置へと離脱させることができるワイヤ取り外し部が設けられている。従って、滑車の交換作業時にはこのワイヤ取り外し部を通じて滑車に掛け回された駆動ワイヤを支持枠部材外へ離脱させることができ、従来のように、駆動ワイヤを走行方向に引き抜いたり挿入させたりする作業が不要となり、交換作業が簡易化され、短時間で行うことができる。具体的には、滑車を挟んで対面する一対の軸受け板のそれぞれに取り付け板を連接し、固定対象となっているパイプ材から取り外した際に一対の取り付け板が互いに離間する構成とし、両者間の隙間をワイヤ取り外し部として構成する。これにより、取り付け板を、温室用滑車ユニットの挟持板及びパイプ材から取り外せば、駆動ワイヤを張設した状態のまま、一対の取り付け板間の隙間を介して温室配置用滑車部材のみを取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に示した実施形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本実施形態の温室用滑車ユニット10を温室A内に配置した概略構成を示すもので、図2は温室用滑車ユニット10の側面図であり、図3はその正面図である。図4は温室用滑車ユニット10の要部を示す斜視図であり、図5は温室配置用滑車部材30の要部を示す図である。また、図6は滑車支持部材を構成する一対の挟持体21,22を示す図である。
【0008】
これらの図に示したように、本実施形態の温室用滑車ユニット10は、幅方向に山形に形成された温室Aにおいて、その頂部付近で長手方向に沿って配設されたパイプ材100に固定される。温室Aには、各側面から該パイプ材100に離接するように動作するカーテン先導パイプ110,111が設けられており、各カーテン先導パイプ110,111に端部が固定されたカーテン部材(図示せず)は、各カーテン先導パイプ110,111の移動に従って、パイプ材100に向かって移動することにより、互いに接近し、逆方向に移動することにより、互いに離間して温室Aの上方空間を遮光、保温等のために仕切る機能を果たす。温室Aの各側面間には、パイプ材100を乗り越えるようにガイド用の棚線120が張設されており、カーテン部材及びカーテン先導パイプ110,111はこの棚線120上を移動する。そして、カーテン先導パイプ110,111には、該カーテン先導パイプ110,111を各側面とパイプ材100との間を往復させるための駆動ワイヤ130が連結されている。
【0009】
駆動ワイヤ130は、一端が駆動ドラム150に連結され、温室Aの一方の側面付近に縦向きで配設した方向転換用の第1の滑車151に巻き掛けられ、その後、パイプ材100方向に向かって張設され、温室Aの他方の側面付近に横向きで配設した方向転換用の第2の滑車152に巻き掛けられた後、一方の側面付近に縦向きで配設した第3の滑車153に巻き掛けられ、他端が駆動ドラム150に巻き付けられて配設されている。本実施形態の温室用滑車ユニット10は、この一方の側面付近に配設された第1及び第3の滑車151,153と他方の側面付近に配設された第2の滑車152との間で、駆動ワイヤ130の走行を中継するために、上記パイプ材100に固定されて設けられるものである。
【0010】
具体的には、該温室用滑車ユニット10は、図2及び図3に示したように、パイプ材100を挟持する滑車支持部材としての2枚一対の挟持板(第1の挟持板21、第2の挟持板22)と、温室配置用滑車部材30とを備えて構成される。第1の挟持板21は、縦長に形成され、上部付近には温室Aの頂部から垂れ下げられた吊りワイヤ160に連結するための複数の孔部21aが形成されていると共に、縦方向の略中央部は側面から見て略半管状となる円弧部21bが形成されている。また、円弧部21bの上部には、固定用のボルト23を挿通するためのボルト挿通孔21mが開口され、円弧部21bの下部には、後述する第2の挟持板22に設けた係合突起22cが係合する係合孔21cが開口されている(図6参照)。なお、図2及び図3において符号21dは、孔部21aに通した吊りワイヤ160を押し付け固定するための固定板である。
【0011】
第2の挟持板22は、第1の挟持板21の円弧部21bに対応する位置に、該円弧部21bとは反対側に突出する凹部22aが形成され、該凹部22aの上部に固定用のボルト23が挿通されるボルト挿通孔22mが開口されていると共に、凹部22aの下部には、第1の挟持板21の係合孔21cに係合する係合突起22cが突設されている(図6参照)。この係合突起22cは、図6に示したように、複数の段部22g,22hを備えており、係合孔21cへ係合させる段部を選択することにより第1の挟持板21と第2の挟持板22との距離を調整できるものである。すなわち、第1の挟持板21の円弧部21bと第2の挟持板22の凹部22aとの間に、パイプ材100が配設され、ボルト23とナット24とを締め付けることにより、2つの挟持板21,22がパイプ材100に固定されるが、係合突起22cを係合孔21cに係合させた際の段部22g,22hの位置により、複数種類の太さのパイプ材100に対応して固定できる。
【0012】
第2の挟持板22には、パイプ材100の長手方向に沿って延びる横板部22d,22eが左右に突設されている。この横板部22d,22eは一体の板状部材からなり、側面から見て略円弧状に形成されており、パイプ材100の側面に密接可能な形状となっている。横板部22d,22eの各端部付近には、それぞれボルト挿通孔22j,22kが形成されており(図6参照)、このボルト挿通孔22j,22kに、温室配置用滑車部材30の取り付け板32c,32dに形成したボルト挿通孔32g,32hを一致させ、固定用のボルト34を締め付けることにより、温室配置用滑車部材30は、該横板部22d,22eを介してパイプ材100に固定される(図2、図4、図5参照)。
【0013】
第2の挟持板22の各横板部22d,22eの端部付近にそれぞれ固定される温室配置用滑車部材30は、滑車31と支持枠部材32とを備えて構成される。支持枠部材32は、滑車31を挟んで対面して配置され、回転軸33を支持する一対の軸受け板32a,32bと、この軸受け板32a,32bにそれぞれ一体的に形成された一対の取り付け板32c,32dとを備えてなる。
【0014】
軸受け板32a,32bは、滑車31の側面を覆うことが可能な大きさを有し、図2の右寄り(図3の奥側)に、上方に向けて突出するように取り付け板32c,32dが設けられている。取り付け板32c,32dは、軸受け板32a,32bと同一平面となるように立ち上げられていると共に、互いに相手方に向かって折り曲げられた断面略L字状にそれぞれ形成されている。互いに相手方に向かって折り曲げられた折り曲げ面32e,32fには、図5(a),(b)に示したように、それぞれボルト挿通孔32g,32hが形成されており、該折り曲げ面32e,32fを重ね合わせてボルト挿通孔32g,32hを一致させ、このボルト挿通孔32g,32hを介して上記ボルト34が螺合される。
【0015】
また、軸受け板32a,32bの下端縁には、両者間を連結する連結板32jが一体的に形成されている。従って、取り付け板32c,32dの折り曲げ面32e,32fに形成したボルト挿通孔32g,32hにボルト34を螺合しない状態においては、該連結板32jを中心として、2つの折り曲げ面32e,32fが互いに離間する方向に付勢され、両者の間にワイヤ取り外し部となる隙間が形成されることになる(図5(b)参照)。
【0016】
本実施形態によれば、図1に示したように、温室Aに温室用滑車ユニット10を配設した状態で、滑車31の交換作業が必要となった場合には次のように行う。まず、ボルト34を緩めて取り外す。これにより、相互に重なり合っていた取り付け板32c,32dの折り曲げ面32e,32fが、図5(a)に示した状態から図5(b)に示したように拡開し、離間する。次に、取り付け板32c,32dの折り曲げ面32e,32f間の隙間に張設された駆動ワイヤ130を通し、図1において温室配置用滑車部材30を下方に引き抜く。その後は、回転軸33を取り外し、滑車31を新しいものと取り替える。滑車31を交換した後は、折り曲げ面32e,32f間の隙間に駆動ワイヤ130を通した後、折り曲げ面32e,32fを相互に重ね合わせた状態で、取り付け板32c,32dを第2の挟持板22の各横板部22d,22eに当接し、ボルト34により締め付ける。これにより、滑車31の交換作業が完了する。
【0017】
従って、本実施形態によれば、滑車31の交換に当たって、従来のように、張設していた駆動ワイヤ130を緩めてその走行方向に引き抜き、再び張設する作業が一切不要となるため、滑車31の交換作業の労力及び作業時間を大幅に低減できる。
【0018】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないことはもちろんである。例えば、上記実施形態では、各軸受け板32a,32bと、それに対応する取り付け板32c,32dとを一体に形成しているが、両者を別部材から構成することもできる。また、上記実施形態では、取り付け板32c,32dに折り曲げ部32d,32eを設けているが、図7(a)に示したように、折り曲げ部32d,32eを有しない構造とし、取り付け板32c,32d同士を別途に成形した連結部材35により連結し、該連結部材35を取り外すと、取り付け板32c,32dが離間してワイヤ取り外し部となる隙間が形成されるようにすることもできる。さらに、図7(b)に示したように、取り付け板32c,32dの折り曲げ部32d,32eを外側に折り曲げ、それぞれ2カ所で第2の挟持板22の各横板部22d,22eに固定する構造とすることもできる。但し、上記実施形態のように折り曲げ部22d,22eを取り付け板32c,32dの内側に折り曲げた構成とすれば、図7(a)のような連結部材35が不要であり、また、第2の挟持板22への固定箇所も1カ所で済むため、取り付け作業がより容易であるという利点がある。
【0019】
また、ワイヤ取り外し部としては、上記のように取り付け板32c,32dを互いに離間させて形成される隙間に限らず、支持枠部材32のいずれかの位置に形成され、常時開口されたスリット状のものから構成することも可能である。例えば、図7(a)に示した軸受け板32a,32bの上面が閉塞されていない構成とすれば、連結部材35を取り外すことにより、取り付け板32c,32dを相互に離間させるまでもなく、駆動ワイヤを支持枠部材32からその外部へと離脱させることができる。
【0020】
また、上記実施形態では、取り付け板32c,32dをパイプ材100に対して第2の挟持板22を介して間接的に固定しているが、取り付ける位置等によっては、パイプ材100に直接固定する構成としてもよい。さらに、図1においては、温室用滑車ユニット10を単棟式の温室Aに適用した例を示しているが、図8に示したように連棟式の温室Bにも適用可能であることはもちろんである。
【0021】
また、上記実施形態では、第2の挟持板22の係合突起22cを第1の挟持板21の係合孔21cに係合させる際、段部22g,22hの位置を選択可能な構成とし、これにより、太さの異なるパイプ材100に対応可能としているが、複数種類の太さのパイプ材100に対応して2つの挟持板21,22の固定時おける離間距離を保つことができる限り、他の手段を用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
上記実施形態では、温室配置用滑車部材30を、温室Aの頂部付近に配設される中継用に用いる場合を例に挙げ説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、温室Aにおいて各側面付近に配設される滑車にも同様の機構を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の一の実施形態の温室用滑車ユニットを温室内に配置した概略構成を示す図である。
【図2】図2は、温室用滑車ユニットの側面図である。
【図3】図3は、温室用滑車ユニットの正面図である。
【図4】図4は、温室用滑車ユニットの要部を示す斜視図である。
【図5】図5は、温室配置用滑車部材の要部を示す図である。
【図6】図6は、滑車支持部材を構成する一対の挟持体を示す図である。
【図7】図7は、温室配置用滑車部材の他の例の要部を示す図である。
【図8】図8は、温室用滑車ユニットを連棟式の温室内に配置した概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
10 温室用滑車ユニット
21 第1の挟持板
22 第2の挟持板
22d,22e 横板部
30 温室配置用滑車部材
31 滑車
32 支持枠部材
32a,32b 軸受け板
32c,32d 取り付け板
33 回転軸
100 パイプ材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室用カーテンを開閉するための駆動ワイヤが掛け回される温室配置用滑車部材であって、
滑車と、
前記滑車を回転可能に支持する支持枠部材とを備えてなり、
前記駆動ワイヤを、温室内に張設した状態のまま、支持枠部材の外部位置へと離脱させることができるワイヤ取り外し部が該支持枠部材に設けられていることを特徴とする温室配置用滑車部材。
【請求項2】
前記支持枠部材が、前記滑車を挟んで対面して配置され、回転軸を支持する一対の軸受け板と、
前記各軸受け板のそれぞれに設けられ、固定対象となるパイプ材に直接又は間接に取り付けられる一対の取り付け板とを備え、
前記一対の取り付け板間の隙間が、前記ワイヤ取り外し部となっていることを特徴とする請求項1記載の温室配置用滑車部材。
【請求項3】
前記一対の取り付け板は、互いに相手方に向かって折り曲げられ、相互に重なり合って固定対象となるパイプ材に直接又は間接に取り付けられ、前記一対の取り付け板を離間させることにより形成される隙間が、前記ワイヤ取り外し部となっていることを特徴とする請る構造であることを特徴とする請求項2記載の温室配置用滑車部材。
【請求項4】
前記各取り付け板は、側面から見て前記各軸受け板の一方の側部寄りの位置から上方に延びるように設けられており、前記各軸受け板の下端縁間には、両者を連結する連結板が一体的に設けられていることを特徴とする請求項3記載の温室配置用滑車部材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載の温室配置用滑車部材と、
前記温室配置用滑車部材を支持し、温室配置用滑車部材を固定対象となるパイプ材に取り付けるために用いられる滑車支持部材とを有する温室用滑車ユニットであって、
前記滑車支持部材が、固定対象となるパイプ材を挟む2枚一対の挟持板を備えて構成され、該一対の挟持板間の離間距離を固定対象となるパイプ材の直径に合わせて調整可能であることを特徴とする温室用滑車ユニット。
【請求項6】
前記滑車支持部材を構成する2枚一対の挟持板は、固定対象となるパイプ材を挟み、パイプ材の上方又は下方を通過するように一方に設けた係合突起を他方に設けた係合孔に係合させ、パイプ材の上方又は下方であって該係合突起と反対側に設けたボルト挿通孔を介してボルトにより締め付け固定される構成であり、
前記係合突起は、係合孔に係合する複数の段部を備え、固定対象となるパイプ材の直径に合わせて係合位置を調整可能に設けられていることを特徴とする請求項5記載の温室用滑車ユニット。
【請求項7】
前記2枚一対の挟持板のいずれかには、前記パイプ材の長手方向に沿って延びる横板部を備え、該横板部を介して前記温室配置用滑車部材の取り付け板を前記パイプ材に取り付け可能であることを特徴とする請求項5又は6記載の温室用滑車ユニット。
【請求項8】
前記横板部がいずれかの挟持板から前記パイプ材の長手方向に沿って両方向に伸びるように設けられ、該横板部の両端部に前記温室配置用滑車部材の取り付け板を支持可能になっていることを特徴とする請求項7記載の温室用滑車ユニット。
【請求項9】
温室頂部付近で妻面間に長手方向を沿わせて配置されたパイプ材に取り付けられ、温室用カーテンに連結され、該温室用カーテンを開閉する駆動ワイヤの中継用に用いられるものであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1に記載の温室用滑車ユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−217870(P2006−217870A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34985(P2005−34985)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(390010814)株式会社誠和 (31)
【Fターム(参考)】