説明

温度フィードバックを提供するモーションコントローラ

【課題】温度フィードバックの方法およびシステムを提供する。
【解決手段】インタラクティブプログラムとインタフェースするコントローラは、複数の第1表面領域および1以上の第2表面領域を有する外面を含む。第2表面領域は第1表面領域と交互に隣接するように配置される。複数の第1表面領域に加熱源が結合され、第2表面領域に冷却源が結合される。温度コントローラは、第1表面領域を加熱するために加熱源をアクティブにするタイミングと、第2表面領域を冷却するために冷却源をアクティブにするタイミングとを、インタラクティブプログラムにより生成される温度トリガデータに基づいて決定するために提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2009年11月20日に出願の、発明者をXiadong MaoおよびNoam Rimonとし、発明の名称を「CONTROLLER FOR INTERFACING WITH A COMPUTING PROGRAM USING POSITION,ORIENTATION,OR MOTION」とする米国特許出願第12/623,352号と、2010年12月8日に出願の、発明者をGeorge Weisingとし、発明の名称を「BIOMETRIC INTERFACE FOR A HANDHELD DEVICE」とする米国特許出願第12/963,594号に関するものであり、上記各出願は参照のために全体が本願に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本発明はインタラクティブプログラムとインタフェースするコントローラデバイスを介して温度フィードバックを提供するための方法およびシステムに関する。
テレビゲーム業界は長年にわたり変化を遂げてきた。コンピュータの処理能力の向上とともに、テレビゲームの開発者らも、このような処理能力の高度化を利用したゲームソフトウェアを開発してきた。このため、テレビゲームの開発者らは、非常にリアルなゲーム体験となるように高度な演算や数値演算を組み込んだゲームをコーディングしてきた。
【0003】
このようなゲームのプラットフォームの例には、ソニープレイステーション(登録商標)、ソニープレイステーション2(登録商標)(PS2)およびソニープレイステーション3(登録商標)(PS3)があり、これらは共にゲームコンソールの形態で販売されている。周知のように、ゲームコンソールはモニタ(通常はテレビ)に接続され、携帯コントローラを介してユーザインタラクションを可能にするように設計されている。ゲームコンソールは、CPU、重いグラフィック演算を処理するためのグラフィックシンセサイザ、ジオメトリ変換を実行するためのベクトル演算ユニット、およびグルーハードウェアと呼ばれるその他のハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアを含む専用の処理ハードウェアで設計されている。
【0004】
ゲームコンソールは、ゲームコンソールを介してローカルでプレイするためのゲームのコンパクトディスクを受け入れるための光ディスクトレイを備えるようにさらに設計される。また、ユーザがインターネットを介して他のユーザとインタラクティブに対戦したり、他のユーザと一緒にインタラクティブにプレイすることができるオンラインゲームも可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゲームを複雑にしてプレーヤの興味を引き付けるために、ゲームおよびハードウェアの製造業者らは、新しい手法を取り入れてさらなるインタラクティビティ、つまり対話性、とコンピュータプログラムとを可能にしようとしてきた。
【0006】
コンピュータゲーム業界においては、ユーザとゲームシステム間のインタラクションを高めるゲームを開発する傾向が広がっている。より質の高いインタラクティブな体験を実現する1つのやり方として、プレーヤの動きをトラッキングして、この動きをゲームの入力として使用するために、ゲームシステムによって移動がトラッキングされる無線ゲームコントローラを使用する方法がある。一般的にいうと、ジェスチャ入力とは、コンピューティングシステム、テレビゲームコンソール、インテリジェント家電などの電子装置を、物体をトラッキングするビデオカメラがキャプチャした何らかのジェスチャに反応させることを指す。
本発明は、この状況においてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態の各々は、インタラクティブプログラムとインタフェースするモーションコントローラを介して温度フィードバックを提供するための方法およびシステムを提供する。本発明はプロセス、装置、システム、デバイスあるいは方法などの様々な方法でコンピュータ可読媒体に実装することができる。以下に本発明の、発明性を有する実施形態をいくつか記載する。
【0008】
一実施形態では、インタラクティブプログラムとインターフェイスするためのコントローラは、複数の第1表面領域と、1以上の第2表面領域と、を有する外面を含む。第2表面領域は第1表面領域と交互に隣り合うように配置されている。複数の第1面領域には加熱源が結合され、第2表面領域には冷却源が結合される。第1表面領域を加熱するために加熱源をアクティブにするタイミングと、第2面領域を冷却するために冷却源をアクティブにするタイミングとを、インタラクティブプログラムにより生成される温度トリガデータに基づいて決定するために温度コントローラが提供される。
【0009】
一実施形態では、ユーザがコントローラを把持するときにユーザの肌が接触するように、コントローラのハンドル部分に外面が画定される。一実施形態では、ユーザがコントローラのハンドル部分を把持しているときに加熱源および冷却源を同時にアクティブにすることにより、サーマルグリルイリュージョン、いわゆる、近い距離で温感と冷感を同時に提示するときに生じる痛覚、が生じる。一実施形態では、加熱源および冷却源は少なくとも1つの熱電デバイスを含む。
【0010】
一実施形態では、温度コントローラは加熱源のアクティベーションレベルおよび冷却源のアクティベーションレベルを、インタラクティブプログラムにより生成される温度トリガデータに基づいて決定する。
【0011】
一実施形態では、インタラクティブプログラムとインターフェイスし、該インタラクティブプログラムから温度フィードバックを提供するためのコントローラが提供される。コントローラは第1外部露出面を含む第1熱電デバイスを含み、該露出面は第1熱電デバイスがアクティブにされるときに加熱される。さらにコントローラは、第1熱電デバイスに隣接し、第2外部露出面を有する第2熱電デバイスを含み、該露出面は第2熱電デバイスがアクティブにされるときに冷却される。さらにコントローラは、第2熱電デバイスに隣接し、第3外部露出面を有する第3熱電デバイスを含み、該露出面は第3熱電デバイスがアクティブにされるときに加熱される。コントローラは、第1、第2、および第3熱電デバイスをアクティブにするタイミングを、インタラクティブプログラムにより生成される温度トリガデータに基づいて決定するための温度コントローラをさらに含む。
【0012】
一実施形態では、第1、第2および第3熱電デバイスは、ユーザがコントローラを把持するときににユーザの肌に接触するように方向づけられたコントローラのハンドル部分に画定される。一実施形態では、第1、第2および第3熱電デバイスの同時にアクティブにすることにより、ユーザがコントローラのハンドル部分を把持するときに、サーマルグリルイリュージョンが生じる。
【0013】
一実施形態では、コントローラは第1熱電デバイスと第2熱電デバイスの間に画定される第1絶縁体と、第2熱電デバイスと第3熱電デバイスの間に画定される第2絶縁体と、を含む。
【0014】
一実施形態では、コントローラは第1、第2または第3熱電デバイスのアクティベーションに相互に関連づけられる色を発色するためのランプを含む。
【0015】
一実施形態では、コントローラを操作中のユーザに温度フィードバックを提供するための方法が提供される。該方法は温度トリガデータの受信により開始される。コントローラの複数の第1表面領域は、温度トリガデータに基づき加熱される。コントローラの1以上の第2表面領域は温度トリガデータに基づき冷却される。この第2表面領域は第1表面領域と交互に隣り合うように配置されている。
【0016】
一実施形態では、複数の第1表面領域の加熱および1以上の第2表面領域の冷却を同時に行うステップは、少なくとも1つの熱電デバイスをアクティブにするステップを含む。
【0017】
一実施形態では、該方法は、コントローラの位置をトラッキングするステップと、トラッキングされたコントローラの位置に基づいて温度トリガデータを生成するステップと、を含む。
【0018】
一実施形態では、第1表面領域の加熱および第2表面領域の冷却を同時に行うことにより、ユーザの肌が第1表面領域と第2表面領域に接触したときにサーマルグリルイリュージョンが生じる。
【0019】
一実施形態では、該方法は、コントローラの発光された部分を照光するステップを含み、この照光ステップにおいて、温度トリガデータに基づく色が生成される。
【0020】
一実施形態では、コントローラを操作中のユーザへ温度フィードバックを提供するための方法が提供される。該方法はインタラクティブアプリケーションの実行により開始される。次に、複数の交互に隣り合うコントローラの表面領域に対して加熱および冷却レベルをそれぞれ決定するための温度トリガデータが生成される。その後、この温度トリガデータはコントローラへ送信される。
【0021】
一実施形態では、温度トリガデータを生成するステップは、所定の温度フィードバック構成に相互に関連づけられる、仮想環境内の仮想オブジェクトの現在地を決定するステップを含む。
【0022】
一実施形態では、方法はコントローラの位置をトラッキングするステップを含み、このトラッキングされたコントローラの位置に基づいて温度トリガデータが生成される。
【0023】
一実施形態では、交互に隣り合う表面領域の加熱および冷却を同時に行うことにより、この交互に隣り合う表面領域がユーザの肌に接触したときにサーマルグリルイリュージョンが生じる。一実施形態では、方法は、温度トリガデータに基づいて、コントローラの光源により表示される色を決定する光トリガデータを生成するステップを含む。この光トリガデータはコントローラへ送信される。本発明の他の態様は、例示のために本発明の原理を示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明を読めば明らかとなるであろう。
本発明は添付の図面と併せて、以下の説明を読むことで理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態による一般のインタラクティブシステムを示す説明図。
【図2】本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムとインタフェースするためのコントローラを示す説明図。
【図3】本発明の一実施形態による、加熱されるように構成された領域と、冷却されるように構成された領域とを有するコントローラを示す説明図。
【図4】本発明の一実施形態による、加熱されるように構成された領域と、冷却されるように構成された領域とを有するコントローラを示す説明図。
【図5】本発明の一実施形態による、モーションコントローラの構成要素を示す説明図。
【図6】本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムから温度フィードバックを提供するためのコントローラの構成要素を示した概略図。
【図7】本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムから温度フィードバックを提供するためのコントローラの構成要素を示した概略図。
【図8】本発明の一実施形態による、モーションコントローラへ温度フィードバックを提供するためのシステムを示す説明図。
【図9】本発明の一実施形態による、加熱されるように、または冷却されるように構成されたコントローラの表面の経時的なアクティベーションレベルを示すグラフの説明図。
【図10】本発明の一実施形態による、三次元座標空間におけるコントローラを示す説明図。
【図11A】本発明の一実施形態による、外装アタッチメントおよび温度フィードバックを提供するためのコントローラを示す説明図。
【図11A−1】コントローラから取り外された図11Aの外装アタッチメントを示す説明図。
【図11B】本発明の一実施形態による、図11Aの外装アタッチメントの一部分の断面図。
【図12A】本発明の一実施形態による、温度フィードバックを提供するためのコントローラの一部分の断面図。
【図12B】本発明の一実施形態による、温度フィードバックを提供するためのコントローラの一部分の断面図。
【図12C】本発明の一実施形態による、温度フィードバックを提供するためのコントローラの一部分の断面図。
【図13】本発明の一実施形態による、モーションコントローラを操作中のユーザを示す俯瞰図。
【図14】本発明の一実施形態による、温度フィードバックを提供するためのインタラクティブな環境を示す俯瞰図。
【図15】本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムに対して入力するためのインタラクティブな環境を示す俯瞰図。
【図16】本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムへ入力を提供するためのインタラクティブな環境を示す俯瞰図。
【図17】本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムへ入力を提供するためのインタラクティブな環境を示す側面図。
【図18】本発明の一実施形態による、拡張コネクタを備えたコントローラのハンドルの構成要素を示す説明図。
【図19】一実施形態による、動作トラッキングを改善するためのセンサを備えたコントローラを示す説明図。
【図20A】本発明の一実施形態による、「リッチな」機能セットを備えたハンドルのアタッチメントを示す説明図。
【図20B】図20Aのアタッチメントが図18のコントローラに接続されている実施形態の説明図。
【図21】本発明の一実施形態による、温度フィードバックを提供するために使用されうるユーザインタフェースおよびハードウェアの説明図。
【図22】本発明の一実施形態による、命令を処理するために使用されうる追加のハードウェアの説明図。
【図23】本発明の一実施形態による、シーンA〜シーンEと、インターネットを介して処理サーバに接続されているゲームクライアント1102とインタフェース中のそれぞれのユーザA〜ユーザEを例示的に示す説明図。
【図24】情報サービスプロバイダ(ISP:Information Service Provider)アーキテクチャの形態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の実施形態では、インタラクティブプログラムとインタフェースするための方法および装置を記載する。
【0026】
しかし、本発明を、このような詳細な内容の一部または全てを用いなくても実施しうることは当業者にとって自明である。場合によっては、本発明を不必要に曖昧にすることのないよう、公知の処理操作は詳述していない。
【0027】
図1は本発明の一実施形態による一般のインタラクティブシステムの説明図である。システムはコンピュータ10およびディスプレイ12を含む。各種実施形態では、コンピュータ10は汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、ゲームコンソール、またはディスプレイ12に表示されるインタラクティブプログラムを実行するようなその他の装置であってもよい。当技術分野で周知のゲームコンソールの例には、ソニーコンピュータエンターテインメント社やその他のメーカにより製造されているものを含む。ディスプレイ12はテレビ、モニタ、プロジェクタ、あるいはコンピュータ10からのビデオ出力の受信と表示とが可能なその他のディスプレイやディスプレイシステムであってよい。ユーザ16はコントローラ14を操作することによりインタラクティブプログラムへの入力を行う。コントローラは、有線接続の場合よりも無線の場合により自由に動かすことが可能となるので、好適な実施形態では、コントローラ14はコンピュータ10と無線通信する。コントローラ14はインタラクティブプログラムに入力するためのいずれの様々な機能を含むことができ、例えば、ボタンやジョイスティック、方向パッド、トリガ、タッチパッド、タッチスクリーンあるいはその他のタイプの入力装置などを含むことができる。コントローラの一例としては、ソニーコンピュータエンターテインメント社により製造されるソニーデュアルショック3(Sony Dualshock 3)コントローラが挙げられる。
【0028】
さらに、コントローラ14は、ユーザがインタラクティブプログラムとインタフェースできるようにし、さらに、コントローラを動かすことによりインタラクティブプログラムへの入力提供を可能にするモーションコントローラでありうる。モーションコントローラの一例としては、ソニーコンピュータエンターテインメント社により製造されるプレーステーションムーブ(Playstation Move)コントローラが挙げられる。モーションコントローラの位置や動作を検出するために様々な技術を用いることができる。例えば、モーションコントローラは加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計などの様々な種類の動作検出ハードウェアを含みうる。ある実施形態では、モーションコントローラは固定参照物の画像をキャプチャする1台以上のカメラを含みうる。次いで、この1台以上のカメラによりキャプチャされた画像を解析することにより、モーションコントローラの位置と動作とが決定される。ある実施形態では、モーションコントローラは、定位置を有するカメラによりトラッキングされる照光される要素を含みうる。
【0029】
図2は、本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムとインタフェースするためのコントローラの説明図である。コントローラ20はインタラクティブプログラムへ入力を提供するための様々なボタン22およびトリガ24とを含む。また、コントローラ20は、様々な色で照光されうるアタッチメント26を含む。コントローラ20は、ユーザが把持するためのハンドル部分27を含み、このハンドル部分には加熱または冷却されうる各種領域が画定される。例示の実施形態では、領域28a、28b、28cおよび28dの各々は加熱されるように構成され、領域30a、30b、30cおよび30dの各々は冷却されるように構成される。図示しているように、領域28a、28b、28cおよび28dの各々は領域30a、30b、30cおよび30dと交互に隣り合うように配置されており、これらの領域はユーザがコントローラを把持するときにユーザの肌に接触するように構成されている。
【0030】
領域28a〜28dおよび30a〜30dの加熱および冷却は、コントローラ20に含まれる温度モジュール32により行われる。温度モジュール32は、領域28a、28b、28cおよび28dを加熱するための加熱源34を含む。さらに、該温度モジュールは、領域30a、30b、30cおよび30dを冷却するための冷却源36を含む。加熱源34および冷却源36は温度コントローラ38により制御される。温度コントローラ38は、加熱源34および冷却源36をアクティブにするタイミングに加えてこれらのアクティベーションレベルを決定する。これにより、領域28a〜28dを加熱するタイミングとレベル、および30〜30dを冷却するタイミングとレベルが制御される。
【0031】
当業者であれば、領域28a〜28dの加熱と領域30a〜30dの冷却を様々な方法で操作し、調整することができる。例えば、領域28a、28b、28cおよび28dの各々が同時に加熱されるように該領域の加熱を調整することができる。あるいは、領域28a〜28dのうちの1つの領域の加熱が他の領域28a〜28dの加熱とは異なるように、これらの領域を個々に制御して加熱するようにしてもよい。同様に、領域30a、30b、30cおよび30dの各々の領域を同時に冷却すようにしてもよいし、該領域を冷却することで実現したい所望の効果に応じて独自の方法で冷却するようにしてもよい。#例えば、コントローラ20を把持しているユーザに対して熱感を与えるために、領域28a〜28dを温度モジュール32により加熱するようにしてもよい。この間、領域30a〜30dは非アクティブ状態である。同様に、ユーザに冷感を与えるために、領域30a〜30dを温度モジュール32により冷却するようにしてもよい。その間、領域28a〜28dは非アクティブ状態である。また、ハンドル部分27に沿って各々の領域を選択的に加熱および冷却することにより、コントローラ20のハンドル部分27にわたり温度勾配を生じさせることができる。例えば、領域28aを高レベルに、領域28bを低レベルにそれぞれ加熱し、領域30cを低レベルに、さらに、領域30dを高レベルにそれぞれ冷却することにより温度勾配を実現することができる。
【0032】
さらに、一実施形態では、領域28a〜28dが加熱され、一方で、領域30a〜30dが同時に冷却される。これにより、ユーザがコントローラ20を把持し、加熱領域と冷却領域に同時に接触するときにサーマルグリルイリュージョンが生じることがある。このサーマルグリルイリュージョンとは、痛みや組織損傷を引き起こすほど十分に熱いあるいは冷たい面に実際には接触していないにもかかわらず、ユーザに対して痛みや焼け付くような感覚を出現させる現象である。
【0033】
その他の各種実施形態では、所望の温度フィードバック効果を実現するために、領域28a〜28dと30a〜30dの各々を方法や構造を問わず(各種のオン/オフ状態やレベルを含む)加熱および冷却することができることから、上記の実行可能な加熱構造および冷却構造は単なる例示である。さらに、例示の実施形態を参照して領域28a〜28dおよび領域30a〜30dが記載されているが、加熱および冷却されるように構成された特定領域の数が変更可能であることは明らかであろう。サーマルグリルイリュージョンを実現するには、コントローラは、加熱されるように構成された少なくとも2つの領域と、冷却されるように構成された少なくとも1つの領域を有する必要がある。しかし、本発明の他の実施形態では、コントローラは、加熱および冷却されるように構成された領域を幾つでも有することができ、加熱領域と冷却領域の各々は交互に隣り合うように配置されている。
【0034】
また、アタッチメント26は、各種領域に適用される加熱または冷却の方法に対応する方法で発光されうる。例えば、一実施形態では、アタッチメントは、領域30a〜30dだけが冷却されるときは青色を表示するように、領域28a〜28dだけが加熱されるときは黄色/オレンジ色を表示するように、さらに、領域28a〜28dおよび30a〜30dがそれぞれ加熱および冷却されるときは赤色を表示するように照光される。このようにして、アタッチメント26により表示される色は、コントローラ20が冷たいときは青系統の色域から、コントローラ20が暖かいときは黄色/オレンジ系統の色域へと変化し、コントローラ20がサーマルグリルイリュージョンをもたらしているときは、赤系統の色域へと変化する。さらに、1つの色から別の色へは連続的に遷移しうる。また、この色の遷移は各々の領域の加熱および冷却構造の変化と相互に関連づけられる。上記は、領域28a〜28dおよび30a〜30dを介して提供される温度フィードバックを使用したアタッチメント26の発光調整の一例に過ぎない。他の実施形態では、アタッチメント26により表示される特定の色を領域28a〜28dおよび30a〜30dの各種の温度構造といずれの方法で相互に関連づけて、コントローラ20により提供される温度フィードバックを視覚的に示すようにしてもよい。
【0035】
さらに、加熱するように構成された領域および冷却するように構成された領域は、加熱領域と冷却領域とが互いに交互に隣り合うのであれば、どのような方法で配列されてもよい。例えば、図3は、加熱するように構成された領域42および冷却するように構成された領域44を有するコントローラ40を示す説明図である。領域42および領域44は格子状に配列されてコントローラ40のハンドル部分にわたって配置されている。
【0036】
別の実施形態では、図4は、加熱するように構成された領域52および冷却するように構成された領域54を有するコントローラ50を示す説明図である。例示の実施形態に示すように、領域の各々はコントローラ50のハンドル部分に分散された個々の幾何学形状(例えば、正方形)部により構成される。加熱領域52の各々は、冷却領域54の少なくとも1つに隣接し、これと交互に並んでいる。領域の各々は、加熱領域と冷却領域とが互いに干渉することなく効率的に各々を加熱または冷却することができるように、加熱領域52を冷却領域54から絶縁する、絶縁体56に画定される。
【0037】
絶縁体56は、加熱領域52と冷却領域54間および/あるいはそれらの周囲を断熱するのに適した材料であればどのような材料で構成されてもよい。さらに、好適な実施形態では、絶縁体56は加熱および冷却領域の熱膨張および収縮に適切に対処し、さらに、繰り返される熱サイクルにわたっての耐久性がある。さらに、絶縁体56は、ユーザがしっかりと握ることができるように、ユーザの肌に対して摩擦を与えるように構成されてもよい。この点は、加熱領域および冷却領域の表面がすべりやすくつるつるしており、しっかりと握ることができないときに重要となりうる。握りやすくするように、絶縁体56はテクスチャ加工されていてもよく、例えばくぼみや握りなどの特徴が付けられていてもよい。絶縁体56は、硬いプラスチック、柔らかいプラスチック、ゴム引きプラスチック、ポリマー、ゴムおよびその他の材料などの様々な材料を含みうる。また、これらの材料は人の手に合うように形成されうる。
【0038】
ある実施形態では、絶縁体56は照光されるように構成される。絶縁体56は、光源により照光される、透明あるいは半透明の材料から構成されうる。他の部分に記載しているように、照光の色や強度は加熱領域52および冷却領域54を介して提供される温度フィードバックの程度やレベルに相互に関連づけられうる。温度フィードバックの程度やレベルは、ある期間の間に、または、あるゲームセッションの間に、絶縁体56の色合いを徐々にあるいは次第に変化させることにより示されうる。
【0039】
図5は本発明の一実施形態によるモーションコントローラの構成要素を示す説明図である。コントローラは、プログラム命令を記憶し実行するためのメモリ62とプロセッサ60とを含む。コントローラは、無線通信モジュール64を介してインタラクティブプログラムを実行中のコンピュータあるいはコンソールと無線通信する。一実施形態では、無線通信はBluetooth(登録商標)通信プロトコルを利用するが、別の実施形態では、その他の無線通信技術を利用してもよい。コントローラは、ボタン66など、入力を受信するための各種機構を含む。さらに、コントローラは、加速度計70、ジャイロスコープ72および磁力計74からの入力を検出するためのモーションセンサモジュール68を含む。これらの入力機構により、ユーザはコントローラを操作することにより入力を提供することができる。
【0040】
熱的効果モジュール76は、コントローラにより提供される温度フィードバックを管理するために提供される。ユーザがインタラクティブプログラムとインタラクトしているときに(例えば、ボタン66を操作することにより、あるいはコントローラを動かすことによりインタラクティブプログラムへ入力を提供する)、インタラクティブプログラムはユーザへ提供するための温度フィードバックの種類およびレベルを決定する。この情報は無線でコントローラへ伝えられる。この熱的効果モジュール76はプロセッサ60と通信しており、コントローラにより提供される温度フィードバックの種類およびレベルに関する命令を受信する。熱的効果モジュール76は、受信した命令に基づいて、コールドコントローラ78またはヒートコントローラ80の操作を指示する。
【0041】
冷却コントローラ78は、電源82と1以上の熱電デバイス86とのインタフェースとなる。熱電デバイスとは、電位を温度差に変換する装置である。この効果はペルチェ効果として周知である。熱電デバイスの一例としては、ペルチェクーラまたはペルチェ素子がある。これは、アクティブにされると、一方に熱が発生し、反対側が吸熱されるものである(従って、反対側が冷却される)。熱電デバイスと材料の更なる説明および例は、2008年5月11日〜14日に開催された第26回ミクロ電子工学に関する国際会議の議事録、329〜332ページに記載の、Gould等による、「A comprehensive review of thermoelectric technology, micro-electrical and power generation properties」に記載されており、上記内容は参照のために全体が本願に組み込まれている。
【0042】
熱電デバイス86は、アクティブにされたときに、熱電デバイス86の外側を向いた部分が冷却されるようにコントローラの表面に配置される。このようにすることで、これと同時に、熱電デバイス86の内側を向いた部分が加熱される。よって、冷却コントローラ78は、熱的効果モジュール76からの信号を受けて、熱電デバイス86に電力を供給するために電源82を係合して熱電デバイス86をアクティブにしてもよいし、アクティベーションレベルを調整するようにしてもよいし、熱電デバイス86を非アクティブにしてもよい。同様に、ヒートコントローラ80は電源82と熱電デバイス84間のインタフェースとなる。熱電デバイスは、熱電デバイス84がアクティブにされると加熱される、外側を向いた面を有するように、コントローラの表面に配置される。従って、これらの熱電デバイス84の内側を向いた面が同時に冷却される。ヒートコントローラ80は、熱効果モジュール76から受信した信号を受けて、熱電デバイス84をアクティブにし、調整し、あるいは非アクティブにする。
【0043】
熱電デバイス84および86は絶縁体90により分離される。絶縁体90は熱電デバイス84と熱電デバイス86の熱移動を阻止し、各々のデバイスが互いに干渉することなく効率的に加熱および冷却されるようにしている。絶縁体90は、隣接する熱電デバイス間の著しい熱移動を回避することができるものであればどのような材料から構成されてもよい。さらに、好ましい材料とは、コントローラ寿命を通じて、繰り返される熱サイクルに対して適切な耐久性および回復力を示すものである。
【0044】
コントローラは、図2のアタッチメント26などのアタッチメントを発光させるために使用されうる、1以上のLED94の発光を制御する発光効果モジュール92をさらに含む。インタラクティブプログラムは、コントローラにより表示される色を決定し、さらに、コントローラへ命令を送信する。発光効果モジュール92は、決定された色を生成し、LED94の各々にその色を生成させるようにする。生成された特定の色を熱電デバイス84および86の特定のアクティベーション構造に同期させるようにしてもよい。
【0045】
図6は本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムから温度フィードバックを提供するためのコントローラの構成要素を示した概略図である。コントローラは、プログラム命令を記憶し実行するためのメモリ102とプロセッサ100とを含む。コントローラは、コントローラの表面に特定の温度構造を生成するための命令に応じて熱電デバイス106、ヒートスイッチ108、コールドスイッチ114の操作を制御するための温度コントローラ104をさらに含む。簡素化のために例示の実施形態では、熱電デバイス、ヒートスイッチおよびコールドスイッチの各々の1つを示しているが、各種の実施形態では1つ以上の熱電デバイス、ヒートスイッチまたはコールドスイッチが存在してもよい。
【0046】
熱電デバイス106は温度コントローラ104によりアクティブにされると、一方で熱を発生させ、(反対側から吸熱することにより)反対側を冷却する。熱電デバイス108の加熱側はヒートスイッチ108に接続される。ヒートスイッチ108は温度コントローラ104により制御され、熱電デバイス108により生成された熱を表面領域110かヒートシンク112のいずれかに向かわせる。ヒートシンク112は、コントローラの表面から熱を吸収あるいは分散するデバイスであればどのようなデバイスであってもよい。熱電デバイス106の冷却側はコールドスイッチ114に接続され、温度コントローラ104により決定されたように、領域116かコールドシンク118のいずれかに冷気を向かわせる。コールドシンクは、コントローラの表面から冷気を吸収あるいは分散するデバイスであればどのようなデバイスであってもよい。ある実施形態では、コールドシンク118は、プロセッサ100などのプロセッサや、熱を生成するその他の搭載デバイスであってよい。領域110は加熱されるように構成されたコントローラの表面領域を構成する一方、領域116は冷却されるように構成された表面領域を構成する。
【0047】
例示の実施形態はユーザに様々な温度フィードバック感覚を提供するためのフレキシブル構造を提供する。例えば、表面領域110を加熱するだけで暖かい/熱い感覚を提供することができる。このために、熱電デバイス106がアクティブにされ、熱を領域110に向かわせるようにヒートスイッチ108が制御される。一方で、熱電デバイス106により生成された冷気がコールドシンク118に向かうようにコールドスイッチ114が制御される。あるいは、表面領域116を冷却するだけで冷たい感覚を提供することができる。このことは、熱電デバイス106をアクティブにし、領域116に冷気が向かうようにコールドスイッチ114を制御する一方で、熱電デバイス106により生成された熱をヒートシンク112に向かわせるようにヒートスイッチ108を制御することにより実現される。熱電デバイスをアクティブにし、領域110へ熱を向かわせるようにヒートスイッチを制御し、領域116に冷気が向かうようコールドスイッチ114を制御することでサーマルグリルイリュージョンが実現されうる。
【0048】
別の実施形態では、領域110および116の各々は加熱および冷却されるように構成されうる。このことは、例えば、領域110および116の各々が少なくとも1つのコールドスイッチおよび少なくとも1つのヒートスイッチに接続されるようにすることで実現されうる。そのような構成の一実施形態では、領域110と116の各々が別々に加熱または冷却されるように各々の領域は個別に制御されてよい。そのような構成では、それぞれの領域の温度を別々に制御することにより、非常に厳密な温度勾配、サーマルグリルイリュージョン、およびその他のタイプの温度構成を異なる領域110および116にわたって実現することができる。
【0049】
図7は、本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムから温度フィードバックを提供するためのコントローラの構成要素を示した概略図である。コントローラは、命令を記憶し実行するためのメモリ120とプロセッサ120とを含む。温度コントローラ124は、熱電デバイス126と130の操作を制御するだけでなく、温度スイッチ134と136の操作も制御する。熱電デバイス126がアクティブにされると、該熱電デバイスは一方の側に熱を発生させて表面領域128を加熱し、反対側に冷気を発生させる。この冷気は温度スイッチ134を介して領域132またはコールドシンク138のいずれかに向けられる。同様に、熱電デバイス130がアクティブにされると、該熱電デバイスは一方の側に冷気を発生させて表面領域128を冷却し、反対側に熱を発生させる。この熱は温度スイッチ136を介して領域128またはコールドシンク140のいずれかに向けられる。
【0050】
熱電デバイス126により生成された冷気を熱電デバイス130により生成された冷気よりも冷たくすることができ、熱電デバイス130により生成された熱を熱電デバイス126により生成された熱よりも熱くすることができることから、本発明は表面領域128および132に対して可能な加熱および冷却構造を提供する。例えば、領域128を加熱するために熱電デバイス126をアクティブにして領域128だけを加熱し、ヒートスイッチ134を制御して熱電デバイス126により生成される冷気をコールドシンク138へ向かわせることができる。同様に、領域132を冷却するために熱電デバイス130をアクティブにして領域132だけを冷却し、ヒートスイッチ136を制御して熱電デバイス130により生成された熱をヒートシンク140へ向かわせることができる。また、上述の操作を組み合わせて領域128および132をそれぞれ加熱および冷却することもでき、これによりユーザにサーマルグリル効果を提供することができる。
【0051】
また、熱電デバイス126により生成された冷気が領域132に向かうよう温度スイッチ134を制御し、熱電デバイス130により生成された熱を領域128に向かわせるように温度スイッチ136を制御することにより、領域128および132をそれぞれ最大に加熱および冷却することもできる。このようにして、熱電デバイス134および136により生成された冷気および熱はそれぞれ、領域128および130をそれぞれ加熱および冷却するために他の熱電デバイスにより生成された冷気や熱よりも冷たくするように、または熱くするように使用される。コールドシンク138に冷気を向かわせるように温度スイッチ134を操作し、領域128に熱が向かうよう温度スイッチ136を操作する間に熱電デバイス126および130をアクティブにすることにより、領域128の各々を最大に加熱し、領域132の各々を適度なレベルにまで冷却することができる。同様に、領域132の各々に冷気を向かわせるように温度スイッチ134を操作し、ヒートシンク140に熱を向かわせるように温度スイッチ136を操作する間に熱電デバイス126および130をアクティブにすることにより、領域132の各々を最大に冷却し、領域128の各々を適度なレベルにまで加熱することができる。
【0052】
図8は本発明の一実施形態による、モーションコントローラへ温度フィードバックを提供するためのシステムを示す説明図である。システムは、コンソール150、ディスプレイ160、カメラ162、およびモーションコントローラ164を含む。コンソール150は、様々な入力を受信し、様々な種類のフィードバックデータを出力するインタラクティブアプリケーションを実行する。また、インタラクティブアプリケーション154は、ディスプレイ160に表示するための音声データ156およびビデオデータ158を出力する。一実施形態では、インタラクティブアプリケーション154はテレビゲームであってもよい。また、別の実施形態では、インタラクティブアプリケーション154はユーザとインタラクトしうるものであればどのような種類のプログラムやアプリケーションであってもよい。
【0053】
モーションコントローラ164は、加速度計、ジャイロスコープあるいは磁力計などの様々な動作検知ハードウェアからデータを検出し、対応する動作検知データ168をコンソール150の動作検出モジュール152へ送信する動作検知モジュール166を含む。さらに、動作検出モジュール152は、モーションコントローラの画像ストリームをキャプチャするカメラ162からのデータを受信する。動作検出モジュール152は、キャプチャした画像ストリームおよび動作検知データ168を分析し、モーションコントローラ164の位置、方向、および動作を決定するようにする。データはインタラクティブアプリケーション154への入力として提供される。さらに、モーションコントローラは、ボタン170を含む。ボタン170がアクティブにされると、コントローラ164は対応するボタンデータ172を生成し、このボタンデータ172をインタラクティブアプリケーション154の入力として送信する。
【0054】
インタラクティブアプリケーション154を実行しているときに、様々な種類のフィードバックデータを生成する。例えば、インタラクティブアプリケーションは、モーションコントローラ164により表示されるべき色を指示するカラーインジケータデータ174を生成する。カラーインジケータデータ174は、モーションコントローラ164の光/色モジュール176へ送信される。光/色モジュール176は、所望の色を表示するためにカラーインジケータデータ174に基づいて1以上のカラーLEDなどの光源をアクティブにして制御する。一実施形態では、アタッチメントまたはモーションコントローラ164の一部を照光することにより色が表示される。また、インタラクティブアプリケーション154は、モーションコントローラ164によって提供される振動フィードバックに対するパラメータを示す振動フィードバックデータ178を生成する。振動フィードバックデータ178は、モーションコントローラ164の振動モジュール180に送信される。この振動モジュールは、所望の振動フィードバックをモーションコントローラ164において生成するための機構を操作するものである。
【0055】
さらに、インタラクティブアプリケーション154は、温度トリガデータ182を生成する。この温度トリガデータは、モーションコントローラ164を介してユーザに温度フィードバックを提供するためのパラメータを示すものである。温度トリガデータ182は、温度効果モジュール184へ送信される。この温度効果モジュールは、所望の温度効果フィードバックを生成するために各種の温度ハードウェアをアクティブにして制御する。本文の他の箇所に記載したように、温度フィードバック効果は、加熱や冷却、そして特にサーマルグリルイリュージョン効果の様々な状態を含みうる。光/色フィードバック、振動フィードバック、および温度フィードバックを含む様々な種類のフィードバックを様々な組合せで相互に同期させて、ユーザに多角的な視覚および内臓フィードバック体験を伝えるようにしてもよい。
【0056】
図9は、本発明の一実施形態による、加熱または冷却されるように構成されたコントローラの表面に対する経時的なアクティベーションレベルを示したグラフである。曲線190は冷却されるように構成された表面に対するアクティベーションレベルであり、曲線192は加熱されるように構成された表面に対するアクティベーションレベルである。当業者であれば、各々の表面に対するアクティベーションレベルは経時的に変化しうるものであることが分かるであろう。例えば、時間194の間はどちらの表面もアクティブにされない。時間196では、ヒートフィードバックを最大にするために加熱された表面だけが最大レベルにまでアクティブにされる。一方で、時間198では、冷たいフィードバック最大にするために、冷却された表面だけが最大レベルにまでアクティブにされる。時間200では、この冷たくされた表面および熱くされた表面がそれぞれの最大レベルにまでアクティブにされる。これにより、上述のように表面の各々が交互に隣り合うように構成されているときにサーマルグリルイリュージョンが生じる。
【0057】
時間、194、196、198、および200では、表面の各々は原則的にはオン・オフの二進法でアクティブにされる。しかし、本発明の各種の実施形態により、アクティベーションレベルは連続的に変化するものであってもよいし、いずれのレベルを超えるものであってもよい。例えば、時間202の間に、冷たくされた表面と熱くされた表面のアクティベーションレベルは経時的に連続して変化する。特定の時間204では、加熱された表面は最大アクティベーションからゼロアクティベーションへと低下しており、一方でこれと同時に、冷却された表面はゼロアクティベーションから最大アクティベーションへと増加している。ユーザに様々な温度フィードバックの知覚体験をさせるために、加熱された表面と冷却された表面の各々を、ゼロ、中程度、および最大アクティベーションレベルを含む様々な組合せにおいて、いずれのアクティベーションレベルにまで同時にアクティブにすることができる。
【0058】
図10は、本発明の一実施形態による、三次元座標空間におけるコントローラを示す説明図である。図示しているように、コントローラ210は三次元の現実世界の座標空間(x、y、z)に存在する。コントローラの位置と動作とは本文中に記載した方法および装置に従いトラッキングされる。コントローラの現在位置は(9、10、5)である。本発明の各種実施形態においては、現実世界の座標空間におけるコントローラの動作が仮想空間における動作に相互に関連づけられるように、現実世界の座標空間が三次元の仮想空間にマッピングされうる。仮想空間は、仮想空間内の特定の場所、あるいは、特定の物体の近くへ移動することで、コントローラが温度フィードバックを提供するように構成されうる。
【0059】
例えば、図示しているように、現実世界空間に相互に関連づけられる仮想空間では、ドアノブ214を有するドア212が存在しうる。仮想空間におけるドアノブの位置は、現実世界の座標空間(10、6、1)に相互に関連づけられたものであってもよい。従って、コントローラ210が相互に関連づけられたドアノブの位置に移動すると、コントローラ210はユーザに対して温度フィードバックを提供することがあり、これは、ドアノブがある特定の温度であるということを示す。例えば、仮想空間のドアの後ろで火が燃えていれば、コントローラの表面を加熱する、またはサーマルグリルイリュージョンを提供する、などによりドアノブが熱いということをユーザに示す温度フィードバックを提供するためにコントローラが加熱されうる。
【0060】
図11Aは本発明の一実施形態による、温度フィードバックを提供するための外装アタッチメントを示す説明図である。図示しているように、コントローラ220はデータポート222を含む。外装アタッチメント224は、コントローラ220のハンドル部分を囲むようにコントローラ220に取り付けられ、ケーブル226を介してデータポート222に接続される。外装アタッチメントは、表面領域225aの加熱や表面領域225bの冷却を別々に、あるいは組み合わせて行うなどの温度フィードバック機構を提供するように構成されている。図11A−1は、コントローラ220から取り外された外装アタッチメント224を示す説明図である。外装アタッチメント224はコントローラ220の付属品であり、コントローラ220から着脱可能なように構成されてよい点に留意されたい。
【0061】
図11Bは本発明の一実施形態による、図11Aの外装アタッチメント224の一部分228を示す断面図である。外装アタッチメント224は熱電デバイス234を互いに断熱する絶縁材料230を含む。熱電デバイスは領域225aと225bの各々をそれぞれ加熱または冷却するようにアクティブにされる。コントローラ232はコントローラ220のデータポート222に動作可能に接続されており、熱電デバイス234の操作を制御する。外装アタッチメント224は、熱電デバイス234を制御し、さらに該デバイスに電力を供給するために、制御データおよび制御電源をデータポート222経由で受信する。
【0062】
図12Aは本発明の一実施形態による温度フィードバックを提供するためのコントローラの一部分を示す断面図である。導体240および242はそれぞれ加熱および冷却されるように構成される。導体240および242の外部露出部分には、コントローラを把持するユーザの肌に接触したときに温度フィードバックを提供する表面領域が画定される。導体240および242は、導体240および242を別々に効率よく加熱および冷却するために、断熱材244により分離される。導体240および242は、熱を効率的に移動させる材料であればどのような材料から構成されてもよく、これにはアルミニウムなどの様々な金属が含まれてよい。また、断熱材244は、導体240および242間の熱移動を効果的に阻止する材料であればどのような材料から構成されてもよく、これには各種のポリマーが含まれてよい。また、断熱材244は、導体240および242の熱膨張と収縮とに耐えることができるように適度に柔軟性があるものであってもよい。
【0063】
図12Bは本発明の一実施形態による温度フィードバックを提供するためのコントローラの一部分を示す断面図である。熱電デバイス250および252は、表面領域256の各々をそれぞれ加熱または冷却するように構成される。熱電デバイス250および252は断熱材254により分離される。
【0064】
図12Cは本発明の一実施形態による温度フィードバックを提供するためのコントローラの一部分を示す断面図である。導体260および262はそれぞれ加熱および冷却されるように構成されており、さらにこれらは断熱材264により分離される。当業者にとっては、導体および断熱材の形状および寸法はかなりの程度まで異なってもよいことは明らかであろう。比較として、図12Cの導体260と262は図12Aの導体240と242と比べると著しく小さい。その他の各種実施形態では、導体の各々はユーザに対して温度フィードバックを提供するのに十分であればどのような寸法や形状であってもよい。
【0065】
図13は本発明の一実施形態による、モーションコントローラを操作中のユーザを示す俯瞰図である。ユーザ270はディスプレイ274に表示されるインタラクティブアプリケーションを見る。ユーザは、モーションコントローラ272を操作し動かすことにより入力を提供するとともにインタラクティブアプリケーションとインタラクトする。一実施形態では、インタラクティブプログラムは、ある特定の空間の領域にモーションコントローラを配置すると、モーションコントローラ272において特定の種類の温度フィードバックがアクティブにされるように構成されうる。例えば、例示の実施形態では、領域276でコントローラを操作しても温度フィードバックも生成されない。一方で、領域278、280、および282へコントローラ272を移動させると、熱いまたは冷たい温度フィードバックのレベルが上昇する。一実施形態では、コントローラ272が領域282へ移動すると、コントローラ272においてサーマルグリルイリュージョンがアクティベートする。この領域は仮想空間のオブジェクトまたは構成要素に相互に関連づけられうる。
【0066】
例えば、一実施形態では、領域282はユーザ270がディスプレイ274に表示されるインタラクティブアプリケーションにおいて見ることができない物体に相互に関連づけられる。ユーザ270は、コントローラ272を動かし、物体の場所を示す温度フィードバックを受信することにより物体の位置を探し出すことができる。例えば、ユーザが領域278および280を通じてコントローラ272を移動させるときに、インタラクティブアプリケーションはコントローラに対して加熱または冷却レベルを上げるように指示を出し、コントローラが領域282に配置されたときに加熱または冷却レベルが最大に達する。一例では、インタラクティブアプリケーションとはテレビゲームであり、物体とはユーザが探さなければならない幽霊である。コントローラが領域278、280、および282に配置されるにつれてコントローラは段々と冷たくなる。これは幽霊の存在を示す。
【0067】
図14は本発明の一実施形態による、温度フィードバックを提供するためのインタラクティブ環境を示す俯瞰図である。ユーザ270はディスプレイ274に表示されるインタラクティブアプリケーションとインタラクトし、モーションコントローラ272を操作することにより入力を提供する。領域290、292、294、および296は、コントローラ272をこれらの領域のうちの1つに配置することにより、コントローラ272の表面領域に温度フィードバックが提供されるように画定される。例えば、ユーザ270がコントローラ272を領域290、292、294および296を通じて前方に操作しているときは、コントローラ272は、加熱レベルまたは冷却レベルを上昇させたものを温度フィードバックとしてユーザ270へ提供しうる。コントローラ272においてサーマルグリルイリュージョンが提供されるように、1以上の領域290、292、294または296が構成されてもよい。
【0068】
図15を参照すると、本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムへの入力を提供するインタラクティブ環境の俯瞰図が示されている。インタラクティブプログラムはディスプレイ274に表示される。区間つまりゾーン300、302、304、および306の各々は、コントローラがこれらの特定ゾーン内に位置するときにコントローラの温度フィードバックが決定される空間領域を画定する。図示している実施形態では、4名のユーザ308、310、312、および314がそれぞれコントローラ309、311、313および315を把持した状態で示されている。ユーザ308、310、312、および314の各々はそれぞれゾーン300、302、304および306に位置した状態で示されている。ゾーンの各々はディスプレイ274の周りに略放射状に配置されている。
【0069】
一実施形態では、ゾーン300、302、304、および306の各々はそれぞれコントローラ309、311、313および315の各々に対する指定ゾーンとして、さらには、コントローラの各々に関連付けられたユーザの指定ゾーンとして機能する。各ユーザに対して指定された空間ゾーンを実装することにより、ユーザの各々が互いに妨害しないように、あるいは互いに干渉しないようにすることができる。例えば、ユーザ354が自身のコントローラ355をその指定ゾーン346の範囲外で、および隣接するゾーン344か348のいずれかで操作していれば、インタラクティブプログラムは温度フィードバック機構をアクティブにするようにコントローラ355へ伝え、これによりユーザ354は、自身のコントローラ355がその指定ゾーンにないことを知らされる。このようにして、インタラクティブプログラムの複数のユーザの位置決めにおける秩序性を高めることができる。
【0070】
図16を参照すると、本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムへの入力を行うインタラクティブ環境の俯瞰図が示されている。インタラクティブプログラムはディスプレイ274に表示される。コントローラ360は対応するゾーン362、364、366、および368を有する。各ゾーンは、コントローラが特定ゾーンに配置されるときにコントローラの温度フィードバックのアクティベーションが決定される空間領域を画定する。図示しているように、ゾーン362、364、366および368の各々は同心円状に配置されている。従って、コントローラ360がこれに対応する、中心に最も近いゾーン362から外側に動かされるときは、コントローラはゾーン364、366および368の順番で通過することになる。同様に、第2コントローラ370は対応するゾーン372、374、376および378を含む。また、これらのゾーン372、374、376および378も同心円状に配置されている。領域A、B、CおよびDに示すように、2つのコントローラ360および370に対応する同心円ゾーンは様々な方法で相互に交差する。領域Aは、コントローラ360に対応するゾーン364と、コントローラ370に対応するゾーン378とが交差する部分である。領域Bは、コントローラ360に対応するゾーン366と、コントローラ370に対応するゾーン378とが交差する部分である。領域Cは、(コントローラ360の)ゾーン366と(コントローラ370の)ゾーン376とが交差する部分である。領域Dは、(コントローラ360の)ゾーン368と(コントローラ370の)ゾーン376とが交差する部分である。従って、同一の空間位置が一方のコントローラの1つのゾーンに対応し、さらに他方のコントローラの別のゾーンにも対応する場合がある。
【0071】
現在例示している実施形態では、部分的に重なるゾーンを有する2つのコントローラに関して記載されているが、他の実施形態では、様々な方法で構成されたゾーンを有する2以上のコントローラが存在してもよい。各々のゾーンは各コントローラに対して同一のものであってもよい。あるいは、各々のゾーンは、各々のゾーンが影響を及ぼす温度フィードバックの機能性に応じて各特定のコントローラに対して異なるものであってもよい。例えば、多人数参加型ゲームでは、各プレーヤの役割はそれぞれ異なるものであってもよい。また、各プレーヤは、キャラクタのタイプ、武器等、などをカスタマイズ可能なオプションを有することができる。このような多様な形態を特徴とする多人数参加型ゲームにおいては、温度フィードバックの機能性を各コントローラに及ぼすために、一連の異なるゾーンが利用されうる。したがって、各プレーヤは、各々のコントローラデバイスに割り当てられた一連の異なるゾーンを有しうる。これらのゾーンは、各コントローラデバイスに対するゾーンの位置に応じて様々な方法で部分的に重なり合ってもよい。
【0072】
図17を参照すると、本発明の一実施形態による、インタラクティブプログラムへ入力を提供するためのインタラクティブ環境の側面図が示されている。インタラクティブプログラムはディスプレイ274に表示される。ゾーン380、382、383、384、386、388、390および392の各々は、コントローラ272が特定ゾーンに配置されるときにコントローラ272の温度フィードバック機構のアクティベーションが決定される空間領域を画定する。図示しているように、ゾーンの各々は位置394の周りに放射状に配置されている。従って、ディスプレイ274に向かってコントローラ272を把持しているユーザは、コントローラを上下に振ることにより各種ゾーンを通じてコントローラ272を操作することができる。ユーザがそのようにコントローラ272を操作すると、コントローラは通常弧をたどる。これによりコントローラはゾーンの各々を通り抜けることになる。一実施形態では、コントローラ100をゾーン394からゾーン392、390、388、386、384、382を通ってゾーン380まで上方に動かすと、次のゾーンに移る度に、コントローラ272の加熱レベルまたは冷却レベルが増加する。反対方向に動かすと、コントローラ272の加熱レベルまたは冷却レベルが低下する。本発明の他の実施形態では、ゾーンの各々は様々な方法でグループ化されてもよい。例えば、コントローラ272がゾーン380、382、384、および386のいずれかに存在するときは、コントローラ272は、コントローラ100の位置(ゾーン380、382、384あるいは386のいずれか)に応じたレベルを熱い温度フィードバックに与える。一方で、コントローラがゾーン388、390、または394のいずれかにあるときは、コントローラ272は、コントローラの位置(ゾーン388、390、392あるいは394のいずれか)に応じたレベルを冷たい温度フィードバックに与える。その他の実施形態では、各々のゾーンは、インタラクティブプログラムに適切ないずれの方法でグループ化されてもよい。
【0073】
当業者にとっては、コントローラに温度フィードバックを提供するために本文に記載した原理を様々なインタラクティブプログラムの場面で適用することができることは明らかであろう。以下、いくつかの例示の実施形態を示すが、これらは限定を目的としたものではなく、単なる例示として示される。
【0074】
例えば、一実施形態では、ユーザはテレビゲームの仮想環境においてキャラクタの動作を制御する。キャラクタが低温環境に入ると、コントローラは冷たいフィードバックを示し、高温環境に入ると、コントローラは熱いフィードバックを示す。キャラクタが特にダメージを受けた環境または危険な環境に入ると、コントローラはサーマルグリルイリュージョンを示しうる。
【0075】
一実施形態では、ユーザはコントローラを操作することによりテレビゲームにおけるキャラクタの手を制御する。キャラクタの手が低温環境に向かって、あるいは低温環境に伸ばされると(例えば、手を冷水に漬ける)、コントローラは冷たいフィードバックを示す。一方で、キャラクタの手が低温環境に向かって、あるいは高温環境に伸ばされる(例えば、火の方向に向ける)と、コントローラは熱いフィードバックを示す。
【0076】
一実施形態では、ユーザはテレビゲームにおける物体の動作を制御するためにモーションコントローラを操作する。ユーザが物体を操作してその他の物体を打つときに、あるいはその他の方法で物体とインタラクトするときに、コントローラは温度フィードバックを提供する。例えば、ユーザはモーションコントローラを振り動かして剣闘における剣を制御することができる。ユーザにより制御された刀が相手の刀を繰り返して突くときに、ユーザのコントローラは熱いフィードバックのレベルを徐々に上げる。あるいは、別の実施形態では、ユーザはボールを打つためにラケット、バット、あるいはクラブを振る。ボールが正しく打たれなければ、コントローラはサーマルグリルイリュージョンを示す。
【0077】
一実施形態では、ユーザはテレビゲームの武器の発砲を制御する。武器が繰り返し発砲すると、武器は熱くなることがある。コントローラは熱いフィードバックをさらに熱くして、この事実をユーザに知らせるようにしてもよい。ある時点で武器が操作不可能となる場合がある。その際にユーザは武器を再び発砲できるようになるまで、武器が冷えるのを待つ必要がある。また、このことは、熱いフィードバックのレベルを下げるかコントローラを積極的に冷やすことによってもユーザに示されうる。さらに、コントローラは温度フィードバックと併せて発光フィードバックを示すことができる点に留意されたい。例えば、武器がヒートアップすると、コントローラのライトは青色や緑色からオレンジ色や赤色といった、寒色から暖色へと変化しうる。同様に、武器が冷えると、その色は寒色へ戻りうる。
【0078】
一実施形態では、ユーザはテレビゲーム中のアイテムをチャージし、その後ディスチャージする。アイテムのチャージは温度フィードバックと相互に関連づけることができる。例えば、アイテムがチャージされているときにコントローラを熱くするか冷たくし、アイテムがすでにディスチャージされているときは、この逆を行う。一実施形態では、ユーザは戦闘に参戦するキャラクタを制御しうる。キャラクタが敵の発砲により、あるいは爆発やその他ダメージを与える事件により撃たれるときは、コントローラはサーマルグリルイリュージョンを示しうる。一実施形態では、ユーザのキャラクタが電気ショックを受けたときに、コントローラにサーマルグリルイリュージョンが提供される。
【0079】
あるテレビゲームでは、ユーザがある特定の時間の間に多くの敵を打ち破るためにキャラクタを制御しているときに、キャラクタは特殊攻撃のためのエネルギーを得ることがある。この特殊攻撃のチャージは、例えばコントローラの表面を加熱によるなどの温度フィードバックによりコントローラに示されうる。同様に、これと同時にコントローラの照光部分の明度または色を変更して、この特殊攻撃のチャージを示すようにしてもよい。
【0080】
一実施形態では、ユーザは、画面上に見えないか、そうでなければユーザに知られていない物体の存在を見つけ出すためにコントローラを利用する。ユーザはコントローラをそれぞれのインタラクティブ環境の周囲で操作し、物体の存在を示す温度フィードバック(例えば、熱いフィードバックまたは冷たいフィードバック)を受信する。
【0081】
さらに、ユーザのインタフェース能力を高めるために、温度フィードバックを提供するための上述の各種実施形態および原理をバイオメトリックデータと併せて利用してもよい。一実施形態では、コントローラは、上記に詳述したように、温度フィードバックを提供するための機構を含み、さらに、ユーザのバイオメトリックデータを検出するための機構を含む。インタフェースデバイスに利用されているバイオメトリックセンサの例は、2010年12月8日に出願の、発明者をGeorge Weisingとし、発明の名称を「BIOMETRIC INTERFACE FOR A HANDHELD DEVICE」とする米国特許出願第12/963,594号に記載されており、上記出願は参照のために全体が本願に組み込まれている。各種の実施形態では、様々な構成で温度フィードバックおよびバイオメトリックセンサが利用されうる。
【0082】
例えば、一実施形態では、インタラクティブアプリケーションはコントローラデバイス上のバイオメトリックセンサから受信した各種のバイオメトリックデータを監視し、このバイオメトリックデータに基づいてコントローラに温度フィードバックを開始する。バイオメトリックデータに関連して提供される温度フィードバックの種類は異なるものであってよい。例えば、一実施形態では、インタラクティブアプリケーションが電気皮膚反応(GSR:Galvanic Skin Resistance)の低下を感知し、これがユーザの手が発汗していることを示す可能性がある場合は、インタラクティブアプリケーションはコントローラにおいて冷たいフィードバックを開始することも可能である。あるいは逆に、GSRが増加すると、インタラクティブアプリケーションは熱いフィードバックを開始することも可能である。同様に、心電データや電気-筋肉データ(EMD:Electro-Muscular Data)に基づいて冷却フィードバックまたは加熱フィードバックを開始してもよい(例えば、心拍数や電気-筋肉アクティビティが増加すると、冷却フィードバックが提供され、これは、ユーザのストレスが増加していることを示す)。
【0083】
他の実施形態では、インタラクティブアプリケーションによりコントローラにおいて開始された温度フィードバックは、バイオメトリックセンサからコントローラに感知されたバイオメトリック情報による影響を受けることがある。例えば、一実施形態では、インタラクティブアプリケーションにより開始される温度フィードバックの大きさは、GSR、心電データ、および電気-筋肉データなどのバイオメトリックインジケータ基づいて決定されたユーザの相対ストレスレベルに関連することがある。低ストレスユーザはごく僅かな大きさの温度フィードバックだけで感覚に訴えることができるので、インタラクティブアプリケーションは低ストレスレベルを示すユーザに対して大きさの低い温度フィードバックを開始することも可能である。一方で、高ストレスユーザは、高ストレス状態であっても充分なまでに温度フィードバックが大きなものでなければ温度フィードバックを感じることができないので、インタラクティブアプリケーションは高ストレスレベルを示すユーザに対して大きさの大きな温度フィードバックを開始することも可能である。
【0084】
さらに別の実施形態では、インタラクティブアプリケーションは、バイオメトリックデータに基づいて温度フィードバックを提供することについての効果を測定しうる。インタラクティブアプリケーションは温度フィードバックが提供されるときにユーザの相対ストレスレベルを監視し、温度フィードバックの大きさを高めるべきか低下させるべきか、あるいはその大きさが適正であるかどうかを判断する。例えば、サーマルグリルイリュージョンが開始し、その結果生じる、バイオメトリックデータに基づいて決定されたユーザのストレスレベルの変化を利用して、サーマルグリルイリュージョンのレベルを上げるべきか下げるべきかを判断し、所望のストレスレベルを実現することも可能である。後続のサーマルグリルイリュージョンを開始するために、この上げられた、または下げられたレベルを使用することも可能である。
【0085】
バイオメトリックデータとともに温度フィードバックを利用した上述の各々の例は単なる例示であって限定するものではない。他の実施形態では、インタラクティブアプリケーションは、様々に可能な構成において監視されたバイオメトリックデータに基づいて温度フィードバックを適用するように構成されうる。温度フィードバックの開始および終了時間、大きさのレベル、上昇率または低下率、または様々なその他のパラメータは、バイオメトリックデータに基づき、いずれの方法でも調整されうる。
【0086】
別の実施形態では、コントローラは周辺温度を感知するための温度センサを含みうる。この周辺温度に関連してコントローラの加熱および冷却の制御が可能である。例えば、コントローラを把持しているユーザに、より一層快適な体験をさせるように、コントローラの表面は、周辺温度が低いときは熱くされ、周辺温度が高いときは冷たくされうる。
【0087】
別の実施形態では、コントローラは、ユーザがコントローラを把持したときにユーザの手の温度を測るための温度センサを含みうる。ユーザの手が冷たいときは、コントローラの表面は熱くされ、ユーザの手が熱いときは、コントローラの表面は冷たくされうる。
【0088】
さらに別の実施形態では、コントローラは、本文に記載した熱電デバイスとともに操作する1以上のファンを含みうる。1つあるいは複数のファンは、熱電デバイスにより熱くされた、または冷たくされた空気をユーザの肌に吹きかけるように構成されうる。一実施形態では、熱電デバイスの一方に生成された熱風がユーザの肌に向けて吹きかけられた場合、熱電デバイスの反対側に生成された冷風がコントローラから排気される。これとは逆に、熱電デバイスの一方に生成された冷風がユーザの肌に向けて吹きかけられた場合、反対側に生成された熱風が排気される。
【0089】
概して、本明細書に示した本発明の実施形態はモーションコントローラに関して記載しているが、当業者にとっては、本発明の原理が各種のゲームコントローラ、キーボード、マウスデバイスなどを含む様々な種類のコントローラに適用されうることは明らかであろう。例えば、一実施形態では、キーボードを操作中のユーザの手に向かって、熱風や冷風を吹きかけるようにキーボードを構成することができる。
【0090】
本明細書に記載したコントローラの形状は様々であり、さらにコントローラは様々な特徴を備えうることは明らかであろう。一実施形態では、コントローラはハンドルおよび拡張機能を提供する分離されたアタッチメントから構成されうる。図18は本発明の一実施形態による拡張コネクタ502を備えたコントローラのハンドル524の構成要素を示す説明図である。特許請求の精神および範囲内において定義されたコントローラの各々が有する構成要素の数は増減してもよいが、このような構成要素の例は、電子回路、ハードウェア、ファームウェア、および操作可能な例を定義するためのハウジング構造の実例を示す。しかし、構成要素の数は増減してもよいため、これらの構成要素の例は請求項に関わる発明を制限すべきでない。ハンドル524は、コントローラを操作中のユーザにより片手で把持されるように構成されている。ユーザのもう一方の手は、当然、ハンドル524のボタンを保持あるいは選択するために使用されうる。コントローラを把持しているユーザは、上ボタン510や下ボタン508などのボタンを押下げすることにより入力を提供することができる。さらに一実施形態では、図20Aなどに示しているようなアタッチメントがハンドル524に結合されているときは、三次元空間内でコントローラを動かすことによって入力を提供することができる。コントローラはワイヤレスで動作するように構成されており、これにより、コントローラがコンピュータおよびコンソールとインタラクトするために、コントローラを自由に動かすことが可能となる。無線通信は、ブルートゥース(BlueTooth(登録商標))無線リンク、WiFi、赤外線(不図示)リンク経由などの様々な方法で実現することができる。
【0091】
ハンドル524へ拡張機能を提供するアタッチメントの各々は、拡張コネクタ502へ接続及び取り外しされる。一実施形態では、アタッチメントを用いることで、ベースコンピューティングデバイスはカメラによって撮像された画像を視覚的に認識することで、三次元空間にハンドルとアタッチメントの組み合せを配置することが可能になる。その他の各実施形態は、例えばベースコンピュータまたはプレイフィールドのその他のコントローラと超音波通信するアタッチメントのような付加的通信機能をコントローラへ提供する。さらに別の実施形態では、アタッチメントは、コントローラがベースコンピュータと赤外振動数を介して通信できるように、または、コントローラをTVやその他の電子装置用のリモコン装置として使用するように、赤外機能を提供する。
【0092】
一実施形態では、アタッチメントはコンピュータと直接通信し、コンピュータから命令を受信すると起動するようにされており、例えば、内側のライトをオンにしたり、音を出す場合などが挙げられる。別の実施形態では、アタッチメントはハンドル524により直接的に制御されてハンドル524からの命令にだけ反応する。さらに別の実施形態では、アタッチメントはコンピュータまたはハンドルから受信した命令に反応しうる。
【0093】
ハンドル524の内部では、プリント回路基板516は、プロセッサ512、入力/出力(I/O)モジュール506、メモリ516、およびBluetooth(登録商標)モジュール518を有し、これらはバス522により相互接続されている。また、ユニバーサルシリアルバス(USB)モジュール520は、ベースコンピューティングデバイスあるいはUSBポート532に接続されているその他のデバイスとのインタラクティビティを提供する。再充電式バッテリ530を充電するためにUSBポートを使用してもよい。振動触覚フィードバックは、振動触覚モジュール528により提供され、温度フィードバックは温度モジュール529により提供される。スピーカ526は音声出力を行う。
【0094】
上記コントローラの構成は例示に過ぎず、本明細書を参照する多くの当業者はモジュールの削除と追加とを含む多くの変更例を想到でき、これらも同様に請求項に関わる発明の範囲に含まれる。例えば、コントローラはコントローラの動きを機械的にトラッキングするためのセンサも備えてもよい。
【0095】
図19は一実施形態による動作トラッキングを改善するためのセンサを有するコントローラ20を示す説明図である。実施形態によって、磁力計534、加速度計536、ジャイロスコープ538などのセンサの組み合せが異なる。加速度計は加速度と、重力に起因する反力とを測定するための装置である。異なる方向での加速度の大きさや方向を検出するために一軸モデルと多軸モデルとを使用することができる。加速度計は、傾斜、振動、および衝撃を検出するために使用される。一実施形態では、2角度(世界空間ピッチおよび世界空間ロール)の絶対基準となる重力の方向を提供するために3台の加速度計536が使用される。コントローラが5G越の加速度を受ける可能性もあり、このため、5G越の力でも動作可能な加速度計がコントローラ100内部に使用されている。
【0096】
磁力計はコントローラ近くの磁界の強度と向きとを測定する。一実施形態では、コントローラ内部に3台の磁力計534が使用されており、世界空間ヨー角度の絶対基準を規定している。磁力計は、±80マイクロテスラである地磁界の範囲をカバーするように設計されている。磁力計は、金属の影響を受け、実際のヨーと単調関係を示すヨー測定値を提供する。磁界は、環境に存在する金属の影響で歪むことがあり、このため、ヨー測定値に歪みが生じる。必要に応じて、この歪みを、ジャイロ(下記参照)またはカメラからの情報を使用して較正することができる。一実施形態では、加速度計536は、コントローラの傾斜および方位角を取得するために、磁力計534と共に使用される。
【0097】
ジャイロスコープは、角運動量の原理に基づいて、向きを測定および保持するための装置である。一実施形態では、3台のジャイロスコープが、検知された慣性に基づいて、各軸(x、yおよびz)の移動に関する情報を提供する。ジャイロスコープは、高速回転の検出を補助する。しかし、ジャイロスコープは、絶対基準が存在しなければ、時間が経つとずれが生じることがある。このため、ジャイロスコープの定期的なリセットが必要であり、このリセットは、ディスプレイ106の視覚トラッキング、加速度計、磁力計など等の他の入手可能な情報を使用して行なうことができる。ハンドヘルドデバイスは500°/秒より高速に回転することがあるため、1000°/秒を超える性能を有するジャイロスコープが推奨されるが、これより低い値でもよい。
【0098】
図20Aは「リッチな」機能セットを備えたハンドル524用アタッチメント602を示す説明図である。図20Aに示した実施形態は例示的なものであり、その他の実施形態ではアタッチメント602の一部の特徴を含みうることは明らかである。従って、図20Aに例示の実施形態は排他的あるいは限定的に解釈されるべきではなく、むしろ例示的であると解釈されるべきである。
【0099】
球形アタッチメント602の様々なモジュールは共通バスを経由して相互接続されるが、その他の相互接続機構も可能である。コネクタ604はアタッチメント602をコントローラに接続し、またはアタッチメント602から分離するためのインタフェースを提供する。アタッチメント602によりコンピュータ命令の処理がなされるように、アタッチメント602はプロセッサまたは回路、さらにメモリを含む。さらに、アタッチメント602は、超音波、赤外線およびWiFiなどの通信モジュールを含む。そのような通信により、アタッチメントによるコンピュータやその他の電子装置との通信が可能になる。これは、本文中ではコントローラとコンピュータまたはその他いずれの電子装置との間での通信インタフェースと称される。一実施形態では、アタッチメントは、コントローラから情報を受信し、この情報をコンピュータへ送信する(さらにこの逆も同様)ことにより、モデムとして動作する。
【0100】
アタッチメントにより受信され、コントローラへ送られた情報を使用してコントローラの状態が変更される。例えば、コントローラは音を出し、ボタンの構成を変更し、コントローラを無効にし、メモリのレジスタを読み込み、発光するようにアタッチメントに命令を送ることができる。コンピュータにより受信された情報はインタラクティブプログラムにより使用され、インタラクティブプログラムの状態がアップデートされる。例えば、インタラクティブプログラムは、画面上のアバタを移動させるかアバタの状態を変更する、武器を発砲する、ゲームを開始する、メニューのオプションを選択する、等をしてもよい。
【0101】
加速度計、磁力計、およびジャイロスコープは、アタッチメントの動きに関連する機械的情報を提供する。一実施形態では、コントローラとアタッチメントの組み合せの位置を正確に決定するために、この機械的情報または慣性情報がディスプレイの視覚的トラッキングなどのその他の位置決定情報と結合される。
【0102】
ユーザにフィードバックを提供するために、内部発光素子により内側からアタッチメントを照光することができる。一実施形態では、発光素子は単色光を発してもよいし、別の実施形態では、発光素子が選択された色の光を発するように構成されてもよい。更に別の実施形態では、アタッチメント602が、それぞれ単色光を発する複数の発光素子を備えてもよい。発光素子は、異なる明るさレベルで発光するように構成可能である。コンピュータは、アタッチメント602の発光状態を変更することによって、コントローラを把持しているユーザとのインタラクティビティを提供したり、音声信号を発生させたり、振動触覚的フィードバックなどを提供してもよい。これらのフィードバック操作のいずれか、またはこれらの組合せが可能である。一実施形態では、フィードバックの種類が、あらかじめ定義されたインタラクティビティの一覧から、ゲームで発生中のイベントに基づいて選択される。
【0103】
マイクロフォンとスピーカが音声機能を提供し、バッテリがプロセッサおよび発光素子を含むその他の構成要素に電力を供給する。また、バッテリが第2電源としてハンドルにより使用されてもよい。例えば、コントローラの再充電式バッテリが放電した場合、アタッチメントは所要の電力を供給することができ、これによりユーザはコントローラを充電するためにプレイを中断するせずにプレイを続けることができる。一実施形態では、アタッチメント602はバッテリを含まず、アタッチメント602のモジュールの各々の電力は、ハンドルの電源と接続することにより得られる。
【0104】
USBモジュールはアタッチメント間でのUSB通信を可能にする。一実施形態では、アタッチメントのバッテリを充電するためにUSB接続が使用される。さらに別の実施形態では、アタッチメント602はコントローラ、コンピュータ、コントローラおよびコンピュータの双方に転送されるファイルをメモリに含む。メモリ内のファイルの各々は、コントローラまたはゲームシステムで実行するために転送される構成ファイルまたは構成プログラムを含むことができる。ファイルの各々は、特定ユーザの識別のため、コントローラまたはベースシステムを構成するため、ゲームを読み込むため、既存のゲームに機能を追加するため等に使用することができる。例えば、一方では、ファイルはプレイのためにコンピュータへ読み込まれるゲームであり、もう一方では、ファイルは、シングアロングゲーム(sing-along game)で使用されうるカラオケソングを含むものであり、もう一方では、ファイルはスポーツゲームをアップデートするための新たなプレーヤの登録名簿や統計値を含む、等であってもよい。さらに、ユーザのパラメータ(例えば、特定のゲームに対するプレーヤの構成)を保存するためにアタッチメントが使用されてもよい。その後プレーヤは、別のゲームシステムでこのアタッチメントを使い、当初のゲームシステムから取得した構成を用いて他のプレーヤとプレイすることができる。
【0105】
図20Bは、図20Aのアタッチメントが図18のコントローラに接続された実施形態を示している。一実施形態では、アタッチメント602はUSBなどの通信インタフェースを経由してコントローラ524とインタラクトする。別の実施形態では、アタッチメント602はコントローラ524内の1つまたは複数の内部モジュールと電気通信している。例えば、(図20Aに示すように)アタッチメント602のプロセッサ/回路は(図18に示すように)コントローラ524のバス522に接続されている。従って、アタッチメント602のプロセッサは、バスに取り付けられたコントローラのモジュールと通信することができる。アタッチメント602のプロセッサはデータを直接ライトまたはリードするためにメモリ516へアクセスすることができ、または、プロセッサ512により処理される必要がある外部イベントを知らせるためにコントローラ524のプロセッサ/回路512に対して割り込みを生成することができる。
【0106】
図20Bに示した実施形態は例示的なものであり、他の実施形態では構成要素が少なくてもよい。
【0107】
さらに、アタッチメント602は永久的に装着されるように、または着脱可能に構成されてもよい。アタッチメント602は様々な構成からなる成形物であってもよい。一実施形態では、成形物はプラスチックから形成される。プラスチックはソフトプラスチック、ハードプラスチック、または中程度の硬さのプラスチックであってよい。成形あるいは変形可能なプラスチックを使って形状を定義する場合は、その形状を強制的に特定のものとし、その状態が維持される。別の実施形態では、成形物を有するコントローラは、使用中、または使用の前後において、ユーザが成形物を握るか押しつぶした場合、常に元の形状に跳ね返る。
【0108】
さらに別の実施形態では、成形物は半透明のプラスチック材料から構成される。半透明のプラスチック材料は、成形物内に生成された光により該形状が照光されるように構成される。成形物内に生成される光は、光を生成する装置であればどのような装置によっても生成されてよい。一実施形態では、該装置は発光ダイオードである。上述の、および以下の図に記載しているどの成形物も半透明のプラスチック材料から構成することができる。半透明のプラスチック材料は、射出成形技術またはその他の適切な構成技術により定義されうる。他の実施形態では、成形物はアルミニウムなどの金属材料、またはその他の金属から生成されうる。さらに別の実施形態では、成形物は硝子タイプの材料やセラミックなどから形成されうる。一実施形態では、コントローラのハンドル以外にもユーザが指で握ることができる場所を提供するために、コントローラのハンドルにハンドストラップが結合される。例えば、ユーザがコントローラ本体から手を放したとしても、結合されたハンドストラップにより、コントローラがユーザの手に固定される。一実施形態では、結合されたハンドストラップはプラスチック材料から形成されてよい。プラスチック材料は、ゴム引きされた材料または発泡型の材料などの柔軟な材料であってよい。別の実施形態では、結合されたハンドストラップは、布地、ポリエステル材料、または、繊維材料材料から作られてもよい。さらに別の実施形態では、コントローラハンドルが硬質プラスチック材料で作られているのであれば、結合されたハンドストラップは、コントローラハンドルの材料と同類の硬質プラスチック材料から作られてもよい。コントローラハンドルには、ユーザがコントローラデバイスとインタフェースするときにユーザが利用しやすい位置に各種のボタンが設けられる。例えば、コントローラボタンには、押下げ操作、トリガ操作、ジョイスティック操作などを可能にする、典型的なゲーム型ボタンが含まれうる。
【0109】
上述したように、グリップ部は、柔らかさ、柔軟性、およびコントローラを利用するユーザに快適さを与える材料であればどのような材料から形成されてもよい。また、コントローラは少なくとも一方の側にボタンを含む。さらに、コントローラは少なくとも一方の側にトリガボタンを含みうる。グリップの材料は、コントローラ本体にわたって層状に重ねることにより提供されてもよいし、コントローラ本体と一体的に形成されてもよい。コントローラ本体の一方の端部には、成形部位が定義される。一般に、この成形部位は、成形物の形状を問わずコントローラに一体化されうることを強調するように示される。したがって、コントローラおよび成形物の形状は、所望の構成に最も適した形状を有することになり、よって、設計者にとって最も喜ばしい設計をすることができる。
【0110】
グリップ部の材料をコントローラハンドルに適用することもできるし、グリップ材料をコントローラハンドルと一体化してもよい。グリップ部の材料およびコントローラハンドルの形状は、ユーザがより快適にコントローラ本体を把持することができるように曲線を帯びるように成形されたものであってもよい。一実施形態では、コントローラハンドルはボタンを全く含まないものであってもよい。別の実施形態では、コントローラは複数のボタンを含む。これらのボタンは、コントローラハンドルの、ユーザが最も効率的に利用できる位置に設けられてよい。したがって、成形された位置は、コントローラハンドルの一方の端部に接続されうる。
【0111】
図21は、本発明の一実施形態による、温度フィードバックを提供するために利用されうるハードウェアおよびユーザインタフェースである。図21は、本発明の各実施形態による、コントロールデバイスを、ベースコンピューティングデバイスで実行中のコンピュータプログラムとインタフェースさせるために互換性を有しうるコンソールであるソニー(登録商標)プレイステーション3(登録商標)エンターテイメントデバイスのシステムアーキテクチャ全体を模式的に示す。システムユニット700は、システムユニット700に接続可能なさまざまな周辺機器を備える。システムユニット700は、Cellプロセッサ728、Rambus(登録商標)ダイナミックランダムアクセスメモリ(XDRAM)ユニット726、専用のビデオランダムアクセスメモリ(VRAM)ユニット732を有するReality Synthesizerグラフィックユニット730、およびI/Oブリッジ734を備える。また、システムユニット700は、I/Oブリッジ734を介してアクセス可能な、ディスク740aから読み出すためのブルーレイ(登録商標)ディスクBD−ROM(登録商標)光ディスクリーダ740、および着脱可能なスロットインハードディスクドライブ(HDD)736も備える。任意選択で、システムユニット700は、同様にI/Oブリッジ734を介してアクセス可能な、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリカード、メモリースティック(登録商標)メモリカードなどを読み出すためのメモリカードリーダ738も備える。
【0112】
また、I/Oブリッジ734は、6つのユニバーサルシリアルバス(USB)2.0ポート724、ギガビットイーサネット(登録商標)ポート722、IEEE 802.11b/g無線ネットワーク(Wi−Fi)ポート720、および最大7つのブルートゥース接続に対応可能なブルートゥース(登録商標)無線リンクポート718にも接続している。
【0113】
動作時に、I/Oブリッジ734は、1台以上のゲームコントローラ702〜703からのデータを含む、全ての無線、USB、およびイーサネット(登録商標)のデータを処理する。例えば、ユーザがゲームをプレイ中に、I/Oブリッジ734はブルートゥースリンクを介してゲームコントローラ702〜703からデータを受信して、これをCellプロセッサ728に転送し、Cellプロセッサ728が適宜ゲームの現在の状態を更新する。
【0114】
また、無線、USB、およびイーサネット(登録商標)の各ポートを介して、ゲームコントローラ702〜703のほかに、他の周辺機器も接続することが可能となる。このような周辺機器には、例えば、リモコン704、キーボード706、マウス708、ソニープレイステーションポータブル(登録商標)エンターテイメントデバイスなどのポータブルエンターテイメントデバイス710、EyeToy(登録商標)ビデオカメラ712などのビデオカメラ、マイクロフォンヘッドセット714、マイクロフォン715などがある。このため、これらの周辺機器は、原則としてシステムユニット700に無線で接続されうる。例えば、ポータブルエンターテイメントデバイス710はWi−Fiアドホック接続を介して通信し、マイクロフォンヘッドセット714はブルートゥースリンクを介して通信しうる。
【0115】
これらのインタフェースを提供することにより、プレイステーション3デバイスは、デジタルビデオレコーダ(DVR)、セットトップボックス、デジタルカメラ、ポータブルメディアプレーヤ、VoIP電話、携帯電話、プリンタ、およびスキャナなどの他の周辺機器と場合によっては互換となりうる。
【0116】
更に、USBポート724を介して旧式メモリカードリーダ716をシステムユニットに接続することができ、プレイステーション(登録商標)デバイスまたはプレイステーション2(登録商標)デバイスで用いられていたタイプのメモリカード748の読み出しが可能となる。
【0117】
ゲームコントローラ702〜703は、ブルートゥースリンクを介してシステムユニット700とワイヤレスで通信するか、あるいは、USBポートと接続され、これにより、ゲームコントローラ702〜703のバッテリを充電する電力を供給するように動作可能である。また、ゲームコントローラ702〜703は、メモリ、プロセッサ、メモリカードリーダ、フラッシュメモリなどの恒久メモリ、照光された球形部分、LEDまたは赤外線ライトなどの発光素子、超音波通信のためのマイクロフォンおよびスピーカ、アコースティックチャンバ、デジタルカメラ、内部クロック、ゲームコンソールに対向する球形部分等の認識可能な形状、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)などのプロトコルを使用する無線通信も有しうる。
【0118】
ゲームコントローラ702は両手で使用されるように設計されたコントローラであり、ゲームコントローラ703は、アタッチメントが取り付けられている片手コントローラである。ゲームコントローラは、1つ以上のアナログジョイスティックおよび従来のコントロールボタンに加えて、三次元位置決定の対象となる。したがって、従来のボタンまたはジョイスティックコマンドに加えて、あるいはこれらの代わりに、ゲームコントローラのユーザが行なったジェスチャおよび移動が、ゲームへの入力として変換されうる。任意選択で、プレイステーション(登録商標)ポータブルデバイスなどの他の無線対応の周辺機器をコントローラとして使用することができる。プレイステーション(登録商標)ポータブルデバイスの場合、追加のゲーム情報または制御情報(例えば制御命令またはライブの数)が、当該デバイスの画面に提示されうる。ほかの代替的または補助的な制御装置が使用されてもよく、これには、ダンスマット(不図示)、ライトガン(不図示)、ハンドルおよびペダル(不図示)、あるいは、即答クイズゲームのための1つまたは複数の大型のボタン(これも図示なし)などの特注品のコントローラなどがある。
【0119】
また、リモコン704も、ブルートゥースリンクを介してシステムユニット700と無線通信するように動作可能である。リモコン704は、ブルーレイ(登録商標)ディスクBD−ROMリーダ540の操作、およびディスクの内容の閲覧のために適した制御を備える。
【0120】
ブルーレイ(登録商標)ディスクBD−ROMリーダ740は、従来の記録済みCD、記録可能CD、およびいわゆるスーパーオーディオCDのほか、プレイステーションデバイスおよびプレイステーション2デバイスと互換のCD−ROMを読み出すように動作可能である。また、リーダ740は、従来の記録済みDVDおよび記録可能DVDのほか、プレイステーション2デバイスおよびプレイステーション3デバイスと互換のDVD−ROMを読み出すように動作可能である。更に、リーダ740は、従来の記録済みブルーレイディスクおよび記録可能ブルーレイディスクのほか、プレイステーション3デバイスと互換のBD−ROMを読み出すように動作可能である。
【0121】
システムユニット700は、Reality Synthesizerグラフィックユニット730を介して、プレイステーション3デバイスによって生成またはデコードされた音声およびビデオを、音声コネクタおよびビデオコネクタ経由で、ディスプレイ744および1つ以上のスピーカ746を備えた表示および音声出力デバイス742(モニタまたはテレビ受像機など)に提供するように動作可能である。音声コネクタ750は、従来のアナログ出力およびデジタル出力を備える一方、ビデオコネクタ752は、コンポーネントビデオ、S−ビデオ、コンポジットビデオ、および1つ以上の高品位マルチメディアインタフェース(HDMI)の出力などを種々備えうる。したがって、ビデオ出力は、PALまたはNTSC、あるいは720p、1080iまたは1080pの高解像度などのフォーマットであってもよい。
【0122】
音声処理(生成、デコードなど)はCellプロセッサ728によって実行される。プレイステーション3デバイスのオペレーティングシステムは、ドルビー(登録商標)5.1サラウンドサウンド、ドルビー(登録商標)シアターサラウンド(DTS)、およびブルーレイディスクからの7.1サラウンドサウンドのデコードに対応している。
【0123】
本実施形態では、ビデオカメラ712は、1つの電荷結合素子(CCD)、LEDインジケータ、およびハードウェアベースのリアルタイムデータ圧縮およびエンコード装置を備え、圧縮ビデオデータが、システムユニット700によるデコードのために、イントラ画像ベースのMPEG(Motion Picture Expert Group)標準などの適切なフォーマットで送信されるようになる。カメラのLEDインジケータは、例えば不利な照明条件を示す適切な制御データをシステムユニット700から受け取ると、発光するように配置されている。ビデオカメラ712の実施形態は、USB、ブルートゥースまたはWi−Fiの通信ポートを介して、システムユニット700にさまざまな方法で接続しうる。ビデオカメラの実施形態は、1つ以上の関連するマイクロフォンを備えており、音声データを送信することができる。ビデオカメラの実施形態では、CCDは、高解像度のビデオキャプチャに適した分解能を備えうる。使用時に、ビデオカメラによってキャプチャされた画像が、例えば、ゲーム内に取り込まれるか、またはゲームの制御入力として解釈されうる。別の実施形態では、カメラは、赤外光の検出に適した赤外線カメラである。
【0124】
一般に、システムユニット700の通信ポートの1つを介して、ビデオカメラまたはリモコン等などの周辺機器とのデータ通信がうまく行われるように、デバイスドライバ等の適切なソフトウェアを提供する必要がある。デバイスドライバ技術は公知であり、ここで詳細に説明しないが、デバイスドライバまたは同様のソフトウェアインタフェースが、記載する本実施形態で必要とされうることを当業者は理解するであろう。図22は、本発明の一実施形態による、命令の処理に使用されうる追加のハードウェアを示す。Cellプロセッサ728は、メモリコントローラ860およびデュアルバスインタフェースコントローラ870A,Bを含む外部入出力構造、パワープロセッシングエレメント850と呼ばれるメインプロセッサ、シナジスティックプロセッシングエレメント(SPE)810A〜Hと呼ばれる8基のコプロセッサ、エレメント相互接続バス880と呼ばれる上記のコンポーネントに接続している環状データバス、の4つの基本コンポーネントを備えたアーキテクチャを有する。プレイステーション2デバイスのエモーションエンジンは6.2ギガフロップスであるのに対し、Cellプロセッサの総浮動小数点演算性能は、218ギガフロップスである。
【0125】
パワープロセッシングエレメント(PPE)850は、3.2GHzの内部クロックで動作し、双方向同時マルチスレッディングPower570準拠のPowerPCコア(PPU)855をベースにしている。PPE850は、512kBのレベル2(L2)キャッシュと、32kBのレベル1(L1)キャッシュとを備える。PPE850は、クロックサイクルごとに8つの単一位置操作ができ、これは、3.2GHzで25.6ギガフロップスに相当する。PPE850の主な役割は、演算作業負荷の大部分を処理するシナジスティックプロセッシングエレメント810A〜Hのコントローラとして機能することにある。動作時に、PPE850はジョブキューを保持し、シナジスティックプロセッシングエレメント810A〜Hのジョブをスケジューリングしており、その進捗を監視する。したがって、各シナジスティックプロセッシングエレメント810A〜Hはカーネルを実行し、その役割は、ジョブを取り出して、これを実行し、PPE850と同期されることにある。各シナジスティックプロセッシングエレメント(SPE)810A〜Hは、シナジスティックプロセッシングユニット(SPU)820A〜Hおよびメモリフローコントローラ(MFC)840A〜Hをそれぞれ備え、MFC840A〜Hは、ダイナミックメモリアクセスコントローラ(DMAC)842A〜H、メモリ管理ユニット(MMU)844A〜H、およびバスインタフェース(不図示)をそれぞれ備える。各SPU820A〜Hは3.2GHzでクロック供給され、原則として4GBまで拡張可能な256kBのローカルRAM830A〜Hを備えたRISCプロセッサである。各SPEは、理論的には単精度処理性能で25.6ギガフロップスを示す。1つのSPUは、1クロックサイクルに、4つの単精度浮動小数点数、4つの32ビット数、8つの16ビット整数または16の8ビット整数を処理することができる。同じクロックサイクルで、メモリ操作も実行することができる。SPU820A〜HはシステムメモリXDRAM726に直接アクセスしない。SPU820A〜Hが作成した64ビットアドレスがMFC1540A〜Hに渡され、MFC840A〜Hが、自身のDMAコントローラ1542A〜Hに対して、エレメント相互接続バス880およびメモリコントローラ860を介してメモリにアクセスするように指示する。
【0126】
エレメント相互接続バス(EIB)880は、Cellプロセッサ728内部の論理的には環状の通信バスであり、上記のプロセッサエレメント(すなわち、PPE850、メモリコントローラ860、デュアルバスインタフェース870A,B、および8基のSPE810A〜H、合計12個のパーティシパント)を接続している。パーティシパントは、1クロックサイクルにつき8バイトの速度で、バスに同時に読み出しおよび書き込みを行うことができる。上で説明したように、各SPE810A〜Hは、長いリードまたはライトのシーケンスをスケジュールするためのDMAC842A〜Hを備える。EIBは、4つのチャネルを備え、そのうち2つは時計回り方向であり、残り2つは反時計回り方向である。したがって、12のパーティシパントについて、2つのパーティシパント間のステップ方式の最長のデータフローは、適切な方向で6ステップとなる。このため、パーティシパント間でアービトレーションが行われて完全な利用度が実現されると、12のスロットの理論上のピーク瞬間EIB帯域幅は、1クロックにつき96Bとなる。これは、3.2GHzのクロック速度で307.2GB/s(ギガバイト/秒)の理論上のピーク帯域幅に相当する。
【0127】
メモリコントローラ860は、ラムバス社(Rambus Incorporated)によって開発されたXDRAMインタフェース862を備える。このメモリコントローラは、25.6GB/sの理論上のピーク帯域幅で、Rambus XDRAM726とインタフェースする。
【0128】
デュアルバスインタフェース870A,Bは、Rambus FlexIO(登録商標)システムインタフェース872A,Bを備える。このインタフェースは、それぞれ8ビット幅の12のチャネルに編成されており、このうち、5の経路が受信用、7つの経路が送信用である。これにより、Cellプロセッサと、コントローラ870Aを介してI/Oブリッジ734間、およびコントローラ870Bを介してReality Simulatorグラフィックユニット730間で、理論上のピーク帯域幅が62.4GB/s(送信36.4GB/s、受信26GB/s)が得られる。
【0129】
Cellプロセッサ728によってReality Simulatorグラフィックユニット730に送信されるデータには、通常、表示リストが含まれ、これは、頂点を描画したり、ポリゴンにテクスチャを貼り付けたり、照明条件を指定するなどための一連のコマンドである。
【0130】
図23は、本発明の一実施形態による、シーンA〜シーンEと、インターネットを介して処理サーバに接続されているゲームクライアント1002とインタフェースしているそれぞれのユーザA〜Eの例示的な図である。ゲームクライアントは、ユーザがインターネットを介してサーバアプリケーションや処理サーバへの接続を可能にするデバイスである。ゲームクライアントにより、ユーザは、ゲーム、映画、音楽、および写真など(これらに限定されない)のオンラインエンターテインメントコンテンツにアクセスしこれらを再生することができる。さらに、ゲームクライアントは、VOIP、テキストチャットプロトコル、およびeメールなどのオンライン通信アプリケーションへアクセスできるようにする。
【0131】
ユーザはコントローラを介してゲームクライアントとインタラクトする。ある実施形態では、コントローラはゲームクライアント特有のコントローラであり、他の実施形態では、コントローラはキーボードとマウスの組み合わせであってよい。一実施形態では、ゲームクライアントは音声および画像信号を出力し、モニタ/テレビおよび関連づけられる音声機器によりマルチメディア環境を生成することができる独立型のデバイスである。例えば、ゲームクライアントは、薄型のクライアント、内蔵型PCIエクスプレスカード、外付けPCIエクスプレスデバイス、エクスプレスカード(ExpressCard)デバイス、内蔵型、外付け、あるいは無線USBデバイス、ファイヤワイヤ(Firewire)デバイスなどでありうるが、これらに限定されない。他の実施形態では、ゲームクライアントは、DVR、ブルーレイプレーヤ、DVDプレーヤ、あるいはマルチチャネルレシーバと一体化されている。
【0132】
図23のシーンAでは、ユーザAは、ゲームクライアント1102Aとペアにされたコントローラ1106を使用して、モニタ1104Aに表示されるクライアントアプリケーションとインタラクトする。同様に、シーンBでは、ユーザBは、ゲームクライアント1102Bとペアにされたコントローラ1106Bを使用して、モニタ1104に表示される別のクライアントアプリケーションとインタラクトする。シーンCは、ユーザがゲームクライアント1102Cからの友人リストあるいはバディリストとゲームが表示されているモニタを見ているユーザCの背後からのビューを示す図である。図23は、一つの処理サーバモジュールを図示しているが、一実施形態では、多くの処理サーバモジュールが世界中で存在する。各処理サーバモジュールは、ユーザセッションコントロール、共有/通信論理、ユーザのジオロケーション(地理位置情報)、ロードバランス処理サービスのためのサブモジュールを含む。さらに、処理サーバモジュールは、ネットワーク処理と分散型の記憶装置とを含む。
【0133】
ゲームクライアント1102が処理サーバモジュールに接続するときに、ユーザセッションコントロールを利用してユーザ認証を行うようにしてもよい。認証されたユーザは、関連する視覚化された分散型の記憶装置と視覚化されたネットワーク処理とを有することができる。ユーザの視覚化された分散型の記憶装置の一部として記憶されうるアイテムの例としては、ゲーム、ビデオおよび音楽などの購入された媒体が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、複数のゲームのゲームステータスや、個々のゲームのカスタマイズ設定、ゲームクライアントの一般的な設定をセーブするように分散型の記憶装置を利用してもよい。一実施形態では、処理サーバのユーザジオロケーションモジュールを用いて、ユーザと、ユーザのそれぞれのゲームクライアントのジオロケーションが決定される。複数の処理サーバモジュールの処理命令と地理的位置とに基づいてパフォーマンスを最適化するように、共有/通信論理とロードバランス処理サービスとによりこのユーザの地理的位置が用いられてもよい。ネットワーク処理とネットワーク記憶装置の一方あるいは両方を視覚化することにより、十分に活用されていない処理サーバモジュールへゲームクライアントからの処理タスクを動的にシフトさせることができる。従って、ロードバランスを利用して、記憶装置からのリコールと、処理サーバモジュールとゲームクライアント間のデータ送信とに関連づけられるレイテンシーを最小限に抑えるようにしてもよい。
【0134】
処理サーバモジュールは、例えば、サーバアプリケーションAおよびサーバアプリケーションBを有する。処理サーバモジュールは、サーバアプリケーションX1とサーバアプリケーションX2によって示されるような複数のサーバアプリケーションに対応することができる。一実施形態では、処理サーバは、クラスタコンピューティングアーキテクチャに基づくものであり、このアーキテクチャにより、クラスタ内の複数のプロセッサはサーバアプリケーションを処理することができる。別の実施形態では、サーバアプリケーションを処理するために、様々なタイプのマルチコンピュータプロセッシングスキームが適用される。これにより、複数のクライアントアプリケーションと、対応のサーバアプリケーションとを実行する、より多くのゲームクライアントに対応することができるように、処理サーバを増やすことができる。他の形態では、要求の多いグラフィック処理やゲーム、ビデオ圧縮、あるいはアプリケーションの複雑さにより求められる、増加するコンピューティング命令に対応するように処理サーバを増やすことができる。一実施形態では、処理サーバモジュールは、サーバアプリケーションを介して処理の大部分を実行する。これにより、グラフィックプロセッサ、RAM、および汎用プロセッサなどの比較的高額な要素を中央に位置決めすることができ、ゲームクライアントのコストを削減することができる。処理されたサーバアプリケーションデータは、インターネットを介して対応するゲームクライアントに送り戻され、モニタに表示されるようにする。
【0135】
シーンCは、ゲームクライアントと処理サーバモジュールとにより実行される例示的なアプリケーションを示す。例えば、一実施形態では、ゲームクライアント1102Cにより、ユーザCは、ユーザA、ユーザB、ユーザD、およびユーザEを含む友人リストあるいはバディリスト(buddy list:BL)1120を生成し、これを見ることができる。図示しているように、シーンCでは、ユーザCは、モニタ1104Cでリアルタイム画像か、それぞれのユーザのアバタのいずれか一方を見ることができる。処理サーバでは、ゲームクライアント1102Cのそれぞれのアプリケーションが、ユーザA、ユーザB、ユーザDおよびユーザDおよびユーザEのそれぞれのゲームクライアント1102により実行される。ゲームクライアントBが実行中のアプリケーションを処理サーバが認識しているので、ユーザAの友人リストにユーザBがプレイ中のゲームを表示することができる。さらにまた、一実施形態では、ユーザAは、ユーザBが直接見ているゲームビデオを直接見ることができる。 これは、ユーザBに対する処理済のサーバアプリケーションデータを、ゲームクライアントBだけでなく、ゲームクライアントAに送信するだけでできるようになる。
【0136】
友人からの映像を見ることができるだけでなく、この通信アプリケーションにより、友人間でリアルタイム通信ができるようになる。上述した例に適用しているように、これにより、ユーザAはユーザBのリアルタイム映像を見ている間に、激励したりヒントを与えることができる。一実施形態では、双方向リアルタイム音声通信は、クライアント/サーバアプリケーションを介して確立される。別の実施形態では、クライアント/サーバアプリケーションはテキストでのチャットを可能にする。さらに別の実施形態では、クライアント/サーバアプリケーションは、音声やスピーチをテキストに変換して友人のスクリーンに表示する。
【0137】
シーンDは、ゲームコンソール1110Dとインタラクト中のユーザDを、シーンEは、ゲームコンソール1110Eとインタラクト中のユーザEを示す。各ゲームコンソール1110Dと1110Eは、処理サーバモジュールに接続されており、この処理サーバモジュールがゲームコンソールとゲームクライアント両方に対するゲームプレイを調整しているネットワークを示す。
【0138】
図24に、インフォメーションサービスプロバイダ(Information Service Provider)アーキテクチャの実施形態を示す。インフォメーションサービスプロバイダ(ISP)1370は、地理的に分散しており、かつ、ネットワーク1386を介して接続されているユーザ1382に大量の情報を提供する。ISPは、例えば株価の更新に的を絞ったサービスや、放送メディア、ニュース、スポーツ、ゲームなどの様々なサービスを提供することができる。さらに、それぞれのISPにより提供されるサービスは動的である。つまり、いつでもサービスを追加したり減らすことができる。従って、特定の種類のサービスを特定の個人に提供するISPは経時的に変化する。例えば、あるユーザが地元(ホームタウン)にいる間は、ユーザは、ユーザのすぐ近くのISPからサービスを受けることができ、ユーザが別の都市に移動するときには、ユーザは別のISPからサービスを受けることができる。ホームタウンISPは、所要の情報とデータとを新たなISPに転送する。従って、ユーザ情報はユーザを「フォローする」、つまり後について新たな都市へ行く。よってデータとユーザとを密接にし、アクセスしやすくしている。別の実施形態では、ユーザの情報を管理するマスタISPと、マスタISPの管理下でユーザと直接のインタフェースを行うサーバISPとの間で、マスタ−サーバリレーションシップが確立されうる。他の実施形態では、クライアントが世界中を移動する際に、データは1つのISPから他のISPへ転送され、ユーザへのサービス提供にあたり望ましい位置にあるISPが、これらのサービスを提供するISPとなるようにする。
【0139】
ISP1370は、アプリケーションサービスプロバイダ(Application Service Provider;ASP)1372を含む。これは、コンピュータベースのサービスをネットワークを介して顧客に提供するものである。ASPモデルを利用して提供されるソフトウェアは、多くの場合、オンデマンドソフトウェアまたは、サービス型ソフトウェア(SaaS)とも呼ばれる。特定のアプリケーションプログラム(顧客関係管理など)へのアクセスを与える簡単な形態として、HTTPなどの標準プロトコルを使用することが挙げられる。このアプリケーションソフトウェアはベンダーのシステムに存在しており、ユーザは、HTMLによりウェブブラウザを介してアクセスするか、ベンダーが提供する特定用途のクライアントソフトウェアによってアクセスするか、薄型のクライアントなどの、他の遠隔インターフェースによってアクセスする。
【0140】
広い地理的領域にわたって提供されるサービスは、多くの場合、クラウドコンピューティングを利用する。クラウドコンピューティングとは、動的に拡張可能なコンピューティングスタイルのことであり、多くの場合、視覚化(ビジュアライズ)されたリソースがインターネットを介してサービスとして提供される。ユーザは、これらをサポートする「クラウド」における技術基盤の専門家/エキスパートである必要はない。クラウドコンピューティングは様々なサービスに分けられる。例えば、コンピュータ基盤をサービスとして提供するIaaS(イアース)(Infrastructure as a Service)、プラットフォームをサービスとして提供するPaaS(パース)(Platform as a Service)、および、ソフトウェアをサービスとして提供するSaaS(サース)(Software as a Service)などである。クラウドコンピューティングサービスは多くの場合、ソフトウェアとデータとがサーバに保存された状態で、ウェブブラウザからアクセスされる共通のビジネスアプリケーションをオンラインで提供する。クラウド(雲)との用語は、インターネットがコンピュータネットワークの図において図示される様子に基づいてインターネットの比喩表現として用いられるものであり、クラウド(雲)により隠される複雑なインフラストラクチャを抽象化したものである。
【0141】
さらに、ISP1370は、ゲームプロセッシングサーバ(Game Processing Server;GPS)1374を含み、これは、ゲームクライアントが1人用および多人数参加型のテレビゲームをプレイするために利用するものである。インターネットを介してプレイされるほとんどのテレビゲームは、ゲームサーバへ接続することにより動作する。典型的には、ゲームは、プレーヤからデータを収集し、これを他のプレーヤに配信する専用のサーバアプリケーションを利用する。これは、ピアツーピアアレンジメントよりも効率であり実効的であるが、サーバアプリケーションをホスティングするために別のサーバを必要とする。別の実施形態では、GPSはプレーヤ間での通信を確立し、中心にあるGPSに依存せずにそれぞれのゲームプレイデバイスが情報交換を行う。
【0142】
専用のGPSは、クライアントとは独立に実行するサーバである。そのようなサーバは通常、データセンターに位置する専用ハードウェア上で実行されるものであり、より広い帯域幅と特定の処理能力とを提供している。専用サーバは、パソコンベースのほとんどの多人数参加型ゲームのゲームサーバをホスティングするための好適な方法である。専用サーバ上で実行する多人数参加型オンラインゲームは通常、ゲームタイトルを所有するソフトウェア会社がホスティングしており、このような会社がコンテンツの制御とアップデートとを行う。
【0143】
ブロードキャストプロセッシングサーバ(Broadcast Processing Server;BPS)1376は音声信号または映像信号を視聴者へ分配する。非常に狭い範囲の視聴者に向けて放送することをナローキャスティングと呼ぶことがある。放送配信は、最終的にその信号がリスナーや視聴者に配信され、この信号はラジオ放送局やテレビ放送局と同様、無線でアンテナおよび受信機へ送ることができ、あるいは、放送局を介して、あるいは、ネットワークから直接、ケーブルテレビやケーブルラジオ(つまり、「無線ケーブル」)へ送ることができる。インターネットにより、ラジオやテレビも受信者へ配信することができ、特に、信号と帯域幅の共有が可能なマルチキャスティングによって配信することができる。歴史的には、地理的領域(全国放送や地域向け放送など)により放送範囲が定められていた。しかし、高速インターネットの急増により、世界のどこの国にもコンテンツを届けることができるので、ブロードバンドによる放送が地理的範囲により限定されることはない。
【0144】
ストレージサービスプロバイダ(Storage Service Provider;SSP)1378は、コンピュータストレージスペースおよび関連する管理サービスを提供する。SSPはさらに、定期的なバックアップと保存を行う。サービスとしてストレージを提供することで、必要に応じてユーザはより多くのストレージをオーダーすることができる。別の主な利点としては、各SSPにおいてバックアップサービスが行われることであり、コンピュータのハードドライブが故障した場合であってもユーザは全てのデータを失うことはない。さらに、複数のSSPによりユーザデータの全体あるいは一部のコピーが保有されるので、ユーザは居場所に関係なく、あるいは、データのアクセスに使用されるデバイスに関係なく、効率的にデータにアクセスすることができる。例えば、ユーザは家庭用コンピュータの個人ファイルにアクセスできるほか、移動中に携帯電話にアクセスできる。
【0145】
通信プロバイダ(Communication Provider)380はユーザへの接続性を提供する。通信プロバイダの一つの形態はインターネットサービスプロバイダ(Internet Service Provider)であり、これによりインターネットへのアクセスが提供される。ISPは、ダイアルアップやDSL、ケーブルモデム、ワイヤレスまたは専用の高速相互接続などのインターネットプロトコルデータグラムの配信に適したデータ転送技術により、ユーザに接続する。通信プロバイダはさらに、eメールやインスタントメッセージ、ショートメッセージサービス(SMS)メールなどのメッセージサービスを提供することができる。通信プロバイダの別の形態としてネットワークサービスプロバイダ(Network Service Provider;NSP)が挙げられる。これは、インターネットへのダイレクトバックボーンアクセスを提供することにより、帯域幅やネットワークを販売するものである。ネットワークサービスプロバイダは、電気通信会社、データキャリア、無線通信プロバイダ、インターネットサービスプロバイダ、高速インターネットアクセスを提供するケーブルテレビオペレータなどから構成される。
【0146】
データエクスチェンジ部1388は、ISP1370内のいくつかのモジュールを相互接続し、これらのモジュールをネットワーク1386を介してユーザ1382に接続する。データエクスチェンジ部1388は、ISP1370のモジュール全てが密接した狭い領域や、様々なモジュールが地理的に分散した場合に広い地理的領域をカバーできる。例えば、データエクスチェンジ部1388は、データセンターのキャビネット内に高速(あるいは、より高速な)ギガビットイーサネット(登録商標)や大陸間のバーチャルエリアネットワーク(Virtual Area Network;VLAN)を含むことができる。
【0147】
ユーザ1382は、少なくともCPU、ディスプレイ、および入出力を含むクライアントデバイス1384によりリモートサービスにアクセスする。クライアントデバイスはパーソナルコンピュータ、携帯電話、ネットブック、PDA(携帯端末)などであってよい。一実施形態では、ISP1370により、クライアントにより使用されるデバイスの種類が認識され、利用する通信方法が調整される。別の場合では、クライアントデバイスは、ハイパーテキストマークアップ言語(html)などの標準の通信方法によりISP1370にアクセスする。
【0148】
本発明の各実施形態は、携帯式デバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家庭用電気製品、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなど、他のコンピュータシステム構成によって実施されてもよい。また、本発明は、分散コンピューティング環境で実施されてもよく、このような環境では、ネットワークを介してリンクされる遠隔処理デバイスによってタスクが実行される。上述の各実施形態を考慮に入れて、本発明は、コンピュータシステムに記憶されるデータを使用する、各種のコンピュータ実装操作を使用してもよいことを理解すべきである。これらの操作には、物理量の物理的な操作を必要とする操作が含まれる。本発明の一部を形成する本文に記載された操作はいずれも、有益な機械操作である。本発明はこれらの操作を実行するためのデバイスや装置にも関連する。装置は、特定用途コンピュータなど、所要の目的のために特別に作成されてもよい。あるいは、装置は選択的にアクティブにされる汎用コンピュータであってもよいし、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムにより構成された汎用コンピュータであってもよい。特に、各種の汎用目的の機械は、本明細書の教示に従って書かれたコンピュータプログラムと共に使用されてもよいし、あるいは、所要の操作を実行するためにより特化された装置を構成しやすいものであってもよい。
【0149】
本発明は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして製造されてもよい。コンピュータ可読媒体は、データの記憶が可能であり、その後、コンピュータシステムによって読み取ることができるものであればどのようなデータ記憶装置であってもよい。コンピュータ可読媒体の例には、ハードディスク、ネットワーク接続記憶装置(NAS)、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープおよび他の光学式データ記憶装置および非光学式データ記憶装置などがある。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ可読コードが分散式に記憶されて、実行されるように、ネットワークに結合されたコンピュータシステムを介して分散されるコンピュータ可読有形的表現媒体が含まれてもよい。特定の順序で方法オペレーションを記載したが、所望の方法でオーバーレイオペレーションの処理が実行されるのであれば、他のハウスキーピングオペレーションをオペレーションの間に実行してもよいし、わずかな時間差でオペレーションが行われるようにオペレーションを調整してもよい。あるいは、処理に関連づけられる様々な間隔で処理を発生させることができるシステムにオペレーションを分散してもよいことを理解されたい。上記に、本発明を明確に理解できるように多少詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲内で変更例または変形例を実施できることは明らかである。したがって、本実施形態は例示的なものであり、制限するものではなく、本発明は本明細書に記載されている詳細な事項に限定されず、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で変更されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インタラクティブプログラムとインタフェースするためのコントローラであって、
複数の第1表面領域および前記第1表面領域と交互に隣り合うように配置された1以上の第2表面領域を含む外面と、
前記複数の第1表面領域に結合された少なくとも1つの加熱源と、
前記第2表面領域に結合された少なくとも1つの冷却源と、
前記第1表面領域を加熱するために前記加熱源をアクティブにするタイミングおよび前記第2表面領域を冷却するために前記冷却源をアクティブにするタイミングを、前記インタラクティブプログラムにより生成された温度トリガデータに基づいて決定するための温度コントローラと、を含むコントローラ。
【請求項2】
前記外面は、ユーザが前記コントローラを把持するときに前記ユーザの肌に接触するように前記コントローラのハンドル部分に画定される、請求項1記載のコントローラ。
【請求項3】
前記加熱源および前記冷却源を同時にアクティブにすることにより、前記コントローラの前記ハンドル部分がユーザにより把持されるときにサーマルグリルイリュージョンが生じる、請求項2記載のコントローラ。
【請求項4】
前記加熱源および前記冷却源は少なくとも1つの熱電デバイスを含む、請求項3記載のコントローラ。
【請求項5】
前記温度コントローラは、前記加熱源のアクティベーションレベルおよび前記冷却源のアクティベーションレベルを、前記インタラクティブプログラムにより生成された前記温度トリガデータに基づいて決定する、請求項1記載のコントローラ。
【請求項6】
インタラクティブプログラムとインタフェースし、前記インタラクティブプログラムから温度フィードバックを提供するためのコントローラであって、
第1外部露出面を有する第1熱電デバイスを含み、前記外部露出面は前記第1熱電デバイスがアクティブにされるときに加熱されるものであって、
前記第1熱電デバイスに隣接し、第2外部露出面を有する第2熱電デバイスを含み、前記外部露出面は前記第2熱電デバイスがアクティブにされるときに冷却されるものであって、
前記第2熱電デバイスに隣接し、第3外部露出面を有する第3熱電デバイスを含み、前記外部露出面は前記第3熱電デバイスがアクティブにされるときに加熱されるものであって、および、前記第1、第2、および第3熱電デバイスをアクティブにするタイミングを、前記インタラクティブプログラムにより生成された温度トリガデータに基づいて決定するための温度コントローラ、を含む、コントローラ。
【請求項7】
前記第1、第2および第3熱電デバイスは、ユーザがコントローラを把持するときに前記ユーザの肌に接触するように方向づけられた前記コントローラのハンドル部分に画定される、請求項6記載のコントローラ。
【請求項8】
前記第1、第2および第3熱電デバイスを同時にアクティブにすることにより、前記コントローラの前記ハンドル部分がユーザにより把持されるときにサーマルグリルイリュージョンが生じる、請求項7記載のコントローラ。
【請求項9】
前記第1熱電デバイスと前記第2熱電デバイスの間に画定された第1絶縁体と、
前記第2熱電デバイスと前記第3熱電デバイスの間に画定された第2絶縁体と、をさらに含む、請求項6記載のコントローラ。
【請求項10】
前記第1、第2または第3熱電デバイスの前記アクティベーションに相互に関連付けられる色を発色するための少なくとも1つのランプをさらに含む、請求項6記載のコントローラ。
【請求項11】
コントローラを操作中のユーザに温度フィードバックを提供するための方法であって、
温度トリガデータを受信するステップと、
前記温度トリガデータに基づいて前記コントローラの複数の第1表面領域を加熱するステップと、
前記温度トリガデータに基づいて、前記第1表面領域と交互に隣り合うように配置されている前記コントローラの1以上の第2表面領域を冷却するステップと、を含む方法。
【請求項12】
前記複数の第1表面領域を加熱するステップおよび前記1以上の第2表面領域を冷却するステップは、少なくとも1つの熱電デバイスをアクティブにするステップを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記コントローラの位置をトラッキングするステップと、
前記トラッキングしたコントローラの位置に基づいて前記温度トリガデータを生成するステップと、をさらに含む請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記第1表面領域の加熱および前記第2表面領域の冷却を同時に行うことにより、前記第1表面領域および前記第2表面領域に前記ユーザの肌が接触するときにサーマルグリルイリュージョンが生じる、請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記コントローラの発光された部分を照光するステップをさらに含み、前記照光ステップにおいて、前記温度トリガデータに基づく色が生成される、請求項11記載の方法。
【請求項16】
コントローラを操作中のユーザへ温度フィードバックを提供するための方法であって、
インタラクティブアプリケーションを実行するステップと、
複数の交互に隣り合うコントローラの表面領域に対して加熱および冷却レベルをそれぞれ決定するための温度トリガデータを生成するステップと、
前記コントローラへ前記温度トリガデータを送信するステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記温度トリガデータを生成するステップは、所定の温度フィードバック構成と相互に関連づけられる仮想環境内の仮想オブジェクトの現在地を決定するステップを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記コントローラの位置をトラッキングするステップをさらに含み、
前記温度トリガデータは前記トラッキングされたコントローラの位置に基づいて生成される、請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記交互に隣り合う表面領域をそれぞれ同時に加熱および冷却するステップは、前記交互に隣り合う表面領域が前記ユーザの前記肌に接触するときにサーマルグリルイリュージョンを生じさせる、請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記温度トリガデータに基づいて、前記コントローラの光源により表示される色を決定する光トリガデータを生成するステップと、
前記コントローラへ前記光トリガデータを送信するステップと、をさらに含む、請求項16記載の方法。

【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−217861(P2012−217861A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−88461(P2012−88461)
【出願日】平成24年4月9日(2012.4.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】