説明

温度変化部材を備える吸収性物品

温度変化部材を含む吸収性物品を示している。温度変化部材は、温度変化材料及び第一折り畳み領域を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度変化部材を含む吸収性物品に関する。より特定的には、本発明は、排尿した時に、着用者がはっきりとした温度変化の感覚を得られるような、訓練用パンツなどの吸収性物品に関する。
【0002】
使い棄てオムツ及び訓練用パンツなどの吸収性物品は、身体排出物を吸収して、これを収容することに有効である。これらの製品は、尿が急速に吸引され、着用者の肌から離れた位置に保持され、着用者は比較的乾燥した感覚を持ち、快適に維持されるものとして開発されてきた。この改善された性能は、着用者を乾燥状態にさせ、快適にさせるものではあるが、排尿した時に、着用者が気付くか又は認識する可能性を減少させるものであり、特に、着用者の注意が行動に気を取られている場合にはそうである。トイレ訓練の初期における重要な段階は、排尿した時にそれを認識する能力であるので、このことはトイレ訓練に貢献するものではない。排尿した時、子供が認識しやすくするために、訓練用パンツは、排尿時に温度変化の感覚を与える温度変化部材を備えるように設計されてきた。
【0003】
残念ながら、ある種の環境においては、このような温度変化部材は、完全に満足するものではない。例えばある種の環境においては、使用中に、特に着用者の脚部の間で物品が変形する。その結果、温度変化部材を含む物品は、その位置が移動して、着用者の肌から離れると、着用者に排尿を気付かせる効果が薄くなる。
【0004】
このように、使用中に、部材の少なくとも一部を着用者に近接させておくことが可能な、温度変化部材を備えた吸収性物品の必要性がある。更に、使用中に、物品が着用者の脚部の間で変形した後でも、着用者に排尿を気付かせる可能性が高い吸収性物品の必要性がある。
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,849,241号公報
【特許文献2】米国特許出願WO00/37009
【特許文献3】米国特許第4,940,464号公報
【特許文献4】米国特許第5,766,389号公報
【特許文献5】米国特許第6,645,190号公報
【特許文献6】米国特許第5,681,298号公報
【特許文献7】米国特許出願一連番号11/143359
【特許文献8】米国特許第5,224,405号公報
【特許文献9】米国特許第5,140,116号公報
【特許文献10】米国特許第5,046,272号公報
【特許文献11】米国特許第4,663,220号公報
【特許文献12】米国特許第5,226,992号公報
【特許文献13】欧州特許出願番号EP0217032
【特許文献14】PCT出願WO01/88245
【特許文献15】米国特許第4,704,116号公報
【特許文献16】米国特許第5,883,028号公報
【特許文献17】米国特許第5,116,662号公報
【特許文献18】米国特許第5,114,781号公報
【特許文献19】米国特許第6,552,245号公報
【特許文献20】米国特許第5,964,743号公報
【特許文献21】米国特許第5,645,542号公報
【特許文献22】米国特許第6,231,557号公報
【特許文献23】米国特許第6,362,389号公報
【特許文献24】国際特許出願WO03/051254
【特許文献25】米国特許第5,486,166号公報
【特許文献26】米国特許第5,490,846号公報
【特許文献27】米国特許第4,100,324号公報
【特許文献28】米国特許第5,284,703号公報
【特許文献29】米国特許第5,350,624号公報
【特許文献30】米国特許第4,375,448号公報
【特許文献31】米国特許第4,604,313号公報
【特許文献32】米国特許出願公開2004/0254549
【特許文献33】米国特許第5,348,750号公報
【特許文献34】米国特許第5,266,592号公報
【特許文献35】米国特許出願10/955,534
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一態様においては、本発明は、物品第一側部縁と、物品第一側部縁とは反対側の物品第二側部縁と、1対の端部縁とを定める吸収性物品に向けられる。吸収性物品は、液体不透過性外カバー、該外カバー上に位置する吸収性本体、及び該吸収性本体とともに配置された温度変化部材を含む。温度変化部材は、温度変化部材第一表面と、該温度変化部材第一表面とは反対側の温度変化部材第二表面とを含む。温度変化部材は、第一表面と第二表面との間に配置される温度変化材料を含み、温度変化第一表面は、それ自体の上に重なる関係にあって、第一折り畳み領域を定める。温度変化部材は、ここで述べられた温度変化テストにより求められるものとして、少なくとも摂氏5度の温度変化を物品に与える。
【0007】
別の態様においては、本発明は、物品第一側部縁と、物品第一側部縁とは反対側の物品第二側部縁と、1対の端部縁とを定める吸収性物品に向けられる。吸収性物品は、液体不透過性外カバー、該外カバー上に位置する吸収性本体、及び該吸収性本体とともに配置された温度変化部材を含む。温度変化部材は、温度変化部材第一表面及び温度変化部材第一表面とは反対側の温度変化部材第二表面を含む。温度変化部材は、第一表面と第二表面との間に配置される温度変化材料を含み、温度変化第一表面は、それ自体の上に重なる関係にあって、第一折り畳み領域、第二折り畳み領域、及び第一折り畳み領域と第二折り畳み領域との間に位置する折り畳まれない領域を定める。温度変化部材は、ここで述べられた温度変化テストにより求められるものとして、少なくとも摂氏5度の温度変化を物品に与える。
【0008】
更に別の態様においては、本発明は、物品第一側部縁と、物品第一側部縁とは反対側の物品第二側部縁と、1対の端部縁とを定める吸収性物品に向けられる。吸収性物品は、液体不透過性外カバー、該外カバー上に位置する吸収性本体、及び該吸収性本体とともに配置された温度変化部材を含む。温度変化部材は、温度変化材料及び温度変化部材の少なくとも一部に複数の層を含み、温度変化部材は、ここで述べられた温度変化テストにより求められるものとして、少なくとも摂氏5度の温度変化を物品に与える。
【0009】
本発明の、上記した態様及び他の態様は、一層明らかとなるであろうし、更に本発明自体は、以下の図面及び図面の説明を参照することにより、更に理解されるであろう。
【0010】
対応する参照番号は、図面を通して対応する部分を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(定義)
本明細書の内容において、以下の各々の用語又は言い回しは、次のような意味を含む。
【0012】
「取り付ける」及びその派生語は、2つの要素を接合し、接着剤接着し、結合し、接着し、互いを縫い合わせること、又は同様のものを意味する。互いに一体であるか、又は互いに直接取り付けられているか、或いは各々が中間要素に直接取り付けられている場合のように、互いに間接的に取り付けられている時に、2つの要素は互いに取り付けられているとみなされる。「取り付ける」及びその派生語は、永久的取り付け、取り外し可能な取り付け、又は再締結可能な取り付けを含む。更に、取り付けは、製造工程の間に、又は最終使用者のいずれかにより完成させることができる。
【0013】
「接着する」及びその派生語は、2つの要素を接合し、接着剤接着し、結合し、取り付け、互いを縫い合わせること、又は同様のものを意味する。互いに直接に取り付けられているか、或いは各々が中間要素に直接取り付けられている場合のように、互いに間接的に接着されている時に、2つの要素は互いに取り付けられているとみなされる。「接着する」及びその派生語は、永久的接着、取り外し可能な接着、又は再締結可能な接着を含む。
【0014】
「コフォーム」は、メルトブローン繊維とセルロース系繊維などの混合物を意味し、メルトブローンポリマー材料を空気形成する時に、同時にメルトブローン繊維流に空気浮遊繊維を吹き込むことにより形成することができる。コフォーム材料は、超吸収性材料などの他の材料を含むことができる。メルトブローン繊維及び吸収性繊維は、孔あきベルトにより形成されるもののような形成表面上に堆積される。形成表面は、形成表面上に置かれた気体透過性材料を含むことができる。
【0015】
「結合する」及びその派生語は、2つの要素を接合し、接着剤接着し、接着結合し、取り付け、互いに縫い合わせること、又は同様のものを意味する。互いに一体であるか、又は互いに直接に結合されているか、或いは各々が中間要素に直接結合されている場合のように、互いが間接的に結合されている時に、2つの要素は、互いに結合されているとみなされる。「結合する」及びその派生語は、永久的な結合、取り外し可能な結合、又は再締結可能な結合を含む。更に、結合は、製造工程の間に、又は最終使用者のいずれかにより完成させることができる。
【0016】
「使い棄て可能な」は、制限された使用の後、洗濯又は再使用のために回生されるのではなく、棄てられることが意図されている物品を意味する。
【0017】
「上に配置される」、「沿って配置される」、「とともに配置される」又は「向かって配置される」及びこれらの変形の用語は、1つの要素を別の要素と一体とすることができるか、又は1つの要素が、他の要素に接着された、又は他の要素と共に置かれ、又は他の要素の近くに置かれている別の構造の場合を含むことを意味する。
【0018】
「弾性の」、「弾性化した」、「弾性」及び「エラストマー性」は、変形を起こさせる力を取り除いた後、その最初の大きさ及び形状を回復しようとする、材料又は複合体の特性を意味する。適当なものとしては、弾性材料又は複合体は、その弛緩した状態の長さの少なくとも50パーセントだけ(150パーセントにまで)延ばされ、付与された力を取り除いた時、その伸びの少なくとも40パーセントが回復することができる。
【0019】
「伸長可能な」は、破断することなく伸長又は変形することができるが、伸長又は変形を起こさせる力を取り除いた後、その最初の大きさ及び形状に実質的に回復しない材料又は複合体を意味する。適当なものとしては、伸長可能な材料又は複合体は、弛緩させた長さの少なくとも50パーセントだけ(150パーセントまで)伸ばすことができる。
【0020】
「繊維」は、長さ対直径又は幅の比が高く、連続又は非連続の部材を意味する。したがって、繊維は、フィラメント、糸、ストランド、ヤーン、又はあらゆる他の部材、或いはこれらの部材の組み合わせとすることができる。
【0021】
「親水性」は、繊維と接触した状態で、水性液体により湿潤される繊維又は繊維の表面を示すものである。材料の湿潤の程度は、接触角度、及び含まれる液体及び材料の表面張力によって示される。特定の繊維材料又は繊維材料の混合物の湿潤性を測定するために適当な装置及び技術は、Cahn SFA−222表面張力分析システム、又は実質的に同等のシステムにより提供される。このシステムで計測した場合、90度より小さい接触角度を有する繊維は、「湿潤性」すなわち親水性を示し、90度より大きい接触角度を有する繊維は、「非湿潤性」すなわち疎水性を示す。
【0022】
「接合する」及びその派生語は、2つの要素を結合し、接着剤接着し、接着結合し、取り付け、互いを縫い合わせること、又は同様のものを意味する。互いに一体であるか、又は互いに直接接合されているか、或いは各々が中間要素に直接接合されている場合のように、互いに間接的に接合されている時に、2つの要素は互いに接合されているとみなされる。「接合する」及びその派生語は、永久的接合、取り外し可能な接合、又は再締結可能な接合を含む。更に、接合は、製造工程の間に、又は最終使用者のいずれかにより完成させることができる。
【0023】
単数で使用される場合の「層」は、単一要素又は複数の要素の2つの意味を持つことができる。
【0024】
層又は多層積層体を示す場合に使用される時の「液体不透過性」は、通常の使用条件の下で、尿などの液体が、液体接触した点で、層又は積層体の平面にほぼ垂直な方向に、層又は積層体を通過しないことを意味する。
【0025】
「液体透過性」は、液体不透過性ではないあらゆる材料を意味する。
【0026】
「メルトブローン」は、複数の微細な、通常は円形のダイ毛管を通して、溶融状態熱可塑性材料を集中する高速ガス(例えば空気)中に、通常は加熱して溶融状態の糸又はフィラメントとして押し出し、このガスが溶融状態熱可塑性材料を細くして、その直径を減少させることにより形成された繊維を意味する。このような方法は、例えばButin他の米国特許第3,849,241号に記載されている。メルトブローン繊維は、連続したもの又は非連続のものとすることができ、集積表面に付着される時に、一般的に自己接着することができる。
【0027】
単数で使用される場合の「部材」は、単一要素又は複数の要素の2つの意味を持つことができる。
【0028】
「不織」及び「不織ウエブ」は、布の織り又は編み方法の介助なしに形成される材料及び材料のウエブを意味する。例えば、不織材料、布又はウエブは、例えば、メルトブロー法、スパンボンド法、空気堆積法、及びボンデッドカーデッドウエブ法などの多くの方法から形成されてきた。
【0029】
「延伸可能な」は、破断することなく、少なくとも1つの方向に、少なくとも50パーセントが(最初の(延伸していない)長さの150パーセントまで)延伸することができる材料を意味する。弾性材料及び伸長可能な材料は、各々延伸可能な材料である。
【0030】
「超吸収性材料」は、最も好ましい条件の下で、約0.9重量パーセントの塩化ナトリウムを含む水性溶液において、その重量の少なくとも約10倍を、より望ましくは少なくとも約30倍を吸収することが可能な、水膨潤性、水非溶解性有機材料又は無機材料を意味する。
【0031】
これらの用語は、本明細書の残りの部分において付加的言語で定義される場合がある。
【0032】
図面、特に図1を参照すると、本発明の吸収性物品が、代表として子供用トイレ訓練用パンツの形態で示されており、その全体が参照番号20で示されている。パンツ20は、排尿した時に、着用者に顕著な温度変化の感覚を与えるように形成された温度変化部材70を含み、これは、排尿が起こったことを着用者が認識する能力を増強するものである。更に、温度変化部材70は、第一折り畳み領域82、及び任意ではあるが、第二折り畳み領域84を定めて、使用中に着用者と近接した身体接触を維持する能力を増強することにより、温度変化部材70の性能を更に改善するものである。
【0033】
パンツ20は、使い棄てとすることもできるし、或いは使い棄てではないものとすることもでき、使い棄てとは、制限された期間の使用の後、洗濯又は再使用のために調整されることがなく、廃棄されることを意図する物品を意味する。本発明は、これらに制限されるものではないが、オムツ、女性用衛生製品、失禁用製品、医療用衣類、手術用パッド及び包帯、他の個人ケアー又は健康ケアー用衣類、及び本発明の範囲から外れない同様のものを含む個人用衣類のための様々な他の吸収性物品を使用するために適当であることを理解すべきである。
【0034】
説明のためだけのものとして、本発明の様々な態様のパンツ20などの訓練用パンツを形成するための様々な材料及び方法が、2000年6月29日付けのA.Fletcher他のPCT特許出願WO00/37009、1990年7月10日付けのVan Gompel他の米国特許第4,940,464号、1998年6月16日付けのBrandon他の米国特許第5,766,389号及び2003年11月11日付けのOlson他の米国特許第6,645,190号に記載されており、これらは、一貫性のある範囲で(すなわち、矛盾することのない範囲で)引用によりここに組み入れられる。更に、温度変化部材を含む吸収性物品は、Brunner他の米国特許第5,681,298号及び2005年6月1日付けのJackson他の米国特許出願一連番号11/143359に記載されており、その開示は、一貫性のある範囲で(すなわち、矛盾することのない範囲で)引用によりここに組み入れられる。
【0035】
訓練用パンツ20が、部分的に締結された状態で,図1に示されている。このパンツ20は、図2及び図3に示されているように、縦方向46及び縦方向に垂直な横方向48を定める。パンツ20は、1対の縦方向端部領域、別の言い方で前腰部領域22及び後腰部領域24、及び中央領域、別の言い方をすれば前腰部領域22と後腰部領域24の間に縦方向に延び、かつこれらに相互結合されている股部領域26を定める。前及び後腰部領域22、24は、着用された時、着用者の腰部又は中央より低い胴を全体的に又は部分的に覆うか或いは囲むパンツ20の部分を含む。股部領域26は一般的には、着用された時、着用者の脚部の間に位置決めされ、着用者の下胴部及び股部を覆うパンツ20の部分である。パンツ20は、使用される時に、着用者側に位置する内側表面28、及び内側表面と反対側の外側表面30を定める。更に図2及び図3を参照すると、1対の訓練用パンツ20は、横方向に延びる第一側部縁35及び横方向に延びる第二側部縁36、及び1対の縦方向両側の腰部縁38(広義では、縦方向端部)を有する。
【0036】
示されたパンツ20は、全体を32で示されている吸収性組立体を含むことができる。例えば、図1−3の態様においては、訓練用パンツ20は、ほぼ長方形の中央吸収性組立体32及び該中央吸収性組立体とは別個に形成され、かつ中央吸収性組立体に固定されている側部パネル34、134を含む。側部パネル34、134は、パンツ20のそれぞれの前及び後腰部領域22及び24において、シーム66に沿って吸収性組立体32に接着される。より特定的には、前側部パネル34は、前腰部領域22で、吸収性組立体32に永久的に接着され、かつ吸収性組立体32から外向きに横方向に延びることができ、後側部パネル134は、後腰部領域24で、吸収性組立体32に永久的に接着され、かつ吸収性組立体32から横方向に延びることができる。側部パネル34及び134は、接着剤、熱接着又は超音波接着などの当業者に知られている取り付け手段を使用して、吸収性組立体32に接着される。
【0037】
パンツ20を着用する時に、前及び後側部パネル34及び134は、着用者の臀部上に位置決めされる訓練用パンツ20の部分を含む。前及び後側部パネル34及び134は、永久的に互いに接着され、パンツ20の三次元形態を形成することができるか、或いは示された態様の締結システム60などによって、互いに取り外し可能な状態で接合される。
【0038】
適当な弾性材料、並びに弾性側部パネルを訓練用パンツに組み込む1つの方法が、以下に示す1990年7月10日付けのVan Gompel他の米国特許第4,940,464号、1993年7月6日付けのPohjolaの米国特許第5,224,405号、1992年4月14日付けのPohjolaの米国特許第5,104,116号、1991年9月10日付けのVotg他の米国特許第5,046,272号に記載されており、その全体は一貫性のある範囲で(すなわち、矛盾することのない範囲で)引用によりここに組み入れられる。特定の態様においては、弾性材料は、延伸熱積層体(STL)、ネック付与状態で接着した積層体(NBL)、可逆的にネック付与した積層体、又は延伸接着した積層体(SBL)材料を含むことができる。このような材料を形成する方法は、当業者によく知られており、1987年5月5日付けのWisneski他の米国特許第4,663,220号、1993年7月13日付けのMormanの米国特許第5,226,992号、1987年4月8日付けのTaylor他の欧州特許出願番号EP0217032、及びWelch他の米国特許出願WO01/88245に記載されており、これら特許のすべてはその全体を一貫性のある範囲で(すなわち、矛盾することのない範囲で)引用によりここに、組み入れられる。当業者に知られているように、側部パネル34、134は、弾性材料か、又は延伸可能であるが非弾性である材料を含むことができる。
【0039】
長方形形状を有する吸収性組立体32が、図1−3に示されている。しかしながら、吸収性組立体32は、本発明の範囲から外れることなく、他の形状(例えば、砂時計型、T型、I型、及び同様のもの)を有するものとすることができると考えられる。側部パネル34、134は、代替的には、本発明の範囲から外れることなく、吸収性組立体32と一体に形成することができると理解される。このような形態においては、側部パネル34及び134及び吸収性組立体は、身体側ライナー42、外カバー40、他の材料及び/又はこれらの組み合わせなどの、少なくとも幾つかの共通の材料を含むものである。
【0040】
吸収性組立体32は、外カバー40及び該外カバーと重なる関係の身体側ライナー42(図3、6−8)を含む。ライナー42は、パンツ20の縦方向端部の少なくとも一部に沿って、外カバー40に適当に結合される。ライナー42は、適当に調節、すなわちパンツ20の他の部品に対して位置決めされて、パンツの着用中に着用者の肌に接触するようにすることができる。吸収性組立体32は、液体身体排出物を吸収するために、外カバー40と身体側ライナー42の間に位置する吸収性本体44(図3、6−8)を含む。ライナー42は、吸収性組立体32の少なくとも一部に沿って、外カバー40と適当に結合することができる。身体側ライナー42及び外カバー40は、例えば、接着剤、超音波接着、熱接着又は当業者に知られている他の適当な取り付け技術によって、互いが取り付けられる。更に、吸収性本体44の少なくとも一部は、上記した方法を利用して、任意に身体側ライナー42及び/又は外カバー40に取り付けられる。
【0041】
上記したように、前及び後側部パネル34及び134は、示した態様の締結システム60などによって、互いに取り外し可能な状態で接合される。部分的に図1に示されたような締結位置における訓練用パンツ20では、前及び後腰部領域は、互いに接合されて、腰部開口50及び一対の脚部開口52を有する三次元パンツ形態を定める。訓練用パンツ20の腰部縁38(例えば、縦方向端部)は、着用者の腰部を囲むように形成されて、パンツの腰部開口50(図1)を定める。
【0042】
締結システムは、接着剤締結用具、粘着剤締結用具、機械締結用具、又は同様のものなどの、吸収性物品に適したあらゆる再締結可能な締結用具を含むことができる。本発明の一態様においては、締結システムは、改善された性能のために、機械締結要素を含む。適当な機械締結要素は、フック、ループ、バルブ、マッシュルーム型、矢じり型、ステム上の球、雄と雌の嵌合部品、バックル、スナップ、又は同様のものなどの相互係合させる幾何学的形状の材料により形成される。例えば、締結システムは、前に組み込まれた2000年6月29日付けのA.Fletcher他のPCT特許出願WO00/37009及び前に組み込まれた2003年11月11日付けのOlson他の米国特許第6,645,190号に記載されている。
【0043】
パンツ20は、身体排出物の横方向流出を妨げるために、1対の収容フラップ56を含むことができる。図3に示されるように、収容フラップ56は、当業者によく知られているようなあらゆる適当な方法で、パンツ20に作動的に取り付けられる。特に、収容フラップ56のための適当な構成及び配列は、概略的に当業者によく知られており、1987年11月3日付けのEnloeの米国特許題4,704,116号に記載されており、一貫性がある範囲内で(すなわち、矛盾することなく)引用によりここに組み入れられる。
【0044】
身体排出物の収容及び/又は吸収を促進するために、訓練用パンツ20は、パンツ20の前及び/又は後腰部領域22及び24に、腰部弾性部材54を含むことができる。同様に、パンツ20は、当業者に知られているような脚部弾性部材58を含むことができる。腰部弾性部材54及び脚部弾性部材58は、当業者によく知られているあらゆる適当な弾性材料で形成される。例えば、適当な弾性材料は、天然ゴムのシート、ストランド又はリボン、合成ゴム、或いは熱可塑性エラストマー性ポリマーを含む。本発明の一態様においては、腰部弾性材及び/又は脚部弾性材は、米国デラウエア州ウイルミントンのInvistaより入手可能なLYCRAという商標名で販売されている複数のドライスピニング法により撚り合わされたマルチフィラメントエラストマー性糸を含むことができる。
【0045】
外カバー40は、適当なものとしては、実質的に液体不透過性である材料を含むことができる。外カバー40は、液体不透過性材料の単一層により形成されるか、又はより適当なものとしては、少なくとも層の1つが液体不透過性である多層積層体構造を含む。特定の態様においては、外側層は、適当なものとしては、着用者に比較的布のような手触りを与えることができる。液体不透過性内側層、又は単一層の液体不透過性外カバー40として使用するために適当な液体不透過性フィルムは、ニュージャージー州サウスプレインフィールドのEdison Plastics Companyより商業的に入手可能な、0.025ミリメートル(1.0ミル)ポリエチレンフィルムである。代替的には、外カバー40は、織成又は不織繊維性ウエブ層を含むことができ、吸収性本体に近接する又は近位の選択された領域に、望ましいレベルの液体不透過性を与えるために、全体的に又は部分的に形成又は処理されてきた。
【0046】
外カバー40は、延伸可能なものとすることができ、更に幾つかの態様においては、エラストマー性とすることができる。例えば、このような外カバー材料は、0.3osyのポリプロピレンスパンボンドを含むことができ、これは横方向40に60パーセントがネック付与され、縦方向48に60パーセントがクレープ加工され、3グラム/平方メートル(gsm)のBostik−Findley H2525Aスチレン−イソプレン−スチレンベースの接着剤で、20パーセント濃度の二酸化チタンを有する8gsmのPEBAX2533フィルムに積層される。Morman他の米国特許第5,883,028号、Mormanの米国特許第5,116,662号及びMormanの米国特許第5,114,781号が、適当な外カバー材料に関する付加的情報を与えるものとして参照され、引用によりここに組み入れられる。
【0047】
身体側ライナー42は、適当なものとしては、着用者の肌にとって、しなやかで、柔軟な感触を持ち、かつ刺激のないものである。身体側ライナー42は、その厚さを通して、吸収性本体44に液体身体排出物を容易に通過させることが可能な程度に十分に液体透過性とする。適当な液体透過性身体側ライナー42としては、約27gsmの基本重量を有する不織ポリエチレン/ポリプロピレン二成分ウエブがあり、このウエブは、スパンボンドウエブ又はボンデッドカーデッドウエブとすることができる。任意ではあるが、身体側ライナー42は、ライナー材料の湿潤性を増加させるために表面活性剤で処理される。
【0048】
代替的には、身体側ライナー42は、延伸可能性とすることができ、更に幾つかの態様においては、エラストマー性とすることができる。例えば、ライナー42は、およそ60パーセントがネック付与されて、約12gsmの基本重量を有するウエブに形成された、約2から3デニールの繊維で形成された不織のスパンボンドポリプロピレン布とすることができる。1インチ(2.54cm)当たりに8個のストランドが置かれた約9gsmのKRATON G2760エラストマー性材料のストランドは、ネック付与したスパンボンド材料に接着して、スパンボンド布に弾性を与えることができる。布は、米国デラウエア州ウイルミントンに所在するICI Americasより入手可能な、約0.6パーセントのAHCOVEL Base N62表面活性剤などの、作動的量の表面活性剤で表面処理される。他の適当な材料は、ネック状態で延伸された/クレープ加工されたスパンボンドなどの延伸可能な二軸方向に伸長可能な材料とすることができる。2003年4月22日付けのRoessler他の米国特許第6,552,245号が参照され、一貫性がある範囲で(すなわち、矛盾することのない範囲で)引用によりここに組み入れられる。
【0049】
吸収性本体44は、例えば、外カバー40と身体側ライナー42の間で外カバー40上に位置させることができる。外カバー40及び身体側ライナー42は、接着剤、超音波接着、熱接着、又は同様のものなどのあらゆる適当な手段によって、互いに結合される。吸収性本体44は、長方形、砂時計型、I型、及び同様のものなどの、当業者に知られている種々異なる型及び形態とすることができる。更に吸収性本体44の少なくとも一部は、上記した方法を利用して、身体側ライナー42及び/又は外カバー40に、任意に取り付けることができる。
【0050】
吸収性本体44は、適当なものとしては、圧縮可能で、順応可能で、更に着用者によって放出された液体身体排出物を吸収し、かつ保持することが可能なものである。例えば、吸収性組立体は、吸収性繊維のマトリックス、更により適当なものとしては、木質パルプフラフなどのセルロース系フラフ、及び超吸収性粒状物を含むことができる。1つの適当なパルプフラフは、米国サウスカロライナ州グリーンヴィルのBowaterより商業的に入手可能な商標名CR1654で特定される。木質パルプフラフに代わるものとして、合成繊維、ポリマー性繊維、メルトブローン繊維、ショートカットホモフィル二成分合成繊維、又は他の天然繊維を使用することができる。適当な超吸収性材料は、天然、合成、及び変成天然ポリマー及び材料から選択される。超吸収性材料は、シリカゲルなどの無機材料、又は架橋結合ポリマー、例えば中和されたポリアクリル酸ナトリウムなどの有機化合物とすることができる。適当な超吸収性材料は、米国ミシガン州ミッドランドのDow Chemical Company、及び米国ノースカロライナ州グリーンズボロのStockhausen Inc.などの様々な商業的供給元から入手可能である。
【0051】
一態様においては、吸収性本体が接着されることになる外カバー40及び/又は身体側ライナー42などの他の部品の延伸可能性を妨げないように、吸収性本体44は延伸可能とすることができる。例えば、吸収性本体は、引用によりここに組み入れられる米国特許第5,964,743号、第5,645,542号、第6,231,557号、第6,362,389号、及び国際特許出願WO03/051254に記載されている材料を含むことができる。
【0052】
幾つかの態様においては、サージ処理層(図示されず)を、パンツ20に含ませることができる。サージ処理層は、当業者に知られている種々異なる位置で、パンツ20内に位置決めされる。例えば、サージ処理層は、例えば、吸収性本体44と身体側ライナー42の間の、吸収性本体44に近い位置とすることができ、更に接着剤、超音波接着、又は熱接着などの当業者に知られている方法によって、パンツ20の1つ又はそれ以上の部品に取り付けられる。更にサージ処理層は、種々異なる方法で温度変化部材70に対して、パンツ20に位置決めされる。例えば、サージ処理層は、温度変化部材70に対してライナー22側に位置されるか、或いはサージ処理層は、温度変化部材70に対して吸収性本体44側に位置される。
【0053】
サージ処理層は、吸収性本体44に急速にもたらされる液体のサージ又は放出を減速かつ放散させるものである。サージ処理層は、吸収性本体44の貯蔵又は保持部分に液体を放出する前に、液体を迅速に受け取り、一時的に保持できることが望ましい。適当なサージ処理層の例が、米国特許第5,486,166号及び米国特許第5,490,846号に記載されており、これらの特許の内容は、一貫性のある範囲で(すなわち、矛盾することのない範囲で)引用によりここに組み入れられる。
【0054】
上記したように、本発明の様々な態様の吸収性物品は、温度変化部材70を含むことができる(図3、6−8)。温度変化部材70は、温度変化部材第一表面、及び第一表面と反対側の温度変化部材第二表面を含むことができる。例えば、図4−8に代表的に示されるように、温度変化部材70は、温度変化部材身体側表面86、及び身体側表面86と反対側の温度変化部材衣類側表面88を含むことができる。
【0055】
更に、温度変化部材70は、第一折り畳み領域82などの折り畳み領域を定めることができる。任意ではあるが、温度変化部材は、複数の折り畳み領域を定めることができる。例えば、図3、6−8に代表的に示されているように、温度変化部材70は、第一折り畳み領域82及び第二折り畳み領域84を定めることができる。代替的には、温度変化部材は、3又はそれより多い折り畳み領域を含むことができ、これは、本発明の範囲内であると考えられる。
【0056】
折り畳み領域82及び84は、当技術の1つに認識されているように、種々異なる方法で形成することができる。例えば、温度変化部材表面86、88の1つは、それ自体が重なる関係で形成することができる。特に、一態様においては、温度変化部材身体側表面86は、それ自体が重なる関係にあり、第一折り畳み領域82及び/又は第二折り畳み領域84を定めることができる(図3、6、7)。代替的には、別の態様においては、温度変化部材衣類側表面88は、それ自体の上に重なる関係にあり、第一折り畳み領域及び/又は第二折り畳み領域(図7及び8)を定めることができる。更に別の態様においては、温度変化部材衣類側表面88は、それ自体が重なる関係にあり、1つの折り畳み領域82又は84を形成し、更に温度変化部材身体側表面は、それ自体が重なる関係にあり、別の折り畳み領域82又は84を形成することができる。代替的には、以下に詳細に述べているように、1又はそれ以上の折り畳み領域82又は84は、複数の折り(図7)を含むことができる。したがって、折り畳み領域82及び84に関して上記したように、温度変化部材70は、温度変化部材70の少なくとも一部において、複数の層を含むことができる。
【0057】
上記したように、温度変化部材の表面86及び88は、それ自体の上に重なり、本発明の温度変化部材折り畳み領域82及び84を定めることができる。容易に認識できるように、表面86及び88は、直接対向関係にあり、折り畳み領域(図6−8)を形成することができる。それにもかかわらず、他の層又は他の材料は、折り畳み領域82及び84の中で表面86及び88の中間とすることができ、このことは本発明の範囲内とすることが容易に認識される。
【0058】
本発明の折り畳み領域82及び84は、当業者に知られているような多くの形態で形成することができる。例えば、折り畳み領域82、84は、改善された性能及び製造しやすさのために、C折形態(図6、8)を形成することができる。代替的には、折り畳み領域82及び84は、剛性を増加させるためにZ折り形態(図7)を形成することができる。容易に認識されるように、温度変化部材70が複数の折り畳み領域82、84を定めるような形態においては、折り畳み領域82、84は、同じ折り畳み配列又は異なる折り畳み配列で形成することができる。例えば、第一折り畳み領域82及び第二折り畳み領域84は、各々が、C折り形態(図6、8)又はZ折り形態(図7)で形成することができる。代替的には、第一折り畳み領域82は、C折り形態で形成され、一方、第二折り畳み領域84は、Z折り形態などの異なる折り形態で形成することができる。
【0059】
多層の温度変化部材70により形成される折り畳み領域82及び84において、丈夫さを増加させることで、折り畳み領域82及び84は、使用中に変形に有利に抵抗することを可能とする。その結果、温度変化部材70の少なくとも折り畳み領域82及び84は、パンツ20が、着用者の脚部の間で絞られる場合でも、着用者と近接して身体接触したままの状態である可能性がより大きくなる。すなわち、着用者が、脚部の間でパンツ20を絞る場合は、温度変化部材70は、パンツ20の股部領域26の残りの部分を曲げる傾向にあり、その結果、着用者の肌から離れることとなる。それにもかかわらず、本発明の温度変化部材70では、折り畳み領域82及び84は、曲がることに抵抗し、その位置に留まり(すなわち、着用者の身体に近接して)、その結果排尿した時に、着用者に温度変化をより効率的に与える。更に、折り畳み領域82、84に存在する多層の部材70により、温度変化部材70の冷却効果が折り畳み領域に集中することができる。特に、折り畳み領域は、繰り返される排尿現象に応じて冷却感覚を与え、更に折り畳み領域82、84における温度変化部材70の濃度に応じて、着用者に大きい温度変化を経験させるようにすることができる。
【0060】
上記したように、温度変化部材は、少なくとも第一折り畳み領域82を定めることができ、更に任意ではあるが、第二折り畳み領域84を定めることができる。更に、図3、6−8に代表的に示されるように、温度変化部材は、任意ではあるが折り畳まれない領域90を定めることができる。例えば、温度変化部材70の一部は、折り畳み配列の状態で折り畳み領域を定め、温度変化部材70の別の部分は、実質的には平坦な状態で折り畳まれない領域90を定めることができる。温度変化部材が、第一折り畳み領域82及び第二折り畳み領域84などの、複数の折り畳み領域を定めるような特定の態様においては、折り畳まれない領域90は、第一折り畳み領域及び第二折り畳み領域との間に位置することができる(図3、6−8)。
【0061】
折り畳み領域82及び84は、温度変化部材表面86及び88がそれ自体の上に重なる関係で配置されているところに、折り畳み軸92を含むことができる。図3に代表的に示されるように、折り畳み軸92は、実質的には直線状であり、実質的には縦方向46に延びることができる。代替的には、折り畳み軸92は、曲線状とすることができ、脚部開口52に近い位置のような温度変化部材70に、体型に合った形状を有利に形成することができる。別の代替的手法においては、折り畳み軸92は、実質的には横方向48に延び、任意ではあるが、縦方向及び/又は横方向46及び48から角度を持って延びることができる。
【0062】
折り畳み領域82及び84は、温度変化部材70の種々異なる位置に配置することができ、使用中に着用者に触感による伝達を、有利に促進することができる。例えば、図3、6−8に代表的に示されるように、第一折り畳み領域82は、任意ではあるが、物品第一側部縁35の近くに位置することができる。同様に、温度変化部材が複数の折り畳み領域82、84を含むような態様においては、第二折り畳み領域84は、任意ではあるが、物品第二側部縁36の近くに位置することができる。このように、使用中に、折り畳み領域82及び84は、使用中に、あまり曲がったり変形することがなく、着用者の身体に近接したままでパンツ20の股部領域26に位置することができる。
【0063】
本発明のパンツ20の温度変化部材70は、その折り畳み状態における温度変化部材面積を定めることができる。すなわち、温度変化部材面積は、折り畳まれた状態における温度変化部材70の表面積である。同様に、折り畳み領域82及び84は、折り畳み領域面積を定め、これは折り畳まれた状態における折り畳み領域82及び84の表面積である。例えば、第一折り畳み領域82は、第一折り畳み領域面積を定めることができ、温度変化部材70が複数の折り畳み領域を含むような態様においては、第二折り畳み領域84は、第二折り畳み領域面積を定めることができる。更に、個々の折り畳み領域面積は、折り畳み領域面積全体を合計して定めることができる。例えば、温度変化部材70が第一折り畳み領域82及び第二折り畳み領域84を含むような態様においては、折り畳み領域面積全体は、第一折り畳み領域面積と第二折り畳み領域面積の合計とする。
【0064】
したがって、第一折り畳み領域82は、温度変化部材面積の少なくとも25パーセントの、代替的には、使用中に温度変化性能を改善するためには、温度変化部材面積の少なくとも33パーセントの第一折り畳み領域面積を定めることができる。同様に、温度変化部材70が第二折り畳み領域84を含むような態様においては、第二折り畳み領域84は、温度変化部材面積の少なくとも25パーセントの、代替的には、使用中に温度変化部材性能を改善するためには、温度変化部材面積の少なくとも33パーセントの第二折り畳み領域面積を定めることができる。更に、折り畳み領域面積全体は、使用中に温度変化性能を改善するために、温度変化部材面積の少なくとも33パーセント、代替的には少なくとも50パーセントとすることができる。
【0065】
上記した様々な面積は、当技術で知られている方法を使用して求めることができる。例えば、計測される面積がほぼ直線状の形状の場合は、面積の横方向48における最大の寸法に面積の縦方向46における最大の寸法を掛けることにより、面積を求めることができる。代替的には、実質的には直線状でない面積に対しては、周知した、物品と同じ基本重量の十分に大きい紙片を置き、領域の境界に印をつけて測定することにより、それぞれの領域の面積を計測することができる。次に、切り取り、正確に測定して紙シートの重量を得て、これを基本重量で割ると、紙の面積、すなわち各々の領域の面積を得る。
【0066】
本発明の別の態様においては、パンツ20は、温度変化部材70とともに配置される弾性部材を含むことが有利であり、これによって、使用中に、部材70の性能を更に改善することができる。特定の態様においては、第一弾性部材94は、第一折り畳み領域82とともに配置することができる(図6−8)。その結果、弾性部材94は、使用中に、温度変化部材の少なくとも一部が、着用者の身体と近接して接触するのを維持するように助けることができる。温度変化部材70が、第一及び第二折り畳み領域82及び84などの複数の折り畳み領域を含むような特定の態様においては、第一弾性部材94及び第二弾性部材96は、それぞれの折り畳み領域82及び84各々とともに配置することができる。
【0067】
弾性部材94及び96は、当業者に知られる多くの方法で、折り畳み領域82及び84とともに配置することができる。例えば、弾性部材94及び96は、折り畳み領域に近接して(図8)、折り畳み領域の下に(図7)配置することができるか、又は弾性部材は、折り畳み領域82及び84の間に挟む(図6)ことができるか、或いはこれらの組合せとすることができる。更に、温度変化部材70が、第一及び第二折り畳み領域82及び84などの複数の折り畳み領域を含むような態様においては、弾性部材94及び96は、同じ方法で、折り畳み領域82及び84とともに配置することができるか、又は代替的には、弾性部材94及び96は、異なる方法で折り畳み領域82及び84とともに配置することができる。
【0068】
弾性部材94及び96は、当業者に知られているような、種々異なる弾性材料により形成することができる。例えば、カンザス州ウイチタに所在するInvistaから入手可能なLYCRAなどの弾性繊維のストランドが、弾性部材94及び96に使用することができる。代替的には、弾性部材94及び96は、NBL、STL、又はSBL(側部パネル34、134に関連して上記された)或いはこれらの組み合わせなどの弾性材料のストランド、リボン又はシートにより形成することができる。更に別の代替的手法においては、弾性部材94及び96は、上記した又は他の適当な弾性材料の組み合わせにより形成することができる。
【0069】
温度変化部材70は、温度変化複合体72、及び任意ではあるが、温度変化複合体72と重なる関係の第一キャリア層74を含むことができる(図4及び5)。温度変化部材70は、任意ではあるが、第二キャリア層76を含むことができ、第一キャリア層74及び第二キャリア層76は、温度変化部材72を挟む(図5)。したがって、温度変化部材70がキャリア層74又は76を含まないような態様においては、複合体72は、温度変化部材70の表面86及び88を形成することができる。代替的には、キャリア層が存在する場合は、キャリア層74及び76は、温度変化部材表面86及び88の1つ又は両方を形成することができる。
【0070】
温度変化複合体72は、温度変化材料80及び任意ではあるが、繊維のマトリックス78を含み、温度変化材料80は、繊維のマトリックス78内に混入される。繊維のマトリックス78は、実質的には、連続したもの或いは別個で非連続のものとすることができる。更に、温度変化複合体72の繊維のマトリックス78は、当業者に知られているような種々異なる繊維によって形成される。例えば、繊維のマトリックス78は、接着性繊維、吸収性繊維、結合材(結合繊維を含む)、ポリマー繊維、及び同様のもの、又はこれらの組み合わせを含むことができる。このように、温度変化材料80は、パンツ20の製造中及び/又は着用中に、材料の零れ落ち又は損失を制限するように、マトリックス78内に適当に捕捉される。適当な温度変化複合体72は、米国特許第5,681,298号及び米国特許出願一連番号11/143359に記載されており、各々の特許は、前にここに組み入れられている。
【0071】
特に、繊維のマトリックス78が接着性繊維を含む態様においては、繊維は、ホットメルト接着剤により形成することができる。このような接着剤は、一般的には、粘着強度、樹脂又は自生的材料、おそらくはワックス、可塑剤又は粘性を変成する他の材料、及び/又はこれらに制限されるものではないが、抗酸化剤又は他の安定剤を含む他の添加剤を形成するような1又はそれ以上のポリマーを含む。代替的接着剤が、本発明の範囲から外れることなく使用することができると考えられる。
【0072】
温度変化材料80は、接着剤流内に供給され、これに随伴されることにより繊維のマトリックス78に付与される接着性繊維と混入され、接着性繊維と温度変化材料80の混合物を形成することができる。このような態様においては、繊維のマトリックスは、第一キャリア層74などの基体に、任意ではあるが付与することができる。更に、第二キャリア層76は、必須ではないが、温度変化複合体72を覆うことができ、繊維のマトリックス78において接着剤によりそこに固定される。
【0073】
繊維のマトリックス78を形成するために使用される適当な接着剤の例は、ミネソタ州セイントポールのH.B.Fuller Adhesivesから入手可能なHL8151−XZPホットメルト接着剤である。特に、この接着剤は親水性接着剤であり、温度変化部材70の迅速な湿潤性を促進するものであり、温度変化を加速する結果となる。代替的には、接着剤は、本発明の範囲から外れることなく、疎水性接着剤としてもよいと考えられる。
【0074】
代替的には、温度変化複合体72の繊維のマトリックス78は、吸収性繊維を含むことができる。このような態様においては、繊維のマトリックス78は、従来の空気形成装置の形成表面上にマトリックスを形成することにより、吸収性繊維から付与することができる。適当な吸収性繊維は、セルロース系繊維(すなわち、木質パルプ繊維)又は綿などの天然吸収性繊維、レーヨン又はセルロースアセテートなどの合成吸収性繊維、或いはこれらの組み合わせを含むことができる。特に、吸収性繊維は、米国サウスカロライナ州グリーンヴィルのBowater Incorporatedより入手可能なCR1654という商標の、漂白済み南方軟材と硬材の混合クラフトパルプとすることができる。他の適当な吸収性繊維は、米国ワシントン州フェデラルウエイのWeyerhaeuser Co.より入手可能な漂白済み南方軟材クラフトパルプであるNB416、米国サウスカロライナ州グリーンヴィルのBowater Incorporatedより入手可能な漂白済み南方軟材クラフトパルプであるCR1654、米国ジョージア州JesupのRayonier Inc.より入手可能な化学変成された硬材パルプであるSULPHATATE HJ、及びWeyerhaeuser Co.より入手可能な化学処理された漂白済み南方軟材クラフトパルプであるNF405を含むことができる。
【0075】
任意ではあるが、このような態様においては、繊維のマトリックス78は、結合材材料を更に含むことができる。例えば、結合材材料は、適当なものとしては、熱可塑性結合材材料とすることができる。このような結合材材料は、加熱された時柔軟になることができるものであり、更に、室温に冷却されたとき実質的に最初の状態に戻ることができるものである。このような熱可塑性結合材材料は、柔軟な状態の時は、繊維及び結合材に近位の他の材料を抑制又は捕捉し、温度変化複合体72を安定させる。結合材材料は、粉末又は繊維の形状で付与される。本発明に使用するために適当な結合材材料の例は、ポリエチレングリコール(PEG)又はパラフィン蝋などの低い溶融温度を有するものとすることができ、これらの両方は、ミズーリー州セントルイスのAlrichより入手可能である。
【0076】
別の代替的手法においては、繊維のマトリックス78は、ポリマー繊維及び吸収性繊維を含むコフォーム複合体によって形成される。コフォーム材料及びコフォーム法は、当業者に知られており、例としてAnderson他の米国特許第4,100,324号、Everhart他の米国特許第5,284,703号、及びGeorger他の米国特許第5,350,624号に記載されており、各々は一貫性のある範囲で(すなわち、矛盾することなく)引用によりここに組み入れられる。
【0077】
特定の態様においては、繊維のマトリックス78は、メルトブローンポリマー繊維とセルロース系繊維の混合物とすることができるコフォーム複合体によって形成される。様々な適当な材料を、ポリオレフィン材料などのメルトブローン繊維を形成するために使用することができる。代替的には、ポリマー繊維は、コポリマー樹脂により形成されるような延伸ポリマー繊維とすることができる。例えば、テキサス州ヒューストンのExxonMobil Corporationより入手可能なPLTD−1819という商標のVistamaxx(登録商標)弾性オレフィンコポリマー樹脂、又はテキサス州ヒューストンのKraton Polymersより入手可能なKRATON G−2755が、繊維のマトリックス78のための延伸可能なポリマー繊維を形成するために使用することができる。他の適当なポリマー性材料又はこれらの組み合わせが、代替的には、当業者に知られているように利用することができる。
【0078】
更に、米国ワシントン州フェデラルウエイのWeyerhaeuser Co.から入手可能な化学処理された漂白済み南方軟材クラフトパルプであるNF405、Weyerhaeuser Co.より入手可能な漂白済み南方軟材クラフトパルプであるNB416、サウスカロライナ州グリーンヴィルのBowater Inc.より入手可能な完全に接着解除された軟材パルプであるCR−0056、米国ジョージア州BrunswickのKoch Celluloseより入手可能な接着解除された軟材パルプであるGolden Isles4822、及び米国ジョージア州JesupのRayonier Inc.より入手可能な化学変成された硬材パルプであるSULPHATATE HJなどの様々な吸収性セルロース繊維を利用することができる。
【0079】
ポリマー繊維及びメルトブローン繊維は、吸収性繊維流及び押し出された溶融ポリマー性繊維流を形成することにより、コフォーム化され、繊維のマトリックス78を形成する。更に、温度変化複合体72を形成するために、温度変化材料80流が形成される。これらの流れは、単一流に合流し、形成ベルト又は形成ドラムなどの形成表面上に堆積して、温度変化部材70の温度変化複合体72を形成することができる。任意ではあるが、第一キャリア層74などの形成層は形成表面上に置かれ、温度変化複合体72の中に含まれる材料を堆積するために使用される。
【0080】
吸収性繊維流は、当業者に知られているような解繊機、ハンマーミル、又は類似した装置にパルプシートを供給することにより形成される。適当な解繊機は、サウスカロライナ州グリーンヴィルのHollingsworthより入手可能であり、1983年3月1日付けのAppel他の米国特許第4,375,448号に記載されている。ポリマー繊維流は、メルトブローしたコポリマー樹脂又は他のポリマーによって形成される。特に、Vistamaxx(登録商標)PLTD1810などのコポリマー樹脂に対する溶融温度は、450度F(232度C)から540度F(282度C)とすることができ、マトリックス内の温度変化材料の浮遊を改善することができる。上記したように、メルトブローン繊維を含む不織繊維性ウエブを形成するための適当な技術は、前に組み込まれた米国特許第4,100,324号及び第5,350,624号に述べられている。メルトブロー技術は、繊維と温度変化材料80を作動的に混入することができる乱流を形成するための従来の専門知識にしたがって、容易に調整することができる。例えば、最初の空気圧は5psiに設定され、メルトブローンノズルは、0.020インチの紡糸用口金孔ノズルとすることができる。この技術は、温度変化複合体72の様々な材料の望ましい重量パーセントを付与するために、従来の知識にしたがって容易に調整することができる。
【0081】
温度変化材料80の流れは、空気圧により付与されるか又は重力により供給される。空気流に材料を放出するための適当な方法及び装置は、1986年8月5日付けのMcFarland他の米国特許第4,604,313号に記載されており、この特許は一貫性のある範囲で(すなわち、矛盾することのない範囲で)引用によりここに組み入れられる。コフォーム材料は、超吸収性材料などの他の材料を含むことができる。
【0082】
一態様においては、上記したようにコフォーム複合体によって形成される温度変化複合体72は、5から15重量パーセントのメルトブローンポリマー繊維、10から50重量パーセントの吸収性繊維、及び40から80重量パーセントの温度変化材料とすることができる。特定的な態様においては、温度変化複合体72は、8重量パーセントのメルトブローンポリマー繊維、14重量パーセントの吸収性繊維、78重量パーセントの温度変化材料とし、基本重量を1340gsmと定めることができる。
【0083】
温度変化複合体72が、上記したようにコフォーム複合体により形成される特定の態様においては、温度変化複合体の部分は、上記したサージ処理層と類似した分散層として機能することができる。すなわち、1又はそれ以上の放出の場合に、放出領域に存在した温度変化材料80は消費されるが、残存する温度変化複合体のコフォーム材料は、これから起きる放出を着用者に一層効率的に知らせることとなる温度変化部材70の他の領域、及びパンツ20の性能を改善するために設けられる吸収性本体44の他の領域の両方に、これから起きる放出を分散するように機能することができる。
【0084】
上記したように、温度変化部材70は、任意ではあるが、温度変化複合体72と重なる関係で第一キャリア層74(図4及び5)を含むことができる。更に、温度変化部材70は、任意ではあるが、第一キャリア層74及び第二キャリア層76(図5)を含むことができ、第一キャリア層及び第二キャリア層76は、温度変化複合体72を挟む。第一及び第二キャリア層74及び76は、別個のウエブ材料より形成することができるか、代替的には、温度変化複合体72を半分に折り畳んだ単一のウエブ材料より形成される。
【0085】
ある態様においては、キャリア層74及び76は、液体透過性又は液体不透過性とすることができる。例えば、第一キャリア層74などの1つのキャリア層を少なくとも部分的に液体不透過性、及び任意ではあるが、実質的に又は完全に液体不透過性とし、もう一方のキャリア層(すなわち第二キャリア層76)を少なくとも部分的に液体透過性、及び任意ではあるが、実質的に又は完全に液体透過性とすることができる。このような態様においては、第一キャリア層74は、外側表面32側に置かれ、かつ第二キャリア層76は、内側表面30側に置かれる。このように、液体放出物は、第二キャリア層76を通過して温度変化材料を活性化して、第一キャリア層74は、液体放出物が温度変化部材70から出ようとする流れを遅くし、着用者が感じる温度変化を最大のものとすることができる。代替的には、第一キャリア層76は液体透過性とすることができ、第二キャリア層76の態様においては、キャリア層74及び76の両方が液体透過性とすることができる。更に別の代替的手法においては、キャリア層74及び76は、液体透過性及び液体不透過性である部分を、各々が含むことができる。上記したようなキャリア層74及び76は、温度変化部材70の一体性を改善することができ、これにより加工性を促進し、部材70内に温度変化材料を保持することを介助することができる。
【0086】
キャリア層74及び76のために適当な液体透過性材料は、ティッシュ層、不織層、又はこれらの組み合わせを含む。特に、身体側ライナー42として使用するのに適したものとして述べられた材料が、液体透過性キャリア層74及び76に適当なものとすることができる。したがって、液体透過性キャリア層74及び76は、延伸可能とすることができる。同様に、外カバー40として使用するのに適当なものとして述べられた材料が、液体不透過性キャリア層74及び76として使用するのに適当なものとすることができる。したがって、液体不透過性キャリア層74及び76は、延伸可能とすることができる。
【0087】
本発明の様々な態様のパンツ20は、湿分バリア98を含むことができる。例えば、図3、6−8に代表的に示されるように、湿分バリアは、温度変化部材衣類側表面88上に配置することができる。少なくとも一部が液体不透過性であるキャリア層74及び76に関して上記したように、湿分バリア98は、液体放出物が温度変化部材70から出ようとする流れを遅くし、着用者が感じる温度変化を最大のものとすることができる。
【0088】
したがって、湿分バリア98は、当業者に知られているような種々異なる方法で、パンツ20に付与することができる。例えば、温度変化部材70がキャリア層74及び/又は76を含むような態様においては、第一キャリア層74の少なくとも一部は、上記したように液体不透過性で、その結果、湿分バリア98の一部を形成することができる。代替的には、温度変化複合体72の一部は、実質的には液体不透過性となるように処理され、湿分バリア98に付与することができる。これは、温度変化部材70がキャリア層74及び/又は76を含む場合に、更に温度変化部材70が、どんなキャリア層74及び76も含まないような態様においては、適当とすることができる。
【0089】
更に別の代替的手法においては、ポリマーフィルムなどの液体不透過性材料のストリップ又はウエブなどの別個の要素を、湿分バリア98を形成するために使用することができる(図3、6−8)。この態様は、温度変化部材70がキャリア層74及び/又は76を含む場合に、更に温度変化部材70が、どんなキャリア層74及び76も含まないような態様においては、適当とすることができる。例えば、湿分バリア98は、第一キャリア層74と温度変化複合体との間に配置することができるか、又は湿分バリア98は、温度変化複合体に対してキャリア層74の外側とすることができる。この場合において、湿分バリア98として使用するために適当な材料は、ニュージャージー州サウスプレインフィールドのEdison Plastics Companyより商業的に入手可能な0.025ミリメートル(1.0ミル)のポリエチレンフィルムである。
【0090】
湿分バリア98は、当業者に知られているような種々異なる大きさ及び形状とすることができる。更に、湿分バリアは、任意ではあるか、製造しやすいように、縦方向46における(図3)パンツ20の長さ全体に、実質的には延びるような大きさとすることができる。代替的には、湿分バリアは、材料費を節約するために、縦方向46において温度変化部材70と位置合わせすることができる。すなわち、湿分バリア98は、縦方向46において、温度変化部材70と実質的には同じ長さを有することができ、湿分バリアの縦方向端部縁と温度変化部材は、実質的には一直線とすることができる。
【0091】
更に、湿分バリア98は、横方向48において、実質的にはパンツ20の幅全体に延びるように形成することができるか、或いは代替的には、湿分バリア98は、横方向48において、横方向48における温度変化部材と実質的には同じ大きさとなるようにすることができる。特定の態様においては、湿分バリア98は、温度変化部材70が、実質的には温度変化部材衣類側表面88全体に配置されるように、類似した大きさ及び形状となるように形成することができる(図7)。代替的には、湿分バリア98は、温度変化部材衣類側表面88の部分にのみ配置することができる(図3、6及び8)。例えば、図3、6及び8に代表的に示されるように、湿分バリア98は、適当なものとしては、少なくとも第一折り畳み領域82の範囲に限定することができ、すなわち湿分バリア98は、第一折り畳み領域82に近接して位置決めすることができる。更に、温度変化部材70が、第一及び第二折り畳み領域82及び84などの複数の折り畳み領域を含むような態様においては、湿分バリア98は、第一及び第二折り畳み領域82及び84の範囲に限定することができる。
【0092】
更に、図3、6及び8に代表的に示されるように、温度変化部材70が折り畳まれていない領域90を含むような態様においては、湿分バリア98は、折り畳まれていない領域90に近接しないように位置決めすることができる。その結果、液体放出が折り畳み領域82及び84の温度変化部材70から出ようとする流れを遅くし、それらの領域で着用者が感じる温度変化を最大のものとすることができる。したがって、湿分バリア98は、温度変化部材70の折り畳まれていない領域90では、尿をあまり溜めさせることができないので、パンツ20は尿を吸収しやすく、漏れを減少させることとなる。
【0093】
本発明の様々な態様による温度変化材料80は、着用者の近くに置かれて尿と接触した時に温度変化を与える基体を含むことができる。温度変化は、着用者が認知することができる熱の吸収又は放出のいずれかとすることができる。温度変化材料80による熱吸収は、着用者に冷たい感覚を与え、一方基体による熱放出は、着用者に暖かい感覚を与える。前述したOlson他の米国特許出願一連番号10/462,166が参照され、温度変化の感覚が達成される機構に関する付加的情報について、引用によりここに組み入れられる。適当なものとしては、温度変化材料80は、上記した態様において、加工しやすい特定の形状で与えられる。
【0094】
温度変化材料80は、前記した繊維のマトリックス78内に、均一に混入される。代替的には、温度変化材料80は、温度変化複合体72の厚さ内に、分配勾配を定めることができる。例えば、温度変化材料80は、パンツの内側表面30に向かってかなりの量が繊維のマトリックス78内に混入される。代替的には、温度変化材料80は、パンツの外側表面30に向かってかなりの量が繊維のマトリックス78内に混入される。
【0095】
温度変化材料80は、尿などの水性溶液と接触すると反応して、熱を吸収するか又は放出するかのいずれかである。これが達成されるのは、水性溶液で基体が膨潤して水性溶液内で基体が溶解するか、或いは水性溶液の中で基体が反応するという機構によってである。例えば、温度変化材料は、溶解した状態と結晶の状態とで異なる実質的エネルギーを有する粒子を含むことができ、熱の形状でのエネルギーは、尿と接触する環境において吸収又は放出されるか、或いは温度変化材料は、水性溶液内で膨潤又は反応する間にエネルギーを放出又は吸収することができる。
【0096】
水性溶液と接触した時に、広く種々異なる基体が温度変化を形成することができるが、温度変化材料80の特定の選択、使用される量の決定及び基体の位置は、そのほとんどは望ましい温度変化に基づくべきである。特定的には、温度変化部材70は、湿潤した時に、適当なものとして少なくとも摂氏約5度、より適当なものとしては摂氏約10度、更により適当なものとしては摂氏15度の温度変化(すなわち、冷たくなるか又は暖かくなる)を、訓練用パンツ10に与えることができるものとする。代替的には、温度変化部材70は、湿潤した時に、摂氏5度から15度の表面温度変化を、パンツ20に与えることができるものとする。この範囲内の表面温度変化は、トイレ訓練をする年齢の子供によってある程度まで識別可能であると考えられる。より特定的には、温度変化部材70は、湿潤した時に、5度Cから10度Cの表面温度変化をパンツ20に与えることができる。
【0097】
このように、特定の態様においては、温度変化材料が吸熱する場合は、放出された時の製品の温度低下は、特定的には気を取られている着用者(すなわち、遊んでいる子供)では、約37度Cから約25度Cまで、更に改善された効率としては約22度Cまでとすることができる。温度変化は、少なくとも10分間続くことが適当であり、更に適当なものとしてはおよそ15分間続くことができる。
【0098】
例として、キシリトール粒子は、水性溶液に溶解された時熱を吸収するので、冷たい感覚を与えるためにキシリトール粒子などのポリオールを選択することができる。代替的には、ソルビトール又はエリスリトールなどの他のポリオールが、冷たい感覚を与えるために、有効に選択することができる。更に別の代替的手法においては、上記した温度変化材料の様々な組み合わせを利用することができる。
【0099】
溶解する間に熱を吸収する他の適当な温度変化材料は、酢酸ナトリウム(H2O)、炭酸ナトリウム(10H2O)、硫酸ナトリウム(10H2O)、チオ硫酸ナトリウム(5H2O)、及び燐酸ナトリウム(10H2O)などの塩水和物、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、及び硝酸ナトリウムなどの無水塩、尿素及び同様のもの、又はこれらの組み合わせなどの有機化合物を含む。
【0100】
温度変化材料80は、膨潤する間に、熱を吸収又は放出する物質を含むことができる。説明のために、膨潤する間に熱を放出する1つの適当な温度変化材料は、わずかに架橋結合されて、部分的に中和化したポリアクリル酸である。溶解する間に熱を放出する他の温度変化材料80は、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、及び同様のもの、又はこれらの組み合わせを含む。
【0101】
温度変化材料80は、オルトエステル又はメントンケタルなどのケタルを含むことができ、これはメントンが1から8の炭素を含むアルコール又は2から8の炭素を含むポリオール、及びこれらのすべての構造的及び光学異性体と反応することから形成される。適当とされる特定のメントンケタルは、メントン−グリセロールケタル及びメントン−プロピレングリコールケタルを含む。特定のケタルは、Grennbergの米国特許第5,348,750号及びGrub他の米国特許第5,266,592号に記載されている。
【0102】
上記したように、温度変化部材70は、繊維のマトリックス72及び繊維のマトリックス72内で混入されたキシリトール粒子などの温度変化材料80を含むことができる。排尿により湿潤されると、キシリトールは溶解して、吸熱反応を発生し、これにより着用者に排尿が起きていることを合図する。
【0103】
温度変化部材70は、排尿の時に、液体が温度変化材料80と接触するように、訓練用パンツ20内に配置される。例えば、温度変化部材70は、吸収性本体44とともに、例えば外カバー40とライナー42の中間部などに置かれる。特に、温度変化部材70は、吸収性本体44に取り付けられ、かつパンツ20の内側表面側に置かれる。代替的には、温度変化部材70は、吸収性本体44に近接するライナー42に取り付けられる。更に別の代替的手法においては、温度変化部材70は、吸収性本体44の部分間のギャップ内に置かれ、例えば外カバー40に取り付けられる。このような態様は、2004年9月29日付けのWeber他の米国特許出願10/955,534に記載されており、この特許は一貫性のある範囲で(すなわち、矛盾することなく)引用によりここに組み入れられる。
【0104】
容易に理解されるように、温度変化部材70は、様々な形状及び大きさとすることができる。例えば、温度変化部材70は、長方形とすることができ、かつ2.5cmから10cmの横方向48幅及び2.5cmから25cmの縦方向46長さを有するものとすることができる。一態様においては、温度変化部材70は、約8cmから10cmと測定することができる。代替的には、温度変化部材70は、楕円形状、円、三角形、又は同様のものとすることができる。別の代替的物品においては、温度変化部材70は、全体的にストリップ状に形成され、これは横方向48又は縦方向46に延びて、ギャップにより分離される。
【0105】
更に、温度変化部材70は、上記したように、様々な量の温度変化材料80を適当に含むことができる。また、本発明の訓練用パンツ20は、1又はそれ以上の温度変化部材70を含むことができることを、当業者は理解するであろう。
【0106】
したがって、容易に認識できるように、本発明の様々な態様のパンツ20は、使用中に着用者の股部で変形又は曲がった場合でも、着用者に排尿を一層容易にかつ効率的に合図することができる。
【0107】
温度変化材料を含む製品が湿潤した時、温度変化を求める適当な手順が、以下の温度変化テストに述べられている。テストは、摂氏21度から22度の安定した温度及び約50パーセントの安定した湿度を有する環境において実施されるべきである。テストされる製品は、製品をできるだけ平坦な状態に置けるように、弾性側部パネルを取り外し、かつ他のすべての弾性材を切り取って準備される。製品はプレキシガラス製受け台に位置決めされ、実際の使用における製品の形態を模倣する。製品の中央部が、受け台の最も深い部分に置かれるようにする。
【0108】
液体配分ポンプに作動的に接合された液体配分ノズルは、製品の内側表面上に生理的食塩水を配分するように位置決めされる。ノズルの先端は、製品の縦方向軸に沿って、内側表面から1cm離れ、かつ製品の中央部から10cm前方に置くべきである。ポンプは、90mlの安定した等浸透圧の0.9パーセント生理的食塩水を、15ml/秒の速度で配分するように作動させる。生理的食塩水は、イリノイ州マグロ−パークのThe Baxter Healthcare CorporationのScientific Products Divisionより入手可能な認定された血液銀行用生理的食塩水であり、温度は37℃である。
【0109】
温度変化部材の位置での製品の表面温度は、標準温度計又はデジタル表示又は記録用装置に接合された温度感知サーミスターを使用して計測される。生理的食塩水が配分された後30秒後の表面温度が、テスト温度として記録される。参照温度は、温度変化材料を含まない製品の一部上か、又は温度変化材料のない類似した製品上で、このテストを実施して得られる。湿潤した時の製品の表面温度変化は、テスト温度と参照温度の差である。
【0110】
本発明の範囲から外れることなく、上記した構成及び方法に、様々な変更を加えることができるものであるから、上述の説明に含まれ、添付図面に示されたすべての事柄は、説明のものであり、制限する意味ではないものと解釈されることを意図している。
【0111】
本発明の要素又はこれらの好ましい態様を説明する場合に、「1つ」、「それ」及び「該」という単語は、1つ又はそれ以上の要素があることを意味するものである。「含む」、「含まれる」及び「有する」という用語は、包括的であり、示した要素以外に付加的要素がある可能性があることを意味するものである。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】パンツの機械的締結システムを有する1対の訓練用パンツを、訓練用パンツの1つの側部は締結状態で、訓練用パンツのもう一方の側部は締結しない状態で示す、訓練用パンツの側面図である。
【図2】図1の訓練用パンツを、締結しない状態で、拡げて、平坦な状態に置いた形態の、訓練用パンツを着用者とは反対側で示した平面図である。
【図3】図2と類似しているが、着用した時に着用者に面する側の訓練用パンツの表面を、下側にある特性が見えるように部分的に切り取られた状態で示す平面図である。
【図4】本発明の温度変化部材を、明確にするために折り畳み領域を省略した状態で示す、特定の態様の部分図である。
【図5】本発明の温度変化部材を、明確にするために折り畳み領域を省略した状態で示す、別の態様の部分図である。
【図6】訓練用パンツを、明確にするためにある任意的に設けられる要素を取り除いた状態で示す、特定の態様の部分図である。
【図7】訓練用パンツを、明確にするためにある任意的に設けられる要素を取り除いた状態で示す、別の態様の部分図である。
【図8】訓練用パンツを、明確にするためにある任意的に設けられる要素を取り除いた状態で示す、更に別の態様の部分図である。
【符号の説明】
【0113】
20 パンツ
32 吸収性組立体
40 外カバー
42 身体側ライナー
44 吸収性本体
70 温度変化部材
72 温度変化複合体
74 第一キャリア層
78 繊維のマトリックス
80 温度変化材料
82 第一折り畳み領域
84 第二折り畳み領域
90 折り畳まれない領域
94 弾性部材
98 湿分バリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品第一側部縁と、前記物品第一側部縁とは反対側の物品第二側部縁と、1対の端部縁とを定める吸収性物品であって、
液体不透過性外カバーと、
前記外カバー上に位置する吸収性本体と、
前記吸収性本体とともに配置された温度変化部材と、
を含み、
前記温度変化部材は、温度変化部材第一表面と、前記温度変化部材第一表面とは反対側の温度変化部材第二表面と、前記第一表面と前記第二表面との間に位置する温度変化材料とから成り、前記温度変化第一表面は、第一折り畳み領域を定めるようにそれ自体の上に重なる関係にあり、前記温度変化部材は、ここに記載された温度変化テストにより求められるものとして、少なくとも摂氏5度の温度変化を物品に与えることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記第一折り畳み領域は、C折りを含むことを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記温度変化第一表面は、それ自体が直接対向関係にされて、前記折り畳み領域を形成することを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記第一折り畳み領域は、前記第一側部縁と近い位置にあることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記温度変化部材は、折り畳まれない領域を更に定めることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記温度変化部材は、第二折り畳み領域を更に定めることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記温度変化部材は、前記第一折り畳み領域と前記第二折り畳み領域との間に位置する折り畳まれない領域を更に定めることを特徴とする請求項6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記第一折り畳み領域は、前記物品第一側部縁と近い位置にあり、前記第二折り畳み領域は、前記物品第二側部縁と近い位置にあることを特徴とする請求項6に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記第一表面は、温度変化部材身体側表面を定めることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記第一表面は、温度変化部材衣類側表面を定めることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記温度変化部材は、身体側表面及び前記身体側表面と反対側の衣類側表面を定め、前記吸収性物品は、前記温度変化部材の前記衣類側表面上に位置する湿分バリアを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記湿分バリアは、前記第一折り畳み領域に近接することを特徴とする請求項11に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記温度変化部材は、折り畳まれない領域を更に定め、前記湿分バリアは、前記折り畳まれない領域に近接しないことを特徴とする請求項12に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記第一折り畳み領域は、複数の折りを含むことを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記第一折り畳み領域は、Z折りを含むことを特徴とする請求項14に記載の吸収性物品。
【請求項16】
前記温度変化部材は、前記温度変化部材第一表面と前記温度変化部材第二表面との間に位置する繊維のコフォームマトリックスを更に含み、前記繊維のコフォームマトリックスは、ポリマー繊維及び吸収性繊維を含み、前記温度変化材料は、前記繊維のコフォームマトリックス内に混入されることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項17】
前記温度変化部材は、温度変化部材面積を定め、前記第一折り畳み領域は、前記温度変化部材面積の少なくとも33パーセントである第一折り畳み領域面積を定めることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項18】
前記温度変化部材は、湿潤状態の時に、ここに記載された温度変化テストにより求められるものとして、摂氏5度から摂氏15度の表面温度変化を物品に与えることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項19】
物品第一側部縁と、前記物品第一側部縁とは反対側の物品第二側部縁と、1対の端部縁とを定める吸収性物品であって、
液体不透過性外カバーと、
前記外カバー上に位置する吸収性本体と、
前記吸収性本体とともに配置された温度変化部材と、
を含み、
前記温度変化部材は、温度変化材料と、前記温度変化部材の少なくとも一部内にある複数の層とを含み、前記温度変化部材は、ここに記載された温度変化テストにより求められるものとして、少なくとも摂氏5度の温度変化を物品に与えることを特徴とする吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−511115(P2009−511115A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534543(P2008−534543)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/034963
【国際公開番号】WO2007/044160
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】