説明

温度測定用基板及びその製造方法並びにプラズマディスプレイパネルの製造方法

【課題】 熱処理炉の温度プロファイルを測定するための温度測定用基板において、測定精度が高く、熱応力による割れが発生しにくい温度測定用基板及びその製造方法並びにプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】 型枠内に接着剤15を流し込み、固化させることにより、9個のボタン状プレート16を成型する。ボタン状プレート16の形状及び大きさは相互に等しくする。そして、基板12の表面における9ヶ所の測定ポイントに熱電対13の先端部13aを位置させて、この先端部13aに液体状の接着剤15を少量被着させる。次に、ボタン状プレート16により、先端部13aを基板12に向けて押し付け、先端部13aを基板12に接触させる。この状態で、接着剤15を乾燥させて固化させ、熱電対13の先端部13a及びボタン状プレート16を基板12に対して固定する。これにより、温度測定用基板11を作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理炉の温度プロファイルを測定するための温度測定用基板及びその製造方法並びにプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、PDP(Plasma Display Panel:プラズマディスプレイパネル)を製造する際には、基板上にペースト状の材料を被着させ、この材料を焼成炉によって焼成することにより、隔壁等の構成物を形成している(例えば、特許文献1参照。)。このような焼成処理において、焼成温度は重要な製造ファクターである。
【0003】
焼成温度は、実際の基板の温度を基準にして管理される。基板温度は、温度測定用基板を使用して測定される。即ち、PDPの製造に際して実際に供される基板に熱電対を接合して温度測定用基板を作製し、この温度測定用基板を、任意の条件に設定された焼成炉内を通過させ、このときの温度プロファイルを測定することにより、基板温度を測定する。そして、条件を変えながら温度プロファイルの測定を繰り返すことにより、基板温度が所望の温度になるように条件を合わせ込んでいく。
【0004】
以下、従来の温度測定用基板の製造方法について説明する。図1は、従来の温度測定用基板を示す上面図であり、図2はその部分断面図である。図1に示すように、基板22の表面における所定の測定ポイントに熱電対23の先端部23aを位置させる。なお、先端部23aは熱電対23の温度検知部分である。そして、先端部23aが15mm程度露出するように、熱電対23をビニールテープ24で基板22に対して仮止めし、熱電対23の先端部23aが測定ポイントからずれることを防止する。次に、液体状の接着剤25を、熱電対23の先端部23aを覆うように基板22の表面に被着させる。このとき、接着剤25の液滴の大きさは、その直径が10乃至15mm程度になるようにし、その高さは、熱電対23の先端部23aが完全に隠れる高さまで盛り上げる。その後、接着剤25を乾燥させて固化させた後、ビニールテープ24を剥離する。これにより、温度測定用基板21が作製される。
【0005】
【特許文献1】特開平11−25854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来の技術には以下に示すような問題点がある。図1及び図2に示す従来の温度測定用基板21においては、熱電対23の先端部23aは、接着剤25により基板22に対して固定されてはいるものの、必ずしも先端部23aが基板22に接触しているとは限らず、接触状態が不安定である。また、測定ポイント毎に接着剤25の量が異なるため、接着剤25の熱容量も異なっている。このため、この従来の温度測定用基板21を使用して温度プロファイルの測定を行うと、測定ポイント間で測定結果がばらついてしまう。
【0007】
また、温度測定用基板間においても、測定結果が大きくばらついてしまい、再現性が低い。例えば、温度測定用基板間で5乃至10℃程度のばらつきが発生する。このため、基板温度を規格温度内に精度良く合わせ込むためには、温度プロファイルの測定回数を増やすことが必要となり、膨大な温度プロファイル測定時間が必要となる。また、それまで使用していた温度測定用基板が割れる等して、新たな温度測定用基板に交換した場合、新しい温度測定用基板を使用して得られた測定結果がそれまでの測定結果と整合せず、全条件についての温度プロファイルの測定を一からやり直さなくてはならないことが頻繁に発生する。この場合、それまでの測定結果が使えないため、焼成炉のヒーターの温度調整をやり直さなくてはならず、測定時間がより長くなる。
【0008】
更に、温度プロファイルの測定を繰り返すことにより、温度測定用基板21には熱サイクルが印加される。このとき、接着剤25の熱膨張係数は基板22の熱膨張係数と異なるため、接着剤25と基板22との接触界面で熱応力が発生する。基板22に印加される熱応力の大きさは接着剤25の量に依存し、接着剤25の量が多いほど熱応力は大きくなる。そして、従来の温度測定用基板21においては、測定ポイント毎に接着剤25の量がばらついているため、ある測定ポイントにおいて接着剤25の量が過剰に多くなってしまうことがある。そうすると、この測定ポイントにおいて基板22に印加される熱応力が過剰に大きくなり、この測定ポイントを起点として基板22に割れが発生してしまう。
【0009】
本発明が解決しようとする課題には、上述した問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明に係る温度測定用基板は、熱処理炉の温度プロファイルを測定する温度測定用基板において、基板と、熱電対と、前記基板との間で前記熱電対の先端部を挟持してこの先端部を前記基板に接触させる固定部材と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明に係る温度測定用基板の製造方法は、熱処理炉の温度プロファイルを測定する温度測定用基板の製造方法において、固定部材により熱電対の先端部を基板に押し付けて前記先端部を前記基板に接触させる押付工程と、前記先端部を前記基板に接触させたまま前記固定部材を前記基板に対して固定する固定工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項10に記載の発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は、基板、熱電対、及び前記基板との間で前記熱電対の先端部を挟持してこの先端部を前記基板に接触させる固定部材とを備えた温度測定用基板に焼成炉内を通過させ、前記熱電対により前記基板の温度プロファイルを測定する工程と、この測定結果に基づいて前記焼成炉を稼動し、この焼成炉内にその表面上にペースト状の材料が被着された基板を通過させて焼成する工程と、を有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図3は、本実施形態に係る温度測定用基板を示す断面図である。本実施形態に係る温度測定用基板は、熱処理炉の温度プロファイルを測定するためのものである。図3に示すように、本実施形態に係る温度測定用基板1においては、基板2が設けられており、この基板2上に熱電対3が配置されている。そして、固定部材6が、熱電対3の先端部3aを基板2との間で挟持して、先端部3aを基板2に接触させている。熱電対3の先端部3aは、熱電対3の温度検知部分である。
【0014】
熱電対3は複数設けられており、その先端部3aが基板2の表面における相互に離隔した位置に配置されている。また、固定部材6も複数設けられており、この複数の固定部材6の夫々が複数の熱電対3の夫々の先端部3aを基板2との間で挟持している。この複数の固定部材6を形成する材料並びに形状及び大きさは相互に同一である。
【0015】
この温度測定用基板1を使用して、例えば、プラズマディスプレイパネルを製造するための焼成炉の温度プロファイルを測定する。即ち、温度測定用基板1に焼成炉内を通過させ、熱電対3により基板2の温度プロファイルを測定する。そして、この測定結果に基づいて前記焼成炉を稼動し、この焼成炉内に基板2と同じ基板であってその表面上にペースト状の材料が被着された基板を通過させて焼成する。これにより、プラズマディスプレイパネルを製造することができる。
【0016】
本実施形態においては、固定部材6が、熱電対3の先端部3aを基板2に接触させているため、先端部3aと基板2との間の接触状態が安定し、基板2の温度を精度良く測定することができる。また、複数の固定部材6間で、材料、形状及び大きさが相互に同一になっているため、固定部材6の熱容量が相互に等しくなっている。これにより、熱電対3間における測定結果のばらつきを抑制することができる。
【0017】
また、固定部材6の大きさのばらつきが小さいため、固定部材6が基板2に対して印加する熱応力のばらつきも小さく、基板2に対して過剰に大きな熱応力を印加することがない。このため、固定部材6からの熱応力によって基板2が割れることを防止できる。
【0018】
なお、固定部材6は、接着剤により基板2に接着されていてもよい。このとき、固定部材6は、この接着剤が固化されたものであることが好ましい。これにより、固定部材6と接着剤との間で熱応力が発生することを防止できる。
【0019】
また、基板2はガラスにより形成されていてもよい。このとき、前記接着剤はセラミックボンドであることが好ましい。これにより、セラミックボンドの熱膨張係数はガラスの熱膨張係数に近いため、接着剤と基板2との間に発生する熱応力を抑制することができる。
【0020】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、前述の第1の実施形態に係る温度測定用基板の製造方法の実施形態である。図4は、本実施形態に係る温度測定用基板の製造方法を示すフローチャート図である。以下、図3及び図4を参照して説明する。
【0021】
先ず、図4のステップS1に示すように、その形状及び大きさが相互に等しい複数個の型枠を準備し、各型枠内に接着剤を流し込む。このとき、枠型内に流し込む接着剤の量を相互に等しくする。次に、ステップS2に示すように、この流し込んだ接着剤を固化させる。これにより、固定部材6を成型する。
【0022】
次に、図4のステップS3に示すように、固定部材6により熱電対3の先端部3aを基板2に押し付けて先端部3aを基板2に接触させる。このとき、複数の固定部材6の夫々により、複数の熱電対3の夫々の先端部3aを基板2の表面における相互に離隔した位置に押し付ける。次に、ステップS4に示すように、熱電対3の先端部3aを基板2に接触させたまま、固定部材6を形成した接着剤と同じ接着剤により、固定部材6を基板2に接着する。これにより、温度測定用基板1を作製することができる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の実施例について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図5は、本実施例に係る温度測定用基板を示す上面図であり、図6は、その部分断面図であり、図7は、本実施例のボタン状プレートを示す斜視図である。本実施例に係る温度測定用基板は熱処理炉、例えば、PDPの焼成炉の温度プロファイルを測定するための基板である。
【0024】
図5に示すように、本実施例に係る温度測定用基板11においては、基板12が設けられており、基板12の一方の表面には、熱電対13の先端部13aが接着されている。先端部13aは、熱電対3の温度検知部分である。基板12は、例えば、PDPの前面基板又は背面基板を構成する基板であり、例えば、ガラスからなる矩形状の基板である。熱電対13の先端部13aは、基板12の温度測定ポイントに接着されている。温度測定ポイントは、基板12の表面に例えば9ヶ所設けられており、基板12の4つの角部、基板12の4つの側縁部の中央部、及び基板12の中央部に、3行3列のマトリクス状に配置されている。熱電対13は、各測定ポイントに1対ずつ接着されており、従って、温度測定用基板11全体で9対設けられている。
【0025】
図6に示すように、各温度測定ポイントにおいては、熱電対13の先端部13aが、固定部材としてのボタン状プレート16により、基板12の表面に押し付けられている。即ち、先端部13aは、ボタン状プレート16と基板12とにより挟持されており、先端部13a全体が基板12に接触している。
【0026】
図7に示すように、ボタン状プレート16は、接着剤を型枠内で固化して円板状に成型したものである。ボタン状プレート16の直径は、例えば10乃至12mmであり、厚さは例えば2乃至3mmである。基板12の各測定ポイントに配置された合計9個のボタン状プレート16は、相互に同じ形状及び同じサイズである。
【0027】
そして、ボタン状プレート16と基板12との間には、接着剤15が充填されており、この接着剤15により、熱電対13の先端部13a及びボタン状プレート16が基板12に対して接着されている。ボタン状プレート16を形成する接着剤は接着剤15と同じ接着剤であり、例えば、その熱膨張係数が基板12を形成するガラスの熱膨張係数に近い接着剤であり、例えば、セラミックボンドである。
【0028】
次に、本実施例に係る温度測定用基板の製造方法について説明する。先ず、図7に示すボタン状プレート16を作製する。以下、このボタン状プレート16の作製方法を説明する。先ず、その大きさ及び形状が相互に等しい円筒状の型枠(図示せず)を9個用意する。そして、液体状の接着剤15を各型枠内に流し込む。次に、型枠内に流し込んだ接着剤15を乾燥させて固化させ、9個の円板状のボタン状プレート16を成型する。このとき、9個の型枠の大きさ及び形状を相互に等しくし、各型枠に流し込む接着剤15の量は相互に等しくすることにより、9個のボタン状プレート16の形状及び大きさを相互に等しくする。例えば、ボタン状プレート16の直径は10乃至12mmのうちの1水準とし、厚さは2乃至3mmのうちの1水準とする。
【0029】
なお、上述のボタン状プレート16を作製する工程において、型枠の個数を9個未満、例えば1個とし、上述の接着剤15の流入及び固化の工程を複数回、例えば9回繰り返すことにより、9個のボタン状プレート16を作製してもよい。この場合は、枠型内に流し込む接着剤の量を毎回等しくする。
【0030】
次に、基板12を用意する。基板12には、例えば、実際のPDPの前面基板又は背面基板の基板として使用される矩形状のガラス基板を使用する。そして、基板12の表面における9ヶ所の測定ポイントに、熱電対13の先端部13aを位置させる。次に、熱電対13の先端部13aが15mm程度露出するように、熱電対13における先端部13aからやや基端部側に位置する部分を、ビニールテープ14により基板12に対して仮止めする。
【0031】
次に、熱電対13の先端部13aに、液体状の接着剤15を少量被着させる。そして、前述の工程により作製したボタン状プレート16により、先端部13aを基板12に向けて押し付け、先端部13aをボタン状プレート16と基板12とにより挟持する。これにより、先端部13aの全体が基板12に接触すると共に、基板12とボタン状プレート16との間に接着剤15が充填される。
【0032】
この状態で、ビニールテープ(図示せず)によりボタン状プレート16を基板12に対して仮止めし、接着剤15を乾燥させて固化させる。これにより、ボタン状プレート16を基板12に対して固定する。接着剤15が固化した後、熱電対13を仮止めしていたビニールテープ14及びボタン状プレート16を仮止めしていたビニールテープを除去する。これにより、温度測定用基板11が作製される。
【0033】
次に、本実施例に係る温度測定用基板11の使用方法について説明する。先ず、熱電対13の基端部を記録計(図示せず)に接続する。そして、この記録計により温度測定用基板11の各測定ポイントの温度を記録しながら、温度測定用基板11にPDPの焼成炉内を通過させる。これにより、温度測定用基板11に焼成処理を施したときの温度プロファイルを測定する。そして、焼成炉の条件を変えながら、温度プロファイルの測定を繰返し、所望の焼成温度を実現できる条件を合わせ込んでいく。
【0034】
そして、この条件により焼成炉を稼動し、この焼成炉内に基板12と同じ基板であってその表面上にペースト状の材料が被着された基板を通過させて焼成する。これにより、例えば、基板上に隔壁を形成してプラズマディスプレイパネルの背面基板を作製することができる。次に、この背面基板を前面基板に重ね合わせて、両基板間に放電ガスを封止することにより、プラズマディスプレイパネルを製造する。
【0035】
次に、本実施例の動作について説明する。本実施例においては、ボタン状プレート16が熱電対13の先端部13aを基板12に向けて押し付けているため、先端部13aを基板12に対して確実に安定して接触させることができる。これにより、温度プロファイルの測定結果が安定する。
【0036】
また、ボタン状プレート16及び基板12により、熱電対13の先端部13aを挟持しているため、接着剤15はボタン状プレート16と基板12との間を充填していればよく、接着剤15の量をごく少量とすることができる。一方、ボタン状プレート16の体積は相互に等しいため、熱電対13の先端部13aを覆う接着剤の総量、即ち、ボタン状プレート16及び接着剤15の合計量は測定ポイント間で相互に略等しくなり、その熱容量も相互に略等しくなる。
【0037】
このように、熱電対13の先端部13aと基板12との接触状態、及び先端部13aを覆う接着剤の熱容量を安定させることにより、測定ポイント間における測定結果のばらつきを小さくすることができる。また、温度測定用基板間のばらつきも小さくすることができる。
【0038】
また、熱電対13の先端部13aを覆う接着剤の総量が均一化され、この総量が極端に多くなることを防止できる。これにより、温度プロファイル測定時の熱サイクルに伴って基板12に印加される熱応力が過剰に大きくなることを防止でき、基板12が割れることを防止できる。
【0039】
次に、本実施例の効果について説明する。上述の如く、本実施例においては、温度プロファイルの測定精度を向上させることができる。これにより、温度プロファイルの測定回数を減らし、測定時間を短縮することができる。例えば、従来の温度測定用基板を使用した場合には、所望の焼成温度になるような条件を求めるためには8乃至10回の測定が必要であった。これに対して、本実施例に係る温度測定用基板を使用すれば、測定回数を5回以内とすることができる。1回の温度プロファイルの測定に要する時間は通常3乃至4時間程度であるため、全体で数十時間の時間短縮を図ることができる。この結果、焼成炉の条件設定に要する時間を大幅に短縮することができ、プラズマディスプレイパネルの生産性を向上させることができる。
【0040】
また、上述の如く、本実施例によれば、温度測定用基板が熱応力によって割れることを防止し、温度測定用基板の寿命を長期化することができる。例えば、従来の温度測定用基板では、基板を作製してから破損するまでに実施可能な温度プロファイルの測定回数が平均10回程度であったのに対して、本実施例に係る温度測定用基板を使用すれば、基板が破損するまでに20回以上の測定を行うことができる。
【0041】
なお、本実施例に係る温度測定用基板は、PDPを製造するための焼成炉だけでなく、他の熱処理炉の温度プロファイルの測定にも使用することができる。
【0042】
本実施例によれば、ボタン状プレート16が、熱電対13の先端部13aを基板12に接触させているため、基板12の温度を精度良く測定することができる。また、複数のボタン状プレート16間で、材料、形状及び大きさが相互に同一になっているため、ボタン状プレート16の熱容量が相互に等しくなっている。これにより、熱電対13間における温度測定結果のばらつきを抑制することができる。
【0043】
また、ボタン状プレート16の大きさのばらつきが小さいため、ボタン状プレート16が基板12に対して印加する熱応力のばらつきも小さく、基板12に対して過剰に大きな熱応力を印加することがない。このため、ボタン状プレート16からの熱応力によって基板12が割れることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来の温度測定用基板を示す上面図である。
【図2】従来の温度測定用基板を示す部分断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る温度測定用基板を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る温度測定用基板の製造方法を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の実施例に係る温度測定用基板を示す上面図である。
【図6】本実施例に係る温度測定用基板を示す部分断面図である。
【図7】本実施例のボタン状プレートを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
1、11;温度測定用基板
2、12;基板
3、13;熱電対
3a、13a;先端部
6;固定部材
14;ビニールテープ
15;接着剤
16;ボタン状プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理炉の温度プロファイルを測定する温度測定用基板において、基板と、熱電対と、前記基板との間で前記熱電対の先端部を挟持してこの先端部を前記基板に接触させる固定部材と、を有することを特徴とする温度測定用基板。
【請求項2】
複数の前記熱電対の先端部が前記基板の表面における相互に離隔した位置に配置されており、複数の前記固定部材の夫々が前記複数の熱電対の夫々の先端部を前記基板との間で挟持しており、前記複数の固定部材は、その材料並びに形状及び大きさが相互に同一であることを特徴とする請求項1に記載の温度測定用基板。
【請求項3】
前記固定部材を前記基板に接着する接着剤を有し、前記固定部材は前記接着剤が固化されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度測定用基板。
【請求項4】
前記基板がガラスからなり、前記接着剤がセラミックボンドであることを特徴とする請求項3に記載の温度測定用基板。
【請求項5】
前記熱処理炉がプラズマディスプレイパネルの製造に使用される焼成炉であり、前記基板が前記プラズマディスプレイパネルを構成する基板と同じ基板であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の温度測定用基板。
【請求項6】
熱処理炉の温度プロファイルを測定する温度測定用基板の製造方法において、固定部材により熱電対の先端部を基板に押し付けて前記先端部を前記基板に接触させる押付工程と、前記先端部を前記基板に接触させたまま前記固定部材を前記基板に対して固定する固定工程と、を有することを特徴とする温度測定用基板の製造方法。
【請求項7】
前記押付工程は、複数の前記固定部材の夫々により複数の前記熱電対の夫々の先端部を前記基板の表面における相互に離隔した位置に押し付ける工程であり、前記複数の固定部材は、その材料並びに形状及び大きさを相互に同一とすることを特徴とする請求項6に記載の温度測定用基板の製造方法。
【請求項8】
前記固定工程は、接着剤により前記固定部材を前記基板に接着する工程であり、前記固定部材には前記接着剤が固化されたものを使用することを特徴とする請求項6又は7に記載の温度測定用基板の製造方法。
【請求項9】
前記接着剤を型枠内に流し込む工程と、この流し込んだ接着剤を固化させることにより前記固定部材を成型する工程と、を有することを特徴とする請求項8に記載の温度測定用基板の製造方法。
【請求項10】
基板、熱電対、及び前記基板との間で前記熱電対の先端部を挟持してこの先端部を前記基板に接触させる固定部材とを備えた温度測定用基板に焼成炉内を通過させ、前記熱電対により前記基板の温度プロファイルを測定する工程と、この測定結果に基づいて前記焼成炉を稼動し、この焼成炉内にその表面上にペースト状の材料が被着された基板を通過させて焼成する工程と、を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項11】
前記温度測定用基板を構成する基板は、前記ペースト状の材料が被着された基板と同じ種類の基板であることを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項12】
前記温度測定用基板において、複数の前記熱電対の先端部が前記基板の表面における相互に離隔した位置に配置されており、複数の前記固定部材の夫々が前記複数の熱電対の夫々の先端部を前記基板との間で挟持しており、前記複数の固定部材は、その材料並びに形状及び大きさが相互に同一であることを特徴とする請求項10又は11に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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