説明

温水暖房システム

【課題】同一筐体にて多様な暖房装置の負荷条件に対応できる筐体強度を有する熱交換ユニットを提供する。
【解決手段】熱交換ユニット5の筐体を形成する底板と後板を結合した基板14とするとともに、前記基板14に、筐体の背面から底面にかけて複数の連続した凸形状17を設ける構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水で暖房を行なう温水暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の温水暖房装置は、室外にヒートポンプユニットと熱交換ユニットとタンクユニットを設け、室内の温水暖房端末例えば床暖房パネルと室外のタンクユニットとは温水配管で接続されているため、寒冷地に設置した場合、温水配管が凍結してしまう場合がある。そのため他の温水暖房装置としては、熱交換ユニットおよびタンクユニットを室内に設けることで、温水配管も室内に設けられるので、凍結は起こらず、室内と室外とは冷媒配管のみにて接続されることになる。なお熱交換ユニット筺体は壁掛け設置されているような構成となっている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】国際公開第2005/106346号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来の構成では、温水暖房端末の負荷に応じ熱交換ユニット内部に具備する水冷媒熱交換器及びポンプの容量を増やし対応せねばならず、同一筐体において熱交換ユニットの機器質量が増加し、その影響による熱交換ユニット筐体の変形を防止するために、特に熱交換ユニットの機器質量を保持する後板及び底板を補強するために部品の追加や材料の板厚増による強度の向上を図らなければならないという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、多様な温水暖房端末の負荷条件に対応できる熱交換ユニット筐体強度を備えた温水暖房装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の温水暖房装置は、熱交換ユニット筐体の底面を形成する底板と、背面を形成する後板を結合した基板構成とすることにより、熱交換ユニットの機器質量を筐体の底面と背面の両面で合成的に保持し、筐体強度を向上することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、多様な温水暖房端末の負荷条件に対応できる熱交換ユニット筐体強度を備えた温水暖房装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明の暖房装置は、熱交換ユニット筐体の底面を形成する底板と、背面を形成する後板を結合した基板構成とすることにより、熱交換ユニットの機器質量を筐体の底面及び背面の両面で合成的に保持することが可能となり、熱交換ユニットの筐体強度を向上することができる。
【0008】
第2の発明の暖房装置は、熱交換ユニットの基板に筐体の背面から底面にかけて連続した凸形状を設けることにより、機器質量の荷重による基板の変形を抑制するとともに、さらに熱交換ユニットの筐体強度を向上することができる。
【0009】
第3の発明の暖房装置は、熱交換ユニットの基板底面部の、前面側を形成する前板端部と重なり合う位置に、機器内部に向かって凸形状を設けたこと設けることにより、前板端部に指がかかる空間を確保することが可能となり、前板を容易に着脱することができる。
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における温水暖房装置の構成図である。図1において、本実施の形態の温水暖房装置は、冷凍サイクルを有するヒートポンプユニット1、冷媒と水とが熱交換を行なうプレート型の熱交換器を有する熱交換ユニット5、内部に温水が流れて居住空間を暖める温水暖房端末8を有している。熱交換ユニット5と温水暖房端末8は室内に設置され、ヒートポンプユニット1は室外に設置されており、室内と室外とは冷媒配管で接続されている。そのため、低外気温度の状況下においては、水配管が屋外に設置されるヒートポンプ給湯機などに比べて暖房装置に適している。
【0011】
ヒートポンプユニット1には、空気と冷媒とで熱交換を行なう蒸発器2、冷媒を高温高圧に圧縮する圧縮機3、熱交換ユニット5の水冷媒熱交換器6で放熱した後の冷媒を減圧する減圧装置4が配設されており、水冷媒熱交換器6と減圧装置4と蒸発器2と圧縮機3とを順次冷媒配管にて環状に接続して冷凍サイクルを構成している。なお冷凍サイクル内を流れる冷媒には、R410AやR407Cや二酸化炭素などを用いる。
【0012】
図2は、熱交換ユニット5の構成を示す構成図である。図2に示すように、熱交換ユニット5には、冷媒と水とが熱交換を行なうプレート型の水冷媒熱交換器6、水冷媒熱交換器6で暖められた温水を温水暖房端末8におくるためのポンプ7、管内の圧力を下げることを目的とする圧力逃し弁10、閉回路内に咬み込んだエアー逃しを目的とする空気抜き弁11、閉回路内の温水往き・戻りが流れているか判断する流量計(フロースイッチ)12、閉回路内の水圧を正常に保ち、破裂を防止することを目的とする膨張タンク13が配設されており、ポンプ7が駆動することによって、温水暖房端末8内の湯水が流れて水冷媒熱交換器6で、水と冷媒との間で熱交換がなされる。
【0013】
温水暖房端末8は、パネルヒーターや床暖房パネルなどを指し、熱交換器9を有して、熱交換器9内に水冷媒熱交換器6で暖められた温水を流すことによって、居室内を暖める構成となっている。
【0014】
以上のように構成された温水暖房装置において、以下、熱交換ユニットの構成について説明する。図3は熱交換ユニット5の外観斜視図、図4は熱交換ユニットの基板の斜視図である。図3および図4に示すように熱交換ユニット5の外観構成は、前面側を形成する前板15および、上部、左右側を形成する外箱16、底部、背面を形成する基板14によって筐体が構成されおり、熱交換ユニット5の機器質量を主に保持する筐体背面及び底面は、両面にて合成的に荷重を保持することが可能となり、筐体強度を向上することができる。
【0015】
また、基板14に筐体の背面から底面にまたがった連続した凸形状17(内側に凸状か外側に凸状かは問わない)を設けることにより、熱交換ユニット5の機器質量による基板14の反りを抑制し、さらに熱交換ユニット5の筐体強度を向上することができる。なお本形態の凸形状17は、筐体の内側に向けて凸状としたが、外側に向けて凸状としても良い。また前記凸形状17に加えて垂直方向に凸形状17aを設けても良い。また必要に応じ複数設けることにより、さらに反りを抑制することができる。
【0016】
さらに図5は、図3におけるAA断面図であり、基板14底面部の熱交換ユニット5の前面側を形成する前板15端部と重なり合う位置に、筐体の内側に向けて凸形状18を設けることにより、前板15端部に指がかかる空間を確保することが可能となり、前板15を容易に着脱することができ、メンテナンス性を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、熱交換ユニットを屋内に配設した温水暖房装置としたが、これに限定されることはなく、屋外に熱交換ユニットを配設する温水暖房装置でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態1における温水暖房装置の構成図
【図2】同温水暖房装置の熱交換ユニットの構成図
【図3】同熱交換ユニットの外観斜視図
【図4】同熱交換ユニットの基板の斜視図
【図5】図4のAA断面図
【符号の説明】
【0019】
1 ヒ−トポンプユニット
5 熱交換ユニット
6 水冷媒熱交換器
7 ポンプ
8 温水暖房端末
14 基板
15 前板
16 外箱
17、17a 凸形状
18 凸形状

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートポンプサイクルにより温水を生成して、その温水で室内を暖房する温水暖房装置であって、
少なくとも前記ヒートポンプサイクルと前記温水とが熱交換する水冷媒熱交換器と、前記温水を搬送するポンプで熱交換ユニットを構成し、
前記熱交換ユニットの筐体は、底面を形成する底板と、背面を形成する後板を結合した基板から構成されることを特徴する温水暖房装置。
【請求項2】
熱交換ユニットの基板に筐体の背面から底面にかけて連続した凸形状を設けたことを特徴とする請求項1に記載の温水暖房装置。
【請求項3】
前記熱交換ユニットの基板底面部の、前面側を形成する前板端部と重なり合う位置に、筐体内部に向かって凸形状を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の温水暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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