説明

温水洗浄便座装置

【課題】洗浄ノズルによる洗浄開始・停止等を行うスイッチを取り付けた絶縁性基板を内
蔵し、スイッチの手動操作部を上面に備えた本体が便座の側方に配置された温水洗浄便座
装置があり、本体内は、温水供給源等の温度によって加温され、本体内部の温度とその周
囲温度が低い場合の両方の温度差によって、本体内部に結露水を生じ、この結露水が基板
に滴下して、基板に取り付けたスイッチの接点から延びる端子部材間が短絡し、誤動作の
原因となる。本発明は、この誤動作を防止する技術を提供する。
【解決手段】おしり洗浄開始スイッチ、ビデ洗浄開始スイッチ、及び洗浄停止スイッチを
取り付けた絶縁性基板を内蔵し前記各スイッチの手動操作部を上面に備えた制御ボックス
を便座の側方に配置し、各スイッチは、互いに所定間隔を置いて配置され基板にハンダ付
け接続される一対の固定側端子部材と、手動操作部の押し圧によって固定側端子部材を短
絡する短絡部材とを備え、基板の固定側端子部材間にスリット状の水抜き孔を貫通形成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄ノズルによる洗浄開始、洗浄停止等を行うスイッチを取り付けた基板を
内蔵し前記スイッチの手動操作部を上面に備えた制御ボックスを便座の側方に配置した温
水洗浄便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の温水洗浄便座装置として、洗浄ノズル61、62による洗浄開始、洗浄停止等を
行うスイッチ37を取り付けた絶縁性基板36を内蔵し、前記スイッチ37の手動操作部
20、21、22を上面に備えた本体10が、便座81の側方に配置された温水洗浄便座
装置がある。(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−181860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようにスイッチ37を取り付けた基板36を内蔵した本体10内は、温水供給源等
の温度によって加温されるため、この本体10内部の温度に比してその周囲温度が低い場
合には、その両方の温度差によって、本体10内部に結露を生じることがある。基板36
にはスイッチ37が取り付けられており、本体10内部面の結露水がこの基板に滴下して
、基板に取り付けたスイッチの接点から延びる端子部材間が短絡し、スイッチが操作され
ないにも拘わらず、このスイッチが操作されたことと同じ状況が発生し、所謂、誤動作の
原因となる。この誤動作の一つとして、前記スイッチが洗浄開始スイッチであれば、この
洗浄開始スイッチの端子部材間が結露水によって短絡した状態において、便座に着座した
とき着座検出スイッチが動作するため、便座に着座した途端に、洗浄ノズルが作動して洗
浄ノズルから洗浄水が噴出する事態が生じることとなる。
【0004】
従来、基板の防水対策として、スイッチと基板全体をプラスチックフィルムでカバーす
る方法や、スイッチと基板全体をエポキシ樹脂等でモールドする方法がある。また他の方
法として、水を吸収しないエポキシ樹脂系の基板を採用し、この基板に取り付けられるス
イッチを防水スイッチとする方法があるが、この場合でも、この防水スイッチから外部へ
延びて基板に取り付けられる端子部材間が水で短絡する場合があるため、この防止策とし
て、この防水スイッチと基板との隙間をスイッチの端子部材間絶縁用のリコン樹脂で埋め
る防水構造とする方法等が採られている。しかし、このような基板全体をプラスチックフ
ィルムでカバーする対策では、周囲温度が低い場合にプラスチックフィルム内の空気中の
湿気が水滴となり、この水滴が基板に滴下して、基板に取り付けたスイッチの接点から延
びる端子部材間が短絡する虞がある。また、スイッチと基板全体をエポキシ樹脂等でモー
ルドする防水対策や、スイッチの端子部材間をリコン樹脂で埋める防水対策は、コストア
ップとなる問題がある。
【0005】
本発明は、このような防水対策に替えて、簡単な構成でもって結露水によってスイッチ
の端子部材間の短絡が生じないようにするものであり、それによって、高価なエポキシ樹
脂系の基板でなく、安価な紙フェノール系の基板であっても、十分防水効果が得られるも
のとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、おしり(肛門)洗浄ノズルによる洗浄開始スイッチ、ビデ洗浄ノズルによる
洗浄開始スイッチ、及び洗浄停止スイッチを取り付けた絶縁性基板を内蔵し前記各スイッ
チの手動操作部を上面に備えた制御ボックスを便座の側方に配置した温水洗浄便座装置に
おいて、前記各スイッチは、互いに所定間隔を置いて配置され前記基板にハンダ付け接続
される一対の固定側端子部材と、前記手動操作部の押し圧によって前記固定側端子部材を
短絡する短絡部材とを備え、前記基板の前記固定側端子部材間にスリット状の水抜き孔を
貫通形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、おしり(肛門)洗浄ノズルによる洗浄開始スイッチ、ビデ洗浄ノズルによる
洗浄開始スイッチ、及び洗浄停止スイッチを取り付けた絶縁性基板が制御ボックスに内蔵
されており、各スイッチの固定側端子部材間に穿孔したスリット状の水抜き孔によって、
これらの各固定側端子部材相互が分離されるため、スイッチと基板との間に侵入する結露
水は勿論のこと、スイッチのハウジングの外面から流下する露も、速やかにスリット状の
水抜き孔から流下するため、固定側端子部材の短絡防水対策が良好となるものとなる。こ
のため、従来のように、基板全体をプラスチックフィルムでカバーする防水対策や、スイ
ッチと基板全体をエポキシ樹脂等でモールドする防水対策や、スイッチの端子間をリコン
樹脂で埋める防水対策に比して、簡単な構成となり、低コスト化できるものとなり、基板
の種類に拘わらず防水対策が容易となるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の温水洗浄便座装置は、おしり(肛門)洗浄ノズルによる洗浄開始スイッチ、ビ
デ洗浄ノズルによる洗浄開始スイッチ、及び洗浄停止スイッチを取り付けた絶縁性基板を
内蔵し前記各スイッチの手動操作部を上面に備えた制御ボックスを便座の側方に配置した
温水洗浄便座装置において、前記各スイッチは、互いに所定間隔を置いて配置され前記基
板にハンダ付け接続される一対の固定側端子部材と、前記手動操作部の押し圧によって前
記固定側端子部材を短絡する短絡部材とを備え、前記基板の前記固定側端子部材間にスリ
ット状の水抜き孔を貫通形成したものであり、本発明の実施例を以下に記載する。
【実施例1】
【0009】
本発明の実施形態について説明する。図1は本発明に係る温水洗浄便座装置の蓋が閉ま
った状態の斜視図、図2は本発明に係る温水洗浄便座装置の蓋と機能部分のカバーを取り
外した状態の機能部分と制御ボックス内を示す正面斜視図、図3は本発明に係る制御ボッ
クスとスイッチの縦断正面図、図4は本発明に係る水抜き孔とスイッチとの関係を示す説
明用平面図、図5は本発明に係る制御ボックスに収納された基板にスイッチを取り付けた
状態の平面図、図6は本発明に係る水抜き孔とスイッチの端子部材との関係を示す基板(
導電性印刷パターンを省略した状態)の裏面図である。
【0010】
図において、1は本発明の温水洗浄便座装置を示しており、裏側から絶縁被覆されたコ
ードヒータ(図示せず)で加温される便座2と、便座2の上面を覆う開閉蓋3と、便座2
及び開閉蓋3の後方には、後述の機能部10を配置すると共に便座2及び開閉蓋3を開閉
回動可能に支持する基材部8を備えている。基材部8には、洗浄ノズルとして便座2の後
部下側へ延びるおしり(肛門)洗浄用ノズル4Aとビデ洗浄用ノズル4B、温水タンク5
、及び電装部6等の機能部10が配設されている。基材部8には、便座2の側方(図では
右側)に配置した制御ボックス30が連結されており、制御ボックス30は、おしり(肛
門)洗浄用ノズル4Aとビデ洗浄用ノズル4Bによる洗浄開始、洗浄停止等を行うスイッ
チSWを取り付けた絶縁性基板31を内蔵し、前記スイッチSWの手動操作部32を上面
に備えている。
【0011】
便座2は、基材部8に取り付けた電動機装置12によって往復回転する回転軸13と従
動軸24に取り付けられて、便座2が上方に開閉回動可能である。蓋3は、基材部8に支
持部材を介して取り付けた電動機装置9によって往復回転する回転軸11に取り付けられ
て、蓋3が上方に開閉回動可能である。
【0012】
洗浄水として温水タンク5へ供給される水道水は、パイプジョイント装置14によって
水道水配管に接続された導水管に取り付けたごみ取り用のストレーナと逆止弁を通過した
後、電磁弁と減圧弁を順次通り温水タンク5内の底部へ供給され、シーズヒータにより温
水タンク5内で温水となる。温水タンク5の上壁には、温水タンク5内の異常温度を検知
して前記シーズヒータへの通電回路を遮断する温度検知部21と、温水タンク5内の洗浄
水レベルを検知して前記電磁弁を開閉制御して、温水タンク5内の洗浄水レベルを所定レ
ベルに制御するフロートスイッチ22と、温水タンク5内の圧力が外気圧よりも低くなっ
たとき温水タンク5内と外気を連通する負圧弁を備えた気圧調整部23が設けられている

【0013】
機能部10を覆うようにカバー7が基材部8に着脱自在に取り付けられており、このカ
バー7に一体または別体に制御ボックス30の上面を覆うカバー33が設けられている。
絶縁性基板31に取り付けたスイッチSWは、実施例では、おしり(肛門)洗浄開始スイ
ッチ34、ビデ洗浄開始スイッチ35、洗浄停止スイッチ36、洗浄水の水勢調節スイッ
チ37、38等であるが、その他の機能スイッチX、YやLED等を取り付けるものもあ
る。
【0014】
通常では、便座の着座検出スイッチが動作しておれば、おしり(肛門)洗浄開始スイッ
チ34がONした状態でおしり(肛門)洗浄用ノズル4Aが進出し、温水タンク5内の温
水の洗浄水がおしり(肛門)洗浄用ノズル4Aから噴出され、また、ビデ洗浄開始スイッ
チ35がONした状態でビデ洗浄用ノズル4Bが進出し、温水タンク5内の温水の洗浄水
がビデ洗浄用ノズル4Bから噴出される。このような状態において、水勢調節スイッチ3
7をONするごとに水性が強くなり、また、水勢調節スイッチ38をONするごとに水性
が弱くなるように、洗浄用ノズル4A、4Bから噴出される水勢が調節可能である。基材
部8には、これらの他に、コードヒータ(図示せず)で加温される便座2を加温する前記
コードヒータのON−OFFスイッチ、前記コードヒータの発熱量の調節スイッチ、温水
タンク5の加熱用シーズヒータのON−OFFスイッチ、表示用LED等が取り付けられ
るものもある。
【0015】
上面開口の制御ボックス30内には、図3に示すように、前記各スイッチ34〜38を
構成するスイッチSWを取り付けた絶縁性基板31が支持部39にネジ39Nによって略
水平状態に取り付けられており、制御ボックス30の上面開口は、カバー33で覆われて
いる。カバー33の上面は手動操作部32を構成する可撓性薄板41で覆われている。
【0016】
前記のスイッチSWの構成としては種々のものがあるが、一つの構成として、図3並び
に図4に示すように、合成樹脂製のハウジング50内に、一対の固定側接点部57A、5
7Bと、手動操作部32の押し圧によって可動するように上部がカバー33とハウジング
50の上面開口を塞ぐカバー50Aとに連通形成した貫通孔33Aに挿通されたステム(
作動体)52と、このステム(作動体)52を常時上方へ付勢する板バネで形成された可
動側接点部を構成する短絡部材56と、一対の固定側接点部57A、57Bから延びる一
対の固定側端子部材58A、58Bを備え、各端子部材58A、58Bが離間して基板3
1の下面に形成した導電性印刷パターン51A、51Bにハンダ51Hにて接続されてい
る。
【0017】
図3に示したスイッチSWは、後述のように、短絡部材56によって電気的にON−O
FFされるスイッチ動作を安定化させるために、具体的には図4に示す配置構成である。
図4において、一対の固定側接点部57A、57Bは棒状に形成され、固定側接点部57
Aの両端部から端子部材58Aを構成する端子部材58A1と58A2が延び、また固定
側接点部57Bの両端部から端子部材58Bを構成する端子部材58B1と58B2が延
びている。そして、端子部材58A1と58A2が基板31を貫通して、基板31の下面
に形成した導電性印刷パターン51Aにそれぞれハンダ51Hにて接続されており、また
、端子部材58B1と58B2が基板31を貫通して、基板31の下面に形成した導電性
印刷パターン51Bにそれぞれハンダ51Hにて接続されている。
【0018】
このような構成によって、手動操作部32が押し圧されない状態(待機状態)では、短
絡部材56は一対の固定側接点部57A、57Bから離れた上方位置にある。この状態に
おいて、手動操作部32の押し圧によって、ステム(作動体)52が短絡部材56をその
バネ力に抗して下方へ撓ませ、それによって短絡部材56が一対の固定側接点部57A、
57Bに当接して、固定側接点部57A、57Bを短絡する。これによって、導電性印刷
パターン51A、51Bを介してスイッチSWに接続された制御部(図示せず)が動作す
る。このスイッチSWが、例えばおしり(肛門)洗浄開始スイッチ34であるとすれば、
便座の着座検出スイッチが動作しておれば、おしり(肛門)洗浄開始スイッチ34の作動
によって、おしり(肛門)洗浄用ノズル4Aが進出して洗浄水が噴出される。また、この
スイッチSWが、例えばビデ洗浄開始スイッチ35であるとすれば、便座の着座検出スイ
ッチが動作しておれば、ビデ洗浄開始スイッチ35の作動によって、ビデ洗浄用ノズル4
Bが進出して洗浄水が噴出されるように動作する。
【0019】
制御ボックス30内は、温水タンク5等の温水供給源等の温度によって加温される空気
によって加温され、制御ボックス30内の温度に比してその周囲温度が低い場合には、そ
の両方の温度差によって、制御ボックス30内に結露水を生じる虞があり、この結露水が
この基板31に滴下して、基板31とスイッチSWとの隙間に侵入し、基板31に取り付
けたスイッチSWの一対の端子部材58A、58B間が短絡される虞がある。本発明は、
これを回避するために、少なくとも、おしり(肛門)洗浄開始スイッチ34の一対の固定
側端子部材58Aと58B、並びにビデ洗浄開始スイッチ35の一対の固定側端子部材5
8Aと58Bが、結露水による短絡から防止できるようにするために、水抜き孔55を固
定側端子部材58Aと58B間の基板31に貫通形成している。
【0020】
この水抜き孔55は、結露水の表面張力が切れる大きさであり、この水抜き孔55は、
図4に示すように、スイッチSWの直下に形成され、スイッチSWのハウジング50より
もはみ出す程度に長い長さのスリット状に形成されている。
【0021】
具体的には、図4で明らかなように、固定側端子部材58Aが接続された導電性印刷パ
ターン51Aと固定側端子部材58Bが接続された51Bは、スイッチSWの左右両側に
沿って略平行に長く形成されており、水抜き孔55は、導電性印刷パターン51Aと導電
性印刷パターン51Bとの間において、スイッチSWの直下に、導電性印刷パターン51
A、51Bに沿って長く形成され、その長さは、スイッチSWのハウジング50よりもは
み出す程度に長い長さのスリット状に形成されている。
【0022】
水抜き孔55は、その長さ及び幅のいずれも、結露水の表面張力が切れて速やかに下方
へ流下する作用をする大きさである。このため、スイッチSWと基板31との間に侵入す
る結露水は勿論のこと、スイッチSWのハウジング50の側面から流下する露も、速やか
にスリット状の水抜き孔55から流下するため、固定側端子部材58A、58Aの短絡か
ら防止できるものとなり、結露水で短絡される誤動作の防止効果も良好となる。
【0023】
スイッチSWの構成は他の構成でも差し支えなく、所謂、手動操作部32の押し圧によ
ってステム(作動体)が下動し、それによって一対の固定側接点が短絡部材によって短絡
される構成であれば、本発明の目的は達成できる。
【実施例2】
【0024】
図7には、他の構成を示している。実施例1と同様部分には実施例1と同一符号を付し
ている。図7において、スイッチSWは、図3に示すものと同様であり、基板31の上面
に取り付けた合成樹脂製のハウジング40内に収納されている。ハウジング40内のスイ
ッチSWの上方には、スイッチSWを作動する第1ステム(第1作動体)42が収納され
ている。第1ステム(第1作動体)42は、スイッチSWと第1ステム(第1作動体)4
2との間でハウジング4に取り付けたゴム製の弾性部材43で上方へ付勢され、第1ステ
ム(第1作動体)42の上部がハウジング40内から上方に突出し、カバー33の貫通孔
33Aから可撓性薄板41の手動操作部32の下面に当接または近接状態に臨んでいる。
【0025】
スイッチSWは、図3に示すものと同様に、ステム(作動体)52と同様の第2ステム
(第2作動体)52がハウジング50内に設けられ、第2ステム(第2作動体)52の上
部が弾性部材43の下面に当接または近接状態に臨んでいる。
【0026】
このような構成によって、手動操作部32が押し圧されない状態(待機状態)では、短
絡部材56は一対の固定側接点部57A、57Bから離れた上方位置にある。この状態に
おいて、手動操作部32の押し圧によって、第1ステム(第1作動体)42が下方へ押さ
れ、且つ弾性部材43を介して第2ステム(第2作動体)52が下方へ押され、それによ
って、第2ステム(第2作動体)52が短絡部材56をそのバネ力に抗して下方へ撓ませ
、それによって短絡部材56が一対の固定側接点部57A、57Bを短絡する。これによ
って、導電性印刷パターン51A、51Bを介してスイッチSWに接続された制御部(図
示せず)が動作する。このスイッチSWが、例えばおしり(肛門)洗浄開始スイッチ34
であるとすれば、便座の着座検出スイッチが動作しておれば、おしり(肛門)洗浄開始ス
イッチ34の作動によって、おしり(肛門)洗浄用ノズル4Aが進出して洗浄水が噴出さ
れる。また、このスイッチSWが、例えばビデ洗浄開始スイッチ35であるとすれば、便
座の着座検出スイッチが動作しておれば、ビデ洗浄開始スイッチ35の作動によって、ビ
デ洗浄用ノズル4Bが進出して洗浄水が噴出されるように動作する。
【0027】
制御ボックス30内は、温水タンク5等の温水供給源等の温度によって加温される空気
によって加温され、制御ボックス30内の温度に比してその周囲温度が低い場合には、そ
の両方の温度差によって、制御ボックス30内に結露水を生じる虞があり、この結露水が
この基板31に滴下して、基板31とスイッチSWとの隙間に侵入し、基板31に取り付
けたスイッチSWの一対の端子部材58A、58B間が短絡される虞がある。本発明は、
これを回避するために、少なくとも、おしり(肛門)洗浄開始スイッチ34の一対の固定
側端子部材58Aと58B、並びにビデ洗浄開始スイッチ35の一対の固定側端子部材5
8Aと58Bが、結露水による短絡から防止できるようにするために、水抜き孔55を固
定側端子部材58Aと58B間の基板31に貫通形成している。
【0028】
この水抜き孔55は、結露水の表面張力が切れる大きさであり、この水抜き孔55は、
実施例1に示すものと同様に、スイッチSWの直下に形成され、その長さ及び幅のいずれ
も、結露水の表面張力が切れて速やかに下方へ流下する作用をする大きさであり、実施例
1に示す状態と同様に形成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、上記実施例に示した構成に限定されず、種々の形態の温水洗浄便座装置に適
用できるものであり、本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る温水洗浄便座装置の蓋が閉まった状態の斜視図である。(実施例1)
【図2】本発明に係る温水洗浄便座装置の蓋と機能部分のカバーを取り外した状態の機能部分と制御ボックス内を示す正面斜視図である。(実施例1)
【図3】本発明に係る制御ボックスの縦断正面図である。(実施例1)
【図4】本発明に係る水抜き孔とスイッチとの関係を示す説明用平面図である。(実施例1)
【図5】本発明に係る制御ボックスに収納された基板にスイッチを取り付けた状態の平面図である。(実施例1)
【図6】本発明に係る水抜き孔とスイッチの端子部材との関係を示す基板(導電性印刷パターンを省略した状態)の裏面図である。(実施例1)
【図7】スイッチ作動構成が異なる本発明に係る他の構成を示す制御ボックスの縦断正面図である。(実施例2)
【符号の説明】
【0031】
1・・・・・温水洗浄便座
2・・・・・便座
3・・・・・開閉蓋
4A・・・・おしり洗浄用ノズル
4B・・・・ビデ洗浄用ノズル
5・・・・・温水タンク
7・・・・・カバー
8・・・・・基材部
9・・・・・電動機装置
10・・・・機能部
12・・・・電動機装置
30・・・・制御ボックス
31・・・・絶縁性基板
33・・・・カバー
34・・・・おしり(肛門)洗浄開始スイッチ
35・・・・ビデ洗浄開始スイッチ
36・・・・洗浄停止スイッチ
37、38・・・洗浄水の水勢調節スイッチ
40・・・・ハウジング
42・・・・第1ステム(第1作動体)
50・・・・合成樹脂製のハウジング
52・・・・ステム(作動体)または第2ステム(第2作動体)
55・・・・水抜き孔
56・・・・短絡部材
57A、57B・・・固定側接点部
58A、58B・・・固定側端子部材
SW・・・・スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
おしり(肛門)洗浄ノズルによる洗浄開始スイッチ、ビデ洗浄ノズルによる洗浄開始ス
イッチ、及び洗浄停止スイッチを取り付けた絶縁性基板を内蔵し前記各スイッチの手動操
作部を上面に備えた制御ボックスを便座の側方に配置した温水洗浄便座装置において、前
記各スイッチは、互いに所定間隔を置いて配置され前記基板にハンダ付け接続される一対
の固定側端子部材と、前記手動操作部の押し圧によって前記固定側端子部材を短絡する短
絡部材とを備え、前記基板の前記固定側端子部材間にスリット状の水抜き孔を貫通形成し
たことを特徴とする温水洗浄便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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