説明

温熱療法に用いる磁気ナノ粒子、それの調製、及び構造体が有する薬理学的応用での使用

これらは、ポリマー粒子類に薬理学的に活発な物質も恐らく組み込まれた構造体に使用可能な磁気金属酸化物のナノ粒子類を記述する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノメータ粒子類、特に磁気特性を有する金属酸化物及びそれの薬理学分野での使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノ粒子は物体で300nm以下の直径を持っている。近年、これらの材料の特有の化学・物理的性質のため科学分野及び技術分野で大きく興味がもたれた。
【0003】
特に、磁気ナノ粒子類は、映像技術でのコントラスト媒体として診断セクター(磁気共鳴)で、磁気位置測定技術で、及び主として磁界分野による温熱療法治療のはっきり限定される治療法分野で、の使用のそれらのポテンシャル分野を有している。
【0004】
これらの材料の主な特徴は、本質的に4つの要素にある:
−粒子の中央核の組成(それらは磁気特性を有する材料を含むはずである);
−磁気中央核のサイズ(ナノメーター又はそれ未満のテンス(tens)のオーダーで生じる)
−生理学環境下での安定性
−生物学的適合性。
【0005】
元素分析中での磁気ナノ粒子類の実際の有用性はそれらが媒体温度を上昇させる能力と関係があり、それらは外部電磁界で相互作用する時に制限される。
【0006】
多くの特許が、水システム内で安定した懸濁液から成形されるかもしれない5〜500nmの範囲に直径を持っている複合粒子類を得るために生物学的適合材料でコーティングされた磁気ナノ粒子について論ずる。これは、米国特許第5427767号明細書、Kresse;米国特許第2541039号明細書、Lesniak;米国特許第6541039号明細書、Lesniakに見られる。
【0007】
特別の注意が粒子の核を成形する金属酸化膜を得る方法に向けられ、これらは全て鉄酸化物を得ることに集中している。これは米国特許第4677027号明細書、Porath;米国特許第5160725号明細書、Pilgrm;米国特許第4329241号明細書、Massart;米国特許第4101435号明細書、Hasegswaに見られる。
【0008】
引用された特許の全ての中で、たとえある場合にそれらが“金属酸化膜”又は“他の金属元素でドープされた鉄酸化物”と一般に呼ばれても、前述の例は単にはっきり限定してそれらの様々な形状の鉄酸化物を参照し、そして他の種類の金属酸化膜と関係する温熱療法の作用の場合は引用されない。
【0009】
一般に、これらのナノ粒子の酸化物は低効率の温熱療法を有し、よってそれは治療結果を得るためにそれの多量の導入を要求される。
【0010】
更に、これらは広い一連の特許であり、異なる方法によって磁気粒子類のために様々な種類のコーティング、安定器及び保護を得る方法に関係がある。これらは、米国特許第4280918号明細書、Homola;米国特許第6576221号明細書、Kresse;米国特許第4452773号明細書、Molday;米国特許第4827945号明細書、Groman;米国特許第5545395号明細書、Tournier;欧州特許第0272091号明細書、Eleyに見られる。
【0011】
内部に薬理学的に活発な生成物を組込む重合体ナノ粒子類の生成品の一連の異なる技術が記述される;これらの技術は4つのクラスでグループ化されるかもしれない:
a)水に不溶性及び水と混和する溶剤において可溶性である重合体中の薬剤トラッピング(trapping)技術。
b)ナノ粒子類の化成後にタンパク質又は重合体が不溶性である溶剤で希釈し、適切な結合剤を有するナノ粒子構造体の安定化及び「沈殿する」薬剤の除去をする、水に溶解するタンパク質又は重合体を備えた(水溶性)薬剤のコアセルベーション(Coacervation)技術。
c)粒子類のサイズをナノメータなレベルにするために溶剤の除去後に続けて、マイクロメーター粒子類の化成に結びつく、界面活性剤存在下での乳化による(水溶性又は水不溶性)薬剤の組み入れ技術。
d)粒子類のサイズをナノメータなレベルにするために溶剤の除去後に続けて、マイクロメーター粒子類の化成に結びつく、タンパク質存在下での乳化による(水溶性又は水不溶性)薬剤の組み入れ技術。
【0012】
各々その特定のバージョンを有するそのような多くの方法の記述において、使用に適したサイズ(一般に100〜300nm範囲内)、制限された粒度分布及び生理学環境において安定しているままである能力を有する所望の生成物を得るのに遭遇した障害は既に表記されていることは注目されるかもしれない。
【0013】
熟慮された技術を考慮に入れて、次の課題は注目されるかもしれない:
【0014】
−水に不溶性及び適切な有機溶媒に可溶性である重合体における「反応性物質」のトラッピング技術は、サイズが主として重合体と薬剤の濃度及び溶剤/水希釈比率によって決定される「単純な」ナノ粒子の化成に結びつく。主な課題は、この方法で得られたナノメータ粒子類は水中で安定しているが、しかし生理学溶液及びそれのバイオ医学分野においての使用で既に不安定であり、よってほとんど受理可能でない。
【0015】
−ナノ粒子類の化成後に溶剤で希釈し、適切な結合剤を有するナノ粒子構造体の安定化及び「沈殿する」溶剤の除去には水に不溶性の生成物に明らかに使用できない、水に溶解するタンパク質を有する(水溶性)薬剤のコアセルベーション技術。他方では、ナノ粒子システムを使用するという利点は、水環境内において既に可溶性の生成物のために縮小されるからであり、これらの反応性物質もナノ粒子システムで得られたものへの同様の作用で直接実施されるかもしれないからである。
【0016】
−界面活性剤存在下での乳化技術は、使用された濃度で人間の有機体との相容性を持っている十分に小さなミセルを成形する能力をほとんど組み合わせることができない、乳化システムの課題を常に表示する。
【0017】
−タンパク質存在下での乳化による(水溶性又は水不溶性)薬剤の組み入れ技術は、生産的なタイプの施工に関する限り大きな技術的な障害を表示する。これらの場合での乳化は非常に困難で、かつ低工業生産性な複雑な技術の使用を強いられ、それで非常に高価である(例えば高圧乳化技術)。
【0018】
上述されたものに照らして、高い温熱療法効率、かつ磁気システムのための組み込み方法及び薬学法則を有するナノ粒子磁気酸化物を持つ必要は明白であり、更に安定していて生物学上適合性を有する間は温熱療法・薬学の視点から見て有効である構造体の調製に結びつく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第5427767号明細書
【特許文献2】米国特許第2541039号明細書
【特許文献3】米国特許第6541039号明細書
【特許文献4】米国特許第4677027号明細書
【特許文献5】米国特許第5160725号明細書
【特許文献6】米国特許第4329241号明細書
【特許文献7】米国特許第4101435号明細書
【特許文献8】米国特許第4280918号明細書
【特許文献9】米国特許第6576221号明細書
【特許文献10】米国特許第4452773号明細書
【特許文献11】米国特許第4827945号明細書
【特許文献12】米国特許第5545395号明細書
【特許文献13】欧州特許第0272091号明細書
【特許文献14】国際公開第2007/077240号パンフレット(PCT/EP2007/050036)
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】Macromolecular Rapid Communication,2002年、23、No.5/6 332−355頁
【非特許文献2】I.Brigger、C.Dubernet、P.Couvreur、癌治療及び診断中のナノ粒子、Adv.Del Rev.,2002年、54、631.
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】機能的になった粒子の温熱療法効率及び対応する最終構造体の比較で、前記効率はΔT(℃)として表記される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、磁気金属酸化ナノメータ粒子類及び以下から成る構造体:前記磁気ナノメータ粒子で、二官能化合物で恐らく機能的で、薬理学的に活発な分子を恐らく含んでいる重合体であり、かつ前記重合体が水不溶性の場合に界面活性剤の外部保護層、及びそれの温熱療法処置での使用、に関する。
【0023】
次のものを含む構造体のおかげで前述の課題を克服することを本発明が可能にする;磁気ナノメータ粒子で、二官能化合物を含んで恐らく機能的で、薬理学的に活発な分子を恐らく含んでいる重合体で、前記重合体が水不溶性の場合に界面活性剤の外部保護層である。
【0024】
現時点で重合体に接続することができる又はその中で分散することができるとき、上述の薬学的に活発な分子と言える。
【0025】
発明によるナノメータな粒子類は、スピネルかつMIIIIIタイプ(式中、MII=Fe、Co、Ni、Zn、Mn;MIII=Fe、Cr)の酸化物でナノメータ形状である。
【0026】
前述のスピネル中で、コバルトフェライトが高い温熱療法の効率を持していることは思いかけず見出された。
【0027】
他のスピネル及び鉄酸化物の中で、本発明に記述された方法によって調製されているコントロールされたサイズのマグネタイト及びマグヘマイトは、文献に記述された同様の生成物より良い温熱療法の効率を持っていることは思いかけず発見された。
【0028】
発明によって意図される二官能化合物は:チオール類、カルボン酸類、ヒドロキサム酸類、リン酸類、エルテル類及び末端位置(指定のω)で別の官能基を運ぶ脂肪族鎖を有するそれの塩類。
【0029】
より明確には、二官能化合物は下記一般式の化合物である:
−(CH−R
式中:
nは2〜20の範囲の整数;
は次のものから選ばれる:CONHOH、CONHOR、PO(OH)、PO(OH)(OR)、COOH、COOR、SH、SR;
は外側の基で、次のものから選ばれる:OH、NH、COOH、COOR;
Rはアルキル基又はアルカリ金属である。
【0030】
好ましいアルカリ金属はK、NaあるいはLiであり、一方、好ましいアルキル基は炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくはエチル基である。
【0031】
上述の前記二官能基の中でエチル−12−(ヒドロキシアミン)−12−オキソドデカノエートが特に好ましい。
【0032】
構造体を構成する重合体は、水溶性の重合体類又は界面活性剤によって安定した水不溶性の重合体類で出来ている。
【0033】
水溶性の重合体類は発明によって例えば、高分子電解質類、ポリペプチド類及び水溶性のタンパク質類であり;ブロック共重合体から選ばれた水溶性重合体、改質ポリエチレングルコース、改質多糖類、リン脂質、ポリアミンアミド、球状タンパク質が好ましい。
【0034】
不溶性の重合体類は、例えば、次の中から選ばれ:ポリエステル類、ポリアミド類、ポリ酸無水物類、ポリオルトエステル類、ペプチド類、ポリアミンアミド類;あるいは、例えばコレステロールのような不溶性有機分子;ポリエステル類とコレステロールが好ましい。
【0035】
発明による界面活性剤は次のもので構わない:高分子電解質類、ポリペプチド類及び水溶性タンパク質類;ブロック共重合体、改質ポリエチレングルコース、改質多糖類、リン脂質類、ポリアミンアミド類、球状タンパク質類;好ましくは人間の血清蛋白質及びプルロニック(pluronics)ブロック共重合体である。
【0036】
重合体類は公知のもの、あるいは、例えば、非特許文献1で記述されるような室温で数時間から数日の時間を含む、第一級モノアミン類やビスアクリルアミン類を備えた第二級ジアミン類の重付加でのような技術の公知の方法によって容易に得ることができる。
【0037】
発明による水溶性で界面活性剤の両方を備えた重合体類の例である:
【0038】
【化1】

【0039】
【化2】

【0040】
【化3】

【0041】
【化4】

【0042】
【化5】

【0043】
【化6】

【0044】
【化7】

【0045】
【化8】

【0046】
【化9】

【0047】
【化10】

【0048】
式中、nは、3〜300であり、好ましくは10〜100である。
【0049】
発明によって薬理学的に活発な分子は、様々な治療、例えば抗腫瘍剤(アントラサイクリンのような)、抗菌性剤、抗炎症性剤、免疫調整剤、中枢神経系などに作用する分子、あるいは診断検出の通常手段(例えば蛍光染色液)を備えたそれらの識別を可能にするために細胞に印を付けることができるのもの、の中で通常生物学上活発な分子が使用される。
【0050】
本発明に記述された構造体の調製方法は非常に柔軟である。
【0051】
更に、それらのサイズのコントロール可能性及びそれによるそれらの温熱療法特性のおかげで、本発明による磁気ナノ粒子は、非常に柔軟でかつ低濃度の磁気ナノ粒子でさえ活発である生物学的適合ナノ粒子構造体の調製に特に適している。
【0052】
これは確かに全ての潜在的なバイオ医学利用での長所である。構造体が界面活性剤として使用される親水性重合体類に基づく時に、薬理学的に活発な生成物に関して300%を超える界面活性剤量の使用が要求されることが公知であり;本発明によるナノ粒子の使用によって、悪評高い貧弱な生物学的適合性を有する界面活性剤量は相当減少されるかもしれない。
【0053】
特に、コバルトフェライトに関して、それは思いかけず見出され、均等なサイズ、それは鉄酸化物類よりおよそ1桁以上の温熱療法効率を有しており;更に、文献に記述された鉄酸化物類で生じるものとは対照的に、コバルトフェライトの物理的に不動のナノ粒子の温熱療法特性は、流動性マトリックス中で分散した材料によって異ならない。これは、それらがその循環障害を示す細胞外マトリックス内あるいは細胞質ゾルマトリックス内にある時により効率的になる。
【0054】
10〜1000kHz間、好ましくは50〜500kHz間の範囲に周波数を持っている電磁波で照射された時、コバルトフェライトナノ粒子類は均等なナノ粒子サイズを有する鉄酸化物類(更にCo、Ni又は他の金属元素の不純物でドープされた)に関してはるかに良い温熱療法行為を行う。前述の周波数では、私たちが調製したマグネタイトとマグヘマイトの粒子は更に文献に記述された当量より良い温熱療法効率を示した。
【0055】
発明による磁気ナノ粒子は既知のプロセス、例えば文献に広く記述されたポリオールプロセス、簡潔には、高温での作業を可能にする高沸点アルコールを使用し、そして錯体になることによって、それの成長を抑制して成形される粒子が導かれるプロセスによって調製されてもよい。
【0056】
通常は、所望の金属前駆体(好ましくは、酢酸塩類、炭酸塩類、硫酸塩類、シュウ酸塩類、塩化物類)は、既知の容量のアルコール(例えば、ジエチレングリコール、DEG)に添加される。その後、溶液は前駆体の完全可溶化へ混合する間は加熱され、前駆体の加水分解を促進するために適切な量の水の添加可能であり、それは150℃以上の温度で数時間加熱され、そしてその後静置冷却され、よって制限された粒度分布を備えた単分散ナノ粒子類の安定した懸濁液が得られる。
【0057】
更に、コバルトフェライトの温熱療法の効能は、再生産可能な方法でナノ粒子類の粒度調整することが可能な、新しい合成方法で生じるマグネタイト又はマグヘマイトよりナノ粒子の粒度にもっとはるかに依存するゆえに、よって、それの温熱療法の効能は設計されており、そして更に本発明の一部でもある。
【0058】
粒度調整は、コバルトフェライトに代わる生成物を得ることを可能にするマグネタイトとマグヘマイトの合成において大きな利点を更にもたらし、また温熱療法の視点から見たそれらの当量より高効率である。
【0059】
新しい合成方法は、常に懸濁液中に得られる磁気ナノ粒子の粒度調整(したがって温熱療法)を許可することができ、下記に記載される。
【0060】
連続プロセス
この場合の手順は、ポリオールプロセスのために上述されるように行なわれるが、しかし合成は予め合成されたナノ粒子から成る“プライマー”の付加(試薬と等モル量)で行われる。このように、それらが合成の初めに導入したよりも大きなサイズを有する磁気ナノ粒子が反応の終わりに得られる。
【0061】
実際上、最初の調製のための手順はポリオールプロセスに関して行なわれ;続いて、新たな反応は最初と同じ状態で、既に使用されたものに同一量の全ての開始材料と最初の反応から得られた生成物の添加で実行される。したがって得られた磁気ナノ粒子は(それは2つの部分があり、合成の初めに導入したそれらに関してより大きなサイズを有している)、次の反応のために“プライマー”として再び使用されてもよい。サイクルは、所望のサイズを示す粒子が得られるまで不特定の回数が繰り返されてもよい。
【0062】
部分連続置換プロセス
実際上、最初の合成はポリオールプロセスによって行なわれるが、しかし、180℃での加熱保持期間の終わりで生成物は冷却されず、むしろ2倍のサイズのフラスコ内に注がれ、全ての開始材料は既に反応した生成物に同一量の生成物が入り込む。温度は再び180℃に持っていかれ、それは3時間維持され、その後そのサイクルは所望のサイズを有する生成物が得られるまで回数を重ね繰り返される。
【0063】
成長過程
この場合、その合成は上述されたポリオールプロセスによって行なわれるが、しかし生成物が180℃の温度で維持される期間は、不定時間延長される。よって、生成物は得られ、それらの大きさは、温度持続の時間に依存する。
【0064】
更に、磁気ナノ粒子類は上述されたポリオールプロセスに似ているプロセスによって更に調製されてもかまわず、反応時間をかなり減少させことやサイズと形態をより良くコントロールすることを可能にするもっぱら電子レンジ中だけで加熱することは実行されるだろう。
【0065】
これらの調製の技術を用いて、上述されたプロセスの更なる長所であるに違いないナノ粒子類のステチオメトリー(stechiometry)が修正されてもよい:例えば、マグヘマイトは、前プロセスのうちの1つ、非常に長時間とは言え当然生じる酸化プロセスを加速することによって、酢酸酸化環境中のコントロールされた温度でそれの酸化によって得られたマグネタイトから生産されてもよい。この場合、磁気ナノ粒子類の粒度調整は、前述された方法のうちの1つによるマグネタイト前駆体の粒度調整を実行する間接的なやり方で行なわれる。
【0066】
記述された方法によって得られたナノ粒子コバルトフェライト、マグネタイト及びマグヘマイトは、DLS(マルバーン社製(Malvern) ゼータサイザー(Zetasizer) ナノ−S)を用いて粒子サイズがコントロールされた。
【0067】
したがって得られた、ナノ粒子類は4〜200nm、好ましくは10〜70nmの範囲のサイズを有する。
【0068】
ナノ粒子類の機能化は既知の方法、又は引用文献14に記述されたように、つまり、それの表面をコーティングするために上記で定義されるようなナノ粒子類を備えたエタノール中に溶解された二官能誘導体を反応させることによって得られる。
【0069】
数時間還元温度で混合する間に選択した結合剤で有機溶媒(例えばエチレングリコール)中にばらついたナノ粒子を反応させることにより調製プロセスが生じる。その後、生成物は、特定の溶剤、例えば、アセトンを用いた抽出によって恐らく分離又は沈殿され、遠心機内で回転し、分離されそして適切な溶剤中で恐らく再分散される。
【0070】
前述された重合構造体は、それの調製のために使用された重合体のタイプに依存する異なる特性を有している。
【0071】
特に、重合体は水において不溶性又は可溶性かもしれない;そして発明による構造体の合成でのそれらの使用は、下記に報告される。
【0072】
水不溶性重合体に基づく構造体
それらは磁気ナノ粒子類で、前述されるように機能的で、薬理学的に活動的な薬剤と結合し、前述で定義されたように、水不溶性重合体に組み入れられ、上述で定義されたように順に界面活性剤によって安定されるのである。
【0073】
発明によって界面活性剤は次のとおりかもしれない:高分子電解質、ポリペプチド及び水溶性タンパク質;ブロック共重合体から選ばれた界面活性剤、改質ポリエチレングルコース類、改質多糖類、リン脂質、ポリアミンアミド、球状タンパク質が好ましい。発明によってこれら構造体の調製のプロセスは連続的で、水不溶性ポリマーマトリクス中の磁気ナノ粒子類を取り込み単一ステッププロセス及び適した界面活性剤を有するこの構造体のコーティングである。
【0074】
その方法は、水(界面活性剤は予めその中で溶解される)と、上述の様に機能的なった磁気ナノ粒子類及び予め可溶性になっているポリマーマトリックスと共に混和された有機溶剤(10%を越える程度まで)との使用を意味する。その後、2つの液体はコントロールされたサイズを成形する相中で予め可溶性になった成分の自己集合を得るために適切な状態で混合される。
【0075】
構造体中の薬剤の取り込みが、水中又は有機溶媒中での可溶化による集合ステップで生じる。この方法で、多数の薬理学的に活発な種は構造体増加に導入されてもよい。
【0076】
この方法は、90〜99%の間の範囲の収率を備えた最終生産物を得ることを可能にし、構造体の温熱療法の効率は予期されず、よって集合したものは開始無機粒子のものに似ている。
【0077】
構造体の平均直径は50〜300nmの間の範囲であり、そして恐らく本薬剤の濃度と磁気粒子の濃度との間の比率は容易に変動するかもしれない。
【0078】
磁気粒子と薬剤と関係は密接で、外部電磁界を備えた磁気ナノ粒子の相互作用によって引き起こされた熱効果によって薬剤のコントロールされた放出を得ることを可能にする。
【0079】
この方法は、一方で磁気温熱療法が得られるかもしれず、また他方、薬理学的に活発な種を備えた共に作用する効能を得られるかもしれない。
【0080】
薬剤に関しての変動し易いパーセンテージでの磁気粒子の存在は、温熱療法の効能、つまり特定の病理学が扱われるべき最も示された方法で厳密に薬学効能を増強することを可能にする。
【0081】
生じる構造体は、生理学溶液環境において安定していて、よって治療使用に適していることが分かる。
【0082】
水溶性重合体に基づいた構造体:
それらは磁気ナノ粒子類で、前述されるように機能的で、薬理学的に活動的な薬剤とおそらく結合し、水溶性重合体内あるいは又は上記で定義されるような界面活性剤内に組み入れられるのである。
【0083】
発明によってプロセスは、磁性粒子類と薬剤とを溶解する「キャリヤー」として、10%を越える程度まで水中で混和する有機溶媒を意味する。
【0084】
その方法は、水(水溶性重合体は予めその中で溶解される)と、予め可溶性になった機能的になった磁気ナノ粒子類と水とが共に混和した液体(10%を超える程度まで)との使用を意味する。その後、2つの液体はコントロールされたサイズを成形するステップで予め可溶性になった成分の自己集合を得るために適切な状態で混合される。
【0085】
構造体中の薬剤の取り込みが、水中又は有機溶媒中での可溶化による集合ステップで生じる。この方法で、多数の薬理学的に活発な種は構造体増加に導入されてもよく、また薬剤濃度と磁性粒子濃度との比率を容易に変更してもよい。
【0086】
この方法では、構造物は30〜100nmの間の平均直径を持し、そして非常に制限された粒度分布(ポリ分散指数PDI=0.10−0.15)を得られるかもしれず、ところが、より広いポリ分散指数(約0.25)で約200nmのサイズを有する文献に記載の方法(より複雑で、かつほとんど計量できない方法)によって粒子が得られる。この方法は80〜98%の範囲の収率を有する最終生成物を得ることを可能にし、構造体の温熱療法効率は予期できず、よって組み合わせたのは開始無機粒子のもの似ている。
【0087】
生じる構造体は、生理学溶液環境において安定していて、よって治療使用に適していることが分かる。
【0088】
そのような小さな構成体、均一分散及び生理学環境での安定を得る可能性は、粒子が扱われる体内領域でよりよく拡散するかもしれないので、治療利用の可能性の大きな利点を表わし、免疫系が検知してそして排出するのがより難しく、かつより容易に標的細胞内に組込まれる(非特許文献2)。
【0089】
合成されたナノ粒子類、機能的になったナノ粒子類及び上記で定義されるような構造体類のための全面的なデータは表1中で述べられ、それは以下のように細分される:
表1(a)及び表1(b):磁気粒子類;
表1(c):機能的になった磁気粒子類;
表1(d):重合体コーティングされた構造体類。
【0090】
表2中では、生じる粒子のサイズが発明によるプロセスで述べられ、一方、対応する温熱療法の効能が表3中で述べられている。機能的になったナノ粒子類の全面的なデータは表4中で述べられ、開始生成物、機能化のタイプと前駆体の温熱療法効能(ΔTとして表現)及び同測定状態の最終生産物が示される。
【0091】
図1から、構造体の温熱療法効能が前駆体のものに常に似ていることは明白である。
【0092】
試料の結晶構造は、フィリップスX’pert プロ回折計(Cu Ka放射)の5秒で0.05°(2θ)の走査範囲を備えた10〜70°の範囲で像を記録するX線回折(XRD)によって識別された。微結晶のサイズはシェレル方法の使用による回折ピークによって決定された。
【0093】
したがって、試料は様々な媒体中で分散しており、そしてアメリサーム(Ameritherm)製の振動磁界放射ユニット ノバスター(Novastar)を5Wから5Kwで使用し、試料は温熱療法テストを受けて特徴づけられた(非機能的粒子、機能的粒子、最終構造体)。そのテストは、適切な溶剤中で試料がばらついて完全に満たされている0.30ml容量のアルミナるつぼを使用し、170kHzの電磁界を備え、かつ21kA/mの磁界強度を持つ断熱状態で行なわれた。分散媒体中の試料濃度(金属酸化膜中の濃度として表現)は、0.1%〜3%の範囲にある。
【0094】
分散の初期温度と最終温度はFLIR E65 サーモカメラによって測定された。
【実施例】
【0095】
発明をよりよく例証する次の例が報告される。
【0096】
(実施例1)
既知のプロセス(ポリオールプロセス)によるナノメータなコバルトフェライトの調製。
【0097】
生成物式:NFeCo31
使用した試薬:
Fe:Co比率=2:1
9.53gのCo(Ac)・4HO(23.7%Cow/w)
Co(II)=2.259g=0.038モル
21.42gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=4.284g=0.077モル
269.04gのDEG
【0098】
合成:
4ッ口フラスコは、ブレードスターラー(blade stirrer)、蒸留を可能にするためのバルブを備えたバブル凝縮器(bubble condenser)、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。試薬は反応フラスコ内にDEGと共に置かれる。システムは可溶化ステップ(時間:1時間)で110℃の温度に持っていかれる。続いて、温度は180℃に昇温され、その後システムは3時間還流される。混合間に行なわれたプロセスは、黒い懸濁液の化成に結びつく。
【0099】
(実施例2)
既知のプロセス(ポリオールプロセス)によるナノメータなマグネタイトの調製。
【0100】
生成物式:Fe74
試薬:
FeIII:FeII比率=2:1
30.32gのFe(Ac)溶液(7%Few/w)
Fe(II)=2.122g=0.038モル
21.42gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%のFew/w)
Fe(III)=4.284g=0.077モル
269.04gのDEG
【0101】
合成:
4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、還流と蒸留の2方法のシステムを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。試薬は反応フラスコ内にDEGと共に置かれる。システムは安定化ステップで120℃の温度に持っていかれ、そのような温度で1時間維持される。続いて、混合物は蒸留ステップを維持する180℃に加熱される。180℃の内部温度に到達するとシステムは3時間還流される。混合間に行なわれたプロセスは、褐色の懸濁液の化成に結びつく。
【0102】
(実施例3)
既知のプロセス(ポリオールプロセス)によるナノメータな混合FeIII、FeII、Niスピネルの調製。
【0103】
生成物式:FeDoNi03
試薬明細:
Fe(CHCOO) MW=232.98g/モル
Fe(CHCOO) MW=173.93g/モル
Ni(CHCOO) MW=176.78g/モル
Fe MW=55.85g/モル
Ni MW=58.69g/モル
DEG W=106.12g/モル
試薬:
FeIII:FeII:Ni比率=8:3:1
22.34gのFe(Ac)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=4.468g=80ミリモル
23.94gのFe(Ac)溶液(Co中で7%w/w)
Fe(II)=1.675g=30ミリモル
1.77gのNi(Ac)
Ni=0.588g=10ミリモル
269.04gのDEG
【0104】
合成:
4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、還流と蒸留の2方法のシステムを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。試薬は反応フラスコ内にDEGと共に置かれる。システムは安定化ステップで110℃の温度に持っていかれ、そのような温度で1時間維持される。続いて、混合物は蒸留ステップを維持する180℃に加熱される。180℃の内部温度に到達するとシステムは3時間還流される。混合間に行なわれたプロセスは、褐色の懸濁液の化成に結びつく。
【0105】
(実施例4)
本発明による連続工程によるナノメータなコバルトフェライトの調製。
【0106】
生成物式:NFeCo36 ステージ1(生成物式:NFeCo35)
試薬明細:
Fe(CHCOO) MW=232.98g/モル
Co(CHCOO)・4HO MW=248.93g/モル
CoFe(NFeCo31) MW=234、62g/モル
Co MW=58.93g/モル
Fe MW=55.85g/モル
DEG MW=106.12g/モル
試薬:
Fe:Co比率=2:1
9.53gのCo(Ac)・4HO(23.7%Cow/w)
Co(II)=2.259g=0.038モル
21.42gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=4.284g=0.077モル
269.04gのDEG
287gのNFeCo31
【0107】
合成:
4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、蒸留を可能にするためのバルブを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。試薬は反応フラスコ内にDEGと共に置かれる。システムは可溶化ステップ(時間:1時間)で110℃の温度に持っていかれる。続いて、温度は180℃に昇温され、その後システムは3時間還流される。混合間に行なわれたプロセスは、黒い懸濁液の化成に結びつく。570gの生成物が得られた。
【0108】
ステップ2(生成物式:NFeCo36)
試薬明細:上記と同様
試薬:
Fe:Co、比率=2:1
19.06gのCo(Ac)・4HO(23.7%Cow/w)
Co(II)=4.518g=0.076モル
42.84gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=8.568g=0.154モル
538gのDEG
570gのNFeCo_35
【0109】
合成:
4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、蒸留を可能にするためのバルブを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。試薬は反応フラスコ内にDEGと共に置かれる。システムは可溶化ステップ(時間:1時間)で110℃の温度に持っていかれる。続いて、温度は180℃に昇温され、その後システムは3時間還流される。混合間に行なわれたプロセスは、黒い懸濁液の化成に結びつく。1105gの生成物が得られた。
【0110】
(実施例5)
本発明による連続プロセスを備えたナノメータなマグネタイト生成物式Fe76の調製。
【0111】
ステージ1(生成物式Fe75)
試薬明細:
Fe(CHCOO) MW=232.98g/モル
Fe(CHCOO) MW=248.93g/モル
Fe(Fe74) MW=231.53g/モル
Fe MW=55.85g/モル
DEG MW=106.12g/モル
試薬:
FeIII:FeII比率=2:1
30.32gのFe(Ac)溶液(7%Few/w)
Fe(II)=2.122g=0.038モル
21.42gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=4.284g=0.077モル
269.04gのDEG
279gのFe74
【0112】
合成:
4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、還流と蒸留の2方法のシステムを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。試薬は反応フラスコ内にDEGと共に置かれる。システムは安定化ステップで120℃の温度に持っていかれ、そのような温度で1時間維持される。続いて、混合物は蒸留ステップを維持する180℃に加熱される。180℃の内部温度に到達するとシステムは3時間還流される。混合間に行なわれたプロセスは、褐色の懸濁液の化成に結びつく。
【0113】
ステージ2(生成物式:Fe76)
試薬明細:上記と同様
試薬:
FeIII:FeII比率=2:1
60.64gのFe(Ac)溶液(7%Few/w)
Fe(II)=4.244g=0.076モル
42.84gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=8.568g=0.154モル
538.08gのDEG
552gのFe75
【0114】
合成:
4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、還流と蒸留の2方法のシステムを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。試薬は反応フラスコ内にDEGと共に置かれる。システムは安定化ステップで120℃の温度に持っていかれ、そのような温度で1時間維持される。続いて、混合物は蒸留ステップを維持する180℃に加熱される。180℃の内部温度に到達するとシステムは3時間還流される。混合間に行なわれたプロセスは、褐色の懸濁液の化成に結びつく。
【0115】
総収量:1113g。
【0116】
(実施例6)
本発明による部分連続置換の方法を備えたコバルトフェライトの調製プロセス。
【0117】
生成物式:NFeCoCONT−03B3
ステージ1(生成物式:NFeCoCONT−03B1)
試薬明細:
Fe(CHCOO) MW=232.98g/モル
Co(CHCOO)・4HO MW=248.93g/モル
CoFe(NFeCo31) MW=234.62g/モル
Co MW=58.93g/モル
Fe MW=55.85g/モル
DEG MW=106.12g/モル
試薬:
Fe:Co比率=2:1
9.53gのCo(Ac)・4HO(23.7%Cow/w)
Co(II)=2.259g=0.038モル
21.42gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=4.284g=0.077モル
269.04gのDEG
285gのNFeCo_31
【0118】
合成:
1リットルの4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、蒸留を可能にするためのバルブを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。酢酸コバルト及び酢酸鉄は反応フラスコ内にDEGと共に置かれ、そして前反応でまだ温かいNFeCo31が添加される。温度は180℃に持っていかれ、システムは3時間還流される。575gの生成物が得られた。
【0119】
ステージ2(生成物式:NFeCoCONT−03B2)
試薬明細:上記と同様
試薬:
Fe:Co比率=2:1
19.06gのCo(Ac)・HO(23.7%Cow/w)
Co(II)=4.518g=0.076モル
42.84gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=8.568g=0.154モル
538gのDEG
575gのNFeCoCONT−03B1
【0120】
合成:
2リットルの4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、蒸留を可能にするためのバルブを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。酢酸コバルト及び酢酸鉄は反応フラスコ内にDEGと共に置かれ、そして前反応でまだ温かいNfeCoCont_31B1が添加される。温度は180℃に持っていかれ、システムは3時間還流される。1105gの生成物が得られた。
【0121】
ステージ3(生成物式:NFeCoCONT−03B3)
試薬明細:上記と同様
試薬:
Fe:Co比率=2:1
38.12gのCo(Ac)・4HO(23.7%Cow/w)
Co(II)=9.036g=0.152モル
85.68gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=17.136g=0.308モル
1076gのDEG
1105gのNFeCoCONT−03B2
【0122】
合成:
5リットルの4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、蒸留を可能にするためのバルブを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。酢酸コバルト及び酢酸鉄は反応フラスコ内にDEGと共に置かれ、そして前反応でまだ温かいNFeCoCont_31B2が添加される。温度は180℃に持っていかれ、システムは3時間還流される。2210gの生成物が得られた。
【0123】
(実施例7)
本発明による成長プロセスを備えたナノメータなコバルトフェライトの調製。
【0124】
生成物式:NAMA06 602
試薬明細:
Fe(CHCOO) MW232.98=g/モル
Co(CHCOO)・HO MW=248.93g/モル
Co MW=58.93g/モル
Fe MW=55.85g/モル
DEG MW=106.12g/モル
試薬:
Fe:Co比率=2:1
9.53gのCo(Ac)・4HO(23.7%Cow/w)
Co(II)=2.259g=0.038モル
21.42gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=4.284g=0.077モル
269.04gのDEG
【0125】
合成:
4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、蒸留を可能にするためのバルブを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。試薬は反応フラスコ内にDEGと共に置かれる。システムは可溶化ステップ(時間:1時間)で110℃の温度に持っていかれる。続いて、温度は180℃に昇温され、その後システムは5時間還流される。混合間に行なわれたプロセスは、黒い懸濁液の化成に結びつく。
【0126】
総収量:282g。
【0127】
(実施例8)
本発明による成長プロセスを備えたナノメータなコバルトフェライトの調製。
【0128】
生成物式:NAMA06 601
試薬明細:
Fe(CHCOO) MW=232.98g/モル
Co(CHCOO)・HO MW=248.93g/モル
Co MW=58.93g/モル
Fe MW=55.85g/モル
DEG MW=106.12g/モル
試薬:
Fe:Co比率=2:1
9.53gのCo(Ac)・4HO(23.7%Cow/w)
Co(II)=2.259g=0.038モル
21.42gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=4.284g=0.077モル
269.04gのDEG
【0129】
合成:
4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、蒸留を可能にするためのバルブを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。試薬は反応フラスコ内にDEGと共に置かれる。システムは可溶化ステップ(時間:1時間)で110℃の温度に持っていかれる。続いて、温度は180℃に昇温され、その後システムは9時間還流される。混合間に行なわれたプロセスは、黒い懸濁液の化成に結びつく。
【0130】
総収量:280g。
【0131】
(実施例9)
本発明による成長プロセスを備えたナノメータなコバルトフェライトの調製。
【0132】
生成物式:NfeCo66
試薬明細:
Fe(CHCOO) MW=232.98g/モル
Co(CHCOO)・HO MW=248.93g/モル
Co MW=58.93g/モル
Fe MW=55.85g/モル
DEG MW=106.12g/モル
試薬:
Fe:Co比率=2:1
9.53gのCo(Ac)・HO(23.7%Cow/w)
Co(II)=2.259g=0.038モル
21.42gのFe(CHCOO)(パスタ形状;c.20%Few/w)
Fe(III)=4.284g=0.077モル
269.04gのDEG
【0133】
合成:
4ッ口フラスコは、ブレードスターラー、蒸留を可能にするためのバルブを備えたバブル凝縮器、プローブ及びストッパー(追加首)を装備している。試薬は反応フラスコ内にDEGと共に置かれる。システムは可溶化ステップ(時間:1時間)で110℃の温度に持っていかれる。続いて、温度は180℃に昇温され、その後システムは24時間還流される。混合間に行なわれたプロセスは、黒い懸濁液の化成に結びつく。
【0134】
総収量:280g。
【0135】
(実施例10)
本発明によるマイクロ波加熱を備えたコバルトフェライトの調製プロセス。
【0136】
生成物式:NFeCoMW01
試薬明細:
Fe(CHCOO) MW=232.98g/モル
Co(CHCOO)・HO MW=248.93g/モル
Co MW=58.93g/モル
Fe MW=55.85g/モル
DEG MW=106.12g/モル
試薬:
Fe:Co比率=2:1
11.10gのCo(Ac)・4HO(23.7%Cow/w)
Co(II)=2.632g=0.0447モル
19.23gのFe(CHCOO)(粉末形状;c.26%Few/w)
Fe(III)=4.998g=0.0895モル
319.67gのDEG
【0137】
合成:
全試薬は500mlの1ッ口フラスコ内に置かれる。それはバブル凝縮器を装備している。フラスコは、バブル凝縮器外側と同様なのを維持するマイクロ波チャンバー内に置かれる。粉末は還流下で維持される7分間照射される。
【0138】
(実施例11)
本発明によるマイクロ波加熱を備えたコバルトフェライトの調製プロセス。
【0139】
生成物式:NFeCoMW03
試薬明細:
Fe(CHCOO) MW=232.98g/モル
Co(CHCOO)・4HO MW=248.93g/モル
Co MW=58.93g/モル
Fe MW=55.85g/モル
DEG
試薬:
Fe:Co比率=2:1
11.10gのCo(Ac)・HO(23.7%Cow/w)
Co(II)=2.632g=0.0447モル
19.23gのFe(CHCOO)(粉末形状;c.26%Few/w)
Fe(III)=4.998g=0.0895モル
319.67gのDEG
【0140】
合成:
全試薬は500mlの1ッ口フラスコ内に置かれる。それはバブル凝縮器を装備している。フラスコは、バブル凝縮器外側と同様なのを維持するマイクロ波チャンバー内に置かれる。粉末は還流下で維持される30分間照射される。
【0141】
(実施例12)
本発明による酢酸酸化でのマグヘマイトの調製プロセス
生成物式:Fe59.1.1.1
試薬明細:
CHCOOH MW=60.05g/モル
Fe(Fe74) MW=231.53g/モル
NaHCO MW=84.00g/モル
試薬:
Fe中の0.5%w/wDEG中の40gのFe(Fe74)溶液
Feの200mg 0.864ミリモル
1.00gのCHCOOH 6.7ミリモル
1.2gのNaHCO 14.3ミリモル
【0142】
合成:
DEG及び酢酸中のマグネタイト溶液は、混合機、バルブリングキャピラリー(bubbling capillary)及びバルブ凝縮器を備えたフラスコに置かれる。全体は80℃に加熱され、そして2.5時間その温度で維持される。
【0143】
反応の終わると、それは室温に冷却され、そして炭酸水素ナトリウムが添加される。それは混合を1時間維持し、そして残る固形製品はその後ろ過される。明瞭な暗褐色溶液はマグヘマイトの完全な化成をチェックするメスバウア分光測定法により特徴づけられる。その後、溶液は所望の濃度へ真空ロータリーエバポレータ中で揮発する。
【0144】
(実施例13)
本発明によるパルミチン酸を備えたコバルトフェライトナノ粒子の機能化。
【0145】
生成物式:CoFe14
試薬明細:
パルミチン酸 MW=256.42g/モル
Et−OH MW=4607g/モル
n−ヘキサン MW=86.17g/モル
CoFe(:NFeCoCONT−03B3)MW=234.62g/モル
試薬:
DEG(3%Cow/wFe)中の20gのNAMA06溶液
2.56ミリモル
0.45gのパルミチン酸
1.76ミリモル
40gのEt−OH
40gのn−ヘキサン
【0146】
合成:
エタノールとパルミチン酸は、磁気的に攪拌された三角フラスコに置かれる。それは、45〜50℃に加熱されたプレート上で混合されている間に注意深く加熱される。それはその後パルミチン酸の可溶化を完成させる混合は維持される。ナノ粒子のコバルトフェライト溶液が添加される。温度は約40℃に設定された。それは1時間混合された。
【0147】
内容物は三角フラスコから分液漏斗に注がれ、そしてヘキサンが抽出される。その後、無極相は、炭酸水素ナトリウムの希釈水溶液(水100ml中に0.6g)40mlと、その後水40mlとで2度洗浄される。得られた有機相は、所望の容量へ真空下で濃縮される。
【0148】
(実施例14)
本発明によるエチル12−(ヒドロキシアミン)−12−オキソドデカノエートを備えたコバルトフェライトナノ粒子の機能化。
【0149】
生成物式 CoFe38H
試薬明細:
エチル12−(ヒドロキシアミン)−12−オキソドデカノエート
MW=273.37g/モル
CoFe(:NFeCoCONT−03B3)MW=234.62g/モル
ブタノール MW=74.12

試薬:
60g:DEG中のNFeCoCONT−03B3溶液(3%CoFew/w)
7.67ミリモル
0.90gのエチル12−(ヒドロキシアミン)−12−オキソドデカノエート
3.29ミリモル
120gのブタノール
【0150】
合成:
ブタノール120g及びエチル12−(ヒドロキシアミン)−12−オキソドデカノエート0.6gが、500mlのフラスコ内に置かれた(数分で完全溶解)。グリコール中のばらついているコバルトフェライトナノ粒子60gがこの溶液に添加され、そして2時間混合された。
【0151】
試料は、水(ブタノール/水グリコールの2相の化成)200gで洗浄され、分液漏斗により水相から分離した。固形製品は、真空下でのブタノールの除去とその後のアセトン中でそれを再分散させることにより得られた。
【0152】
(実施例15)
本発明による、ナノメータなコバルトフェライト、PLGA及びアルブミンを含有する構造体の調製。
【0153】
生成物式:NBR1
試薬: 量 分子量
超純水 1000ml 18 d=1.00g/cm
アセトン 25ml 58.08d=0.79g/cm
PLGA 75/25 0.05g
CoFe38H 0.02g
BSA FractionV 1 g
【0154】
合成:
アセトン中のPLGA溶液(アセトン25ml中に0.05グラム)、及び超純水中のBSA溶液(水1000ml中に1グラムのBSA)は、予め調製されている。アセトン中で懸濁している5%CoFe38H(w/V)0.4mlがPLGA溶液に添加される。
【0155】
2機の蠕動ポンプは、BSA(アセトン/水容量比=1/40)を含んでいる水流にアセトン溶液(PLGAとCoFe38Hを含んでいる)を連続的に添加するために供された。対応する浸漬チューブは、2つの溶液を含んでいる容器から溶液を直接引き込んでいる。
【0156】
2つの溶液が同時に消費されるように、2機の蠕動ポンプのポンプ率は1/40にセットされた。最終混合の生成物は、メスシリンダーに集められる。溶液の混合が10分間生じるように、ポンプ率が設定される。
【0157】
生じる最終溶液は、完全にアセトンを除去するために真空下で処理される。生じる最終溶液は、所望の濃度が得られるまでT<45℃の高真空下又は限外濾過によって濃縮させられる。
【0158】
【表1】

【0159】
(実施例16)
本発明による、ナノメータなコバルトフェライト、パクリタキセル、PLGA及びアルブミンを含有する構造体の調製。
【0160】
生成物式:NBR1F1
試薬: 量 分子量
超純水 956ml 18 d=1.00g/cm
アセトン 104ml 58.08d=0.79g/cm
PLGA 75/25 0.5g
CoFe38H 0.2g
BSA FractionV 1 g
パクリタキセル(Paclitaxel) 10mg 853.91
【0161】
合成:
アセトン中のPLGA溶液(アセトン100ml中に0.5グラム)、及び超純水中のBSA溶液(水800ml中に1グラムのBSA)は、予め調製されている。パクリタキセル10mgとアセトン中で懸濁している5%CoFe38H 4mlがアセトン中のPLGA溶液に添加される。
【0162】
2機の蠕動ポンプは、BSA(アセトン/水容量比=1/8)を含んでいる水流にアセトン溶液(PLGA、CoFe38H及びパクリタキセルを含んでいる)を連続的に添加するために供された。対応する浸漬チューブは、2つの溶液を含んでいる容器から溶液を直接引き込んでいる。2つの溶液が同時に消費されるように、2機の蠕動ポンプのポンプ率は1/8にセットされた。最終混合の生成物は、メスシリンダーに集められる。溶液の混合が10分間生じるように、ポンプ率が設定される。
【0163】
生じる最終溶液は、完全にアセトンを除去するために真空下で処理される。
【0164】
生じる最終溶液は、所望の濃度が得られるまでT<45℃の高真空下又は限外濾過によって濃縮させられる。
【0165】
(実施例17)
本発明による、ナノメータなコバルトフェライト、9−ニトロ−カンプトテシン、PLGA及びアルブミンを含有する構造体の調製。
【0166】
生成物式:NBR1F2
試薬: 量 分子量
超純水 1356ml 18 d=1.00g/cm
アセトン 104ml 58.08d=0.79g/cm
PLGA 75/25 0.5g
CoFe38H 0.2g
BSA FractionV 1 g
NaCl 14.4g 58.44
9−ニトロ−カンプトテシン 25mg
グルタルアルデヒド 1.56mg 100.1
【0167】
合成:
アセトン中のPLGA溶液(アセトン100ml中に0.5グラム)、及び超純水中のBSA溶液(水800ml中に1グラムのBSA)は、予め調製されている。9−ニトロ−カンプトテシン25mgとアセトン中で懸濁している5%CoFe38H(w/V)4mlがアセトン中のPLGA溶液に添加される。
【0168】
2機の蠕動ポンプは、BSA(アセトン/水容量比=1/8)を含んでいる水流にアセトン溶液(PLGA、CoFe38H及び9−ニトロ−カンプトテシンを含んでいる)を連続的に添加するために供された。対応する浸漬チューブは、2つの溶液を含んでいる容器から溶液を直接引き込んでいる。2つの溶液が同時に消費されるように、2機の蠕動ポンプのポンプ率は1/8にセットされた。最終混合の生成物は、NaClを3.6%含有している水400mlが既に入っているメスシリンダーに集められる。溶液の混合が10分間生じるように、ポンプ率が設定される。
【0169】
生じる最終溶液は、完全にアセトンを除去するために真空下で処理される。
【0170】
続いて、グルタルアルデヒド水溶液(濃度はグルタルアルデヒド10mg/l)156mlが添加され、そしてそれは10時間静置された。
【0171】
生じる最終溶液は、所望の濃度が得られるまでT<45℃の高真空下又は限外濾過によって濃縮させられる。
【0172】
(実施例18)
本発明による、ナノメータなコバルトフェライト及びブロック重合体を含有する構造体の調製。
【0173】
生成物式:NBR2
試薬: 量 分子量
超純水 400ml 18 d=1.00g/cm
アセトン 200ml 58.08d=0.79g/cm
CoFe38H 1 g
BSA FractionV 1 g
プルロニック(Pluronics)F−68
5.6g
【0174】
合成:
アセトン中のCoFe38H溶液(アセトン200ml中に1グラム)は、予め調製されている。
【0175】
2機の蠕動ポンプは、プルロニックF−68(アセトン/水容量比=1/2)を含んでいる水流にアセトン溶液(CoFe38Hを含んでいる)を連続的に添加するために供された。対応する浸漬チューブは、2つの溶液を含んでいる容器から溶液を直接引き込んでいる。2つの溶液が同時に消費されるように、2機の蠕動ポンプのポンプ率は1/2にセットされた。溶液の混合が10分間生じるように、ポンプ率が設定される。
【0176】
生じる最終溶液は、完全にアセトンを除去するために真空下で処理される。
【0177】
【表2】

【0178】
DLSが、水溶液及び生理学溶液の中でナノ粒子類の安定性を確証する。
【0179】
未処理画像解析は、STEMの場合には約17−45nmのとてもはっきりした暗い芯を示し、区別は明確であり、そして平均して約5−15nmに等しい(界面活性剤層)。
【0180】
(実施例19)
本発明による、ナノメータなコバルトフェライト、シス−ジアンミン白金(II)ジクロリド、PLGA及びアルブミンを含有する構造体の調製。
【0181】
生成物式:生成物式:NBR1F3
試薬: 量 分子量
超純水 1356ml 18 d=1.00g/cm
アセトン 104ml 58.08d=0.79g/cm
PLGA 75/25 0.5g
CoFe38H 0.2g
BSA FractionV 1 g
NaCl 14.4g 58.44
シス−ジアンミン白金(II)ジクロリド
100mg 300.1
【0182】
合成:
アセトン中にPLGA溶液(アセトン100ml中に0.5グラム);
超純水中にBSA溶液(水800ml中に1グラムのBSA);
超純水中にNaCl溶液(水400ml中に14.4gのNaCI)、
は、予め調製されている。
【0183】
アセトン中で懸濁している5%CoFe38H(w/V)4mlがアセトン中のPLGA溶液に添加される。一方、シス−ジアンミン白金(II)ジクロリド100mgがアルブミン水溶液に溶解される。
【0184】
2機の蠕動ポンプは、BSA(アセトン/水容量比=1/8)及び薬剤を含んでいる水流にアセトン溶液(PLGA及びCoFe38Hを含んでいる)を連続的に添加するために供された。対応する浸漬チューブは、2つの溶液を含んでいる容器から溶液を直接引き込んでいる。
【0185】
2つの溶液が同時に消費されるように、2機の蠕動ポンプのポンプ率は1/8にセットされた。最終混合の生成物は、NaClを3.6%含有している水400mlが既に入っているメスシリンダーに集められる。溶液の混合が10分間生じるように、ポンプ率が設定される。
【0186】
生じる最終溶液は、所望の濃度が得られるまでT<45℃の高真空下又は限外濾過によって濃縮させられる。
【0187】
(実施例20)
本発明による、ナノメータなコバルトフェライト、パクリタキセル及びブロック重合体を含有する構造体の調製。
【0188】
生成物式:NBR2F1
試薬: 量 分子量
水 80ml 18 d=1.00g/cm
アセトン 40 g 58.08d=0.79g/cm
CoFe38H 0.2g
プルロニックF−68 1.12g
パクリタキセル 10mg 853.9
【0189】
合成:
アセトン中のCoFe38H溶液(アセトン40ml中に0.2グラム)は、予め調製されて、またパクリタキセル10mgが混合物中に溶解される。
【0190】
2機の蠕動ポンプは、プルロニックF−68(アセトン/水容量比=1/2)を含んでいる水流にアセトン溶液(CoFe38H及び薬剤を含んでいる)を連続的に添加するために供された。対応する浸漬チューブは、2つの溶液を含んでいる容器から溶液を直接引き込んでいる。2つの溶液が同時に消費されるように、2機の蠕動ポンプのポンプ率は1/2にセットされた。溶液の混合が6分間生じるように、ポンプ率が設定される。
【0191】
生じる最終溶液は、完全にアセトンを除去するために真空下で処理される。
【0192】
【表3】

【0193】
DLSが、水溶液及び生理学溶液の中でナノ粒子類の安定性を確証する。
【0194】
(実施例21)
本発明による、ナノメータなマグネタイト及び式(A)の水溶性ポリアミンアミド重合体(BAC−EDDA)を含有する構造体の調製。
【0195】
生成物式:NBR4
試薬: 量 分子量
水 200ml 18 d=1.00g/cm
ジエチレングリコール 40g 106.1d=1.12g/cm
Fe77 0.2g
BAC−EDDA重合体 1.12g
エチレンジアミンジアセチン酸に基づく水溶性のステルス重合体
【0196】
合成
ジエチレングリコール中にマグネタイト溶液(溶剤40ml中に0.2グラム);
水中にBAC−EDDA重合体溶液(溶剤200m中に1.12グラム)、
は、予め調製されている。
【0197】
2機の蠕動ポンプは、プルロニックF−68(アセトン/水容量比=1/2)を含んでいる水流にアセトン溶液(CoFe38H及び薬剤を含んでいる)を連続的に添加するために供された。対応する浸漬チューブは、2つの溶液を含んでいる容器から溶液を直接引き込んでいる。2つの溶液が同時に消費されるように、2機の蠕動ポンプのポンプ率は1/5にセットされた。溶液の混合が12分間生じるように、ポンプ率が設定される。
【0198】
生じる最終溶液は、殆どの有機溶剤を除去するために超純水で透析され、多くてもジエチレングリコールを0.1%含有する溶液を得た。
【0199】
【表4】

【0200】
DLSが、水溶液及び生理学溶液の中でナノ粒子の安定性を確証する。
【0201】
(実施例22)
本発明による、ナノメータなマグネタイト、水溶性重合体(BAC−EDDA)、シス−ジアンミン白金(II)ジクロリド、PLGA及びアルブミンを含有する構造体の調製。
【0202】
生成物式:NBR4F1
試薬: 量 分子量
水 200ml 18 d=1.00g/cm
ジエチレングリコール 40g 106.1d=1.12g/cm
Fe77 0.2g
BAC−EDDA重合体 1.12g
シス−ジアンミン白金(II)ジクロリド
100mg 300.1
・エチレンジアミンジアセチン酸に基づく水溶性のステルス重合体
【0203】
合成:
ジエチレングリコール中にマグネタイト溶液(溶剤40ml中に0.2グラム);
水中にBAC−EDDA重合体溶液(溶剤200m中に1.12グラム)、
は、予め調製されている。
【0204】
2機の蠕動ポンプは、BAC−EDDA重合体及びシス−ジアンミン白金(II)ジクロリド(アセトン/水容量比=1/5)を含んでいる水流にアセトン溶液(マグネヘタイトを含んでいる)を連続的に添加するために供された。対応する浸漬チューブは、2つの溶液を含んでいる容器から溶液を直接引き込んでいる。2つの溶液が同時に消費されるように、2機の蠕動ポンプのポンプ率は1/5にセットされた。溶液の混合が8分間生じるように、ポンプ率が設定される。
【0205】
生じる最終溶液は、殆どの有機溶剤を除去するために超純水で透析され、多くてもジエチレングリコールを0.1%含有する溶液を得た。
【0206】
【表5】

【0207】
DLSが、水溶液及び生理学溶液の中でナノ粒子の安定性を確証する。
【0208】
(実施例23)
本発明による、ナノメータなコバルトフェライト、PLGA及びブロック重合体を含有する構造体の調製。
【0209】
生成物式:NBR32
試薬: 量 分子量
超純水 800ml 18 d=1.00g/cm
アセトン 20 g 58.08d=0.79g/cm
CoFe38H 0.02g
PLGA 0.05g
プルロニックF−68 0.8 g
【0210】
合成:
アセトン中のPLGA溶液(アセトン20ml中に0.05グラム)、及び超純水中のプルロニックF−68溶液(水800ml中に0.8グラムのプルロニックF−68)は、予め調製されている。アセトン中で懸濁している5%CoFe38H(w/V)0.4mlがPLGA溶液に添加される。
【0211】
2機の蠕動ポンプは、プルロニックF−68(アセトン/水容量比=1/40)を含んでいる水流にアセトン溶液(PLGA及びCoFe38Hを含んでいる)を連続的に添加するために供された。対応する浸漬チューブは、2つの溶液を含んでいる容器から溶液を直接引き込んでいる。
【0212】
2つの溶液が同時に消費されるように、2機の蠕動ポンプのポンプ率は1/40にセットされた。最終混合の生成物は、メスシリンダーに集められる。溶液の混合が10分間生じるように、ポンプ率が設定される。
【0213】
生じる最終溶液は、完全にアセトンを除去するために真空下で処理される。生じる最終溶液は、所望の濃度が得られるまでT<45℃の高真空下又は限外濾過によって濃縮させられる。
【0214】
(実施例24)
本発明による、ナノメータなコバルトフェライト、PLGA及びブロック重合体を含有する構造体の調製。
【0215】
生成物式:NBR5
試薬: 量 分子量
超純水 800ml 18 d=1.00g/cm
エタノール 20 g
CoFe38H 0.02g
コレステロール 0.05g
プルロニックF−68 0.8 g
【0216】
合成:
アセトン中のコレステロール溶液(アセトン20ml中に0.05グラム)、及び超純水中のプルロニックF−68溶液(水800ml中に0.8グラムのプルロニックF−68)は、予め調製されている。アセトン中で懸濁している5%CoFe38H(w/V)0.4mlがPLGA溶液に添加される。
【0217】
2機の蠕動ポンプは、プルロニックF−68(アセトン/水容量比=1/40)を含んでいる水流にアセトン溶液(コレステロール及びCoFe38Hを含んでいる)を連続的に添加するために供された。対応する浸漬チューブは、2つの溶液を含んでいる容器から溶液を直接引き込んでいる。
【0218】
2つの溶液が同時に消費されるように、2機の蠕動ポンプのポンプ率は1/40にセットされた。最終混合の生成物は、メスシリンダーに集められる。溶液の混合が10分間生じるように、ポンプ率が設定される。
【0219】
生じる最終溶液は、完全にアセトンを除去するために真空下で処理される。生じる最終溶液は、所望の濃度が得られるまでT<45℃の高真空下又は限外濾過によって濃縮させられる。
【0220】
完全のために、更に、本発明に有用ないくつかの重合体の調製の例として、上述のような例が下記に記載される。
【0221】
(実施例23)
BAC−EDDSの合成
【0222】
【化11】

【0223】
水酸化リチウム一水化物(112.64mg、2.6576ミリモル)は、50mlの2ッ口フラスコ内に含まれていた(S,S)−エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸三ナトリウム(EDDS)(2ml、2.6576ミリモル)の37.36%溶液(ちょうど使用前に滴定法で決定されたとともに)になるまで攪拌状態で添加された。その後、2,2−ビス−アクリルアミド酢酸(MBA)(530.6mg,2.6576ミルモル)及び水酸化リチウム一水化物(112.64mg、2.6576ミリモル)が添加され、そして反応混合物は18〜20℃で7日間攪拌された。この後に、2−プロパノール(25ml)が添加された。
【0224】
未精製の生成物は遠心分離によって分離され、新たな2−プロパノール(2×15ml)及びエーテル(1×15ml)で抽出され、室温T°及び0.1tor.で一定の重量が最後に乾燥された。収率61.28%。Mw=6900、Mn=5300。
【0225】
(実施例24)
BP−EDDSの合成
【0226】
【化12】

【0227】
水酸化リチウム一水化物(112.64mg、2.6576ミリモル)は、50mlの2ッ口フラスコ内に含まれていたEDDS(2ml、2.6576ミリモル)の37.36%溶液(ちょうど使用前に滴定法で決定されたとともに)になるまで攪拌状態で添加された。その後、1,4−ビスアクリロイルピペラジン(516.19mg,2.6576ミリモル)が添加された。その後、反応混合物は処理され、そして前記実施例に記述されたように最終生成物がきっちりと分離された。収率91.8%。Mw=6500、Mn=4500。
【0228】
【化13】

【0229】
BA−EDDSの合成
水酸化リチウム一水化物(112.64mg、2.6576ミリモル)は、50mlの2ッ口フラスコ内に含まれていたEDDS(2ml、2.6576ミリモル)の37.36%溶液(ちょうど使用前に滴定法で決定されたとともに)になるまで攪拌状態で添加された。その後、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)(516.19mg、2.6576ミリモル)が添加され、そして反応混合物は2日間室温で攪拌された。この後に、水(1.5ml)が懸濁された材料を溶解するために緩やかに暖められた濁った混合物に添加された。
【0230】
その後、反応混合物は処理され、そして前記実施例に記述されたように最終生成物がきっちりと分離された。収率90.1%。Mw=2600、Mn=1900。
【0231】
【表6】

【0232】
【表7】

【0233】
【表8】

【0234】
【表9】

【0235】
【表10】

【0236】
【表11】

【0237】
【表12】

【0238】
【表13】

【0239】
【表14】

【0240】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ナノメータ粒子、二官能化合物で恐らく機能的、薬理学的に活発な分子を恐らく含んでいる重合体、かつ前記重合体が水不溶性の場合に界面活性剤の外部保護層、のものを含む構造体。
【請求項2】
前記薬学的に活発な分子が、存在時に重合体に接続される又はその中に分散している請求項1による構造体。
【請求項3】
前記ナノメータ粒子は、スピネルかつMIIIIIタイプ、式中、MII=Fe、Co、Ni、Zn、Mn;MIII=Fe、Crの酸化物でナノメータ形状である請求項1の構造体。
【請求項4】
前記磁気ナノメータ粒子が、コバルトフェライト、マグネタイト及びマグヘマイトから選ばれる請求項3による構造体。
【請求項5】
前記二官能化合物は、チオール類、カルボン酸類、ヒドロキサム酸類、リン酸類、エルテル類及び末端位置(指定のω)で別の官能基を運ぶ脂肪族鎖を有するそれの塩類からから選ばれる請求項1による構造体。
【請求項6】
前記二官能基は下記一般式の化合物である請求項5による構造体:
−(CH−R
式中:
nは2〜20の範囲の整数;
は次のものから選ばれる:CONHOH、CONHOR、PO(OH)、PO(OH)(OR)、COOH、COOR、SH、SR;
は外側の基で、次のものから選ばれる:OH、NH、COOH、COOR;
Rは炭素数1〜6のアルキル基及びK、NaあるいはLiから選ばれるアルキル基又はアルカリ金属である。
【請求項7】
二官能基がエチル−12−(ヒドロキシアミン)−12−オキソドデカノエートである請求項6による構造体。
【請求項8】
前記重合体は、水溶性の重合体類又は界面活性剤によって安定した水不溶性の重合体類である請求項1〜7による構造体。
【請求項9】
前記重合体は、高分子電解質類、ポリペプチド類及び水溶性のタンパク質類であり;好ましくはブロック共重合体から選ばれた水溶性重合体、改質ポリエチレングルコース、改質多糖類、リン脂質、ポリアミンアミド、球状タンパク質である請求項8による構造体。
【請求項10】
前記重合体は、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリ酸無水物類、ポリオルトエステル類、ペプチド類、ポリアミンアミド類;又は例えばコレステロールのような不溶性有機分子であり;好ましくはポリエステル類とコレステロールである請求項8による構造体。
【請求項11】
前記界面活性剤は下記の:高分子電解質類、ポリペプチド類及び水溶性タンパク質類;ブロック共重合体、改質ポリエチレングルコース、改質多糖類、リン脂質類、ポリアミンアミド類、球状タンパク質類から選ばれ;好ましくは人間の血清蛋白質及びプルロニックブロック共重合体である請求項1による構造体。
【請求項12】
前記重合体は、下記のものから選ばれる請求項11による構造体。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

式中、nは3〜300であり、好ましくは10〜100である。
【請求項13】
前記薬理学的に活発な分子は、抗腫瘍剤、抗菌性剤、抗炎症性剤、免疫調整剤、中枢神経系に作用する分子、あるいは診断検出の通常手段(例えば蛍光染色液)を備えたそれらの識別を可能にするために細胞に印を付けることができるのもの、から選ばれる請求項1〜12による構造体。
【請求項14】
式 MIIIIIで、式中、MII=Fe、Co、Ni、Zn、Mn;MIII=Fe、Crの適切に機能的なナノメータ形状である化合物。
【請求項15】
コバルトフェライト、マグネタイト及びマグヘマイトから選ばれる請求項1による化合物。
【請求項16】
前記ナノ粒子類は4〜200nm、好ましくは10〜70nmの範囲のサイズを有する請求項14〜16による化合物。
【請求項17】
所望の金属塩が既知の容量のアルコールに添加され、その溶液は塩類の完全溶解化へ混合される間は加熱され、塩類の加水分解を促進するために適切な量の水を恐らく添加し、150℃以上の温度で数時間加熱され、その後静置冷却され、よって生じた懸濁液を集め、そしてそのように得られた粒子類は機能的である請求項14〜16によるナノ粒子類の調製プロセス。
【請求項18】
冷却後、全ての開始材料が既に反応したものに同一量が再度添加され、反応は記述の方法によって再度行われ、そのサイクルが所望のサイズの粒子が得られるまで可変数回繰り返される請求項17によるナノ粒子類の調製プロセス。
【請求項19】
180℃での加熱保持時間の期間の終わりで、全ての開始材料が既に反応した生成物に同一量の生成物が添加され、温度は再び180℃に持っていかれ、それは3時間維持され、その後そのサイクルは所望のサイズを有する生成物が得られるまで可変回数繰り返される請求項17によるナノ粒子類の調製プロセス。
【請求項20】
前記時間の期間において、生成物は180℃の温度で維持され、所望のサイズの粒子が得られるまで可変数延長される請求項17によるナノ粒子類の調製プロセス。
【請求項21】
電子レンジの使用により加熱される請求項17によるナノ粒子類の調製プロセス。
【請求項22】
請求項17〜19によるナノ粒子類の調製プロセスにより得られたマグネタイトナノ粒子類が酢酸環境内で酸化し、そしてその後機能化したマグヘマイトナノ粒子類の調製プロセス。
【請求項23】
前記機能化は、チオール類、カルボン酸類、ヒドロキサム酸類、リン酸類、又は末端位置でOH、NH、COOH、COOR(式中、Rはアルキル基又はアルカリ金属であり、好ましくはK、NaあるいはLiである)から選ばれる別の官能基を運ぶ脂肪族鎖を有するそれの塩類から選ばれる二官能誘導体からなる請求項14〜16による化合物。
【請求項24】
本発明によって前記二官能基が下記一般式の化合物である請求項23による化合物:
−(CH)n−R
式中:
nは2〜20の範囲の整数;
は次の基から選ばれ:OH、NH、COOH、COOR;
は次のものから選ばれ:;CONHOH、CONHOR、PO(OH)、PO(OH)(OR)、COOH、COOR、SH、SR
式中、Rはアルキル基又はアルカリ金属であり、好ましくはK、NaあるいはLiである。
【請求項25】
有機溶媒中にばらついたナノ粒子が、数時間還元温度で混合する間に好ましい結合剤で反応させ、その後、生成物は、抽出又は沈殿され、遠心機内で回転し分離され、そして適切な溶剤中で恐らく再分散される請求項24による化合物の調製プロセス。
【請求項26】
機能的になったナノ粒子類及び薬理学的に活発な分子は、水不溶性の重合体マトリックスに組み入れられ、この構造体が適切な界面活性剤で連続的かつ1工程でコーティングされている請求項1〜13による構造体の調製プロセス。
【請求項27】
少なくとも10%量が水中で混和する有機溶媒は、磁性粒子類と恐らく薬剤とを溶解する「キャリヤー」とし使用される請求項26による構造体の調製プロセス。
【請求項28】
前記溶剤は、アセトン、ジエチレングリコール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エチルメチルケトン、ジメチルカーボネート、メタノール、エタノール、プロパノールからなる群から選ばれる請求項27による構造体の調製プロセス。
【請求項29】
50〜300nmの範囲に平均直径を有する請求項1〜13による構造体。
【請求項30】
30〜100nmの範囲に平均直径を有する請求項29による構造体。
【請求項31】
ナノメータ粒子がコバルトフェライトである請求項29〜30による構造体。
【請求項32】
コバルトフェライト、PLGA及びブロック重合体から成るような構造体である請求項1〜13による構造体。
【請求項33】
機能的になったコバルトフェライトナノ粒子類を温熱療法の治療での使用。
【請求項34】
前記コバルトフェライト粒子が請求項17〜21による調製プロセスにより生産される請求項32の使用。
【請求項35】
温熱療法の治療に有用な製薬組成の調製のための請求項1〜13による構造体の使用。
【請求項36】
前記構造体は水溶性である請求項35による使用。

【図1】
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【公表番号】特表2010−514181(P2010−514181A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542034(P2009−542034)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/064143
【国際公開番号】WO2008/074804
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(507185118)コロロッビア イタリア ソシエタ ペル アチオニ (7)
【Fターム(参考)】