説明

測位システム、端末装置、端末装置の制御プログラム

【課題】端末が測位結果取得形態を選択することができる測位システム等を提供すること。
【解決手段】端末装置60は、端末装置60自身が端末装置60の位置の測位計算を行う内部測位手段と、測位装置20に対して端末装置60の位置の測位計算を要求する外部測位要求手段と、端末装置60と情報提供装置20及び測位装置20の通信を仲介する仲介装置50との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報を生成する電界強度情報生成手段と、電界強度が電界強度許容範囲内か否かを判断する電界強度許容範囲内外判断手段と、電界強度許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、情報提供装置20に対して、端末装置60自身が端末装置60の位置の測位計算を行うための内部測位型支援情報、又は、端末装置60が測位装置20による測位計算に必要な測位装置用測位基礎情報を生成するための外部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求手段等を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報衛星からの衛星信号に基づく測位に関する測位システム、端末装置、端末装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。
そして、GPS受信機が、外部装置から位置測位のための支援情報を取得する方式(以後、アシスト方式と呼ぶ)が広く利用されている(例えば、特許文献1)。
上述のアシスト方式には複数の種類があり、これに対応して受信端末であるGPS受信機の測位結果取得形態も例えば、GPS受信機自身が現在位置の測位を実施する形態(以後、端末測位型と呼ぶ)と、GPS受信機は外部装置が実施した測位結果を取得する形態(以後、サーバ測位型と呼ぶ)がある。
上述のサーバ測位型には、GPS受信機の消費電力が少なくてよい等のメリットがある。
【特許文献1】特開2002−228738号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、GPS受信機が端末測位型としてもサーバ測位型としても駆動可能な構成となっている場合において、外部装置との通信の電界強度が弱い場合にサーバ測位型で駆動すると、GPS受信機はGPS衛星から信号を受信して測位の基礎となる測位基礎情報を生成しても、その測位基礎情報を外部装置に送信できず、外部装置から測位結果を取得することができない場合があるという問題がある。
また、GPS受信機の電池残量が少ない場合にGPS受信機がサーバ測位型で駆動すると、サーバ測位型は端末測位型より外部装置との通信量が多く電力消費量が多いため、電池が早く枯渇してしまう場合があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、端末が測位結果取得形態を選択することができる測位システム、端末装置、端末装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置と、前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置と、前記端末装置の位置の測位計算を行う測位装置と、前記端末装置と前記情報提供装置及び前記測位装置との通信を仲介する仲介装置と、を有する測位システムであって、前記複数の種類の前記支援情報は、前記端末装置が前記位置関連信号を受信して、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行うための内部測位型支援情報と、前記端末装置が前記位置関連信号を受信して、前記端末装置が前記測位装置による測位計算に必要な測位装置用測位基礎情報を生成するための外部測位型支援情報を含み、前記端末装置は、前記位置関連信号に基づいて前記端末装置の位置の測位計算を行う内部測位手段と、前記位置関連信号に基づいて生成した前記測位装置用測位基礎情報を、前記測位装置に送信することによって前記測位装置に対して前記端末装置の位置の測位計算を要求する外部測位要求手段と、前記仲介装置との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報を生成する電界強度情報生成手段と、前記電界強度が電界強度許容範囲内か否かを判断する電界強度許容範囲内外判断手段と、前記電界強度許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求手段と、前記情報提供装置から前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を受信する支援情報受信手段と、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信手段と、を有することを特徴とする測位システムにより達成される。
【0006】
前記端末装置は、前記情報提供装置から前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を受信して、前記位置関連信号を受信するアシスト方式のシステムで測位結果を取得する装置である。前記端末装置が、このアシスト方式のうち、サーバ測位型で駆動する場合には、前記外部測位型支援情報に基づいて前記位置関連信号を受信し、その前記位置関連信号に基づいて生成した前記測位基礎情報を前記測位装置に送信する必要がある。一方、前記端末装置が、端末測位型で駆動する場合には、前記内部測位型支援情報に基づいて前記位置関連信号を受信し、前記位置関連信号に基づいて前記端末装置自身が前記端末の位置の測位計算を行うから、前記測位装置と通信する必要がない。すなわち、サーバ測位型が前記測位装置との通信が必要なのに対して、端末測位型は前記測位装置との通信が不要である。
【0007】
例えば、前記仲介装置との通信の通信電波の電界強度が弱い場合には、前記端末装置の位置が前記仲介装置の通信カバー範囲の端部であって、次の瞬間に前記仲介装置の通信カバー範囲を出てしまうことがある。前記端末装置は、前記情報提供装置から前記外部測位型支援情報を受信しても、前記仲介装置の通信カバー範囲を出てしまうと、前記測位基礎情報を前記測位装置に送信することができず、測位結果を取得することができない。
【0008】
この点、第1の発明の構成によれば、前記端末装置は、前記電界強度情報生成手段によって前記仲介装置との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報を生成することができ、前記電界強度許容範囲内外判断手段によって前記電界強度が電界強度許容範囲内か否かを判断することができる。そして、前記端末装置は、前記支援情報選択要求手段によって前記電界強度許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を要求することができる。
このため、前記端末装置は例えば、前記仲介装置との前記通信電波の電界強度が弱く、前記電界強度許容範囲外であれば、前記情報提供装置に対して前記内部測位型支援情報を
要求し、内部測位型の装置として駆動することができる。
これにより、前記電界強度に基づいて、前記端末装置が測位結果取得形態を選択することができる。
【0009】
前記目的は、第2の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置であって、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行う内部測位手段と、前記端末装置の位置の測位計算を行う測位装置に対して前記端末装置の位置の測位計算を要求する外部測位要求手段と、前記端末装置と、前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置及び前記測位装置との通信を仲介する仲介装置との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報を生成する電界強度情報生成手段と、前記電界強度が電界強度許容範囲内か否かを判断する電界強度許容範囲内外判断手段と、前記電界強度許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行うための内部測位型支援情報、又は、前記端末装置が前記測位装置による測位計算に必要な測位装置用測位基礎情報を生成するための外部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求手段と、前記情報提供装置から前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を受信する支援情報受信手段と、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信手段と、を有することを特徴とする端末装置によって達成される。
【0010】
第2の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、前記電界強度に基づいて、前記端末装置が測位結果取得形態を選択することができる。
【0011】
前記目的は、第3の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置であって、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行う内部測位手段と、前記端末装置の位置の測位計算を行う測位装置に対して前記端末装置の位置の測位計算を要求する外部測位要求手段と、前記端末装置の電池残量を示す電池残量情報を生成する電池残量情報生成手段と、前記電池残量が電池残量許容範囲内か否かを判断する電池残量許容範囲内外判断手段と、前記電池残量許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置に対して、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行うための内部測位型支援情報、又は、前記端末装置が前記測位装置による測位計算に必要な測位装置用測位基礎情報を生成するための外部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求手段と、前記情報提供装置から前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を受信する支援情報受信手段と、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信手段と、を有することを特徴とする端末装置によって達成される。
【0012】
上述のように、サーバ測位型が前記測位装置との通信が必要なのに対して、端末測位型は前記測位装置との通信が不要である。すなわち、端末測位型は、通信のための電力消費を低減することができる。したがって、前記端末装置の前記電池残量が少ない場合には、前記端末測位型で駆動する方が電池の早期枯渇を防止することができる。
【0013】
この点、第3の発明の構成によれば、前記端末装置は、前記電池残量情報生成手段によって前記端末装置の電池残量を示す電池残量情報を生成することができ、前記電池残量許容範囲内外判断手段によって前記電池残量が電池残量許容範囲内か否かを判断することができる。そして、前記端末装置は、前記支援情報選択要求手段によって前記電池残量許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を要求することができる。
このため、前記端末装置は、前記電池残量が少なく、前記電池残量許容範囲外であれば、前記情報提供装置に対して前記内部測位型支援情報を要求し、通信に必要な電力消費を低減することができる端末測位型として駆動することができる。
これにより、前記電池残量に基づいて、前記端末装置が測位結果取得形態を選択することができる。
【0014】
第4の発明は、第2の発明の構成において、前記端末装置の電池残量を示す電池残量情報を生成する電池残量情報生成手段と、前記電池残量が電池残量許容範囲内か否かを判断する電池残量許容範囲内外判断手段と、を有し、前記支援情報選択要求手段は、前記電界強度許容範囲内外判断手段の判断結果及び前記電池残量許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を要求する構成となっていることを特徴とする。
【0015】
例えば、前記仲介装置との通信の通信電波の電界強度が十分に強く、サーバ測位型で駆動し得る場合であっても、前記端末装置の電池残量が少ない場合には、前記端末装置は、通信による電力消費を低減できる端末測位型として駆動することが、電池の早期枯渇を防止する点で有効である。
【0016】
この点、第4の発明の構成によれば、前記端末装置は、前記電界強度情報生成手段及び前記電界強度許容範囲内外判断手段のみならず、前記電池残量情報生成手段及び前記電池残量許容範囲内外判断手段も有する。
このため、前記端末装置は例えば、前記電界強度が前記電界強度許容範囲内であっても、前記電池残量が前記電池残量許容範囲外であれば、前記情報提供装置に対して、前記内部測位型支援情報を要求することにより、端末測位型として駆動することができる。
これにより、前記電界強度及び前記電池残量の双方に基づいて、端末が測位結果取得形態を選択することができる。
【0017】
前記目的は、第5の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位結果を取得する端末装置が、前記端末装置と、前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の位置の測位計算を行う測位装置との通信を仲介する仲介装置との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報を生成する電界強度情報生成ステップと、前記端末装置が、前記電界強度が電界強度許容範囲内か否かを判断する電界強度許容範囲内外判断ステップと、前記端末装置が、前記電界強度許容範囲内外判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行うための内部測位型支援情報、又は、前記端末装置が前記測位装置による測位計算に必要な測位装置用測位基礎情報を生成するための外部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求ステップと、前記端末装置が、前記情報提供装置から前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を受信する支援情報受信ステップと、前記端末装置が、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【0018】
第5の発明の構成によれば、第2の発明の構成と同様に、前記電界強度に基づいて、前記端末装置が測位結果取得形態を選択することができる。
【0019】
前記目的は、第6の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位結果を取得する端末装置が、前記端末装置の電池残量を示す電池残量情報を生成する電池残量情報生成ステップと、前記端末装置が、前記電池残量が電池残量許容範囲内か否かを判断する電池残量許容範囲内外判断ステップと、前記端末装置が、前記電池残量許容範囲内外判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置に対して、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行うための内部測位型支援情報、又は、前記端末装置が前記端末装置の測位計算を行う測位装置による測位計算に必要な測位装置用測位基礎情報を生成するための外部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求ステップと、前記端末装置が、前記情報提供装置から前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を受信する支援情報受信ステップと、前記端末装置が、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【0020】
第6の発明の構成によれば、第3の発明の構成と同様に、前記電池残量に基づいて、前記端末装置が測位結果取得形態を選択することができる。
【0021】
前記目的は、第7の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位結果を取得する端末装置が、前記端末装置と、前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の位置の測位計算を行う測位装置との通信を仲介する仲介装置との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報を生成する電界強度情報生成ステップと、前記端末装置が、前記電界強度が電界強度許容範囲内か否かを判断する電界強度許容範囲内外判断ステップと、前記端末装置が、前記端末装置の電池残量を示す電池残量情報を生成する電池残量情報生成ステップと、前記端末装置が、前記電池残量が電池残量許容範囲内か否かを判断する電池残量許容範囲内外判断ステップと、前記端末装置が、前記電界強度が前記電界強度許容範囲外であると判断し、及び/又は、前記電池残量が前記電池残量許容範囲外であると判断した場合に、前記内部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求ステップと、前記端末装置が、前記内部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【0022】
第7の発明の構成によれば、第4の発明の構成と同様に、前記電界強度及び前記電池残量の双方に基づいて、前記端末装置が測位結果取得形態を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態の測位システム10等を示す概略図である。
図1に示すように、測位システム10は、位置情報衛星である例えば、GPS衛星12
a,12b,12c及び12dからの位置関連信号である例えば、信号S1、S2,S3及びS4に基づく測位結果を取得する端末装置である例えば、端末60を有する。
測位システム10はまた、端末60に対して複数の種類の支援情報である例えば、後述の複数の種類のアシストデータを提供し、また、端末60から取得した後述の測位基礎情報に基づいて端末60の位置の測位計算を行うサーバ20を有する。このサーバ20は、情報提供装置の一例であり、また、測位装置の一例でもある。
測位システム10はまた、インターネット網40、無線ネットワークコントローラ45及び、通信基地局である基地局50を有する。無線ネットワークコントローラ45は、インターネット網40と複数の基地局50の間の無線ネットワークを制御する装置である。端末60はサーバ20とインターネット網40等を介して通信可能な構成になっている。上述の基地局50は、仲介装置の一例である。
端末60は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance等であるが、これらに限らない。
【0025】
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等は、4個に限らず、3個あるいは5個以上でもよい。
また、本実施の形態とは異なり、サーバ20は端末60に対して上述のアシストデータを提供するだけの構成とし、端末60の位置の測位計算を行うための測位サーバを別に設けてもよい。
【0026】
(サーバ20の主なハードウエア構成について)
図2はサーバ20の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図2に示すように、サーバ20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26、外部記憶装置28等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。外部記憶装置28は例えば、HD(Hard Disk)である。
【0027】
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置30が接続されている。
また、このバス22には、GPS衛星12a等から信号S1等を受信するためのサーバGPS装置32が接続されている。
また、このバス22には、端末60等と、通信するためのサーバ通信装置34が接続されている。
また、このバス22には、各種情報を表示するためのサーバ表示装置36及び、電源38が接続されている。
【0028】
(端末60のハードウエア構成について)
図3は端末60の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図3に示すように、端末60の主なハードウエア構成は、上述のサーバ20の主なハードウエア構成(図2参照)とほぼ同様である。
但し、バス62には、外部記憶装置が接続されていない。
また、バス62には、一定の電力を格納するバッテリ76が接続されている。
【0029】
(サーバ20の主なソフトウエア構成について)
図4は、サーバ20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように、サーバ20は、各部を制御するサーバ制御部100、図2のサーバ通信装置34に対応するサーバ通信部102、図2のサーバGPS装置32に対応するサ−バGPS部104を有する。
【0030】
また、図4に示すように、サーバ20は、各種プログラムを格納するサーバ第1記憶部110、各種情報を格納するサーバ第2記憶部150を有する。
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部110に、アシストデータ生成プログラム112を格納している。アシストデータ生成プログラム112は、サーバ制御部100が、B型アシストデータ156又はA型アシストデータ158を生成するための情報である。
【0031】
具体的には、サーバ制御部100はアシストデータ生成プログラム112によって、サ−バ第2記憶部150に格納している衛星情報152及び端末概位置情報154に基づいて、B型アシストデータ156又はA型アシストデータ158を生成する。衛星情報152は、各GPS衛星12a等(図1参照)の軌道情報を含む情報であり例えば、サーバGPS部104によってGPS衛星12a等から受信した信号S1等に基づいて生成する。端末概位置情報154は、端末60の概略位置を示す情報であり例えば、端末60が接続している基地局50(図1参照)の緯度、経度及び高度を示す情報である。サーバ20は端末概位置情報154を例えば、インターネット網40を介して無線ネットワークコントローラ45(図1参照)から取得する。
【0032】
図5は、B型アシストデータ156等の一例を示す図である。
図5(a)に示すように、B型アシストデータ156は、端末概位置情報154に示される端末60の概略位置から観測可能なGPS衛星12a等(図1参照)の識別符号である観測可能GPS衛星ID、各GPS衛星12a等が信号S1等を発信するときの衛星発信周波数、各GPS衛星12a等と端末60の相対移動による周波数変化を示すドップラー周波数、端末60の概略位置からの各GPS衛星12a等の仰角、各GPS衛星12a等の衛星軌道を示す情報を含む。
このB型アシストデータ156を使用して、端末60は信号S1等を受信して、端末60自身が端末60の位置の測位計算を行う。すなわち、B型アシストデータ156は、内部測位型支援情報の一例である。
【0033】
一方、図5(b)に示すように、A型アシストデータ158は、B型アシストデータ156と異なり、各GPS衛星12a等の衛星軌道を示す情報を含まない。
このA型アシストデータ156を使用して、端末60は信号S1等を受信して、サーバ20による測位計算に必要な測位基礎情報を生成する。すなわち、A型アシストデータ158は、外部測位型支援情報の一例である。
【0034】
サーバ制御部100は、生成したB型アシストデータ156又はA型アシストデータ
158をサーバ第2記憶部150に格納する。
【0035】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部110に、アシストデータ送信プログラム114を格納している。アシストデータ送信プログラム114は、サーバ制御部100が、B型アシストデータ156又はA型アシストデータ158を、端末60に送信するための情報である。
具体的には、サーバ制御部100はアシストデータ送信プログラム114に基づいて、B型アシストデータ156又はA型アシストデータ158を端末60へ送信する。
【0036】
図4に示すように、サーバ20は、サーバ第1記憶部110に、サーバ測位位置情報生成プログラム116を格納している。サーバ測位位置情報生成プログラム116は、サーバ制御部100が、端末60から取得した測位基礎情報160に基づいて、端末60の位置の測位計算を行い、端末60の位置を示すサーバ測位位置情報162を生成するための情報である。
サーバ制御部100は、生成したサーバ測位位置情報162をサーバ第2記憶部150に格納するとともに、測位位置情報送信プログラム118に基づいて、端末60へ送信する。
【0037】
(端末60のソフトウエア構成について)
図6は、端末60の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図6に示すように、端末60は、各部を制御する端末制御部200、図3の端末通信装置72に対応する端末通信部202、図3の端末GPS装置72に対応する端末GPS部204を有する。
【0038】
また、図6に示すように、端末60は、各種プログラムを格納する端末第1記憶部210、各種情報を予め格納する端末第2記憶部250、端末60が取得又は生成した情報を格納する端末第3記憶部270を有する。
【0039】
図6に示すように、端末60は、端末第1記憶部210に、電界強度情報生成プログラム212を格納している。電界強度情報生成プログラム212は、端末制御部200が、基地局50との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報272を生成するための情報である。すなわち、電界強度情報生成プログラム212と端末制御部200は、電界強度情報生成手段の一例である。
端末制御部200は、生成した電界強度情報272を端末第3記憶部270に格納する。
【0040】
図6に示すように、端末60は、端末第1記憶部210に、電界強度評価プログラム214を格納している。電界強度評価プログラム214は、端末制御部200が、電界強度情報272に示される電界強度が、電界強度閾値情報252に示される電界強度閾値以上か否かを判断するための情報である。電界強度閾値以上の電界強度が、電界強度許容範囲内の電界強度の一例である。すなわち、電界強度評価プログラム214と端末制御部200は、電界強度許容範囲内外判断手段の一例である。
【0041】
具体的には、端末制御部200は電界強度評価プログラム214に基づいて、電界強度情報272に示される電界強度が電界強度閾値情報252に示される電界強度閾値である例えば、10デシベルメータ(dBm)以上か否かを判断する。
【0042】
図6に示すように、端末60は、端末第1記憶部210に、動作モード設定プログラム216を格納している。動作モード設定プログラム216は、端末制御部200が電界強度評価プログラム214に基づく判断結果に基づいて、端末60の動作モードを動作モード情報254に示されるベーストモード254a(以後、Bモード254aと呼ぶ)又はアシステッドモード254b(以後、Aモード254bと呼ぶ)のいずれかに設定するための情報である。
具体的には、端末制御部200は、電界強度情報272に示される電界強度が10デシベルメータ(dBm)未満であれば、Bモード254aに設定する。これに対して、電界強度情報272に示される電界強度が10デシベルメータ(dBm)以上であれば、Aモード254bに設定する。
Bモード254aは、サーバ20からB型アシストデータ156(図5参照)を受信して、端末60自身が端末60の位置の測位計算を行う動作モードである。
これに対して、Aモード254bは、サーバ20からA型アシストデータ158(図5参照)を受信して、後述の測位基礎情報280を生成し、サーバ20に対してその測位基礎情報280に基づく測位計算を要求する動作モードである。
【0043】
図6に示すように、端末60は、端末第1記憶部210に、アシストデータ要求プログラム218を格納している。アシストデータ要求プログラム218は、端末制御部200が、端末制御部200が電界強度評価プログラム214に基づく判断結果に基づいて動作モード設定プログラム216が設定した各動作モードにおいて、サーバ20に対して、B型アシストデータ156(図4参照)又はA型アシストデータ158(図4参照)を要求するための情報である。すなわち、アシストデータ要求プログラム218と端末制御部200は、支援情報選択要求手段の一例である。
具体的には、端末制御部200はアシストデータ要求プログラム218に基づいて、Bモード254aにおいては、サーバ20に対してB型アシストデータ156(図5(a)参照)を要求し、端末通信部202によって取得したB型アシストデータ156をB型アシストデータ274として端末第3記憶部270に格納する。
一方、端末制御部200はアシストデータ要求プログラム218に基づいて、Aモード254bにおいては、サーバ20に対してA型アシストデータ156(図5(b)参照)を要求し、端末通信部202によって取得したA型アシストデータ158をA型アシストデータ276として端末第3記憶部270に格納する。
上述の端末通信部202は、支援情報受信手段の一例である。
【0044】
そして、端末制御部200は端末GPS部204によって、B型アシストデータ274又はA型アシストデータ276に基づいて、信号S1等を受信する。すなわち、端末制御部200と端末GPS部204は、信号受信手段の一例である。
【0045】
図6に示すように、端末60は、端末第1記憶部210に、端末測位位置情報生成プログラム220を格納している。端末測位位置情報生成プログラム220は、端末制御部200が、信号S1等(図1参照)に基づいて、端末60の位置の測位計算を行って端末測位位置情報278を生成するための情報である。すなわち、端末測位位置情報生成プログラム220と端末制御部200は、内部測位手段の一例である。
端末制御部200は、生成した端末測位位置情報278を端末第3記憶部270に格納する。
端末測位位置情報278は例えば、端末60の位置を、緯度、経度及び高度で示す情報である。
【0046】
図6に示すように、端末60は、端末第1記憶部210に、サーバ測位要求プログラム222を格納している。サーバ測位要求プログラム222は、端末制御部200が、信号S1等に基いて生成した測位基礎情報278を、サーバ20に送信することによってサーバ20に対して端末60の位置の測位計算を要求するための情報である。すなわち、サーバ測位要求プログラム222と端末制御部200は、外部測位要求手段の一例である。
【0047】
図6に示すように、サーバ測位要求プログラム222は、測位基礎情報生成プログラム222aを含む。測位基礎情報生成プログラム222aは、端末制御部200が、信号S1等に基いて、測位基礎情報280を生成するための情報である。この測位基礎情報280は、測位装置用測位基礎情報の一例である。
測位基礎情報280は例えば、端末60と各GPS衛星12a等との距離に関する情報、信号S1等を受信した周波数、信号S1等を受信した時刻等を示す情報であり、サーバ20による測位計算の基礎となる情報である。この測位基礎情報280に含まれる情報量は、緯度、経度及び高度を示す情報である端末測位位置情報278よりも多い。
【0048】
図6に示すように、サーバ測位要求プログラム222は、測位基礎情報送信プログラム222bを含む。測位基礎情報送信プログラム222bは、端末制御部200が、サーバ20に対して測位基礎情報280を送信するための情報である。
【0049】
上述のように、サーバ制御部200は、測位基礎情報生成プログラム222a及び測位基礎情報送信プログラム222bを含むサーバ測位要求プログラム222によって、サーバ20に対して端末60の位置の測位計算を要求することができる。
【0050】
以上で説明したように、端末60は、基地局50との通信の通信電波の電界強度によって、動作モードを選択できる構成となっている。例えば、基地局50との通信の通信電波の電界強度が弱い場合には、端末50の位置が基地局50の通信カバー範囲の端部であって、次の瞬間に基地局50の通信カバー範囲を出てしまうことがある。端末50は、サーバ20からA型アシストデータ158(276)を受信しても、基地局50の通信カバー範囲を出てしまうと、測位基礎情報280(図6参照)をサーバ20に送信することができず、サーバ測位位置情報162(282)を取得することができない。
【0051】
この点、端末60は、基地局50との通信の通信電波の電界強度によって、動作モードを選択できる構成となっているから例えば、サーバ20との通信の通信電波の電界強度が弱く、電界強度閾値(図6参照)未満であれば、サーバ20に対してB型アシストデータ156(274)を要求し、内部測位型の装置として駆動することができる。
すなわち、基地局50との通信の通信電波の電界強度によって、端末50が測位結果取得形態を選択することができる。
【0052】
(測位システム10の動作例について)
以上が本実施の形態に係る測位システム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図7を使用して説明する。
なお、端末60と基地局50(図1参照)との間の通信電波の電界強度が、電界強度閾値(図6参照)未満であるという前提で、以下説明する。
【0053】
図7は本実施の形態に係る測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
まず、端末60は、基地局50との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報272(図6参照)を生成する(ステップST1)。このステップST1は、電界強度情報生成ステップの一例である。
【0054】
続いて、端末60は、基地局50との通信の通信電波の電界強度が、電界強度閾値情報252(図6参照)に示される電界強度閾値以上であるか否かを判断する(ステップST2)。このステップST2は、電界強度許容範囲内外判断ステップの一例である。
【0055】
上述のように、端末60と基地局50(図1参照)との間の通信電波の電界強度は、電界強度閾値(図6参照)未満であるから、端末60は電界強度が、電界強度閾値以上でははないと判断し、ベーストモード(Bモード)に設定する(ステップST3)。
【0056】
続いて、端末60は、サーバ20に対して、B型アシストデータ156(図5(a)参照)を要求する(ステップST4)。このステップST4は、電界強度支援情報選択要求ステップの一例である。
続いて、端末60は、サーバ20から、B型アシストデータ156を受信する(ステップST5)。このステップST5は、支援情報受信ステップの一例である。
端末60は受信したB型アシストデータ156をB型アシストデータ274として端末第3記憶部270に格納する。
【0057】
続いて、端末60は、B型アシストデータ274に基づいて、GPS衛星12a等から信号S1等を受信する(ステップST6)。このステップST6は、信号受信ステップの一例である。
【0058】
続いて、端末60は、信号S1等に基いて端末60の位置の測位計算を行い、端末測位位置情報278(図6参照)を生成する(ステップST7)。
【0059】
以上で説明した前提条件と異なり、基地局50との通信の通信電波の電界強度が、電界強度閾値情報252(図6参照)に示される電界強度閾値以上である場合には、ステップST2において、端末60は、基地局50との通信の通信電波の電界強度が、電界強度閾値情報252(図6参照)に示される電界強度閾値以上であると判断し、アシステッドモード(Aモード)に設定する(ステップST23)。
【0060】
続いて、端末60は、サーバ20に対して、A型アシストデータ158(図5(b)参照)を要求する(ステップST24)。このステップST24は、電界強度支援情報選択要求ステップの一例である。
続いて、端末60は、サーバ20から、A型アシストデータ158を受信する(ステップST25)。このステップST25は、支援情報受信ステップの一例である。
端末60は受信したA型アシストデータ158をA型アシストデータ276として端末第3記憶部270に格納する。
【0061】
続いて、端末60は、A型アシストデータ276に基づいて、GPS衛星12a等から信号S1等を受信する(ステップST26)。このステップST26は、信号受信ステップの一例である。
【0062】
続いて、端末60は、受信した信号S1等に基づいて測位基礎情報280(図6参照)を生成する(ステップST27)。
続いて、端末60は、サーバ20に対して、測位基礎情報280を送信する(ステップST28)。
【0063】
続いて、端末60は、サーバ20からサーバ測位位置情報162(図4参照)を受信する(ステップST29)。端末60は、受信したサーバ測位位置情報162をサーバ測位位置情報282として端末第3記憶部270に格納する。
【0064】
以上で説明したように、端末60は、基地局50との通信の通信電波の電界強度に応じて、動作モードを設定し、測位結果取得形態を選択することができる。
【0065】
(第2の実施の形態について)
次に、第2の実施の形態について、図8等を使用して、説明する。
第2の実施の形態の測位システム10A(図1参照)の構成は、第1の実施の形態の測位システム10と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0066】
図8は、第2の実施形態の測位システム10Aに使用される端末60Aの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図8に示すように、端末60Aは、端末第1記憶部210に、電池残量情報生成プログラム224を格納している。電池残量情報生成プログラム224は、端末制御部200が、バッテリ76(図3参照)の電池残量を示す電池残量情報284を生成するための情報である。すなわち、電池残量情報生成プログラム224と端末制御部200は、電池残量情報生成手段の一例である。
端末制御部200は例えば、バッテリ76の電圧を測定することによって生成した電池残量情報284を端末第3記憶部270に格納する。
【0067】
図8に示すように、端末60Aは、端末第1記憶部210に、電池残量評価プログラム226を格納している。電池残量評価プログラム226は、端末制御部200が、電池残量情報284に示される電池残量が電池残量閾値情報256に示される電池残量閾値以上であるか否かを判断するための情報である。この電池残量閾値以上の電池残量が、電池残量許容範囲内の電池残量の一例である。そして、電池残量評価プログラム226と端末制御部200が、電池残量許容範囲内外判断手段の一例である。
電池残量閾値情報256に示される電池残量閾値は例えば、満充電の電池量の20パーセント(%)である。
【0068】
端末60Aの動作モード設定プログラム216Aは、端末制御部200が、電界強度評価プログラム214による判断結果及び電池残量評価プログラム226による判断結果に基づいて、動作モードをBモード254a又はAモード254bに設定する構成になっている。
例えば、端末制御部200は、基地局50との通信の通信電波の電界強度が電界強度閾値未満であるか、または、バッテリ76の電池残量が電池残量閾値未満であるときに、Bモード254aに設定する。
これに対して、端末制御部200は、基地局50との通信の通信電波の電界強度が電界強度閾値以上であって、かつ、バッテリ76の電池残量が電池残量閾値以上であるときに、Aモード254bに設定する。
【0069】
そして、端末60Aのアシストデータ要求プログラム218Aは、端末制御部200が電界強度評価プログラム214による判断結果及び電池残量評価プログラム226による判断結果に基づいて設定した各動作モードにおいて、サーバ20に対して、B型アシストデータ156(図5(a)参照)又はA型アシストデータ158を要求する構成になっている。
【0070】
以上で説明したように、端末60Aは、基地局50との通信の通信電波の電界強度とバッテリ76の電池残量に応じて、動作モードを設定することができる。例えば、基地局50との通信の通信電波の電界強度が十分に強く、Aモード254bで駆動し得る場合であっても、端末60Aの電池残量が少ない場合には、端末60Aは、通信による電力消費を低減できるBモード254aで駆動することが、バッテリ76の電池の早期枯渇を防止する点で有効である。すなわち、上述のように、Aモード254bにおいては、測位基礎情報280をサーバ20に送信する必要があるのに対して、Bモード254aにおいては、端末60Aはサーバ20に対して測位基礎情報280を送信する必要がない。すなわち、Bモード254aにおいては、通信のための電力消費を低減することができる。したがって、端末60Aの電池残量が少ない場合には、Bモード254aで駆動する方がバッテリ76の電池の早期枯渇を防止することができる。
【0071】
この点、端末60Aは、基地局50との通信の通信電波の電界強度とバッテリ76の電池残量に応じて、動作モードを設定することができるから、端末60Aは例えば、基地局50との通信の通信電波の電界強度が電界強度閾値以上であっても、バッテリ76の電池残量が電池残量閾値未満であれば、動作モードをBモード254aに設定することができる。
【0072】
なお、本実施の形態とは異なり、端末制御部200が、電池残量評価プログラム226による判断結果のみに基づいて、動作モードをBモード254a又はAモード254bに設定する構成としてもよい。
また、本実施の形態とは異なり、端末60AはBモード254aにおいて生成した端末測位位置情報278をサーバ20へ送信する構成としてもよい。これにより、端末60Aの使用者以外の第3者に対して、端末60Aの位置を示す情報を提供することができる。上述のように、端末測位位置情報278の情報量は、測位基礎情報280よりも少ないから、測位位置情報278を送信することによる電力消費量は、Aモード254bで測位基礎情報280を送信する場合よりも小さい。
【0073】
(測位システム10Aの動作例について)
以上が本実施の形態に係る測位システム10Aの構成であるが、以下、その動作例を主に図9を使用して説明する。
【0074】
図9は、測位システム10Aの動作例を示す概略フローチャートである。
まず、端末60Aは、バッテリ76の電池残量を示す電池残量情報284(図8参照)を生成する(ステップST101)。このステップST101は、電池残量情報生成ステップの一例である。
【0075】
続いて、端末60Aは、バッテリ76の電池残量が電池残量閾値以上か否かを判断する(ステップST102)。このステップST102は、電池残量許容範囲内外判断ステップの一例である。
端末60Aは、バッテリ76の電池残量が電池残量閾値以上ではないと判断した場合には、Bモード254aに設定する(ステップST3)。
これに対して、ステップST102において、バッテリ76の電池残量が電池残量閾値以上であると判断した場合には、基地局50との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報272(図8参照)を生成する(ステップST103)。
【0076】
続いて、端末60Aは、基地局50との通信の通信電波の電界強度が電界強度閾値以上であるか否かを判断する(ステップST104)。
端末60Aは、基地局50との通信の通信電波の電界強度が度が電界強度閾値以上ではないと判断した場合には、Bモード254aに設定する(ステップST3)。
【0077】
これに対して、ステップST104において、基地局50との通信の通信電波の電界強度が電界強度閾値以上であると判断した場合には、Aモード254bに設定する。
以上で説明したように、端末60Aは、基地局50との通信の通信電波の電界強度及びバッテリ76の電池残量の双方に応じて、動作モードを設定し、測位結果取得形態を選択することができる。
【0078】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の電界強度情報生成ステップと、電界強度許容範囲内外判断ステップと、電池残量情報生成ステップと、電池残量許容範囲内外判断ステップと、支援情報選択要求ステップと、信号受信ステップ等を実行させるための端末装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような端末装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0079】
これら端末装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0080】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態の測位システムを示す概略図である。
【図2】サーバの主なハードウエア構成等を示す概略図である。
【図3】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図4】サーバの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図5】B型アシストデータ等の一例を示す図である。
【図6】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図7】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図8】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図9】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
10,10A・・・測位システム、12a,12b,12c,12d・・・GPS衛星、20・・・サーバ、40・・・インターネット網、45・・・無線ネットワークコントローラ、50・・・・基地局、60,60A・・・端末、212・・・電界強度情報生成プログラム、214・・・電界強度評価プログラム、216・・・動作モード設定プログラム、218・・・アシストデータ要求プログラム、220・・・端末測位位置情報生成プログラム、222・・・サーバ測位要求プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置と、
前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置と、
前記端末装置の位置の測位計算を行う測位装置と、
前記端末装置と前記情報提供装置及び前記測位装置との通信を仲介する仲介装置と、
を有する測位システムであって、
前記複数の種類の前記支援情報は、
前記端末装置が前記位置関連信号を受信して、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行うための内部測位型支援情報と、
前記端末装置が前記位置関連信号を受信して、前記端末装置が前記測位装置による測位計算に必要な測位装置用測位基礎情報を生成するための外部測位型支援情報を含み、
前記端末装置は、
前記位置関連信号に基づいて前記端末装置の位置の測位計算を行う内部測位手段と、
前記位置関連信号に基づいて生成した前記測位装置用測位基礎情報を、前記測位装置に送信することによって前記測位装置に対して前記端末装置の位置の測位計算を要求する外部測位要求手段と、
前記仲介装置との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報を生成する電界強度情報生成手段と、
前記電界強度が電界強度許容範囲内か否かを判断する電界強度許容範囲内外判断手段と、
前記電界強度許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求手段と、
前記情報提供装置から前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を受信する支援情報受信手段と、
前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信手段と、
を有することを特徴とする測位システム。
【請求項2】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置であって、
前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行う内部測位手段と、
前記端末装置の位置の測位計算を行う測位装置に対して前記端末装置の位置の測位計算を要求する外部測位要求手段と、
前記端末装置と、前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置及び前記測位装置との通信を仲介する仲介装置との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報を生成する電界強度情報生成手段と、
前記電界強度が電界強度許容範囲内か否かを判断する電界強度許容範囲内外判断手段と、
前記電界強度許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行うための内部測位型支援情報、又は、前記端末装置が前記測位装置による測位計算に必要な測位装置用測位基礎情報を生成するための外部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求手段と、
前記情報提供装置から前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を受信する支援情報受信手段と、
前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項3】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位結果を取得する端末装置であって、
前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行う内部測位手段と、
前記端末装置の位置の測位計算を行う測位装置に対して前記端末装置の位置の測位計算を要求する外部測位要求手段と、
前記端末装置の電池残量を示す電池残量情報を生成する電池残量情報生成手段と、
前記電池残量が電池残量許容範囲内か否かを判断する電池残量許容範囲内外判断手段と、
前記電池残量許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置に対して、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行うための内部測位型支援情報、又は、前記端末装置が前記測位装置による測位計算に必要な測位装置用測位基礎情報を生成するための外部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求手段と、
前記情報提供装置から前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を受信する支援情報受信手段と、
前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項4】
前記端末装置の電池残量を示す電池残量情報を生成する電池残量情報生成手段と、
前記電池残量が電池残量許容範囲内か否かを判断する電池残量許容範囲内外判断手段と、を有し、
前記支援情報選択要求手段は、前記電界強度許容範囲内外判断手段の判断結果及び前記電池残量許容範囲内外判断手段の判断結果に基づいて、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を要求する構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項5】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位結果を取得する端末装置が、前記端末装置と、前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の位置の測位計算を行う測位装置との通信を仲介する仲介装置との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報を生成する電界強度情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記電界強度が電界強度許容範囲内か否かを判断する電界強度許容範囲内外判断ステップと、
前記端末装置が、前記電界強度許容範囲内外判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行うための内部測位型支援情報、又は、前記端末装置が前記測位装置による測位計算に必要な測位装置用測位基礎情報を生成するための外部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求ステップと、
前記端末装置が、前記情報提供装置から前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を受信する支援情報受信ステップと、
前記端末装置が、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位結果を取得する端末装置が、前記端末装置の電池残量を示す電池残量情報を生成する電池残量情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記電池残量が電池残量許容範囲内か否かを判断する電池残量許容範囲内外判断ステップと、
前記端末装置が、前記電池残量許容範囲内外判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置に対して、前記端末装置自身が前記端末装置の位置の測位計算を行うための内部測位型支援情報、又は、前記端末装置が前記端末装置の測位計算を行う測位装置による測位計算に必要な測位装置用測位基礎情報を生成するための外部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求ステップと、
前記端末装置が、前記情報提供装置から前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報を受信する支援情報受信ステップと、
前記端末装置が、前記内部測位型支援情報又は前記外部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
【請求項7】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基く測位結果を取得する端末装置が、前記端末装置と、前記端末装置に対して複数の種類の支援情報を提供する情報提供装置及び前記端末装置の位置の測位計算を行う測位装置との通信を仲介する仲介装置との通信の通信電波の電界強度を示す電界強度情報を生成する電界強度情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記電界強度が電界強度許容範囲内か否かを判断する電界強度許容範囲内外判断ステップと、
前記端末装置が、前記端末装置の電池残量を示す電池残量情報を生成する電池残量情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記電池残量が電池残量許容範囲内か否かを判断する電池残量許容範囲内外判断ステップと、
前記端末装置が、前記電界強度が前記電界強度許容範囲外であると判断し、及び/又は、前記電池残量が前記電池残量許容範囲外であると判断した場合に、前記内部測位型支援情報を要求する支援情報選択要求ステップと、
前記端末装置が、前記内部測位型支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する信号受信ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−78442(P2006−78442A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265523(P2004−265523)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】