測定装置、測定方法、プログラム、および情報処理装置
【課題】被測定者に意識させることなく心電波形信号を測定する。
【解決手段】本開示の測定装置は、ディスプレイの表面に設けられた複数の透明電極と、前記ディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部とを備える。この測定装置は、例えば、心電波形信号に基づいて被測定者の個人認証処理を行う場合に適用できる。
【解決手段】本開示の測定装置は、ディスプレイの表面に設けられた複数の透明電極と、前記ディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部とを備える。この測定装置は、例えば、心電波形信号に基づいて被測定者の個人認証処理を行う場合に適用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、測定装置、測定方法、プログラム、および情報処理装置に関し、特に、ディスプレイの表面に設けた透明電極を用いて被測定者の心電図信号を測定するようにした測定装置、測定方法、プログラム、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康診断などの医療用途で心電図(以下、心電波形信号と称する)の測定が行われている。心電波形信号は周期的な心臓の動きを表し、その1周期分の波形パターン(以下、心臓鼓動パターンと称する)が各個人で異なる特徴を示すことが知られている。
【0003】
そして、この心臓鼓動パターンを個人認証に利用する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−518709
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、心電波形信号を利用した個人認証を行うに際しては、被認証者(被測定者)に対して個人認証の実行を秘匿するような場合も考えられる。この場合、心電波形信号を測定するための電極であることを被認証者に意識させることなく、被認証者を当該電極に触れさせる仕組みが必要となる。
【0006】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、被測定者に意識させることなく心電波形信号を測定できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の側面である測定装置は、ディスプレイの表面に設けられた複数の透明電極と、前記ディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部とを備える。
【0008】
前記心電波形信号測定部は、さらに、決定された測定用電極対を用いて心電波形信号を測定することができる。
【0009】
本開示の第1の側面である測定装置は、測定された前記心電波形信号に基づいて、前記被測定者の認証処理を行う認証処理部をさらに備えることができる。
【0010】
前記決定手段は、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号のSN比に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定することができる。
【0011】
前記決定手段は、各電極対候補を介して所定のパターン信号を通信したときの通信結果に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定することができる。
【0012】
本開示の第1の側面である測定装置は、決定された測定用電極対を用いて前記被測定者の生体インピーダンスを測定する生体インピーダンス測定部をさらに備えることができる。
【0013】
前記生体インピーダンス測定部は、さらに、選択された各電極対候補を用いて前記被測定者の生体インピーダンスを測定し、前記決定手段は、各電極対候補を用いて測定された前記生体インピーダンスに基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定することができる。
【0014】
本開示の第1の側面である測定方法は、被測定者の心電波形信号を測定する測定装置の測定方法において、測定装置による、表面に複数の透明電極が設けられたディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得ステップと、前記被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定ステップと、設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する測定ステップと、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定ステップとを含む。
【0015】
本開示の第1の側面であるプログラムは、コンピュータを、表面に複数の透明電極が設けられたディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部として機能させる。
【0016】
本開示の第1の側面においては、表面に複数の透明電極が設けられたディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号が取得され、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補が設定され、設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号が測定され、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対が決定される。
【0017】
本開示の第2の側面である情報処理装置は、ディスプレイの表面に設けられた複数の透明電極と、前記ディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、設定された各電極対候補または決定される測定用電極対を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部と、前記測定用電極対を用いて測定された前記心電波形信号に基づいて所定の処理を行う信号処理部とを備える。
【0018】
本開示の第2の側面においては、ディスプレイの表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号が取得され、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、複数の透明電極の中から電極対候補が設定され、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対が決定され、前記測定用電極対を用いて測定された前記心電波形信号に基づいて所定の処理が行われる。
【発明の効果】
【0019】
本開示の第1の側面によれば、被測定者に意識させることなく心電波形信号を測定できる。
【0020】
本開示の第2の側面によれば、被測定者の心電波形信号に基づく所定の処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】透明電極が設けられたディスプレイの側面図である。
【図2】測定装置による画面表示の一例を示す図である。
【図3】透明電極ガラス基板の透明電極を示す上面図である。
【図4】透明電極ガラス基板の絶縁膜を示す上面図である。
【図5】透明電極ガラス基板の断面図である。
【図6】ディスプレイの断面図である。
【図7】本開示の実施の形態である測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】被測定者が一人の場合の測定処理を説明するフローチャートである。
【図9】複数の人物が同時にディスプレイの表面に触れることが想定される場合の測定処理を説明するフローチャートである。
【図10】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
<1.実施の形態>
[本開示の概要]
初めに、実施の形態である測定装置の表示デバイスであり、入力デバイスとしての機能も有するディスプレイについて説明する。図1は、ディスプレイの側面を示している。同図に示されるように、ディスプレイ10には、その表面に透明電極ガラス基板20が設けられている。透明電極ガラス基板20は、可視光および近赤外光を透過し、被測定者が視認しにくいようになされている。
【0024】
図1は、測定装置による画面表示の一例を示している。被測定者に対する案内として、例えば同図に示されるように、ディスプレイ10の画面に「両手を画面にふれてください」と表示することにより、被測定者にその存在を意識させることなく、透明電極ガラス基板20に左右の掌を触れさせることができる。なお、心電波形信号を測定するためには掌の代わりに腕、肘などがでもよい。また、被測定者に対する案内は音声を用いるようにしてもよい。
【0025】
実施の形態である測定装置は、透明電極ガラス基板20に触れた被測定者の心電波形信号を測定し、測定した心電波形信号を用いて被測定者の個人認証を行う。さらに、測定装置は、被測定者の生体インピーダンスも測定し、測定結果に基づいて被測定者の体組成を提示することができる。
【0026】
[透明電極ガラス基板の構成例]
図3および図4は透明電極ガラス基板20の上面図を示している。図3に示されるように、透明電極ガラス基板20には、一辺が20mmの正方形の透明電極22が100μmの間隔で配列されている。なお、透明電極22の形状、サイズ、および間隔についてはこれに限定されるものではない。透明電極22は、後述する測定装置50のスイッチ52(図7)に接続される。各透明電極22の間には、図4に示されるように、絶縁膜24が設けられている。
【0027】
図5は、透明電極ガラス基板20の断面図を示している。同図に示されるように、透明電極ガラス基板20は、ガラス基板21の上にITOの透明電極22および配線23、並びにSiO2の絶縁膜24がパターニングにより生膜されている。
【0028】
ITO膜厚による透明電極22と配線23は多重干渉を生じるが、透明電極22および配線23のITO膜厚を例えば150nm、絶縁膜24のSiO2膜厚を例えば180nmとすることにより、透明電極22および配線23と絶縁膜24との可視光域における反射率が極小(4%)、透過率が極大(96%)となり、かつ、両者の反射率と透過率をそれぞれ略同等にすることができる。したがって、被測定者から透明電極22、配線23、および絶縁膜24を視認しにくくすることができる。
【0029】
なお、透明電極22および配線23には、ITOの他、ZnO,Ga2O3,GaN,AlNなどの可視光領域よりバンドギャップの大きな半導体や、これらに不純物添加した材料、光が透過するのに十分薄い金属薄膜Mg,Al,Ti,Fe,Cr,Ni,Cu,Znなどの遷移金属、Au,Ag,Pt,Pdなどの貴金属、放射性同位元素以外のランタノイド、これらの合金や金属間化合物の薄膜、グラフェンやカーボンナノチューブなどπ共役電子による電導を有する材料の薄膜、高分子有機導電材料、低分子有機導電材料などを用いてもよい。
【0030】
透明電極22および配線23にグラフェンを用いた場合には多重干渉が生じないので、絶縁膜24のSiO2膜厚は任意となり、絶縁が保持される最低限度まで薄くすることができる。
【0031】
[ディスプレイの構成例]
図6は、ディスプレイ10の断面図である。このディスプレイ10は、実施の形態である測定装置から供給される表示信号に対応する画面を表示する。また、ディスプレイ10は、その内部に撮像部40を有する。撮像部40は、ディスプレイ30の表面を内側から撮像し、その結果得られる、ディスプレイ10の表面に触れる被測定者の掌などの形状を示す撮像信号を測定装置に出力する。
【0032】
ディスプレイ10は、その内側から順に、バックライト31、偏光フィルタ32−1、ガラス基板33−1、透明電極34−1、配向膜35−1、液晶36、配向膜35−2、透明電極34−2、カラーフィルタ37、ガラス基板33−2、および偏光フィルタ32−2が積層されて構成される。さらに、ガラス基板33−1と33−2の内側には、近赤外光を用いて撮像を行う撮像部40が設けられている。
【0033】
すなわち、ディスプレイ10は、一般的な液晶ディスプレイの構成に撮像部40を内蔵したものである。ただし、バックライト31については、実物体の底面に照射して、その反射光を撮像部40にて受光するための近赤外光(800乃至900nm)も、画面表示のための可視光とともに発光するものとする。
【0034】
撮像部40は、近赤外光のみを透過させるIRフィルタ41、および近赤外光を受光して撮像信号に変換する受光部42から構成される。受光部42は、例えば、活性層で発生するフォトカレントを利用する方式、または光吸収により発生する電荷の蓄積を利用する方式を利用することができる。なお、近赤外光の強度が強すぎて受光部42が飽和する場合、配向膜35−1,35−2にて近赤外光の強度を調整し、受光部42に入力される近赤外光の光量を減少させることができる。撮像部40は、表示される1画素毎、または表示される所定数の画素毎に2次元的に周期的に複数配置されるので、全ての撮像部40から出力される撮像信号は、ディスプレイ10の表面に触れている被測定者の掌などを示すものとなる。
【0035】
なお、ディスプレイ10は、必ずしも図6に示されるような液晶ディスプレイである必要はなく、撮像部40を内蔵していれば、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイであってもよい。
【0036】
[測定装置の構成例]
図7は、本開示の実施の形態である測定装置の構成例を示している。この測定装置50は、制御部51、スイッチ52、心電波形信号測定部53、個人認証部54、生体インピーダンス(生体Z)測定部55、および体組成情報変換部56から構成される。
【0037】
制御部51は、表示信号生成部61、撮像信号取得部62、電極対候補設定部63、測定用電極対決定部64、およびスイッチ振分け部65を有する。
【0038】
表示信号生成部61は、ディスプレイ10の画面表示に対応する表示信号を生成してディスプレイ10に出力する。撮像信号取得部62は、ディスプレイ10に内蔵された撮像部40から撮像信号を取得する。電極対候補設定部63は、取得された撮像信号に基づいて被測定者の左右の掌の位置を特定し、被測定者が左の掌で触れている面積が大きいと推定される1以上の透明電極22と、右の掌で触れている面積が大きいと推定される1以上の透明電極22との組み合わせ(以下、電極対候補と称する)を設定する。測定用電極対決定部64は、設定された電極対候補の中から測定用電極対を決定する。
【0039】
スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたものを後段(心電波形信号測定部53、生体インピーダンス測定部55、または接地)に振り分け、その他のものは解放とする。また、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、測定用電極対に決定されたものを後段に振り分け、その他のものは解放とする。
【0040】
スイッチ52は、スイッチ振分け部65からの制御に従い、接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたもの、または測定用電極対に決定されたものを後段に接続する。
【0041】
心電波形信号測定部53は、スイッチ52を介して接続された透明電極22から被測定者の心電波形信号を取得して制御部51および個人認証部54に出力する。個人認証部54は、測定された心電波形信号から特徴量を抽出し、予め登録されている登録者の心電波形信号の特徴量と比較することにより被測定者の個人認証を行う。この認証結果は制御部51の表示信号生成部61に供給されてディスプレイ10に表示される。生体インピーダンス測定部55は、スイッチ52を介して接続された透明電極22を用いて被測定者の抵抗値(生体インピーダンス)を測定し、制御部51および体組成情報変換部56に出力する。なお、生体インピーダンスを測定する際には、左右それぞれの掌に少なくとも2以上の透明電極が接している必要がある。
【0042】
体組成情報変換部56は、測定された生体インピーダンスを、予め保持している対応テーブルまたは関数などを用いて体組成情報(例えば、体脂肪率、筋肉量、骨量など)に変換する。この体組成情報は、制御部51の表示信号生成部61に供給されてディスプレイ10に表示される。
【0043】
[動作説明]
図8は、被測定者が一人である場合、すなわち、ディスプレイ10の表面に同時に複数の人物が触り得ないような使用状況に対応する場合の測定処理を説明するフローチャートである。
【0044】
この測定処理の前提として、既に一人の被測定者がディスプレイ10の表面に両手を触れているものとする。
【0045】
ステップS1において、制御部51の撮像信号取得部62は、ディスプレイ10の撮像部40から撮像信号を取得して、電極対候補設定部63に出力する。電極対候補設定部63は、撮像信号に基づいて被測定者の左右の掌の位置を特定し、被測定者が左の掌で触れている面積が大きいと推定される1以上の透明電極22と、右の掌で触れている面積が大きいと推定される1以上の透明電極22を選択する。
【0046】
ステップS2において、電極対候補設定部63は、被測定者が左の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22と、右の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22との組み合わせからなる複数の電極対候補を設定する。
【0047】
ステップS3において、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたものを順次、心電波形信号測定部53に振り分ける。心電波形信号測定部53は、各電極対候補にそれぞれ対応付けて心電波形信号を測定し、測定結果を制御部51に出力する。
【0048】
ステップS4において、制御部51の測定用電極対決定部64は、各電極対候補それぞれから測定された心電波形信号のうち、SN比が最も高いものを特定し、対応する電極対候補を測定用電極対に決定する。
【0049】
ステップS5において、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、測定用電極対に設定されたものを心電波形信号測定部53に振り分ける。心電波形信号測定部53は、スイッチ52を介して接続されている測定用電極対から得られる心電波形信号を測定し、個人認証部54に出力する。
【0050】
ステップS6において、個人認証部54は、測定された心電波形信号から特徴量を抽出し、予め登録されている登録者の心電波形信号の特徴量と比較することにより被測定者の個人認証を行う。この認証結果は制御部51の表示信号生成部61に供給されてディスプレイ10に表示される。
【0051】
ステップS7において、生体インピーダンス測定部55は、スイッチ52を介して接続されている測定用電極対を用いて被測定者の生体インピーダンスを測定し、体組成情報変換部56に出力する。ステップS8において、体組成情報変換部56は、測定された生体インピーダンスを体組成情報に変換する。この体組成情報は、制御部51の表示信号生成部に供給されてディスプレイ10に表示される。以上で、被測定者が一人である場合の測定処理の説明を終了する。
【0052】
以上説明した測定処理によれば、被測定者にその存在を意識させることなく、透明電極に触れさせて心電波信号を取得することができ、それに基づいて被測定者の個人認証を行うことができる。また、複数の透明電極22の中から最適なものを選択して測定用電極対に決定するので、高い精度で心電波形信号および生体インピーダンスを測定することができる。
【0053】
図9は、複数の人物が同時にディスプレイ10の表面に触れることが想定される場合の測定処理を説明するフローチャートである。
【0054】
この測定処理の前提として、被測定者を含む複数の人物がディスプレイ10の表面に両手を触れているものとする。
【0055】
ステップS11において、制御部51の撮像信号取得部62は、ディスプレイ10の撮像部40から撮像信号を取得して、電極対候補設定部63に出力する。電極対候補設定部63は、撮像信号に基づき、ディスプレイ10の表面に触れている掌のサイズおよび向きを検出し、その検出結果に基づいて同一人物の左の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22と、右の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22を選択する。さらに、電極対候補設定部63は、同一人物の左の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22と、右の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22との組み合わせからなる複数の電極対候補を設定する。
【0056】
ステップS12において、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたものを順次、生体インピーダンス測定部55に振り分ける。生体インピーダンス測定部55は、各電極対候補にそれぞれ対応付けて生体インピーダンスを測定し、測定結果を制御部51に出力する。制御部51の測定用電極対決定部63は、各電極対候補から測定された生体インピーダンスのうち、人体から測定し得る値を外れているものを検出し、それを検出した電極対候補を測定用電極対の候補から除外する。
【0057】
ステップS13において、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたものを順次、心電波形信号測定部53に振り分ける。心電波形信号測定部53は、各電極対候補にそれぞれ対応付けて心電波形信号を測定し、測定結果を制御部51に出力する。制御部51の測定用電極対決定部63は、各電極対候補から測定された心電波形信号のうち、同一人体から測定し得る波形から外れているものを検出し、それを検出した電極対候補を測定用電極対の候補から除外する。
【0058】
ステップS14において、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたものを順次、生体インピーダンス測定部55に振り分ける。生体インピーダンス測定部55は、各電極対候補の一方から所定のパターン信号(例えば、11001010)をASK変調信号として送信し、他方でそれを受信し、その通信結果を制御部51に出力する。制御部51の測定用電極対決定部63は、各電極対候補の通信結果のうち、正しいパターン信号を受信できていないものを検出し、それを検出した電極対候補を測定用電極対の候補から除外する。
【0059】
ステップS15において、制御部51の測定用電極対決定部63は、ステップS12乃至S14の処理で除外されずに残っている電極対候補を測定用電極対に決定する。なお、複数の電極対候補が残っている場合には、ステップS13の処理で測定された心電波形信号のSN比が最も高いものを測定用電極対に決定する。
【0060】
この段階で、ディスプレイ10の表面に触れている複数の人物のうちの一人を被測定者に指定できたことになる。以降のステップS16乃至S19の処理については、上述した図8のステップS6乃至S8の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0061】
ディスプレイ10の表面に触れている全ての人物について心電波形信号などを測定し、個人認証を行うには、現段階で被測定者に対応する測定用電極対とされた透明電極22を使用せずに、再度ステップS11以降の処理を繰り返せばよい。以上で、複数の人物が同時にディスプレイ10の表面に触れていることが想定される場合の測定処理の説明を終了する。
【0062】
以上説明した測定処理によれば、被測定者にその存在を意識させることなく、透明電極に触れさせて心電波信号を取得することができ、それに基づいて被測定者の個人認証を行うことができる。また、複数の透明電極22の中から最適なものを選択して測定用電極対に決定するので、高い精度で心電波形信号および生体インピーダンスを測定することができる。
【0063】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0064】
図10は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0065】
このコンピュータ100において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0066】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
【0067】
以上のように構成されるコンピュータ100では、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105およびバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0068】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0069】
また、プログラムは、1台のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0070】
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 ディスプレイ, 20 透明電極ガラス基板, 21 ガラス基板, 22 透明電極, 24 絶縁膜, 40 撮像部, 41 IRフィルタ, 42 受光部, 50 測定装置, 51 制御部, 52 スイッチ, 53 心電波形信号測定部, 54 個人認証部, 55 生体インピーダンス測定部, 56 体組成情報変換部, 57 , 61 表示信号生成部, 62 撮像信号取得部, 63 電極対候補設定部, 64 測定用電極対決定部, 65 スイッチ振分け部
【技術分野】
【0001】
本開示は、測定装置、測定方法、プログラム、および情報処理装置に関し、特に、ディスプレイの表面に設けた透明電極を用いて被測定者の心電図信号を測定するようにした測定装置、測定方法、プログラム、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康診断などの医療用途で心電図(以下、心電波形信号と称する)の測定が行われている。心電波形信号は周期的な心臓の動きを表し、その1周期分の波形パターン(以下、心臓鼓動パターンと称する)が各個人で異なる特徴を示すことが知られている。
【0003】
そして、この心臓鼓動パターンを個人認証に利用する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−518709
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、心電波形信号を利用した個人認証を行うに際しては、被認証者(被測定者)に対して個人認証の実行を秘匿するような場合も考えられる。この場合、心電波形信号を測定するための電極であることを被認証者に意識させることなく、被認証者を当該電極に触れさせる仕組みが必要となる。
【0006】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、被測定者に意識させることなく心電波形信号を測定できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の側面である測定装置は、ディスプレイの表面に設けられた複数の透明電極と、前記ディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部とを備える。
【0008】
前記心電波形信号測定部は、さらに、決定された測定用電極対を用いて心電波形信号を測定することができる。
【0009】
本開示の第1の側面である測定装置は、測定された前記心電波形信号に基づいて、前記被測定者の認証処理を行う認証処理部をさらに備えることができる。
【0010】
前記決定手段は、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号のSN比に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定することができる。
【0011】
前記決定手段は、各電極対候補を介して所定のパターン信号を通信したときの通信結果に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定することができる。
【0012】
本開示の第1の側面である測定装置は、決定された測定用電極対を用いて前記被測定者の生体インピーダンスを測定する生体インピーダンス測定部をさらに備えることができる。
【0013】
前記生体インピーダンス測定部は、さらに、選択された各電極対候補を用いて前記被測定者の生体インピーダンスを測定し、前記決定手段は、各電極対候補を用いて測定された前記生体インピーダンスに基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定することができる。
【0014】
本開示の第1の側面である測定方法は、被測定者の心電波形信号を測定する測定装置の測定方法において、測定装置による、表面に複数の透明電極が設けられたディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得ステップと、前記被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定ステップと、設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する測定ステップと、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定ステップとを含む。
【0015】
本開示の第1の側面であるプログラムは、コンピュータを、表面に複数の透明電極が設けられたディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部として機能させる。
【0016】
本開示の第1の側面においては、表面に複数の透明電極が設けられたディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号が取得され、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補が設定され、設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号が測定され、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対が決定される。
【0017】
本開示の第2の側面である情報処理装置は、ディスプレイの表面に設けられた複数の透明電極と、前記ディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、設定された各電極対候補または決定される測定用電極対を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部と、前記測定用電極対を用いて測定された前記心電波形信号に基づいて所定の処理を行う信号処理部とを備える。
【0018】
本開示の第2の側面においては、ディスプレイの表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号が取得され、被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、複数の透明電極の中から電極対候補が設定され、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対が決定され、前記測定用電極対を用いて測定された前記心電波形信号に基づいて所定の処理が行われる。
【発明の効果】
【0019】
本開示の第1の側面によれば、被測定者に意識させることなく心電波形信号を測定できる。
【0020】
本開示の第2の側面によれば、被測定者の心電波形信号に基づく所定の処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】透明電極が設けられたディスプレイの側面図である。
【図2】測定装置による画面表示の一例を示す図である。
【図3】透明電極ガラス基板の透明電極を示す上面図である。
【図4】透明電極ガラス基板の絶縁膜を示す上面図である。
【図5】透明電極ガラス基板の断面図である。
【図6】ディスプレイの断面図である。
【図7】本開示の実施の形態である測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】被測定者が一人の場合の測定処理を説明するフローチャートである。
【図9】複数の人物が同時にディスプレイの表面に触れることが想定される場合の測定処理を説明するフローチャートである。
【図10】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
<1.実施の形態>
[本開示の概要]
初めに、実施の形態である測定装置の表示デバイスであり、入力デバイスとしての機能も有するディスプレイについて説明する。図1は、ディスプレイの側面を示している。同図に示されるように、ディスプレイ10には、その表面に透明電極ガラス基板20が設けられている。透明電極ガラス基板20は、可視光および近赤外光を透過し、被測定者が視認しにくいようになされている。
【0024】
図1は、測定装置による画面表示の一例を示している。被測定者に対する案内として、例えば同図に示されるように、ディスプレイ10の画面に「両手を画面にふれてください」と表示することにより、被測定者にその存在を意識させることなく、透明電極ガラス基板20に左右の掌を触れさせることができる。なお、心電波形信号を測定するためには掌の代わりに腕、肘などがでもよい。また、被測定者に対する案内は音声を用いるようにしてもよい。
【0025】
実施の形態である測定装置は、透明電極ガラス基板20に触れた被測定者の心電波形信号を測定し、測定した心電波形信号を用いて被測定者の個人認証を行う。さらに、測定装置は、被測定者の生体インピーダンスも測定し、測定結果に基づいて被測定者の体組成を提示することができる。
【0026】
[透明電極ガラス基板の構成例]
図3および図4は透明電極ガラス基板20の上面図を示している。図3に示されるように、透明電極ガラス基板20には、一辺が20mmの正方形の透明電極22が100μmの間隔で配列されている。なお、透明電極22の形状、サイズ、および間隔についてはこれに限定されるものではない。透明電極22は、後述する測定装置50のスイッチ52(図7)に接続される。各透明電極22の間には、図4に示されるように、絶縁膜24が設けられている。
【0027】
図5は、透明電極ガラス基板20の断面図を示している。同図に示されるように、透明電極ガラス基板20は、ガラス基板21の上にITOの透明電極22および配線23、並びにSiO2の絶縁膜24がパターニングにより生膜されている。
【0028】
ITO膜厚による透明電極22と配線23は多重干渉を生じるが、透明電極22および配線23のITO膜厚を例えば150nm、絶縁膜24のSiO2膜厚を例えば180nmとすることにより、透明電極22および配線23と絶縁膜24との可視光域における反射率が極小(4%)、透過率が極大(96%)となり、かつ、両者の反射率と透過率をそれぞれ略同等にすることができる。したがって、被測定者から透明電極22、配線23、および絶縁膜24を視認しにくくすることができる。
【0029】
なお、透明電極22および配線23には、ITOの他、ZnO,Ga2O3,GaN,AlNなどの可視光領域よりバンドギャップの大きな半導体や、これらに不純物添加した材料、光が透過するのに十分薄い金属薄膜Mg,Al,Ti,Fe,Cr,Ni,Cu,Znなどの遷移金属、Au,Ag,Pt,Pdなどの貴金属、放射性同位元素以外のランタノイド、これらの合金や金属間化合物の薄膜、グラフェンやカーボンナノチューブなどπ共役電子による電導を有する材料の薄膜、高分子有機導電材料、低分子有機導電材料などを用いてもよい。
【0030】
透明電極22および配線23にグラフェンを用いた場合には多重干渉が生じないので、絶縁膜24のSiO2膜厚は任意となり、絶縁が保持される最低限度まで薄くすることができる。
【0031】
[ディスプレイの構成例]
図6は、ディスプレイ10の断面図である。このディスプレイ10は、実施の形態である測定装置から供給される表示信号に対応する画面を表示する。また、ディスプレイ10は、その内部に撮像部40を有する。撮像部40は、ディスプレイ30の表面を内側から撮像し、その結果得られる、ディスプレイ10の表面に触れる被測定者の掌などの形状を示す撮像信号を測定装置に出力する。
【0032】
ディスプレイ10は、その内側から順に、バックライト31、偏光フィルタ32−1、ガラス基板33−1、透明電極34−1、配向膜35−1、液晶36、配向膜35−2、透明電極34−2、カラーフィルタ37、ガラス基板33−2、および偏光フィルタ32−2が積層されて構成される。さらに、ガラス基板33−1と33−2の内側には、近赤外光を用いて撮像を行う撮像部40が設けられている。
【0033】
すなわち、ディスプレイ10は、一般的な液晶ディスプレイの構成に撮像部40を内蔵したものである。ただし、バックライト31については、実物体の底面に照射して、その反射光を撮像部40にて受光するための近赤外光(800乃至900nm)も、画面表示のための可視光とともに発光するものとする。
【0034】
撮像部40は、近赤外光のみを透過させるIRフィルタ41、および近赤外光を受光して撮像信号に変換する受光部42から構成される。受光部42は、例えば、活性層で発生するフォトカレントを利用する方式、または光吸収により発生する電荷の蓄積を利用する方式を利用することができる。なお、近赤外光の強度が強すぎて受光部42が飽和する場合、配向膜35−1,35−2にて近赤外光の強度を調整し、受光部42に入力される近赤外光の光量を減少させることができる。撮像部40は、表示される1画素毎、または表示される所定数の画素毎に2次元的に周期的に複数配置されるので、全ての撮像部40から出力される撮像信号は、ディスプレイ10の表面に触れている被測定者の掌などを示すものとなる。
【0035】
なお、ディスプレイ10は、必ずしも図6に示されるような液晶ディスプレイである必要はなく、撮像部40を内蔵していれば、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイであってもよい。
【0036】
[測定装置の構成例]
図7は、本開示の実施の形態である測定装置の構成例を示している。この測定装置50は、制御部51、スイッチ52、心電波形信号測定部53、個人認証部54、生体インピーダンス(生体Z)測定部55、および体組成情報変換部56から構成される。
【0037】
制御部51は、表示信号生成部61、撮像信号取得部62、電極対候補設定部63、測定用電極対決定部64、およびスイッチ振分け部65を有する。
【0038】
表示信号生成部61は、ディスプレイ10の画面表示に対応する表示信号を生成してディスプレイ10に出力する。撮像信号取得部62は、ディスプレイ10に内蔵された撮像部40から撮像信号を取得する。電極対候補設定部63は、取得された撮像信号に基づいて被測定者の左右の掌の位置を特定し、被測定者が左の掌で触れている面積が大きいと推定される1以上の透明電極22と、右の掌で触れている面積が大きいと推定される1以上の透明電極22との組み合わせ(以下、電極対候補と称する)を設定する。測定用電極対決定部64は、設定された電極対候補の中から測定用電極対を決定する。
【0039】
スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたものを後段(心電波形信号測定部53、生体インピーダンス測定部55、または接地)に振り分け、その他のものは解放とする。また、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、測定用電極対に決定されたものを後段に振り分け、その他のものは解放とする。
【0040】
スイッチ52は、スイッチ振分け部65からの制御に従い、接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたもの、または測定用電極対に決定されたものを後段に接続する。
【0041】
心電波形信号測定部53は、スイッチ52を介して接続された透明電極22から被測定者の心電波形信号を取得して制御部51および個人認証部54に出力する。個人認証部54は、測定された心電波形信号から特徴量を抽出し、予め登録されている登録者の心電波形信号の特徴量と比較することにより被測定者の個人認証を行う。この認証結果は制御部51の表示信号生成部61に供給されてディスプレイ10に表示される。生体インピーダンス測定部55は、スイッチ52を介して接続された透明電極22を用いて被測定者の抵抗値(生体インピーダンス)を測定し、制御部51および体組成情報変換部56に出力する。なお、生体インピーダンスを測定する際には、左右それぞれの掌に少なくとも2以上の透明電極が接している必要がある。
【0042】
体組成情報変換部56は、測定された生体インピーダンスを、予め保持している対応テーブルまたは関数などを用いて体組成情報(例えば、体脂肪率、筋肉量、骨量など)に変換する。この体組成情報は、制御部51の表示信号生成部61に供給されてディスプレイ10に表示される。
【0043】
[動作説明]
図8は、被測定者が一人である場合、すなわち、ディスプレイ10の表面に同時に複数の人物が触り得ないような使用状況に対応する場合の測定処理を説明するフローチャートである。
【0044】
この測定処理の前提として、既に一人の被測定者がディスプレイ10の表面に両手を触れているものとする。
【0045】
ステップS1において、制御部51の撮像信号取得部62は、ディスプレイ10の撮像部40から撮像信号を取得して、電極対候補設定部63に出力する。電極対候補設定部63は、撮像信号に基づいて被測定者の左右の掌の位置を特定し、被測定者が左の掌で触れている面積が大きいと推定される1以上の透明電極22と、右の掌で触れている面積が大きいと推定される1以上の透明電極22を選択する。
【0046】
ステップS2において、電極対候補設定部63は、被測定者が左の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22と、右の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22との組み合わせからなる複数の電極対候補を設定する。
【0047】
ステップS3において、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたものを順次、心電波形信号測定部53に振り分ける。心電波形信号測定部53は、各電極対候補にそれぞれ対応付けて心電波形信号を測定し、測定結果を制御部51に出力する。
【0048】
ステップS4において、制御部51の測定用電極対決定部64は、各電極対候補それぞれから測定された心電波形信号のうち、SN比が最も高いものを特定し、対応する電極対候補を測定用電極対に決定する。
【0049】
ステップS5において、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、測定用電極対に設定されたものを心電波形信号測定部53に振り分ける。心電波形信号測定部53は、スイッチ52を介して接続されている測定用電極対から得られる心電波形信号を測定し、個人認証部54に出力する。
【0050】
ステップS6において、個人認証部54は、測定された心電波形信号から特徴量を抽出し、予め登録されている登録者の心電波形信号の特徴量と比較することにより被測定者の個人認証を行う。この認証結果は制御部51の表示信号生成部61に供給されてディスプレイ10に表示される。
【0051】
ステップS7において、生体インピーダンス測定部55は、スイッチ52を介して接続されている測定用電極対を用いて被測定者の生体インピーダンスを測定し、体組成情報変換部56に出力する。ステップS8において、体組成情報変換部56は、測定された生体インピーダンスを体組成情報に変換する。この体組成情報は、制御部51の表示信号生成部に供給されてディスプレイ10に表示される。以上で、被測定者が一人である場合の測定処理の説明を終了する。
【0052】
以上説明した測定処理によれば、被測定者にその存在を意識させることなく、透明電極に触れさせて心電波信号を取得することができ、それに基づいて被測定者の個人認証を行うことができる。また、複数の透明電極22の中から最適なものを選択して測定用電極対に決定するので、高い精度で心電波形信号および生体インピーダンスを測定することができる。
【0053】
図9は、複数の人物が同時にディスプレイ10の表面に触れることが想定される場合の測定処理を説明するフローチャートである。
【0054】
この測定処理の前提として、被測定者を含む複数の人物がディスプレイ10の表面に両手を触れているものとする。
【0055】
ステップS11において、制御部51の撮像信号取得部62は、ディスプレイ10の撮像部40から撮像信号を取得して、電極対候補設定部63に出力する。電極対候補設定部63は、撮像信号に基づき、ディスプレイ10の表面に触れている掌のサイズおよび向きを検出し、その検出結果に基づいて同一人物の左の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22と、右の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22を選択する。さらに、電極対候補設定部63は、同一人物の左の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22と、右の掌で触れていると推定される1以上の透明電極22との組み合わせからなる複数の電極対候補を設定する。
【0056】
ステップS12において、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたものを順次、生体インピーダンス測定部55に振り分ける。生体インピーダンス測定部55は、各電極対候補にそれぞれ対応付けて生体インピーダンスを測定し、測定結果を制御部51に出力する。制御部51の測定用電極対決定部63は、各電極対候補から測定された生体インピーダンスのうち、人体から測定し得る値を外れているものを検出し、それを検出した電極対候補を測定用電極対の候補から除外する。
【0057】
ステップS13において、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたものを順次、心電波形信号測定部53に振り分ける。心電波形信号測定部53は、各電極対候補にそれぞれ対応付けて心電波形信号を測定し、測定結果を制御部51に出力する。制御部51の測定用電極対決定部63は、各電極対候補から測定された心電波形信号のうち、同一人体から測定し得る波形から外れているものを検出し、それを検出した電極対候補を測定用電極対の候補から除外する。
【0058】
ステップS14において、スイッチ振分け部65は、スイッチ52に接続されている複数の透明電極22−1乃至22−nのうち、電極対候補に設定されたものを順次、生体インピーダンス測定部55に振り分ける。生体インピーダンス測定部55は、各電極対候補の一方から所定のパターン信号(例えば、11001010)をASK変調信号として送信し、他方でそれを受信し、その通信結果を制御部51に出力する。制御部51の測定用電極対決定部63は、各電極対候補の通信結果のうち、正しいパターン信号を受信できていないものを検出し、それを検出した電極対候補を測定用電極対の候補から除外する。
【0059】
ステップS15において、制御部51の測定用電極対決定部63は、ステップS12乃至S14の処理で除外されずに残っている電極対候補を測定用電極対に決定する。なお、複数の電極対候補が残っている場合には、ステップS13の処理で測定された心電波形信号のSN比が最も高いものを測定用電極対に決定する。
【0060】
この段階で、ディスプレイ10の表面に触れている複数の人物のうちの一人を被測定者に指定できたことになる。以降のステップS16乃至S19の処理については、上述した図8のステップS6乃至S8の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0061】
ディスプレイ10の表面に触れている全ての人物について心電波形信号などを測定し、個人認証を行うには、現段階で被測定者に対応する測定用電極対とされた透明電極22を使用せずに、再度ステップS11以降の処理を繰り返せばよい。以上で、複数の人物が同時にディスプレイ10の表面に触れていることが想定される場合の測定処理の説明を終了する。
【0062】
以上説明した測定処理によれば、被測定者にその存在を意識させることなく、透明電極に触れさせて心電波信号を取得することができ、それに基づいて被測定者の個人認証を行うことができる。また、複数の透明電極22の中から最適なものを選択して測定用電極対に決定するので、高い精度で心電波形信号および生体インピーダンスを測定することができる。
【0063】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0064】
図10は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0065】
このコンピュータ100において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0066】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
【0067】
以上のように構成されるコンピュータ100では、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105およびバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0068】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0069】
また、プログラムは、1台のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0070】
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 ディスプレイ, 20 透明電極ガラス基板, 21 ガラス基板, 22 透明電極, 24 絶縁膜, 40 撮像部, 41 IRフィルタ, 42 受光部, 50 測定装置, 51 制御部, 52 スイッチ, 53 心電波形信号測定部, 54 個人認証部, 55 生体インピーダンス測定部, 56 体組成情報変換部, 57 , 61 表示信号生成部, 62 撮像信号取得部, 63 電極対候補設定部, 64 測定用電極対決定部, 65 スイッチ振分け部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイの表面に設けられた複数の透明電極と、
前記ディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、
被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、
設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、
各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部と
を備える測定装置。
【請求項2】
前記心電波形信号測定部は、さらに、決定された測定用電極対を用いて心電波形信号を測定する
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
測定された前記心電波形信号に基づいて、前記被測定者の認証処理を行う認証処理部を
さらに備える請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記決定手段は、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号のSN比に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する
請求項2に記載の測定装置。
【請求項5】
前記決定手段は、各電極対候補を介して所定のパターン信号を通信したときの通信結果に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する
請求項2に記載の測定装置。
【請求項6】
決定された測定用電極対を用いて前記被測定者の生体インピーダンスを測定する生体インピーダンス測定部を
さらに備える請求項2に記載の測定装置。
【請求項7】
前記生体インピーダンス測定部は、さらに、選択された各電極対候補を用いて前記被測定者の生体インピーダンスを測定し、
前記決定手段は、各電極対候補を用いて測定された前記生体インピーダンスに基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する
請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
被測定者の心電波形信号を測定する測定装置の測定方法において、
測定装置による、
表面に複数の透明電極が設けられたディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得ステップと、
前記被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定ステップと、
設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する測定ステップと、
各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定ステップと
を含む測定方法。
【請求項9】
コンピュータを、
表面に複数の透明電極が設けられたディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、
被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、
設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、
各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部と
して機能させるプログラム。
【請求項10】
ディスプレイの表面に設けられた複数の透明電極と、
前記ディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、
被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、
設定された各電極対候補または決定される測定用電極対を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、
各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部と、
前記測定用電極対を用いて測定された前記心電波形信号に基づいて所定の処理を行う信号処理部と
を備える情報処理装置。
【請求項1】
ディスプレイの表面に設けられた複数の透明電極と、
前記ディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、
被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、
設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、
各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部と
を備える測定装置。
【請求項2】
前記心電波形信号測定部は、さらに、決定された測定用電極対を用いて心電波形信号を測定する
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
測定された前記心電波形信号に基づいて、前記被測定者の認証処理を行う認証処理部を
さらに備える請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記決定手段は、各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号のSN比に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する
請求項2に記載の測定装置。
【請求項5】
前記決定手段は、各電極対候補を介して所定のパターン信号を通信したときの通信結果に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する
請求項2に記載の測定装置。
【請求項6】
決定された測定用電極対を用いて前記被測定者の生体インピーダンスを測定する生体インピーダンス測定部を
さらに備える請求項2に記載の測定装置。
【請求項7】
前記生体インピーダンス測定部は、さらに、選択された各電極対候補を用いて前記被測定者の生体インピーダンスを測定し、
前記決定手段は、各電極対候補を用いて測定された前記生体インピーダンスに基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する
請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
被測定者の心電波形信号を測定する測定装置の測定方法において、
測定装置による、
表面に複数の透明電極が設けられたディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得ステップと、
前記被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定ステップと、
設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する測定ステップと、
各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定ステップと
を含む測定方法。
【請求項9】
コンピュータを、
表面に複数の透明電極が設けられたディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、
被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、
設定された各電極対候補を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、
各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部と
して機能させるプログラム。
【請求項10】
ディスプレイの表面に設けられた複数の透明電極と、
前記ディスプレイの前記表面を前記ディスプレイの内側から撮像した撮像信号を取得する取得部と、
被測定者が前記ディスプレイの前記表面に接触している状態で取得された前記撮像信号に基づいて、前記複数の透明電極の中から電極対候補を設定する設定部と、
設定された各電極対候補または決定される測定用電極対を用いて前記被測定者の心電波形信号を測定する心電波形信号測定部と、
各電極対候補を用いて測定された前記心電波形信号に基づき、電極対候補の中から測定用電極対を決定する決定部と、
前記測定用電極対を用いて測定された前記心電波形信号に基づいて所定の処理を行う信号処理部と
を備える情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−249833(P2012−249833A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124908(P2011−124908)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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