説明

測定装置および設定画面の表示方法

【課題】煩雑な操作を行うことなく、すべての動作条件についての設定状態表示を確実かつ容易に参照可能とする。
【解決手段】動作条件A〜E(第1〜第Nの動作条件)の5種類の動作条件についての各設定状態表示を動作条件設定画面10内に並べて表示させる制御部を備え、制御部は、設定項目が複数存在する動作条件C(第Mの動作条件)が選択されたときにそのすべての設定項目(「測定レンジ」、「下限値」および「上限値」)の設定状態表示を通常の表示態様(第1の表示態様)での表示に表示制御し、動作条件A,B,D,Eが選択されたときに動作条件Cについての「測定レンジ」(代表設定項目)の設定状態表示を通常の表示態様での表示に表示制御すると共に「下限値」および「上限値」の設定状態表示を通常の表示態様よりも小さく表示する表示態様(第2の表示態様)での表示および非表示のいずれに表示制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の動作条件についての各設定状態表示を設定画面内に並べて表示させる測定装置、および設定画面の表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の設定画面の表示方法に従って設定画面を表示する測定装置として、測定値表示領域と設定値表示領域とを表示画面内に並べて表示させて、測定結果に基づく測定値を測定値表示領域内に表示させると共に、測定条件(動作条件)についての各設定項目毎の設定値(設定状態表示)を設定値表示領域内に表示させる測定器が特開2000−89883号公報に開示されている。この測定器では、測定処理に先立って設定すべき測定条件として、「Mode(測定モード)」、「Range (測定レンジ)」および「Scale (表示倍率)」などの複数種類の条件が存在し、かつ、「Span(L) (測定範囲の下限値)」および「Span(R) (測定範囲の上限値)」との設定項目の設定値が「Range 」の設定値(選択された測定レンジ)に応じて変化する構成が採用されている。
【0003】
この場合、この測定器では、上記したように、測定条件の種類(設定項目の数)が多いため、これら各設定項目毎のすべての設定値を設定値表示領域内の限られたスペース内に表示させるのが困難となっている。したがって、この測定器では、上記の表示画面を表示させた初期状態において、一例として、上記の各設定項目のうちの「Mode」、「Range 」および「Span(L) 」の3つの設定項目だけを設定値表示領域内に表示させ、マウス等によって設定値表示領域内の表示を左向きにスクロールさせることによって、初期状態において非表示となっていた「Span(R) 」や「Scale 」などの設定項目を表示させる構成が採用されている。これにより、測定値を取得した(測定した)際の測定条件のすべての設定値を測定値表示領域内の測定値と対比しつつ参照することが可能となっている。
【特許文献1】特開2000−89883号公報(第3−5頁、第1−5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の測定器には、以下の問題点がある。すなわち、従来の測定器では、すべての設定項目のうちの一部を設定値表示領域内に表示させた状態において、設定値表示領域内の表示をスクロールさせることによって他の一部の設定項目を表示させる構成が採用されている。この場合、従来の測定器では、設定値表示領域内に「Mode」および「Range 」を表示させたときには、「Range 」の右側に「Span(L) 」が表示されることによって表示スペースが不足する結果、「Span(R) 」や「Scale 」が非表示となる。同様にして、「Range 」および「Scale 」を表示させたときには、「Range 」と「Scale 」との間に「Span(L) 」や「Span(R) 」が表示されることによって表示スペースが不足する結果、「Mode」が非表示となる。このため、従来の測定器では、「Mode」および「Scale 」の設定値を同時に参照することができず、両設定値を参照するためには、上記のように設定値表示領域内の表示をスクロールさせる操作が必要となっている。
【0005】
具体的には、従来の測定器では、例えば、「Scale 」の設定時に「Mode」の設定値を参照する際には、設定値表示領域内の表示を右向きにスクロールさせて「Mode」の設定値を確認し、その後に、設定値表示領域内の表示を左向きにスクロールさせて「Scale 」との設定項目を表示させて所望の設定値を入力するといった非常に煩雑な作業が必要となる。この場合、この種の測定装置(測定器)では、実際には、上記の設定項目(測定条件)以外にも数多くの設定項目(測定条件)が存在する。したがって、従来の測定器のように、設定値表示領域内の表示をスクロールさせることによって各設定項目毎の設定値を参照させる構成では、所望の測定値が得られるように各設定項目を設定する際や、測定値を取得した際の測定条件(設定値)を把握する際に、上記の煩雑なスクロール操作を複数回に亘って実行しなくてはならないという問題点がある。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、煩雑な操作を行うことなく、すべての動作条件についての設定状態表示を確実かつ容易に参照し得る測定装置および設定画面の表示方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置は、第1の動作条件から第Nの動作条件(Nは、2以上の自然数)までのN種類の動作条件についての各設定状態表示を設定画面内に並べて表示させる制御部を備えた測定装置であって、前記制御部が、前記設定画面において設定項目が複数存在する第Mの動作条件(Mは、N以下の自然数)が選択されたときに当該第Mの動作条件についてのすべての当該各設定項目の前記設定状態表示を第1の表示態様での表示に表示制御し、当該第Mの動作条件以外の前記動作条件が選択されたときに当該第Mの動作条件についての前記各設定項目のうちの予め規定された代表設定項目の前記設定状態表示を前記第1の表示態様での表示に表示制御すると共に当該代表設定項目以外の当該第Mの動作条件についての前記設定項目の前記設定状態表示を当該第1の表示態様よりも小さく表示する第2の表示態様での表示および非表示のいずれに表示制御する。なお、本発明および以下の発明における「第1の表示態様よりも小さく表示する第2の表示態様」には、例えば、設定状態を表す文字列を略すことで文字数を減らして表示する表示態様、設定状態を図柄や記号で表示する表示態様、および設定状態を表す文字列を縮小表示する(小さな文字で表示する)表示態様がこれに含まれる。
【0008】
また、請求項2記載の設定画面の表示方法は、測定装置を動作させるための第1の動作条件から第Nの動作条件(Nは、2以上の自然数)までのN種類の動作条件についての各設定状態表示を設定画面内に並べて表示させる設定画面の表示方法であって、前記設定画面において設定項目が複数存在する第Mの動作条件(Mは、N以下の自然数)が選択されたときに当該第Mの動作条件についてのすべての当該各設定項目の前記設定状態表示を第1の表示態様での表示に表示制御し、当該第Mの動作条件以外の前記動作条件が選択されたときに当該第Mの動作条件についての前記各設定項目のうちの予め規定された代表設定項目の前記設定状態表示を前記第1の表示態様での表示に表示制御すると共に当該代表設定項目以外の当該第Mの動作条件についての前記設定項目の前記設定状態表示を当該第1の表示態様よりも小さく表示する第2の表示態様での表示および非表示のいずれに表示制御する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の測定装置および請求項2記載の設定画面の表示方法によれば、設定画面において設定項目が複数存在する第Mの動作条件が選択されたときに第Mの動作条件についてのすべての各設定項目の設定状態表示を第1の表示態様での表示に表示制御し、第Mの動作条件以外の動作条件が選択されたときに第Mの動作条件についての各設定項目のうちの予め規定された代表設定項目の設定状態表示を第1の表示態様での表示に表示制御すると共に代表設定項目以外の第Mの動作条件についての設定項目の設定状態表示を第1の表示態様よりも小さく表示する第2の表示態様での表示および非表示のいずれかに表示制御することにより、設定項目が複数存在する第Mの動作条件について、その第Mの動作条件が選択されたときだけ第Mの動作条件のすべての設定項目を表示させると共に他の動作条件が選択されたときには代表設定項目以外の設定項目を第2の表示態様での表示または非表示に表示制御することで、いずれの動作条件が選択されている状態においても、煩雑なスクロール操作を行うことなく、設定用画面の限られたスペース内にすべての動作条件の設定項目に関する設定状態表示を表示させることができる。このため、この測定装置およびその設定画面の表示方法によれば、この種の測定装置の操作に不慣れな利用者であっても、各動作条件の設定状態を参照しつつ、各動作条件の設定項目に所望の設定値を確実かつ容易に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る測定装置および設定画面の表示方法の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0011】
最初に、測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。
【0012】
測定装置1は、本発明に係る測定装置の一例であって、図1に示すように、測定部2、記録部3、操作部4、表示部5、制御部6および記憶部7を備え、本発明に係る設定画面の表示方法に従って図3〜5に示す動作条件設定用画面10を表示可能に構成されている。測定部2は、一例として、測定チャンネル1〜4(CH1〜CH4)までの4つの測定チャンネルを備え、CH1〜CH4毎に、入力信号の電気的パラメータ(電圧値、電流値、抵抗値、周波数および位相など)や、温度、湿度、光度、音量および風力などのパラメータを変換した電圧値等をアナログ−デジタル変換して(所定のサンプリングレートでサンプリングして)サンプリングデータDsを生成可能に構成されている。なお、この測定装置1では、一例として、2チャンネルの電圧・温度測定ユニットが測定部2に2台搭載されて、電圧および温度を測定可能に構成されている。記録部3は、一例として、リムーバブルメモリ(メモリカード等)やHDD(Hard Disc Drive) で構成されて、制御部6の制御に従って、上記のサンプリングデータDsを記録する。
【0013】
操作部4は、測定装置1の動作条件を設定するための各種操作スイッチ(図示せず)を備え、スイッチ操作に応じた操作信号S1を制御部6に出力する。表示部5は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)で構成され、制御部6によって生成された表示データD2に基づき、動作条件設定用画面10や測定結果表示用画面(図示せず)などを表示する。制御部6は、本発明における制御部の一例であって、測定装置1を総括的に制御する。具体的には、制御部6は、表示データD2を出力して動作条件設定用画面10等を表示部5に表示させる表示制御処理、利用者によって予め指定された条件に基づいて動作条件データD1を生成するデータ生成処理、および動作条件データD1に基づいて測定部2を制御して上記のサンプリングデータDsを生成させる(電気的パラメータを測定させる)測定制御処理などを実行する。記憶部7は、制御部6の動作プログラムや、上記の動作条件データD1を記憶する。
【0014】
この場合、図2に示すように、この測定装置1では、本発明における第1の動作条件から第Nの動作条件までのN種類の動作条件の一例として、動作条件Aから動作条件Eまでの5種類の動作条件(本発明における「N」が「5」の例)をCH1〜CH4毎にそれぞれ設定することによって、所望の測定処理を実行させ、その測定結果を所望の表示態様で表示させることが可能となっている。具体的には、動作条件Aは、各CH1〜CH4に対応する測定ユニットを動作させるか否か(CH1〜CH4を使用するか否か)を個別的に設定する「動作」との設定項目からなり、各CH1〜CH4毎に、「ON(動作させる:使用する)」および「OFF(停止させる:不使用とする)」のいずれかの設定値が設定される。また、動作条件Bは、各CH1〜CH4毎に実行させる測定処理の種別を個別的に設定する「測定種別」との設定項目からなり、各CH1〜CH4毎に、一例として、「電圧」および「温度」のいずれかの設定値が設定される。
【0015】
さらに、動作条件Cは、本発明における第Mの動作条件の一例であって、動作条件Bに設定した測定種別の測定処理を実行させる際の測定レンジを各CH1〜CH4毎に指定する「測定レンジ」との設定項目と、設定した測定レンジの下限値が設定される(表示される)「下限値」との設定項目と、設定した測定レンジの上限値が設定される(表示される)「上限値」との設定項目との3つの設定項目で構成されている。この場合、「測定レンジ」との設定項目には、一例として、「1Vレンジ」、「10Vレンジ」および「100Vレンジ」のいずれかの設定値が設定される。また、この測定装置1では、「測定レンジ」に所望のレンジを設定することによって、設定された測定レンジに連動して「下限値」および「上限値」が自動的に設定される構成が採用されている。なお、動作条件B(測定種別)の設定項目に「温度」との設定値が設定されたときには、測定部2に搭載されている測定ユニットが有する単一の測定レンジが自動的に設定されて、その「下限値」および「上限値」として、例えば「−100℃」および「+300℃」との値が設定される。
【0016】
また、動作条件Dは、本発明における第Mの動作条件の他の一例であって、各CH1〜CH4毎に記録したサンプリングデータDsに基づく測定結果(信号波形やグラフなど)を表示させる際の表示色を設定する「表示色」との設定項目と、測定結果を表示させる際の線の種類を設定する「線種」との設定項目との2つの設定項目で構成されている。この場合、この測定装置1では、「表示色」として、「赤」、「青」、「白」および「黄」の4つの設定値のうちのいずれか設定されると共に、「線種」として、「実線」および「破線」の2つの設定値のうちのいずれか設定される。さらに、動作条件Eは、測定部2に入力される信号の種別(入力種別)を個別的に設定する「入力種別」との設定項目からなり、各CH1〜CH4毎に、一例として、「AC」、「DC」および「GND」のいずれかの設定値が設定される。なお、測定装置1は、実際には、上記の動作条件A〜E以外の各種動作条件を設定可能に構成されると共に、各条件毎の設定値についても、上記の例示以外の複数種類の設定値を設定することができるが、本発明についての理解を容易とするために、図2に示す条件、設定項目および設定値だけを使用する例について以下に説明する。
【0017】
次に、測定装置1の使用方法について、図面を参照して説明する。
【0018】
この測定装置1の使用に際しては、まず、測定部2の各CH1〜CH4毎の動作条件を設定する。具体的には、操作部4を操作することにより、図3に示す動作条件設定用画面10を表示部5に表示させる。この動作条件設定用画面10には、上記の各動作条件A〜Eの各設定項目をCH1〜CH4毎に選択して設定するための動作条件表示部11と、動作条件表示部11の各設定項目に設定された設定値を確定値として動作条件設定用画面10を閉じるためのOKボタン表示12と、動作条件表示部11の各設定項目に設定された各設定値を破棄して動作条件設定用画面10を閉じるためのキャンセルボタン表示13とが表示されている。また、動作条件設定用画面10には、設定値を設定すべき設定項目を選択するためのカーソル表示20が動作条件表示部11に重ねて表示されている。
【0019】
なお、測定装置1を初めて使用する際、または、動作条件についての設定をリセットした際には、動作条件表示部11の各設定項目が空白となっているが、本発明についての理解を容易とするために、同図では、前回の使用時に設定した各設定値を表示した状態を図示している。具体的には、制御部6は、図3に示す動作条件設定用画面10の表示に際して、まず、前回の使用時において、後述する一連の操作と同様の操作によって設定された動作条件の動作条件データD1を記憶部7から読み出す。次いで、制御部6は、同図に示すように、読み出した動作条件データD1に基づいて動作条件表示部11の各設定項目の欄に前回の設定値を表示させると共に、CH1における動作条件Aの「動作」との設定項目にカーソル表示20を重ねて表示させる。なお、この測定装置1では、動作条件表示部11の各設定項目の欄に表示されている文字列や図柄(線)が本発明における設定状態表示に相当する。
【0020】
この場合、動作条件Aは、本発明における「第Mの動作条件以外の動作条件」に相当する。したがって、制御部6は、この動作条件Aの設定項目にカーソル表示20を重ねて表示させるとき、すなわち、動作条件Aの設定項目が選択されているとき(動作条件Aの設定項目の設定時)には、本発明における「第Mの動作条件」に相当する動作条件C,Dについては、各設定項目のうちの予め規定された代表設定項目の設定値を通常の表示態様(本発明における第1の表示態様)で表示させるように表示制御すると共に、代表設定項目以外の設定項目の設定値を通常の表示態様よりも小さく表示する表示態様(本発明における第2の表示態様)での表示および非表示のいずれかに表示制御する。具体的には、動作条件Cについては、前述したように、「測定レンジ」、「下限値」および「上限値」との3つの設定項目が存在するが、制御部6は、このうちの代表設定項目としての「測定レンジ」の設定値を通常の表示態様(通常の大きさ)で表示させると共に、「下限値」および「上限値」との2つの設定項目については、非表示とする。このような表示では、利用者に対して「測定レンジ」がどのような設定値に設定されているかを的確に認識させつつ、「下限値」および「上限値」との2つの設定項目の表示スペースを他の動作条件の設定項目を表示させるために有効利用することが可能となる。
【0021】
また、動作条件Dについては、「表示色」および「線種」との2つの設定項目が存在するが、制御部6は、このうちの代表設定項目としての「表示色」の設定値を通常の表示態様(通常の大きさ)で表示させると共に、「線種」との設定項目については、その設定値を図柄に置き換えて「表示色」の設定値の下に表示させる(本発明における第2の表示態様の一例)。具体的には、「実線」が設定されているときには、制御部6は、同図におけるCH1,CH3のように、「表示色」の設定値を示す文字(この例では、CH1が「青」でCH3が「白」)の下に実線を表示させ、「破線」が設定されているときには、同図におけるCH2のように、「表示色」の設定値を示す文字(この例では、「赤」)の下に破線を表示させる。このような表示では、利用者に対して「表示色」および「線種」がどのような設定値に設定されているかを的確に認識させつつ、2つの設定項目を1つの表示スペースに表示させることによって生じた表示スペースを他の動作条件の設定項目を表示させるために有効利用することが可能となる。
【0022】
次いで、操作部4の操作スイッチを操作して、設定値を変更すべき(または、新たに設定値を設定すべき)設定項目にカーソル表示20を移動させ、所望の設定値を設定する。この場合、同図に破線で示すように、本発明における「第Mの動作条件以外の動作条件」に相当する動作条件B,Eの設定項目にカーソル表示20を移動させたとき、すなわち、動作条件B,Eの設定項目が選択されたとき(動作条件B,Eの設定項目の設定時)には、制御部6は、動作条件C,Dについては、各設定項目の設定値の表示態様を維持するように表示制御する。
【0023】
また、図4に示すように、本発明における第Mの動作条件に相当する動作条件Cの設定項目の欄にカーソル表示20が移動させられたとき、すなわち、動作条件Cの設定項目が選択されたとき(動作条件Cの設定項目の設定時)には、制御部6は、動作条件Cについての「測定レンジ」、「下限値」および「上限値」のすべての設定項目の設定値を通常の表示態様(第1の表示態様)で表示させるように表示制御する。これにより、この種の測定装置の操作に不慣れな利用者に対しても、例えば、「1Vレンジ」との測定レンジが「−1V(下限値)」から「+1V(上限値)」までの測定範囲を有する測定レンジであることを確実かつ容易に認識させることが可能となる。なお、動作条件Cが選択されたとき(動作条件Cの設定時)には、動作条件Dは、本発明における「第Mの動作条件以外の動作条件」に相当するため、制御部6は、この動作条件Dについては、代表設定項目としての「表示色」の設定値を通常の表示態様(通常の大きさ)で表示させるように表示制御すると共に、「線種」との設定項目については、その設定値を図柄に置き換えて「表示色」の設定値の下に表示させた状態を維持するように表示制御する。
【0024】
さらに、図5に示すように、本発明における第Mの動作条件に相当する動作条件Dの設定項目の欄にカーソル表示20が移動させられたとき、すなわち、動作条件Dの設定項目が選択されたとき(動作条件Dの設定項目の設定時)には、制御部6は、動作条件Dについての「表示色」および「線種」の両設定項目の設定値を通常の表示態様(第1の表示態様)で表示させるように表示制御する。これにより、この種の測定装置の操作に不慣れな利用者に対しても、例えば、CH1についての測定結果(例えば信号波形)が青色の実線で表示されることを確実かつ容易に認識させることが可能となる。なお、動作条件Dが選択されたとき(動作条件Dの設定時)には、動作条件Cは、本発明における「第Mの動作条件以外の動作条件」に相当するため、制御部6は、この動作条件Cについては、代表設定項目としての「測定レンジ」の設定値を通常の表示態様(通常の大きさ)で表示させるように表示制御すると共に、「下限値」および「上限値」との2つの設定項目については、非表示に表示制御する。
【0025】
このように、この測定装置1、および測定装置1による設定画面の表示方法では、動作条件設定用画面10において設定項目が複数存在する動作条件C(第Mの動作条件)が選択されたときに動作条件Cについてのすべての各設定項目の設定値(設定状態表示)を通常の表示態様(通常の大きさ:第1の表示態様)での表示に表示制御すると共に、設定項目が複数存在する動作条件D(第Mの動作条件)が選択されたときに動作条件Dについてのすべての各設定項目の設定値(設定状態表示)を通常の表示態様(通常の大きさ:第1の表示態様)での表示に表示制御し、動作条件C,D以外の動作条件A,B,Eが選択されたときに動作条件C,Dについての各設定項目のうちの予め規定された代表設定項目(この例では、「測定レンジ」および「表示色」)の設定状態表示を通常の表示態様での表示に表示制御すると共に代表設定項目以外の動作条件Cについての設定項目の設定値(この例では、「下限値」および「上限値」)を非表示に表示制御し、かつ、代表設定項目以外の動作条件Dについての設定項目の設定値(この例では、「線種」)を通常の表示態様よりも小さく表示する(この例では、図柄に置き換える:第2の表示態様)表示に表示制御する。
【0026】
したがって、この測定装置1およびその設定画面の表示方法によれば、設定項目が複数存在する動作条件C,Dについて、その動作条件C,Dが選択されたときだけすべての設定項目を表示させると共に他の動作条件A,B,Eが選択されたときには代表設定項目以外の設定項目を図柄に置き換えての表示または非表示に表示制御することで、いずれの動作条件A〜Eが選択されている状態においても、煩雑なスクロール操作を行うことなく、動作条件設定用画面10の限られたスペース内にすべての動作条件A〜Eの設定項目に関する設定値(設定状態表示)を表示させることができる。このため、この測定装置1およびその設定画面の表示方法によれば、この種の測定装置の操作に不慣れな利用者であっても、各動作条件A〜Eの設定状態を参照しつつ、各動作条件A〜Eの設定項目に所望の設定値を確実かつ容易に設定することができる。
【0027】
なお、本発明は、上記した構成および方法に限定されない。例えば、上記の測定装置1では、本発明における第2の表示態様の一例として、動作条件Dにおける代表設定項目以外の設定項目(この例では、「線種」との設定項目)の設定値を図柄に置き換えて表示させる構成および表示方法を採用しているが、本発明における第2の表示態様は、これに限定されない。例えば、図6に示す動作条件設定用画面10Aのように、本発明における第Mの動作条件に相当する動作条件C以外の動作条件(この例では、動作条件A)が選択されたときに、動作条件Cにおける代表設定項目の「測定レンジ」以外の設定項目(この例では、「下限値」および「上限値」)を通常の表示態様(第1の表示態様)よりもフォントサイズ(表示サイズ)を小さくする縮小表示態様(本発明における第2の表示態様の他の一例)で表示させるように表示制御する構成を採用することができる。このような構成および表示方法においても、前述した測定装置1およびその表示方法と同様にして、いずれの動作条件A〜Eが選択されている状態においても、煩雑なスクロール操作を行うことなく、動作条件設定用画面10Aの限られたスペース内にすべての動作条件A〜Eの設定項目に関する設定値(設定状態表示)を表示させることができる。
【0028】
また、前述した測定装置1では、各動作条件A〜Eの各設定項目を横方向に並べて表示させているが、本発明における設定画面の画面構成はこれに限定されず、本発明におけるN種類の動作条件の各設定項目を縦方向に並べて表示させる構成を採用することもできる。さらに、各動作条件の代表設定項目の数は、1つの条件につき1つとの上記の例に限定されず、必要に応じて、表示スペースが許す限りの1つの条件につき任意の複数とすることができる。また、表示部5を備えた測定装置1を例に挙げて説明したが、外部装置としての表示装置に表示データD2を出力して動作条件設定用画面10等を表示させる構成を採用することもできる。
【0029】
また、いずれかの動作条件(例えば、図3において動作条件A)の設定項目にカーソル表示20を移動したときに、その動作条件(この例では動作条件A)以外のすべての動作条件(同図の例では動作条件B〜E)の各設定項目については、第1の表示態様ではなく、縮小表示態様、および図柄や記号で表示する表示態様によって表示させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】測定装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】測定装置1の各動作条件A〜Eの設定項目およびその設定値の一例について説明するための説明図である。
【図3】CH1の動作条件Aを選択した状態の動作条件設定用画面10の一例を示す表示画面図である。
【図4】CH1の動作条件Cを選択した状態の動作条件設定用画面10の一例を示す表示画面図である。
【図5】CH1の動作条件Dを選択した状態の動作条件設定用画面10の一例を示す表示画面図である。
【図6】CH1の動作条件Aを選択した状態の動作条件設定用画面10Aの一例を示す表示画面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 測定装置
4 操作部
5 表示部
6 制御部
10,10A 動作条件設定用画面
11 動作条件表示部
20 カーソル表示
D1 動作条件データ
D2 表示データ
S1 操作信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の動作条件から第Nの動作条件(Nは、2以上の自然数)までのN種類の動作条件についての各設定状態表示を設定画面内に並べて表示させる制御部を備えた測定装置であって、
前記制御部は、前記設定画面において設定項目が複数存在する第Mの動作条件(Mは、N以下の自然数)が選択されたときに当該第Mの動作条件についてのすべての当該各設定項目の前記設定状態表示を第1の表示態様での表示に表示制御し、当該第Mの動作条件以外の前記動作条件が選択されたときに当該第Mの動作条件についての前記各設定項目のうちの予め規定された代表設定項目の前記設定状態表示を前記第1の表示態様での表示に表示制御すると共に当該代表設定項目以外の当該第Mの動作条件についての前記設定項目の前記設定状態表示を当該第1の表示態様よりも小さく表示する第2の表示態様での表示および非表示のいずれに表示制御する測定装置。
【請求項2】
測定装置を動作させるための第1の動作条件から第Nの動作条件(Nは、2以上の自然数)までのN種類の動作条件についての各設定状態表示を設定画面内に並べて表示させる設定画面の表示方法であって、
前記設定画面において設定項目が複数存在する第Mの動作条件(Mは、N以下の自然数)が選択されたときに当該第Mの動作条件についてのすべての当該各設定項目の前記設定状態表示を第1の表示態様での表示に表示制御し、当該第Mの動作条件以外の前記動作条件が選択されたときに当該第Mの動作条件についての前記各設定項目のうちの予め規定された代表設定項目の前記設定状態表示を前記第1の表示態様での表示に表示制御すると共に当該代表設定項目以外の当該第Mの動作条件についての前記設定項目の前記設定状態表示を当該第1の表示態様よりも小さく表示する第2の表示態様での表示および非表示のいずれに表示制御する設定画面の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−168640(P2009−168640A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7498(P2008−7498)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】