港湾構造物及びこのような構造物の建設方法
本発明は、水域に連絡するのに適した港湾構造物の建設方法に関する。本発明は、閉鎖した輪郭を有する少なくとも1つの湾曲連続壁作るステップと、連続壁により定義された空間を掘り出すステップと、空間を水域に連絡させることが可能な少なくとも1つの開口を前記連続壁に提供するステップとを備えていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海岸工学の分野に関し、より詳細には港湾工学に関する。本発明は、より具体的には、水域に連絡するのに適した港湾構造物の建設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水域とは、大洋、海、湖、ドック、港、またはその他におけるどんな水域であってもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
海岸や沿岸に港を建設する方法はすでに知られている。しかしながら一般的に、新しい港の場所の選択は、地形的及び環境的制約により制限される。港の建設の実現可能性は、通常、適切な自然の地形の存在に依存する。
【0004】
例えば、港を建設するための基礎として、停泊地、フィヨルド、または防波堤をその陸地に形成する必要がある。さらに、ある種の地形においては、港を建設することができない。具体的には、ローム性砂及びシルト質の土地においては、経済的に許容可能な条件下で埠頭を建設することができない。
【0005】
このように、港の建設に向いた場所は数に限りがあることが理解できる。
【0006】
また、文書US 3 124 935は周知であり、そこには、シートパイルの連続壁を有する港湾構造物が記載されており、当該壁は、凹面が港湾構造物より外側に面した複数のアーチで構成され、当該アーチの端部は、円筒形セル(cylindrical cell)に接続されている。
【0007】
本発明の第1の目的は、海岸線の地形や土地の種類に依存しない港湾構造物を提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、方法を実行することによって、得られる港湾構造物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、当該方法が、閉鎖した輪郭を有すると共に、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように凹面が前記構造物の内部に面した少なくとも1つの円弧壁セグメント、を備えた少なくとも1つの湾曲連続壁を地面の一部に作るステップと、前記連続壁により定義される空間の少なくとも一部を掘り出すステップと、前記空間を前記水域に連絡させることが可能な少なくとも1つの開口を前記連続壁に提供するステップとを備えていることによって、これらの目的を達成する。
【0010】
"地面の一部"という用語は、ここでは、壁を作ることが可能な任意の表面、即ち例えば、陸地の一部、埋立層、浜辺、海底、または他の任意の表面を意味する。ここで"湾曲"と記述された壁は、基本的に曲線で構成された輪郭を有する壁のことである。つまり、本発明によると、前記曲線の全長は壁の輪郭の全長の50%より大きくなっており、連続壁の自己安定性を高めるために、前記曲線の全長が、壁の輪郭の全長の75%より大きいことが望ましい。言い換えると、本発明の連続壁は、直線セグメントを有することが可能であるが、そのような直線セグメントの全長は、連続壁の輪郭の全長の50%(望ましくは25%)を超える必要がある。
【0011】
本発明において、港湾構造物は、単一の円弧壁セグメントを備えているとき、開口が設けられた円筒形状をしている。
【0012】
前記連続壁に開口を設けながら連続壁をつくり、その後連続壁により定義される空間の全てまたは一部を掘り出すことが望ましい。
【0013】
しかし、連続壁により定義される空間が掘り出された後で開口を設けることも可能である。本発明において、"連続壁"という用語は、1つのものとして作られる壁、及び、複数の部分によって、作られる、即ち連続壁セグメントを並置することによって、作られる連続壁の両方を含んでいる。
【0014】
さらに、連続壁は、実質的な垂直方向に地下まで延在することが望ましい。
【0015】
その結果、本発明によると、港湾構造物を、陸地においても水域においても同様に良好に建設可能である。従って、連続壁は、連続壁が水と陸地との間または水の2つの領域の間に中間面を形成するように完全または部分的に土(または同様の物質)または水に取り囲まれることが可能である。連続壁は、望ましくは連続壁の凸側で構成される連続壁の外周に配置された外部環境を保持可能な保持手段を形成していることが理解できる。
【0016】
本発明の実施において、前記壁を完全または部分的に水域に沈めるのに適するように、前記壁が作られる前記地面とは、前記水域の底部である。
【0017】
本発明の好適な実施例において、前記連続壁により定義された前記空間は、前記壁の高さの一部に亘って掘り出されている。
【0018】
壁の内部で定義された空間の全てが掘り出されていないため、壁が地面に固定されるように壁の下部が土に取り囲まれており、従って固定する深さは、掘り出され取り除かれていない壁の高さの当該一部と一致していることが理解できる。固定する最小の深さは、地形の種類、及び、連続壁のサイズに依存する。
【0019】
本発明の好適な実施例において、前記連続壁は、ダイヤフラム壁である。
【0020】
ダイヤフラム壁を作る技術はすでに知られており、基本的には、一般的に"ハイドロフレーズ"(Hydrofraise)油圧溝カッターや他の地下溝掘削装置を使用して溝セグメントを掘ると共に、側部を支持するためにその溝に泥を充填し、その後、壁要素またはパネルを作るために前記溝セグメントにコンクリートを打つ。その後、連続壁の他のセグメントを作るために、すでに形成された溝セグメントに隣接して他の溝を掘る。所望の形の連続壁が得られるまでこのプロセスが繰り返される。ダイヤフラム壁を作る技術を用いることによって、具体的には湾曲した輪郭のようなどんな形及び輪郭の連続壁も複数の部分で作ることが容易である。
【0021】
他の実施例において、前記連続壁は複数のキャストパイル(cast pile)で構成されている。
【0022】
キャストパイルを作る技術はすでに知られており、例えばらせん状の刃先(auger)を用いて地面に孔をあけ、その孔にコンクリートを充填する。また、刃先を引き出す間定期的に孔内にコンクリートを注入することを可能とするチューブを備えた刃先を使用してもよい。連続的な壁を作るため、例えば、相交わらない2つの主キャストパイルを作り、その後コンクリートを準備した後、それら2つの主パイルに対して補助的な1つの孔をあけ、それにコンクリートを充填することが可能である。適切な防水カバーによって、互いに接続された相交わらないパイルを作ることも可能である。所望の形の連続壁が得られるまでこのプロセスが繰り返される。
【0023】
他の実施例において、前記連続壁は、補強されたコンクリートで構成されている。
【0024】
この技術はすでに知られており、基本的には、コンクリートが鋳造される前に補強部材を備えた型枠を形成する。上述のダイヤフラム壁及びキャストパイル技術において、湾曲した輪郭を有する連続壁は、複数の短い個別セグメントで構成されており、2つの隣接した個別セグメントは互いに対して僅かに傾斜していることが理解できる。本発明において、湾曲壁の個別セグメントは、直線セグメントを構成しておらず、連続壁の直線セグメントの全長を算出する際には考慮されない。具体的には、湾曲連続壁がダイヤフラム壁であるとき、湾曲セグメントは、互いに対して傾斜していると共に並置された複数の直線パネルで構成されており、それぞれのパネルは、湾曲セグメントが並置された直線パネルの外枠に一致するように、連続壁の全長に比べて短い長さを有することが理解できる。
【0025】
本発明の範囲を超えないように、上記の4つの技術を組み合わせることによって、連続壁を作ることが可能である。
【0026】
上述の技術の利点は、岩の多い所から泥深いところまたは砂の多い所まで、幅広い種類の地形において、連続壁を作るのが容易なことである。本発明の方法の利点は、港湾構造物を、従来の港建設に向かない土地、または少なくとも従来の港建設ではコストが高くなる土地に作るのが容易なことであることが理解できる。
【0027】
ダイヤフラム壁に設けられた開口は、壁の高さの全てまたは一部に亘って延在してよい。開口は、港湾構造物の底部から測定して壁の高さよりも低い高さを有することが望ましい。さらに、本発明によると、開口の幅は壁の周囲に比べて小さいことが望ましいが、いかなる開口の幅も考案可能である。
【0028】
前記開口は、前記連続壁の上部に形成された切り欠き状になっていることが望ましい。
【0029】
前記切り欠きは、切り欠きがV字形、台形、または階段状となるように、垂直であるか傾斜していてもよい側端を有しており、その台形の小さい方の底は、大きい方の底より下方に位置している。
【0030】
一度港湾構造物が建設されると、その内部空間には、例えばポンプを使用することによって、及び/または水域に連絡する開口を介して水が満たされる。一度港湾構造物が満たされると、開口は、ボートが水域と港湾構造物の内部との間を通過することを可能にするアクセスを形成することが理解できる。当然、開口の深さは、港湾構造物が受けるボートの喫水 (draught)に応じて変わる。
【0031】
上を読むと、本発明の港湾構造物は陸地に建設可能であることが理解できる。
【0032】
本発明によると、水域、または、少なくとも水域の一部及び海岸の一部に、港湾構造物を建設することも可能である。そのために、有利には、海岸から前記水域の方に延在する埋立物を配置すること、及び、前記埋立物の少なくとも一部において、前記連続壁を作ることから成る追加的なステップが実行される。
【0033】
埋立物は、連続壁を作るための型のようなものを構成していることが有利である。
【0034】
本発明の好適な実施形態において、連続壁は、ダイヤフラム壁または複数のキャストパイルで作られている。
【0035】
海岸の一部及び水域の一部に配置される連続壁を作るために、壁の一部は海岸において、作られると共に他の部分は埋立物において、作られることが理解できる。
【0036】
本発明の好適な実施例において、港湾構造物が地面に固定されるように、連続壁は海底の深さよりも深い深さまで延在している。さらに、本発明において、連続壁により定義された空間は、海底の深さよりも深い深さまで、連続壁に一致するように垂直に掘り出されてよい。
【0037】
前記開口が、前記埋立物において、作られた連続壁の前記一部に設けられており、前記埋立物は、前記空間が前記水域に連絡するように少なくとも前記開口に一致する部分が掘り出されていることが望ましい。
【0038】
従って、掘り出された埋立物は、連続壁により定義される空間の内部に位置する埋立物に加えて連続壁の外周に位置する埋立物であることが理解できる。
【0039】
水域の底部に埋立物が配置されるため、埋立物が掘り出されるとき、その埋立物において、作られた連続壁の一部は水に取り囲まれる。状況次第では、港湾構造物の保護、且つ、壁の自己安定性を高める手段として、埋立物の少なくとも一部を残しておくことが有利である。
【0040】
水から壁の当該一部の外周に及ぼされる圧力は、土から及ぼされる圧力よりも小さいため、埋立物を掘り出すことによって、連続壁が受ける力を減らすことが可能であることが有利である。
【0041】
本発明はまた、閉鎖した輪郭を有すると共にドックを形成するのに適しており、水域に連絡する少なくとも1つの開口を備えることによって、ボートを通過可能にする少なくとも1つの湾曲連続壁を備えた港湾構造物であって、前記連続壁は、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように凹面が前記構造物の内部に面した少なくとも1つの円弧壁セグメントを備えていることを特徴とする港湾構造物を提供する。
【0042】
連続壁はダイヤフラム壁として作られることが望ましいが、キャストパイルまたは補強されたコンクリートで作られてもよい。
【0043】
好適な実施形態において、連続壁は、ドックの深さが壁の全高よりも小さくなるように地面に固定されている。さらに、"連続"と記載されている壁は、接合するという観点で連続している壁も含んでいる。
【0044】
前記連続壁は、円筒形状であることが有利である。
【0045】
本発明によると、"円筒形状"や"円柱形状"とは、最も広い意味で解釈される。即ち、この例においては閉鎖した"準線(directrix)"の曲線を定義する平行な直線の一群を示している。準線は、変形した楕円形、卵形、または他の任意の閉鎖した曲線を形成する。
【0046】
好適な実施形態において、連続壁は、楕円形または円形基部を有する円柱形状をしている。
【0047】
言い換えると、この例において、準線とは、ドックが円形または楕円形となるような楕円または円である。円形の輪郭を有するドックの利点は、連続壁を押圧する正反対の力を受け止めることが可能なことである。
【0048】
その結果、この特有の形状によって、円筒形、楕円形、または円形の連続壁を支持する追加的な手段を省略できる。言い換えると、このような連続壁は、安定性を確保するために支持手段を追加する必要がないという点で自己安定性がある。さらに、このような自己安定性は、連続壁が陸地に配置されるとき、及び、水域に配置されるときの両方において、存在することが理解できる。
【0049】
前記連続壁は、端部を介して互いに接続された複数の円弧壁セグメントを備えており、前記円弧壁セグメントは、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように前記構造物の内部に面した凹面を有することが有利である。
【0050】
円弧壁を並置することによって、広域に亘って延在する港湾構造物を建設することも可能である。
【0051】
港湾構造物は、対称を成す円弧壁に及ぼされる力を受け止めるのに適するように少なくとも1つの対称面を有することが望ましい。
【0052】
このために、2つの対称円弧壁の端部は、例えば、ビームなどの受力要素を介して相互接続されていることが有利である。
【0053】
特に有利な本発明の実施形態においては、前記ドック形成連続壁は、水域から水を通さないように前記壁を閉鎖するのに適した閉鎖手段を備えている。
【0054】
前記閉鎖手段は、前記開口を閉鎖するのに適したゲートを備えていることが望ましい。前記ゲートは、開口を閉鎖するように垂直に移動するのに適したパネルを備えていることがさらに望ましい。
【0055】
港湾構造物は、含まれるのに適した前記ドックの水を空にするポンプ手段をさらに備えていることが有利である。
【0056】
当然、ポンプ手段は、一度開口が閉鎖されると起動するように設計されている。連続壁は、構造物が、ダイヤフラム壁の凸側の側面に位置する土から及ぼされると共にドックが空のとき特に大きくなる圧力に抵抗できるように、円を描く準線を有する円柱形状をしていることが望ましい。
【0057】
選択的に、ドックの底部に底形成厚板を作り、それにより連続壁の支持力を高めるようにしてもよい。このようなドックは、乾ドックまたはドライドック型の構造物を建設するための基礎となることが有利である。
【0058】
このような構造物は、前記ドックの上部から下部まで前記ドックの内周に沿って延在する傾斜路をさらに備えていることが有利である。
【0059】
この例において、傾斜路の幅は、自動車が前記ドックが空の状態のときにドックの底部にアクセス可能となるのに十分な大きさに設けられている。
【0060】
前記構造物は、前記ドック内に含まれた水の深さに応じて垂直に移動するのに適した少なくとも1つの浮ドック台をさらに備えていることが有利である。
【0061】
浮ドック台は、連続壁と協働する誘導手段によって、移動しながら誘導される。浮ドック台は、浮ドック台をドック内に含まれた水の水位より上に保つことが可能な浮き手段を備えていることが望ましい。
【0062】
本発明の乾ドックは、浮ドック台に係留されたボートと協働するのに適した少なくとも1つのクレードルと、ドックが空の状態になったときにボートを担持するために、ドックを空にしながら前記手段がボートの下にクレードルを配置するように、クレードルを配置する手段とを備えていることが望ましい。
【0063】
有利な実施形態においては、本発明の港湾構造物は、閉鎖した輪郭を有すると共にドックを形成するのに適しており、開口を介して互いに連絡する複数のドックを形成した複数の連続壁を備えている。
【0064】
この実施形態において、港湾構造物はボート用のアクセスチャンネル(access channel)を形成するのに適していることが理解できる。
【0065】
言い換えると、前記複数の連続壁は、ボートがそれぞれの前記連続壁に設けられた開口を逐次通過することによって、前記水域にアクセス可能となるアクセスチャンネルを形成する。
【0066】
本発明の連続壁は水域または地面に作ることができるため、本発明によって、海岸から離れた水域から内陸にある領域まで延在した経路を容易に建設可能であることが理解できる。その経路の前記連続壁のうちの1つは、前記水域に沈んだ部分を有することが望ましい。この壁は、水域にある経路の端部に位置した連続壁であることが望ましい。
【0067】
この例において、この端壁は、沈んだ部分に形成されていると共に、水域とアクセスチャンネルとの間に主連絡通路を形成する開口を備えている。チャンネルは、前記部分が常に、特に例えば水域が大洋である場合は干潮時に、浸水することを保証するのに十分な長さを有することが望ましい。
【0068】
本発明は、以下の非限定的な実施形態の詳細な説明を読むことでより理解することが可能であると共に、本発明の効果がより明確となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
以下に続く本発明の好適な実施形態の説明において、連続壁はダイヤフラム壁(diaphragm wall)である。しかしながら、上述のように、他の建設技術を考案することも可能である。
【0070】
本発明において、定義される港湾構造物の概念は、組み合わされることでより複雑な港湾構造物を構成することが当然可能な複数の実施形態に組み入れることが可能である。本発明は具体的には、これらに限られないが、マリーナ、乾ドック、及び、アクセスチャンネルを建設することを可能とする。
【0071】
さらに、本発明の港湾構造物は、モジュール式のもの(modular)であるという利点を提供する。本発明の港湾構造物は、相互接続されたドックを形成する1または複数のモジュールを備えていてもよい。
【0072】
図1は、本発明における個別モジュール10の一実施形態の分解斜視図であって、当該モジュールは、2つの直線ダイヤフラム壁セグメント16,18を介して相互接続された2つの円弧ダイヤフラム壁セグメント12,14を備えたダイヤフラム壁で構成されている。しかしながら、直線セグメントは全く任意のものである。いずれにしても、直線セグメントの全長は、モジュール10の輪郭の全長の25%よりも小さい。
【0073】
ダイヤフラム壁の建設技術はすでに知られており、ここでは詳細を説明しない。
【0074】
以下に説明するように、本発明はこの実施形態に限られず、モジュールは、具体的には、これに限らないが円形基部(または円形準線)を有する円筒形状などの、他のいかなる形状を有していてもよい。モジュールは通常、10メートル(m)から100mの範囲内にある幅(または直径)を有することが可能である。特定の場合においては、その幅や直径が100mよりかなり大きくてもよい。
【0075】
図2において分かるように、個別モジュールは、実質的に楕円形の閉鎖した輪郭を有する湾曲連続壁を形成している。
【0076】
図1に示された例において、円弧壁12,14の高さHは、モジュール10がドック形成モジュール10の上部に設けられる2つの開口20,22を有するように、直線壁セグメント16,18の高さh1,h2よりも高くなっている。円弧壁セグメントの全高Hは、5mから40mの範囲内にあると共に、壁の通常の厚さは20センチ(cm)から200cmの範囲内にあることが望ましい。しかしながら、200cmより大きくてもよい。開口20,22それぞれは、切り欠き状になっていることが分かる。
【0077】
図2には、本発明の4つのモジュール10,10a,10b,10cのアセンブリで構成された本発明の港湾構造物100の第1の実施形態が示されている。第1、第2、第3モジュール、10,10a,10bは、同一のものであって、各モジュールには、それぞれ20,22、20a,22a、20b,22bとして参照される2つの開口が設けられているのに対して、第4モジュール10cには単一の開口20cのみが備えられていることが分かる。
【0078】
図2において分かるように、これらのモジュールは、2つの隣接モジュールの直線壁セグメントが互いに接触するように隣り合って配置されている。従って、2つの隣接モジュールの開口は、2つの隣接モジュールの間に通路を形成するように実質的に一致している。
【0079】
図3は、建設される海岸環境に組み入れられた港湾構造物100の第1の実施形態を示したものである。以下にこのような構造物の建設方法を詳細に説明する。
【0080】
図3に示された海岸環境は、海岸24、浜辺26、及び、この例では大洋である水域28を備えている。この第1の実施形態において、港湾構造物は、水域と海岸との間に延在し、第1モジュールにおける開口20を介して水域に連絡していることが分かる。
【0081】
図3において分かるように、第2、第3、第4モジュール、10a,10g,10cが、地下に打ち込まれているのに対して、第1モジュール10は、水域28内に沈んでいる。さらに、第2、第3モジュール、10a,10bは浜辺に建設されているのに対して、第4モジュールは、潮に関わらず決して浸水しない海岸に建設されている。
【0082】
第1モジュールにおける開口20によって、港湾構造物100の内部空間が水域に連絡し、それによって、具体的には、港湾構造物が適当な場所に配置されている状態であれば港湾構造物100を水で充満させることが可能であることが分かる。
【0083】
加えて、図3において分かるように、前記開口20は、ボート32が本発明の構造物に入ることまたは構造物から出ることを可能とするのに十分な深さに浸水した底縁30を有する。構造物の自己安定性を保護及び/または補強するために埋立てを利用してもよい。この実施形態において、第4モジュールは、ボートをドッキングするためのドックを形成し、浮ドック台(図示しない)を備えることが可能である。
【0084】
また、本発明によると、ボート32は、この例において、第4モジュール10cにアクセスするためのアクセスチャンネルを形成する第1、第2、第3モジュールを通過することによって、第4モジュールに到達することが可能であることが分かる。
【0085】
図3に示すように、本発明の構造物は、干潮時であっても、第1モジュールの開口20が常に浸水しているため、潮に関係なくボートがアクセスチャンネルに入ることを可能にする。特に地形が急傾斜である場合は、本発明の範囲を超えないように、ロックを介して2つの隣接モジュールを互いに接続可能であることが有利である。
【0086】
図4は、干潮時における港湾構造物100の断面図であって、垂直面が水域28と海岸24との間に延在している。一方、図5は、満潮時における同一の図面である。両図面において、破線は構造物100の両側における地表面を表していると共に、N1及びN2は干潮時及び満潮時それぞれにおける第4モジュールでの水位を表している。
【0087】
これら2つの図面において分かるように、各モジュール10,10a,10b,10cのダイヤフラム壁は、ダイヤフラム壁セグメント12,14,16,18が、ドックの底部の深さよりも深い深さまで垂直に延在していることによって、地面に固定されていることが有利である。
【0088】
さらに、本発明によると、設けられるモジュールの数は、末端のモジュール(この例では第1モジュール)の開口20が水中で常に、潮に関係なくボートが経路に入ること及び経路から出ることを可能とするのに十分な深さにある状態とするものであることが理解できる。さらに、開口22,20a、22a,20b、22b,20cを並置することで構成される通路は、それぞれの底部が水中で常に、ボートが干潮時に前記通路を通過可能とするのに十分な深さにある状態となるようなサイズとなっている。
【0089】
図5において分かるように、第1モジュール10は満潮時に浸水している。
安全上の理由により、開口20の位置を示すビーコンを加えてもよい。
【0090】
このように、モジュールを並置することによって、天然深海域まで導くことが有利であることが理解できる。具体的には、開口が連続壁の上部に設けられているので、モジュールを互いにまとめることによって、弱い力学特性を有する土はモジュール内に侵入できず、深海経路が泥でふさがる(沈殿によって、生じたものではない泥)のを防ぐことが可能である。また、経路の長さ、幅、及び、深さは、浜辺の傾斜に応じて変化し、所望の天然深海域まで到達するために必要な数のモジュールを設けることによって、いかなる構成にも適合するように調整可能であることが理解できる。
【0091】
図6及び7は、本発明の第1の実施形態の平面図であって、それぞれ干潮時及び満潮時にボート32が経路に侵入するところを概略的に示したものである。本発明に従って、経路は以下のような方法で建設されることが有利である。
【0092】
海岸24から潮に関係なく常に浸水する水域28まで、埋立層34を底部に配置する。埋立物34(図6及び7の破線で示されている)は、水域28の水面よりも高い高さまで上昇した陸地の岬形状をしている。そして、埋立物を、水域の方へ海岸を延長する台地を形成するようにその全長に亘って平板化する。地面が急傾斜しているときは、異なる高さを有する複数の台地を形成し、それによって、段地を形成することも可能である。壁はまた、艀から作られていてもよい。
【0093】
次の段階では、海岸24の埋立物及び地面の両方において、図2に示された4つの並置モジュールを形成するように、複数のダイヤフラム壁セグメントを作る。このように、埋立物は、具体的には浜辺26及び水域28において、ダイヤフラム壁を作るための型としての役割を果たすことが有利であると理解できる。
【0094】
埋立物の高さよりも大きい深さまで溝のセグメントを掘ること、即ち、ダイヤフラム壁を天然の土に固定するために、埋立物の下方に位置する天然の土においても溝のセグメントを掘ることが望ましい。ダイヤフラム壁のコンクリートが配置されたとき、連続壁により定義される空間内、即ち、モジュール内にある土壌を掘り出す。このとき、モジュールの底部に残留した土壌とモジュールの外側の面に位置する土との間で連続壁が遮断されるように、壁の高さの一部に亘って掘り出すことが望ましい。水域内に建設されたモジュールの外周の周りにある埋立物を、これらのモジュールが水に囲まれるように、掘り出すことが望ましい。構造物を設計するとき、潮による土壌の動き(泥でふさがれること及び押し流されること)に注意する必要がある。
【0095】
図8〜10を参照し、乾ドックまたはドライドックに関する本発明の港湾構造物の第2の実施形態についての詳細を説明する。
【0096】
この港湾構造物200は、地下に打ち込まれた円形の基部を有する一般的円柱形状をしていると共に、望ましくはダイヤフラム壁で作られたモジュール40を含む。別の形態において、基部が、楕円形、卵形、または、実質的な円形を有していてもよい。言い換えると、第1の実施形態のモジュールとは異なり、第2の実施形態のモジュールは湾曲したダイヤフラム壁のみで構成されている。以下にこの構成の利点を詳細に説明する。
【0097】
ドックを形成するのに適した前記モジュール40は、ダイヤフラム壁の上部に形成されていると共にモジュール40を水域40に連絡可能にする開口42を備えており、この例においてはドック46である。しかし、水域は、本発明の他のモジュール、本発明の第1の実施形態の構造物、または他の任意の水域であってもよい。
【0098】
モジュール40は、図8に示された、水を通さないように開口42を閉鎖する閉鎖手段48をさらに備えている。閉鎖手段48は、観音開きのゲート形状をしている。垂直な開放方式を有するスライディングゲート、または、他の任意の適切な防水ゲートを提供することも可能である。
【0099】
乾ドック200はまた、ボート50が係留可能な浮ドック台50を備えている。図8において分かるように、浮ドック台50は、モジュール40の内周をたどる円弧をなしていると共に、ボートが乾ドックに入ること及び乾ドックから出ることを可能にする開口54を備えている。浮ドック台50は、ドックの中心に向かって直角に延在する複数のボート係留着陸用埠頭56をさらに備えており、2つの連続する埠頭は協働しボート係留を定義する。
【0100】
乾ドック200はまた、ドック200の底部に配置されていると共に、図10に示されているように、防水閉鎖手段48によって、開口42が閉鎖されているときに前記ドックを空にすることが可能なポンプ手段58を備えている。ポンプ手段58は、ドックの底部で開口していると共に、ポンプ62及び隣接した水域44内に開口した排出パイプ64に接続されたチューブ60を備えている。
【0101】
図8〜10において分かるように、モジュール40の上部とドック200の底部との間で延在すると共に、モジュール40の内周に沿って延在する傾斜路66によって、自動車63がドック200の底部にアクセス可能である。
【0102】
乾ドック200が空の状態のとき、モジュール40のダイヤフラム壁に及ぼされる圧力は、ドックが満ちているときよりも大きいことが理解できる。ダイヤフラム壁の円筒形状によって、モジュール40は、空のときであっても土から及ぼされる力を受け止めるのに適している。この効果は、前記モジュール40の連続壁が実質的な円形である場合にさらに強調される。選択的に、本発明のドック200は、モジュール40のダイヤフラム壁の支持力を向上可能にする底形成厚板(図示せず)を備えていてもよい。
【0103】
さらに、浮ドック台50は、乾ドック200内にある水の深さに応じて垂直に移動するのに適している。このために、例えば、浮ドック台50に、水位より上方にとどまるようにする浮きを備えることが可能である。誘導手段(図示しない)、例えばダイヤフラム壁の内面に取り付けられたガイド、は垂直に移動しながら浮ドック台を誘導可能である。
【0104】
さらに、浮ドック台50は、乾ドックが空の状態であるときに浮ドック台50に係留されたボートを担持する手段を備えていることが望ましい。前記手段は、埠頭56の下方に取り付けられたクレードルの形をしており、係留所に位置したボートを担持するのに適している。乾ドック200が空のとき、浮ドック台50は、船底清掃されるボート52の船体を対応するクレードルで受けるために、ドックの底部より上方の特定の高さで保持されるように設けられている。当然、ボートを担持する前記手段は、本発明の要素でない他の乾ドックにおいても使用可能である。
【0105】
図8〜10を参照して記述された構造物はまた、サイクロンまたは熱帯性低気圧に関わる危険性からボートを保護する役割を果たすことができる。このために、ドックの水を空にする、または、水位を大幅に下げるのに十分である。
【0106】
図11は、本発明の港湾構造物の第3の実施形態の平面図を示したものである。この港湾構造物300は、海岸68に建設されていると共に、ボート用のアクセスチャンネルを形成した本発明のモジュール72を介して水域70に連絡するのに適したマリーナである。
【0107】
港湾構造物300の周囲には、地面に嵌め込まれていると共に端部76を介して相互接続された12個の円弧壁セグメント74で構成された連続壁73が備えられている。アクセスチャンネル72及び港湾構造物300は、連続壁に設けられた開口80を介して互いに連絡している。前記円弧壁セグメントは、ダイヤフラム壁によって、作られていることが望ましい。
【0108】
他の実施形態と同様に、円弧壁セグメントにより定義された内部空間は掘り出されておりドックを形成している。示されているように、円弧壁セグメント74は、それぞれの円弧壁セグメント74が、港湾構造物300がダイヤフラム壁73の外部に位置する土によって、及ぼされる圧力に抵抗可能となるアーチ形をなすように、港湾構造物300の内部に面した凹面78を有している。
【0109】
さらに、構造物300は、互いに直交する2つの対称軸S1,S2を有することが有利である。従って、互いに対称となる2つの円弧壁セグメントは、正反対且つ同一の大きさの力を受け、この構造物が受けるこれらの力は相殺されることが理解できる。軸S1に関して対称な2つの円弧セグメント間の力の負担力を高めるため、ドックの底部に沈んだ前記2つのセグメントの端部を補強ビームを介して互いに接続するようにしてもよい。
【0110】
図11において分かるように、連続壁73の内周には、浮ドック台82、及び、ボート86が係留可能な係留着陸用埠頭84が備えられている。埠頭84は、台82に関して直角に延在していることが望ましい。さらに、円弧壁セグメント74の端部76に関して直角に配置された浮ドック台88を追加的に提供することも可能である。
【0111】
ダイヤフラム壁で作られた港湾構造物を述べたが、このような港湾構造物を、本発明の範囲を超えないように、キャストパイルや補強されたコンクリートから作ることも可能である。キャスト及び望ましくは交差パイルから連続壁を作ることは、従来のダイヤフラム壁を作ることと技術的に全く等しい。
【0112】
本発明の建設方法はこのように、潮差とは無関係に利用可能であり、泥でふさがれるのを処理することに関して生態学的であり、且つ、良い建設コストパフォーマンスを提供する新しい場所に港の複合体を建設することが可能である。このような浮ドック台は、この港湾構造物の形状によって、得られる自己安定手段によって、大きな潮差に適応するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明のダイヤフラム壁の分解斜視図である。
【図2】4つのダイヤフラム壁の要素で構成された本発明の港湾構造物を個々に示した斜視図である。
【図3】海岸環境に組み入れられた図2の港湾構造物の斜視図である。
【図4】4つのダイヤフラム壁の要素で構成された本発明の港湾構造物の平面図であって、干潮時を示したものである。
【図5】4つのダイヤフラム壁の要素で構成された本発明の港湾構造物の側断面図であって、満潮時を示したものである。
【図6】図3の港湾構造物の平面図である。
【図7】図4の港湾構造物の側断面図である。
【図8】本発明の乾ドックを形成する壁要素の斜視図である。
【図9】図8の乾ドックの側断面図であって、満ちているときのドックを示したものである。
【図10】図8の乾ドックの側断面図であって、空の状態のドックを示したものである。
【図11】本発明の港湾構造物の第3の実施形態の平面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、海岸工学の分野に関し、より詳細には港湾工学に関する。本発明は、より具体的には、水域に連絡するのに適した港湾構造物の建設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水域とは、大洋、海、湖、ドック、港、またはその他におけるどんな水域であってもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
海岸や沿岸に港を建設する方法はすでに知られている。しかしながら一般的に、新しい港の場所の選択は、地形的及び環境的制約により制限される。港の建設の実現可能性は、通常、適切な自然の地形の存在に依存する。
【0004】
例えば、港を建設するための基礎として、停泊地、フィヨルド、または防波堤をその陸地に形成する必要がある。さらに、ある種の地形においては、港を建設することができない。具体的には、ローム性砂及びシルト質の土地においては、経済的に許容可能な条件下で埠頭を建設することができない。
【0005】
このように、港の建設に向いた場所は数に限りがあることが理解できる。
【0006】
また、文書US 3 124 935は周知であり、そこには、シートパイルの連続壁を有する港湾構造物が記載されており、当該壁は、凹面が港湾構造物より外側に面した複数のアーチで構成され、当該アーチの端部は、円筒形セル(cylindrical cell)に接続されている。
【0007】
本発明の第1の目的は、海岸線の地形や土地の種類に依存しない港湾構造物を提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、方法を実行することによって、得られる港湾構造物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、当該方法が、閉鎖した輪郭を有すると共に、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように凹面が前記構造物の内部に面した少なくとも1つの円弧壁セグメント、を備えた少なくとも1つの湾曲連続壁を地面の一部に作るステップと、前記連続壁により定義される空間の少なくとも一部を掘り出すステップと、前記空間を前記水域に連絡させることが可能な少なくとも1つの開口を前記連続壁に提供するステップとを備えていることによって、これらの目的を達成する。
【0010】
"地面の一部"という用語は、ここでは、壁を作ることが可能な任意の表面、即ち例えば、陸地の一部、埋立層、浜辺、海底、または他の任意の表面を意味する。ここで"湾曲"と記述された壁は、基本的に曲線で構成された輪郭を有する壁のことである。つまり、本発明によると、前記曲線の全長は壁の輪郭の全長の50%より大きくなっており、連続壁の自己安定性を高めるために、前記曲線の全長が、壁の輪郭の全長の75%より大きいことが望ましい。言い換えると、本発明の連続壁は、直線セグメントを有することが可能であるが、そのような直線セグメントの全長は、連続壁の輪郭の全長の50%(望ましくは25%)を超える必要がある。
【0011】
本発明において、港湾構造物は、単一の円弧壁セグメントを備えているとき、開口が設けられた円筒形状をしている。
【0012】
前記連続壁に開口を設けながら連続壁をつくり、その後連続壁により定義される空間の全てまたは一部を掘り出すことが望ましい。
【0013】
しかし、連続壁により定義される空間が掘り出された後で開口を設けることも可能である。本発明において、"連続壁"という用語は、1つのものとして作られる壁、及び、複数の部分によって、作られる、即ち連続壁セグメントを並置することによって、作られる連続壁の両方を含んでいる。
【0014】
さらに、連続壁は、実質的な垂直方向に地下まで延在することが望ましい。
【0015】
その結果、本発明によると、港湾構造物を、陸地においても水域においても同様に良好に建設可能である。従って、連続壁は、連続壁が水と陸地との間または水の2つの領域の間に中間面を形成するように完全または部分的に土(または同様の物質)または水に取り囲まれることが可能である。連続壁は、望ましくは連続壁の凸側で構成される連続壁の外周に配置された外部環境を保持可能な保持手段を形成していることが理解できる。
【0016】
本発明の実施において、前記壁を完全または部分的に水域に沈めるのに適するように、前記壁が作られる前記地面とは、前記水域の底部である。
【0017】
本発明の好適な実施例において、前記連続壁により定義された前記空間は、前記壁の高さの一部に亘って掘り出されている。
【0018】
壁の内部で定義された空間の全てが掘り出されていないため、壁が地面に固定されるように壁の下部が土に取り囲まれており、従って固定する深さは、掘り出され取り除かれていない壁の高さの当該一部と一致していることが理解できる。固定する最小の深さは、地形の種類、及び、連続壁のサイズに依存する。
【0019】
本発明の好適な実施例において、前記連続壁は、ダイヤフラム壁である。
【0020】
ダイヤフラム壁を作る技術はすでに知られており、基本的には、一般的に"ハイドロフレーズ"(Hydrofraise)油圧溝カッターや他の地下溝掘削装置を使用して溝セグメントを掘ると共に、側部を支持するためにその溝に泥を充填し、その後、壁要素またはパネルを作るために前記溝セグメントにコンクリートを打つ。その後、連続壁の他のセグメントを作るために、すでに形成された溝セグメントに隣接して他の溝を掘る。所望の形の連続壁が得られるまでこのプロセスが繰り返される。ダイヤフラム壁を作る技術を用いることによって、具体的には湾曲した輪郭のようなどんな形及び輪郭の連続壁も複数の部分で作ることが容易である。
【0021】
他の実施例において、前記連続壁は複数のキャストパイル(cast pile)で構成されている。
【0022】
キャストパイルを作る技術はすでに知られており、例えばらせん状の刃先(auger)を用いて地面に孔をあけ、その孔にコンクリートを充填する。また、刃先を引き出す間定期的に孔内にコンクリートを注入することを可能とするチューブを備えた刃先を使用してもよい。連続的な壁を作るため、例えば、相交わらない2つの主キャストパイルを作り、その後コンクリートを準備した後、それら2つの主パイルに対して補助的な1つの孔をあけ、それにコンクリートを充填することが可能である。適切な防水カバーによって、互いに接続された相交わらないパイルを作ることも可能である。所望の形の連続壁が得られるまでこのプロセスが繰り返される。
【0023】
他の実施例において、前記連続壁は、補強されたコンクリートで構成されている。
【0024】
この技術はすでに知られており、基本的には、コンクリートが鋳造される前に補強部材を備えた型枠を形成する。上述のダイヤフラム壁及びキャストパイル技術において、湾曲した輪郭を有する連続壁は、複数の短い個別セグメントで構成されており、2つの隣接した個別セグメントは互いに対して僅かに傾斜していることが理解できる。本発明において、湾曲壁の個別セグメントは、直線セグメントを構成しておらず、連続壁の直線セグメントの全長を算出する際には考慮されない。具体的には、湾曲連続壁がダイヤフラム壁であるとき、湾曲セグメントは、互いに対して傾斜していると共に並置された複数の直線パネルで構成されており、それぞれのパネルは、湾曲セグメントが並置された直線パネルの外枠に一致するように、連続壁の全長に比べて短い長さを有することが理解できる。
【0025】
本発明の範囲を超えないように、上記の4つの技術を組み合わせることによって、連続壁を作ることが可能である。
【0026】
上述の技術の利点は、岩の多い所から泥深いところまたは砂の多い所まで、幅広い種類の地形において、連続壁を作るのが容易なことである。本発明の方法の利点は、港湾構造物を、従来の港建設に向かない土地、または少なくとも従来の港建設ではコストが高くなる土地に作るのが容易なことであることが理解できる。
【0027】
ダイヤフラム壁に設けられた開口は、壁の高さの全てまたは一部に亘って延在してよい。開口は、港湾構造物の底部から測定して壁の高さよりも低い高さを有することが望ましい。さらに、本発明によると、開口の幅は壁の周囲に比べて小さいことが望ましいが、いかなる開口の幅も考案可能である。
【0028】
前記開口は、前記連続壁の上部に形成された切り欠き状になっていることが望ましい。
【0029】
前記切り欠きは、切り欠きがV字形、台形、または階段状となるように、垂直であるか傾斜していてもよい側端を有しており、その台形の小さい方の底は、大きい方の底より下方に位置している。
【0030】
一度港湾構造物が建設されると、その内部空間には、例えばポンプを使用することによって、及び/または水域に連絡する開口を介して水が満たされる。一度港湾構造物が満たされると、開口は、ボートが水域と港湾構造物の内部との間を通過することを可能にするアクセスを形成することが理解できる。当然、開口の深さは、港湾構造物が受けるボートの喫水 (draught)に応じて変わる。
【0031】
上を読むと、本発明の港湾構造物は陸地に建設可能であることが理解できる。
【0032】
本発明によると、水域、または、少なくとも水域の一部及び海岸の一部に、港湾構造物を建設することも可能である。そのために、有利には、海岸から前記水域の方に延在する埋立物を配置すること、及び、前記埋立物の少なくとも一部において、前記連続壁を作ることから成る追加的なステップが実行される。
【0033】
埋立物は、連続壁を作るための型のようなものを構成していることが有利である。
【0034】
本発明の好適な実施形態において、連続壁は、ダイヤフラム壁または複数のキャストパイルで作られている。
【0035】
海岸の一部及び水域の一部に配置される連続壁を作るために、壁の一部は海岸において、作られると共に他の部分は埋立物において、作られることが理解できる。
【0036】
本発明の好適な実施例において、港湾構造物が地面に固定されるように、連続壁は海底の深さよりも深い深さまで延在している。さらに、本発明において、連続壁により定義された空間は、海底の深さよりも深い深さまで、連続壁に一致するように垂直に掘り出されてよい。
【0037】
前記開口が、前記埋立物において、作られた連続壁の前記一部に設けられており、前記埋立物は、前記空間が前記水域に連絡するように少なくとも前記開口に一致する部分が掘り出されていることが望ましい。
【0038】
従って、掘り出された埋立物は、連続壁により定義される空間の内部に位置する埋立物に加えて連続壁の外周に位置する埋立物であることが理解できる。
【0039】
水域の底部に埋立物が配置されるため、埋立物が掘り出されるとき、その埋立物において、作られた連続壁の一部は水に取り囲まれる。状況次第では、港湾構造物の保護、且つ、壁の自己安定性を高める手段として、埋立物の少なくとも一部を残しておくことが有利である。
【0040】
水から壁の当該一部の外周に及ぼされる圧力は、土から及ぼされる圧力よりも小さいため、埋立物を掘り出すことによって、連続壁が受ける力を減らすことが可能であることが有利である。
【0041】
本発明はまた、閉鎖した輪郭を有すると共にドックを形成するのに適しており、水域に連絡する少なくとも1つの開口を備えることによって、ボートを通過可能にする少なくとも1つの湾曲連続壁を備えた港湾構造物であって、前記連続壁は、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように凹面が前記構造物の内部に面した少なくとも1つの円弧壁セグメントを備えていることを特徴とする港湾構造物を提供する。
【0042】
連続壁はダイヤフラム壁として作られることが望ましいが、キャストパイルまたは補強されたコンクリートで作られてもよい。
【0043】
好適な実施形態において、連続壁は、ドックの深さが壁の全高よりも小さくなるように地面に固定されている。さらに、"連続"と記載されている壁は、接合するという観点で連続している壁も含んでいる。
【0044】
前記連続壁は、円筒形状であることが有利である。
【0045】
本発明によると、"円筒形状"や"円柱形状"とは、最も広い意味で解釈される。即ち、この例においては閉鎖した"準線(directrix)"の曲線を定義する平行な直線の一群を示している。準線は、変形した楕円形、卵形、または他の任意の閉鎖した曲線を形成する。
【0046】
好適な実施形態において、連続壁は、楕円形または円形基部を有する円柱形状をしている。
【0047】
言い換えると、この例において、準線とは、ドックが円形または楕円形となるような楕円または円である。円形の輪郭を有するドックの利点は、連続壁を押圧する正反対の力を受け止めることが可能なことである。
【0048】
その結果、この特有の形状によって、円筒形、楕円形、または円形の連続壁を支持する追加的な手段を省略できる。言い換えると、このような連続壁は、安定性を確保するために支持手段を追加する必要がないという点で自己安定性がある。さらに、このような自己安定性は、連続壁が陸地に配置されるとき、及び、水域に配置されるときの両方において、存在することが理解できる。
【0049】
前記連続壁は、端部を介して互いに接続された複数の円弧壁セグメントを備えており、前記円弧壁セグメントは、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように前記構造物の内部に面した凹面を有することが有利である。
【0050】
円弧壁を並置することによって、広域に亘って延在する港湾構造物を建設することも可能である。
【0051】
港湾構造物は、対称を成す円弧壁に及ぼされる力を受け止めるのに適するように少なくとも1つの対称面を有することが望ましい。
【0052】
このために、2つの対称円弧壁の端部は、例えば、ビームなどの受力要素を介して相互接続されていることが有利である。
【0053】
特に有利な本発明の実施形態においては、前記ドック形成連続壁は、水域から水を通さないように前記壁を閉鎖するのに適した閉鎖手段を備えている。
【0054】
前記閉鎖手段は、前記開口を閉鎖するのに適したゲートを備えていることが望ましい。前記ゲートは、開口を閉鎖するように垂直に移動するのに適したパネルを備えていることがさらに望ましい。
【0055】
港湾構造物は、含まれるのに適した前記ドックの水を空にするポンプ手段をさらに備えていることが有利である。
【0056】
当然、ポンプ手段は、一度開口が閉鎖されると起動するように設計されている。連続壁は、構造物が、ダイヤフラム壁の凸側の側面に位置する土から及ぼされると共にドックが空のとき特に大きくなる圧力に抵抗できるように、円を描く準線を有する円柱形状をしていることが望ましい。
【0057】
選択的に、ドックの底部に底形成厚板を作り、それにより連続壁の支持力を高めるようにしてもよい。このようなドックは、乾ドックまたはドライドック型の構造物を建設するための基礎となることが有利である。
【0058】
このような構造物は、前記ドックの上部から下部まで前記ドックの内周に沿って延在する傾斜路をさらに備えていることが有利である。
【0059】
この例において、傾斜路の幅は、自動車が前記ドックが空の状態のときにドックの底部にアクセス可能となるのに十分な大きさに設けられている。
【0060】
前記構造物は、前記ドック内に含まれた水の深さに応じて垂直に移動するのに適した少なくとも1つの浮ドック台をさらに備えていることが有利である。
【0061】
浮ドック台は、連続壁と協働する誘導手段によって、移動しながら誘導される。浮ドック台は、浮ドック台をドック内に含まれた水の水位より上に保つことが可能な浮き手段を備えていることが望ましい。
【0062】
本発明の乾ドックは、浮ドック台に係留されたボートと協働するのに適した少なくとも1つのクレードルと、ドックが空の状態になったときにボートを担持するために、ドックを空にしながら前記手段がボートの下にクレードルを配置するように、クレードルを配置する手段とを備えていることが望ましい。
【0063】
有利な実施形態においては、本発明の港湾構造物は、閉鎖した輪郭を有すると共にドックを形成するのに適しており、開口を介して互いに連絡する複数のドックを形成した複数の連続壁を備えている。
【0064】
この実施形態において、港湾構造物はボート用のアクセスチャンネル(access channel)を形成するのに適していることが理解できる。
【0065】
言い換えると、前記複数の連続壁は、ボートがそれぞれの前記連続壁に設けられた開口を逐次通過することによって、前記水域にアクセス可能となるアクセスチャンネルを形成する。
【0066】
本発明の連続壁は水域または地面に作ることができるため、本発明によって、海岸から離れた水域から内陸にある領域まで延在した経路を容易に建設可能であることが理解できる。その経路の前記連続壁のうちの1つは、前記水域に沈んだ部分を有することが望ましい。この壁は、水域にある経路の端部に位置した連続壁であることが望ましい。
【0067】
この例において、この端壁は、沈んだ部分に形成されていると共に、水域とアクセスチャンネルとの間に主連絡通路を形成する開口を備えている。チャンネルは、前記部分が常に、特に例えば水域が大洋である場合は干潮時に、浸水することを保証するのに十分な長さを有することが望ましい。
【0068】
本発明は、以下の非限定的な実施形態の詳細な説明を読むことでより理解することが可能であると共に、本発明の効果がより明確となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
以下に続く本発明の好適な実施形態の説明において、連続壁はダイヤフラム壁(diaphragm wall)である。しかしながら、上述のように、他の建設技術を考案することも可能である。
【0070】
本発明において、定義される港湾構造物の概念は、組み合わされることでより複雑な港湾構造物を構成することが当然可能な複数の実施形態に組み入れることが可能である。本発明は具体的には、これらに限られないが、マリーナ、乾ドック、及び、アクセスチャンネルを建設することを可能とする。
【0071】
さらに、本発明の港湾構造物は、モジュール式のもの(modular)であるという利点を提供する。本発明の港湾構造物は、相互接続されたドックを形成する1または複数のモジュールを備えていてもよい。
【0072】
図1は、本発明における個別モジュール10の一実施形態の分解斜視図であって、当該モジュールは、2つの直線ダイヤフラム壁セグメント16,18を介して相互接続された2つの円弧ダイヤフラム壁セグメント12,14を備えたダイヤフラム壁で構成されている。しかしながら、直線セグメントは全く任意のものである。いずれにしても、直線セグメントの全長は、モジュール10の輪郭の全長の25%よりも小さい。
【0073】
ダイヤフラム壁の建設技術はすでに知られており、ここでは詳細を説明しない。
【0074】
以下に説明するように、本発明はこの実施形態に限られず、モジュールは、具体的には、これに限らないが円形基部(または円形準線)を有する円筒形状などの、他のいかなる形状を有していてもよい。モジュールは通常、10メートル(m)から100mの範囲内にある幅(または直径)を有することが可能である。特定の場合においては、その幅や直径が100mよりかなり大きくてもよい。
【0075】
図2において分かるように、個別モジュールは、実質的に楕円形の閉鎖した輪郭を有する湾曲連続壁を形成している。
【0076】
図1に示された例において、円弧壁12,14の高さHは、モジュール10がドック形成モジュール10の上部に設けられる2つの開口20,22を有するように、直線壁セグメント16,18の高さh1,h2よりも高くなっている。円弧壁セグメントの全高Hは、5mから40mの範囲内にあると共に、壁の通常の厚さは20センチ(cm)から200cmの範囲内にあることが望ましい。しかしながら、200cmより大きくてもよい。開口20,22それぞれは、切り欠き状になっていることが分かる。
【0077】
図2には、本発明の4つのモジュール10,10a,10b,10cのアセンブリで構成された本発明の港湾構造物100の第1の実施形態が示されている。第1、第2、第3モジュール、10,10a,10bは、同一のものであって、各モジュールには、それぞれ20,22、20a,22a、20b,22bとして参照される2つの開口が設けられているのに対して、第4モジュール10cには単一の開口20cのみが備えられていることが分かる。
【0078】
図2において分かるように、これらのモジュールは、2つの隣接モジュールの直線壁セグメントが互いに接触するように隣り合って配置されている。従って、2つの隣接モジュールの開口は、2つの隣接モジュールの間に通路を形成するように実質的に一致している。
【0079】
図3は、建設される海岸環境に組み入れられた港湾構造物100の第1の実施形態を示したものである。以下にこのような構造物の建設方法を詳細に説明する。
【0080】
図3に示された海岸環境は、海岸24、浜辺26、及び、この例では大洋である水域28を備えている。この第1の実施形態において、港湾構造物は、水域と海岸との間に延在し、第1モジュールにおける開口20を介して水域に連絡していることが分かる。
【0081】
図3において分かるように、第2、第3、第4モジュール、10a,10g,10cが、地下に打ち込まれているのに対して、第1モジュール10は、水域28内に沈んでいる。さらに、第2、第3モジュール、10a,10bは浜辺に建設されているのに対して、第4モジュールは、潮に関わらず決して浸水しない海岸に建設されている。
【0082】
第1モジュールにおける開口20によって、港湾構造物100の内部空間が水域に連絡し、それによって、具体的には、港湾構造物が適当な場所に配置されている状態であれば港湾構造物100を水で充満させることが可能であることが分かる。
【0083】
加えて、図3において分かるように、前記開口20は、ボート32が本発明の構造物に入ることまたは構造物から出ることを可能とするのに十分な深さに浸水した底縁30を有する。構造物の自己安定性を保護及び/または補強するために埋立てを利用してもよい。この実施形態において、第4モジュールは、ボートをドッキングするためのドックを形成し、浮ドック台(図示しない)を備えることが可能である。
【0084】
また、本発明によると、ボート32は、この例において、第4モジュール10cにアクセスするためのアクセスチャンネルを形成する第1、第2、第3モジュールを通過することによって、第4モジュールに到達することが可能であることが分かる。
【0085】
図3に示すように、本発明の構造物は、干潮時であっても、第1モジュールの開口20が常に浸水しているため、潮に関係なくボートがアクセスチャンネルに入ることを可能にする。特に地形が急傾斜である場合は、本発明の範囲を超えないように、ロックを介して2つの隣接モジュールを互いに接続可能であることが有利である。
【0086】
図4は、干潮時における港湾構造物100の断面図であって、垂直面が水域28と海岸24との間に延在している。一方、図5は、満潮時における同一の図面である。両図面において、破線は構造物100の両側における地表面を表していると共に、N1及びN2は干潮時及び満潮時それぞれにおける第4モジュールでの水位を表している。
【0087】
これら2つの図面において分かるように、各モジュール10,10a,10b,10cのダイヤフラム壁は、ダイヤフラム壁セグメント12,14,16,18が、ドックの底部の深さよりも深い深さまで垂直に延在していることによって、地面に固定されていることが有利である。
【0088】
さらに、本発明によると、設けられるモジュールの数は、末端のモジュール(この例では第1モジュール)の開口20が水中で常に、潮に関係なくボートが経路に入ること及び経路から出ることを可能とするのに十分な深さにある状態とするものであることが理解できる。さらに、開口22,20a、22a,20b、22b,20cを並置することで構成される通路は、それぞれの底部が水中で常に、ボートが干潮時に前記通路を通過可能とするのに十分な深さにある状態となるようなサイズとなっている。
【0089】
図5において分かるように、第1モジュール10は満潮時に浸水している。
安全上の理由により、開口20の位置を示すビーコンを加えてもよい。
【0090】
このように、モジュールを並置することによって、天然深海域まで導くことが有利であることが理解できる。具体的には、開口が連続壁の上部に設けられているので、モジュールを互いにまとめることによって、弱い力学特性を有する土はモジュール内に侵入できず、深海経路が泥でふさがる(沈殿によって、生じたものではない泥)のを防ぐことが可能である。また、経路の長さ、幅、及び、深さは、浜辺の傾斜に応じて変化し、所望の天然深海域まで到達するために必要な数のモジュールを設けることによって、いかなる構成にも適合するように調整可能であることが理解できる。
【0091】
図6及び7は、本発明の第1の実施形態の平面図であって、それぞれ干潮時及び満潮時にボート32が経路に侵入するところを概略的に示したものである。本発明に従って、経路は以下のような方法で建設されることが有利である。
【0092】
海岸24から潮に関係なく常に浸水する水域28まで、埋立層34を底部に配置する。埋立物34(図6及び7の破線で示されている)は、水域28の水面よりも高い高さまで上昇した陸地の岬形状をしている。そして、埋立物を、水域の方へ海岸を延長する台地を形成するようにその全長に亘って平板化する。地面が急傾斜しているときは、異なる高さを有する複数の台地を形成し、それによって、段地を形成することも可能である。壁はまた、艀から作られていてもよい。
【0093】
次の段階では、海岸24の埋立物及び地面の両方において、図2に示された4つの並置モジュールを形成するように、複数のダイヤフラム壁セグメントを作る。このように、埋立物は、具体的には浜辺26及び水域28において、ダイヤフラム壁を作るための型としての役割を果たすことが有利であると理解できる。
【0094】
埋立物の高さよりも大きい深さまで溝のセグメントを掘ること、即ち、ダイヤフラム壁を天然の土に固定するために、埋立物の下方に位置する天然の土においても溝のセグメントを掘ることが望ましい。ダイヤフラム壁のコンクリートが配置されたとき、連続壁により定義される空間内、即ち、モジュール内にある土壌を掘り出す。このとき、モジュールの底部に残留した土壌とモジュールの外側の面に位置する土との間で連続壁が遮断されるように、壁の高さの一部に亘って掘り出すことが望ましい。水域内に建設されたモジュールの外周の周りにある埋立物を、これらのモジュールが水に囲まれるように、掘り出すことが望ましい。構造物を設計するとき、潮による土壌の動き(泥でふさがれること及び押し流されること)に注意する必要がある。
【0095】
図8〜10を参照し、乾ドックまたはドライドックに関する本発明の港湾構造物の第2の実施形態についての詳細を説明する。
【0096】
この港湾構造物200は、地下に打ち込まれた円形の基部を有する一般的円柱形状をしていると共に、望ましくはダイヤフラム壁で作られたモジュール40を含む。別の形態において、基部が、楕円形、卵形、または、実質的な円形を有していてもよい。言い換えると、第1の実施形態のモジュールとは異なり、第2の実施形態のモジュールは湾曲したダイヤフラム壁のみで構成されている。以下にこの構成の利点を詳細に説明する。
【0097】
ドックを形成するのに適した前記モジュール40は、ダイヤフラム壁の上部に形成されていると共にモジュール40を水域40に連絡可能にする開口42を備えており、この例においてはドック46である。しかし、水域は、本発明の他のモジュール、本発明の第1の実施形態の構造物、または他の任意の水域であってもよい。
【0098】
モジュール40は、図8に示された、水を通さないように開口42を閉鎖する閉鎖手段48をさらに備えている。閉鎖手段48は、観音開きのゲート形状をしている。垂直な開放方式を有するスライディングゲート、または、他の任意の適切な防水ゲートを提供することも可能である。
【0099】
乾ドック200はまた、ボート50が係留可能な浮ドック台50を備えている。図8において分かるように、浮ドック台50は、モジュール40の内周をたどる円弧をなしていると共に、ボートが乾ドックに入ること及び乾ドックから出ることを可能にする開口54を備えている。浮ドック台50は、ドックの中心に向かって直角に延在する複数のボート係留着陸用埠頭56をさらに備えており、2つの連続する埠頭は協働しボート係留を定義する。
【0100】
乾ドック200はまた、ドック200の底部に配置されていると共に、図10に示されているように、防水閉鎖手段48によって、開口42が閉鎖されているときに前記ドックを空にすることが可能なポンプ手段58を備えている。ポンプ手段58は、ドックの底部で開口していると共に、ポンプ62及び隣接した水域44内に開口した排出パイプ64に接続されたチューブ60を備えている。
【0101】
図8〜10において分かるように、モジュール40の上部とドック200の底部との間で延在すると共に、モジュール40の内周に沿って延在する傾斜路66によって、自動車63がドック200の底部にアクセス可能である。
【0102】
乾ドック200が空の状態のとき、モジュール40のダイヤフラム壁に及ぼされる圧力は、ドックが満ちているときよりも大きいことが理解できる。ダイヤフラム壁の円筒形状によって、モジュール40は、空のときであっても土から及ぼされる力を受け止めるのに適している。この効果は、前記モジュール40の連続壁が実質的な円形である場合にさらに強調される。選択的に、本発明のドック200は、モジュール40のダイヤフラム壁の支持力を向上可能にする底形成厚板(図示せず)を備えていてもよい。
【0103】
さらに、浮ドック台50は、乾ドック200内にある水の深さに応じて垂直に移動するのに適している。このために、例えば、浮ドック台50に、水位より上方にとどまるようにする浮きを備えることが可能である。誘導手段(図示しない)、例えばダイヤフラム壁の内面に取り付けられたガイド、は垂直に移動しながら浮ドック台を誘導可能である。
【0104】
さらに、浮ドック台50は、乾ドックが空の状態であるときに浮ドック台50に係留されたボートを担持する手段を備えていることが望ましい。前記手段は、埠頭56の下方に取り付けられたクレードルの形をしており、係留所に位置したボートを担持するのに適している。乾ドック200が空のとき、浮ドック台50は、船底清掃されるボート52の船体を対応するクレードルで受けるために、ドックの底部より上方の特定の高さで保持されるように設けられている。当然、ボートを担持する前記手段は、本発明の要素でない他の乾ドックにおいても使用可能である。
【0105】
図8〜10を参照して記述された構造物はまた、サイクロンまたは熱帯性低気圧に関わる危険性からボートを保護する役割を果たすことができる。このために、ドックの水を空にする、または、水位を大幅に下げるのに十分である。
【0106】
図11は、本発明の港湾構造物の第3の実施形態の平面図を示したものである。この港湾構造物300は、海岸68に建設されていると共に、ボート用のアクセスチャンネルを形成した本発明のモジュール72を介して水域70に連絡するのに適したマリーナである。
【0107】
港湾構造物300の周囲には、地面に嵌め込まれていると共に端部76を介して相互接続された12個の円弧壁セグメント74で構成された連続壁73が備えられている。アクセスチャンネル72及び港湾構造物300は、連続壁に設けられた開口80を介して互いに連絡している。前記円弧壁セグメントは、ダイヤフラム壁によって、作られていることが望ましい。
【0108】
他の実施形態と同様に、円弧壁セグメントにより定義された内部空間は掘り出されておりドックを形成している。示されているように、円弧壁セグメント74は、それぞれの円弧壁セグメント74が、港湾構造物300がダイヤフラム壁73の外部に位置する土によって、及ぼされる圧力に抵抗可能となるアーチ形をなすように、港湾構造物300の内部に面した凹面78を有している。
【0109】
さらに、構造物300は、互いに直交する2つの対称軸S1,S2を有することが有利である。従って、互いに対称となる2つの円弧壁セグメントは、正反対且つ同一の大きさの力を受け、この構造物が受けるこれらの力は相殺されることが理解できる。軸S1に関して対称な2つの円弧セグメント間の力の負担力を高めるため、ドックの底部に沈んだ前記2つのセグメントの端部を補強ビームを介して互いに接続するようにしてもよい。
【0110】
図11において分かるように、連続壁73の内周には、浮ドック台82、及び、ボート86が係留可能な係留着陸用埠頭84が備えられている。埠頭84は、台82に関して直角に延在していることが望ましい。さらに、円弧壁セグメント74の端部76に関して直角に配置された浮ドック台88を追加的に提供することも可能である。
【0111】
ダイヤフラム壁で作られた港湾構造物を述べたが、このような港湾構造物を、本発明の範囲を超えないように、キャストパイルや補強されたコンクリートから作ることも可能である。キャスト及び望ましくは交差パイルから連続壁を作ることは、従来のダイヤフラム壁を作ることと技術的に全く等しい。
【0112】
本発明の建設方法はこのように、潮差とは無関係に利用可能であり、泥でふさがれるのを処理することに関して生態学的であり、且つ、良い建設コストパフォーマンスを提供する新しい場所に港の複合体を建設することが可能である。このような浮ドック台は、この港湾構造物の形状によって、得られる自己安定手段によって、大きな潮差に適応するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明のダイヤフラム壁の分解斜視図である。
【図2】4つのダイヤフラム壁の要素で構成された本発明の港湾構造物を個々に示した斜視図である。
【図3】海岸環境に組み入れられた図2の港湾構造物の斜視図である。
【図4】4つのダイヤフラム壁の要素で構成された本発明の港湾構造物の平面図であって、干潮時を示したものである。
【図5】4つのダイヤフラム壁の要素で構成された本発明の港湾構造物の側断面図であって、満潮時を示したものである。
【図6】図3の港湾構造物の平面図である。
【図7】図4の港湾構造物の側断面図である。
【図8】本発明の乾ドックを形成する壁要素の斜視図である。
【図9】図8の乾ドックの側断面図であって、満ちているときのドックを示したものである。
【図10】図8の乾ドックの側断面図であって、空の状態のドックを示したものである。
【図11】本発明の港湾構造物の第3の実施形態の平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水域に連絡するのに適した港湾構造物の建設方法であって、
閉鎖した輪郭を有すると共に、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように凹面が前記構造物の内部に面した少なくとも1つの円弧壁セグメント、を備えた少なくとも1つの湾曲連続壁を地面の一部に作るステップと、
前記連続壁により定義される空間の少なくとも一部を掘り出すステップと、
前記空間を前記水域に連絡させることが可能な少なくとも1つの開口を前記連続壁に提供するステップとを備えた方法。
【請求項2】
前記壁が作られる前記地面は、前記水域の底部であることを特徴とする請求項1に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項3】
前記連続壁により定義された前記空間は、前記壁の高さの一部に亘って掘り出されていることを特徴とする請求項1または2に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項4】
前記連続壁は、ダイヤフラム壁であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項5】
前記連続壁は、複数のキャストパイルで構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項6】
前記連続壁は、補強されたコンクリートで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項7】
前記開口は、前記連続壁の上部に形成された切り欠き状になっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項8】
海岸から前記水域の方に延在する埋立物を配置するステップと、
前記埋立物の少なくとも一部において、前記連続壁を作るステップとをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項9】
前記開口が、前記埋立物において、作られた連続壁の前記一部に設けられており、
前記埋立物は、前記空間が前記水域に連絡するように少なくとも前記開口に一致する部分が掘り出されていることを特徴とする請求項8に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の建設方法を実行することによって、得られる港湾構造物。
【請求項11】
閉鎖した輪郭を有すると共にドックを形成するのに適しており、水域に連絡する少なくとも1つの開口を備えることによって、ボートを通過可能にする少なくとも1つの湾曲連続壁を備えた港湾構造物であって、
前記連続壁は、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように凹面が前記構造物の内部に面した少なくとも1つの円弧壁セグメントを備えていることを特徴とする港湾構造物。
【請求項12】
前記連続壁は、ダイヤフラム壁であることを特徴とする請求項11に記載の港湾構造物。
【請求項13】
前記連続壁は、複数のキャストパイルで構成されていることを特徴とする請求項11または12に記載の港湾構造物。
【請求項14】
前記連続壁は、補強されたコンクリートで構成されていることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項15】
前記連続壁は、円筒形状であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項16】
前記連続壁は、円形基部を有する円筒形状であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項17】
前記連続壁は、端部を介して互いに接続された複数の円弧壁セグメントを備えており、
前記円弧壁セグメントは、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように前記構造物の内部に面した凹面を有することを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項18】
前記ドック形成連続壁は、水域から水を通さないように前記壁を閉鎖するのに適した閉鎖手段を備えていることを特徴とする請求項11〜17のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項19】
含まれるのに適した前記ドックの水を空にするポンプ手段をさらに備えていることを特徴とする請求項18に記載の港湾構造物。
【請求項20】
前記ドックの上部から下部まで前記ドックの内周に沿って延在する傾斜路をさらに備えていることを特徴とする請求項18または19に記載の港湾構造物。
【請求項21】
前記ドック内に含まれた水の深さに応じて垂直に移動するのに適した少なくとも1つの浮ドック台をさらに備えていることを特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項22】
閉鎖した輪郭を有すると共にドックを形成するのに適しており、開口を介して互いに連絡する複数のドックを形成した複数の連続壁を備えていることを特徴とする請求項11〜21のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項23】
前記複数の連続壁は、ボートがそれぞれの前記連続壁に設けられた開口を逐次通過することによって、前記水域にアクセス可能となるアクセスチャンネルを形成することを特徴とする請求項22に記載の港湾構造物。
【請求項24】
前記連続壁のうちの1つは、前記水域に沈んだ部分を有することを特徴とする請求項22または23に記載の港湾構造物。
【請求項1】
水域に連絡するのに適した港湾構造物の建設方法であって、
閉鎖した輪郭を有すると共に、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように凹面が前記構造物の内部に面した少なくとも1つの円弧壁セグメント、を備えた少なくとも1つの湾曲連続壁を地面の一部に作るステップと、
前記連続壁により定義される空間の少なくとも一部を掘り出すステップと、
前記空間を前記水域に連絡させることが可能な少なくとも1つの開口を前記連続壁に提供するステップとを備えた方法。
【請求項2】
前記壁が作られる前記地面は、前記水域の底部であることを特徴とする請求項1に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項3】
前記連続壁により定義された前記空間は、前記壁の高さの一部に亘って掘り出されていることを特徴とする請求項1または2に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項4】
前記連続壁は、ダイヤフラム壁であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項5】
前記連続壁は、複数のキャストパイルで構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項6】
前記連続壁は、補強されたコンクリートで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項7】
前記開口は、前記連続壁の上部に形成された切り欠き状になっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項8】
海岸から前記水域の方に延在する埋立物を配置するステップと、
前記埋立物の少なくとも一部において、前記連続壁を作るステップとをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項9】
前記開口が、前記埋立物において、作られた連続壁の前記一部に設けられており、
前記埋立物は、前記空間が前記水域に連絡するように少なくとも前記開口に一致する部分が掘り出されていることを特徴とする請求項8に記載の港湾構造物の建設方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の建設方法を実行することによって、得られる港湾構造物。
【請求項11】
閉鎖した輪郭を有すると共にドックを形成するのに適しており、水域に連絡する少なくとも1つの開口を備えることによって、ボートを通過可能にする少なくとも1つの湾曲連続壁を備えた港湾構造物であって、
前記連続壁は、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように凹面が前記構造物の内部に面した少なくとも1つの円弧壁セグメントを備えていることを特徴とする港湾構造物。
【請求項12】
前記連続壁は、ダイヤフラム壁であることを特徴とする請求項11に記載の港湾構造物。
【請求項13】
前記連続壁は、複数のキャストパイルで構成されていることを特徴とする請求項11または12に記載の港湾構造物。
【請求項14】
前記連続壁は、補強されたコンクリートで構成されていることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項15】
前記連続壁は、円筒形状であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項16】
前記連続壁は、円形基部を有する円筒形状であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項17】
前記連続壁は、端部を介して互いに接続された複数の円弧壁セグメントを備えており、
前記円弧壁セグメントは、前記構造物の外面に対してアーチ作用を提供するように前記構造物の内部に面した凹面を有することを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項18】
前記ドック形成連続壁は、水域から水を通さないように前記壁を閉鎖するのに適した閉鎖手段を備えていることを特徴とする請求項11〜17のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項19】
含まれるのに適した前記ドックの水を空にするポンプ手段をさらに備えていることを特徴とする請求項18に記載の港湾構造物。
【請求項20】
前記ドックの上部から下部まで前記ドックの内周に沿って延在する傾斜路をさらに備えていることを特徴とする請求項18または19に記載の港湾構造物。
【請求項21】
前記ドック内に含まれた水の深さに応じて垂直に移動するのに適した少なくとも1つの浮ドック台をさらに備えていることを特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項22】
閉鎖した輪郭を有すると共にドックを形成するのに適しており、開口を介して互いに連絡する複数のドックを形成した複数の連続壁を備えていることを特徴とする請求項11〜21のいずれか一項に記載の港湾構造物。
【請求項23】
前記複数の連続壁は、ボートがそれぞれの前記連続壁に設けられた開口を逐次通過することによって、前記水域にアクセス可能となるアクセスチャンネルを形成することを特徴とする請求項22に記載の港湾構造物。
【請求項24】
前記連続壁のうちの1つは、前記水域に沈んだ部分を有することを特徴とする請求項22または23に記載の港湾構造物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2009−515073(P2009−515073A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539477(P2008−539477)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【国際出願番号】PCT/FR2006/051146
【国際公開番号】WO2007/054654
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(502195112)コンパニー ドゥ ソル (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【国際出願番号】PCT/FR2006/051146
【国際公開番号】WO2007/054654
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(502195112)コンパニー ドゥ ソル (7)
【Fターム(参考)】
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