説明

湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ

【課題】使用が簡単で廃棄物を減少でき、キャップを必要としない、液体流出防止機能付バッグの提供。
【解決手段】湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ1は、2枚の外フィルム2a、2b、2枚の内フィルム1a、1b、貯蔵区域4、湾曲部84、入口81、出口82を備えた排出路8、切開部10を含み、そのうち貯蔵区域はヒートシール手段で2枚の外フィルムを融着して形成され、2枚の内フィルムが2枚の外フィルムの間に介在されて、ヒートシール手段で2枚の外フィルムと2枚の内フィルムが融着されて排出路が形成されるか、排出路がヒートシール手段で2枚の内フィルムを融着して2枚の内フィルムの間に形成され、かつヒートシールで2枚の内フィルム内面が融着されない方法で入口及び出口が形成され、切開部が2枚の内フィルムと2枚の外フィルムの一側に位置し、切開部を2枚の内フィルムから離脱させると排出路の出口が露出される構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体容器の構造に関し、特に湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグに関する。
【背景技術】
【0002】
市販の飲料や液体状の食品、掃除用品などは、主にキャップを備えた缶やプラスチックペットボトルを容器をして用いているが、現在よく見受けられるペットボトルは一体成型のボトルであり、ボトル11内に液体を収容できる空間があり、ボトル上方に開口が設置され、開口から液体を注いだり、ストローを挿入して飲用することができる。毎年全世界で使用されるペットボトル容器は一千億を超え、使用と廃棄が環境に大きな打撃を与えており、特に空ボトルの輸送、廃棄、リサイクル等の問題は、後続処理が非常に不便である。
【0003】
また、環境保護の議題に呼応するため、軟質バッグ内に液体を収容できる構造もある。使用者がこの液体を飲用または使用するときは、この軟質バッグを切り開き、開口を形成して、軟質バッグ内の液体を開口から注ぐことができる。しかしながら、このような軟質バッグの構造は再度開口に封をすることができず、ジッパー付きの袋を通して封をする必要があるが、しっかりと閉じられていなかったり、閉じることを忘れたりすると、溢れ出てしまい、ジッパー付きの袋は流出防止機能を備えていないため、切り開いて開口を形成した後、収納に注意する必要があり、傾いて倒れると、軟質バッグ内の液体が開口から漏出してしまい、汚染や無駄を招き、非常に不便である。
米国特許第5529224号(出願日1994年5月27日)は自動閉鎖式の液体分配包装(Self−closing liquid dispensing package)を提示しており、液体容器と自動閉鎖式フラットチャネル弁を備えている。前記チャネル弁は液体容器付近に液体の流通に供する入口を備えている。さらに開口、第1シート部材、第2シート部材を備え、そのうち第1シート部材と第2シート部材は、原始平面位置と長手方向辺縁を備え、対面して配置され、かつ長手方向辺縁に沿って相互に密封されており、かつ充分な柔軟性を備え、液体容器に外力が加えられたとき相手側から離脱して相互間に液体が流動するフローチャネルが形成される。外部圧力から解放されると、少なくとも1つのシート部材が充分な弾性を備え、第1シート部材と第2シート部材を元の原始平面位置に戻して密封する。前記入口の横幅は前記開口の横幅より大きく、かつ自動閉鎖式フラットチャネル弁は前記入口と開口の間に、前記入口の横幅と前記開口の横幅より横幅が大きい追加部分を備えている。
この特許の特徴は、第1シート部材と第2シート部材が一定の弾性を備えていなければならない点であり、つまり弾性を備えた材料で第1シート部材と第2シート部材を形成する必要があるため、これが生産工程の増加と材料の弾性度を選択する手間につながり、さらに弾性が衰えてくると漏洩の可能性があるが、弾性が大きすぎても液体を押し出せない可能性があり、かつ完全自動を達成できず、改善の必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5529224号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本発明の目的は、上述の先行技術の欠点を改善し、シート状弾性体の使用を回避し、良好で長期的な密封効果を保つことができる、湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液体流出防止機能付バッグは、2枚の外フィルム内に同じ幅で比較的短い2枚の内フィルムが設置され、ヒートシール手段で2枚の外フィルムと2枚の内フィルムが融着されて充填区域、貯蔵区域、排出区域が形成され、排出区域にさらにヒートシールで排出路が形成され、少なくとも1つの入口、湾曲部、出口を含み、2枚の外フィルムに切開部がヒートシール破線で形成され、そのうち入口及び出口においては、4枚のフィルムをヒートシールして入口及び出口を形成するとき、入口及び出口の箇所に別途隔離片を配置するかあらかじめ耐熱材料を塗布しておき、これにより外フィルムのヒートシール時に内フィルムの内面対内面が融着されないが、それぞれ内フィルム対各外フィルムがヒートシールで融着されるようにすると共に、ヒートシール破線と切り口を設けた切開部が2枚の内フィルムの一側に配置され、切開部が2枚の内フィルムから離脱されると、排出路の出口が露出される。
【0007】
2枚の外フィルムが外力を受けて圧迫されると、圧力がバッグ内の液体を上昇させ、上昇した液体がその部分の外フィルムを外側に向かって開かせ、それにより排出路の入口が自動的に開かれて、液体を排出路の入口から排出路へと流入させ、出口から流出させることができる。外力を解除すると、液体が貯蔵区域に戻る反作用力で吸引力が生じ、さらに排出路に設けた湾曲部によって、吸引力が湾曲部の湾曲に沿って反作用力を生んで流出防止効果を形成、強化し、2枚の内フィルムが相互に貼付して排気路が閉鎖される。
【0008】
本発明の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグは、傾いて倒れても外部圧力がないため排出路の入口が開くことがなく、また排出路内の湾曲部の2枚の内フィルムが相互に貼付したままに保たれて排気路を封鎖しているため、液体が排気路から漏出することがない。使用時は使用者が貯蔵区域に施力して押すだけで、2枚の外フィルムが圧迫されて貯蔵区域の液体が上昇し、圧迫されていない区域の2枚の外フィルムが外側に向かって引っ張られて開き、自然に2枚の内フィルムの入口箇所も引っ張られて開くため、自動的に入口を開き、液体が圧力を受けて排出路に沿って流出される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグは、使用が簡単で廃棄物を減少でき、環境保護に適している。従来の回転式のキャップを必要とせず、手で押して液体の流出及び流量を制御でき、使用後は自動的に閉じて、傾けたときも液体流出の現象は発生しない。本発明は2枚の内フィルム、2枚の外フィルムを必要とするだけで従来の液体ボトルとキャップの効果を達することができる。製造コストが低いだけでなく、使用に便利で、廃棄時は2枚のフィルムから成るバッグだけであり、空間を占有せず、材料の節約、廃棄物減少等の利点を達成でき、従来の液体包装を代替する最良の案である。
【0010】
前記貯蔵区域が外力によって押されて圧迫されると液体が上昇し、前記外フィルムが液圧によって外側に向かって開かれ、自動的に排出路の入口が開かれて、前記液体が前記排出路の前記湾曲部に沿って前記出口へと流れ、圧力が解除されると、前記液体が貯蔵区域へと戻るときの反作用力によって生じる吸引力で、前記排出路の前記湾曲部の2枚の内フィルムが反作用力によって相互に貼付されて排出路の閉鎖が形成され、外圧が解除されると、液体が瞬間的に貯蔵区域に戻るときに反作用力が発生し、排出路を閉鎖する効果が形成され、また湾曲部が2枚の内フィルムを湾曲部箇所で吸着させ、閉鎖を強化する効果が生まれる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本発明の実施例1の正面図である。
【図1B】本発明の実施例1ジッパーを示す側面図である。
【図2A】本発明の実施例1の切り開き前を示す図である。
【図2B】本発明の実施例1の切り開き後を示す立体外観図である。
【図2C】本発明の実施例1の別の実施態様を示す正面図である。
【図2D】本発明の実施例1の別の実施態様を示す正面図である
【図3A】本発明の実施例2の正面図である。
【図3B】本発明の実施例2別の実施態様を示す正面図である。
【図4】本発明の実施例1の入口が開く前を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例1の入口が開いた後を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例3の正面図である。
【図7】本発明の実施例4の正面図である。
【図8】本発明の実施例5の立体外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の最良の実施例及びその効果について、図面を参照して以下で説明する。
【実施例1】
【0013】
図1A、図2A、図2Bに本発明の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグの実施例1を示す。2枚の内フィルムが水平に設置される。図2Cと図2Dに示す実施例1は2枚の内フィルムを水平に設置した別の実施態様である。
【0014】
本発明の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ1は、2枚の外フィルム2aと2b、2枚の内フィルム1aと1b、貯蔵区域4、充填区域5、排出区域6、排出路8、切開部10を含む。
【0015】
2枚の外フィルム2aと2bは上下に重ね合わせられ、ヒートシール手段で融着されてバッグ本体を形成する。
【0016】
貯蔵区域4はヒートシール手段で2枚の外フィルム2aと2bを融着して2枚の外フィルム2aと2bの間に形成され、液体9を貯蔵するために用いられる。そのうち、貯蔵区域4はヒートシール手段で形成されたヒートシール線3b、3c、3dの間に位置する。
【0017】
充填区域5は2枚の外フィルム2aと2bの間に位置し、かつヒートシール3c、3b、3dで貯蔵区域4の一側に形成され、液体9を貯蔵区域4に充填するために用いられ、液体9を貯蔵区域4に充填した後、封鎖部材で2枚の外フィルム2aと2bを接着し、充填区域5が封鎖される。ここで、封鎖部材はヒートシール手段で形成されたヒートシール線3aを最良とするが、本発明はこれに限定されず、図1Bに示すように、封鎖部材はジッパー3hとしてもよく、それにより使用者が自由に液体9を充填した後、ジッパー3hで封鎖を行うことができる。液体の排出を円滑にしたい場合は、充填が完了して封鎖を行った後、入口81と等しい高さの箇所にさらにヒートシール線3fを施してもよく、バッグ内の液体が圧力の上昇時に排出路8入口81を越えないようにすることが目的である。これにより液体が排出路8の入口81から出口82へと流れるよう確約することができる。
【0018】
排出区域6は2枚の外フィルム2aと2bの間に位置し、かつ貯蔵区域4の一側に設置され、ここで排出区域6と充填区域5はヒートシール線3eで隔てることを最良とする。
【0019】
2枚の内フィルム1aと1bは2枚の外フィルム2aと2bの間に介在され、2枚の外フィルム2a、2bと水平に排列され、かつ排出区域6に設置される。本実施例において、2枚の内フィルム1aと1bの幅は2枚の外フィルム2a、2bと同じであり、長さは2枚の外フィルム2aと2bより短く、2枚の内フィルム1aと1bの左右両側及び上端が2枚の外フィルム2a、2bと揃い、2枚の内フィルム1aと1bの一側が排出区域6に突出され、かつ2枚の内フィルム1aと1bの一側が充填区域5に配置されるが、本発明の構造はこれに限定されない。
【0020】
排出区域6は2枚の外フィルム2a、2b内に2枚の内フィルム1a、1bをはさんで構成され、かつヒートシールで排出路8が形成される。この排出路8は入口81、湾曲部84、出口82から構成される。ヒートシールの方法は、(1)2枚の内フィルム1a、1bを独立してヒートシールし、湾曲部84を形成した後、2枚の外フィルム2a、2bと共に充填区域5と排出区域6の境界線及び出口、入口をヒートシールする、(2)2枚の内フィルム1a、1bと外フィルム2aまたは2bのいずれか1枚をヒートシールし、湾曲部84を形成した後、他方の外フィルム2bまたは2aと共に充填区域5と排出区域6の境界線及び出口、入口をヒートシールする、または(3)2枚の内フィルム1a、1bと2枚の外フィルム2a、2bを共にヒートシールして(a)充填区域5と排出区域6の境界線、(b)排出路8の入口81、湾曲部84、出口82を形成する、という3つの方法がある。
この3つの方法の目的は、湾曲部84内の2枚の内フィルム1a、1bを強化し、液体が貯蔵区域4に戻るとき、反作用力を発生してこの2枚の内フィルム1a、1bを相互に吸着させることにあり、吸着力の大きさは、吸着時の空間の大きさによって決定される。第(1)方式は湾曲部84の2枚の内フィルム1a、1bが2枚の外フィルム2a、2bと相互に結合されていないため、活動空間が大きく、比較的大きい吸着力が得られる。
【0021】
排出路8内の入口81、出口82のヒートシール方式は次のとおりである。
【0022】
入口81、出口82のあらかじめ定めた位置にあらかじめ耐熱材料を塗布しておく、または2枚の外フィルム2a、2b、2枚の内フィルム1a、1bを共にヒートシールして出口82、入口81を形成するときあらかじめ定めた位置に隔離片を施し、ヒートシール時に2枚の内フィルム1a、1bの内面対内面が融着されないようにする。但し、各2枚の内フィルム1a、1b外面と各2枚の外フィルム2a、2bは融着されており、圧迫されて液体が上昇すると外フィルム2a、2bが外側に向かって拡張され、それぞれ2枚の内フィルム1a、1bが融着されているために自動的に2枚の内フィルム1a、1bの内面対内面の未融着箇所が引っ張られて開き、入口81と出口82が形成される。
【0023】
排出路8内には少なくとも1つの湾曲部84が設けられており、その形状はS字形、松葉杖形、弧形、稲妻形、W字形などとすることができる。この湾曲部84の目的は吸着力の強化にあり、湾曲箇所で抵抗力が生じ、湾曲内の2枚の内フィルム1a、1bの相互吸着効果が自動的に強化され、流出防止の閉鎖機能が自動的に強化される。また、湾曲部84内に欄干85を設けて液体に圧力がかからないときに流れを阻む効果を生じてもよく、これも閉鎖機能の強化の1つである。出口82すぐそばの外フィルム箇所にさらに切開部10が設置され、あらかじめ切り開き線10aをヒートシール破線で形成し、かつ切り口10bをあらかじめ設置しておく。
湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグに液体を充填して封鎖すると、完全密閉された液体貯蔵バッグが形成される。使用時は10b箇所を切り開くと、2枚の内フィルムの排出路8の出口82が露出され、かつバッグ本体に圧力をかけると、圧力でバッグ内の液体9の水位が上がり、2枚の外フィルムが外側に向かって拡張され、排出路8の入口81が自然に開かれて、液体を排出路8の入口81から湾曲部84を通り、出口82へと排出させることができる。外圧が解除されると、液体9がその瞬間に湾曲部84から貯蔵区域4に戻る。
この戻る際に反作用力が発生し、排出路8の2枚の内フィルム1aと1bが吸引力によって相互に吸着され、排出路8の閉鎖効果が形成される。また、湾曲部84がないため、2枚の内フィルム1aと1bが湾曲部84の箇所でよりしっかりと吸着され、閉鎖効果が強化される。
また、湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグが傾いても、外圧がないため、液体9そのものは2枚の外フィルム2aと2bを開かせる力はなく、排出路8の入口81は開かれないため、傾斜時も液体9がバッグ本体から流出しない効果が形成され、湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグの実際の使用上のメリットをより一層高めることができる。
【0024】
湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグの実施例1の別の実施態様としては、2枚の内フィルムが水平に設置され、かつ複数の入口を備えている。
【0025】
実施例1において、2枚の内フィルム1aと1bは水平に2枚の外フィルム2aと2b内に介在され、ヒートシール方式で貯蔵区域4、充填区域5、排出区域6が形成され、また排出区域6に2つの入口81を備えた排出路8及び少なくとも1つの湾曲部84が形成され、かつ切開部10が設けられる。そのうち、排出路8の出口81は側辺に設けるほか、中間に設けてもよい。本実施例では中間箇所に設けている。切開部10も合わせて上段部に設けている。詳細は図2C、図2Dを参照する。
【0026】
液体9が充填区域5から貯蔵区域4へ流れた後、封鎖部材が充填区域5を封鎖する。図4Aと図4Bに示すように、使用時に貯蔵区域4の2枚の外フィルム2aと2bを押すと、圧迫された液体9が2枚の内フィルム1aと1bの第1側1dに向かって流れるとき、第1側1dの2枚の外フィルム2aと2bが外フィルム2aと2bに伴って外側に向かって開かれ、自動的に排出路8の入口81が開かれて、液体9が入口81から排出路8に流入し、排出路8の湾曲部に沿って流動して出口82から流出する。
【実施例2】
【0027】
図3Aに本発明の実施例2である、垂直式内フィルムの流出防止構造を示す。
【0028】
2枚の比較的幅が狭い内フィルムが垂直に2枚の外フィルム内の一側に介在され、4枚のフィルム上段部が同時にヒートシールされて、ヒートシール線3b、3c、3d、3fが液体を収容できるバッグ本体1を形成し、かつこのバッグ本体は、充填区域5、排出区域8、貯蔵区域4、ヒートシール線3eに区分でき、排出区域に少なくとも入口81、湾曲部84、出口82を含む排出路が形成される。そのうち、入口81及び出口82箇所のヒートシール時は、2枚の内フィルム1a、1b内面に隔離片を配置するか、あらかじめ耐熱材料を塗布しておき、ヒートシール時に2枚の内フィルム1aと1bの内面対内面が融着されず、2枚の内フィルム1a、1bがそれぞれその相対する2枚の外フィルム2a、2bと相互にヒートシールで融着されるようにする。
同時に、出口82箇所の外フィルムに切り開き線10aを備えた切開部と切り開くことができる切り口10bが設置され、液体の充填が完了すると、充填区域3aをヒートシールして完全に密閉された液体バッグが形成される。使用したいときは、切り口10bを切り開くと出口82が露出され、便利に使用することができる。また、傾いた際の貯蔵された液体の流出防止を強化するため、排出路の湾曲部84内にヒートシールで欄干85を設け、流出防止の効果を高めてもよい。また、垂直式の2枚の内フィルム1a、1bはその排出区域6を4枚のフィルム1a、1b、2a、2b一側の中段部に設けてもよく、排出区域の構造は上段部の設置と同じであり、即ち少なくとも入口81、湾曲部84、出口82を備えた排出路及び切開部10が設けられる。
【0029】
図3Bに本発明の実施例2の別の実施態様を示す。これは2つの入口と複数の湾曲部を備えた排出路を設けた例である。
【0030】
本発明はまた、垂直式流出防止構造において2つの入口を設置し、貯蔵バッグ内の液体流出の速度を高めてもよい。即ち、2枚の外フィルム内の一側に2枚の垂直の内フィルムを設置し、ヒートシール方式で3c、3b、3d、3fをヒートシールして液体を収容できる貯蔵バッグ1とバッグ内の充填区域5、貯蔵区域4、排出区域6を形成し、かつ2枚の内フィルム内面の入口、出口となる箇所に耐熱材料を塗布するか、ヒートシール時に隔離片を配置し、当前記区域の内フィルム内面がヒートシール時に内面対内面で融着されないようにするが、内フィルムには3fで上入口81及び下入口81’の2つの入口と排出路84が形成される。そのうち、排出路の湾曲箇所は複数個所あり、最後に1つの出口82に集合し、かつ2枚の外フィルムのあらかじめ定めた出口箇所に切り開き線10a及び切り口10bを設ける。
液体バッグに液体を充填した後、3aのヒートシールを実施し、封鎖して1つの完全な密閉空間を形成する。実際の使用時は直接切り口10bから切り開くと、2枚の内フィルム1aと1bの出口82が露出され、かつ2枚の外フィルムの外袋に圧力をかけると液体の液面が上昇し、圧力を受けていない外フィルムが外側に向かって開かれ、内フィルム入口箇所が開かれた外フィルムに融着されているため、自然に入口82が開かれて、液体9が排出路8を通り出口82から流出される。圧力が解除されると、液体9が排出路8に戻り反作用力が生まれて排出路8の2枚の内フィルム1aと1bが相互に吸引し合い、閉鎖を形成して流出防止の目的を達することができる。
【0031】
また、液体バッグ1が外力を受けて押されたときにバッグ内の液体が上昇し、水位が3fを越えて高くなり、充填部分の圧力が無効になる現象に達することをコントロールするため、充填完了後、ヒートシール3aの箇所を除き、3fに等しい高さの付近にヒートシールを追加し、液体の水位が上がっても排出路の入口を越えないようにして、液体の最良の排出状況を形成してもよい。
【実施例3】
【0032】
図6に本発明の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグの実施例3を示す。
【0033】
本実施例と実施例1最大の違いは、2枚の内フィルム1aと1bの構造にある。本実施例において、2枚の内フィルム1aと1bの一側が2枚の外フィルム2aと2bより突出しており、2枚の外フィルム2aと2bから露出され、排出路8の出口82が2枚の外フィルム2aと2bの外に位置する。
【実施例4】
【0034】
図7に本発明の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグの実施例4を示す。
【0035】
本実施例と実施例1の最大の違いは、2枚の内フィルム1aと1bの構造にある。本実施例において、2枚の内フィルム1aと1bは比較的短く小さいシートとなっており、2枚の内フィルム1aと1bから成る小さいシートが先の水平または垂直に2枚の外フィルム2aと2b内に介在された2枚の内フィルム1aと1bを代替している。この小さいシートと2枚の外フィルム2aと2bがヒートシール3c、3b、3d方式でバッグ本体1を形成し、さらにヒートシール線3e、第2側1e箇所のヒートシール線及びヒートシール線3fで排出路8およびその内部の内フィルムの内面対内面が相互に融着されていない入口81及び出口82と排出路8の湾曲部84、湾曲部84の欄干85及びヒートシール切開部の破線10a、切り口10bが形成される。
この湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグの充填完了後、充填区域5をヒートシール線3aで封鎖する。使用時は切り口10bを切り開き、外フィルムの破線から排出路の出口82が露出され、排出袋内の液体を押し出したり、圧迫を解除して自動的に液体の流出を停止されたりすることができる。傾いたときは、外部圧力がないため、排出路8の入口81が開かず、排出路8内の湾曲部の2枚の内フィルム1aと1bが相互に吸着しており、封鎖が形成されるため、バッグ内の液体が排出路から流出するのを防止することができる。
【0036】
本発明は圧力でバッグ内の液体の流速を隨意に調整できるだけでなく、圧力を解除すると、液体が下降して排出路8の反作用力を生じ、湾曲部84の内フィルムが相互に吸着され、外部空気の進入を阻止し、バッグ内の空気を常に不足の状況にしておくことができる。液体バッグに充填するものが液体食品である場合、酸素不足の状態によって、酸化を生じるまでの時間を延長でき、一般的なボトルよりも長く鮮度を保つ効果も発揮される。
【実施例5】
【0037】
図8に本発明の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグの実施例5を示す。
【0038】
本実施例と実施例1の最大の違いは、2枚の内フィルム1aと1bが垂直または水平に2枚の外フィルム2aと2b内に介在されておらず、2枚の外フィルム2aと2b内の2枚の内フィルム1a、1bが拡大され、自らヒートシールで1つの充填可能な貯蔵用の内袋4’を成し、2枚の外フィルム2a、2b上段部と結合され、下段部が独立している点である。この4枚のフィルムは上段箇所で共に3e、3fでヒートシールされ、充填区域5と内袋4’及び排出路8、さらに入口81及び出口82と排出路8内の湾曲部84が形成され、2枚の内フィルム1aと1b内面が相互に融着されないが、それぞれ2枚の外フィルム2aと2bと相互に融着される。
湾曲部84内の欄干85は2枚の内フィルム1aと1bをヒートシールして形成される。外力がバッグの液体を圧迫して上昇させ、3fを破壊してしまうことがないように、3fの境界のヒートシール範囲を拡大し、かつ流線化して、空気抵抗の力を低下させ、バッグ内の液体が入口81を通って流出するときの抵抗力を減少することができる。
【0039】
また、本実施例の外フィルムは下段部において内フィルムの内袋と分離でき、ヒートシールで1つの独立して内側に折り曲げられた袋とするか、またはヒートシールで独立した2枚のシートとしてもよく、いずれもこの2枚の内フィルムの内袋4’の支持区域41として、本発明を立たせて置けるようにできる。
【0040】
本発明の技術内容はすでに最良の実施例を挙げて上述のように開示したが、これは本発明を限定するものではなく、当業者であれば本発明の要旨を逸脱せずに若干の変更や修飾が可能であり、それらはすべて本発明の範疇内に含まれるため、本発明の保護範囲は後付の特許請求の範囲に準じる。
【符号の説明】
【0041】
1 液体流出防止機能付バッグ
1a/1b 内フィルム
1d 第1側
1e 第2側
2a/2b 外フィルム
3a/3b/3c/3d/3e/3f ヒートシール線
3h ジッパー
4 貯蔵区域
4’ 内袋
41 支持区域
5 充填区域
6 排出区域
8 排出路
81 入口
82 出口
84 湾曲部
85 欄干
9 液体
10 切開部
10a 切り開き線
10b 切り口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグであって、
2枚の外フィルムと、
前記2枚の外フィルムの間に介在され、相互間にあらかじめ隔離片を配置した、または耐熱材料を塗布して上下に重ね合わされた2枚の内フィルムと、
前記2枚の外フィルムを融着して前記2枚の外フィルムの間に形成され、液体の貯蔵に用いられる貯蔵区域と、
前記2枚の内フィルムを融着して前記2枚の内フィルムの間に形成され、少なくとも1つの入口、湾曲部、出口を含み、前記2枚の内フィルムがそれぞれ各前記外フィルムとヒートシールで融着され、前記湾曲部が前記入口と前記出口に連接された排出路と、
前記排出路の前記出口箇所に位置し、切り開いた後前記排出路の前記出口が露出される切開部と、
を含み、前記貯蔵区域が外力を受けて圧迫されると前記液体が圧迫されて上昇し、前記2枚の外フィルムが液圧を受けて外側に向かって開かれ、自動的に前記排出路の前記入口が開いて、前記液体が前記排出路の前記湾曲部に沿って前記出口へと流れ、圧力が解除されると、前記液体が前記貯蔵区域に戻る反作用の吸引力で、前記排出路の前記湾曲部の前記2枚の内フィルムが反作用の力によって相互に吸着されて前記排出路を閉鎖し、そのうち、外圧が解除されると、前記液体が瞬間的に前記湾曲部から前記貯蔵区域に戻るときに反作用力が発生し、前記排出路を閉鎖する効果が得られ、また前記湾曲部が2枚の前記内フィルムを前記湾曲部箇所で吸着させ、閉鎖を強化することを特徴とする、湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項2】
前記2枚の外フィルムの間に位置し、かつ前記貯蔵区域の一側に設置され、前記液体を前記貯蔵区域に充填するために用いられる充填区域と、前記2枚の外フィルムの間に位置し、かつ前記貯蔵区域の一側に設置された排出区域とを含み、前記排出区域に前記充填区域が設けられ、前記液体を前記貯蔵区域に充填した後、封鎖部材で前記2枚の外フィルムを融着し、前記充填区域が封鎖されることを特徴とする、請求項1に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項3】
前記封鎖部材がヒートシール手段で形成されたヒートシール線またはジッパーであることを特徴とする、請求項2に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項4】
前記2枚の内フィルムの一側が前記排出区域に突出し、前記2枚の内フィルムの一側が前記充填区域または前記貯蔵区域に位置することを特徴とする、請求項2に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項5】
前記湾曲部がヒートシールで前記2枚の内フィルムを融着して形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項6】
前記排出路が、前記2枚の内フィルムと前記2枚の外フィルムを同時にヒートシールで融着して形成されたことを特徴とする、請求項5に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項7】
前記排出路が、前記2枚の内フィルムと1枚の前記外フィルムをヒートシールで同時に融着して形成されたことを特徴とする、請求項5に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項8】
前記2枚の内フィルムと前記2枚の外フィルムが同時にヒートシールで融着されて前記排出路の前記入口、前記湾曲部、前記出口が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項9】
前記排出路内に位置し、前記液体が前記排出路で逆流することを防止するための複数の欄干を含むことを特徴とする、請求項1に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項10】
前記2枚の内フィルムの一側が前記2枚の外フィルムから突出して前記2枚の外フィルムから露出され、前記排出路の前記出口が前記2枚の外フィルムの外に位置することを特徴とする、請求項1に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項11】
ヒートシール手段で前記2枚の外フィルムを融着して形成され、前記貯蔵区域を支持するために用いられる支持区域を含むことを特徴とする、請求項1に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項12】
ヒートシールで前記2枚の内フィルムを融着して形成された内袋を含むことを特徴とする、請求項1に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項13】
前記排出路がヒートシール手段で前記2枚の内フィルムを融着し、前記2枚の内フィルムの間に形成され、前記貯蔵区域がヒートシール手段で前記2枚の外ぎるむを融着し、前記2枚の外フィルムの間に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。
【請求項14】
前記2枚の内フィルムの間に予め隔離片を配置または耐熱材料を塗布し、前記隔離片を配置した、または前記耐熱材料を塗布した箇所がヒートシール時に融着されず、前記入口と前記出口が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の湾曲部を備えた自動液体流出防止機能付バッグ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−116570(P2012−116570A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260349(P2011−260349)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(509324687)亞比斯國際企業股▲分▼有限公司 (5)
【出願人】(506406054)
【Fターム(参考)】