説明

湿り度インジケータを備える吸収性物品

本発明の吸収性物品は、バックシートと、湿り度インジケータ組成物とを含んでよい。この湿り度インジケータ組成物は、安定剤と、着色剤と、マトリックスとを含んでよい。そして、湿り度インジケータ試料試験(リン酸塩)によると、湿り度インジケータ試料は、10%以下のリン酸塩含有量を有してよい。更に、湿り度インジケータ試料試験(窒素)によると、湿り度インジケータ試料は、3%以下の窒素含有量を有してよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿り度インジケータ組成物を含む湿り度インジケータに関する。具体的には、改善された着色剤安定性を有する湿り度インジケータ組成物である。
【背景技術】
【0002】
多くの使い捨て吸収性物品は、湿り度インジケータ組成物を含む。湿り度インジケータ組成物は、物品内での尿、軟便、経血などの液体との接触時に外見を変更する、すなわち、色が現れる、色が消える、色を変更するなどのように適合される、着色剤を含んでよい。本明細書に記載される湿り度インジケータ組成物は実質的に不溶性タイプであり、液体で湿る前及び後に、組成物が一般に物品の同位置にとどまるように設計される。一部の湿り度インジケータ組成物は、湿った(例えば、尿で湿った)後で、単純におむつのコアの中にと消えるように意図的に設計される。本発明の湿り度インジケータ組成物は、次のように機能してよい。すなわち、1)湿り度インジケータ組成物は、適用される基材(例えば、バックシート)に効果的に付着するが、実質的に基材から滲むべきではなく、保管時、並びに湿る前及び後に元の状態を保つために粘着力と可撓性との最適なバランスを有する必要があり、2)早過ぎる色の変化は、湿り事象が発生したかどうかについて世話人又は着用者を混乱させるので、湿り度インジケータ組成物の最初の色は、早過ぎる変化を示すべきではなく、3)湿り度インジケータ組成物の色の変化は、湿り事象後できるだけ速やかに発生する必要があり、4)湿り度インジケータ組成物の乾燥状態と湿潤状態との色の違いは、湿り事象の発生を示すために十分に大きい必要があり、5)湿り事象を示す色による信号は、湿り事象後、長時間にわたって見え続ける必要があり、おむつの他の領域に移動して、湿り事象を示す信号の読み取りが困難になるか、不可能になるべきではなく、6)本発明の湿り度インジケータが、流体(例えば、尿)の十分な排出をもたらすために直接接触する基材(例えば、不織布ダスティング層)又はごく近接する基材(例えば、コアカバー)に付着するが、実質的に基材から滲むべきではなく、7)湿り度インジケータ組成物は、(湿り度インジケータ組成物の着色剤と比べて)より高いpH吸収性物品の構成要素に(直接接触しなくても)ごく近接して配置されたときに、安定した状態を保つ(すなわち、湿り事象よりも前に色を変化させない)必要があり、8)湿り度インジケータ組成物は、製造しやすく、着用物品に適用するための加工が容易であり、安全であり、安価である必要がある。
【0003】
過去にもたらされた問題(多湿度環境及び高温環境など)が残っている一方で、新しいおむつの設計、具体的には実質的にセルロースを含まない吸収性コアを含むおむつの設計などに関連する更なる課題が存在する。これらのコアの設計は、吸収性ポリマー材料、接着剤(熱可塑性接着剤材料など)、及び界面活性剤の濃度の増加を含む。これらのそれぞれは、湿り度インジケータ組成物のpHを変更でき、したがって湿り事象よりも前に色を変化させる化学組成物を含む。具体的には、アルカリ性界面活性剤含有アミン、アミド、又は四級官能基は、pHの上昇に従って色を変化させる着色剤を含む湿り度インジケータ組成物にとって特に問題があるが、カルボキシレートなどのよりpHの低い部分であっても課題をもたらすことがあり、かかる湿り度インジケータ組成物内の特定の着色剤に早過ぎる活性を引き起こす。
【0004】
多くの湿り度インジケータ組成物で用いられる色変化活性物質は、3.8〜5.4の範囲のpHにおいて黄色から青色に色を変化させるブロモクレゾールグリーンなどのpHインジケータである。乾燥状態でブロモクレゾールグリーンの黄色を維持するために、湿り度インジケータ組成物は、その黄色状態に保持するのに十分に酸性である必要がある。ブロモクレゾールグリーンpHインジケータを含有する湿り度インジケータ組成物の場合、尿が接触し、その後pHの上昇により青色になる時点までは黄色にとどまる。pHが上昇するに従って色を変化させる着色剤を含む湿り度インジケータ組成物を組み込むおむつでは、湿り度インジケータ組成物中に酸(及び下記で詳述される他の化学成分)を組み込んで、湿り事象よりも前にブロモクレゾールグリーンなどpHインジケータの黄色の状態を維持することが慣行である。
【0005】
実質的にセルロースを含まない、又は高濃度の界面活性剤を含む吸収性コアにごく近接して湿り度インジケータ組成物を配置するおむつの設計では、湿り度インジケータ組成物中に存在する他の物質に対する酸含有量を最適にして、早過ぎる色の変化の防止に役立てたいという要望が存在する。これは、おむつの設計がより低坪量で、より通気性の高い基材(例えば、バックシート、ダスティング層、及びコアカバー)を使用する場合に特に当てはまる。というのも、これらの基材によって、pH変更化学物質が湿り度インジケータ組成物に更に近接できるようになるからである。しかし、安定性を得るために酸含有量が最適化される一方で、他の特性(例えば、移動性、色素保持性、安定性、接着性など)も適切に機能するように湿り度インジケータ組成物を最適化する必要もある。過度に多い量の酸又は過度に強い酸混合物が組み込まれる場合、湿り事象の後でもpHが抑制されたままになり、湿り事象が発生しても、例えばブロモクレゾールグリーンの黄色の色が変化せず、(湿り事象を示す)青色にならないことがある。過度に少ない量の酸又は過度に弱い酸混合物が組み込まれる場合、湿り度インジケータ組成物は、早過ぎる色変化を示すことがある。したがって、酸含有量は、様々な保管状況の下で、及び新たな課題の多い吸収性物品の設計において、湿り度インジケータ組成物が安定した状態を保つように最適化される必要がある。
【0006】
これらの安定性に関する問題を越えて、湿り度インジケータ組成物は、湿り事象後に流体(例えば、尿)が湿り度インジケータ組成物に排出されるように、面する基材(例えば、ダスティング層)、つまり湿り度インジケータの内側に付着する必要がある。つまり、湿り度インジケータ組成物とそれが面する内側基材(例えば、ダスティング層)との間に間隙が存在する場合、流体は、湿り事象を示すのに望ましい時間内で吸収性コアから湿り度インジケータに移動しないことがある。湿り度インジケータ組成物が面する基材に対して相当に接触/付着して、湿り度インジケータ組成物が均一に(上から下まで、及び左から右まで)濡れ、したがって意図された完全な信号をもたらすことが、更に望ましいことがある。これは、十分に長い時間基材に付着するが、基材から滲むほどには長くない吸収性物品への組み込み中に、十分に粘着性があるように、最適化された「開放時間」を有する湿り度インジケータ組成物をもたらすことによって達成できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
概して、課題の多いおむつの設計、具体的には、実質的にセルロースを含まず、高濃度の接着剤(熱可塑性接着剤材料など)及び吸収性ポリマー材料を含む吸収性コア、より坪量の低いダスティング層及びバックシート、並びに界面活性剤で被覆されたダスティング層及び/又はコアカバーを含む設計の存在下における安定な湿り度インジケータ組成物に対する必要性が残ったままである。具体的には、(許容可能な色変化の移動性及び保持性を引き続きもたらす一方で、向上した着色剤安定性に関連付ける)より少量のリン及び/又は窒素を含む、より酸性の湿り度インジケータ組成物に対する必要性が存在する。更に、より低い坪量と、通気性フィルムと、不織布とを含む吸収性物品で用いる最適化された「開放時間」を有する湿り度インジケータ組成物に対する必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の吸収性物品は、バックシートと、湿り度インジケータ組成物とを含んでよい。湿り度インジケータ組成物は、安定剤と、着色剤と、マトリックスとを含んでよい。そして、湿り度インジケータ試料試験(リン酸塩)によると、湿り度インジケータ試料は、10%以下のリン酸塩含有量を有してよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による吸収性コア(不織布層と、吸収性ポリマー材料と熱可塑性接着剤材料との複合体とを含む)の長手方向の部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書全体にわたって提示されるあらゆる限界は、場合によっては更に低い又は更に高いあらゆる限界を、こうした更に低い又は更に高い限界が本明細書に明示されたものとして包含することが、理解されるべきである。本明細書全体にわたって提示されるあらゆる範囲には、そのより広い範囲内のより狭い範囲が全て、そのより狭い範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように含まれる。
【0011】
特に指定のない限り、すべてのパーセント、割合、及び比率は重量によるものであり、すべての温度は摂氏温度(℃)である。特に指定のない限り、全ての測定値はSI単位である。
【0012】
「吸収性物品」とは、身体排出物を吸収しかつ封じ込める器具を指し、より具体的には、着用者の身体に接して又は近接して配置されて、身体から排出される排出物を吸収しかつ封じ込める器具を指す。吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁下着、女性用衛生製品、胸パッド、ケアマット、よだれ掛け、創傷包帯製品、及び同種のものを挙げることができる。本明細書で使用するとき、用語「体液」又は「身体排出物」とは、尿、血液、膣排泄物、母乳、汗及び糞便を包含するが、これらに限定されない。
【0013】
「吸収性コア」は、吸収性物品によって受け取られた液体を吸収し封入するために、吸収性物品のトップシートとバックシートとの間に通常配置される構造体を意味し、1つ以上の基材と、1つ以上の基材上に配置された吸収性ポリマー材料と、吸収性粒子状ポリマー材料を1つ以上の基材上に不動化するための、吸収性粒子状ポリマー材料上及び1つ以上の基材の少なくとも一部分上の熱可塑性組成物と、を含んでもよい。多層の吸収性コアにおいて、吸収性コアはカバー層も含んでもよい。1つ以上の基材及びカバー層は、不織布を含んでもよい。更に、吸収性コアは、実質的にセルロースを含まない。吸収性コアは、吸収性物品の捕捉システム、トップシート、又はバックシートを含まない。ある実施形態では、吸収性コアは、本質的に1つ以上の基材と、吸収性ポリマー材料と、熱可塑性組成物と、場合によってはカバー層と、からなる。本発明で用いられてよい吸収性コアは、米国特許出願公開第2004/0162536号(Becker、2004年2月11日出願)、同第2007/0167928号(Becker、2007年3月13日出願)、同第2007/0179464号(Becker、2007年3月13日出願)、同第2007/0156108号(Becker、2007年3月13日出願)、及び同第2004/0167486号(Busam、2004年2月11日出願)、米国特許出願第60/936,102号(Hundorf、2007年6月18日出願)、同第60/936,109号(Hundorf、2007年6月18日出願)、同第60/936,149号(Hundorf、2007年6月18日出願)、同第60/936,085号(Ashton、2007年6月18日出願)、同第60/936,084号(Ashton、2007年6月18日出願)、同第60/936,150号(Ashton、2007年6月18日出願)、同第60/936,146号(Ashton、2007年6月18日出願)、同第60/936,037号(Ashton、2007年6月18日出願)、及び同第61/091,799号(Hundorf、2008年8月26日出願)に開示される。
【0014】
「吸収性ポリマー材料」、「吸収性ゲル材料」、「AGM」、「超吸収体」、及び「超吸収性材料」は、本明細書で互換的に使用され、遠心分離保持容量試験(エダナ(Edana)441.2−01)を使用して測定したときに、0.9%食塩水溶液をその重量の少なくとも5倍吸収可能な架橋された高分子材料を指す。
【0015】
「エアフェルト」とは、本明細書では、セルロース繊維の一形態である粉砕木材パルプを指すのに使用される。
【0016】
「含む」、及び「含んでいる」は制約のない用語であり、それぞれは後に続くもの、例えば構成要素の存在を特定するが、他の特徴、例えば要素、工程、当該技術分野において既知の又は本明細書に開示される構成要素の存在を除外しない。
【0017】
「本質的に〜からなる」とは、本明細書では、請求項におけるようなものの対象の範囲を特定の材料又は工程、及び対象の基本的及び新しい特徴に実質的に影響しないものに限定するのに使用される。
【0018】
「おむつ」とは、幼児及び失禁症状のある人が着用者の腰部及び脚部を取り巻くように、胴体下部の周りに通常着用し、具体的には、尿及び糞便を受容し封じ込めるように適合された吸収性物品を指す。本明細書で使用するとき、用語「おむつ」は、以下で定義されている「パンツ」も包含する。
【0019】
「繊維」及び「フィラメント」は、互換的に用いられる。
【0020】
「不織布」は、一方向に又は不規則に配向され、摩擦及び/又は粘着及び/又は接着により固着された繊維の、人造シート、ウェブ、又はバットであるが、紙と、更に縫うかどうかを問わず、織られた、編まれた、房状の、糸若しくはフィラメントの結合を組み込んでステッチボンドされた、又は湿式ミリングによるフェルト加工された製品と、を除く。繊維は天然起源のものであっても人造起源のものであってもよく、ステープル若しくは連続フィラメントであっても、又はその場で形成されたものであってもよい。市販の繊維の直径は、約0.001mm未満〜約0.2mm超の範囲であるいくつかの異なる形態、つまり短繊維(ステープル繊維又は細断繊維として周知である)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの撚っていない束(麻くず(tow))、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸)で提供される。不織布は、メルトブロー、スパンボンディング、溶剤紡糸、電界紡糸、及びカーディングなど、多くの方法により形成可能である。不織布の坪量は、通常、1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表される。
【0021】
「パンツ」又は「トレーニングパンツ」は、本明細書で使用するとき、幼児又は成人の着用者用に設計された腰部開口部及び脚部開口部を有する使い捨て衣類を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口部に挿入し、パンツを着用者の胴体下部の周囲の位置にまで滑らせることによって着用者の所定位置に配置されてよい。パンツは、再締結可能な及び/又は再締結不可能な接合(例えば、縫い目、溶接、接着剤、粘着接着、締め具など)を用いて、物品の部分を共に連結することが挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適な技術により予備成形されてもよい。パンツは、物品の周囲に沿った任意の場所に予備成形されてもよい(例えば、側面固定、前部ウエスト固定)。用語「パンツ」が本明細書では使用されるが、パンツは、一般に「密閉型おむつ」、「事前締着型(prefastened)おむつ」、「プルオン型おむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。好適なパンツは、米国特許第5,246,433号(Hasseら、1993年9月21日発行)、同第5,569,234号(Buellら、1996年10月29日発行)、同第6,120,487号(Ashton、2000年9月19日発行)、同第6,120,489号(Johnsonら、2000年9月19日発行)、同第4,940,464号(Van Gompelら、1990年7月10日発行)、同第5,092,861号(Nomuraら、1992年3月3日発行)、米国特許出願公開第2003/0233082 A1号、名称「Highly Flexible And Low Deformation Fastening Device」(2002年6月13日出願)、米国特許第5,897,545号(Klineら、1999年4月27日発行)、同第5,957,908号(Klineら、1999年9月28日発行)、並びに米国特許出願第11/197,197号(LaVonら、2005年8月4日出願)、同第11/224,462号(Lavonら、2005年9月12日出願)、同第11/286,614号(LaVon、2005年11月23日出願)、同第11/286,612号(LaVon、2005年11月23日出願)、及び同第11/709,500号(LaVonら、2007年2月27日出願)に開示されている。
【0022】
「実質的にセルロースを含まない」とは、本明細書では、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維を含有する、セルロース繊維を含有しない、又はわずかに微量のセルロース繊維を含有する、吸収性コアなどの物品構成要素を述べるのに使用される。微量のセルロース物質は、吸収性コアの薄さ、柔軟性、又は吸収力に実質的に影響しない。実質的にセルロースを含まない吸収性コア10は、熱可塑性接着剤材料18によってダスティング層(例えば、12)に接着されて「複合体」14を形成する吸収性ポリマー材料16を含んでよい。複合体14は、列20(図1)にあってよい。
【0023】
「実質的に界面活性剤を含まない」とは、本明細書では、10重量%未満の界面活性剤若しくはその混合物、5重量%未満の界面活性剤、1重量%未満の界面活性剤を含有する、界面活性剤を含有しない、又はわずかに微量の界面活性剤を含有し、界面活性剤がアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性であってよいか、又はその混合物を含んでよく、物品構成要素の表面(例えば、不織布材料の繊維又はフィルムの表面)との接触時に(米国特許第6,772,708号、Kloftaに開示される)合成尿の接触角を縮小することにより物品構成要素の湿潤性を増加させるように機能する、ダスティング層などの物品構成要素を述べるのに使用される。
【0024】
「熱可塑性接着剤材料」は、本明細書で使用するとき、乾燥状態及び/又は湿潤状態の両方において超吸収性材料を不動化する目的で超吸収性材料に塗布され、繊維が形成されるポリマー組成物を含むものと理解される。本発明の熱可塑性接着剤材料は、超吸収性材料を覆って繊維性網状組織を形成する。熱可塑性接着剤材料は、ポリブチレンなどのポリマー、スチレンブロックコポリマーなどのコポリマー、粘着付与樹脂、スチレンブタジエン及びカルボキシル化されたスチレンブタジエン型のゴムなどの合成ゴム、天然ゴム、パラフィン及び微晶性ろうなどのろう、鉱物油などの油、酸化防止剤、及び当該技術分野において既知のものなどが挙げられるが、これらに限定されない、1種類の接着剤又は接着剤の混合物を含んでよい。
【0025】
湿り度インジケータ組成物
本発明の湿り度インジケータは、湿り度インジケータ組成物を含んでよい。本発明の湿り度インジケータ組成物は、着色剤と、マトリックスと、追加成分とを含み、これら全ては本明細書において詳述される。更に、本発明の湿り度インジケータ組成物は、所望により、吸収性物品の構造要素などの基材に取り付けられてよい。基材、使い捨て吸収性物品、及びその構造要素は、本明細書において詳述される。
【0026】
(a)着色剤
本発明の湿り度インジケータ組成物は、着色剤を含んでよい。着色剤は最初の色状態を有し、この状態は、湿り度インジケータ組成物の第1の状態に関連付けられる。この第1の色状態の例には、赤色、青色、緑色、藍色、青紫色、黄色、オレンジ色、紫色など人間の目に見える色、電磁スペクトルの紫外線(UV)部分又は赤外線(IR)部分で見られる色など人間の目には見えない色などが挙げられるが、これらに限定されない。最初の色の状態は、目に見えない色、白色、黒色、半透明、又は不透明であってよい。着色剤は最終の色の状態も有し、この状態は、湿り度インジケータ組成物の第2の状態に関連付けられる。この第2の色状態の例には、赤色、青色、緑色、藍色、青紫色、黄色、オレンジ色、紫色など人間の目に見える色、電磁スペクトルのUV部分又はIR部分で見られる色など人間の目には見えない色などが挙げられるが、これらに限定されない。第2の色の状態は、目に見えない色、白色、黒色、半透明、不透明であってよく、又は第1の色の状態と比較した場合、強度又は視覚弁別性における変化を有する。着色剤の最初の色の状態は、何らかの形態で最終の色の状態とは異なる。例えば、最初の色の状態は黄色など第1の色であってよく、一方で、第2の色の状態は青色など別の色であってよい。または、最初の色は青色など第1の色であってよく、一方で、第2の色の状態は人間の目には見えず、電磁スペクトルのUV部分のみで見える色など透明であってよい。
【0027】
本発明の湿り度インジケータ組成物では、最初の色の状態は、湿り度インジケータ組成物の第1の状態に関連付けられる。湿り度インジケータ組成物のこの第1の状態には、特定のpH又はpH範囲、水、尿、溶存酸素、イオン(鉄、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ナトリウム、塩化物、プロトン、水酸化物、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)、グルコースなどの糖、酵素、尿及び/又は糞便中の生体物質など特定の化合物の不在又は存在、並びにこれらの組み合わせ、バクテリアなど微生物動植物、一定量を下回る水、尿などの化合物若しくは組成物の何らかの閾値、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本発明の湿り度インジケータ組成物では、最終の色の状態は、湿り度インジケータ組成物の第2の状態に関連付けられる。湿り度インジケータ組成物のこの第2の状態には、特定のpH又はpH範囲、水、尿、溶存酸素、イオン(鉄、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ナトリウム、塩化物、プロトン、水酸化物、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)、グルコースなどの糖、酵素、尿及び/又は糞便中の生体物質など特定の化合物の不在又は存在、並びにこれらの組み合わせ、バクテリアなど微生物動植物、水、尿、経血、血液などの化合物若しくは組成物の何らかの閾値、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本発明の一実施形態では、第1の状態は、特定のpH又はpH範囲であり、第2の状態は、第1の状態の特定のpH又はpH範囲とは異なる、特定のpH又はpH範囲である。本発明の任意の一実施形態では、第2の状態は、人間の体温(典型的には37.6℃)で原液として測定したときの尿、好ましくは人間の尿のpH又はpH範囲である。尿のpH又はpH範囲は、典型的には約5.5〜約8.0である。この任意の実施形態では、第1の状態は、第2の状態よりも酸性又は塩基性である特定のpH又はpH範囲、つまり、約5.5未満又は約8.0超のpHであってよい。本発明の任意の一実施形態では、着色剤はpHインジケータである。好適なpHインジケータの非限定例として、米国特許第6,904,865号(Klofta)に開示されたものが挙げられる。
【0030】
本発明の任意の一実施形態では、着色剤は、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープル、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、クロロフェノールレッド、ブロモチモールブルー、ブロモピロガロールレッド、ブロモキシレノールブルー、ブロモフェノールブルー、及びこれらの組み合わせなどであるが、これらに限定されない、スルホンフタレインpHインジケータである。酸性状態では、スルホンフタレイン系のインジケータの色は、通常、黄色である。そのpKよりも高いpHを有する尿などの液体と接触すると、スルホンフタレイン系のpHインジケータは、典型的には緑色、青色、又は紫色へと変化する。
【0031】
本発明の別の任意の実施形態では、湿り度インジケータ組成物は2種類以上の着色剤を含んでよく、それぞれが、第1及び第2の状態の少なくとも1つが異なる、すなわち、異なるpK値、pH及び酵素トリガー、pHトリガーなど、色、溶解性、又は他の特性を有する。様々な第1及び第2の状態は、対話型の状況、経過、若しくは表示による物品の相対的な充満度/湿り度に関する情報の提供を促進するか、又は単に娯楽性及び/若しくは美的価値をもたらす場合がある。例えば、湿り度インジケータ組成物は、尿と接触すると、青色になる着色剤と、赤色になる別の着色剤とを含んでよい。あるいは、尿、経血、血液などの液体に接触すると、図形の一部が現れ、別の部分が消えてよい。最後に、D&C赤色又はD&C黄色など少量の油溶性染料を含んで、ブロモクレゾールグリーンなどスルホンフタレイン系のpHインジケータの最初の色の状態及び最後の色の状態の両方を変更してよい。これは、世話人が見てより美しいと感じ得る、色の変化の組み合わせをもたらすことがある。
【0032】
本発明の別の任意の実施形態では、湿り度インジケータ組成物は、それぞれがその第1の状態及び第2の状態を同一にする2種類以上の着色剤を含んでよい。
【0033】
着色剤は、液体の存在を示すのに有効であり、組成物の約0.001重量%〜約5重量%、約0.005重量%〜約2重量%、及び約0.01重量%〜約1重量%、及び更に0.01重量%〜0.5重量%などの濃度で組成物中に用いられてよい。
【0034】
(b)マトリックス
本発明の組成物は、第1及び第2の結合剤を含むマトリックスを含んでよく、このいずれについても本明細書において詳述される。マトリックスは、液体との接触前、接触中、接触後に着色剤を定位置に保持するように機能する。本発明のマトリックスは、着色剤の浸出に対して非常に高い耐性を有してよく、高湿度環境における早過ぎる活性に対して耐性を有してよい。尿、経血、血液などの液体に接触すると、マトリックスは、十分な量の液体を着色剤と接触させ、外見に変化をもたらす。マトリックスは同時に、着色剤がその最初の色の状態又は最終の色の状態のいずれかにおいて、マトリックスから使い捨て吸収性物品の吸収性コアなどの周囲の環境への浸出を防止する。
【0035】
湿り度インジケータ組成物が基材に取り付けられている場合、マトリックス、結果として組成物は、完全に基材に保持され続けるために、湿潤状態及び乾燥状態での十分な粘着力、接着力、及び/又は可撓性を有する必要がある。換言すれば、組成物は、組成物の部分が残りの組成物及び/又は基材から欠け落ちる、又は剥げ落ちるなど、組成物の部分が分離するのを防止するために、十分な可撓性、粘着力、及び接着力を保持する。したがって、マトリックスは、着色剤の浸出を予防し、防止するのに役立つだけではなく、湿潤状態及び乾燥状態の両方において湿り度インジケータ組成物の構造的一体性を維持するのにも役立つ。
【0036】
第1及び第2の結合剤の両方を含むマトリックスは、組成物の約5重量%〜約95重量%、約10重量%〜約80重量%、及び約25重量%〜約75重量%などの着色剤の不動化及び安定化に有効な濃度で、湿り度インジケータ組成物中に用いられてよい。
【0037】
(i)第1の結合剤
第1の結合剤は、着色剤が最初の色の状態のときに、着色剤を不動化する任意の物質であってよい。本発明の湿り度インジケータ組成物の第1の結合剤として用いるのに好適であり得る様々な物質が存在する。第1の結合剤として選択される物質は、第1の色の状態のときに着色剤を不動化する任意の物質である。本発明の一実施形態では、考えられる第1の結合剤には、ロジン、ロジンエステル、重合ロジン、ペンタエリスリトールロジンエステル、スチレン化テルペン、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
好適なロジン混合物は、Arizona ChemicalのSylvatac RE98とSylvaros PR−295との組み合わせである。Sylvatac RE−98はペンタエリスリトールロジンエステルであり、Sylvaros PR−295は重合ロジンである。どちらも安価なマトリックス成分であり、どちらも乾燥状態における暗色化に寄与し、どちらも効果的な粘着力及び接着力の維持に役立ち、これらの酸性は、着色剤を乾燥状態の色に保つのに役立つ。ロジンエステル、重合ロジン、及びペンタエリスリトールロジンエステルは、好適な第1の結合剤であるのに加えて、これらの湿り度インジケータ組成物中の一部の他の成分に有効な可溶化剤でもあり得る。更に、理論に束縛されるものではないが、上述したように、一部のロジンエステル、重合ロジン、及びペンタエリスリトールロジンエステルの酸性は、pHインジケータなどであるが、これに限定されない、特定の着色剤の安定化に寄与すると考えられている。例えば、これらのロジンの一部は、ブロモクレゾールグリーンなどの着色剤を酸性の黄色の状態に維持するのに役立つ、酸性カルボキシレート基を含有する。ブロモクレゾールグリーンなどのpHインジケータが組成物に組み込まれる場合、この酸性の黄色の状態は、湿り度インジケータ組成物の乾燥状態にとって好ましい色である。
【0039】
第1の結合物質は、着色剤が最初の色の状態のときに着色剤を不動化する。着色剤が最初の色の状態のときに第1の結合物質が着色剤を不動化する方法は、第1の結合物質及び着色剤の両方の種類によって異なる。例えば、着色剤が最初の色の状態にあるとき、第1の結合剤は、接着力、水素結合力、イオン力、極性結合力、ファンデルワールス力、双極子相互力、ロンドン分散力、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の力によって着色剤を不動化する。
【0040】
第1の結合剤は、組成物の約4重量%〜約90重量%、約10重量%〜約75重量%、及び約20重量%〜約65重量%などの、第1の状態にある着色剤の不動化及び安定化に有効な濃度で組成物中に用いられてよい。
【0041】
(ii)第2の結合剤
第2の結合剤は、着色剤が最終の色の状態のときに、着色剤を不動化する任意の物質であってよい。本発明の湿り度インジケータ組成物の第2の結合剤として用いるのに好適であり得る様々な物質が存在する。
【0042】
本発明の一実施形態では、第2の結合剤は、米国特許第6,904,865号(Klofta)に開示されたこれらの第2の結合剤から選択されてよいが、これらに限定されない。
【0043】
本発明の任意の一実施形態では、第2の結合剤は、第四級アンモニウム塩化合物、カチオン性粘土、ポリアクリル酸ポリマー、有機酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好適な第四級アンモニウム化合物の例としては、ジメチル(2−エチルヘキシル水素化タローアルキル)アンモニウムメチルサルフェート、ココアルキルメチル[エトキシ化(15)]アンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジココアルキルジメチルアンモニウムクロライド(dicocoalkyldimethly ammonium chloride)、ジ(水素化タローアルキル)ジメチルアンモニウムクロライド、及びジステアリルジメチルアンモニウムクロライドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
第四級化合物又は1つ以上のカチオン性基を有する任意の第2の結合剤に関連付けられる対アニオンは、特に塩化物に限定されるわけではないことに留意するべきである。他のアニオンも用いることができ、非限定例としてはメチルサルフェート及び亜硝酸塩が挙げられる。同様に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、プロトン、アンモニウム、置換アンモニウムなどであるが、これらに限定されない、任意の好適な対カチオンが、1つ以上のアニオン性基を有する第2の結合剤に関連付けられてよい。
【0045】
第2の結合物質は、着色剤が最終の色の状態にあるときに着色剤を不動化する。着色剤が最終の色の状態にあるときに第2の結合物質が着色剤を不動化する方法は、第2の結合物質及び着色剤の両方の化学組成によって異なる。例えば、着色剤の最終の色の状態がアニオン性の長鎖分子のものであり、第2の結合物質がカチオン性分子である場合、形成される結合は、例えばイオン結合、共有結合などであってよい。別の例では、着色剤の最終の色の状態がカチオン性分子のものであり、第2の結合物質がアニオン性の長鎖分子である場合、形成される結合は、例えばイオン結合、共有結合などであってよい。
【0046】
本発明の一実施形態では、第2の結合剤は、着色剤が最終の色の状態であるときに、共有結合、イオン結合、ファンデルワールス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上によって着色剤を不動化する。
【0047】
理論に束縛されるものではないが、着色剤がその最終の色の状態においてアニオンであり、第2の結合剤がカチオンである場合、又は着色剤がその最終の色の状態においてカチオンであり、第2の結合剤がアニオンである場合、第2の結合剤は着色剤とイオン結合したコアセルベートを形成すると考えられる。例えば、着色剤の最終の色の状態に関連付けられた最終の状態が尿のpHである場合、着色剤が尿に接触すると、その最終の色の状態、すなわち、アニオンに着色剤を変化させ、これによりカチオンである第2の結合剤とのイオン結合を形成する。コアセルベートの形成は、着色剤と第2の結合剤の反対の電荷間のクーロン力の強い相互作用によるものである。着色剤と第2の結合剤との間に形成されたコアセルベートは、両方の種類の電荷を中和し、水又は尿などの極性溶媒中の両方の溶解度を劇的に低減する。一方で、この電荷の中和及びコアセルベートのより親油性のために、マトリックス中のコアセルベートの溶解度は高いままである。これらの効果の両方が、マトリックスからの着色剤の浸出を劇的に防止する。コアセルベートの親油性の増加は、コアセルベートとマトリックスの構成成分との間の分子間結合力の増加をもたらす。これらの分子間力は、尿など水性環境への着色剤の拡散及び移動性を更に制限してよい。
【0048】
本発明の特定の任意の実施形態では、第2の結合剤としてカチオン性第四級アンモニウム化合物を使用することは、特定の着色剤、特にスルホンフタレイン系のpHインジケータに属する着色剤の色の変化を暗色化する又は強めるために機能してもよい。理論に束縛されるものではないが、この暗色化は、次の複数の考えられる要因によるものである。すなわち、1)第四級アンモニウム原材料中のアルカリ不純物、2)コアセルベートの形成を原因とする吸収の移動及び吸収係数の増加、並びに/又は3)最終の色の状態にある着色剤の形成の増加である。
【0049】
第2の結合剤は、組成物の約0.5重量%〜約20重量%、約0.5重量%〜約10重量%、及び約0.1重量%〜約5重量%などの、第2の状態にある着色剤の不動化に有効な濃度で組成物中に用いられてよい。
【0050】
安定剤成分
本発明の湿り度インジケータ組成物は、安定剤を含んでよい。着色剤がpHインジケータであり、吸収性物品が高温多湿の状況下で保管されることがある場合、安定剤を含むことが望ましい。湿り度インジケータ組成物中に安定剤を含むことは、湿り度インジケータ組成物中の着色剤の色の変化を時期尚早に活性化させてしまう可能性がある物質及び/又は化学物質が存在する新しいおむつの設計にとっても特に重要である。
【0051】
本発明の一実施形態では、安定剤は酸性安定剤である。本発明の別の実施形態では、安定剤は塩基性安定剤である。理論に束縛されるものではないが、安定剤を含むことは、システムが高湿度及び/又はおむつの特定の構成成分に曝露された場合でも、着色剤の周囲の酸性安定剤で低pH環境など安定したpHを維持することにより、高湿度環境及び/又はおむつの特定の構成成分への曝露を原因とする早過ぎる変化に対して着色剤を安定化させるのに重要な役割を果たすと考えられる。このように安定したpH環境を維持することにより、特に着色剤がpHインジケータである場合、着色剤が最初の乾燥状態の色に保持される。
【0052】
適切に機能する湿り度インジケータの重要な特性の1つは、尿との接触後に相応の時間内で顕著な色の変化を示す一方で、様々な保管中及び梱包状況下での乾燥状態の色を維持することである。また着色剤は、おむつ内に存在し得る様々な化学物質及び物質に対して安定した状態を保つ必要がある。マトリックスの一部としてロジン中に存在する酸性部分は、乾燥状態の色の保持に役立つことができるが、おむつ内の高pH構成成分が着色剤の望ましくない、早過ぎる色の変化の活性をもたらし得る一部の新しいおむつの設計には、追加の安定剤成分が必要であることが判明している。着色剤を酸性の乾燥状態の色に維持するには、好適な強度の酸性を追加する必要がある。好適な強度は、着色剤及び色を変化させるpH範囲によって規定される。
【0053】
3.8〜5.4のpHで色を変化させるブロモクレゾールグリーンを含むスルホンフタレイン系などのpHインジケータ着色剤の場合(「The Sigma−Aldrich Handbook of Stains,Dyes and Indicators」Floyd J.Green,Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WIを参照)、安定剤は、マトリックス内でブロモクレゾールグリーンを黄色状態に保つために好適な強度の酸性部分をもたらす必要がある。硫酸及び塩化水素酸などの多くの強酸はこれを達成するために好適な低pHを有するが、これらは、無水マトリックスにおける溶解度が低い。更に、これらの強い酸性は、湿潤組成物及びおむつ内に存在する構成成分の一部の構造を化学的に分解し得る。前述したように、ロジンなどマトリックス成分中に存在するカルボン酸部分も着色剤を酸性の色の状態に維持するのに役立つことができるが、カルボン酸は、典型的には弱すぎて、高湿度及び/又は新しいおむつの設計内の高pH構成成分に曝露された場合には、ブロモクレゾールグリーンの乾燥状態の黄色を維持できない。カルボン酸の強度を増加させるために、カルボン酸部分と別の分子の部分との間に電子求引基を追加できる。ステアリン酸などの脂肪酸は、乾燥状態の色を保持するのに役立つことができるが、カルボン酸基とアルキル鎖との間にポリオキシエチレン基を挿入してより強力な酸にすることにより、更に効果的にすることができる。これらの種類の分子はエーテルカルボン酸塩と呼ばれ、これらの酸分子は、ブロモクレゾールグリーンなどpHインジケータ着色剤の乾燥状態の酸性型を維持するのに効果的であってよい。更に、これらのエーテルカルボン酸塩中に存在するアルキル基は、湿り度インジケータマトリックス中での溶解度を増加させる。最後に、エーテルカルボン酸塩の界面活性は、尿の接触を受けた後で、湿り度インジケータ組成物の色の変化を活性化させるための移動性の増加に役立ってよい。
【0054】
他の好適な安定剤は、遊離酸型のモノアルキルリン酸塩及び遊離酸型のジアルキルリン酸塩の安定剤である。リン酸塩の酸性部分はカルボン酸基よりも強酸であるので、pHインジケータ着色剤を乾燥酸性状態に保つために必要な低pH環境を維持するのにより効果的であり得る。これらの遊離酸型のアルキルリン酸塩は、高湿度又は新しいおむつの設計に存在する不安定化物質及び/若しくは化学物質を原因とする早過ぎる活性化からブロモクレゾールグリーン着色剤の乾燥状態の色を保つのに特に有効であることが判明している。特に有効な遊離酸型のアルキルリン酸塩は、遊離酸型のステアリルリン酸塩、遊離酸型のセチルリン酸塩、及び遊離酸型のセテアリルリン酸塩である。したがって、リン酸塩は、pHインジケータ着色剤を酸性の乾燥状態の形態に保つために好適な強酸であり、親油性のアルキル部分は、湿り度インジケータ組成物中での溶解度を増加させるのに役立つ。更に、遊離酸型のアルキルリン酸塩の界面活性は、湿り度インジケータ組成物が尿の接触を受けた後の色の変化の移動を加速するのに役立ち得る。
【0055】
高湿度及び/又はおむつ内の不安定化構成成分に対して湿り度インジケータの処方を安定化させるのに特に有効な他の酸性安定剤には、ステアリン酸などの脂肪酸、パルミチン酸、クエン酸などの低分子量酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、フマル酸、アジピン酸、アスコルビン酸、及びサリチル酸などだが、これらに限定されない有機酸、クエン酸エステル(例えば、クエン酸モノステアリル及びクエン酸モノセチル)、グリコール酸エステル、乳酸エステルなどの酸エステル、モノステアリルリン酸塩及びモノセチルリン酸塩などの有機酸含有リン、エーテルカルボン酸、N−アシルサルコシン酸、N−アシルグルタミン酸、N−アシルエチレンジアミン三酢酸、アルカンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホン酸脂肪酸メチルエステル、硫酸エステル、リン酸などの無機酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な塩基性安定剤の例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロピレントリアミン、ジイソプロピルアミン(diiosopropyl amine)、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサン、1,3−ペンタンジアミンなどだが、これらに限定されない有機ジアミン、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、及びこれらの組み合わせなどだが、これらに限定されない無機塩基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
安定剤は、存在する場合には、典型的には、組成物の約0.001重量%〜約30重量%、約0.1重量%〜約15重量%、及びまた約1重量%〜約10重量%の、着色剤を安定化するのに有効な濃度で組成物中に用いられる。
【0057】
任意の添加成分
本発明の任意の一実施形態では、湿り度インジケータ組成物は、界面活性剤、構造補助剤、及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない任意成分を含んでよい。任意の追加成分は、存在する場合には、典型的には、組成物の約0.001重量%〜約50重量%、約0.1重量%〜約40重量%、及び約1重量%〜約35重量%などの任意の追加成分の利点をもたらすのに有効な濃度で組成物中に用いられる。米国特許第6,904,865号(Kloftaら、2005年6月14日発行)に開示された任意成分及び量は、本発明の湿り度インジケータ組成物で用いられてよい。
【0058】
基材
本発明の一実施形態では、本発明の湿り度インジケータ組成物は、基材上及び/又は基材中にあってよい。基材上に存在する場合、湿り度インジケータ組成物は、典型的に、水、尿、経血、血液などの液体によって接触される基材上及び/又は基材中にある。基材には、織布、不織布、フィルム、スポンジ、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。基材は、合成材料及び/又は天然材料を含んでよい。本発明の一実施形態では、任意の基材は、連続不織布のようにそれ自体で物品であってよい。本発明の別の実施形態では、湿り度インジケータが適用されてよい、ないしは別の方法で付着されてよい基材は、バックシート、トップシート、締結具、吸収材料などが挙げられるが、これらに限定されない吸収性物品の構造要素の任意の1つ又はこれらの組み合わせを含むか、又は製品に追加若しくは適用される別個の要素であってよい。本発明の任意の一実施形態では、湿り度インジケータ組成物は、吸収性物品に全体として適用される。
【0059】
本明細書に用いる基材、吸収性物品、及びその構造要素の製造は、本発明の一部ではない。以下の説明は処方の便宜のためであり、本明細書で用いられる基材の種類を限定することを意図するものではない。
【0060】
本発明の一実施形態では、使い捨て吸収性物品は使い捨ておむつである。典型的には、最近の使い捨ておむつは、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、トップシートとバックシートとの少なくとも一部の間に配置されてよい吸収性コア、サイドパネル、弾性脚部カフ、弾性的ウエスト構造部、及び締着装置を含む。一実施形態では、使い捨ておむつの対向する側面が継ぎ合わされるか、又は結合されて、パンツを形成してよい。これにより、この物品が、トレーニングパンツなどのプルオン型おむつとして使用可能になる。使い捨ておむつの構造、組み立て、及び様々な構成要素(バックシート、ダスティング層、上側及び下側カバーシート、並びにウェブなど)についての追加の実例ではあるが、非限定の情報は、米国特許第3,860,003号(Buell)、同第5,151,092号(Buell)、同第5,221,274号(Buell)、同第5,554,145号(Roeら、1996年9月10日)、同第5,569,234号(Buellら)、同第5,580,411号(Neaseら)、同第6,004,306号(Roblesら)、同第5,938,648号(LaVonら)、同第5,865,823号(Curro)、同第5,571,096号(Dobrinら)、同第5,518,801号(Chappellら)、同第4,573,986号(Minetolaら)、同第3,929,135号(Thompson)、同第4,463,045号(Ahrら)、同第4,609,518号(Curroら)、同第4,629,643号(Curroら)、同第5,037,416号(Allenら)、同第5,269,775号(Freelandら)、同第4,610,678号(Weismanら)、同第4,673,402号(Weismanら)、同第4,888,231号(Angstadt)、同第5,342,338号(Roe)、同第5,260,345号(DesMaraisら)、同第5,026,364号(Robertson)、同第3,848,594号(Buell)、同第4,846,815号(Scripps)、同第4,946,527号(Battrell)、同第4,963,140号(Robertsonら)、同第4,699,622号(Toussantら)、同第5,591,152号(Buellら)、同第4,938,753号(Van Gompelら)、同第5,669,897号(LaVonら)、同第4,808,178号(Azizら)、同第4,909,803号(Azizら)、同第4,695,278号(Lawson)、及び同第4,795,454号(Dragooに付与)、並びに米国特許出願第10/770,043号(LaVon)、同第7,318,820号(LaVonら)、同第6,962,578号(LaVon)、同第7,377,914号(LaVon)、同第11/715,976号(LaVon)、同第10/880,128号(LaVon)、同第11/131,799号(LaVonら)、同第11/133,818号(LaVonら)、同第11/135,689号(LaVon)、同第11/140,888号(LaVonら)、同第11/158,563号(LaVonら)、同第11/159,916号(LaVonら)、同第11/197,197号(LaVonら)、同第11/210,345号(LaVonら)、同第11/224,462号(LaVonら)、同第11/231,511号(LaVonら)、同第11/231,512号(LaVonら)、同第11/231,500号(LaVonら)、同第7,320,684号(LaVonら)、同第11/286,934号(LaVonら)、同第11/286,614号(LaVon)、同第11/286,612号(LaVon)、同第11/700,585号(LaVonら)、同第11/709,500号(LaVonら)、同第11/713,906号(LaVonら)、同第11/728,127号(LaVonら)、同第61/073,154号(LaVon)、及び同第61/073,169号(LaVon)、米国特許出願公開第2004/0162536号(Becker、2004年2月11日出願)、同第2007/0167928号(Becker、2007年3月13日出願)、同第2007/0179464号(Becker、2007年3月13日出願)、同第2007/0156108号(Becker、2007年3月13日出願)、及び同第2004/0167486号(Busam、2004年2月11日出願)、米国特許出願第60/936,102号(Hundorf、2007年6月18日出願)、同第60/936,109号(Hundorf、2007年6月18日出願)、同第60/936,149号(Hundorf、2007年6月18日出願)、同第60/936,085号(Ashton、2007年6月18日出願)、同第60/936,084号(Ashton、2007年6月18日出願)、同第60/936,150号(Ashton、2007年6月18日出願)、同第60/936,146号(Asthon、2007年6月18日出願)、同第60/936,037号(Ashton、2007年6月18日出願)、及び同第61/091,799号(Hundorf、2008年8月26日)に見出すことができる。
【0061】
本発明の代替の一実施形態では、トップシートの一部又は全部、バリアレグカフの一部又は全部など吸収性物品の一部は、当該技術分野において既知のようにローションで任意にコーティングされてよい。好適なローションの例としては、米国特許第5,607,760号(Roe)、同第5,609,587号(Roe)、同第5,635,191号(Roeら)、同第5,643,588号(Roeら)、及び同第5,968,025号(Roeら)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
湿り度インジケータは、当該技術分野において既知のように、スロットコーティング、噴霧、グラビア印刷、インクジェット印刷、及びデジタル印刷が挙げられるが、これらに限定されない、液体又は半液体を適用する任意の手段により基材に適用されてよい。あるいは、湿り度インジケータは、接着剤結合、化学結合、又は分子間力結合により基材に付着させられる、固形物又は半固形物であってよい。複数のインジケータが、重複形状又は非重複形状で同一の基材に適用されてよい。凝固プロセスは、溶媒の蒸発が必要な場合には、対流物質移動、又は対流熱若しくは伝導熱移動(例えば、空気又は冷却ロールによる冷却など)を使用して促進されてよい。
【0063】
上記の「背景技術」に簡単に記載されるように、湿り度インジケータ組成物は、最初に適用される基材(例えば、バックシート)に付着するだけではなく、湿り度インジケータ組成物は、湿り度インジケータの内側にあり、湿り度インジケータ組成物が面する基材(例えば、ダスティング層)に付着する必要があり、湿り事象後に流体(例えば、尿)が湿り度インジケータ組成物に排出されるようにする。つまり、湿り度インジケータ組成物とそれが面する内側基材(例えば、ダスティング層)との間に間隙が存在する場合、流体は、湿り事象を示すのに望ましい時間内で吸収性コアから湿り度インジケータに移動しないことがある。
【0064】
湿り度インジケータ組成物が面する基材に対して相当に接触/付着して、湿り度インジケータ組成物が均一に(上から下まで、及び左から右まで)濡れ、したがって意図された完全な信号をもたらすことが、更に望ましいことがある。これは、十分に粘着性があり、基材に十分に長い時間付着するが、基材から滲むほどには長くないように、最適化された「開放時間」を有する湿り度インジケータ組成物をもたらすことによって達成できる。
【0065】
基材がより低い坪量である、及び/又は通気性フィルム若しくは不織布である場合、滲出はより重大な問題になる。本発明の吸収性物品は、約60gsm未満、約40gsm未満、又は約20gsm未満の坪量を有するバックシートを用いてよい。かかるバックシートは通気性であってよく、約100g/m/24時間(24時間1平方メートル当たりの水蒸気のグラム数)超、約1000g/m/24時間超、又は約5000g/m/24時間超の水蒸気透過速度(ASTM E−96/E−96M−05による)を有する。本発明のバックシートは単層であってよいか、又は積層体であってよく、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含んでよい。
【0066】
更に、本発明の不織布ダスティング層(及び湿り度インジケータ組成物とダスティング層との間の中間層)は、約1マイクロメートル超、約10マイクロメートル超、又は約100マイクロメートル超の平均流孔径(ASTM F316−86による)を有してよい。また、AATCC 127−1985(名称「Rising Column Strike Through」)によって測定される、約1mm超の水、約10mm超の水、又は約100mm超の水の静水頭値を有してよい。また、不織布及び中間層は、約50g/m未満、約30g/m未満、又は約15g/m未満の坪量を有してよい。本発明の不織布及び中間層は、約200マイクロメートル未満、約20マイクロメートル未満、又は約2マイクロメートル未満の直径を有する繊維を含んでよい。また、この繊維は、多葉形(例えば、2葉繊維、3葉繊維など)を含む成形繊維(すなわち、円以外の横断面を有する)であってよい。
【0067】
湿り度インジケータ組成物がダスティング層の外側の面(外面)に直接接触する実施形態では、ダスティング層は、ダスティング層の内側の面(内面)に付着する、熱可塑性接着剤材料と吸収性ポリマー材料との複合体を有してよい。かかる実施形態では、湿り度インジケータ組成物に付着するダスティング層の外面に直接対向するダスティング層の内面領域(すなわち、湿り度インジケータ組成物の真向かいのダスティング層の内面領域)は、約0.01cm〜約200cm、約1cm〜約50cm、又は約3cm〜約20cmであってよい。また、湿り度インジケータ組成物の真向かいのダスティング層の内面領域におけるダスティング層の内面に付着する熱可塑性接着剤材料と吸収性ポリマー材料との複合体の量は、約1g/m〜約300g/m、約10g/m〜約200g/m、又は約25g/m〜約150g/mであってよい。これは、湿り度インジケータ組成物の色の早過ぎる変化の主な原因となる、熱可塑性接着剤材料と吸収性ポリマー材料との複合体である。
【0068】
より低い坪量及び/又は通気性フィルムと共に使用されてよい湿り度インジケータ組成物並びに上記の不織布は、約C12〜約C300、約C14〜約C100、又は約C16〜約C50の鎖長を有する、直鎖アルキル部分(「開放時間」と相関性がある)を含んでよい。更に、本発明の湿り度インジケータ組成物は、約10g/m超、約20g/m超、又は約25g/m超の坪量を有してよい。更に、下記の湿り度インジケータ試料試験(リン酸塩)(ASTM D−809による)によると、本発明の湿り度インジケータ組成物は、10.0%以下、1.0%以下、又は0.1%以下のリン含有量を有してよい。また、下記の湿り度インジケータ試料試験(窒素)(ASTM D−3228(2008)による)によると、本発明の湿り度インジケータ組成物は、3.0%以下、0.3%以下、又は0.03%以下の窒素含有量を有してよい。
【0069】
一実施形態では、湿り度インジケータ組成物は、バックシートに付着するように、最初からバックシートの内側面(すなわち、着用者に対して内面)に適用されてよい。次に、外側面(すなわち、着用者に対して外面)のダスティング層は、湿り度インジケータ組成物の内側面の全体(又は、実質的に全体)にわたってダスティング層に付着するように、湿り度インジケータ組成物と接触する。
【0070】
湿り度インジケータ組成物は、基材上に存在する場合、製品の着用中に、基材の外側から見える、例えば着用者、世話人、親などから見える信号を提供してよい。つまり、湿り度インジケータ組成物は、液体、例えば、尿、経血、血液などとの流体連通を可能にし、最初の色の状態から最終の色の状態への変化が観察者に見える部分において基材に付着される。例えば、色又はコントラストの変化は、基材及び/又は使い捨ておむつ物品のバックシート若しくは衣類に面するカバーなどの吸収性物品を通して見ることができ、この基材及び/又は吸収性物品も、基材及び/又は吸収性物品の吸収性コアに溜まった液体、例えば、尿、経血、血液などと流体連通する。
【0071】
本発明の任意の一実施形態では、最初の色の状態から最終の色の状態への着色剤の変化は、湿り度インジケータ組成物が液体、例えば、尿、経血、血液などに接触してから短時間で見られる。本発明の代替の一実施形態では、最初の色の状態から最終の色の状態への着色剤の変化は、液体、例えば、尿、経血、血液などが湿り度インジケータ組成物に接触してから約15分以内、又は約5分以内に見られる。
【0072】
本発明の別の任意の実施形態では、基材又は基材を含む吸収性物品は、尿、経血、血液などの液体が、基材又は吸収性物品の一定領域において様々な負荷レベルで湿り度インジケータ組成物に接触できるように設計されてよい。例えば、使い捨ておむつは、最初の排尿時に製品の股部に配置された湿り度インジケータ組成物に尿が接触できるが、使い捨ておむつの他の領域では、使い捨ておむつ内の尿量が所定の閾値に達した後にだけ湿り度インジケータ組成物に接触するように設計されてよい。例えば、使い捨ておむつの吸収性コアは、使い捨ておむつの所定の領域が十分な尿を収容して、この領域において湿り度インジケータ中の着色剤を最初の色の状態から最終の色の状態に変化させるまでは、この領域から尿を分配するための能力が限定的であってよく、したがって、使い捨ておむつ内の全体の尿の負荷が所定のレベルを超えるまでは、物品の隣接する領域における湿り度インジケータ組成物の変化を防止する。使い捨ておむつにおける尿の総負荷が増加するにつれて、使い捨ておむつのより多くの領域に、これらの領域に配置されてよい湿り度インジケータ中の着色剤を、最初の色の状態から最終の色の状態に変化させるのに十分な量の尿を収容する。
【0073】
湿り度インジケータ組成物は、縞、点、幾何学的形状、不規則な形状、英数字、動物の絵表示、無生物の絵表示、漫画の登場人物、擬人化された画像、ロゴ、商標、及びこれらの任意の組み合わせ、又はその配置が挙げられるが、これらに限定されない、任意の所望の模様又は構成で基材上に存在してよい。湿り度インジケータ組成物は、任意の模様で、又は使い捨て吸収性物品の外側表面上にある永久的な図形などの永久的な図形と共に適用されてよい。
【0074】
本発明の一実施形態では、湿り度インジケータ組成物は、基材上に存在する場合、典型的には、約1g/平方メートル(gsm)〜約100gsm、約5gsm〜約75gsm、及び約10gsm〜約60gsmなど目に見える信号を提供するのに有効な濃度で用いられる。しかし、基材上に存在する湿り度インジケータの量は、基材の種類(例えば、厚い、薄い、不透明、嵩高い、密度が高い、その他の物理特性など)、基材の材料、基材の用途(例えば、使い捨ておむつ、パンティライナー、包帯など)、湿り度インジケータ組成物を適用するために用いられる方法、乾燥時又は液体との接触後のいずれかにおける所望の信号の強度、色の変化の所望の移動性、湿り度インジケータ組成物中における所望の色の安定性、基材上の湿り度インジケータ組成物の所望の模様又は構成、及びこれらの組み合わせなどであるが、これらに限定されない多数の要因によって異なることを理解されたい。
【0075】
湿り度インジケータ組成物の基材及び/又は使い捨て吸収性物品の中及び/又は上への組み込みについての追加の情報は、米国特許第4,022,211号(1977年5月10日発行、Timmons)、同第6,297,42号(2001年10月2日発行、Olson)、同第6,307,119号(2001年10月23日発行、Cammarota)、及び米国特許出願公開第20020007162A1号、名称「Absorbent articles having wetness indicating graphics incorporating a training zone」(2001年8月13日出願、2002年1月17日公開、Cammarota)、及び同第20010053898A1号、名称「Absorbent articles having wetness indicating graphics providing an interactive training aid」(2001年7月24日出願、2001年12月20日公開、Olson)、及び国際公開第00/76438号(2000年12月21日公開、Kimberly−Clark Worldwide Inc.に譲渡)、及び同第00/76443号(2000年12月21日公開、Kimberly−Clark Worldwide Inc.に譲渡)に開示されているのを見出すことができる。
【0076】
試験方法
A.制御温湿度(CTH)安定性試験の方法:
この方法によると、湿り度インジケータ組成物の融点よりも約10℃高い温度に湿り度インジケータ組成物を加熱することにより、最初に湿り度インジケータを作製する。下記の実施例A〜Hにおける組成物では、この温度は約95℃〜約105℃の範囲である。この同一の温度において、幅10.2cm(4インチ)〜15.2cm(6インチ)及び間隙0.005cm(0.002インチ)のステンレス製バードアプリケータ(Gardcoモデル番号AP−6X002ts又は同等品、Gardco Incorporated(Pompano Beach,FL))も加熱する。平坦かつ水平の実験台に、最大10枚の一連のポリプロピレンバックシートフィルム(坪量約18gsm、寸法約7.6cm×20.3cm(3インチ×8インチ))を配置する。これらの10枚のバックシートフィルムは、互いに約5.1cm(2インチ)離隔し、各フィルムの最上端部を横切る透明テープで実験台に貼り付ける。
【0077】
バックシートフィルムを実験台にテープで貼り付けたら、実験者の手に絶縁手袋をはめ、この手袋を使用してオーブンから高温の湿り度インジケータ組成物を取り出し、バックシートフィルムの最上端部付近に配置する。高温のバードアプリケータもオーブンから取り出し、バードアプリケータの長辺がバックシートフィルムの7.6cm(3インチ)の短辺に対して平行になり、バードアプリケータの脚部をバックシートフィルム自体ではなく、実験台の上にしっかり置くようにバックシートの最上端部付近に配置する。次に、高温の湿り度インジケータ組成物をバードアプリケータの先端部に沿って分与し、下向きの圧力でバードアプリケータの左右の脚部をしっかり保持しつつ、バックシートフィルムの短い幅の辺に対してバードアプリケータの長辺を平行に保つ一方で、バードアプリケータをバックシートフィルムの長辺方向にしっかり移動させる。
【0078】
バックシートに適用される湿り度インジケータの坪量は、湿り度インジケータ組成物の粘度を変更することによって、異なる温度で組成物を適用することによって、バックシートフィルム上でのバードアプリケータの移動速度を変更することによって、又はバードアプリケータの間隙を変更することによって、変更できる。
【0079】
バックシートフィルムに適用される湿り度インジケータ組成物の坪量は、既知の寸法の湿り度インジケータを切断し、はかりで重さを量ることにより算出できる。湿り度インジケータ組成物とバックシートフィルムとの組み合わせの坪量は、バックシートフィルムの重量(グラム単位)をその面積(m単位)で除することにより算出する。1平方メートル当たりのグラム単位の坪量は、典型的にはgsm又はg/mとして略される。バックシートフィルムに適用される湿り度インジケータの坪量を算出するには、次にバックシートフィルムに適用される湿り度インジケータ組成物について算出された坪量からバックシートフィルムの坪量を減ずる必要がある。
【0080】
この方法で調製した湿り度インジケータでは、典型的には、10gsm〜100gsmの範囲の様々な湿り度インジケータの坪量を調製できる。前述したように、これらの範囲の坪量は、バックシートフィルム上でのバードアプリケータの移動速度を変更することによって、組成物の温度を変更することによって、アプリケータの異なる間隙設定を使用することによって、又は上述の他の変数を変更することによって作製できる。
【0081】
湿り度インジケータを作製し、坪量を算出したら、実質的にセルロースを含まないコアのダスティング層と直接接触する湿り度インジケータ側のコアに湿り度インジケータをしっかり押し付けることにより、湿り度インジケータを実質的にセルロースを含まないコアのダスティング層に適用する。湿り度インジケータは、硬質プラスチック又は木質材料で作製されたローラーを使用して、ダスティング層にしっかり適用できる。典型的には、安定性、移動性、及び着色剤保持性などの特性に対する坪量の効果を調査するために、様々な坪量の湿り度インジケータをコアのダスティング層側に適用することを試みる。
【0082】
実質的にセルロースを含まないコアのダスティング層に湿り度インジケータを適用したら、ダスティング層側を上にして、湿度75%、温度40℃に制御された温湿度制御室に配置する。湿り度インジケータを制御室に配置した日時を記録し、早過ぎる色の変化の活性が示されるかどうか定期的に試料を確認する。実施例A〜Hなど組成物を含有するブロモクレゾールグリーンの場合、最初の安定した乾燥状態の色は黄色である。ブロモクレゾールグリーン含有組成物の湿り度インジケータ組成物について観察されたすべての色の変化は、デジタル写真を使用して、及び次の0〜5の6段階評価を使用して測定する。
【0083】
「0」は、残りのバックシートフィルムを通して湿り度インジケータの色の変化が全くなく、湿り度インジケータが、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域において完全に黄色のままである状態に相当する。
【0084】
「1」は、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域の10%未満で緑色又は青色の領域が存在する状態に相当する。
【0085】
「2」は、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域の10%〜40%で緑色又は青色の領域が存在する状態に相当する。
【0086】
「3」は、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域の41%〜60%で緑色又は青色の領域が存在する状態に相当する。
【0087】
「4」は、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域の61%〜90%で緑色又は青色の領域が存在する状態に相当する。
【0088】
「5」は、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域の90%超で緑色又は青色の領域が存在する状態に相当する。
【0089】
湿り度インジケータは、この温湿度制御室又は他の温湿度制御室に最長12ヶ月間保管し、バックシートフィルムを通して写真を撮影する、又はこの方法で格付けする。
【0090】
B.着色剤移動性試験の方法:
CTH安定性試験で上述したように、湿り度インジケータを作製し(フィルムの形状である)、実質的にセルロースを含まないコアに適用すると、湿り度インジケータが組み込まれたおむつを試験して、合成尿が湿り度インジケータフィルムに接触した後で、湿り度インジケータが安定した乾燥状態の色から湿潤状態の色へと変化する速度を測定できる。ブロモクレゾールグリーンだけを含有する湿り度インジケータ組成物を含む湿り度インジケータでは、乾燥状態の色は黄色であり、湿潤状態の色は青色である。実質的にセルロースを含まないコアのダスティング層に適用される湿り度インジケータは、消費者に販売されるであろう湿り度インジケータの坪量及び寸法の両方を模す必要がある。したがって、20gsm〜60gsmの坪量及び幅約5ミリメートル×長さ約160ミリメートルの湿り度インジケータが最適であろう。この湿り度インジケータは、その長辺がおむつの長辺に対して平行になるようにダスティング層に適用する必要がある。また、この湿り度インジケータは、おむつのコアの中心に沿うように、ダスティング層の外面に適用する必要がある。
【0091】
まず、湿り度インジケータを含むおむつを湿り度インジケータ側を下にして(トップシート側を上にして)、澄んだ、無色透明のポリカーボネート片(およそ長さ35.6cm(14インチ)×幅15.2cm(6インチ)×厚さ0.64cm(0.25インチ))上に配置する。おむつを配置するこのポリカーボネートシートは、次に、鏡が取り付けられた脚部を備える両端部で支持される。鏡は45度の角度になっており、この着色剤移動性試験中におむつの湿り度インジケータ側を見ることができるように、試料の真下にある。
【0092】
次に、別の澄んだ、無色透明のポリカーボネートシートを、おむつのトップシート側に配置する。幅15.2cm(6インチ)の中央であって、長さ35.6cm(14インチ)の端部の1つから12.7cm(5インチ)の位置に中心を置いて、このポリカーボネートシートに直径2.5cm(1インチ)の丸い穴を開ける。この穴の上に、長さ12.7cm(3インチ)の澄んだ、透明のポリカーボネート製シリンダーを取り付ける。このシリンダーは、2.5cm(1インチ)の丸い円の直径(ポリカーボネートシートの2.5cm(1インチ)の丸い円に重なるようにした)及び0.64cm(0.25インチ)の壁厚を有する。
【0093】
このトップポリカーボネートシートは、最初の排尿事象を受け入れるように設計された位置にあるコアの上にポリカーボネート製シリンダーの中心部を配置するように、おむつの上に配置する。このポリカーボネートシートをおむつに配置したら、おむつの上の乳児の体重を模すために、2個の2.9kg(6.5ポンド)の重りをシートの両端に配置する。
【0094】
次に、米国特許第6,772,708号(Klofta)に開示された次の処方に従って、合成尿を調製する。次に、体温の尿を模すために合成尿を38℃の温度に加熱する。次に、40ミリリットルのこの加熱した合成尿をメスシリンダーに入れて測定する。次に、この40ミリリットルの合成尿を、約2〜3ミリリットル/秒の速度でおむつの上のポリカーボネート製シリンダーに注ぎ入れる。すべての合成尿をシリンダーに注ぎ入れたら、ストップウォッチを始動させる。ストップウォッチを使用して測定した5分の時点と10分の時点の両方で、追加の40ミリリットルを約2〜3ミリリットル/秒の速度でシリンダーに注ぎ入れる。
【0095】
次に、最初の40ミリリットルの量の合成尿をシリンダーに注ぎ入れた後でストップウォッチを始動させてから、1)2分の時点、及び2)5分の時点で、湿り度インジケータの色を(バックシートを通して見えるように)観測する。5分の時点で第2の投与量の40ミリリットルの合成尿を追加した後に、10分の時点で観測結果を記録し、10分の時点で第3の投与量の40ミリリットルを追加した後に、15分の時点で最終観測結果を記録する。色は、次の0〜5の6段階評価を使用して測定できる。
【0096】
0は、乾燥状態の色のままであるバックシートフィルムを通して湿り度インジケータの色の変化が全くなく、湿り度インジケータが、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域において完全に黄色のままである状態を示す。
【0097】
1は、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域の10%未満が、湿潤状態の色に変化していることを示す。
【0098】
2は、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域の10〜40%が、湿潤状態の色に変化していることを示す。
【0099】
3は、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域の41〜60%が、湿潤状態の色に変化していることを示す。
【0100】
4は、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域の61〜90%が、湿潤状態の色に変化していることを示す。
【0101】
5は、湿り度インジケータ領域に対応するバックシートフィルム領域の90%超が、湿潤状態の色に変化していることを示す。
【0102】
C.着色剤保持性試験の方法:
着色剤保持性試験は、着色剤移動性試験で用いた同一のおむつで実施する。湿り度インジケータを含むおむつは、(上述の)着色剤移動性試験の方法に記載したように引き続きポリカーボネートシートの間に挟まれ、合計2〜16時間の間、引き続き重りを付けられる。
【0103】
この期間が経過したら、時間を記録し、おむつをひっくり返して、裸眼で容易に観察できるように湿り度インジケータ側を上に向ける。(バックシートを通して見える)湿り度インジケータの色及び湿り度インジケータの隣に配置される領域の両方を調べて、湿り度インジケータ内の染料の保持性及び湿り度インジケータの隣に存在する領域への染料の浸出を測定する。色は分光光度法で測定できるが、視覚的評価システムも適用できる。湿り度インジケータの色は、次の基準に従って格付けできる。
【0104】
0は、バックシートフィルムを通して湿り度インジケータ内に存在する最終の湿潤状態の色が10%未満であることを示す。
【0105】
1は、バックシートフィルムを通して湿り度インジケータ内に残る最終の湿潤状態の色が10%〜50%であることを示す。
【0106】
2は、バックシートフィルムを通して湿り度インジケータ内に残る最終の湿潤状態の色が51%〜90%であることを示す。
【0107】
3は、バックシートフィルムを通して湿り度インジケータ内に残る最終の湿潤状態の色が90%超であることを示す。
【0108】
湿り度インジケータ付近の周囲領域へのすべての着色剤の浸出は、「はい」又は「いいえ」の表記で単純に記録する。「はい」は、湿り度インジケータの周囲領域で何らかの湿潤状態の色が観察されたことを示す。「いいえ」は、周囲領域内に湿潤状態の色が全く存在しないことを示す。
【実施例】
【0109】
(実施例A〜H)
【表1】

1:ペンタエリスリトールロジンエステル(Arizona Chemical(Jacksonville,FL)からのSylvatac RE 98)
2:重合ロジン(Arizona Chemical(Jacksonville,FL)からのSylvaros PR−295)
3:Crompton(Petrolia,PA)からのW835微晶性ろう
4:遊離酸型のセチルリン酸塩(ClariantからのHostaphat CC−100)
5:無水クエン酸(EMD)
6:Akzo Incorporated(Chicago,IL)からのココアルキルメチル[エトキシ化(15)]アンモニウムクロライド(Ethoquad C/25)
7:Akzo Incorporated(Chicago,IL)からのジメチル(2−エチルヘキシル水素化タローアルキル)アンモニウムメチルサルフェート(HTL8(W)−MS)
8:Curtiss Labs(Bensalem,PA)からのブロモクレゾールグリーン、遊離酸型
9:D&C Red #17(Sensient Inc.)
10:C20〜C40パレス−10(New Phase Incorporated(Sugar Land,TX)からのPerformathox 450)
11:CibaからのIrganox 1010FF
【0110】
実施例A〜Hのそれぞれは、HLB調整剤及び粘度調整剤を混合し、混合物を完全に融解するまで100℃に熱することにより作製する。このHLB/粘度調整剤のプレミックス上の熱を95℃まで低下させ、混合を続ける。別の清潔なガラス容器中で、第1の結合剤、安定剤、及び界面活性剤を混合する。完全に融解するまで、この混合物を、90℃で加熱及び撹拌する。HLB/粘度調整剤のプレミックスを第1の結合剤/安定剤/界面活性剤の混合物に添加し、90℃で加熱及び混合する。この混合物に第2の結合剤を添加し、温度が90℃に達するまで混合する。最後に、この混合物に着色剤を添加し、混合物が澄んだ、透明な、淡いオレンジ色になるまでおよそ1時間、90℃で混合する。
【0111】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0112】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックシートと、
安定剤と、着色剤と、マトリックスとを含む湿り度インジケータ組成物と、を含み、
湿り度インジケータ試料試験(リン酸塩)によると、湿り度インジケータ試料が10%以下のリン酸塩含有量を有する、吸収性物品。
【請求項2】
前記湿り度インジケータ組成物が、カチオン性粘土物質、第四級アンモニウム化合物、エトキシ化第四級アンモニウム化合物、四級化シリコーン化合物、カチオン性グアー、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、ポリアクリル酸ポリマー、有機酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質を含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記酸性安定剤が、ステアリン酸、パルミチン酸、クエン酸、サリチル酸、クエン酸モノステアリル、クエン酸モノセチル、モノステアリルリン酸塩、ジステアリルリン酸塩、モノセチルリン酸塩、ジセチルリン酸塩、モノセテアリルリン酸塩、ジセテアリルリン酸塩、エーテルカルボン酸、N−アシルサルコシン酸、N−アシルグルタミン酸、N−アシルエチレンジアミン三酢酸、アルカンスルホン酸、エトキシ化アルカンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホン酸リン酸、アルカン硫酸、エトキシ化アルカン硫酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記湿り度インジケータ組成物が、約C12〜約C300の鎖長を有する直鎖アルキル部分を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記着色剤がpHインジケータである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記着色剤が、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールブルー、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、クロロフェノールレッド、ブロモチモールブルー、ブロモピロガロールレッド、ブロモキシレノールブルー、アクリジン、アクリジンオレンジ、油溶性染料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記マトリックスが酸性である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記湿り度インジケータ組成物が、HLB調整剤、界面活性剤、抗酸化剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
HLB調整剤、粘度調整剤、硬化剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構造補助剤を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。

【図1】
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【公表番号】特表2012−522625(P2012−522625A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504931(P2012−504931)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/030792
【国際公開番号】WO2010/120706
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】