説明

湿度に対する交差感度を低減させた光ルミネセンス酸素プローブ

【課題】湿度に対する交差感度を低減させた光学的光ルミネセンス酸素プローブを提供する。
【解決手段】湿度に対する交差感度が低減された酸素感受性ルミネセンス要素、及びそれによって構成されたプローブ、並びに、閉空間内の酸素濃度を測定するためのルミネセンス要素及びプローブを製造し利用する方法が提供される。ルミネセンス要素は、酸素感受性光ルミネセンス色素を有するガラスファイバキャリアを含む。色素は、酸素透過性の疎水性ポリマーマトリックス内に組み込まれるのが好ましい。プローブはルミネセンス要素から成り、ルミネセンス要素は構造的サポート層上に積層される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載なし
【背景技術】
【0002】
酸素感受性の光ルミネセンス色素をベースにした固体ポリマー材料は、光酸素センサ及びプローブとして広く使用されている。例えば、参照できる米国公開特許出願として2009/0029402、2008/8242870、2008/215254、2008/199360、2008/190172、2008/148817、2008/146460、2008/117418、2008/0051646、2006/0002822、7,569,395、7,534,615、7,368,153、7,138,270、6,689,438、5,718,842、4,810,655、4,476,870の公報がある。このような光学センサは、独レーゲンスブルグのプリゼンツプリシジョンセンシング社(Presents Precision Sensing GmbH)、米国テキサス州ダラスのオキシセンス社(Oxysense)、及びアイルランドコーク州のルクセルバイオサイエンス社(Luxcel Biosciences, Ltd)等、数多くのサプライヤから入手可能である。
【0003】
センサから得られる光ルミネセンスの信号を増大し、光学的測定の信頼性を高めるために、酸素感受性の材料には、しばしば光散乱用の添加物が組み込まれる(例えば、酸化チタン−クライマン アイ.及びウォルフベイ オー.エス.による−分析化学、1995年、67巻、3160〜3166ページを参照)又は基層(例えば、微孔サポート−ラプコヴィスキ,デービー等による−センサアクチュエータ ビー、1998年、51巻、137〜145ページを参照)。残念ながら、そのようなプローブは湿度に対して著しい交差感度を示す傾向があり、このため、検査中のサンプルの湿度が制御できないような状況でこれらのプローブが幅広く使用される障害となっている。
【0004】
したがって、湿度に対する交差感度を低減させた光学的光ルミネセンス酸素プローブの必要性が存在している。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第一実施態様は、酸素感受性の光ルミネセンス色素を持つガラスファイバのキャリア基質を有するルミネセンス要素である。酸素感受性光ルミネセンス色素は、酸素透過性の疎水性ポリマーマトリックス内に好適に組み込まれる。
【0006】
本発明の第二実施態様は、構造的サポート層が積層された第一実施態様のルミネセンス要素を有する酸素感受性プローブである。ルミネセンス要素は、固体組成物として構造的サポート層に好適に積層されるものであり、その固体組成物は、酸素透過性の疎水性ポリマーマトリックス内に組み込まれた酸素感受性の光ルミネセンス色素を有している。
【0007】
本発明の第三実施態様は、本発明の第二実施態様による酸素感受性プローブを使用して、閉空間内の酸素濃度を測定する方法である。その方法は、次に示す段階を有する。すなわち、(A)本発明の第二実施態様による酸素感受性プローブを得る段階と、(B)そのプローブを閉空間内に配置する段階と、(C)(i)そのプローブに励起放射を長時間にわたり繰り返し照射し、(ii)少なくともいくつかの照射後に、励起されたプローブによって放出された放射を測定し、(iii)繰り返しなされた励起照射と放射測定の時間経過を測定し、(iv)少なくとも測定された放射の幾つかを、既知の変換アルゴリズムに基づいて酸素濃度に変換することによって、閉空間内の酸素濃度を確定する段階とを有している。
【0008】
本発明の第四実施態様は、本発明の第二実施態様による酸素感受性プローブを使用して、閉空間内の酸素濃度の変化をモニターする方法である。その方法は、次に示す段階を有する。すなわち、(A)本発明の第二実施態様による酸素感受性プローブを得る段階と、(B)そのプローブを閉空間内に配置する段階と、(C)(i)そのプローブに励起放射を長時間にわたり繰り返し照射し、(ii)少なくともいくつかの照射後に、励起されたプローブによって放出された放射を測定し、(iii)繰り返しなされた励起照射と放射測定がなされた間の時間経過を測定し、(iv)少なくとも測定された放射の幾つかを、既知の変換アルゴリズムに基づいて酸素濃度に変換することによって、閉空間内の酸素濃度を確定する段階と、(D)段階(C)で得られたデータから算出された閉空間内の酸素濃度の変化率を算出する段階とを有している。
【0009】
本発明の第五実施態様は、本発明の第一実施態様によるルミネセンス要素を準備する方法である。その方法は、(A)有機溶媒中に光ルミネセンス酸素感受性色素及び酸素透過性ポリマーを含むコーティングカクテル(coating cocktail)を準備する段階と、(B)そのカクテルをガラスファイバキャリア基質の第一主面に付着する段階と、(C)そのカクテルを乾燥し、それによって固体薄層フィルムコーティングがガラスファイバキャリア基質上に形成されてルミネセンス要素を形成する段階とを有している。
【0010】
本発明の第六実施態様は、本発明の第二実施態様による光ルミネセンス酸素感受性プローブを準備する方法である。その方法は、(A)本発明の第五実施態様に従ったルミネセンス要素を準備する段階と、(B)そのルミネセンス要素を構造的サポート層上に積層する段階とを有している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施態様の拡大平面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図2A】図2の中央部の拡大された側面図である。
【図2B】顕微鏡で観察された図2におけるルミネセンス要素の拡大側面図である。
【図2C】図2Bにおける一つの小繊維の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、特許請求の範囲を含み、「およそ100%の相対湿度」という文言は、凝結することなく合理的に可能な限り100%に近い湿度を意味する。
【0013】
本明細書では、特許請求の範囲を含み、「酸素透過性」という文言は、1ミル(0.00254ミリメートル)のフィルムに形成された時に、ASTEMのD3985に示された測定方法で1000cc/m2・dayよりも大きな酸素透過率を有する材料を意味する。
【0014】
図1及び2を主に参照する。本発明の第一実施態様は、密閉パッケージ(図示なし)の保存チャンバ(図示なし)のような閉空間(図示なし)内の酸素濃度を光学的に測定するのに有用な酸素感受性プローブ又はセンサである。プローブ10は、構造的サポート層40状に積層されたルミネセンス要素20を有する。
【0015】
図2Aから2Cを参照する。ルミネセンス要素20は、酸素感受性光ルミネセンス色素21を有するガラスファイバ基質23を含む。酸素感受性光ルミネセンス色素21は、酸素透過性ポリマーマトリックス22内に好適に組み込まれる。次に、図2Cを参照する。混合光ルミネセンス色素21及び酸素透過性ポリマーマトリックス22は、グラスファイバキャリア基質23の格子空間容積に浸透し、グラスファイバキャリア基質23の個別小繊維24をコートし、コーティングされた小繊維24‘を形成すると考えられるが、このことを過度に制限する意図はない。
【0016】
酸素感受性光ルミネセンス色素21は、既知の酸素感受性光ルミネセント色素21のいずれかから選択される。当業者であれば、プローブ10の使用目的に基づいて適切な色素21を選択することが可能である。適切な酸素感受性光ルミネセンス色素21の限定的なリストは、特に以下を含むが、これには限らない。つまり、ルテニウム(II)−ビピリジル及びルテニウム(II)−ジフェニルフェナントロリン錯体;白金(II)−オクタエチルポルフィン−ケトンといったポリフィリンケトン;白金(II)−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィンといった白金(II)−ポルフィリン;パラジウム(II)−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィンといったパラジウム(II)−ポルフィリン;テトラベンゾポルフィリン、塩素、アザポルフィリンといったリン光性金属錯体;及び、長い時間で減衰したイリジウム(III)又はオスミウム(II)のルミネセンス錯体である。
【0017】
疎水性の酸素感受性光ルミネセンス色素21は、適切な酸素透過性及び疎水性キャリアマトリックス22から成る。当業者であれば、プローブ10の使用目的及び選択された色素21に基づいて、適切な酸素透過性の疎水性キャリアマトリックス22を選択することが可能である。酸素透過性の疎水性キャリアマトリックス22として使用される好適なポリマーの限定的なリストは、特に、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリ塩化ビニル、及びいくつかの共重合体であるが、これに限らない。
【0018】
ガラスファイバキャリア基質23は、グラスファイバシートであり、好ましくは、第一及び第二の主面(図番なし)を備えたガラスファイバである。そのような材料を酸素感受性光ルミネセンス色素21のためのキャリアとして使用すると、他のプローブ10と比較して、湿度に対するルミネセンス要素20の交差感度は大幅に減少する。適切なガラスファイバフィルタのディスクは、特に以下を含む多くの供給源から広く入手可能であるが、それだけに限られない。つまり、マサチューセッツ州ベッドフォードのミリポアコーポレーション(Millipore Corporation)の右名称(バインダのないフィルタとしては、APFA、APFB、APFC、APFD、APFF、及びAP40、そしてバインダを含むフィルタとしては、AP15、AP20、及びAP25)、フロリダ州オスカラのゼフォンインターナショナルインコーポレーテッド(Zefon International, Inc.)の右名称(バインダのないフィルタとして、IW-AH2100、IW-A2100、IW-AE2100、IW-B2100、IW-C2100、IW-D2100、IW-E2100、そしてIW-F2100)、及びニューヨーク州ポートワシントンのポールコーポレーション(Pall Corporation)の右名称(バインダのないフィルタとして、A/B、A/C、A/D、及びA/E、そしてバインダを含むフィルタとしては「Metrigard(登録商標)」(メトリガード))がある。
【0019】
ガラスファイバキャリア基質23は、好ましくは100μmから5000μmの間の厚さであり、最も好ましいのは200μmから2000μmの間の厚さである。
【0020】
構造的サポート層40は、ルミネセンス要素20を物理的に支持するのに十分な構造的完全性を有し、かつプローブ10が使用される環境(例えば、高湿度、低湿度、水中に浸されている、及び酸性溶液に浸されている、等)に長時間さらしても耐えることが出来る材料から選択される。構造的サポート層40として使用されるのに適している材料は、プローブ10が使用される環境に依存するのはもちろんのことであるが、以下の材料を特に含んでいる。しかし、これに限定されるものではない。つまり、ペーパー、ワックスペーパー、カード用紙、段ボール、木材、及び積層材といったセルロースでできた物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートといったプラスティック;アルミニウムシート、アルミホイル、スティール、及びスズといった金属;織物及び不織布;ガラス;及びマイラーのようなそれらの組合せ及び混合物である。
【0021】
図2Aを参照する。プローブ10は、構造的サポート層40の第一主面40a上に感圧接着剤層30を有するのが好ましい。この感圧接着剤層30は、構造的サポート層40上にルミネセンス要素20を固定するためのものである。また、この感圧接着剤層30によって、酸素濃度が測定される閉空間(図示なし)を規定する容器(図示なし)の表面(図示なし)にプローブを取り付けることが容易となるが、このときプローブ10上のルミネセンス要素20は、ルミネセンス要素20の色素21の励起波長及び発光波長での放射に対して透過的又は半透過的な容器の領域(図示なし)を介して、容器(図示なし)から外側に面した状態が保持されている。感圧接着剤層30は、ルミネセンス要素20を覆う可能性があるが、覆ってはならない。
【0022】
本発明のプローブ10及びルミネセンス要素20は、一定の酸素濃度において、0%から100%近くの検体ガスの相対湿度変化に対して、湿度に対する交差感度がほとんどなく、かつルミネセンスの寿命変化は5%以下である。実際、特定の酸素感受性光ルミネセンス色素21と、特定の酸素透過性の疎水性ポリマーマトリックス22と、特定のガラスファイバキャリア基質23の組合せでは、3%以下のルミネセンスの寿命変化、さらには1%以下の寿命変化が容易に達成可能である。
【0023】
ルミネセンス要素20は、そのような要素20を製造するのに使用されるのと同様な従来方法によって製造可能である。つまり、都合の良いことに、ルミネセンス要素20は以下に示す方法によって製造することができる。つまり、(A)エチルアセテートのような有機溶媒(図示なし)中に光ルミネセンス酸素感受性色素21及び酸素透過性ポリマー22を有するコーティングカクテルを準備する段階と、(B)ガラスファイバキャリア基質23をカクテル(図示なし)中に浸すこと等によって、カクテルをガラスファイバキャリア基質23の少なくとも第一主面(図番なし)に付着する段階と、(C)カクテル(図示なし)を乾燥させ、それによって固体薄層フィルムコーティングがガラスファイバキャリア基質23上に形成され、ルミネセンス要素20を形成する段階とを有する。
【0024】
一般的に、有機溶媒(図示なし)中のポリマー22の濃度は、0.1%w/wから20%w/wの範囲であり、色素21とポリマー22の比率は、1:20w/wから1:10000w/wの範囲であり、好ましくは1:50w/wから1:5000w/wの範囲である。
【0025】
プローブ10は、ルミネセンス要素20を構造的サポート層40の第一主面40a上に積層することによって、ルミネセンス要素20から製造することができる。
【0026】
ルミネセンス要素20は、構造的サポート層40に接着積層されるのが好ましい。多くの利用を考え、従来のコーティング技術を用い、感圧接着剤層30は構造的サポート層40の第一主面40aの全面に渡ってコートされるのが好ましい。それによって、プローブ10を容器(図示なし)の側壁に接着して取り付けるのに露出した感圧接着剤層30が使用でき、側壁に面したルミネセンス要素20によって、側壁(図示なし)を介してリーダ(図示なし)によるその後の監視をすることができる。
【0027】
プローブ10は、閉空間(図示なし)内の相対湿度に係わりなく、閉空間内の酸素濃度を迅速に、簡単に、正確にかつ確実に測定するために使用できる。プローブ10は、他の酸素感受性光ルミネセンスプローブと同じ方法で酸素濃度を測定するために使用できる。つまり、プローブ10は、閉空間(図示なし)内の酸素濃度を次の方法によって測定するために使用される。すなわち、(A)プローブ10を、閉空間(図示なし)内であって、色素21の励起波長での放射がルミネセンス要素20に伝達されるとともに色素21の発光波長での放射がルミネセンス要素20から受けることができる場所に、干渉は最小限でその閉空間の一体性を開放せず或いは破壊することもなく配置する段階と、(B)(i)プローブ10に励起放射を長時間にわたり繰り返し照射し、(ii)少なくともいくつかの照射後に、励起されたプローブ10から放出された放射を測定し、(iii)繰り返しなされた励起放射と放射測定の時間経過を測定し、(iv)少なくとも測定された放射の幾つかを、既知の変換アルゴリズムに基づいて酸素濃度に変換することによって、閉空間(図示なし)内の酸素濃度を確定させる段階とを有している。そのような変換アルゴリズムは、当業者には良く知られた技術であり、また当業者によって容易に開発可能である。
【0028】
同様な方法で、閉空間(図示なし)の相対湿度に関わりなく、閉空間内の酸素濃度の変化を迅速に、容易に、正確に、そして確実にモニターするために使用することができる。プローブ10は、他の酸素感受性光ルミネセンスプローブと同様の方法で、酸素濃度の変化をモニターするために使用することができる。つまり、次に述べる方法によって、プローブ10は閉空間(図示なし)内の酸素濃度をモニターするために使用される。その方法とは、(A)プローブ10を、閉空間(図示なし)内であって、色素21の励起波長での放射がルミネセンス要素20に伝達されるとともに色素21の発光波長での放射がルミネセンス要素20から受けることができる場所に、干渉は最小限でその閉空間の一体性を開放せず或いは破壊することもなく配置する段階と、(B)(i)プローブ10に励起放射を長時間にわたり繰り返し照射し、(ii)少なくともいくつかの照射後に、励起されたプローブ10から放出された放射を測定し、(iii)繰り返しなされた励起放射と放射測定の時間経過を測定し、(iv)少なくとも測定された放射の幾つかを、既知の変換アルゴリズムに基づいて酸素濃度に変換することによって、閉空間(図示なし)内の酸素濃度を確定させる段階と、(C)(i)少なくとも二つの確定した酸素濃度、及びそれらの確定された酸素濃度間の時間間隔と、(ii)段階(B)で得られたデータから算出された閉空間内の酸素濃度の変化率と、の少なくとも一つを報告する段階とを有している。測定された放射を酸素濃度に変換するために使用される変換アルゴリズムは、当業者に良く知られており、また当業者によって容易に開発可能である。
【0029】
励起されたプローブ10によって放出された放射は、強度及び/又は寿命(減衰速度、位相シフト、又は異方性)の観点から測定され、寿命の測定は一般的に、色素21が酸素によって冷却される(quench)程度を測定することによって酸素濃度を確定しようとする場合の、より正確で確実な測定として好まれている。
【符号の説明】
【0030】
10 酸素感受性プローブ
20 ルミネセンス要素
21 酸素感受性光ルミネセンス色素
22 酸素透過性ポリマーマトリックス
23 キャリア基質
24 キャリア基質の個別小繊維
24‘ キャリア基質のコーティングされた個別小繊維
30 感圧接着剤層
40 構造的サポート層
40a 構造的サポート層の第1のすなわち上部の主層
40b 構造的サポート層の第2のすなわち下部の主層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素感受性光ルミネセンス色素を持つガラスファイバキャリア基質を有する酸素感受性ルミネセンス要素。
【請求項2】
前記ガラスファイバキャリア基質はバインダを含まない請求項1に記載のルミネセンス要素。
【請求項3】
前記ガラスファイバキャリア基質はバインダを含む請求項1に記載のルミネセンス要素。
【請求項4】
前記ガラスファイバキャリア基質はガラスファイバフィルタである請求項1に記載のルミネセンス要素。
【請求項5】
前記酸素感受性光ルミネセンス色素は酸素透過性の疎水性ポリマーマトリックス内に組み込まれている請求項1に記載のルミネセンス要素。
【請求項6】
前記酸素感受性光ルミネセンス色素は遷移金属錯体である請求項5に記載のルミネセンス要素。
【請求項7】
前記遷移金属錯体は、ルテニウム−ビピルジル、ルテニウム−ジフェニルフェナントロリン、白金−ポルフィリン、パラジウム−ポルフィリン、ポルフィリン−ケトンとアザポルフィリンとテトラベンゾポルフィリンと塩素とから成るリン光性金属錯体、及び長い時間で減衰したイリジウム(III)又はオスミウム(II)のルミネセンス錯体から成るグループから選択される請求項6に記載のルミネセンス要素。
【請求項8】
前記酸素透過性ポリマーマトリックスは、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリサルフォン、及びポリ塩化ビニルから成るグループから選択される請求項7に記載のルミネセンス要素。
【請求項9】
前記ガラスファイバキャリア基質は、100μmと5000μmの間の厚さのシートである請求項1に記載のルミネセンス要素。
【請求項10】
構造的サポート層上に積層された請求項1に記載の前記ルミネセンス要素を有する酸素感受性プローブ。
【請求項11】
前記構造的サポート層の第一の主面上に接着された感圧層をさらに有し、当該接着剤層は前記構造的サポート層と前記ルミネセンス要素との間に挟まれている請求項10に記載の酸素感受性プローブ。
【請求項12】
前記ルミネセンス要素は固体組成物として前記構造的サポート層に積層され、当該固体組成物は、酸素透過性の疎水性ポリマーマトリックス内に組み込まれた前記酸素感受性光ルミネセンス色素を有する請求項10に記載の酸素感受性プローブ。
【請求項13】
前記プローブは、0%から100%近くの検体ガスの相対湿度の変化に対して、ルミネセンスの寿命変化が5%より小さい請求項10に記載の酸素感受性プローブ。
【請求項14】
閉空間内の酸素濃度を測定する方法であって、当該方法は、
(a)請求項10による酸素感受性プローブを得る段階と、
(b)前記プローブを前記閉空間内に配設する段階と、
(c)(i)長時間にわたり繰り返し前記プローブに励起放射を照射し、(ii)少なくともいくつかの照射の後に、励起されたプローブによって放出された放射を測定し、(iii)繰り返し成された励起照射及び放射測定の間の経過時間を測定し、(iv)測定された放射の少なくともいくつかを既知の変換アルゴリズムを用いて酸素濃度に変換する、ことによって前記閉空間内の酸素濃度を確定する段階と、
を有する方法。
【請求項15】
閉空間内の酸素濃度を測定する方法であって、当該方法は、
(a)請求項12による酸素感受性プローブを得る段階と、
(b)前記プローブを前記閉空間内に配設する段階と、
(c)(i)長時間にわたり繰り返し前記プローブに励起放射を照射し、(ii)少なくともいくつかの照射の後に、励起されたプローブによって放出された放射を測定し、(iii)繰り返し成された励起放射及び放射測定の間の経過時間を測定し、(iv)測定された放射の少なくともいくつかを既知の変換アルゴリズムを用いて酸素濃度に変換する、ことによって前記閉空間内の酸素濃度を確定する段階と、
を有する方法。
【請求項16】
前記閉空間は、密閉パッケージの保存チャンバである請求項14に記載の方法。
【請求項17】
閉空間内の酸素濃度の変化をモニターする方法であって、当該方法は、
(a)請求項10による酸素感受性プローブを得る段階と、
(b)前記プローブを前記閉空間内に配設する段階と、
(c)(i)長時間にわたり繰り返し前記プローブに励起放射を照射し、(ii)少なくともいくつかの照射の後に、励起されたプローブによって放出された放射を測定し、(iii)繰り返し成された励起放射及び放射測定の間の経過時間を測定し、(iv)測定された放射の少なくともいくつかを既知の変換アルゴリズムを用いて酸素濃度に変換する、ことによって前記閉空間内の酸素濃度を確定する段階と、
(d)(i)少なくとも二つの確定した酸素濃度及びそれらの確定した酸素濃度間の時間間隔と、(ii)段階(c)で得られたデータから算出された前記閉空間内の酸素濃度の変化率との、少なくとも一つを報告する段階と、
を有する方法。
【請求項18】
閉空間内の酸素濃度の変化をモニターする方法であって、当該方法は、
(a)請求項12による酸素感受性プローブを得る段階と、
(b)前記プローブを前記閉空間内に配設する段階と、
(c)(i)長時間にわたり繰り返し前記プローブに励起放射を照射し、(ii)少なくともいくつかの照射の後に、励起されたプローブによって放出された放射を測定し、(iii)繰り返し成された励起放射及び放射測定の間の経過時間を測定し、(iv)測定された放射の少なくともいくつかを既知の変換アルゴリズムを用いて酸素濃度に変換する、ことによって前記閉空間内の酸素濃度を確定する段階と、
(d)(i)少なくとも二つの確定した酸素濃度及びそれらの確定した酸素濃度間の時間間隔と、(ii)段階(c)で得られたデータから算出された前記閉空間内の酸素濃度の変化率との、少なくとも一つを報告する段階と、
を有する方法。
【請求項19】
前記閉空間は、密閉パッケージの保存チャンバである請求項17に記載の方法。
【請求項20】
請求項5のルミネセンス要素を準備する方法であって、当該方法は、
(a)光ルミネセンス酸素感受性色素及び酸素透過性ポリマーを有機溶媒中に含んだコーティングカクテルを準備する段階と、
(b)前記コーティングカクテルを前記グラスファイバキャリア基質の第一主面に付着する段階と、
(c)前記コーティングカクテルを乾燥し、固体薄膜フィルムコーティングがガラスファイバキャリア基質上に形成され、ルミネセンス要素を形成する段階と、
を少なくとも有する方法。
【請求項21】
前記ガラスファイバキャリア基質を前記カクテルに浸すことによって、前記カクテルが前記ガラスファイバキャリア基質の前記第一主面に付着される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記カクテルは、エチルアセテート内に白金−オクタエチルポルフィン−ケトン及びポリエステルを有する請求項20に記載の方法。
【請求項23】
有機溶媒中のポリマー濃度は、0.1%w/wから20%w/wの範囲であり、前記色素とポリマーとの比率は、1:20w/wから1:10000w/wの範囲である請求項20に記載の方法。
【請求項24】
光ルミネセンス酸素感受性プローブを準備する方法であって、当該方法は、
(a)請求項20によるルミネセンス要素を準備する段階と、
(b)前記ルミネセンス要素を構造的サポート層の前記第一主面上に積層する段階と、
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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