説明

湿式電子写真印刷機

【課題】キャリア液除去ローラなどの回転精度誤差に影響されることなく、感光体ドラム表面の現像後の余剰キャリア液を除去して均質な画像を得るようにする。
【解決手段】キャリア液除去装置8のキャリア液除去ローラ14を感光体ドラム1に転接して、この感光体ドラム表面の液体トナー像のキャリア液を除去してトナー像とし、このトナー像を被記録材7に転写するようにした湿式電子写真印刷機において、キャリア液除去装置のキャリア液除去ローラを、感光体ドラム側へ調節可能にした付勢力にて付勢して転接し、キャリア液除去ローラに掻き取りブレード23を、調節可能にした付勢力にて付勢して接触した構成になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は湿式電子写真印刷機で、特にキャリア液とトナー粒子からなる液体トナーにて静電潜像が現像された感光体ドラムの表面から余剰のキャリア液を除去するキャリア液除去装置を備えた湿式電子写真印刷機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
湿式電子写真印刷機におけるキャリア液除去装置は、感光体ドラムの回転方向で現像装置の下流側に配置され、これのキャリア液除去ローラが感光体ドラムの周面に所定の間隔をあけて、あるいはニップした状態で、これの周面が感光体ドラムの周面と同一方向に向くように回転することにより、上記現像装置にて感光体ドラム表面に供給された液体トナーにおける余剰のキャリア液を除去し、感光体ドラム表面に付着した液体トナーでのトナー濃度を適正にするようにしている。
【0003】
上記キャリア液除去ローラと感光体ドラムの軸間距離は、キャリア液除去ローラ表面と感光体ドラム表面間の隙間間隔、あるいはニップ圧を適正にするために一定の距離に保たなければならない
【0004】
従来のこの種のキャリア液除去装置のキャリア液除去ローラは、これの軸方向両端に同軸状にしてコロを設け、このコロを感光体ドラムの周面に付勢転接させることにより、感光体ドラムに対するキャリア液除去ローラの位置を設定するようにしている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平1−43307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のキャリア液除去装置にあっては、感光体ドラムとコロの接触回転により、感光体ドラムに対するキャリア液除去ローラの一定に近接距離状態を維持する都合上、それぞれの接触面は所定の硬度を有する必要があるが、その接触点における損耗の発生がありその進行により上記近接距離状態の精度が低下する問題や、高精度部品を必要とすることや、必要部品の増加などによる製作コストの問題、またその構成においてはキャリア液除去ローラ側の回転精度や、その表面性の悪化によるトナー像形成への影響が除去できないという問題も存在している。その上、コロ自体に振れなどの製作上の精度不良が存在する場合にも同様に問題が生じることとなる。
【0007】
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、キャリア液除去ローラなどの製作上、組み付け上の、また経時変化などにより生じる回転精度誤差に影響されることなく、感光体ドラム表面の現像後の余剰キャリア液を除去して均質な画像を得ることができるようにした湿式電子写真印刷機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る湿式電子写真印刷機は、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像装置にて液体トナーを用いて液体トナー像に現像し、ついでキャリア液除去装置のキャリア液除去ローラを感光体ドラムに転接して、上記液体トナー像のキャリア液を除去してトナー像とし、このトナー像を被記録材に転写するようにした湿式電子写真印刷機において、キャリア液除去装置のキャリア液除去ローラを、感光体ドラム側へ調節可能にした付勢力にて付勢して転接し、キャリア液除去ローラに掻き取りブレードを、調節可能にした付勢力にて付勢して接触させた構成になっている。
【0009】
上記湿式電子写真印刷機において、キャリア液除去装置のキャリア液除去ローラと掻き取りブレードを、感光体ドラムの軸方向に出し入れ可能にして支持フレームに支持したカセットフレームに支持し、上記支持フレームを、キャリア液除去ローラが感光体ドラムに対して接離する方向に移動可能にし、また掻き取りブレードをキャリア液ローラに対して接離可能とし、さらに現像装置とキャリア液除去装置との間に、感光体ドラム上の液体トナー像のトナーを感光体ドラム表面側へ移動させる電圧を印加するセットチャージャを設けた構成になっている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、キャリア液除去装置のキャリア液除去ローラを感光体ドラム表面に対して調節可能にした付勢力にて付勢して転接したことにより、感光体ドラム、キャリア液除去ローラなどの製作上、組み付け上の、また経時変化などにより生じる回転精度誤差が存在していても、感光体ドラムとキャリア液除去ローラ間の接触圧を常時適正圧に保持することができて、均質で安定した印刷画像を得ることができる。またこれらの精度的影響は、印刷速度の高速化に伴って顕著に現れてくるが、被記録材の走行速度において60m/minの印刷速度でも安定した画像を得ることができ、印刷品質と共に生産性も向上することができた。
【0011】
またこの請求項1において、キャリア液除去ローラに掻き取りブレードを、調整可能にした付勢力にて付勢して接触させたことにより、キャリア液除去ローラと掻き取りブレードとの接触圧の安定化を図ることができる。
【0012】
請求項1の発明は、上記のように構成したことにより損耗品が減少し、適正な接触圧が簡単な部品構成により維持可能となり、安定稼動状態を長期にわたって維持可能であり、生産性の向上と共に、生産コストの面での経済性においても大きな効果を得ることができた。
【0013】
また、感光体ドラム、キャリア液除去ローラなどを高精度に維持するためのコストが従来においては大きなウエイトを占めていたが、それらの維持費の面でのコストが削減された点での経済的効果も得られた。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、キャリア液除去ローラと、これに接触する掻き取りブレードを出し入れ可能になっていることにより、これらの保守点検性が向上し、これらの適正状態の維持を容易に行うことができる。
【0015】
その上、装置の停止時にはキャリア液除去ローラを感光体ドラムから、掻き取りグレードをキャリア液除去ローラから隔離させることができることにより、停止時においてのこれらの接触による永久変形を防止することができる。
【0016】
さらに請求項3に記載の発明によれば、セットチャージャとの併用により高濃度で安定した印刷品質の維持ができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】湿式電子写真印刷機を概略的に示す構成説明図である。
【図2】本発明の要部を示す構成説明図である。
【図3】図2のA矢視方向から見た構成説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明を実施しようとする湿式電子写真印刷機を概略的に示す説明図であり、図中1は感光体ドラム、2はこの感光体ドラム1に対接する転写ローラ、3はこの転写ローラ2に対接するバックアップローラである。
【0019】
この湿式電子写真印刷機にあっては、上記感光体ドラム1は図示しないモータ等の駆動手段にて画像形成時に一定速度で矢印方向に回転され、感光体ドラム1の表面は、帯電装置4にて暗中にて一様に帯電され、ついで感光体ドラム1の表面に露光装置5により原稿光像が照射結像され、これにより感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成されるようになっている。その後、この静電潜像が現像領域を通過する際に、液体トナーを用いた現像装置6にて液体トナー像化されて感光体ドラム1の表面にトナー像が形成されるようになっている。
【0020】
感光体ドラム1の表面におけるトナー像は、転写領域にて転写ローラ2を介して印加されるバイアス電圧と感光体ドラム1と転写ローラ2とのニップ圧により、転写ローラ2の表面に一次転写され、この一次転写のトナー像は二次転写領域にて、転写ローラ2とバックアップローラ3の間を通過する被記録材7に二次転写されるようになっている。上記転写ローラ2の周面は導電性のゴム質材料で被覆されている。
【0021】
上記感光体ドラム1の周囲には、現像装置6の位置より回転方向下流側に配置されて、現像後の液体トナー像成分であるキャリア液の一部(余剰分)を除去するキャリア液除去装置8が、また感光体ドラム1の転写ローラ1との転接部より下流側で転写ローラ2への一次転写後に感光体ドラム1に残留している残留電位を除電器9にて除電してから、これの表面に残留している残留トナーを除去する感光体ドラムクリーニング装置10が設けられている。そして上記現像装置6とキャリア液除去装置8との間に、感光体ドラム1の表面上の液体トナー像のトナーにバイアス電圧を印加するセットチャージャ11が設けてある。
【0022】
また、転写ローラ2の周囲には、これのバックアップローラ3との転接部より回転方向下流側で、かつ感光体ドラム1との転接部の間に、上流側から順に二次転写後の転写ローラ2の表面にクリーニング用のキャリア液を供給するキャリア液供給装置12と、転写ローラ2の表面をクリーニングする転写ローラクリーニング装置13が設けられている。そしてこのクリーニング装置13は、上記キャリア液供給装置12より所定の距離、例えば転写ローラ2の距離1/4周長程度離れた位置に配置されている。
【0023】
次に上記キャリア液除去装置8の要部の構成を、これを概略的に示した図2、図3にて説明する。図2は一部破断面図、図3は図2のA矢視図である。
【0024】
図中14は、感光体ドラム1の周面に転接して従動により順方向に回転するキャリア液除去ローラであり、このキャリア液除去ローラ14は、支持フレーム15に対して感光体ドラム1の軸方向に摺動可能に支持されたカセットフレーム16に感光体ドラム1の周面側へばね付勢されて支持されている。この支持フレーム15とカセットフレーム16とはレール結合されていて、カセットフレーム16は支持フレーム15に対して摺動自在になっている。なお、上記レール結合部にコロを介在させて摺動抵抗を小さくなるようにしてもよい。
【0025】
キャリア液除去ローラ14の表面は電導性ゴムにて構成されていて、これに液体トナーのトナーと反発するためのトナーと同極のバイアス電圧が印加されている。
【0026】
カセットフレーム16は、キャリア液除去ロール14の軸方向両側に一対のブラケット16a,16bを有しており、この各ブラケット16a,16bの内側に軸受レバー17a,17bが回動支点18にて回動自在に支持されており、この両軸受レバー17a,17bに上記キャリア液除去ローラ14の両端が回転自在に支持されている。上記軸受レバー17a,17bの回動支点18は、キャリア液除去ローラ14の回転中心に対して、これの感光体ドラム1との転接点から遠い方の端部に設けられていて、軸受レバー17a,17bが回動支点18を中心に回動することにより、感光体ドラム1に対するキャリア液除去ローラ14の周面が接離方向に変位するようになっている。
【0027】
上記軸受レバー17a,17bには、これの回動方向接線方向にコイルスプリングを内装したスプリングプランジャ19aが、これの作用部20を感光体ドラム1から遠くなる方向に向けて設けてある。そしてこれの作用部20が当接する支持部材21がブラケット16a,16bに固着してあり、これの支持部材21に上記作用部20が当接することにより、軸受レバー17a,17bが感光体ドラム1側へばね付勢され、したがってキャリア液除去ローラ14が感光体ドラム1側へばね付勢されるようになっている。上記スプリングプランジャ19aは、軸受レバー17a,17bに対して雄ねじ構造になっていて、これをドライバー等にて回転することにより軸方向に進退して、上記作用部20における感光体ドラム1側への付勢力が調節できるようになっている。
【0028】
軸受レバー17a,17bの先端部にはヨーク部が設けられていて、このヨーク部にブラケット16a,16bに固着されたストッパピン22が遊嵌されていて、この両者間の遊びによってブラケット16a,16bに対する軸受レバー17a,17bの回動範囲が、したがってキャリア液除去ローラ14の感光体ドラム1に対する転接方向の移動範囲が規制されるようになっている。
【0029】
カセットフレーム16の内側には、キャリア液除去ローラ14の表面に、これの回転方向と逆方向に向けて接触する掻き取りブレード23が設けてある。この掻き取りブレード23は、これの長手方向に回動自在に設けたブラケット23aに支持されている。そして各ブラケット23aは、ブレードの先端がキャリア液除去ローラ14に接触する方向にスプリングプランジャ19bにてばね付勢されている。これのスプリングプランジャ19bの作用部20は偏心カム24にて当接されていて、この偏心カム24を回動することにより、作用部20が変位してスプリングプランジャ19bによる付勢力が調節されるようになっている。なおこのスプリングプランジャ19bは、これをドライバー等にて回転することによっても付勢力を調節することができる。上記偏心カム24はこれを所定角以上回転することにより、掻き取りブレード23がキャリア液除去ローラ14から離隔されるようになっている。
【0030】
カセットフレーム16は、上記したように支持フレーム15に対して感光体ドラム1の軸方向に摺動自在に支持されていて、カセットフレーム16全体を支持フレーム15から取り外すことができるようになっている。そしてこれの装着方向両側に位置決め板25a,25bが設けられていて、奥側の位置決め板25aに先端側を当接し、手前側の位置決め板25bを閉じることにより、カセットフレーム16が装入方向への位置決めができるようになっている。
【0031】
また、カセットフレーム16の下部には舟形に形成された液溜り26が設けてあり、カセットフレーム16の奥側のブラケット16aに、この液溜り26に連通するカプラ27が設けてある。一方、支持フレーム15には、上記カセットフレーム16側のカプラ27を押し付けることにより連通する他のカプラ28が設けてあり、カセットフレーム16がセット状態で両カプラ27,28が押しつけ連通して、上記液溜り26の液がカプラ27,28を経て液回収管29から排出されるようになっている。
【0032】
上記支持フレーム15の両端部は、左右のサイドフレーム30a,30bに固着した固定ブラケット31a,31bにスライドガイド32、33を介して、上記キャリア液除去ローラ14の感光体ドラム1への接離方向に移動可能に支持されている。そして支持フレーム15と固定ブラケット31a,31bとの間にはエアシリンダ34,34が、固定ブラケット31a,31b側に支持され、かつピストンロッドを支持フレーム15側にねじ結合して設けられていて、両シリンダ34,34を同期して伸長動することにより、キャリア液除去ローラ14が感光体ドラム1への接触位置まで前進し、また短縮動することによりキャリア液除去ローラ14が感光体ドラム1から大きく離隔する位置に後退するようになっている。
【0033】
図2、図3において35は、上記支持フレーム15の前進方向のストッパ、36は後退方向のストッパであり、それぞれの位置をねじにて変えることによりそれぞれのストップ位置が調節できるようになっている。なお前進方向のストッパは、エアシリンダ34,34のストロークエンドにて代用することができる。この場合のストローク調節は、ピストンロッドのねじ込みによる長さ調節にて行う。
【0034】
上記のように構成されたキャリア液除去装置8の作用を以下に説明する。
【0035】
キャリア液除去ローラ14は、スプリングプランジャ19aにて感光体ドラム1の周面に所定の付勢力にて押圧されて転接され、感光体ドラム1に従動されて同一周方向に回転され、現像装置6の現像ローラ6aにて感光体ドラム1の表面に現像された液体トナー像の余剰のキャリア液がキャリア液除去ローラ14の表面に付着して除去される。
【0036】
このときキャリア液除去ローラ14には、液体トナーのトナーと同極のバイアス電圧が印加されていることにより、上記液体トナー像のトナーは、感光体ドラム1の表面側へ押し付けられ、主としてキャリア液がキャリア液除去ローラ14のローラ表面に付着される。
【0037】
上記キャリア液除去ローラ14の感光体ドラム1側への付勢力は、スプリングプランジャ19aの調節により可変することができ、感光体ドラム1の歪み、キャリア液除去ローラ14の精度及びローラ径の経時変化や組み付け精度などによりローラに振れが存在していても、感光体ドラム1との接触点における接触圧は常時一定に保持することができる。
【0038】
キャリア液除去ローラ14に付着したキャリア液は、掻き取りブレード23にて掻き落とされてカセットフレーム16の液溜り26に溜められ、ここからカプラ27,28を通って液回収管29より排出される。
【0039】
このときの掻き取りブレード23は、スプリングプランジャ19bによる付勢力にてキャリア液除去ローラ14の表面に押し付けられ、この押し付け力はスプリングプランジャ19bの付勢力を調節することにより調整される。またこのときに、感光体ドラムの振れや、キャリア液除去ローラ14の振れが存在する場合には、それらの振れ量が重複されて掻き取りブレード23とキャリア液除去ローラ14との接触圧に影響してくるが、これらの影響は上記スプリングプランジャ19bにて吸収されて、上記接触圧はスプリングプランジャ19bにて一定に保持でき、常時安定したキャリア液除去(回収)機能を得ることができる。また、掻き取りブレード23のねじれなどの個体差も吸収できて、ブレードの接触圧調整を容易にすることができる。
【0040】
またキャリア液除去ローラ14は、エアシリンダ34,34を伸縮動作することにより、上記感光体ドラム1に転接する位置と、これから離隔する位置にわたって移動される。そして装置の休止時には、感光体ドラム1より離隔させておくことにより、キャリア液除去ローラ14の停止時に発生する永久歪みを防止することができる。また、この停止時には掻き取りブレード23を付勢しているスプリングプランジャ19bを支持している偏心カム24を大きく回転して掻き取りブレード23の先端をキャリア液除去ローラ14から離隔させることにより、この掻き取りブレード23との接触によるキャリア液除去ローラ14の永久歪みを防止できる。
【0041】
また上記キャリア液除去ローラ14は、エアシリンダ34を短縮動させて、これを感光体ドラム1から離隔した状態で、手前側の位置決め板25bを外してカセットフレーム16を固定フレーム15から抜き出すことにより、カセットフレーム16ごと装置外へ取り出すことができ、この状態でキャリア液除去ローラ14等、カセットフレーム16内の部品のメンテナンスを行う。なお、このときのカセットフレーム16の液溜り26と液回収管29との連通は、上記カセットフレーム16の抜き差し移動によってカプラが接離することにより、自動的に接離される。
【0042】
キャリア液除去装置8が上記のように作用する湿式電子写真印刷機において、感光体ドラム1上に形成された静電潜像に、現像装置6にて液体トナーにて現像された液体トナー像は、これの現像直後にセットチャージャ11にてトナーにバイアス電圧が印加され、この可視像内のトナーがキャリア液より分離されて高濃度化された状態で感光体ドラム1側へ引き寄せられる。
【0043】
したがって、このセットチャージャ11の下流側に配置されるキャリア液除去装置8では、上記セットチャージャ11にてトナーが感光体ドラム1側へ引き寄せられた液体トナーをキャリア液除去ローラ14にて押し付けることにより、現像後の液体トナーはキャリア液除去装置8により高濃度状態で感光体ドラム1側に押し付けられる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
上記実施の形態における湿式電子写真印刷機にあっては、感光体ドラム1上のトナー像を転写ローラ2を介して被記録材7上に転写するようにした例を示したが、本発明は感光体ドラム1に被記録材7を沿わせ、これを直接転写するようにした湿式電子写真印刷機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…感光体ドラム、2…転写ローラ、3…バックアップローラ、4…帯電装置、5…露光装置、6…現像装置、6a…現像ローラ、7…被記録媒体、8…キャリア液除去装置、9…除電器、10…感光体ドラムクリーニング装置、11…セットチャージャ、12…キャリア液除去ローラ、15…支持フレーム、16…カセットフレーム、16a,16b…ブラケット、17a,17b…軸受レバー、18…回動支点、19a,19b…スプリングプランジャ、20…作用部、21…支持部材、22…ストッパピン、23…掻き取りブレード、23a…ブラケット、24…偏心カム、25a,25b…位置決め板、26…液溜り、27,28…カプラ、29…液回収管,30a,30b…サイドフレーム、31,31b…固定ブラケット、32,33…スライドガイド、34…エアシリンダ、35,36…ストッパ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像装置にて液体トナーを用いて液体トナー像に現像し、ついでキャリア液除去装置のキャリア液除去ローラを感光体ドラムに転接して、上記液体トナー像のキャリア液を除去してトナー像とし、このトナー像を被記録材に転写するようにした湿式電子写真印刷機において、
キャリア液除去装置のキャリア液除去ローラを、感光体ドラム側へ調節可能にした付勢力にて付勢して転接し、
キャリア液除去ローラに掻き取りブレードを、調節可能にした付勢力にて付勢して接触させた
ことを特徴とする湿式電子写真印刷機。
【請求項2】
キャリア液除去装置のキャリア液除去ローラと掻き取りブレードを、感光体ドラムの軸方向に出し入れ可能にして支持フレームに支持したカセットフレームに支持し、上記支持フレームを、キャリア液除去ローラが感光体ドラムに対して接離する方向に移動可能にし、また掻き取りブレードをキャリア液ローラに対して接離可能にしたことを特徴とする請求項1記載の湿式電子写真印刷機。
【請求項3】
現像装置とキャリア液除去装置との間に、感光体ドラム上の液体トナー像のトナーを感光体ドラム表面側へ移動させる電圧を印加するセットチャージャを設けたことを特徴とする請求項1,2のいずれか記載の湿式電子写真印刷機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−262169(P2010−262169A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113507(P2009−113507)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000161057)株式会社ミヤコシ (122)
【Fターム(参考)】