説明

溶接ワイヤ用のペールパック

【課題】引き出される溶接ワイヤの跳ね上がりによる溶接ワイヤの送給の妨害を防止し、使用が便利な溶接ワイヤ用のペールパックを提供する。
【解決手段】内部に溶接ワイヤWの巻取層80が収容される外筒10;その下面が上記溶接ワイヤWの巻取層80の上側に接して、上記溶接ワイヤWの巻取層80を加圧するように提供される下部加圧板40;そして、上記の下部加圧板40の上側に提供され、上記の下部加圧板40と上記溶接ワイヤWの巻取層80を加圧するように提供される中空型の円板状に形成された上部加圧板30を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶接ワイヤ用のペールパックに関するものであって、より詳しくは使用が便利な溶接ワイヤ用のペールパックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動及び半自動の溶接装置で使用されている溶接ワイヤは、ワイヤを巻き取る方式によって、大きくスプール巻取方式とペールパック巻取方式に区分することができる。
【0003】
ここで、大容量の巻き取りに使用されるペールパック巻取方式の場合、溶接ワイヤはペールパック容器の内部に巻き取られる。このとき、上記ペールパック容器の構造は大別して、外筒のみからなる単筒状の構造と外筒と内筒から構成された二重構造に分けられる。
【0004】
ペールパック巻取方式の場合、一般的に外筒の内側に溶接ワイヤを巻き取るとき、上記溶接ワイヤには歪み応力が作用されるが、これは上記溶接ワイヤが引き出されると共に弾性復元して解消される。
【0005】
ところが、一部の溶接ワイヤは塑性変形を起こすことになり、引き出すときに弾性回復が完全に行われなくなることにより、溶接ワイヤのねじれ(kink)及びもつれ(tangle)が発生される。従って、このような問題点を解決するために、巻き取られた溶接ワイヤの上端部には上記溶接ワイヤの巻取層を加圧する加圧板が提供される。
【0006】
図1は従来の溶接ワイヤ用のペールパックを示した部分切開斜視図であり、図2は従来の溶接ワイヤ用のペールパックを示した断面図である。
【0007】
図1及び図2で示されるように、円筒型外筒210の内側の下端部には下板220が提供され、上記下板220の上面に溶接ワイヤの巻取層280が収容される。
【0008】
そして、上記溶接ワイヤの巻取層280から溶接ワイヤWを引き出すとき、加圧板240が上記溶接ワイヤの巻取層280を加圧して適切に押さえることにより、上記溶接ワイヤWが一度に解かれずに円滑に引き出される。従って、上記溶接ワイヤWは上記加圧板240の内側を通じて引き出され、溶接ワイヤWが引き出されることにより、上記加圧板240の荷重により上記溶接ワイヤの巻取層280は下方に移動しながら持続的に加圧される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、前述した従来の溶接ワイヤ用のペールパックは、次のような問題点があった。
【0010】
第一、引き出される溶接ワイヤに作用されていた歪み応力が解消される瞬間に溶接ワイヤが撥ね上がる。このとき、上記加圧板の内側又は外側に撥ね上がった溶接ワイヤにより巻き取られた溶接ワイヤの間にねじれ及びもつれが発生され、これにより、溶接ワイヤの送給が妨害される問題点があった。
【0011】
第二、送給機により連続的に送給されるべき溶接ワイヤが、上記のようなねじれ及びもつれにより送給が妨害されると、蛇行ビードが作られるなどのような溶接不良が発生される問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような問題点を解決するために、本発明は使用が便利な溶接ワイヤ用のペールパックを提供することを目的とする。
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックは、内部に溶接ワイヤの巻取層が収容される外筒;その下面が上記溶接ワイヤの巻取層の上側に接して、上記溶接ワイヤの巻取層を加圧するように提供される下部加圧板;そして、上記の下部加圧板の上側に提供され、上記の下部加圧板と上記溶接ワイヤの巻取層を加圧するように提供される中空型の円板状に形成された上部加圧板を含んでなる。
【0014】
ここで、上記溶接ワイヤの巻取層から引き出される溶接ワイヤは上記の下部加圧板の外側に引き出された後、上記の下部加圧板と上記の上部加圧板が重なった部分を通じて、上記の上部加圧板の内側に引き出される。
【0015】
上記の下部加圧板の外径は上記溶接ワイヤの巻取層の外径より小さく、上記の下部加圧板の内径は上記溶接ワイヤの巻取層の内径より小さいことが好ましい。また、上記の上部加圧板の外径は上記の下部加圧板の外径を超え、上記溶接ワイヤの巻取層の外径と実質的に同一であり、上記の上部加圧板の内径は上記の下部加圧板の内径と同一か超え、上記の下部加圧板の外径より小さいことが好ましい。
【0016】
そして、上記の上部加圧板及び上記の下部加圧板は上記溶接ワイヤの巻取層を加圧するように、十分な重量を有する素材からなることが好ましい。
【0017】
また、上記外筒の内側には、上記の上部加圧板の外周部に連結されて上記の上部加圧板の移動を案内するように、上記外筒の長手方向に少なくとも一つ以上のガイドバンドが提供されることが好ましい。
【0018】
上記の上部加圧板の外周部には、上記ガイドバンドが挿入されるように貫通した形状の結合部が形成されることが好ましい。
【0019】
一方、本発明の別の実施例による溶接ワイヤ用のペールパックは、内部に溶接ワイヤの巻取層が収容される外筒;その下面が上記溶接ワイヤの巻取層の上側に接して、上記溶接ワイヤの巻取層を加圧するように提供される下部加圧板;外周部には少なくとも一つ以上の結合部が貫通形成され、上記の下部加圧板と上記溶接ワイヤの巻取層を加圧するように、上記の下部加圧板の上側に提供される中空型の円板状に形成された上部加圧板;そして、上記外筒の円周方向に所定の角度をなすと共に、上記外筒の内側面に長手方向に提供され、上記結合部を貫通して連結されて上記の上部加圧板の移動を案内するガイドバンドを含んでなる。
【0020】
ここで、上記溶接ワイヤの巻取層から引き出される溶接ワイヤは上記の下部加圧板の外側に引き出された後、上記の下部加圧板と上記の上部加圧板が重なった部分を通じて、上記の上部加圧板の内側に引き出されることが好ましい。
【0021】
また、上記結合部は上記ガイドバンドが挿入及び離脱するように、上記の上部加圧板の外周面を貫通して内側に所定の角度と長さに形成される挿入部;上記挿入部の内側端部と連結され、上記の上部加圧板の半径方向に所定の長さに形成される引出し防止部;そして、上記引出し防止部の一端部と連結され、上記の上部加圧板の円周方向に上記ガイドバンドの幅に対応するように形成された案内部を含んでなることが好ましい。
【0022】
そして、上記結合部は上記ガイドバンドが挿入及び離脱するように、上記の上部加圧板の外周面を貫通して半径方向に所定の長さに形成される切開部;そして、上記切開部の内側端部と連結され、上記の上部加圧板の円周方向に上記ガイドバンドの幅に対応するように形成されたガイド部を含んでなることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本明細書で説明した本発明による溶接ワイヤ用のペールパックの効果を説明すると、次の通りである。
【0024】
第一、溶接ワイヤが上記の上部加圧板及び下部加圧板の間を通じて加圧されることにより順次的に引き出されるため、上記溶接ワイヤが一度に多くに引き出されることにより発生するねじれ及びもつれ現象の発生が防止できる。
【0025】
第二、引き出される溶接ワイヤが下部加圧板の外側に引き出された後、上記の下部加圧板と上部加圧板が重なった部分を通過すると共に加圧されるため、弾性復元力によるねじれの発生が防止され、直進性が付与され得る。これにより、溶接ワイヤの送給が円滑に行われる。
【0026】
第三、外筒の内側には垂直方向に備えられたガイドバンドに沿って上部加圧板の上下移動が円滑に案内することができ、上記の上部加圧板が回転されることが防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、上記目的が具体的に実現できる本発明の好適な実施例が、添付された図面を参照して説明される。本実施例を説明するにあって、同一の構成については同一名称及び同一符号が使用され、これによる付加的な説明は下記にて省略される。
【0028】
以下、添付する図面を参照して本発明の好適な実施例によるペールパックを説明すると、次の通りである。
【0029】
図3は本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックを示した分解斜視図であり、図4は本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックを示した部分切開斜視図であり、図5は本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックを示した断面図である。
【0030】
図3〜図5で示されるように、本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックは外筒10、上部加圧板30、そして下部加圧板40を含んでなる。
【0031】
ここで、上記外筒10の内部に収容される溶接ワイヤの巻取層80の上側には、上記巻取層80を加圧するように上記の下部加圧板40と上記の上部加圧板30が提供される。上記の上部加圧板30は中央部にホールが形成された中空の円板状に形成されることが好ましい。上記溶接ワイヤの巻取層80から引き出される溶接ワイヤWは上記の下部加圧板40の外側に引き出された後、上記の下部加圧板40と上記の上部加圧板30が重なった部分を通じて、上記の上部加圧板30の内側に引き出される。
【0032】
詳しくは、円筒型からなる上記外筒10の上側には蓋25が提供され、上記外筒10の下端部には下板20が結合される。ここで、上記下板20は多様な方法により上記外筒10に結合できる。また、上記外筒10の内側中央部には円筒状の内筒(未図示)が選択的に提供できる。
【0033】
そして、上記外筒10の内部には上記外筒10の円周方向に溶接ワイヤが巻かれる方式で巻き取られた溶接ワイヤの巻取層80が収容される。ここで、上記溶接ワイヤは高速で偏心されて回転する上記外筒の内部に巻かれる方式で巻き取られる。このとき、上記溶接ワイヤが1サイクル回転する毎に、ループの一端部は外筒の内周面に接するように反復的に巻き取られる。
【0034】
しかし、上記外筒の内側に巻き取られる溶接ワイヤには、弾性復元力に基づいた歪み応力が作用され得る。従って、一部の溶接ワイヤが巻き取られた状態で解かれて引き出されるとき、塑性的に(plastically)変形されてねじれ及びもつれが発生することがある。
【0035】
従って、巻き取られた溶接ワイヤを加圧して弾性復元力を抑制するように、上記巻取層80の上側には下部加圧板40が提供されることが好ましい。ここで、上記の巻取層は外筒の内部に巻き取られた溶接ワイヤの集合体を意味する。
【0036】
このとき、上記の下部加圧板40は所定の厚さを有する中空型の円板状に形成され、その下面が上記溶接ワイヤの巻取層80の上側に接するように提供されることが好ましい。また、上記の下部加圧板40の内径は、上記溶接ワイヤの巻取層80の内径より小さく形成されることが好ましい。
【0037】
このように、上記の下部加圧板40の内径を上記溶接ワイヤの巻取層80の内径より小さく維持することにより、巻き取られた溶接ワイヤが上記の下部加圧板40の内側に引き出されることが防止できる。また、上記の下部加圧板40は上記溶接ワイヤの巻取層80の内側を均一に加圧することができる。
【0038】
そして、上記の下部加圧板40の外径は上記溶接ワイヤの巻取層80の外径より小さく形成することにより、引き出される溶接ワイヤWが上記の下部加圧板40の外側に引き出されるようにする。
【0039】
このとき、引き出される溶接ワイヤWではない巻き取られた溶接ワイヤが、上記の下部加圧板40の外側に外れることを防止するように、上記の下部加圧板40の外径は適切な範囲以上に縮小されないようにする。
【0040】
そして、上記の下部加圧板40の上側には、中空型の円板状の上部加圧板30が提供されることが好ましい。上記の上部加圧板30の下面は上記の下部加圧板40の上面に接するするように提供され、上記の上部加圧板30は上記の下部加圧板40と上記溶接ワイヤの巻取層80を同時に加圧するようになる。
【0041】
ここで、上記の上部加圧板30の外径は上記の下部加圧板40の外径より大きく、上記巻取層80の外径と類似するか実質的に同様に形成できる。
【0042】
これにより、たとえ溶接ワイヤの巻き取られたループが、上記の下部加圧板40の外側から外れても、上記の上部加圧板30に拘束されて上記の上部加圧板30の外側に突き出ることが防止できる。そして、上記の下部加圧板40により加圧されない上記溶接ワイヤの巻取層80の外側が、上記の上部加圧板30により加圧される。
【0043】
また、上記の上部加圧板30の内径は上記の下部加圧板40の内径と同一か超え、上記の下部加圧板40の外径より小さく形成されることが好ましい。これにより、上記の下部加圧板40の外側に引き出された溶接ワイヤWは、上記の下部加圧板40と上記の上部加圧板30が重なった部分により案内され、上記の上部加圧板30の中央部に形成されたホールを通じて引き出され得る。
【0044】
即ち、引き出される溶接ワイヤWは上記の下部加圧板40と上記の上部加圧板30との間で、部分的に加圧された状態でスライドされながら引き出される。従って、引き出される溶接ワイヤWはねじれやもつれることなく、さらに円滑に送給できる。
【0045】
一方、上記の下部加圧板40は変形されないように、適切な硬度を有する材質からなり得る。好ましくはプラスチック、合成樹脂及び合成ゴムなどからなり得る。そして、上記の上部加圧板30は上記の下部加圧板40と上記溶接ワイヤの巻取層80に十分な加圧力が適用できるように、十分な重量を有する素材からなることが好ましい。
【0046】
また、上記の上部加圧板30は上記の下部加圧板40と、上記の上部加圧板30が重なった部分に溶接ワイヤWが通過し、引き出されるところだけが選択的に変形できるように、可とう性素材からもなり得る。
【0047】
これにより、上記の重なった部分を通過する溶接ワイヤWにより、上記の上部加圧板30が全体的に斜めに持ち上げられることが防止できる。また、上記溶接ワイヤの巻取層80に対する加圧力が均一に作用できる。
【0048】
そして、上記の上部加圧板30は変形されないように、適切な硬度を有する材質からもなり得るが、好ましくはプラスチック、合成樹脂及び合成ゴムなどからなり得る。
【0049】
一方、上記外筒10の内側面には上記外筒10の円周方向に所定の角度をなし、上記外筒10の長手方向にガイドバンド50が提供されることが好ましい。
【0050】
ここで、上記ガイドバンド50はその一端部が上記外筒10の上側一部を貫通し、他端部が上記外筒10の下側一部を貫通して固定される。
【0051】
勿論、上記ガイドバンド50の両端部は上記外筒10の上端及び下端にそれぞれ接着したり、結合部材により固定することもできる。そして、上記ガイドバンド50は上記の上部加圧板30の外周部に形成される結合部60に結合されることが好ましい。
【0052】
このように、上記結合部60に上記ガイドバンド50が結合されると、上記の上部加圧板30が回転されないように拘束できる。また、溶接ワイヤが引き出されることにより巻取層の高さが減少すると、上記の上部加圧板30は上記ガイドバンド50により案内され、下側に円滑に移動される。
【0053】
さらに、上記の上部加圧板30の外側を通じて突き出た溶接ワイヤループは、上記ガイドバンド50に拘束されてねじれやもつれることがない。
【0054】
ここで、上記ガイドバンド50は上記結合部60を拘束して上記の上部加圧板30の回転を防止し、上記の上部加圧板30の移動を案内するに十分な強度を有する樹脂材質等からなることが好ましい。
【0055】
そして、上記ガイドバンド50をびんと締めて上記外筒10の内側面に密着されるようにする締め金具70が、上記ガイドバンド50の一側に提供される。また、上記ガイドバンド50の張力を維持するようにすることで、上記の上部加圧板30の回転防止と上下方向への移動を円滑に案内することができる。
【0056】
一方、上記ガイドバンド50は少なくとも一つ以上提供することができ、個数に制限をおくものではない。上記の上部加圧板30の回転を拘束し、上記の上部加圧板30の上下方向の移動を円滑に案内するように、上記ガイドバンド50の上記外筒の円周方向に沿って所定角度の間隔をおいて3つ以上提供されることが好ましい。
【0057】
勿論、上記結合部60は上記ガイドバンド50の個数と結合位置に対応するように提供される。
【0058】
図6は本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの上部加圧板を示した斜視図である。
【0059】
図6で示されるように、上記の上部加圧板30の外周部に形成される上記結合部60は、挿入部62、引出し防止部64、そして案内部66を含んでなる。
【0060】
ここで、上記挿入部62は上記の上部加圧板30の外周面を貫通して内側に所定の角度と長さに形成され、これにより、上記ガイドバンド50(図4参考)は上記の上部加圧板30の内側に挿入及び離脱する。
【0061】
そして、上記引出し防止部64は上記挿入部62の内側端部と連結され、上記の上部加圧板30の半径方向に所定の長さに形成されることが好ましい。
【0062】
また、上記案内部66は上記引出し防止部64の一端部と連結され、上記の上部加圧板30の円周方向に上記ガイドバンド50の幅に対応するように形成されることが好ましい。
【0063】
これにより、上記ガイドバンド50は上記外筒10にできるだけ密着でき、上記の上部加圧板30に対する拘束力も増加できる。
【0064】
ここで、上記引出し防止部64は上記挿入部62及び上記案内部66と所定の角度で屈曲して形成されることにより、上記案内部66に結合された上記ガイドバンド50が上記結合部60から離脱することが防止できる。
【0065】
図7は本発明の第2実施例による溶接ワイヤ用のペールパックを示した部分切開斜視図であり、図8は本発明の第2実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの上部加圧板を示した斜視図である。
【0066】
本実施例による溶接ワイヤ用のペールパックでは結合部の改良された構造を特徴とし、他の構成は前述した第1実施例と同一のため、説明を省略する。
【0067】
図7及び図8で示されるように、本実施例で上部加圧板130の外周部に形成される 結合部160は切開部162とガイド部166を含んでなる。
【0068】
ここで、上記切開部162は上記の上部加圧板130の外周面を貫通して内側の半径方向に所定の長さに形成されることが好ましく、これにより、上記ガイドバンド50が挿入及び離脱する。
【0069】
そして、上記ガイド部166は上記切開部162の内側端部と連結され、上記の上部加圧板130の円周方向に上記ガイドバンド50の幅に対応するように形成されることが好ましい。
【0070】
これにより、上記ガイドバンド50は上記外筒10にできるだけ密着でき、上記の上部加圧板130に対する拘束力が増加できる。
【0071】
ここで、上記切開部162は上記ガイド部166と直角に屈曲して形成されることにより、上記ガイド部166を貫通して結合された上記ガイドバンド50が上記結合部160から離脱することを、さらに防止できる。
【0072】
以上説明したように、本発明は前述した特定の好適な実施例に限定されなく、請求範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく、当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により多様な変形の実施が可能であり、このような変形は本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】従来の溶接ワイヤ用のペールパックを示した部分切開斜視図。
【図2】従来の溶接ワイヤ用のペールパックを示した断面図。
【図3】本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックを示した分解斜視図。
【図4】本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックを示した部分切開斜視図。
【図5】本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックを示した断面図。
【図6】本発明の第1実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの上部加圧板を示した斜視図。
【図7】本発明の第2実施例による溶接ワイヤ用のペールパックを示した部分切開斜視図。
【図8】本発明の第2実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの上部加圧板を示した斜視図。
【符号の説明】
【0074】
10、210 外筒
30、130 上部加圧板
40 下部加圧板
50 ガイドバンド
60、160 結合部
62 挿入部
64 引出し防止部
66 案内部
70 締め金具
80、280 溶接ワイヤの巻取層
162 切開部
166 ガイド部
240 加圧板
W 溶接ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に溶接ワイヤの巻取層が収容される外筒;
その下面が上記溶接ワイヤの巻取層の上側に接して、上記溶接ワイヤの巻取層を加圧するように提供される下部加圧板;そして、
上記の下部加圧板の上側に提供され、上記の下部加圧板と上記溶接ワイヤの巻取層を加圧するように提供される中空型の円板状に形成された上部加圧板を含んでなる溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項2】
上記溶接ワイヤの巻取層から引き出される溶接ワイヤは上記の下部加圧板の外側に引き出された後、上記の下部加圧板と上記の上部加圧板が重なった部分を通じて、上記の上部加圧板の内側に引き出されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項3】
上記の下部加圧板の外径は上記溶接ワイヤの巻取層の外径より小さく、
上記の下部加圧板の内径は上記溶接ワイヤの巻取層の内径より小さいことを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項4】
上記の上部加圧板の外径は上記の下部加圧板の外径を超え、上記溶接ワイヤの巻取層の外径と実質的に同一であり、
上記の上部加圧板の内径は上記の下部加圧板の内径と同一か超え、上記の下部加圧板の外径より小さいことを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項5】
上記の上部加圧板及び上記の下部加圧板は、上記溶接ワイヤの巻取層を加圧するように十分な重量を有する素材からなることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項6】
上記外筒の内側には、上記の上部加圧板の外周部に連結されて上記の上部加圧板の移動を案内するように、上記外筒の長手方向に少なくとも一つ以上のガイドバンドが提供されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項7】
上記の上部加圧板の外周部には上記ガイドバンドが挿入されるように貫通した形状の結合部が形成されることを特徴とする、請求項6記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項8】
内部に溶接ワイヤの巻取層が収容される外筒;
その下面が上記溶接ワイヤの巻取層の上側に接して、上記溶接ワイヤの巻取層を加圧するように提供される下部加圧板;
外周部には少なくとも一つ以上の結合部が貫通形成され、上記の下部加圧板と上記溶接ワイヤの巻取層を加圧するように、上記の下部加圧板の上側に提供される中空型の円板状に形成された上部加圧板;そして、
上記外筒の円周方向に所定の角度をなし、上記外筒の内側面に長手方向に提供され、上記結合部を貫通して連結され、上記の上部加圧板の移動を案内するガイドバンドを含んでなる溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項9】
上記溶接ワイヤの巻取層から引き出される溶接ワイヤは上記の下部加圧板の外側に引き出された後、上記の下部加圧板と上記の上部加圧板が重なった部分を通じて、上記の上部加圧板の内側に引き出されることを特徴とする、請求項8記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項10】
上記結合部は、
上記ガイドバンドが挿入及び離脱するように上記の上部加圧板の外周面を貫通して内側に所定の角度と長さに形成される挿入部;
上記挿入部の内側端部と連結され、上記の上部加圧板の半径方向に所定の長さに形成される引出し防止部;そして、
上記引出し防止部の一端部と連結され、上記の上部加圧板の円周方向に上記ガイドバンドの幅に対応するように形成された案内部を含んでなることを特徴とする、請求項8記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項11】
上記結合部は、
上記ガイドバンドが挿入及び離脱するように、上記の上部加圧板の外周面を貫通して半径方向に所定の長さに形成される切開部;そして、
上記切開部の内側端部と連結され、上記の上部加圧板の円周方向に上記ガイドバンドの幅に対応するように形成されたガイド部を含んでなることを特徴とする、請求項8記載の溶接ワイヤ用のペールパック。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−149375(P2008−149375A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274200(P2007−274200)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(503375337)株式会社キスウェル (11)
【Fターム(参考)】