説明

溶接機用のシールドガス流量コントローラ

シールドガス源(200)と電気アーク溶接機のシールドガス弁(800)との間のシールドガス供給ライン内に挿入する電気アーク溶接機用のシールドガス流量コントローラ(100)であって、シールドガス(200)入力およびシールドガス出力(600)と、シールドガスの入力と出力との間に接続されかつ制御入力(170)を有する制御可能なガス弁(110)と、コントローラ手段であって、溶接作業中の溶接機の電気溶接アーク電流(900)を表す溶接信号を受ける第1の入力(400)と、溶接信号の関数でありかつ望ましいシールドガス流量を表す流量設定出力を生成するガス流量設定制御(300)手段とを有するコントローラ手段とを有する。前記シールドガス流量コントローラは更に、前記シールドガス入力に接続してシールドガス入力の圧力測定値(150)を第2のコントローラ手段入力に与える入力圧力センサ(120)と、前記シールドガス出力に接続してシールドガス出力圧力測定値を第3のコントローラ手段入力(160)に与える出力圧力センサ(140)と、流量設定出力修正手段であって、前記シールドガスの入力および出力の圧力測定値と、前記溶接信号と、前記制御弁の特性とに基づいて前記ガス流量設定制御手段の流量設定出力を修正して前記制御可能なガス弁の前記制御入力に入力する制御信号(170)を生成し、前記溶接作業中は、前記シールドガスの入力および出力のそれぞれの実際のシールドガス入力圧力および出力圧力とは実質的に独立に、前記流量設定出力に対応する実質的に一定のシールドガス流量を前記溶接機への前記シールドガス供給ライン内に保持するようにする流量設定出力修正手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気溶接機内で溶接点にブランケットガス(シールドガスまたは活性ガスとも言う)を供給する分野に関し、特に、溶接作業の種々の段階でブランケットガス(シールドガスまたは活性ガス)を制御する方法および装置に関する。本発明の分野は、本発明が提供する技術的解決法により切断ガス(1次ガス)、ブランケットガス(2次ガス)、またはこの両者の流量を制御するプラズマ切断機のガス調整にも関する。
【背景技術】
【0002】
溶接点に不活性ブランケットガスのブランケットを与える電気溶接作業では、中央集中ブランケットガス供給設備から、または溶接機の溶接ユニットの近くに設けたガスシリンダから、ブランケットガスを供給するのが普通である。供給設備またはガスシリンダから供給するブランケットガスは一般に、調整されたガス圧力(溶接機のブランケットガス制御手段がブランケットガスを制御できる圧力を超える圧力)で与える。ガスを溶接機に供給しやすくするレベル、また溶接機内の制御弁(ブランケットガス流をオンオフする)でガスを制御できるレベルに圧力を下げるために、ブランケットガス供給ライン内のガスシリンダまたはガス供給設備に近い場所に減圧装置を挿入する。
【0003】
このように、ガス供給設備またはガスシリンダ内より低いガス圧でガスを提供するガス供給ライン部分が、減圧装置と溶接機自体との間に存在する。一般に供給ラインのこの「低圧」部はかなり長い。これは、溶接作業を行う種々の場所まで溶接ユニットを容易に移動して実際に使えるようにするために必要である。電気溶接機用の低圧供給ラインおよびブランケットガス供給の制御の種々の態様に関する詳細は、本出願者のノルウェー特許出願番号第20021557号、および上記出願の優先権を主張する対応する出願に示されている。第20021557号では、電気アーク溶接機内の従来のシールドガス供給弁の代わりに、溶接用ワイヤ供給速度により制御するパルス幅変調信号駆動弁を用いる。
【0004】
本出願者の同時継続出願のノルウェー特許出願番号第NO20070472号はパルス幅変調PWM弁技術を用いるガス流量制御について述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ノルウェー特許出願番号第20021557号
【特許文献2】ノルウェー特許出願番号第NO20070472号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
溶接電流に従ってまた選択された溶接作業に従ってガス流量を調整する電気溶接作業では、質の良い溶接を保持するにはガス流量を最小レベルより高く保つことが重要である。ガス供給チェーン内の流量に影響する要素は一般に、最初のガス圧力と、調整器自体が行うガス流量調整である。更に、ガス流量に影響する可変および固定のパラメータがあってよい。これらは主として、調整されたガスの供給源から調整器までの供給ライン内の圧力降下と、調整器からガス出口点までの圧力降下である。実際のガス流量を測定するために流量センサを設けて、全圧力降下を補償することは可能である。これの欠点は、最終製品内に導入するには流量センサが高価であることと、ガス流ライン内に置く場所によって、利用可能な流量センサの精度が変動しまた予測できないことである。このような精度の変動は、周知の流量測定法を妨げるパルス状のガス流量に関係する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の圧力降下に関係する問題を解決するためのガス流量調整を行う方法を述べる。プラズマ切断作業でガス流量を制御するときの同じ問題も、同じ調整技術を用いて解決することができる。
本発明は、添付の独立特許請求項1に述べる機能を有する溶接機用のガス流量コントローラを提供する。
本発明のガス流量コントローラの別の特長を添付の従属特許請求項1〜5に示す。
【0008】
電気アーク溶接機用の本発明に係るシールドガス流量コントローラは、シールドガス源と電気アーク溶接機のシールドガス弁との間のシールドガス供給ライン内に挿入する。流量コントローラは、シールドガス入力およびシールドガス出力と、シールドガスの入力と出力との間に接続されかつ制御入力を有する制御可能なガス弁と、コントローラ手段であって、溶接作業中の溶接機の電気溶接アーク電流を表す溶接信号を受ける第1の入力と、溶接信号の関数でありかつ望ましいシールドガス流量を表す流量設定出力を生成するガス流量設定制御手段とを有するコントローラ手段とを有する。
【0009】
シールドガス流量コントローラは更に、シールドガス入力に接続してシールドガス入力の圧力測定値を第2のコントローラ手段入力に与える入力圧力センサと、シールドガス出力に接続してシールドガス出力圧力測定値を第3のコントローラ手段入力に与える出力圧力センサと、流量設定出力修正手段とを含む。流量設定出力修正手段は、シールドガスの入力および出力の圧力測定値と、溶接信号と、制御弁の特性とに基づいてガス流量設定制御手段の流量設定出力を修正して制御可能なガス弁の制御入力に入力する制御信号を生成し、溶接作業中は、シールドガスの入力および出力のそれぞれの実際のシールドガス入力圧力および出力圧力とは実質的に独立に、流量設定出力に対応する実質的に一定のシールドガス流量を溶接機へのシールドガス供給ライン内に保持するようにする。
【0010】
優れている点は、シールドガス流量コントローラは、溶接作業が行われていない時間を溶接信号に基づいて判定する手段も含むことと、コントローラ手段は制御可能なガス弁にアイドル制御信号を出力して、実質的に溶接作業を行っていない時間中は出力圧力を所定のアイドル圧力レベルに保持するようにすることである。
【0011】
優れている点は、本発明のシールドガス流量コントローラの或る実施の形態は、溶接作業を行っていない期間中に作動し、またその期間を溶接信号に基づいてまたは溶接信号を監視する別の装置の出力に基づいて決定する、ガス漏れ検出器を含むことである。ガス漏れ検出器手段は、シールドガス出力圧力測定値をシールドガス入力圧力測定値から引いて圧力差の値を出力する減算器手段を含む。圧力差比較器は比較器出力を有し、また第1と第2の比較器入力に圧力差の値の出力と所定の圧力差基準値とをそれぞれ受ける。圧力差の値が所定の圧力差の基準値と実質的に同じかまたはより大きいときは、比較器は比較器出力に漏れ信号を出す。
【0012】
本発明のシールドガス流量コントローラの別の実施の形態は圧力レベル検出器を含む。これは、シールドガス入力圧力測定値を受け、シールドガス圧力が所定のシールドガス入力圧力の最小レベルと同じまたはより低いことをこのシールドガス入力圧力測定値が示すときは、弁閉止信号を制御可能なガス弁に与えてガス弁を閉じるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】溶接作業中の本発明のガス流量調整器100の全体ブロック図である。
【図2】図1に示す溶接作業中の本発明のガス流量調整器100の詳細なブロック図である。
【図3】本発明のガス流量調整器100の例示の実施の形態の詳細なブロック図である。
【図4】ハードウエア解決法に基づく本発明のガス流量調整器100の制御ユニットの例示の実施の形態の詳細なブロック図である。
【図5】圧力センサ、弁オリフィス、および流れの方向を含む物理的構成を示す。
【図6】周期Tに対するPWM信号を時間軸上に示すグラフである。ただし、Tonは弁がオンの期間を表す。
【図7】本発明で用いるテーブルルックアップの略ブロック図である。
【図8】本発明の流量調整器の例示の実施の形態を通る流量と、固定のPWM値で動作する弁と、2x105Pa(2バール)から6x105Pa(6バール)までの入力圧力の変動とを示すグラフである。
【図9】圧力センサの値に従ってPWMを調整する、本発明の例示の実施の形態のガス調整器の弁を通るガス流量を示すグラフである。
【図10】2つの調整されたガス流ラインを有するプラズマ切断機で具体化された本発明のガス調整システムを示す略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1および図2において、本発明は弁を開に保つ平均時間を自動的に制御してガス流量の安定性を改善することにより、調整器100から或る距離離れた供給点200からガスを供給する従来技術の溶接ガス供給設備で一般に見られる流量の変動を小さくする。かかる従来技術の設備では、ガスの最終出口点1100からかなり離れた場所に調整器100を置くのが普通である。かかる距離は一般に設備毎に変わり、供給ホース、チューブ、パイプ、アダプタ、コネクタの寸法も変わり、ガス流量のレベルは図8の測定結果に示すように影響を受ける。したがって、流量レベルを許容範囲内に保つには圧力変動に従って流量を調整する必要がある。
【0015】
本発明のガス流量コントローラは「PWM制御のガス流量調整器」100の入力(120)と出力(140)に圧力センサをそれぞれ設ける。ただし、PWMは「パルス幅変調」の頭字語であり、同時継続出願のノルウェー特許出願番号第NO20070472号に開示されているものに対応する。
【0016】
本発明の一部に用いられる上述のパルス幅制御のガス流量調整器はパルス列発生器とパルス列駆動弁(一般にソレノイドで構成する)とを含む。パルス列は図6に示すようにオン状態(Ton)とオフ状態という2つの状態を有する。上に述べた状態の継続時間(Ton,Toff)(すなわち期間)はパルス列発生器への1つ以上の入力により変えることができる。弁は上述の状態に応答して、パルス列のオン状態の部分で駆動するときは実質的に全開状態になり、パルス列のオフ状態の部分で駆動するときは実質的に全閉状態になる。パルス列のパルス反復周波数を適当に選択することにより、弁内で放散される駆動パワーが最小になるので調整器の性能が向上する。
【0017】
添付の図面を含めてここに示す本発明の開示では、パルス列駆動弁を番号110で表し、パルス列調整器はここで番号130で表す弁コントローラ設備の一部として含まれる。
以下に図3を参照して、本発明のガス流量コントローラのいくつかの操作の形態を説明する。
本発明のガス流量コントローラを操作するための望ましいまたは必要なガス流量レベル(Q)の初期設定は、操作員または制御装置からの基準入力300によるか、またはガス流量要求を決定する別のプロセスからの測定されたフィードバック値400によって行ってよい。
弁入力120でのガス圧力である入力圧力P1の測定値150を弁コントローラ装置133に与えて、PWM制御弁110のオン期間170を調整して一定のガス流量600を得る。
【0018】
弁出力140でのガス圧力である出力圧力P2の測定値160を用いて、一般に、ガス流ライン(ホース、パイプ、および接続600,700,800で構成する)の断面または長さなどの形が一定または可変の変化をするために生じるガス流量の減少を補償する。出力圧力P2の大きさ(値)が無視できる(すなわち、P2の値が非常に低いのでPWM出力の変動が許容範囲内にある)場合は、P2の値を0気圧(または、絶対圧力測定値を用いる場合は1気圧)に設定することによりこの測定値を調整から除いてよく、またはP2の値の変動が許容範囲内にある場合は式の中のP2の測定値を或る固定値に置き換えてよい。一例を挙げると、出力圧P2の測定値が例えば1.2x105Pa(1.2バール)の場合は、式はΔP=P1−1.2でよい。この利点は測定点の数が減ることで、これにより製品価格および複雑さが更に低下する。
【0019】
弁の入力120と出力140の間のガス圧力の差ΔP=P1−P2(減算器131内で出力圧力測定値160を入力圧力測定値150から引いて圧力差として得る)を弁コントローラ装置133の圧力差入力132に与え、これを用いて、弁110が開いているときに弁を通るガス流量を計算する。ガス流量の調整は、
a) 必要なパルス幅のルックアップテーブル
b) パルス幅を計算する関数、多項式
c) 電子式ハードウエア
などの種々の方法により弁コントローラ装置133内で行ってよく、図9に示すように流量調整が改善される。図8に示す未調整の流量に比べて、図9は流量制御が格段に改善されることを示す。
【0020】
以下に図7を参照して、1つ以上のルックアップテーブルを用いて弁制御信号を決定する方法を含む本発明の実施の形態を説明する。
ルックアップテーブルを用いる本発明の実施の形態では、実際の流体および用いる構成要素について予め行った測定で一組の値を収集しておく。異なる圧力レベルのP1およびP2についてテーブルの値を収集するため、流量を測定して、得た値を複数のルックアップテーブル内に入れた。プロセスパラメータYおよび/またはユーザ入力Xを表すブロック134の機能性はユーザ/プロセスに特有であり、ΔP=P1−P2である。
【0021】
ΔPの値は用いるべきテーブルを指示し、プロセスパラメータ(Y)および/またはユーザ入力(X)はテーブル内でPWM出力値(170)を選択するのに用いる。一般的な溶接応用ではΔPは1〜6x105Pa(1〜6バール)の間で変化し、プラズマ切断応用ではΔPは最大で12x105Pa(12バール)でよい。用いるテーブルの数は精度の要求に従って変わるが、0.5〜1x105Pa(0.5〜1バール)では一般に1テーブルでよい。テーブル間に内挿法を導入すれば、用いるテーブルの数を減らることができる。内挿法では、利用可能なテーブル内の値の間に存在するΔPの値に関するPWM出力が計算により得られる。
【0022】
以下に図5を参照して、計算を用いて弁制御信号を決定する方法を含む本発明の実施の形態を説明する。
図3のブロック130全体を、プロセッサ内で適当なソフトウエアを用いて行う計算で置き換えることができる。図5を参照すると、弁の開直径Doで表わされるオリフィス狭窄部を通る流体は、このオリフィスの前後で圧力が降下する。この圧力降下を用いて、弁が開状態のときの流体の流速を測定する。弁のオリフィスを通るガスの流速の計算は一般に、ベルヌーイの式と、図6に示すように全切換え周期Tに対するオン期間(Ton)とを用いて行う。
【0023】
コンピュータで計算しやすいようにベルヌーイの式を変更し、流量係数C(f)を導入して次のように表してよい。
Q(max)=C(f)*Ao*sqr(2*ΔP/ρ)
ただし、
Q(max)=最大容積流速(弁は一定の開状態)
Ao =π*(Do/2)2=開いた弁の面積(開状態のとき)
ΔP =P1−P2
ρ =流体密度
である。流量係数C(f)は実験により、または弁の実際のオリフィスのデータシートにより得られる。Q(max)およびAoを弁自体の物理的特性に基づいて決定する代わりに、別のオリフィス機構を弁のガス入力およびガス出力に直接置いて、この別のオリフィス機構が弁組立体のQ(max)およびAoの特性を確定するための支配的要素であるようにしてよい。
【0024】
PWM変調弁のオン期間(Ton)は、特定の応用の必要な流量レベルQ(これは望ましいガス流量に対応する)に基づいて次式で計算することができる。
Q=Q(max)*T(on)/T
T(on)=T*Q/Q(max)
PWM出力(170)のパルス速度はその応用の流量の要求に基づいて選択する。溶接応用でのブランケットガスとしてまたはプラズマ切断機でのブランケットおよび/または切断ガスとして出口(1100)で供給するガスの脈動は、選択したパルス速度の結果、許容範囲内になければならない。すなわち、出口1100では溶接または切断プロセスの質に影響するようなガスの供給の変動があってはならない。
また、応用に特有のパラメータX(300)およびY(400)は、ユーザ特有の設定Xおよび/またはプロセス・フィードバックパラメータYに基づく計算に含めてよい。
【0025】
以下に図3および4を参照して、ハードウエア調整を用いて弁制御信号を決定する方法を含む本発明の実施の形態を説明する。
ハードウエア解決法では、ΔP(132)信号をブロック133に与えて、傾斜発生器(RAMP Generator)134からの出力信号と比較する。傾斜発生器134からの出力信号の大きさは、応用に特有のパラメータXおよび/またはYにより影響される。傾斜発生器は離散的ハードウエア構成により、または555タイマ回路などのタイマ回路により実現してよい。傾斜発生器134からの傾斜出力信号の大きさおよび/またはオフセットは、オフセット値としてまたは利得としてXおよび/またはYにより影響される。これは通常はユーザ特有の設定であるが、その影響としては、電流900が高くなるとプロセス特有のフィードバック値Yの値が高くなり、高いレベルのガス流量が必要になる。ユーザ特有の値Xの影響としては、溶接または切断作業が異なると異なるレベルのガス流量が必要である。ユーザ設定のX値に影響を与えるパラメータは一般に、溶接または切断しようとする材料、材料の厚さ、溶接または切断の速度、および用いるガスの種類である。プロセスパラメータYおよび/またはユーザ入力Xを表すブロック134の機能性はユーザ/プロセスに特有であり、その結果は傾斜出力電圧になる。137の負入力での傾斜電圧がΔPより低い場合はPWM出力170は高い(オフ)。傾斜電圧がΔPより高い場合は出力は低い(オン)。
【0026】
ガス漏れ検出
本発明の流量コントローラの弁110から溶接機の出力弁800までのガス流ラインのガス漏れ検出である。弁110と800とを共に閉じると、本発明の流量コントローラの出力の圧力センサ140が検出する圧力は通常は一定でなければならない。弁110と800とを共に閉じてもこの圧力が減少する場合は、これは本発明の流量コントローラの弁と溶接機の出力弁800との間の供給ラインのガス漏れを示すものとして有用である。
【0027】
アイドルガス圧力の保持
新たに溶接または切断作業を開始するときにガス出口(1100)へのガス供給を早く開始できるようにするために、ガス流ライン(600)に最小圧力をかける。これは、電流900がオフでかつ弁800が閉じた状態のとき一般に有効である。新たに溶接または切断作業を開始するときは、電流900を流し始めるときにガス出口1100にガスがなければならない。さもなければ、実施する作業が失敗するかまたは質が低くなる。
【符号の説明】
【0028】
100 シールドガス流量コントローラ
110 制御弁
120 入力圧力センサ
140 出力圧力センサ
150 シールドガス入力の圧力測定値
160 シールドガス出力の圧力測定値
170 制御信号
200 シールドガス入力
300 ユーザ特有のパラメータ
400 プロセス特有のパラメータ
600 シールドガス出力
800 溶接機の出力弁
900 電気溶接アーク電流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドガス源(200)と電気アーク溶接機のシールドガス弁(800)との間のシールドガス供給ライン内に挿入する前記電気アーク溶接機用のシールドガス流量コントローラ(100)であって、
シールドガス(200)入力およびシールドガス出力(600)と、
前記シールドガスの入力と出力との間に接続されかつ制御入力(170)を有する制御可能なガス弁(110)と、
コントローラ手段であって、溶接作業中の前記溶接機の電気溶接アーク電流(900)を表す溶接信号を受ける第1の入力(400)と、前記溶接信号の関数でありかつ望ましいシールドガス流量を表す流量設定出力を生成するガス流量設定制御(300)手段とを有するコントローラ手段と
を有し、更に、
前記シールドガス入力に接続してシールドガス入力の圧力測定値(150)を第2のコントローラ手段入力に与える入力圧力センサ(120)と、
前記シールドガス出力に接続してシールドガス出力圧力測定値を第3のコントローラ手段入力(160)に与える出力圧力センサ(140)と、
流量設定出力修正手段であって、前記シールドガスの入力および出力の圧力測定値と、前記溶接信号と、前記制御弁の特性とに基づいて前記ガス流量設定制御手段の流量設定出力を修正して前記制御可能なガス弁の前記制御入力に入力する制御信号(170)を生成し、前記溶接作業中は、前記シールドガスの入力および出力のそれぞれの実際のシールドガス入力圧力および出力圧力とは実質的に独立に、前記流量設定出力に対応する実質的に一定のシールドガス流量を前記溶接機への前記シールドガス供給ライン内に保持するようにする流量設定出力修正手段と、
を含むシールドガス流量コントローラ。
【請求項2】
前記溶接作業が行われていない時間を溶接信号(400)に基づいて判定する手段と、
前記制御可能なガス弁にアイドル制御信号を出力して、実質的に前記溶接作業を行っていない時間中は出力圧力(600)を所定のアイドル圧力レベルに保持するようにするコントローラ手段と、
を含む、請求項1記載のシールドガス流量コントローラ。
【請求項3】
前記溶接信号に基づいて決定した前記溶接作業を行っていない期間中に作動するガス漏れ検出手段を含み、前記ガス漏れ検出手段は、前記シールドガス出力圧力測定値を前記シールドガス入力圧力測定値から引いて圧力差の値を出力する減算器手段と、比較器出力を有しまた第1と第2の比較器入力に圧力差の値の出力と所定の圧力差の基準値とをそれぞれ受ける圧力差比較器とを含み、前記比較器出力は前記圧力差の値が前記所定の圧力差の基準値と実質的に同じかまたはより大きいときは漏れ信号を出す、請求項1または2記載のシールドガス流量コントローラ。
【請求項4】
溶接信号(400)に基づいて決定した前記溶接作業を行っていない期間中に作動するガス漏れ検出手段を含み、前記ガス漏れ検出手段は、請求項2記載の前記所定のアイドル圧力レベルである基準値を含み、前記測定された出力圧力レベルと前記基準値とを連続的に比較し、所定の期間、前記圧力差の値の変化が前記所定の圧力差の基準値と実質的に同じかまたは大きいときは前記比較器出力が漏れ信号を出し、これにより前記ガス流ラインの部分(600)をこのガス漏れチェック法によりチェックする、請求項1または2記載のシールドガス流量コントローラ。
【請求項5】
圧力レベル検出器であって、前記シールドガス入力圧力測定値を受け、ガス圧力が所定のシールドガス入力圧力の最小レベルと同じかまたはより低いことをシールドガス入力圧力測定値が示すときは弁閉止信号を制御可能なガス弁に与えて前記ガス弁を閉じるようにする圧力レベル検出器を更に含む、請求項1、2または3記載のシールドガス流量コントローラ。
【請求項6】
ガス流ライン(600)、(700)、および(800)内のガス漏れを検出するガス漏れ検出手段であって、溶接作業中に弁(110)の出力(140)のガス出力圧力を測定し、前記測定された出力圧力降下が所定のガス出力圧力しきい値より低い場合はガス流ライン内に漏れがあることを示すガス漏れ検出手段を更に含む、請求項1、2または3記載のシールドガス流量コントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−537824(P2010−537824A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522843(P2010−522843)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【国際出願番号】PCT/NO2008/000308
【国際公開番号】WO2009/031902
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(509208387)
【Fターム(参考)】